説明

シールド掘進機

【課題】ビームカッタを駆動する二つの油圧ジャッキのこじり力を極小化して、それら油圧ジャッキが破損することを防止する。
【解決手段】第二油圧検出手段55b、56bで検出された第二油圧ジャッキ40bの油圧検出値に基づいて第二油圧ジャッキ40bのジャッキ推力計算値を決定し、該ジャッキ推力計算値と回転角度検出手段53で検出した回転角度とに応じて定まる第一油圧ジャッキ40aのこじり力計算値及び第二油圧ジャッキ40bのこじり力計算値をそれぞれ決定し、第一油圧ジャッキ40aのジャッキ推力と直交する方向のこじり力計算値と第二油圧ジャッキ40bのジャッキ推力と直交する方向のこじり力計算値との和がゼロとなるように第二油圧ジャッキ40bのジャッキ推力設定値を決定し、該ジャッキ推力設定値と第二油圧ジャッキ40bのジャッキ推力計算値との偏差がゼロとなるように、第二制御弁48b、50bの開度を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、馬蹄形断面、楕円形断面或いは矩形断面等の異形断面を掘削するためのシールド掘進機に係り、特に、二つの油圧ジャッキにより駆動されるビームカッタを備えたシールド掘進機に関する。
【背景技術】
【0002】
シールド掘進機は、シールド本体の前部に設けられた回転カッタで地山を掘削して、その後方でセグメントを順次組立てることにより、トンネルを構築していくものである。回転カッタの前面には複数のビットが配置されており、回転カッタを回転させてビットにより地山を掘削するようになっている。
【0003】
ところで、道路の横方向の占有幅が上下方向の占有幅より大きいことから、道路用トンネルの断面は、円形断面よりも、上下方向に比べて横方向が広くなる馬蹄形断面が理想的である。つまり、道路用トンネルを馬蹄形断面とすると、円形断面に比べて上下方向に無駄な空間が少なく、建設コストが安価となるという利点がある。
【0004】
馬蹄形断面、楕円形断面或いは矩形断面等の異形断面を掘削するシールド掘進機としては、例えば、シールド本体の前部に設けられ、掘進方向と平行な軸廻りに回転駆動される回転カッタと、その回転カッタのカッタスポークに設けられ、回転カッタの外周縁よりも半径方向外側に出没自在なオーバカッタとを備えたものが知られている。このようなシールド掘進機では、オーバカッタを回転カッタの外周縁よりも半径方向外側に突出させ、そのオーバカッタにより回転カッタの外周縁よりも半径方向外側の領域を掘削するようになっている。
【0005】
なお、引用文献1には、円形のメインカッタの外周に開閉自在にスイングカッタを設けたシールド掘進機が記載されている。
【0006】
【特許文献1】特開平11−303581号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明者らは、馬蹄形断面、楕円形断面或いは矩形断面等の異形断面を掘削するシールド掘進機を新規開発中である。
【0008】
このシールド掘進機は、シールド本体の前部に回転自在に設けられたカッタフレームに、その半径方向に沿って且つカッタフレームの周方向に互いに所定角度となるように配置された二つの油圧ジャッキと、ビーム状に形成され、その長手方向端部よりも長手方向内側の部分が二つの油圧ジャッキの伸縮端部に回動自在に支持されたビームカッタ(商標登録出願中)とを備えている。
【0009】
このシールド掘進機においては、二つの油圧ジャッキを伸縮させることにより、二つの油圧ジャッキの内一方の伸縮端部をカッタフレームの半径方向外側に移動させ、他方の伸縮端部をカッタフレームの半径方向内側に移動させ、ビームカッタの長手方向端部をカッタフレームの半径方向外側に突出させるようになっている。
【0010】
このようなシールド掘進機にあっては、二つの油圧ジャッキの伸縮端部間の距離は常に一定となるので、二つの油圧ジャッキが伸縮するストロークを正確に制御する必要があるが、二つの油圧ジャッキの制御方法は確立されていない。
【0011】
上述のようなシールド掘進機において、二つの油圧ジャッキをそれぞれ、そのストロークを制御対象として制御(ストローク制御)することが考えられるが、このようにストロークのみを制御対象として二つの油圧ジャッキを制御すると、ビームカッタが地山から受ける力(掘削力)に抗して二つの油圧ジャッキを伸縮させるところ、二つの油圧ジャッキの油圧が拮抗して上昇して、二つの油圧ジャッキにその長手方向に直交する方向に作用する力(こじり力)が大きくなり、その油圧ジャッキのこじり力により油圧ジャッキが破損する虞がある。
【0012】
そこで、本発明の目的は、ビームカッタを駆動する二つの油圧ジャッキのこじり力を極小化して、それら油圧ジャッキが破損することを防止することができるシールド掘進機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために本発明は、シールド本体の前部に回転自在に設けられたカッタフレームと、該カッタフレームにその半径方向に沿って且つ上記カッタフレームの周方向に互いに所定角度となるように配置された第一及び第二油圧ジャッキと、ビーム状に形成され、その長手方向端部よりも長手方向内側の部分が上記第一及び第二油圧ジャッキの伸縮端部に回動自在に支持されたビームカッタとを備えたシールド掘進機において、上記カッタフレームの回転角度を検出するための回転角度検出手段と、上記第一油圧ジャッキのストロークを検出するための第一ストローク検出手段と、上記第二油圧ジャッキの油圧を検出するための第二油圧検出手段と、上記第一及び第二油圧ジャッキに供給する油量をそれぞれ制御するための第一及び第二制御弁と、これら第一及び第二制御弁の開度を制御する制御手段とを備え、上記制御手段は、上記回転角度検出手段で検出した回転角度に基づいて上記第一油圧ジャッキのストローク設定値を決定し、該ストローク設定値と上記第一ストローク検出手段で検出された上記第一油圧ジャッキのストローク検出値との偏差がゼロとなるように、上記第一制御弁の開度を制御すると共に、上記第二油圧検出手段で検出された上記第二油圧ジャッキの油圧検出値に基づいて上記第二油圧ジャッキのジャッキ推力計算値を決定し、該ジャッキ推力計算値と上記回転角度検出手段で検出した回転角度とに応じて定まる上記第一油圧ジャッキのジャッキ推力と直交する方向のこじり力計算値及び上記第二油圧ジャッキのジャッキ推力と直交する方向のこじり力計算値をそれぞれ決定し、上記第一油圧ジャッキのこじり力計算値と上記第二油圧ジャッキのこじり力計算値との和がゼロとなるように上記第二油圧ジャッキのジャッキ推力設定値を決定し、該ジャッキ推力設定値と上記第二油圧ジャッキのジャッキ推力計算値との偏差がゼロとなるように、上記第二制御弁の開度を制御するものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、ビームカッタを駆動する二つの油圧ジャッキのこじり力を極小化して、それら油圧ジャッキが破損することを防止することができるという優れた効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の好適な実施形態を添付図面に基づいて詳述する。
【0016】
図1は、本発明の一実施形態に係るシールド掘進機の正面図である。図2は、図1のII−II線矢視断面図である。図3は、図1のIII−III線矢視断面図である。図4は、図1のIV−IV線矢視断面図である。図5は、図2のV−V線矢視断面図である。
【0017】
図1から図4に示すように、シールド掘進機1は、シールド本体2と、シールド本体2の前部に回転自在に設けられ、円形断面を掘削する回転カッタ3とを備えている。シールド本体2は、上下方向(図1中の上下方向)に比べて横方向(図1中の左右方向)に広い馬蹄形断面であって、上下方向の中央よりも下部側で横幅が最も広くなるように形成されている。回転カッタ3は、掘進方向と平行な軸廻りに回転駆動される。
【0018】
シールド本体2の後部には、回転カッタ3及び後述するビームカッタ4により掘削した孔内にセグメントを組立ててトンネル(道路用トンネル)を構築するためのエレクタ(図示せず)と、シールド本体2の内周に所定間隔を隔てて複数設けられ、セグメントに反力を取ってシールド本体2を推進させるためのシールドジャッキ(図示せず)とが設けられる。
【0019】
回転カッタ3と、シールド本体2の前端部近傍に設けられたバルクヘッド(隔壁)5との間には、回転カッタ3及びビームカッタ4により掘削した土砂(掘削土砂)を取り込むチャンバ6が形成される。バルクヘッド5の下部には、これを貫通してチャンバ6に開口するスクリュコンベア7が設けられる。
【0020】
回転カッタ3は、バルクヘッド5に回転自在に設けられている。回転カッタ3は、その回転中心から半径方向外側に延出し、掘進方向と平行な軸廻りに回転されるカッタフレーム8を有している。カッタフレーム8の前面には、その半径方向中央にセンタビット9が配置され、そのセンタビット9よりも外周側に複数のカッタビット10が配置されている。これらセンタビット9及びカッタビット10は、回転カッタ3の外周縁よりも半径方向内側の地山に当接される。カッタフレーム8の後面には、後方に延出してチャンバ6内の掘削土砂を撹拌するための撹拌翼11が設けられている。
【0021】
カッタフレーム8は、中心部材12と、中心部材12に放射状に取り付けられた複数(図示例では八本)のカッタスポーク13、14とを有している。つまり、各カッタスポーク13、14は、回転カッタ3の回転中心から半径方向外側に延出している。
【0022】
ここで、カッタスポーク13、14は、第一カッタスポーク13と第二カッタスポーク14との二種類から構成されている。本実施形態では、八本のカッタスポーク13、14のうち四本が第一カッタスポーク13とされ、残りの四本が第二カッタスポーク14とされている。
【0023】
第一カッタスポーク13は、回転カッタ3の周方向に所定間隔を隔てて、少なくとも一つの他の第一カッタスポーク13に隣接される。
【0024】
第二カッタスポーク14は、回転カッタ3の周方向に所定間隔を隔てて、第一カッタスポーク13或いは他の第二カッタスポーク14に隣接される。
【0025】
回転カッタ3の周方向に隣接する第一カッタスポーク13同士、回転カッタ3の周方向に隣接する第二カッタスポーク14同士、或いは、回転カッタ3の周方向に隣接する第一カッタスポーク13と第二カッタスポーク14とは、それらの半径方向中間部にて中間部材16により連結されている。
【0026】
周方向に隣接する第一カッタスポーク13同士は、その外周部にて外周部材17aにより連結されている。
【0027】
周方向に隣接する第二カッタスポーク14同士は、その外周部にて外周部材17bにより連結されている。
【0028】
第二カッタスポーク14は、ビームカッタ4が駆動された際にそのビームカッタ4を挿通し得るように、側部が開放された箱状に形成されている(図1、図2及び図5参照)。
【0029】
バルクヘッド5には、ギヤ20を有するリング状部材21が回転自在に支持されている。リング状部材21は、回転カッタ3のカッタフレーム8から後方に延出する複数の中間ビーム22によって、カッタフレーム8と連結されている。中間ビーム22は、回転カッタ3の周方向に所定間隔を隔てて複数設けられる。シールド本体2内には、リング状部材21を回転させるための複数の駆動モータ23(本実施形態では、油圧モータ)が設けられている。駆動モータ23にはピニオン24が取り付けられており、そのピニオン24がリング状部材21に設けられたギヤ20と歯合するようになっている。
【0030】
バルクヘッド5には、リング状部材21を回転自在に支持する支持機構25が設けられている。支持機構25は、ケーシング26と、ケーシング26内に収容され、リング状部材21を支持するための軸受27、28と、シールド本体2内に土砂が侵入するのを防止するためのシール機構29とを有している。
【0031】
回転カッタ3には、回転カッタ3の外周縁よりも半径方向内側の所定位置から回転カッタ3の略半径方向外側に延出し、且つ、回転カッタ3の周方向に互いに所定角度となるように配置された二つのガイドが設けられる。
【0032】
本実施形態では、上記二つのガイドは、回転カッタ3の周方向に互いに隣接する二本の第一カッタスポーク13に設けられており、中心部材12に取り付けられた固定スポーク30と、固定スポーク30に収容され、回転カッタ3の半径方向(固定スポーク30の長手方向)に移動自在なガイドスポーク31とから構成されている。
【0033】
各第一カッタスポーク13にはそれぞれ、各第一カッタスポーク13の長手方向、つまり回転カッタ3の半径方向に沿って移動自在な支持部32が設けられている。
【0034】
各支持部32は、第一カッタスポーク13のガイドスポーク31先端部に設けられたケーシング33と、ケーシング33内に収容され、後述するビームカッタ本体34のピン35を支持するための軸受36、37、38と、ケーシング33内に土砂が侵入するのを防止するためのシール機構39とを有している。
【0035】
シールド掘進機1は、回転カッタ3の外周縁よりも半径方向外側の地山を掘削するためのビームカッタ4を備えている。ビームカッタ4は、ビーム状に形成されたビームカッタ本体34を有している。ビームカッタ本体34は、その長手方向両端部よりも長手方向内側の部分にて各第一カッタスポーク13の支持部32に回動自在に支持されている。本実施形態では、ビームカッタ本体34の長手方向両端部よりも長手方向内側の部分にはピン35が設けられており、このピン35にてビームカッタ本体34は、各第一カッタスポーク13の支持部32に回動自在に支持されている。
【0036】
各支持部32を、各第一カッタスポーク13の長手方向、つまり回転カッタ3の半径方向に沿って移動するためのアクチュエータとしての二つの油圧ジャッキ(第一及び第二油圧ジャッキ)40a、40bが設けられる。図3及び図5に示すように、第一及び第二油圧ジャッキ40a、40bはそれぞれ、ガイドスポーク31に取り付けられたシリンダチューブ41と、シリンダチューブ41の一端に装着された円盤状のヘッド41h(図6参照)と、シリンダチューブ41の他端に装着された円盤状のキャップ41c(図6参照)と、シリンダチューブ41内にその軸方向に摺動自在に設けられ、ヘッド側油圧室42とキャップ側油圧室43とを区画するピストン44(図6参照)と、一端がピストン44に連結され、他端が中心部材12に連結されたロッド45とを有している。つまり、第一及び第二油圧ジャッキ40a、40bは、回転カッタ3のカッタフレーム8に、カッタフレーム8の半径方向に沿って且つカッタフレーム8の周方向に互いに所定角度となるように配置されている。
【0037】
図6に示すように、第一及び第二油圧ジャッキ40a、40bにはそれぞれ、第一及び第二油圧ジャッキ40a、40bを作動する油圧回路46が接続されている。第一及び第二油圧ジャッキ40a、40bのヘッド側油圧室42と油圧回路46とを結ぶヘッド側油圧供給ライン47にはそれぞれ、第一及び第二油圧ジャッキ40a、40bのヘッド側油圧室42に供給する油量を制御するためのヘッド側の第一及び第二制御弁48a、48bが設けられている。また、第一及び第二油圧ジャッキ40a、40bのキャップ側油圧室43と油圧回路46とを結ぶキャップ側油圧供給ライン49にはそれぞれ、第一及び第二油圧ジャッキ40a、40bのキャップ側油圧室43に供給する油量を制御するためのキャップ側の第一及び第二制御弁50a、50bが設けられている。本実施形態では、ヘッド側の第一及び第二制御弁48a、48b、キャップ側の第一及び第二制御弁50a、50bとして、サーボ弁を用いている。
【0038】
各支持部32を回転カッタ3の半径方向外側に移動させる際には、油圧回路46、ヘッド側の第一及び第二制御弁48a、48b、キャップ側の第一及び第二制御弁50a、50bを伸長側に作動させて、第一及び第二油圧ジャッキ40a、40bを伸長させる。一方、各支持部32を回転カッタ3の半径方向内側に移動させる際には、油圧回路46、ヘッド側の第一及び第二制御弁48a、48b、キャップ側の第一及び第二制御弁50a、50bを縮退側に作動させて、第一及び第二油圧ジャッキ40a、40bを縮退させる。
【0039】
図1及び図4に示すように、ビームカッタ本体34の長手方向両端部の前面には、複数のカッタビット51が配置されている。これらカッタビット51は、回転カッタ3のカッタビット10よりもわずかに掘進方向後方に配置される。つまり、ビームカッタ本体34の長手方向両端部が回転カッタ3の外周縁よりも半径方向内側に位置した状態では、ビームカッタ本体34の長手方向両端部(カッタビット51)は地山には当接されずチャンバ6内の掘削土砂を撹拌するのみである。また、ビームカッタ本体34の長手方向一端部が回転カッタ3の外周縁よりも半径方向外側に突出した状態では、ビームカッタ本体34の長手方向一端部(カッタビット51)が回転カッタ3の外周縁よりも半径方向外側の地山に当接されて地山を掘削し、ビームカッタ本体34の長手方向他端部(カッタビット51)は地山には当接されずチャンバ6内の掘削土砂を撹拌するのみである。
【0040】
シールド掘進機1は、第一及び第二油圧ジャッキ40a、40bによってビームカッタ本体34の長手方向一端部を回転カッタ3の外周縁よりも半径方向外側に突出させるための制御手段としてのコントローラ52を備えている(図6参照)。コントローラ52は、ヘッド側の第一及び第二制御弁48a、48b、キャップ側の第一及び第二制御弁50a、50bの開度をそれぞれ制御するようになっている。
【0041】
ビームカッタ本体34の長手方向一端部を回転カッタ3の外周縁よりも半径方向外側に突出させる際には、回転カッタ3の周方向に互いに隣接する二本の第一カッタスポーク13のうち一方の第一カッタスポーク13に設けられた一方の支持部32を回転カッタ3の半径方向外側に移動させることにより、ビームカッタ本体34の長手方向一端部が回転カッタ3の半径方向外側に移動されると共に、他方の第一カッタスポーク13に設けられた他方の支持部32を回転カッタ3の半径方向内側に移動させることにより、ビームカッタ本体34の長手方向一端部が上記一方の支持部32回りに回転カッタ3の半径方向外側へと回動される。
【0042】
コントローラ52には、回転カッタ3(カッタフレーム8)の回転角度を検出するための回転角度検出手段としての回転角度センサ53が接続されている(図7参照)。また、コントローラ52には、第一及び第二油圧ジャッキ40a、40bのストロークをそれぞれ検出するための第一及び第二ストローク検出手段としての第一及び第二ストロークセンサ54a、54bが接続されている(図6及び図7参照)。
【0043】
また、コントローラ52には、第一及び第二油圧ジャッキ40a、40bのヘッド側油圧を検出するための第一及び第二油圧検出手段としてのヘッド側の第一及び第二油圧センサ55a、55bが接続されている(図6及び図8参照)。また、コントローラ52には、第一及び第二油圧ジャッキ40a、40bのキャップ側油圧を検出するための第一及び第二油圧検出手段としてのキャップ側の第一及び第二油圧センサ56a、56bが接続されている(図6及び図8参照)。
【0044】
以下、コントローラ52による第一及び第二油圧ジャッキ40a、40bの制御について図7及び図8により説明する。
【0045】
ここで、本実施形態では、二つの油圧ジャッキの内、カッタフレーム8が一回転するときにストローク変化が大きい油圧ジャッキを第一油圧ジャッキ40aとし、カッタフレーム8が一回転するときにストローク変化が小さい油圧ジャッキを第二油圧ジャッキ40bとして、コントローラ52はそれら油圧ジャッキのストロークを制御するものとする。詳しくは、本実施形態では、二つの油圧ジャッキの内、カッタフレーム8の回転方向前側に位置する油圧ジャッキを第一油圧ジャッキ40aとし、カッタフレーム8の回転方向後側に位置する油圧ジャッキを第二油圧ジャッキ40bとする。
【0046】
まず、第一油圧ジャッキ40aのストローク制御について説明する。
【0047】
図7に示すように、コントローラ52は、回転角度センサ53で検出された回転カッタ3の回転角度をルックアップテーブル57aに入力して第一油圧ジャッキ40aのストローク設定値を決定する。ルックアップテーブル57aには、回転カッタ3の回転角度に応じた第一油圧ジャッキ40aのストローク設定値が予め求められて入力されており、ルックアップテーブル57aに回転カッタ3の回転角度を入力することによって、第一油圧ジャッキ40aのストローク設定値が求められる。
【0048】
次いで、コントローラ52は、第一油圧ジャッキ40aのストローク設定値と、第一ストロークセンサ54aで検出された第一油圧ジャッキ40aのストローク検出値とのストローク偏差を求め(ストローク偏差=ストローク設定値−ストローク検出値)、そのストローク偏差がゼロとなるようなヘッド側の第一制御弁48aの開度、キャップ側の第一制御弁50aの開度等を決定する(P制御又はPI制御)。
【0049】
そして、コントローラ52は、決定した開度等に応じて第一制御弁48a、50aを制御して、第一油圧ジャッキ40aに供給する油量を調節することで、第一油圧ジャッキ40aのストロークを所定値となるように制御する。
【0050】
次に、第二油圧ジャッキ40bのストローク制御について説明する。
【0051】
図8に示すように、コントローラ52は、回転角度センサ53で検出された回転カッタ3の回転角度をルックアップテーブル57bに入力して第二油圧ジャッキ40bのストローク設定値を決定する。ルックアップテーブル57bには、回転カッタ3の回転角度に応じた第二油圧ジャッキ40bのストローク設定値が予め求められて入力されており、ルックアップテーブル57bに回転カッタ3の回転角度を入力することによって、第二油圧ジャッキ40bのストローク設定値が求められる。
【0052】
次いで、コントローラ52は、第二油圧ジャッキ40bのストローク設定値と、第二ストロークセンサ54bで検出された第二油圧ジャッキ40bのストローク検出値とのストローク偏差を求め(ストローク偏差=ストローク設定値−ストローク検出値)、そのストローク偏差がゼロとなるような第二油圧ジャッキ40bのジャッキ推力設定値を決定する(P制御又はPI制御)。
【0053】
ここで、本明細書において、ジャッキ推力とは、油圧ジャッキを伸長させようとする押す力(押し力)から、油圧ジャッキを縮退させようとする引く力(引き力)を引いた値であり、その値が正のときは押し力を表し、負のときは引き力を表す。
【0054】
また、コントローラ52は、ヘッド側の第二油圧センサ55bで検出されたヘッド側油圧とヘッド断面積(Sh)とに基づいて押し力を求める(押し力=ヘッド側油圧×ヘッド断面積)と共に、キャップ側の第二油圧センサ56bで検出されたキャップ側油圧とキャップ断面積(Sc)とに基づいて引き力を求め(引き力=キャップ側油圧×キャップ断面積)、求めた押し力と引き力とに基づいてジャッキ推力計算値を求める(ジャッキ推力計算値=押し力−引き力)。
【0055】
次いで、コントローラ52は、決定したジャッキ推力設定値とジャッキ推力計算値とのジャッキ推力偏差を求め(ジャッキ推力偏差=ジャッキ推力設定値−ジャッキ推力計算値)、そのジャッキ推力偏差がゼロとなるようなヘッド側の第二制御弁48bの開度、キャップ側の第二制御弁50bの開度等を決定する(P制御又はPI制御)。
【0056】
そして、コントローラ52は、決定した開度等に応じて第二制御弁48b、50bを制御して、第二油圧ジャッキ40bに供給する油量を調節することで、第二油圧ジャッキ40bのストロークを所定値となるように制御する。
【0057】
地山を掘削する際には、図12に示すように、駆動モータ23により回転カッタ3を回転駆動させると、その回転カッタ3によって地山が円形断面に掘削されて、円形断面の孔が形成される。
【0058】
また、図12から図14に示すように、回転カッタ3の回転角度に応じて、ビームカッタ本体34の長手方向一端部を回転カッタ3の外周縁よりも半径方向外側に突出させると、回転カッタ3により形成された円形断面の孔の外周縁よりも半径方向外側の未掘削領域の地山が、ビームカッタ4(カッタビット51)により掘削されて、円形断面の孔に連続された馬蹄形断面の孔が形成される。
【0059】
ところで、第一及び第二油圧ジャッキ40a、40bを共にストローク偏差(ストローク)を制御対象として制御する場合(「ストローク−ストローク制御」と称する)、第一油圧ジャッキ40aのストロークが与えられた目標ストロークに追従したときに、第二油圧ジャッキ40bのストロークが目標ストロークから僅かでもずれていると、第二油圧ジャッキ40bはより大きなジャッキ推力で目標ストロークに追従しようとする。第二油圧ジャッキ40bのストロークが目標ストロークに合わせられることで、第一油圧ジャッキ40aのストロークが目標ストロークからずらされるので、第一油圧ジャッキ40aは更に大きなジャッキ推力で目標ストロークに追従しようとする。このような流れを二つの油圧ジャッキ40a、40bが繰り返すことで、油圧ジャッキ40a、40bの推力が大きくなっていき、ひいては油圧ジャッキ40a、40bのジャッキ推力に直交する方向のこじり力が大きくなっていく可能性がある。
【0060】
本実施形態のように、第一油圧ジャッキ40aをストローク偏差(ストローク)を制御対象として制御すると共に、第二油圧ジャッキ40bをジャッキ推力偏差(油圧)を制御対象として制御する場合(「ストローク−油圧制御」と称する)には、第二油圧ジャッキ40bのジャッキ推力を制御することで、第一及び第二油圧ジャッキ40a、40bのこじり力の最大値を制御することが可能となる。
【0061】
以下、こじり力の算出方法、こじり力の制御方法を図9を用いて説明する。
〔こじり力の算出方法〕
ビームカッタ4に作用する各力を以下のように定義する。
【0062】
H1、H2:第一及び第二油圧ジャッキのジャッキ推力
V1、V2:第一及び第二油圧ジャッキのこじり力
Rh1、Rh2:H1、V1(H2、V2)の合力のビームカッタ本体に水平な成分 R1、R2:H1、V1(H2、V2)の合力のビームカッタ本体に垂直な成分
Fφ:カッタビット先端が地山から受ける力(掘削力)
Fφx:Fφのビームカッタ本体に水平な成分
Fφy:Fφのビームカッタ本体に垂直な成分
V1、V2はそれぞれ、ビームカッタ本体34の長手方向内側の方向をプラス方向(正方向)と定義した。
【0063】
図9に示すように、掘削力Fφは、カッタビット51の先端Tに対して、カッタ中心Oとカッタビット51の先端Tとを結ぶ線L(掘削半径)に直交する方向に、点荷重として作用するものとしてモデル化する。掘削途中で掘削半径を変化させないとすると、掘削半径方向の力は無視できる。
【0064】
ビームカッタ4に作用する最も大きな力は掘削力Fφであり、その他の力(重力、慣性力等)は掘削力Fφに比べて小さく無視できるものとして、力の釣り合いを考える。
【0065】
油圧ジャッキ座標系(局所座標系)での力(H1、H2、V1、V2)と、ビームカッタ本体座標系(全体座標系)での力(Rh1、Rh2、R1、R2)とは以下のように座標変換できる。
【0066】
【数1】

【0067】
【数2】

【0068】
x方向の力の釣り合い式から、
【0069】
【数3】

【0070】
y方向の力の釣り合い式から、
【0071】
【数4】

【0072】
式(3)/式(4)より、
【0073】
【数5】

【0074】
式(2)、(5)より、
【0075】
【数6】

【0076】
モーメントの釣り合い式から、
【0077】
【数7】

【0078】
式(6)、(7)をV1、V2について解くと、
【0079】
【数8】

【0080】
【数9】

【0081】
【数10】

【0082】
ここで、θf、δf、θ’f、δ’f、γFは、掘削半径が定まれば、回転カッタ3の回転角度Ψで定まる。l1、l2は、定数である。よって、式(9)中のaijは回転カッタ3の回転角度Ψによって定まる。
【0083】
また、H1、H2が決まらなければ、式(9)を用いてV1、V2を求めることができない。そこで、H1としては単位力1を与え、H2はH1に対する比として与える。よって、H2が定まれば、式(9)からV1、V2を求めることができる。
〔こじり力の制御方法〕
第二油圧ジャッキ40bをジャッキ推力H2を制御対象として制御する目的は、第一及び第二油圧ジャッキ40a、40bのこじり力V1、V2の絶対値の内大きい値(max{|V1|,|V2|}の値)を極小化することである。
【0084】
シミュレーションにより、回転カッタ3の回転角度を変化させて、第二油圧ジャッキ40bのジャッキ推力H2と第一及び第二油圧ジャッキ40a、40bのこじり力V1、V2との関係を確認した(図10参照)。
【0085】
そのシミュレーションの結果、こじり力V1、V2は、回転カッタ3の回転角度Ψに依らず、V1+V2=0(|V1|=|V2|)となる場合に、極小化できることがわかった。
【0086】
そこで、本実施形態では、「V1+V2=0」が成り立つように、つまり、第一油圧ジャッキ40aのこじり力V1と第二油圧ジャッキ40bのこじり力V2との和がゼロとなるように、第二油圧ジャッキ40bのジャッキ推力H2を制御(「こじり力低減制御」と称する)するものとする。
【0087】
以下、第二油圧ジャッキ40bによるこじり力低減制御について説明する。
【0088】
コントローラ52は、第二油圧センサ55b、56bの検出値とヘッド断面積(Sh)及びキャップ側断面積(Sc)とから求めた第二油圧ジャッキ40bのジャッキ推力計算値をH2として、式(9)を用いて第一油圧ジャッキ40aのこじり力計算値(V1)及び第二油圧ジャッキ40bのこじり力計算値(V2)を求める。
【0089】
次いで、コントローラ52は、求めた第一油圧ジャッキ40aのこじり力計算値(V1)の絶対値及び第二油圧ジャッキ40bのこじり力計算値(V2)の絶対値の内大きい値(max{|V1|,|V2|}の値)が最小化され、第一油圧ジャッキ40aのこじり力計算値(V1)と第二油圧ジャッキ40bのこじり力計算値(V2)との和がゼロ(V1+V2=0)となるように第二油圧ジャッキ40bのジャッキ推力設定値を決定する。
【0090】
次いで、コントローラ52は、決定した第二油圧ジャッキ40bのジャッキ推力設定値と第二油圧ジャッキ40bのジャッキ推力計算値とのジャッキ推力偏差を求め(ジャッキ推力偏差=ジャッキ推力設定値−ジャッキ推力計算値)、そのジャッキ推力偏差がゼロとなるようなヘッド側の第二制御弁48bの開度、キャップ側の第二制御弁50bの開度等を決定する(P制御又はPI制御)。
【0091】
そして、コントローラ52は、決定した開度等に応じて第二制御弁48b、50bを制御して、第二油圧ジャッキ40bに供給する油量を調節する。
【0092】
実機実験により、「ストローク−ストローク制御」(図11(a)参照)と比較して、第一油圧ジャッキ40aのこじり力(V1)及び第二油圧ジャッキ40bのこじり力(V2)を低減できることを確認した(図11(b)参照)。
【0093】
また、本実施形態では、コントローラ52は、「こじり力V1、V2を低減する必要あり」と判定した場合に、こじり力低減制御を実行する。
【0094】
まず、式(1)〜(3)を用いて、Fφx、Fφyを求め、その絶対値としてFφを求める。求めたFφをカッタビット51(ビームカッタ本体34)の先端が地山から受ける掘削力計算値(Fφ)とする。
【0095】
本実施形態では、図8に示すように、コントローラ52は、求めた掘削力計算値(Fφ)が所定のしきい値(Fφ_th)より大きく(Fφ>Fφ_th)、且つ、回転角度センサ53で検出された回転カッタ3の回転角度に基づいて定まる第二油圧ジャッキ40bのストローク設定値と、第二ストロークセンサ54bで検出された第二油圧ジャッキ40bのストローク検出値とから求めた第二油圧ジャッキ40bのストローク偏差(Perr)が所定のしきい値(Perr_th)より小さい(Perr<Perr_th)ときに、「こじり力V1、V2を低減する必要あり」と判定して、こじり力低減制御を実行するようになっている。
【0096】
このように第二油圧ジャッキ40bを、ジャッキ推力偏差(油圧)を制御対象として制御(油圧制御)し、第一及び第二油圧ジャッキ40a、40bのこじり力V1、V2が大きいときに、これらこじり力V1、V2が極小化されるように第二油圧ジャッキ40bの油圧を制御することで、それら油圧ジャッキ40a、40bが破損することを防止することが可能となる。
【0097】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態には限定されず他の様々な実施形態を採ることが可能である。
【0098】
例えば、上述の実施形態では、コントローラ52は、「こじり力V1、V2を低減する必要あり」と判定した場合にこじり力低減制御を実行するとしたが、これには限定はされない。こじり力V1、V2の大きさは、基本的に、回転カッタ3の回転角度、つまり掘削断面(掘削半径)に依存するので、コントローラ52は、予め定められた回転角度となったときに、こじり力低減制御を実行するようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1】本発明の一実施形態に係るシールド掘進機の正面図である。
【図2】図1のII−II線矢視断面図である。
【図3】図1のIII−III線矢視断面図である。
【図4】図1のIV−IV線矢視断面図である。
【図5】図2のV−V線矢視断面図である。
【図6】油圧ジャッキの概略図である。
【図7】制御手段による油圧ジャッキの制御(ストローク制御)を示すブロック図である。
【図8】制御手段による油圧ジャッキの制御(油圧制御)を示すブロック図である。
【図9】ビームカッタに作用する各力を説明するための概略図である。
【図10】(a)から(c)は第二ジャッキのジャッキ推力と第一及び第二油圧ジャッキのこじり力との関係を示すグラフである。
【図11】(a)及び(b)は回転カッタの回転角度と第一及び第二油圧ジャッキのこじり力との関係を示すグラフである。
【図12】馬蹄形断面を掘削するシールド掘進機の正面図である。
【図13】馬蹄形断面を掘削するシールド掘進機の正面図である。
【図14】馬蹄形断面を掘削するシールド掘進機の正面図である。
【符号の説明】
【0100】
1 シールド掘進機
2 シールド本体
4 ビームカッタ
8 カッタフレーム
40a 油圧ジャッキ(第一油圧ジャッキ)
40b 油圧ジャッキ(第二油圧ジャッキ)
48a 制御弁(ヘッド側の第一制御弁)
48b 制御弁(ヘッド側の第二制御弁)
50a 制御弁(キャップ側の第一制御弁)
50b 制御弁(キャップ側の第二制御弁)
52 コントローラ(制御手段)
53 回転角度センサ(回転角度検出手段)
54a ストロークセンサ(第一ストローク検出手段)
55b 油圧センサ(ヘッド側の第二油圧検出手段)
56b 油圧センサ(キャップ側の第二油圧検出手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シールド本体の前部に回転自在に設けられたカッタフレームと、該カッタフレームにその半径方向に沿って且つ上記カッタフレームの周方向に互いに所定角度となるように配置された第一及び第二油圧ジャッキと、ビーム状に形成され、その長手方向端部よりも長手方向内側の部分が上記第一及び第二油圧ジャッキの伸縮端部に回動自在に支持されたビームカッタとを備えたシールド掘進機において、
上記カッタフレームの回転角度を検出するための回転角度検出手段と、上記第一油圧ジャッキのストロークを検出するための第一ストローク検出手段と、上記第二油圧ジャッキの油圧を検出するための第二油圧検出手段と、上記第一及び第二油圧ジャッキに供給する油量をそれぞれ制御するための第一及び第二制御弁と、これら第一及び第二制御弁の開度を制御する制御手段とを備え、
上記制御手段は、
上記回転角度検出手段で検出した回転角度に基づいて上記第一油圧ジャッキのストローク設定値を決定し、該ストローク設定値と上記第一ストローク検出手段で検出された上記第一油圧ジャッキのストローク検出値との偏差がゼロとなるように、上記第一制御弁の開度を制御すると共に、
上記第二油圧検出手段で検出された上記第二油圧ジャッキの油圧検出値に基づいて上記第二油圧ジャッキのジャッキ推力計算値を決定し、該ジャッキ推力計算値と上記回転角度検出手段で検出した回転角度とに応じて定まる上記第一油圧ジャッキのジャッキ推力と直交する方向のこじり力計算値及び上記第二油圧ジャッキのジャッキ推力と直交する方向のこじり力計算値をそれぞれ決定し、上記第一油圧ジャッキのこじり力計算値と上記第二油圧ジャッキのこじり力計算値との和がゼロとなるように上記第二油圧ジャッキのジャッキ推力設定値を決定し、該ジャッキ推力設定値と上記第二油圧ジャッキのジャッキ推力計算値との偏差がゼロとなるように、上記第二制御弁の開度を制御することを特徴とするシールド掘進機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2008−240456(P2008−240456A)
【公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−85412(P2007−85412)
【出願日】平成19年3月28日(2007.3.28)
【出願人】(000000099)株式会社IHI (5,014)
【出願人】(000140292)株式会社奥村組 (469)
【Fターム(参考)】