説明

シールドトンネルにおけるセグメント形状保持装置

【課題】 セグメント形状を広い範囲で保持できるとともに、保形ジャッキを安定して前進させることができるシールドトンネルにおけるセグメント形状保持装置を提供する。
【解決手段】 シールド掘進機1と床版2との間に、セグメント形状保形装置3が設けられている。セグメント形状保形装置3は、先行保形ジャッキ群6および後行保形ジャッキ群7を備えている。シールド掘進機1の前進にあたり、先行保形ジャッキ群6における先行保形ジャッキ61〜65が伸長してセグメント形状保形を行っている際に、後行保形ジャッキ群7における後行保形ジャッキ71〜75が収縮してセグメント形状保形を解除し、後行保形ジャッキ群7が前進する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シールドトンネルにおけるセグメント形状保持装置に係り、特に、シールドトンネルを施工中におけるシールド掘進機の後方位置で施工されたセグメントの形状を保持するシールドトンネルにおけるセグメント形状保持装置に関する。
【背景技術】
【0002】
シールドトンネルを施工する際においては、掘削したトンネルの内面側に沿ってセグメントを組み立てながら掘進が行われる。また、トンネルの内側面に組み立てられたセグメントと地山との間には裏込め注入が行われ、周辺地盤の変状防止やトンネルの止水性向上が図られている。
【0003】
さらに、裏込め注入が行われる際には、裏込め注入の圧力やセグメントの自重に起因するセグメントの変形を防止することが求められる。このため、シールド掘進機の後方における既設セグメントを内側から押圧することにより、セグメント形状を保持するセグメント形状保持装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。このセグメント形状保持装置は、上側伸縮部材および下側伸縮部材を備えており、これらの上側伸縮部材および下側伸縮部材によってセグメント押圧部材に押圧力を付与し、セグメント押圧部材がセグメントを押圧することによってセグメント形状を保持するようにしている。
【0004】
また、この種のセグメント形状保持装置を備えるシールド掘進機として、複数のセグメント押圧機構を備えるシールド掘進機も知られている(たとえば、特許文献2参照)。このシールド掘進機は、複数のセグメント押圧機構を備えており、このセグメント押圧機構に対して、セグメントの組み立てに用いられるエレクタが取り付けられている。ここで、エレクタによるセグメントの組み立ての際には、エレクタを保持するセグメント押圧機構を順次移動させるとともに、エレクタを解放しているセグメント押圧機構を順次前進させる。こうして、エレクタによるセグメントの組み立てながらセグメント押圧機構を前進させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平6−73998号公報
【特許文献2】特開平4−153498号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで、上記特許文献1に開示されたセグメント形状保持装置では、シールド掘進機による掘進が進行すると、掘進の進行に伴ってセグメント形状保持装置も前進させることとなる。ところが、上記特許文献1に開示されたセグメント形状保持装置においては、セグメント押圧部材によってセグメント形状を保持している。このため、セグメント形状保持装置を前進させるためには、セグメント形状保持をいったん解除しなければならないので、安定して前進させることができない可能性があるという問題があった。
【0007】
また、上記特許文献2に開示されたシールド掘進機におけるセグメント押圧機構は、エレクタを保持しながら、エレクタによるセグメントの組み立て作業を行っている間にセグメント押圧機構を前進させることを目的としている。このため、より多くのセグメント押圧機構を設けてセグメント形状を広い範囲で保持しようとするものではなかった。また、セグメント押圧機構を前進させる際には、伸長したセグメント押圧機構で既設セグメントを押圧しながら前進させるようにしている。このため、セグメント押圧機構(保形ジャッキ)を安定して前進させることができない可能性があるという問題があった。
【0008】
そこで、本発明の課題は、セグメント形状を広い範囲で保持できるとともに、保形ジャッキを安定して前進させることができるシールドトンネルにおけるセグメント形状保持装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決した本発明に係るシールドトンネルにおけるセグメント形状保持装置は、シールドトンネルを施工するシールド掘進機に追従移動する架台を備え、架台には、シールドトンネルの掘進方向に沿って延在するレールが搭載されており、シールドトンネルの径方向に伸縮可能であり、伸長時にシールドトンネルに施工されたセグメントの形状を保持する先行保形ジャッキを複数有する先行保形ジャッキ群と、先行保形ジャッキに対して、シールドトンネルの掘進方向に離間して配置され、シールドトンネルの径方向に伸縮可能であり、伸長時にシールドトンネルに施工されたセグメントの形状を保持する後行保形ジャッキを複数有する後行保形ジャッキ群と、を備え、先行保形ジャッキ群および後行保形ジャッキ群は、レールに沿って前進移動可能とされており、先行保形ジャッキ群と後行保形ジャッキ群とをトンネルの掘進方向に対して相対的に移動させる保形ジャッキ群移動手段を備えることを特徴とする。
【0010】
本発明に係るセグメント形状保持装置においては、先行保形ジャッキを複数有する先行保形ジャッキ群と、後行保形ジャッキを複数有する後行保形ジャッキ群と、を備えている。このため、セグメント形状を保持するにあたって、広い範囲でセグメント形状を保持することができる。また、先行保形ジャッキ群および後行保形ジャッキ群は、レールに沿って前進移動可能とされている。このため、保形ジャッキ群を前進させる際に、保形ジャッキを安定して前進させることができる。
【0011】
ここで、架台は、単数または前記シールドトンネルの掘進方向に並べられた複数の台車によって支持されている態様とすることができる。
【0012】
このように、架台は、台車によって支持されていることにより、シールド掘進機に対する追従を容易に行うことができる。また、架台は、シールドトンネルの掘進方向に並べられた複数の台車によって支持されていることにより、シールドトンネルに凹凸が生じている場合でも、台車同士が互いに傾くことにより、レールを直線状に維持しやすくすることができる。
【0013】
また、先行保形ジャッキ群における複数の先行保形ジャッキおよび後行保形ジャッキ群における複数の後行保形ジャッキのうちの少なくとも一方が、共通の油圧回路を通じて同調して伸縮させられる態様とすることができる。
【0014】
このように、先行保形ジャッキ群または後行保形ジャッキ群が共通の油圧回路を通じて同調して伸縮させられることにより、先行保形ジャッキ群または後行保形ジャッキ群の伸縮を容易に同調させることができる。
【0015】
さらに、シールド掘進機の後方位置に構造物が構築されており、シールド掘進機と構造物との間に設けられる態様とすることができる。
【0016】
シールドトンネルでは、構造物が構築された後は、構築された構造物によってセグメント形状保持が行われる。本発明では、シールド掘進機と構造物との間にセグメント形状保持装置を配置することにより、いまだ構造物によってセグメント形状保持が行われないシールド掘進機と構造物との間におけるセグメント形状の保持を好適に図ることができる。
【0017】
また、複数の先行保形ジャッキおよび複数の後行保形ジャッキは、それぞれ接続部材によって固定的に接続されており、保形ジャッキ群移動手段は、先行保形ジャッキ群の一部と後行保形ジャッキの一部とをシールドトンネルの掘進方向に対して相対的に移動させることにより、先行保形ジャッキ群と後行保形ジャッキとを全体的に移動させる態様とすることができる。
【0018】
本発明では、先行保形ジャッキ群の一部と後行保形ジャッキの一部とをシールドトンネルの掘進方向に対して相対的に移動させることにより、先行保形ジャッキ群と後行保形ジャッキとを全体的に移動させるのみによって、保形ジャッキ群を全体的に前進させることができる。
【0019】
また、複数の先行保形ジャッキと複数の後行保形ジャッキとが、交互に配置されている態様とすることができる。
【0020】
このように、複数の先行保形ジャッキと複数の後行保形ジャッキとが、交互に配置されていることにより、複数の既設セグメントを常に先行保形ジャッキまたは後行保形ジャッキによって押圧することができる。したがって、安定してセグメント形状の保持を行うことができる。
【0021】
さらに、レールは、複数の先行保形ジャッキおよび複数の後行保形ジャッキを案内する共通レールである態様とすることができる。
【0022】
このように、先行保形ジャッキおよび後行保形ジャッキの双方を案内する共通レールを設けることにより、それぞれのジャッキに対するレールを設ける必要がなくなる。したがって、その分省スペース化を図ることができる。
【0023】
また、レールは、複数の先行保形ジャッキを案内する第1レールと、複数の後行保形ジャッキを案内する第2レールとを備えており、複数の先行保形ジャッキおよび第1レールと、複数の後行保形ジャッキおよび第2レールとは、シールドトンネルの掘進方向から見てずれた位置に配置されている態様とすることができる。
【0024】
このように、複数の先行保形ジャッキおよび第1レールと、複数の後行保形ジャッキおよび第2レールとは、シールドトンネルの掘進方向から見てずれた位置に配置されていることより、各保形ジャッキ群の移動の自由度を高めることができる。特に、各保形ジャッキ群における保形ジャッキ同士の幅をセグメントの幅と対応させてたとえば同一とすることにより、セグメントを常に保形ジャッキで押圧した状態で保形ジャッキ群を前進させることができる。
【0025】
さらに、シールドトンネルの掘進方向に交差する方向に対して先行保形ジャッキおよび後行保形ジャッキをスライドさせるスライド機構が設けられている態様とすることができる。
【0026】
このように、保形ジャッキをスライドさせるスライド機構が設けられていることにより、シールドトンネルの幅に対する保形ジャッキの位置の調整を容易に行うことができる。また、保形ジャッキによってセグメントを押圧するにあたって、一方にのみジャッキを設ければ足りることになる。
【発明の効果】
【0027】
本発明に係るシールドトンネルにおけるセグメント形状保持装置によれば、セグメント形状を広い範囲で保持できるとともに、保形ジャッキを安定して前進させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の実施形態に係るシールドトンネルにおけるセグメント形状保持装置を備えるシールド掘進機の側断面図である。
【図2】セグメント形状保持装置の平面図である。
【図3】セグメント形状保持装置の正面図である。
【図4】セグメント形状保持装置における台車の模式的側面図である。
【図5】セグメント形状保持装置における油圧回路の回路図である。
【図6】セグメント形状保持装置の動作工程を示す工程図である。
【図7】図6に続く工程図である。
【図8】凹凸のある面に載置された台車を模式的に示す側面図である。
【図9】セグメント形状保持装置の他の例の正面図である。
【図10】セグメント形状保持装置の動作を説明する説明図である。
【図11】セグメント形状保持装置のさらに他の例の正面図である。
【図12】セグメント形状保持装置のさらに他の例の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、各実施形態において、同一の機能を有する部分については同一の符号を付し、重複する説明は省略することがある。
【0030】
図1は、本発明の実施形態に係るシールドトンネルにおけるセグメント形状保持装置を備えるシールド掘進機の側断面図、図2は、セグメント形状保持装置の平面図、図3は、セグメント形状保持装置の正面図である。なお、以下の説明においては、主に、トンネルの切羽側を前方、坑口側を後方として説明を進める。また、組み立て後の既設セグメントを単にセグメントといい、組み立て前のセグメントをセグメントピースと表す。
【0031】
図1に示すように、シールド掘進機1は、シールドトンネルTを施工するものであり、外筒部11を備えている。外筒部11の前方には、カッタヘッド12が取り付けられている。カッタヘッド12には、複数のカッタが取り付けられており、カッタヘッド12を回転させることにより、カッタヘッド12に取り付けられたカッタが地山を掘削する。
【0032】
カッタヘッド12の後方には、チャンバ13が形成されており、カッタヘッド12で掘削した土砂はチャンバ13に集められる。チャンバ13には、スクリューコンベア14の先端部が配設されている。スクリューコンベア14を作動させることにより、チャンバ13に集められた土砂が後方に搬送される。
【0033】
さらに、チャンバ13の後方には、エレクタ15が取り付けられている。エレクタ15は、セグメントピースPを把持する把持爪を備えており、エレクタ15まで搬送されてきたセグメントピースPを把持し、所定の位置に取り付ける。また、外筒部11の後部には、シールドジャッキ16が取り付けられている。
【0034】
シールドジャッキ16を伸長させることにより、シールドトンネルTの外壁として設けられたセグメントSに反力をとってシールド掘進機1を前進させる。さらに、外筒部11の後端部には、テールシール17が設けられている。外筒部11の後端部からは、セグメントSと地山との間に裏込め注入材が注入される。テールシール17は、固化前の裏込め注入材のシールド掘進機1への浸入を阻止している。
【0035】
シールド掘進機1における後方には、構造物である床版2が設けられている。床版2は、ボックスカルバート21を複数並設することによって構築されている。床版2上には、掘進機後続台車22が設けられている。床版2上には、シールドトンネルTの掘進方向に延在する図示しないレールが敷設されており、掘進機後続台車22は、このレール上を走行可能とされている。掘進機後続台車22は、シールド掘進機1の前進に追従して前進する。
【0036】
シールド掘進機1と床版2との間には、セグメント形状保持装置3が設けられている。セグメント形状保持装置3は、台車4を備えている。台車4は、シールド掘進機1に連結され、シールド掘進機1に追従移動する。また、図4に模式的に示すように、台車4は、複数の車両41〜45を備えて構成されている。複数の車両41〜45は、前後に隣接する車両同士と互いに連結されており、先頭車両41の移動に伴って後続の車両42〜45も移動する。ただし、台車は1台であってもよい。
【0037】
台車4における複数の車両41〜45のそれぞれの上方位置には、台車4に支持される架台が設けられており、この架台上にレール5が敷設されている。レール5は、シールドトンネルTの掘進方向に沿って延在している。レール5の上には、先行保形ジャッキ群6および後行保形ジャッキ群7が設けられている。なお、レール5としては、通常のレールのほか、I型鋼、H型鋼、あるいはその他の異形断面型鋼などを用いることもできる。
【0038】
また、図2にも示すように、先行保形ジャッキ群6および後行保形ジャッキ群7は、いずれも5本の保形ジャッキ61〜65,71〜75を備えている。図2では、先行保形ジャッキ群6における先行保形ジャッキ61〜65はすべて収縮し、後行保形ジャッキ群7における後行保形ジャッキ71〜75はすべて伸長した状態を示している。また、先行保形ジャッキ61〜65が伸長した状態となることもあり、後行保形ジャッキ71〜75が収縮した状態となることもある。
【0039】
先行保形ジャッキ群6の先行保形ジャッキ61〜65と、後行保形ジャッキ群7の後行保形ジャッキ71〜75とは、交互に配置されている。具体的には、切羽側から、先行第1保形ジャッキ61、後行第1保形ジャッキ71、先行第2保形ジャッキ62、後行第2保形ジャッキ72、先行第3保形ジャッキ63、後行第3保形ジャッキ73、先行第4保形ジャッキ64、後行第4保形ジャッキ74、先行第5保形ジャッキ65、後行第5保形ジャッキ75の順で配置されている。
【0040】
保形ジャッキ群6,7における保形ジャッキ61〜65,71〜75は、いずれもレール5に沿って前後進可能とされている。また、先行保形ジャッキ群6における先行保形ジャッキ61〜65は、互いに本発明の接続部材である先行ジャッキ連結ロッド66によって一体的に接続されている同様に、後行保形ジャッキ群7における後行保形ジャッキ71〜75は、互いに後行ジャッキ連結ロッド76によって一体的に接続されている。
【0041】
さらに、先行第4保形ジャッキ64と後行第3保形ジャッキ73との間には、保形ジャッキ群移動手段および保形ジャッキ移動手段であるジャッキ群移動シリンダ67が設けられている。ジャッキ群移動シリンダ67は、伸縮することによって、先行第4保形ジャッキ64と後行第3保形ジャッキ73とを相対的に移動させる。このため、たとえば先行第4保形ジャッキ64がセグメント形状保持を行っている場合には、後行第3保形ジャッキ73が移動し、たとえば後行第3保形ジャッキ73がセグメント形状保持を行っている場合には、先行第4保形ジャッキ64が移動する。さらに、先行保形ジャッキ61〜65は、先行ジャッキ連結ロッド66によって接続され、後行保形ジャッキ71〜75は、後行ジャッキ連結ロッド76によって接続されている。このため、先行第4保形ジャッキ64と後行第3保形ジャッキ73とを相対的に移動させることにより、先行保形ジャッキ群6と後行保形ジャッキ群7とが相対的に移動させられる。
【0042】
保形ジャッキ61〜65,71〜75は、いずれも同様の構成を有している。この構成について先行第1保形ジャッキ61を例にとって説明する。図2および図3に示すように、先行第1保形ジャッキ61は、シリンダ61Aおよび2本のロッド61B,61Cを備えており、シリンダ61Aがレール5に噛み合わされて、先行第1保形ジャッキ61が移動可能とされている。
【0043】
また、先行第1保形ジャッキ61におけるロッド61B,61Cは、シリンダ61Aに対して、レール5の延在方向に交差する方向、さらにいえば直交する方向に対して伸縮可能とされている。このうち、右ロッド61Bは、切羽側から見て右側に伸長可能とされ、左ロッド61Cは、切羽側から見て左側に伸長可能とされている。
【0044】
左右ロッド61B,61Cの先端には、それぞれ保持部材61D,61Eが取り付けられている。右ロッド61Bと右保持部材61Dとの間には関節が設けられており、右保持部材61Dは右ロッド61Bに対して揺動可能とされている。同様に、左ロッド61Cと左保持部材61Eとの間にも関節が設けられている。このため、左右保持部材61D,61Eの表面を、それぞれトンネル面に沿って配置することができるようになっている。
【0045】
これらの左右ロッド61B,61Cが伸長した状態のときに、先行第1保形ジャッキ61によってセグメント形状保持が行われる。また、左右ロッド61B,61Cが収縮した状態のときには、先行第1保形ジャッキ61によるセグメント形状保持が解除され、先行第1保形ジャッキ61のレール5に沿った移動が可能とされる。
【0046】
また、図5に示すように、先行保形ジャッキ群6における先行保形ジャッキ61〜65は、共通の油圧回路を通じて同調して伸縮させることもできる構成となっている。このため、先行保形ジャッキ61〜65の伸縮は、いずれも同一の態様で行われる。同様に、後行保形ジャッキ群7における後行保形ジャッキ71〜75も、共通の油圧回路を通じて同調して伸縮させられる構成となっている。他方、ジャッキ群移動シリンダ67は、保形ジャッキ61〜65,71〜75に対して独立して作動する構成となっている。
【0047】
さらに、台車4には、図3に示すセグメント搬送装置8が設けられている。セグメント搬送装置8は、複数のプッシュアップ装置81を備えており、これらの複数のプッシュアップ装置81は、シールドトンネルTの掘進方向に沿って並設されている。このプッシュアップ装置81を順次上下動させることにより、最後方に位置するプッシュアップ装置81から最前方に位置するプッシュアップ装置81までセグメントピースPを搬送する。
【0048】
また、図1に示すように、掘進機後続台車22とシールド掘進機1との間には、セグメント移載装置9が設けられている。セグメント移載装置9は、移動案内部材91およびセグメント把持部材92を備えている。移動案内部材91は、掘進機後続台車22とシールド掘進機1との間に掛け渡されており、セグメント把持部材92を移動させる。セグメント把持部材92は、掘進機後続台車22に搭載されたセグメントピースPを把持可能とされており、移動案内部材91に沿って移動し、掘進機後続台車22に搭載されたセグメントピースPをセグメント搬送装置8に移載する。
【0049】
さらに、セグメント把持部材92は、掘進機後続台車22とセグメント搬送装置8における最後方のプッシュアップ装置81との間を移動可能とされている。このセグメント移載装置9によって、掘進機後続台車22に搭載されたセグメントピースPをセグメント搬送装置8に移載可能とされている。
【0050】
次に、本実施形態に係るセグメント形状保持装置の動作について説明する。セグメント形状保持装置3は、シールド掘進機1による掘進の際に、シールド掘進機1と床版2との間におけるセグメント形状保持を行っている。シールド掘進機1は、シールドトンネルの掘進を進めると同時に、セグメントSの組み立てを行う。
【0051】
セグメントの組み立てを行うにあたり、図示しない立坑から搬入されたセグメントピースが図示しないセグメント搬送台車によって掘進機後続台車22まで搬送される。このセグメントピースPは、セグメント移載装置9によって床版2の先端部に配置されている掘進機後続台車22からセグメント搬送装置8に移載される。その後、セグメントは、セグメント搬送装置8によって、シールド掘進機1に設けられたエレクタ15の可動範囲まで搬送される。
【0052】
セグメントピースPがエレクタ15の可動範囲まで搬送されたら、図6(a)に示すように、エレクタ15によってセグメントピースPを所定の位置に組み立てる。このとき、保形ジャッキ群6,7における保形ジャッキ61〜65,71〜75はすべて伸長しており、セグメント形状保持を行っている。また、ジャッキ群移動シリンダ67は収縮した状態となっている。
【0053】
エレクタ15によるセグメントピースPの所定の位置への組み立てが完了すると、後行保形ジャッキ群7における後行保形ジャッキ71〜75を収縮させて、後行保形ジャッキ群によるセグメント形状保持を解除する。このとき、先行保形ジャッキ群6における先行保形ジャッキ61〜65では、先行保形ジャッキ61〜65を伸長させた状態としておき、セグメント形状保持を維持している。
【0054】
続いて、ジャッキ群移動シリンダ67を伸長させ、先行保形ジャッキ群6に対して後行保形ジャッキ群7を相対的に移動させる。このとき、先行保形ジャッキ群6における先行保形ジャッキ61〜65が伸長してセグメント形状保持を行っている。このため、先行保形ジャッキ群6は、シールドトンネルに対して相対的に停止していることから、後行保形ジャッキ群7が前進移動することとなる。
【0055】
こうして、ジャッキ群移動シリンダ67を完全に伸長させたら、図6(b)に示すように、各保形ジャッキ61〜65,71〜75が略等間隔に配置される。その後、シールド掘進機1におけるカッタヘッド12を回転させながら、シールド掘進機1を、図6(c)に示す位置まで前進させる。
【0056】
このシールド掘進機1の前進に伴って、台車4、レール5、保形ジャッキ群6,7なども前進させる。さらに、シールド掘進機1の前進に伴って広がった床版2とセグメント形状保持装置3との間において、ボックスカルバートを組み立てる。このボックスカルバートの組み立てによって床版2を延長する。
【0057】
その後、ボックスカルバートの組み立てが完了したら、先行保形ジャッキ群6における先行保形ジャッキ61〜65を収縮させて、先行保形ジャッキ群6によるセグメント形状保持を解除する。このとき、後行保形ジャッキ群7における後行保形ジャッキ71〜75では、後行保形ジャッキ71〜75を伸長させた状態としておき、セグメント形状保持を維持している。
【0058】
続いて、図7(a)に示すように、ジャッキ群移動シリンダ67を収縮させ、先行保形ジャッキ群6に対して後行保形ジャッキ群7を相対的に移動させる。このとき、後行保形ジャッキ群7における後行保形ジャッキ71〜75が伸長してセグメント形状保持を行っている。このため、後行保形ジャッキ群7は、シールドトンネルに対して相対的に停止していることから、先行保形ジャッキ群6が前進移動することとなる。
【0059】
こうして、ジャッキ群移動シリンダ67を完全に収縮させたら、先行保形ジャッキ61〜65が、後行保形ジャッキ71〜75に対してそれぞれ近接した位置に配置される。その後、図7(b)に示すように、セグメント移載装置9によって、セグメントピースPを掘進機後続台車22からセグメント搬送装置に移載する。それから、図6(a)に示す行程に戻り、セグメントピースPを所定の位置に組み立てる。以後、同様の行程を繰り返すことにより、シールドトンネルの施工を行う。
【0060】
このように、本実施形態に係るセグメント形状保持装置3を備えるシールド掘進機1においては、シールド掘進機1による掘進の際に、セグメント形状保持装置3によってセグメント形状保持を行っている。ここで、セグメント形状保持装置3においては、セグメント形状保持を行っている。このため、シールドトンネルに側方土圧がかかった場合などにおいても、セグメント形状保持を好適に行うことができる。
【0061】
また、セグメント形状保持装置3は、複数の先行保形ジャッキ61〜65を備える先行保形ジャッキ群6および複数の後行保形ジャッキ71〜75を備える後行保形ジャッキ群7を有している。このため、セグメント形状を保持するにあたって、広い範囲でセグメント形状を保持することができる。
【0062】
さらに、先行保形ジャッキ群6および後行保形ジャッキ群7は、いずれもシールドトンネルの掘進方向に沿って敷設されているレール5に沿って前進移動可能とされている。このため、保形ジャッキ群6,7をシールドトンネルの掘進方向に前進させる際に、安定して前進させることができる。
【0063】
また、複数の先行保形ジャッキ61〜65および複数の後行保形ジャッキ71〜75が交互に配置されている。このため、先行保形ジャッキ61〜65を前進させる際には、後行保形ジャッキ71〜75によってセグメント形状保持を行い、後行保形ジャッキ71〜75を前進させる際には、先行保形ジャッキ61〜65によってセグメント形状保持を行うことができる。このため、常にセグメントSを保形ジャッキによって押圧することができる。したがって、安定してセグメント形状の保持を行うことができる。
【0064】
さらに、レール5は、シールドトンネルの掘進方向に並べられた台車4における複数の車両41,42,43…上に敷設されている。このため、たとえば図8に示すように、シールドトンネルに凹凸が生じている場合でも、隣接する車両42,43同士が傾斜することによってシールドトンネルの凹凸を吸収することができるので、レール5を水平に維持することができる。
【0065】
また、先行保形ジャッキ群6における先行保形ジャッキ61〜65は、いずれも共通の油圧回路を通じて同調して伸縮させられる。同様に、後行保形ジャッキ群7における後行保形ジャッキ71〜75は、いずれも共通の油圧回路を通じて同調して伸縮させられる。このため、複数の先行保形ジャッキ61〜65、および複数の後行保形ジャッキ71〜75の伸縮を容易に同調させることができる。
【0066】
また、セグメント形状保持装置3は、シールド掘進機1と床版2との間に配置されている。このため、シールド掘進機1と床版2との間におけるセグメント形状の保持を好適に図ることができる。また、先行保形ジャッキ群6および後行保形ジャッキ群7は、いずれも共通のレール5によって移動案内される。このため、それぞれのジャッキ群に対するレールを設ける必要がないので、その分省スペース化を図ることができる。
【0067】
ところで、シールドトンネルTにおいては、シールド掘進機1や構築後の床版2によってセグメント形状保持が行われるが、シールド掘進機1と床版2との間では、シールド掘進機1や床版2によるセグメント形状保持が行われない。この点、セグメント形状保持装置3がシールド掘進機1と床版2との間に設定されていることにより、シールド掘進機1と床版2との間におけるセグメント形状保持を好適に行うことができる。
【0068】
さらに、複数の先行保形ジャッキ61〜65および複数の後行保形ジャッキ71〜75は、それぞれ先行ジャッキ連結ロッド66および後行ジャッキ連結ロッド76によって固定的に接続されている。また、ジャッキ群移動シリンダ67は、先行第4保形ジャッキ64と後行第3保形ジャッキ73とに接続されており、先行第4保形ジャッキ64と後行第3保形ジャッキ73とをジャッキ群移動シリンダ67によって移動させることによって、先行保形ジャッキ群6と後行保形ジャッキ群7とを移動させる。このため、1組の保形ジャッキを移動させることのみで保形ジャッキ群6,7を移動させることができる。
【0069】
また、上記実施形態では、先行保形ジャッキ群6における先行保形ジャッキ61〜65と後行保形ジャッキ群7における後行保形ジャッキ71〜75は、共通のレール5に案内されて移動する。これに対して、図9に示すように、先行保形ジャッキ61を案内する第1レール51および後行保形ジャッキ71を案内する第2レール52を設ける態様とすることもできる。なお、図2に示す第2先行保形62〜第5先行保形ジャッキ65も第1レール51に案内され、第2後行保形72〜第5先行保形ジャッキ75も第2レール52に案内される。
【0070】
ここで、先行保形ジャッキ61〜65および第1レール51は、第2レール52の上方に位置しており、シールドトンネルTの掘進方向から見てずれた位置に配置されている。このため、先行保形ジャッキ61〜65が移動した場合に、後行保形ジャッキ71〜75および第2レール52には不干渉となる位置関係となっている。同様に、後行保形ジャッキ71〜75が移動した場合に、先行保形ジャッキ61〜65および第1レール51には不干渉となる位置関係となっている。
【0071】
第1レール51を支持する支持部材は、たとえば第2レール52および後行保形ジャッキ群7の両側または前後における離れた位置に設けられており、先行保形ジャッキ群6とは、接触しない位置に配置されている。また、第1レール51を上方から吊持し、または側方から支持することによって、第1レール51が後行保形ジャッキ群7と接触しないようにすることもできる。
【0072】
また、先行保形ジャッキ61〜65同士の離間距離は、セグメントSの厚さ(既設時のシールドトンネルTの掘進方向に沿った長さ)と対応し、同一とされている。同様に、後行保形ジャッキ71〜75同士の離間距離は、セグメントSの厚さと対応し、同一とされている。
【0073】
図9に示す態様では、先行保形ジャッキ61〜65と後行保形ジャッキ71〜75とが、互いに不干渉な状態で前進移動可能とされている。このため、先行保形ジャッキ61〜65および後行保形ジャッキ71〜75を移動させる際の自由度を高めることができる。特に、先行保形ジャッキ61〜65同士の離間距離および後行保形ジャッキ71〜75同士の離間距離が、セグメントSの厚さと同一であることにより、セグメント形状保持を常に行ったまま保形ジャッキ群6,7を前進移動させることができる。
【0074】
たとえば、床版2とシールド掘進機1との間に、図10に示すように、6枚のセグメントS1〜S6が設けられており、これらの第1セグメントS1〜第8セグメントS8を保形ジャッキ61〜65,71〜75で押圧する場合について説明する。図10では、伸長状態から収縮状態となる保形ジャッキを丸印で表し、伸長状態が維持される保形ジャッキを四角印で模式的に表している。
【0075】
図10(a)では、先行保形ジャッキ61〜65によって第1セグメントS1〜第5セグメントS5を押圧し、後行保形ジャッキ71〜75によって第2セグメントS2〜第6セグメントS6を押圧した状態を示している。この状態から、先行保形ジャッキ61〜65を前進させる際には、先行保形ジャッキ61〜65を収縮させてセグメント形状保持を解除する。このとき、第2セグメントS2〜第6セグメントS6までを後行保形ジャッキ71〜75で押圧してセグメント保形を行う。この状態で、先行保形ジャッキ61〜65を前進させる。このとき、シールド掘進機1によって第7セグメントS7が組み立てられる。
【0076】
次に、図10(b)に示すように、先行保形ジャッキ61〜65によって、第3セグメントS3〜第7セグメントS7を押圧してセグメント形状保持を行う。押圧状態から解除される第1セグメントS1には、床版2が構築され、第1セグメントS1は床版2によって形状保持される。続いて、後行保形ジャッキ71〜75を収縮させてセグメント形状保持を解除する。この状態で、後行保形ジャッキ71〜75を前進させる。このとき、シールド掘進機1によって第8セグメントS8が組み立てられる。
【0077】
さらに、図10(c)に示すように、後行保形ジャッキ71〜75によって、第4セグメントS4〜第8セグメントS8を押圧してセグメント形状保持を行う。押圧状態から解除される第2セグメントS2には、床版2が構築され、第1セグメントS1および第2セグメントS2は床版2によって形状保持される。
【0078】
続いて、先行保形ジャッキ61〜65を収縮させてセグメント形状保持を解除する。この状態で、先行保形ジャッキ61〜65を前進させる。以後、この行程を繰り返すことによって、セグメント形状保持を行いながら、シールドトンネルの掘進を行う。このように、セグメントSに対して、セグメント形状保持を常に行ったまま保形ジャッキ群6,7を前進移動させることができる。
【0079】
さらには、上記実施形態では、先行保形ジャッキ61の両側にロッド61B,61Cが設けられているが、図11に示すように、一側にのみシリンダ69Aおよびロッド69Bが設けられた先行保形ジャッキ69とする態様とすることもできる。また、先行保形ジャッキ69における他側には、保持部材69Dが設けられている。この例でも、他の保形ジャッキについて、先行保形ジャッキ69と同様の構成とすることができる。
【0080】
さらに、先行保形ジャッキ69には、スライド機構69Cが設けられている。スライド機構69Cは、先行保形ジャッキ69を、シールド掘進機1の掘進方向に交差する方向にスライド可能に保持している。ここでのシールド掘進機1の掘進方向に交差する方向は、シールド掘進機1の掘進方向に直交する方向とされている。
【0081】
また、スライド機構69Cは、レール5に沿って移動可能に配設されている。このため、スライド機構69Cがレール5に沿ってシールド掘進機1の掘進方向に移動することにより、先行保形ジャッキ69がシールド掘進機1の掘進方向に移動する。
【0082】
図11に示す態様では、先行保形ジャッキ69をシールド掘進機1の掘進方向に直交する方向にスライド可能とされている。このため、先行保形ジャッキ69のシールドトンネルTの幅方向に対する位置の調整が容易となる。したがって、一側にのみシリンダ69Aおよびロッド69Bを設けることで、セグメントの押圧を容易に行うことができる。
【0083】
さらに、上記実施形態では、台車4によって架台を支持するようにしているが、図12に示すように、シールド掘進機1に設けられた門型の支持部材95に対して、架台96が支持される態様とすることもできる。この場合、支持部材95は、シールド掘進機1における外筒部11の後端部に立設されており、支持部材95によって架台96が片持ち支持されている。この架台96上にレール5を敷設して、保形ジャッキ群6,7を設けることもできる。また、シールド掘進機1に設けられる作業用デッキを架台96として利用することもできる。
【0084】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。たとえば、上記実施形態では、保形ジャッキが水平方向に沿って伸縮する態様としているが、鉛直方向やシールドトンネルTの他の半径方向に沿って伸縮する態様とすることもできる。また、ボックスカルバートを組み立てて床版2を構築しているが、他の態様によって床版を形成する態様とすることもできる。さらに、セグメント形状保持装置3をシールド掘進機1と床版2との間に配置しているが、他の位置に配置する態様とすることもできる。
【0085】
また、上記実施形態では、1つの保形ジャッキを移動させることによって、保形ジャッキ群を全体的に移動させる態様としているが、保形ジャッキを個別に移動させる態様とすることもできる。さらに、上記実施形態では、先行保形ジャッキ群と後行保形ジャッキ群とを1つのレールに沿って移動させるようにしているが、それぞれに対してレールを設け、それぞれのレールに沿って移動させる態様とすることもできる。また、保形ジャッキ群6,7における複数の保形ジャッキ61〜65,71〜75は、いずれも同調して作動するようにされているが、同調することなく作動する態様とすることもできる。
【符号の説明】
【0086】
1…シールド掘進機
2…床版
3…セグメント形状保持装置
4…台車
5…レール
6…先行保形ジャッキ群
7…後行保形ジャッキ群
8…セグメント搬送装置
9…セグメント移載装置
11…外筒部
12…カッタヘッド
13…チャンバ
14…スクリューコンベア
15…エレクタ
16…シールドジャッキ
17…テールシール
21…ボックスカルバート
22…掘進機後続台車
41,42,43…車両
51…第1レール
52…第2レール
61…先行第1保形ジャッキ
61A…シリンダ
61B…右ロッド
61C…左ロッド
61D…右保持部材
61E…左保持部材
62…先行第2保形ジャッキ
63…先行第3保形ジャッキ
64…先行第4保形ジャッキ
65…先行第5保形ジャッキ
66…先行ジャッキ連結ロッド
67…ジャッキ群移動シリンダ
69…先行保形ジャッキ
69A…シリンダ
69B…ロッド
69C…スライド機構
69D…保持部材
71…後行第1保形ジャッキ
72…後行第2保形ジャッキ
73…後行第3保形ジャッキ
74…後行第4保形ジャッキ
75…後行第5保形ジャッキ
76…後行ジャッキ連結ロッド
81…プッシュアップ装置
91…セグメント把持部材
92…走行部材
P…セグメントピース
T…シールドトンネル
S…セグメント

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シールドトンネルを施工するシールド掘進機に追従移動する架台を備え、
前記架台には、前記シールドトンネルの掘進方向に沿って延在するレールが搭載されており、
前記シールドトンネルの径方向に伸縮可能であり、伸長時に前記シールドトンネルに施工されたセグメントの形状を保持する先行保形ジャッキを複数有する先行保形ジャッキ群と、
前記先行保形ジャッキに対して、前記シールドトンネルの掘進方向に離間して配置され、前記シールドトンネルの径方向に伸縮可能であり、伸長時に前記シールドトンネルに施工されたセグメントの形状を保持する後行保形ジャッキを複数有する後行保形ジャッキ群と、を備え、
前記先行保形ジャッキ群および前記後行保形ジャッキ群は、前記レールに沿って前進移動可能とされており、
前記先行保形ジャッキ群と前記後行保形ジャッキ群とを前記トンネルの掘進方向に対して相対的に移動させる保形ジャッキ群移動手段を備えることを特徴とするシールドトンネルにおけるセグメント形状保持装置。
【請求項2】
前記架台は、単数または前記シールドトンネルの掘進方向に並べられた複数の台車によって支持されている請求項1に記載のシールドトンネルにおけるセグメント形状保持装置。
【請求項3】
前記先行保形ジャッキ群における複数の先行保形ジャッキおよび前記後行保形ジャッキ群における複数の後行保形ジャッキのうちの少なくとも一方が、共通の油圧回路を通じて同調して伸縮させられる請求項1または請求項2に記載のシールドトンネルにおけるセグメント形状保持装置。
【請求項4】
前記シールド掘進機の後方位置に構造物が構築されており、
前記シールド掘進機と前記構造物との間に設けられる請求項1〜請求項3のうちのいずれか1項に記載のシールドトンネルにおけるセグメント形状保持装置。
【請求項5】
複数の前記先行保形ジャッキおよび複数の前記後行保形ジャッキは、それぞれ接続部材によって固定的に接続されており、
前記保形ジャッキ群移動手段は、前記先行保形ジャッキ群の一部と前記後行保形ジャッキの一部とを前記シールドトンネルの掘進方向に対して相対的に移動させることにより、前記先行保形ジャッキ群と前記後行保形ジャッキとを全体的に移動させる請求項1〜請求項4のうちのいずれか1項に記載のシールドトンネルにおけるセグメント形状保持装置。
【請求項6】
前記複数の先行保形ジャッキと前記複数の後行保形ジャッキとが、交互に配置されている請求項1〜請求項5のうちのいずれか1項に記載のセグメント形状保持装置。
【請求項7】
前記レールは、複数の前記先行保形ジャッキおよび複数の前記後行保形ジャッキを案内する共通レールである請求項1〜請求項6のうちのいずれか1項に記載のシールドトンネルにおけるセグメント形状保持装置。
【請求項8】
前記レールは、複数の前記先行保形ジャッキを案内する第1レールと、複数の前記後行保形ジャッキを案内する第2レールとを備えており、
複数の前記先行保形ジャッキおよび前記第1レールと、複数の前記後行保形ジャッキおよび前記第2レールとは、前記シールドトンネルの掘進方向から見てずれた位置に配置されている請求項1〜請求項6のうちのいずれか1項に記載のシールドトンネルにおけるセグメント形状保持装置。
【請求項9】
前記シールドトンネルの掘進方向に交差する方向に対して前記先行保形ジャッキおよび前記後行保形ジャッキをスライドさせるスライド機構が設けられている請求項1〜請求項8のうちのいずれか1項に記載のシールドトンネルにおけるセグメント形状保持装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−52376(P2012−52376A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−196890(P2010−196890)
【出願日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【出願人】(000001373)鹿島建設株式会社 (1,387)
【Fターム(参考)】