説明

シールド付き細線ケーブル及びその製造方法

【課題】 柔軟性やシールド性に優れた新規なシールド付き細線ケーブル及びその製造方法を提供する。
【解決手段】 複数本の被覆細線が撚り合わされたリード線2と、被覆細線がコイル状に巻回されたシールド部3とを有し、リード線2がコイル状のシールド部3内に挿通されている。リード線に用いられる被覆細線とシールド部に用いられる被覆細線は、いずれも外径が0.3mm以下であり、例えば同一の被覆細線である。リード線2は、例えば2本の被覆細線2a,2bがツイスト状に撚り合わされて形成されており、シールド部3は、例えば1本の被覆細線がコイル状に巻回されて形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、柔軟性に富む新規なシールド付き細線ケーブルに関するものであり、さらにはその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
メカトロニクスの超小型化や、走査型プローブ顕微鏡(SPM)等のように動きを伴う精密駆動測定装置の発展に伴い、柔軟性に富み軽量な細線ケーブルへの要求がますます高くなっている。例えば前記走査型プローブ顕微鏡の場合、駆動部や探針に対するケーブル配線を柔軟性に富む細線で行う必要がある。
【0003】
その理由は、駆動部の動きを損なわないようにするためである。また、走査型プローブ顕微鏡に使用する場合には、ケーブルを伝搬してくる振動を低下させる必要があり、使用するケーブル配線には良好な柔軟性が要求される。
【0004】
このような状況から、例えば外径1mm以下の細線を利用する等、細線化により軽量化、柔軟化を図り、前述の問題を回避することが検討されている。ただし、用途によっては静電シールドや電流容量等の要求もあり、必ずしも前記細線化だけでは対応しきれないのが実情である。例えば、前述の走査型プローブ顕微鏡では、微小な信号を扱うため、他の配線との混信を防ぐ必要があり、前記ケーブル配線にも静電シールドを設ける必要がある。また、流すことの可能な最大電流に関しても、できる限り大きいことが望まれる。さらに、走査型プローブ顕微鏡のケーブル配線の場合、高温、真空環境に耐えられる樹脂材料で被覆され絶縁されている必要もある。
【0005】
静電シールドされたケーブル配線としては、いわゆる同軸ケーブルが一般的である。同軸ケーブルは、内部導線として銀メッキされた銅線の撚り線を用い、その表面をポリテトラフルオロエチレンで被覆し、さらに銀メッキ銅線の多数本をその表面に横巻きして静電シールドを設け、最外周を再度ポリテトラフルオロエチレンで被覆することにより構成されるものである。前記同軸ケーブルとして、外径0.61mm程度のものが、超極細同軸ケーブル及び超高真空で使用可能なケーブルとして市販されている。前記市販の超極細同軸ケーブルの試験電圧は300Vであり、許容電流は0.5A程度である。
【0006】
また、前記同軸ケーブルの欠点を解消することを目的に、種々のケーブル配線が提案されている(例えば、特許文献1や特許文献2等を参照)。
【0007】
例えば特許文献1に記載されるシールド電線では、高導電性樹脂より成形した長尺帯を螺旋状に巻回した状態に癖づけしているスパイラルチューブを設け、該スパイラルチューブを複数本の電線に巻き付け、該スパイラルチューブにより電線群を結束すると共にシールド性を付与するようにしている。特許文献1記載のシールド電線は、前記構成を採用することにより、アース接続を行う際にシースを取り除く必要がないこと、容易に屈曲させることができること、電線本数や外皮の色を容易に変更できること、後工程で部分的に所要区間だけシールド機能を持たせることが可能であること等の利点を有する。
【0008】
特許文献2に記載される信号伝送ケーブルは、少なくとも一本の細長い導線と、該導線の周囲に設けられた誘電体層と、該誘電体層の周囲に設けられた導電性シールド層とを有する信号伝送ケーブルにおいて、シールド層の外側に該シールド層を一部露出するよう螺旋状に巻回された液浸透性ジャケットを設け、冷却液等の流体中で使用しても迅速に特性インピーダンス等の電気的特性が安定するようにしている。
【特許文献1】特開2001−3577321号公報
【特許文献2】特開平6−139835号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、一般的な同軸ケーブルの場合、仮に線径を細くしたとしても、十分な柔軟性を得ることは難しい。また、柔軟性を付与することを目的にコイル状に折り曲げることも考えられるが、元の形状に戻ろうとする復元力が強く、形状を整えることが難しい。その原因としては、内部導体の周囲及び外周に2重にチューブ状に樹脂を塗布し絶縁していることが挙げられる。
【0010】
一方、特許文献1に記載されるシールド電線や特許文献2に記載される信号伝送ケーブルでは、帯状のシート(高導電性樹脂により形成した長尺帯やアルミ層でコーティングしたプラスチックテープ等)を電線(導線)の周囲に巻き付けることによりシールド機能を付与しており、同軸ケーブルに比べると折り曲げが容易であると考えられる。しかしながら、帯状シートをスパイラル状に巻き付けた場合、帯状シートがある程度の幅を持つことに起因して動きが制限されてしまい、精密超小型機器の動きを伴う部位へのシールド配線のように、動きを妨げないような十分な柔軟性を実現することは難しい。
【0011】
例えば特許文献2記載の信号伝送ケーブルでは、インピーダンスを均一にするために10%程度オーバーラップするようにシールド導体を巻回しているが、帯状のシールド導体を互いにオーバーラップするように巻回すると、動きが大きく制約され、要求される柔軟性を得ることは難しい。また、特許文献2記載の信号伝送ケーブルでは、シールド導体の他、帯状のジャケットも巻回されており、多重巻き状態になっていることから、かなり硬くなることが予想され、柔軟性の点で不利であると考えられる。さらに、特許文献2記載の信号伝送ケーブルでは、帯状のシールド導体やジャケットの重なり部分が多くなり、真空下での用途には不向きであるという問題もある。前記重なり部分から残存するガス(空気)を速やかに逃がすことが難しいからである。
【0012】
特許文献2記載のシールド線では、重なり部分が少なく、真空下の用途における前記問題は低減されるが、例えば明細書中に、スパイラルチューブが樹脂製で剛性を有することから、電線群の配索経路に沿って直線状に延在する形状に保持できるとともに、所要位置で屈曲することもでき、所要形態に保持することができるとあるように(段落0023)、同軸ケーブルよりも柔軟性に劣るものと考えられる。また、特許文献2記載のシールド線では、シールドとして機能するスパイラルチューブが高導電性樹脂により形成されているため、絶縁のためには絶縁チューブを被せる必要があるが、絶縁チューブによる被覆はさらに柔軟性を損なう要因となる。
【0013】
本発明は、このような従来の実情に鑑みて提案されたものであり、例えば精密超小型機器の動きを伴う部位へのシールド配線として十分な柔軟性を有し、且つ十分なシールド機能、許容電流値を有する全く新規なシールド付き細線ケーブルを提供することを目的とし、さらには、その製造方法、シールド付き細線ケーブルを用いた走査型プローブ顕微鏡を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前述の目的を達成するために、本発明に係るシールド付き細線ケーブルは、複数本の被覆細線が撚り合わされたリード線と、被覆細線がコイル状に巻回されたシールド部とを有し、前記リード線が前記コイル状のシールド部内に挿通されていることを特徴とする。
【0015】
また、本発明に係るシールド付き細線ケーブルの製造方法は、複数本の被覆細線を撚り合わせてリード線を形成するとともに、金属棒の周囲に1本の被覆細線を巻き付けてコイル状のシールド部を形成し、前記金属棒の末端に前記リード線の一端を固定し、前記金属棒をシールド部から引き抜くことで前記リード線をコイル状のシールド部内に挿通させることを特徴とする。さらに、本発明に係る走査型プローブ顕微鏡は、前述のシールド付き細線ケーブルが、駆動部、試料、探針のうちの少なくとも1種に対するケーブル配線として用いられていることを特徴とする。
【0016】
本発明のシールド付き細線ケーブルでは、コイル状に巻回された被覆細線が静電シールドとして働く。被覆細線がコイル状に巻回されたシールド部は、被覆細線の間が僅かに広がることによって自由に折れ曲がり、十分な柔軟性を発揮する。また、リード線が複数本の被覆細線を撚り合わせることによって構成されているので、許容電流も十分に確保される。さらに、導線と絶縁体の間に挟まれた閉じた空間が皆無であるので、真空にする際のガス溜まりもない。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、精密超小型機器の動きを伴う部位等へのシールド配線として十分な柔軟性を有し、且つ十分なシールド機能を有するシールド付き細線ケーブルを提供することが可能である。また、本発明のシールド付き細線ケーブルにおいては、許容電流についても任意に設定することができ、大電流に対応することが可能である。したがって、本発明のシールド付き細線ケーブルを利用することで、信頼性の高い走査型プローブ顕微鏡を提供することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明を適用したシールド付き細線ケーブル及びその製造方法、さらには走査型プローブ顕微鏡について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0019】
図1に示すように、本発明のシールド付き細線ケーブル1は、例えば2本の被覆細線2a,2bを撚り合わせたリード線2と、1本の被覆細線をコイル状に巻回したシールド部3とを有するものであり、コイル状のシールド部3の中心部分にリード線2が挿通されて1本の細線ケーブルとして構成されている。
【0020】
前記リード線2に用いられる被覆細線2a,2bや、シールド部3に用いられる被覆細線は、いずれも導線の周囲に絶縁被膜を形成した被覆細線であり、例えば銅線の周囲をポリイミドで被覆したポリイミド被覆銅線等が使用可能である。この場合、銅線は1本の銅線であってもよいし、微細な銅線を複数束ねたものであってもよい。ただし、シールド付き細線ケーブル1の細線化や、シールド部3におけるコイル状への癖付け等を考えると、1本の銅線タイプのものを用いることが好ましい。
【0021】
また、前記リード線2に用いられる被覆細線2a,2bや、シールド部3に用いられる被覆細線の太さ(外径)は任意であるが、例えば走査型プローブ顕微鏡等の精密超小型機器の動きを伴う部位へのシールド配線としてシールド付き細線ケーブル1を用いる場合には、各被覆細線の太さが極力細いことが望まれる。被覆細線の太さが太くなると、それに応じて柔軟性が低下するおそれがある。したがって、具体的には、記リード線2に用いられる被覆細線2a,2bや、シールド部3に用いられる被覆細線の外径を0.3mm以下とすることが好ましい。シールド部3に用いられる被覆細線の外径を0.3mm以下とすることで、シールド付き細線ケーブル1において、十分な柔軟性を実現することが可能である。

【0022】
なお、シールド付き細線ケーブル1をある程度大型の装置等に用いる場合には、各被覆細線の外径がこれよりも大きくても構わない。また、リード線2に用いられる被覆細線2a,2bと、シールド部3に用いられる被覆細線とは、別の種類の被覆細線であってもよいが、同じ種類(同一)の被覆細線を用いることで、リード線2とシールド部3の柔軟性を互いに整合させることができるので、好ましい組み合わせと言える。
【0023】
図2(a)は、シールド付き細線ケーブル1を構成するリード線2をシールド部3から取り出した状態を示すものであり、図2(b)は、リード線2を取り出した状態のシールド部3の形態を示すものである。図3は、本発明のシールド付き細線ケーブル1の構成を模式的に示すものであり、(a)はリード線2をシールド部3から取り出した状態を示すものであり、(b)はリード線2をシールド部3内に挿入した状態を示すものである。
【0024】
図2(a)や図3(a)に示すように、リード線2は、複数本(ここでは2本)の被覆細線2a,2bを、いわゆるツイスト状に互いに撚り合わせることにより形成され、電流(信号)を供給する機能を有する。したがって、リード線2の許容電流は、撚り合わせる被覆細線の本数、各被覆細線の導線の太さ等によって決まり、例えばより大きな許容電流値が必要な場合には、3本以上の被覆細線を撚り合わせることも可能である。ただし、撚り合わせる被覆細線の数が多くなり過ぎるとリード線2の柔軟性が低下するおそれがあり、結果としてシールド付き細線ケーブル1の柔軟性が低下するおそれがあるので、あまり本数を増やすことは避けることが望ましい。
【0025】
一方、シールド部3は、図2(b)や図3(a)に示すように、1本の被覆細線をコイル状に巻回することにより形成されている。被覆細線をコイル状に巻回することで、リード線2の周囲を覆う形でシールド部3を形成することが可能である。なお、シールド部3は、前記の通り1本の被覆細線を巻回することにより形成することが好ましいが、場合によっては、例えば複数本の被覆細線をコイル状に巻回してシールド部3とすることも可能である。
【0026】
また、被覆細線をコイル状に巻回してシールド部3とする場合、隣接ターン間が接するように、すなわち巻回された被覆細線が互いに接するように、いわゆるソレノイド状に緻密に巻回することが好ましい。被覆細線を緻密に巻回することで、良好なシールド機能を得ることができる。
【0027】
従来技術においては、前述のように、シールド機能を重視してシールドに帯状のシートを用いるのが一般的である。しかしながら、帯状のシートをリード線の周囲に巻回すると、帯状のシートによって動きが制約されてしまい、十分な柔軟性を得ることができない。これに対して、本発明のシールド付き細線ケーブル1では、前記の通り被覆細線を巻回することでシールド部を形成しているので、十分な柔軟性を確保することが可能である。例えば1本の被覆細線をコイル状に巻回したシールド部3においては、被覆細線自体が軟質で、バネ性をほとんど有していないので、曲げに対して戻ろうとする力がほとんど働かない。したがって、シールド部3を緻密に巻いたコイル形状とすること、及び細線のみにより構成することで、バネ性の低い(変形に対して元に戻る力が弱い)シールド付き細線ケーブル1を実現することができる。また、被覆細線を緻密に巻回してシールド部3を形成すれば、柔らかくてもシールド特性を劣化させないことが実験的に確かめられている。
【0028】
前述の構成を有するシールド付き細線ケーブル1は、次のような工程を経ることにより、簡単に作製することが可能である。すなわち、シールド付き細線ケーブル1を作製するには、先ず、2本の被覆細線(例えばポリイミド被覆銅線)をツイスト状に撚り合わせてリード線2を準備する。
【0029】
次に、1本の被覆細線を準備し、これを細い金属棒を利用して、その周囲に巻き付ける。被覆細線には、例えば先のリード線2に用いた被覆細線と同種のものを用いる。これにより、被覆細線がコイル状に巻回され、シールド部3が形成される。
【0030】
その後、準備したリード線2を被覆細線がコイル状に巻回されたシールド部3内に通す。リード線2をシールド部3内に通すには、前記金属棒を利用すればよい。例えば、金属棒の末端にリード線2の一端を固定し、金属棒をシールド部3から引き抜く。これにより、リード線2がシールド部3内に挿通される。
【0031】
以上のようにして作製されるシールド付き細線ケーブル1は、各種精密超小型機器の動きを伴う部位へのシールド配線として用いることができる。例えば、走査型プローブ顕微鏡において、駆動部や試料、探針等に接続されるシールド配線として用いることで、信頼性の高い走査型プローブ顕微鏡を実現することができる。本発明のシールド付き細線ケーブル1は、十分な柔軟性を有するため、駆動部の動きを損なうことがなく、ケーブルを伝搬してくる振動を吸収し低下させることができる。また、十分なシールド効果も得られ、微小な信号を扱う場合においても、他の配線との混信を防ぐことができる。さらに、各被覆細線は高温・真空環境に耐え得る樹脂で被覆されており、真空(減圧)環境下での使用にも十分に耐えうる。また、ガス溜まりが形成されることもないので、例えば超真空下での使用にも最適である。さらにまた、流せる最大電流も大きなものとすることができる。これらの作用効果は、走査型プローブ顕微鏡の信頼性を高める上で極めて有効である。
【実施例】
【0032】
以下、本発明の具体的な実施例について、実験結果に基づいて説明する。
【0033】
本実施例では、リード線やシールド部の被覆細線として、ポリイミド被覆銅線(膜厚20μmのポリイミドでコートされたもの)を用いた。このポリイミド被覆銅線の外径は、約0.16mmである。
【0034】
前記被覆細線を用い、前述の作製手順に従って、シールド付き細線ケーブルを作製した。すなわち、2本の被覆細線をツイスト状に撚り合わせてリード線を形成し、これを被覆細線を金属棒の周囲に巻回して形成したコイル状のシールド部内に挿通することで、外周径が約0.6mmのシールド付き細線ケーブルを作製した。
【0035】
作製されたシールド付き細線ケーブルにおいては、折り曲げるとコイル状のシールド部において被覆細線と同程度の隙間が線間に形成されたが、利用している被覆細線の外径が細いため、10Hz以上の周波数ノイズを遮断することができた。
【0036】
また、コイル状のシールド部は、利用した被覆細線の間が僅かに広がることによって、自由に折り曲げることができた。その柔軟性は高く、シールド付き細線ケーブル全体を自由な形に折り曲げて癖を付けることもできた。本実施例の場合、シールド付き細線ケーブルの外周径0.6mmに対し、外径3mm程度の巻き癖を付与することができ、外径1.5mm程度にまで曲げることができた。
【0037】
さらに、本実施例のシールド付き細線ケーブルは、テトラフルオロエチレンで被覆された同軸ケーブル等と異なり、銅線と絶縁体に挟まれた閉じた空間が皆無であるため、真空にする際のガス溜まりがなく、真空ケーブルとしても優れたものであった。また、許容電流値も高く、試験電圧で300V、1A以上の電流に耐えられた。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明を適用したシールド付き細線ケーブルの概略斜視図である。
【図2】(a)は本発明を適用したシールド付き細線ケーブルのリード線を取り出して示す概略斜視図であり、(b)はコイル状のシールド部の概略斜視図である。
【図3】本発明を適用したシールド付き細線ケーブルを模式的に示す図であり、(a)は分解状態、(b)は組み付け状態をそれぞれ示す。
【符号の説明】
【0039】
1 シールド付き細線ケーブル、2 リード線、2a,2b 被覆細線、3 シールド部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数本の被覆細線が撚り合わされたリード線と、被覆細線がコイル状に巻回されたシールド部とを有し、前記リード線が前記コイル状のシールド部内に挿通されていることを特徴とするシールド付き細線ケーブル。
【請求項2】
前記リード線及びシールド部に用いられる被覆細線は、いずれも銅線が可塑性をもった絶縁材料で被覆された被覆銅線であることを特徴とする請求項1記載のシールド付き細線ケーブル。
【請求項3】
前記絶縁材料がポリイミドであることを特徴とする請求項2記載のシールド付き細線ケーブル。
【請求項4】
前記リード線及びシールド部に用いられる被覆細線は、いずれも外径が0.3mm以下であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載のシールド付き細線ケーブル。
【請求項5】
前記リード線に用いられる被覆細線とシールド部に用いられる被覆細線は、同等の被覆細線であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載のシールド付き細線ケーブル。
【請求項6】
前記リード線は、2本の被覆細線がツイスト状に撚り合わされて形成されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項記載のシールド付き細線ケーブル。
【請求項7】
前記シールド部は、1本の被覆細線がコイル状に巻回されて形成されていることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項記載のシールド付き細線ケーブル。
【請求項8】
減圧環境下で使用されることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項記載のシールド付き細線ケーブル。
【請求項9】
複数本の被覆細線を撚り合わせてリード線を形成するとともに、金属棒の周囲に1本の被覆細線を巻き付けてコイル状のシールド部を形成し、
前記金属棒の末端に前記リード線の一端を固定し、前記金属棒をシールド部から引き抜くことで前記リード線をコイル状のシールド部内に挿通させることを特徴とするシールド付き細線ケーブルの製造方法。
【請求項10】
請求項1から8のいずれか1項に記載されたシールド付き細線ケーブルが、駆動部、試料、探針のうちの少なくとも1種に対するケーブル配線として用いられていることを特徴とする走査型プローブ顕微鏡。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2009−245595(P2009−245595A)
【公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−87221(P2008−87221)
【出願日】平成20年3月28日(2008.3.28)
【出願人】(503360115)独立行政法人科学技術振興機構 (1,734)
【出願人】(304024430)国立大学法人北陸先端科学技術大学院大学 (169)
【Fターム(参考)】