説明

シールドケーブルとシールド用複合素線

【課題】低周波数帯でのシールド性能が良好であり、さらに製造が簡単であり、接続信頼性が高く、端末加工性が良好であり、その上耐腐食性が良好なシールドケーブルと、かかるシールドケーブル用の複合素線を提供する。
【解決手段】導電性材料からなる層と、磁性材料からなる層とを有する多層構造の複合素線をシールド層に用いていることを特徴とするシールドケーブル。導電性材料は、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金のいずれかを用いていることを特徴とするシールドケーブル。導電性材料は、導電率が40%IACS以上であることを特徴とするシールドケーブル。磁性材料は、鉄、鉄鋼、鉄系合金、磁性ステンレス鋼、ニッケル、ニッケル系合金、鉄ニッケル合金のいずれかを用いていることを特徴とするシールドケーブル。磁性材料は、10kHzでの比透磁率μrが10以上であることを特徴とするシールドケーブル。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はシールドケーブルとシールド用複合素線に関し、特に強磁性材料からなる層と高導電材料からなる層を有する多層構造のシールド用複合素線と、シールド層にかかる複合素線を用いたシールドケーブルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、工場や車両におけるセンサや電装品の電気的接続用の配線等には、ノイズ電波(以下、原則として「ノイズ」と記す)が外部から侵入したり、ノイズを外部へ放出することを防止するため、導線(信号や電力を伝達する線、コア線)の絶縁層の外周にシールド(遮断、減衰)層を設けた電線(以下、「シールドケーブル」という)が多く使用されている。この場合特に、自動車用のシールドケーブル、例えば車載カメラ、カーナビ等の車載マルチメディア用配線に用いるシールドケーブルにおいては、シールド層として曲げを伴う配線を容易にする必要があるため、編組あるいは横巻を用いたシールドケーブルが広く使用されている。
【0003】
図1に、編組からなるシールド層を有する電線の長さ方向に直交する方向の断面(以下、単に「断面」と記す)を概念的に示す図である。図1において、10は導線(コア線)であり、20は絶縁層であり、30はシールド層であり、40は絶縁シースである。そして、シールドケーブルのシールド層30は、錫めっき銅線からなる編組よりなる。
【0004】
編組とは、例えば銅等からなる細い素線を数本横一列に並べて固定した帯状の素線束を、導線の絶縁層の外周をほぼ覆い尽くす様に、交差する2方向から複数束ずつ螺旋状に巻付けつつ、上下に編込んだ構造を指し、導線の絶縁層の外周を素線(の層)で覆うことにより、導線と外界間の電磁波の往来をカットするものである。
さらに、シールド性能を上げるために、編組を2層以上としたり、アルミ蒸着フィルムを併用することもなされている。
【0005】
図2に、シールド層として編組を2層有するシールドケーブルの断面を概念的に示す。なお、図2においては、図1と同じ構成には、同じ符号が付してある。そしてこのことは、他の図面においても同じである。図2において、シールド層30は、錫めっき銅線からなる内側の編組35と同じく外側の編組36の2層の編組が形成されている。
【0006】
近年、機器の性能への要求は、益々厳しくなってきている。シールド線もその例外ではない。即ち、例えば自動車への使用であれば、前記車載マルチメディア等が広く使用されだしているのみならず、自動車そのものについて電気自動車、ハイブリッドカー等が開発され、あるいは既に使用されつつある。このため、自動車用のシールドケーブルには、従来の自動車以上にシールド性能の向上が要求されている。
【0007】
具体的には、前記の編組や横巻あるいはさらにアルミニウムを蒸着したテープを併用するだけのシールド構造では、1MHz以下の低周波数帯でのシールド性能が不十分であり、例えばAM(MW)、LWのラジオ周波数帯のノイズが入ることがある。
このため、その対策が望まれ、図3に示す様に、通常の高導電性(以下、原則として「導電性」と記す)材料の錫めっき銅線の編組の上に強磁性(以下、原則として「磁性」と記す)材料の亜鉛めっき鉄線の編組を重ねた構造等が開示されたりしている(特許文献1)。
【0008】
図3においてに示す様に、このシールドケーブルのシールド層30は、錫めっき銅線からなる内側の編組37と、同じく錫めっき銅線からなる中間の編組38と、亜鉛めっき鉄線からなる外側の編組39の3層構造となっている。
【特許文献1】特開2004−214137号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、前記のごとき2種の編組を併用する構造では、以下の様な問題が生じかねない。
第1に、材料がひいては機械的性質が大きく異なる2種類の編組が必要となり、シールドケーブルの製造工程が複雑化し、コストアップにもつながりかねない。
第2に、接続信頼性が低下しかねない。即ち、高導電性の銅編組と導電性が低い鉄編組が存在するため、端子との接触の状況により接触抵抗が大きく変化する。
【0010】
第3に、端末加工性が悪化する。即ち、銅編組と鉄編組の硬さが大きく相違するため、端末折り返し時には形状が安定しなかったり、鉄編組のみを除去する等の措置が必要になったりする。
第4に、異種金属の接触を原因とする腐食が発生しかねない。
万一シールド層内に水分が侵入した場合には、異種金属の接触による腐食が発生し、前記の編組の組合せの場合には、亜鉛、鉄、錫、銅の順に腐食が進行していくこととなる。
【0011】
また、編組でなく横巻、テープ等の他のシールド法であっても、材料金属が異なるシールド材を使用する限り、同様の不都合が生じかねない。
【0012】
このため、低周波数帯でのシールド性能が良好であり、さらに電線の製造が簡単であり、接続信頼性が高く、端末加工性が良好であり、その上耐腐食性が良好なシールドケーブルの実現が望まれていた。
また、かかるシールドケーブルを実現するためのシールド層の開発が望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、かかる課題を解決することを目的としてなされたものであり、シールド層を導電性材料層と磁性材料層からなる2層構造の複合素線で構成し、さらに両材料の種類や横断面における面積比に工夫を凝らしたものである。
以下、各請求項の発明を説明する。
【0014】
請求項1に記載の発明は、
導電性材料からなる層と、磁性材料からなる層とを有する多層構造の複合素線をシールド層に用いていることを特徴とするシールドケーブルである。
【0015】
本請求項の発明においては、高シールド性能の発揮に好ましい導電性材料と磁性材料を併用して用いる際に、各々の材料からなる異なる種類の素線を別々に巻付けたシールド層とするのではなく、前記複合素線のみをシールド層として用いるので、従来の問題点である製造工程の複雑化によるコストアップ、端子との接触抵抗が大きく変化すること、端末折り返し時に形状が安定しないこと、異種金属の接触を原因とする腐食の発生を解消することが出来る。
【0016】
また、2層構造の細線の内周側(中心側)と外周側のいずれか一層が磁性材料からなるため、ノイズ電波の磁界を集めやすく、その分内部に磁界の変化による渦電流が発生し易くなる。このため、電界と磁界の変動が少なく、誘導電流の発生量が少ない低周波数帯の電波に対しても、シールド効果に優れる。
なお、他の一層は導電性材料からなるため、ノイズ電波の電界の変動を吸収し易く、このため高周波数帯の電波のシールド効果に優れる。
【0017】
ここに、「磁性材料」とは、シールドケーブルのシールド層に使用可能な材料であって、比較的磁性が強い材料、特に磁性が強い金属材料を指す。
また、「導電性材料」とは、シールドケーブルのシールド層に使用可能な材料であって、比較的導電性が良好な材料、特に導電性が良好な金属材料を指す。
【0018】
複合素線のサイズについては、シールドケーブルの用途や導体の横断面積、対象とするノイズの種類、要求されるシールド性能等に応じて変動するが、直径が0.36mm以下の線、およびそれ以下の断面積の線を用いることが好ましい。
また、「多層構造」には、高シールド化に必要な導電性材料からなる内層と磁性材料からなる外層の2層構造ばかりでなく、さらに外周に防触用の錫めっきを施した3層であるような構造をも含まれる。
また、シールドケーブルは、断面が円形に限らず、内部の導体は多芯線、撚り線であっても良い。
【0019】
請求項2に記載の発明は、前記のシールドケーブルであって、
前記導電性材料は、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金のいずれかを用いていることを特徴とするシールドケーブルである。
【0020】
本請求項の発明においては、導電性材料として安価かつ工作がし易く電線等に広く使用されている金属材料を使用しているため、シールドケーブルの製造が容易となり、また低コストで製造可能となる。
なお、銅を外層に使用すれば、万が一の事故で水分が浸入してきても、磁性材料である内層の鉄系金属の防食にも寄与することとなる。
また、銅を内層に使用すれば、外層にめっきで磁性材料層を形成することが容易になる。
【0021】
請求項3に記載の発明は、前記のシールドケーブルであって、
前記導電性材料は、導電率が40%IACS以上であることを特徴とするシールドケーブルである。
【0022】
本請求項の発明においては、導電性材料として比較的高導電率の材料を使用しているため、ノイズの電界の変動をより吸収し易くなり、ひいては優れたシールド効果を発揮することとなる。
なお、導電率は純アルミニウム相当のIACS59%(以下、原則として「IACS」は、省略する)以上が好ましく、純銅相当の100%以上がさらに好ましい。
【0023】
請求項4に記載の発明は、前記のシールドケーブルであって、
前記磁性材料は、鉄、鉄鋼、鉄系合金、磁性ステンレス鋼、ニッケル、ニッケル系合金、鉄ニッケル合金のいずれかを用いていることを特徴とするシールドケーブルである。
【0024】
本請求項の発明においては、磁性材料として安価かつ工作がし易く産業界で広く使用されている金属材料を使用しているため、シールドケーブルの製造が容易となり、また低コストで製造可能となる。
なお、内層を硬い鉄系等の材料とすれば、外層の柔らかい銅やアルミニウム系の金属を伸線ダイス等を使用した押圧により、所定厚さの多層構造にすることが容易になる。
【0025】
請求項5に記載の発明は、前記のシールドケーブルであって、
前記磁性材料は、10kHzでの比透磁率μrが10以上であることを特徴とするシールドケーブルである。
【0026】
本請求項の発明においては、10kHzでの比透磁率μr(以下、原則として「μr」は略する)が10以上である磁性材料を使用しているので、ノイズ電波の磁界を吸収し易く、その結果低周波数帯の電波のシールド効果が優れたシールドケーブルとなる。
なお、比透磁率はシールド対象のノイズ電波に近い10kHzで(以下、原則として「10kHzで」は、省略する)100以上が好ましく、用途によっては800以上が好ましい。
【0027】
請求項6に記載の発明は、前記のシールドケーブルであって、
前記複合素線の横断面における前記磁性材料からなる層の複合素線全体に対する面積の比率は、5%以上80%以下であることを特徴とするシールドケーブルである。
【0028】
本請求項の発明においては、磁性材料と導電性材料の横断面における面積比率が適切であるため、複合素線の透磁率と導電率も適切となり、広い周波数帯のノイズ電波のシールド効果にすぐれたシールドケーブルとなる。
【0029】
請求項7に記載の発明は、前記のシールドケーブルであって、
前記複合素線は、編組、横巻、箔状に加工した上でテープ巻きまたは縦添えとする、のいずれかの態様でシールド層として使用されていることを特徴とするシールドケーブルである。
【0030】
本請求項の発明は、複合素線をケーブルのシールド層として使用する好ましい態様として特定したものである。これらの各使用態様は、シールドすべきケーブルの用途等に応じて、最適のものが採用されることとなる。
【0031】
請求項8に記載の発明は、前記のシールドケーブルであって、
前記シールド層が、前記多層構造の複合素線を用いた層を複数層有することを特徴とするシールドケーブルである。
【0032】
本請求項の発明においては、シールド層が多層構造の複合素線を用いた層を複数層有するためシールド効果が一層優れたシールドケーブルとなる。
【0033】
請求項9に記載の発明は、
導電率が40%IACS以上である導電性材料からなる層と、10kHzでの比透磁率μrが10以上である磁性材料からなる層とを有する多層構造の複合素線をシールド層に用いていることを特徴とするシールド用複合素線である。
【0034】
本請求項の発明は、最も好ましいシールドケーブルを、その不可欠の構成要素であるシールド用複合素線からみたものである。
【発明の効果】
【0035】
本発明においては、高シールド性能の発揮に好ましい導電性材料と磁性材料を併用して用いる際に、各々の材料からなる異なる種類の素線を別々に巻付けたシールド層とするのではなく、前記複合素線のみをシールド層として用いるので、従来の問題点である製造工程の複雑化によるコストアップ、端子との接触抵抗が大きく変化すること、端末折り返し時に形状が安定しないこと、異種金属の接触を原因とする腐食の発生を解消することが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
以下、本発明をその最良の実施の形態に基づいて説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではない。本発明と同一および均等の範囲内において、以下の実施の形態に対して種々の変更を加えることが可能である。
【0037】
(素線の構造)
本実施の形態の編組の複合素線の構造を、図4を参照しつつ説明する。図4は、複合素線の断面を概念的に示す図である。図4において50は複合素線を指し、51は内層であり、52は外層である。図4に示す様に、複合素線50は、導電性が良好な材料である純銅(Cu)からなる内層51の外周に、磁性体材料である鉄(Fe)からなる外層52が電気めっきにより同心円状に形成されている。
なお、鉄を内層とし、外層として銅やアルミニウムを圧着させてもよい。
【0038】
(複合素線の製造方法)
本実施の形態の編組の複合素線を製造する方法について説明する。
第1の方法は、2層構造の複合素線を電気めっきを使用して製造するものである。
製造例を具体的に挙げて説明する。直径1mmの銅線の外表面に電気めっきでニッケルを所定の厚さ析出させ、さらに直径が0.1mmとなるまで伸線して製造した。そして、内層11が導電率が102%IACSの銅からなり、外層15が10KHzにおける比透磁率μrが56.2のニッケルからなり、磁性材料の断面積に占める比率が27%の複合素線を得た。
【0039】
第2の方法は、伸線ダイスを使用するものである。
製造例を具体的に挙げて説明する。直径4mmの鉄線の外表面に所定の厚さの銅テープを巻付け、伸線ダイスで接合し、さらに直径が0.18mmとなるまで伸線した。そして、内層11が比透磁率が115.7の鉄からなり、外層15が導電率が102%の銅からなり、磁性材料の断面積に占める比率が60%の複合素線を得た。
【0040】
第3の方法は、押出法を使用するものである。
製造例を具体的に挙げて説明する。直径2mmのSUS430材製線の外表面に所定の厚さのAl100層をコンフォーム押出により複合化させ、さらに直径が0.18mmとなるまで伸線した。そして、内層11が比透磁率が73.7のSUS430からなり、外層15が導電率が59%のアルミ合金からなり、磁性材料の断面積に占める比率が40%の複合素線を得た。
【0041】
(シールドケーブルの構造)
本発明の複合素線を採用したシールドケーブルの構造を、図面を参照しつつ説明する。
図5は、前記複合素線50を使用して製造された素線束が絶縁層20の外周に巻付けられつつ編込まれて1層(1重)の編組からなるシールド層30を形成している様子を概念的に示す図である。図5の左側の図はシールドケーブルの断面を示し、右側の図は絶縁層20の外周にシールド層30として編組が形成されている様子を示す。
【0042】
図6は、3層(3重)の編組からなるシールド層30が形成されたシールドケーブルの断面を概念的に示す図である。
このシールドケーブルのシールド層30は、内側の編組31も中間の編組32も外側の編組33の何れも、図4に示す内層51が導電性材料であり外層52が磁性材料である複合素線50からなる編組からなっている。
【0043】
(性能試験)
表1から表4に、本発明の実施例のシールドケーブル、磁性材料層と導電性材料層を有する複合素線を使用した参考例としてのシールドケーブル、従来技術のシールドケーブルの性能試験結果を示す。
表1、表2および表3は実施例であり、表4は従来例である。
また、表中の比透磁率は10KHzのものであり、導電率は%IACSである。
また、表中の低周波数帯とは100KHzでの試験結果であり、高周波数帯とは10MHzでの試験結果である。
【0044】
また、性能欄における◎は自動車用のシールドケーブルとして非常に優れていることを示し、○は合格を示し、△は合格ではあるが多少劣ることを示し、×は不合格であることを示す。
また、材料欄において、スペースの都合でアルミニウムをアルミと記載し、ニッケルを一部Niと記載している。
また、構造欄の内層、外層の磁性、導電は各々磁性材料、導電性材料を指す。
【0045】
なお、製造方法については、実施例であるNo1、2、6、7、11、12は、前記電気めっき法で製造した。
実施例であるNo3、8および9は、前記伸線ダイス法で製造した。
実施例であるNo4、5および10は、前記押出法で製造した。
【0046】
【表1】

【0047】
【表2】

【0048】
【表3】

【0049】
【表4】

【0050】
表3において、No9は磁性材料の面積比率が30%あるが比透磁率が5.0と小さく、No11は比透磁率は56.2と大きいが面積比率が4%と少ないため、共に低周波数帯でのシールド効果が多少低いことが判る。
No10について、高周波数帯におけるシールド効果が多少低いのは、導電性材料の導電率が小さいためと思われる。
また、No12について、高周波数帯におけるシールド効果が多少低いのは、素線の直径が小さい上に導電材料の面積比率が小さいことが一因と思われる。
また、表4において、従来例のNo13とNo14は何れも低周波数帯でのシールド効果が不十分であり、導電層のシールドと磁性層のシールドを組み合わせたNo15は加工性等が不十分であることが判る。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】編組のシールド層を有するシールドケーブルの断面の概念図である。
【図2】シールド層が2層の編組からなるシールドケーブルの断面を概念的に示す図である。
【図3】通常の錫めっき銅線の編組の上に亜鉛めっき鉄線の編組を重ねたシールド線の構造を概念的に示す図である。
【図4】本発明の実施の形態の素線の構造を概念的に示す図である。
【図5】本発明の実施の形態の編組を1層(1重)有するシールドケーブルの断面を概念的に示す図である。
【図6】本発明の実施の形態の編組を3層(3重)有するシールドケーブルの断面を概念的に示す図である。
【符号の説明】
【0052】
10 導線
20 絶縁層
30 シールド層
35 内側の編組
36 外側の編組
37 内側の編組
38 中間の編組
39 外側の編組
40 絶縁シース
50 複合素線
51 内層
52 外層


【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性材料からなる層と、磁性材料からなる層とを有する多層構造の複合素線をシールド層に用いていることを特徴とするシールドケーブル。
【請求項2】
前記導電性材料は、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金のいずれかを用いていることを特徴とする請求項1に記載のシールドケーブル。
【請求項3】
前記導電性材料は、導電率が40%IACS以上であることを特徴とする請求項2に記載のシールドケーブル。
【請求項4】
前記磁性材料は、鉄、鉄鋼、鉄系合金、磁性ステンレス鋼、ニッケル、ニッケル系合金、鉄ニッケル合金のいずれかを用いていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のシールドケーブル。
【請求項5】
前記磁性材料は、10kHzでの比透磁率μrが10以上であることを特徴とする請求項4に記載のシールドケーブル。
【請求項6】
前記複合素線の横断面における前記磁性材料からなる層の複合素線全体に対する面積の比率は、5%以上80%以下であることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のシールドケーブル。
【請求項7】
前記複合素線は、編組、横巻、箔状に加工した上でテープ巻きまたは縦添えとする、のいずれかの態様でシールド層として使用されていることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれかに記載のシールドケーブル。
【請求項8】
前記シールド層が、前記多層構造の複合素線を用いた層を複数層有することを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれかに記載のシールドケーブル。
【請求項9】
導電率が40%IACS以上である導電性材料からなる層と、10kHzでの比透磁率μrが10以上である磁性材料からなる層とを有する多層構造の複合素線をシールド層に用いていることを特徴とするシールド用複合素線。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−59150(P2007−59150A)
【公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−241603(P2005−241603)
【出願日】平成17年8月23日(2005.8.23)
【出願人】(395011665)株式会社オートネットワーク技術研究所 (2,668)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】