説明

シールド掘進機の旋回環潤滑油レベル計

【課題】 運転中にも正確なレベル計測を行うことができるようにする。
【解決手段】 掘削用カッタ駆動用の旋回環3に沿って周方向に潤滑油保持区画13を設け、この潤滑油保持区画13の下半部に溜めた潤滑油14により旋回環3を潤滑する形式のシールド掘進機にて、旋回環3の固定側となる内輪4の内周側に位置するスキンプレート11における潤滑油保持区画13の下部と対応する位置に、油面計測用下部配管24を取付け、又、潤滑油保持区画13の上部と対応する位置に油面計測用上部配管26を取付ける。各油面計測用配管24,26同士を透明ホース20で接続して旋回環潤滑油レベル計22を形成する。旋回環3の旋回側となる外輪5より離れた個所に設けた油面計測用下部配管24から潤滑油14を導くことで、旋回する外輪5により泡立つ潤滑油14が透明ホース20内の潤滑油14の液面に影響しないようにさせる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シールド掘進機の旋回環を油浸方式で潤滑するために用いている潤滑油のレベルを計測するためのシールド掘進機の旋回環潤滑油レベル計に関するものである。
【背景技術】
【0002】
シールド掘進機のうち、比較的大口径のシールド掘進機では、カッタの径に見合った大きな駆動トルクを得るために、旋回環を具備したカッタ駆動機構を備えた形式のものがある。
【0003】
この種のシールド掘進機における旋回環を具備したカッタ駆動機構は、たとえば、図6に示す如く、固定側となるシールドフレーム1より内向きに所要寸法突出するように設けた支持系としてのリング状の隔壁2の内周側端縁部の前側に、内外方向に配置した内輪4と外輪5とをベアリングを介して互いに自在に回転できる構成としてなる所要径の旋回環3における上記外輪5を取り付け、且つ該旋回環3の内輪4の前側に、前方へ延びるビーム6を介して掘削用カッタ7が取り付けてある。更に、上記旋回環3の内輪5の内周側に、カッタ駆動用ギアとしての内歯ギア8を設けると共に、この内歯ギア8に、カッタ駆動用モータ9の出力側に取り付けたピニオン10を噛合させてなる構成としてある。これにより、上記カッタ駆動用モータ9の運転により、ピニオン10を介して上記内歯ギア8が設けてある旋回環3の内輪4を旋回させることで、該内輪4と一体に上記掘削用カッタ7を回転駆動させることができるようにしてある。11は上記隔壁2の内周側端部より旋回環3の内側を通して前方へ所要寸法突出するように設けた円筒状のスキンプレートであり、該スキンプレート11の前端側にバルクヘッド12を取り付けて支持させるようにしてある(たとえば、特許文献1参照)。
【0004】
又、図示してないが、シールド掘進機における旋回環を具備したカッタ駆動機構の別の形式のものとしては、上記のように内輪5の内周側に、カッタ駆動用ギアとしての内歯ギア8を設けてなる内歯式の旋回環3に代えて、外輪の外周側にカッタ駆動用ギアとしての外歯ギアを設けてなる形式の外歯式の旋回環を用いた形式のものも考えられている。
【0005】
これは、シールドフレームより内向きに所要寸法へ延出させて設けたリング状の隔壁の内周側端縁部の前側に、内輪と外輪を互いに自在に回転できるようにし且つ外輪の外周側に外歯ギアを設けてなる上記外歯式の旋回環における内輪を取り付け、更に、旋回環の外輪の前側に、前方へ延びるビームを介して掘削用カッタを取り付けると共に、該外輪の外周側の外歯ギアに、カッタ駆動用モータの出力側に取り付けたピニオンを噛合させた構成としてある。かかる構成によれば、上記カッタ駆動用モータの運転により、ピニオンを介して上記外歯ギアが設けてある旋回環の外輪を旋回させることで、該外輪と一体に上記掘削用カッタを回転駆動させることができるようにしてある。
【0006】
ところで、上記のようなシールド掘進機における旋回環を具備したカッタ駆動機構における旋回環3の内輪4と外輪5の間の潤滑は、当初、上記内輪4と外輪5との間にグリスを充填することで行うようにしていたが、近年では、図7に示すように(なお、図7では一例として内歯式の旋回環 を用いた場合が示してある)、上記旋回環3の周りに、隔壁2取付部とビーム6取付部を除いて該旋回環3を取り囲む潤滑油保持区画13を周方向の全長に亘り形成して、該潤滑油保持区画13内に、旋回環3の下半部程度が浸るように潤滑油14を常時溜めておくことで、旋回環3の内輪4と外輪5のうち、旋回側となる輪、図では内輪4の下半部が上記潤滑油14に浸りながら旋回するようにさせることで、上記旋回環3の全周に亘り内輪4と外輪5との間の潤滑を行うことができるようにした油浸方式の潤滑も採られることがある。
【0007】
上記のようにして旋回環3を油浸方式で潤滑する場合は、潤滑油14をある一定のレベルに保持するために該潤滑油14のレベルを計測する必要がある。そのため従来は、図7及び図8に示す如く、上記シールドフレーム1より内側に突出させて設けてある隔壁2における上記旋回環3の下部と対応する位置で且つ該旋回環3の内輪4と外輪5との間に臨む位置に貫通孔16を穿設すると共に、該貫通孔16に油面計側用下部配管17を上記隔壁2の後側より取付け、又、上記隔壁2における上記旋回環3の上部と対応する位置で且つ該旋回環3の内輪4と外輪5との間に臨む位置に貫通孔18を穿設すると共に、該貫通孔18に油面計測用上部配管19を隔壁2の後側より取付け、更に、上記下部と上部の各油面計測用配管17と19同士を、両者の間でほぼ上下方向に延びるよう配置したナイロンブレードホースのような透明ホース20で接続して、旋回環潤滑油レベル計15を構成するようにしてある。
【0008】
以上の構成としてある旋回環潤滑油レベル計15によれば、上記透明ホース20内における潤滑油14の油面は、上記旋回環3に沿って周方向の全長に亘って形成した潤滑油保持区画13内に溜められている潤滑油14のレベルに一致することから、該透明ホース20内における潤滑油14の油面の高さ位置を目視するか、あるいは、光学的に検出することで、上記旋回環3用の潤滑油14のレベルを計測できるようにしてある。
【0009】
【特許文献1】実開平7−8493号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところが、図7及び図8に示した従来の旋回環潤滑油レベル計は、当初、旋回環3の内輪4と外輪5との間にグリスを充填するために隔壁2における上記内輪4と外輪5と間に臨む位置に配設してあったグリス充填用の孔の位置に、そのまま下部と上部の各油面計測用配管17と19を取り付けるための貫通孔16と18を設けるようにしていたため、上記油面計測用下部配管17を取り付ける貫通孔16は、旋回環3における旋回側となる内輪4に直接臨む配置とされている。そのために、上記掘削用カッタ7を回転させるべくカッタ駆動用モータ9を運転して(図6参照)、内歯ギア8が設けられている上記旋回環3の内輪4を旋回させるときに、この内輪4の旋回によって潤滑油14に空気が巻き込まれて潤滑油14が泡立つと、この泡立った潤滑油14が上記油面計測用下部配管17より上記透明ホース20内へ入る虞があり、この場合、泡立った潤滑油14のために透明ホース29内の油面位置が乱れることで、旋回環3の潤滑油14のレベルを正確に計測することが難しくなってしまうというのが実状である。
【0011】
そこで、本発明は、旋回環の旋回側となる内輪又は外輪の旋回によって潤滑油に空気が巻き込まれるとしても、その影響を受けることなく旋回環の潤滑油のレベルを正確に計測することができるシールド掘進機の旋回環潤滑油レベル計を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、上記課題を解決するために、請求項1に対応して、シールドフレームの旋回環の外輪又は内輪をカッタ駆動用モータで旋回させることにより旋回側の外輪又は内輪に取り付けた掘削用カッタを一体に回転駆動できるようにしてあり、更に、上記旋回環に沿って周方向の全長に亘り形成した潤滑油保持区画に潤滑油を溜めることで上記旋回環の潤滑を行うようにしてあるシールド掘進機の上記潤滑油保持区画における潤滑油レベルよりも下方で、且つ上記旋回環の固定側の内輪又は外輪を挟んで旋回側となる外輪又は内輪より離反する側に臨む位置に、油面計測用下部配管を連通させて設けると共に、上記潤滑油保持区画における潤滑油レベルよりも上方位置に油面計測用上部配管を連通させて設け、上記下部と上部の各油面計測用配管同士を透明ホースで連結してなる構成とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明のシールド掘進機の旋回環潤滑油レベル計測装置によれば、以下のような優れた効果を発揮する。
(1)シールドフレームの旋回環の外輪又は内輪をカッタ駆動用モータで旋回させることにより旋回側の外輪又は内輪に取り付けた掘削用カッタを一体に回転駆動できるようにしてあり、更に、上記旋回環に沿って周方向の全長に亘り形成した潤滑油保持区画に潤滑油を溜めることで上記旋回環の潤滑を行うようにしてあるシールド掘進機の上記潤滑油保持区画における潤滑油レベルよりも下方で、且つ上記旋回環の固定側の内輪又は外輪を挟んで旋回側となる外輪又は内輪より離反する側に臨む位置に、油面計測用下部配管を連通させて設けると共に、上記潤滑油保持区画における潤滑油レベルよりも上方位置に油面計測用上部配管を連通させて設け、上記下部と上部の各油面計測用配管同士を透明ホースで連結してなる構成としてあるので、旋回環の旋回側となる外輪又は内輪と一体に上記掘削用カッタを回転駆動する際、上記旋回環の旋回側となる外輪又は内輪の旋回の伴い上記潤滑油保持区画にて該旋回環の外輪又は内輪の周囲に存在する潤滑油に泡立ちが生じても、旋回環の固定側の内輪又は外輪を挟んで上記旋回側の外輪又は内輪より離れた位置から上記油面計測用下部配管へ潤滑油を導くことができるため、上記泡立った潤滑油が上記油面計測用下部配管に達する虞を未然に防止することができる。
(2)したがって、上記透明ホース内の潤滑油の油面が泡立った潤滑油によって乱される虞を未然に防止することができ、上記透明ホース内の油面の位置を正確に測定できて、上記潤滑油保持区画内に存在する潤滑油のレベルを正確に計測することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面を参照して説明する。
【0015】
図1乃至図3は本発明のシールド掘進機の旋回環潤滑油レベル計の実施の一形態として、外歯式の旋回環3aを具備したカッタ駆動機構を有するシールド掘進機に適用する場合を示すもので、以下のようにしてある。
【0016】
ここで、先ず、本発明を適用する上記外歯式の旋回環3aを具備したカッタ駆動機構を有するシールド掘進機について説明する。かかるシールド掘進機は、図3に示す如く、シールドフレーム1より内向きに所要寸法突出させて設けたリング状の隔壁2の内周側端縁部の前側に、内外方向に配置した内輪4と外輪5を図示しないベアリングを介して互いに自在に回転できるようにし、且つ外輪5の外周側に外歯ギア21を設けてなる所要径の外歯式の旋回環3aを配置して、該旋回環3aの上記内輪4を上記隔壁2の前面に取り付けてある。
【0017】
更に、上記旋回環5の前側に、前方へ延びるビーム6を介して掘削用カッタ7を取り付けると共に、該外輪5の外周側の外歯ギア21に、カッタ駆動用モータ9の出力側に取り付けたピニオン10を噛合させた構成としてある。
【0018】
上記隔壁2の内周側端部には、前方へ所要寸法延びる円筒状のスキンプレート11を介してバルクヘッド12が取り付けてある。
【0019】
更に又、上記外歯式の旋回環3aの周りには、隔壁2取付部とビーム6取付部を除いて該旋回環3を取り囲む潤滑油保持区画13を周方向の全長に亘り形成して、該潤滑油保持区画13内に、旋回環3の下半部程度が浸るように潤滑油14を常時溜めておくことができるようにしてある。
【0020】
以上の構成としてあるシールド掘進機に適用する本発明の旋回環潤滑油レベル計22は、図1及び図2に示すように、上記外歯式の旋回環3aの内輪4の内側に配されている上記スキンプレート11の周壁における上記旋回環3aの下部所要位置の内輪4の内周面に臨む位置に、貫通孔23を穿設して、該貫通孔23にスキンプレート11の内側より油面計測用下部配管24を取り付ける。
【0021】
又、上記スキンプレート11の周壁における上記旋回環3aの上部所要位置の内輪4の内周面に臨む位置に、貫通孔25を穿設して、該貫通孔25にスキンプレート11の内側より油面計測用上部配管25を取り付ける。
【0022】
更に、上記油面計測用下部配管24と油面計測用上部配管26とを、従来と同様の透明ホース20を介し接続した構成とする。
【0023】
なお、上記円筒状のスキンプレート11の湾曲した周壁に設けた貫通孔23と25に、上記油面計測用下部配管24と油面計測用上部配管26をそれぞれ取り付けるときには、たとえば、上記スキンプレート11の周壁に設けた貫通孔23と25に雌ねじ(図示せず)を切ると共に、この貫通孔23と25に切った雌ねじに、上記下部と上部の各油面計測用配管24と26の先端部に切った雄ねじ(図示せず)を螺着させることで、上記貫通孔23と25に対する下部と上部の各油面計測用配管24と26の取り付けを行うようにすればよい。
【0024】
その他、図1乃至図3において図6乃至図8に示したものと同一のものには同一符号が付してある。
【0025】
以上の構成としてある旋回環潤滑油レベル計22を備えたシールド掘進機にて、カッタ駆動用モータ9を運転し、ピニオン10を介し上記外歯ギア21が設けてある旋回環3aの外輪5を旋回させることで、該外輪5と一体に掘削用カッタ7を回転駆動させて、掘削を行う際、上記外輪5の旋回により該外輪5の周囲に存在する潤滑油14に空気が巻き込まれて、該外輪5の周囲に存在する潤滑油14に泡立ちが生じるとしても、上記油面計測用下部配管24は、上記旋回環3aにて固定側となっている内輪4の内周面に臨む位置に設けた貫通孔23を通して潤滑油保持区画13より潤滑油14を導くようにしてあるため、上記泡立った潤滑油14が上記油面計測用下部配管24に達する虞は未然に防止されるようになる。よって、上記透明ホース20内の潤滑油14の油面が泡立った潤滑油14によって乱される虞も未然に防止されるようになる。
【0026】
このように、本発明のシールド掘進機の旋回環潤滑油レベル計22によれば、旋回環3aの旋回側となる外輪5より離れた位置である内輪4の内側から貫通孔23及び油面計測用下部配管24を経て透明ホース20内に潤滑油を導くようにすることで、上記外輪5の旋回に伴って該外輪5の周囲に存在する潤滑油14に泡立ちが生じるとしても、上記透明ホース20内における潤滑油14の油面に影響が生じる虞を回避できる。よって、上記透明ホース20内の油面の位置を正確に測定できるため、上記旋回環3aの潤滑油14のレベルを正確に計測することができる。
【0027】
次に、図4及び図5は本発明の実施の他の形態として、図6に示したと同様の内歯式の旋回環3を具備したカッタ駆動機構を備えたシールド掘進機に適用する場合を示すもので、以下のようにしてある。
【0028】
すなわち、図6に示したと同様の構成としてあるシールド掘進機における隔壁2の下端部にて上記旋回環3の固定側となる外輪5の外周側に臨む位置に、貫通孔27を穿設し、該貫通孔27に隔壁2の後側より油面計測用下部配管28を取り付ける。
【0029】
又、上記隔壁2の上端部にて上記旋回環3の外輪5の外周側に臨む位置に、貫通孔29を穿設し、該貫通孔29に隔壁2の後側より油面計測用上部配管30を取り付ける。
【0030】
更に、上記下部と上部の各油面計測用配管28と30同士を、透明ホース20を介し接続して、旋回環潤滑油レベル計22aを構成する。
【0031】
なお、上記下部と上部の各油面計測用配管28と30は、図5に示したように、後端部側をシールド掘進機の中心側へ屈曲させてなる構成として、シールドフレーム1の外周付近に設置される図示しないシールドジャッキと干渉しないように配置できるようにしてある。
【0032】
その他、図6乃至図8に示したものと同一のものには同一符号が付してある。
【0033】
以上の構成としてある旋回環潤滑油レベル計22aを備えたシールド掘進機にて、カッタ駆動用モータ9を運転し、ピニオン10を介し内歯ギア8が設けてある旋回環3の内輪4を旋回させることで、該内輪4と一体に掘削用カッタ7を回転駆動させて、掘削を行う際(図6参照)に、上記内輪4の旋回により潤滑油14に空気が巻き込まれて、該内輪4の周囲に存在する潤滑油14に泡立ちが生じるとしても、上記油面計測用下部配管28は、上記旋回環3にて固定側となっている外輪5の外周面に臨む位置に設けた貫通孔27を通して潤滑油保持区画13より潤滑油14を導くようにしてあるため、上記泡立った潤滑油14が上記油面計測用下部配管28に達する虞は未然に防止されるようになる。よって、上記透明ホース20内の潤滑油14の油面が泡立った潤滑油14によって乱される虞も未然に防止される。
【0034】
したがって本実施の形態によっても、上記実施の形態と同様に、旋回環3の潤滑油14のレベルを正確に計測できるという効果を得ることができる。
【0035】
なお、本発明は、上記実施の形態にのみ限定されるものではなく、図1乃至図3の実施の形態における油面計測用下部配管24を取り付けるためにスキンプレート11の周壁に設ける貫通孔23の位置は、潤滑油保持区画13に溜める潤滑油14のレベルよりも十分下方となる位置であれば、周辺機器の配置等に応じて周方向に位置を変更してもよい。又、油面計測用上部配管26を取り付けるためにスキンプレート11の周壁に設ける貫通孔25の位置は、潤滑油保持区画13に溜める潤滑油14のレベルよりも十分上方となる位置であれば、周辺機器の配置等に応じて周方向に位置を変更してもよい。更には、潤滑油保持区画13における潤滑油14のレベルよりも上方に連通するようにしてあれば、上記貫通孔25をスキンプレート11の周壁以外の位置に設けるようにしてもよい。
【0036】
図4及び図5の実施の形態における油面計測用下部配管28を取り付けるために隔壁2に設ける貫通孔25の位置は、潤滑油保持区画13に溜める潤滑油14のレベルよりも十分下方となる位置であれば、周辺機器の配置等に応じて周方向に位置を変更してもよい。又、油面計測用上部配管30を取り付けるために隔壁2に設ける貫通孔29の位置は、潤滑油保持区画13に溜める潤滑油14のレベルよりも十分上方となる位置であれば、周辺機器の配置等に応じて周方向に位置を変更してもよい。更には、潤滑油保持区画13における潤滑油14のレベルよりも上方に連通するようにしてあれば、上記貫通孔29を隔壁2以外の位置に設けるようにしてもよい。
【0037】
その他本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々変更を加え得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明のシールド掘進機の旋回環潤滑油レベル計の実施の一形態を示す概略切断側面図である。
【図2】図1の旋回環潤滑油レベル計全体を後方より見た図である。
【図3】図1の旋回環潤滑油レベル計の適用対象となるシールド掘進機を示す概略切断側図である。
【図4】本発明の実施の他の形態を示す概略切断側面図である。
【図5】図4の旋回環潤滑油レベル計全体を後方より見た図である。
【図6】従来用いられているシールド掘進機の一例を示す概略切断側面図である。
【図7】従来提案されているシールド掘進機の旋回環潤滑油レベル計を示す概略切断側面図である。
【図8】図7の旋回環潤滑油レベル計全体を後方より見た図である。
【符号の説明】
【0039】
1 シールドフレーム
2 隔壁
3,3a 旋回環
4 内輪
5 外輪
6 ビーム
7 掘削用カッタ
9 カッタ駆動用モータ
13 潤滑油保持区画
14 潤滑油
20 透明ホース
24 油面計測用下部配管
26 油面計測用上部配管
28 油面計測用下部配管
30 油面計測用上部配管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シールドフレームの旋回環の外輪又は内輪をカッタ駆動用モータで旋回させることにより旋回側の外輪又は内輪に取り付けた掘削用カッタを一体に回転駆動できるようにしてあり、更に、上記旋回環に沿って周方向の全長に亘り形成した潤滑油保持区画に潤滑油を溜めることで上記旋回環の潤滑を行うようにしてあるシールド掘進機の上記潤滑油保持区画における潤滑油レベルよりも下方で、且つ上記旋回環の固定側の内輪又は外輪を挟んで旋回側となる外輪又は内輪より離反する側に臨む位置に、油面計測用下部配管を連通させて設けると共に、上記潤滑油保持区画における潤滑油レベルよりも上方位置に油面計測用上部配管を連通させて設け、上記下部と上部の各油面計測用配管同士を透明ホースで連結してなる構成を有することを特徴とするシールド掘進機の旋回環潤滑油レベル計。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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