説明

シールド構造及びワイヤハーネス

【課題】作業性の改善、及び、部品点数やコストの削減を図ることが可能なシールド構造を提供する。また、このようなシールド構造を採用してなるワイヤハーネスを提供する。
【解決手段】シェル固定部50には、一対の縁部56が形成されている。この縁部56は、シェル固定部50の上下位置に配置され且つ左右方向にのびるように形成されている。縁部56には、この位置で折り返されてシェル筒部49の先端57側へとのびる被加締め片58が連続形成されている。被加締め片58は、矩形平板状に形成されており、シェル筒部49の外側平面部51に対し所定の間隔で対向するように配置されている。被加締め片58は、加締めを施す部分として、また、シェル筒部49は受ける部分として形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シールド部材の端部をシールドシェルに接続固定するにあたり、加締めを採用してなるシールド構造と、このシールド構造を採用してなるワイヤハーネスとに関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、電線の外側に配設された編組の端部と、電線の端末側に配設されたシールドシェルとを、リング状のシールドリングを加締めて電気的に接続するシールド構造が開示されている。
【0003】
上記構成において、編組は、所謂シールド部材であって、導電性を有する極細の金属素線を筒形状に編んで形成されている。また、シールドシェルは、導電性を有する金属部品であって、この外周面に編組の端部を接続する部分が形成されている。
【0004】
シールドリングは、この内側に編組の端部を挿入することができるような形状に形成されている。また、シールドリングは、この外側から加締めを施すことができるような形状に形成されている。このようなシールドリングに対し加締めを施すと、編組はシールドシェルに接触して電気的に接続されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−87902号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上記従来技術にあっては、シールドリングがシールドシェルに対し別体の部品になることから、シールドリングはこの内側に編組の端部を挿入したり、加締めを施す前に位置決めを行ったりする必要があり、作業性が悪いという問題点を有している。また、上記の如く別体の部品になることから、シールド構造に係る部品点数が多くなり、部品管理が煩雑になってしまうという問題点や、コスト高になってしまうという問題点も有している。
【0007】
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたもので、作業性の改善、及び、部品点数やコストの削減を図ることが可能なシールド構造を提供することを課題とする。また、このようなシールド構造を採用してなるワイヤハーネスを提供することも課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するためになされた請求項1に記載の本発明のシールド構造は、筒状に形成されたシェル筒部及び該シェル筒部の基端部に連続するシェル固定部を有する導電性のシールドシェルと、一又は複数本の導電路を覆う導電性のシールド部材と、を接続固定するにあたり、加締めを採用してなるシールド構造において、前記シールドシェルは、前記シェル筒部の先端側へのびるシェル一体形の被加締め片を一又は複数有することを特徴とする。
【0009】
このような特徴を有する本発明によれば、加締めにてシールド部材をシールドシェルに接続固定するにあたり、被加締め片を用いる。被加締め片は、加締めを施す部分としてシールドシェルに一体に形成される。尚、被加締め片の数は、シールド部材をシェル筒部に接続固定できれば一つでよく、安定性やシールド部材の引っ張りに十分に配慮するのであれば、例えばシェル筒部に対し上下一対のような対で形成することが好ましい。
【0010】
請求項2に記載の本発明のシールド構造は、請求項1に記載のシールド構造に係り、前記シールドシェルは、金属板をプレス加工することにより形成され、前記被加締め片は、前記シェル固定部の縁部で折り返され、或いは、前記シェル筒部の前記基端部で折り返されて形成されることを特徴とする。
【0011】
このような特徴を有する本発明によれば、被加締め片の一体化は、シールドシェルを金属板のプレス加工にて形成することにより容易になる。尚、金属板のプレス加工以外としては、例えばアルミニウムの鋳造も一体化が容易になる一例として挙げられるものとする。
【0012】
請求項3に記載の本発明のシールド構造は、請求項1又は2に記載のシールド構造に係り、前記被加締め片は、加締め前の状態として平板状に形成され、且つ、前記被加締め片は、前記シェル筒部の外側平面部に対向配置されることを特徴とする。
【0013】
このような特徴を有する本発明によれば、加締めを施す部分や受ける部分を平面に形成する。これにより、例えば曲面と比べて加締め状態は安定する。また、強度も十分に確保される。
【0014】
また、上記課題を解決するためになされた請求項4に記載の本発明のワイヤハーネスは、請求項1、2又は3に記載のシールド構造を採用してなることを特徴とする。
【0015】
このような特徴を有する本発明によれば、請求項1、2又は3に記載の本発明のシールド構造を含むワイヤハーネスになる。
【発明の効果】
【0016】
請求項1に記載された本発明によれば、加締めにてシールド部材をシールドシェルに接続固定するにあたり、加締めを施す部分として被加締め片をシールドシェルに一体化することから、従来、シールドシェル及びシールドリングの二部品でシールド部材を接続固定していたものを一部品で済ますことができる。従って、従来に比べ部品点数を少なくすることができるのは勿論のこと、作業数も少なくなることから、結果、本発明は作業性の改善、及び、部品点数やコストの削減を図ることができるという効果を奏する。
【0017】
請求項2に記載された本発明によれば、請求項1の効果に加え次のような効果も奏する。すなわち、シールドシェルを金属板のプレス加工にて形成することから、被加締め片を容易に一体化することができるという効果を奏する。
【0018】
請求項3に記載された本発明によれば、請求項1又は2の効果に加え次のような効果も奏する。すなわち、被加締め片を平板状に形成しシェル筒部の外側平面部に対向配置することから、加締め状態の安定化や強度確保を図ることができるという効果を奏する。
【0019】
請求項4に記載された本発明によれば、上記シールド構造を採用するワイヤハーネスであることから、ワイヤハーネスとしても上記効果を奏することができる。すなわち、作業性の改善、及び、部品点数やコストの削減を図ることができるワイヤハーネスであり、従来と比べてより良いワイヤハーネスでもある。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明のシールド構造及びワイヤハーネスを示す図であり、(a)はワイヤハーネスの配索状態を示す自動車の模式図、(b)はシールド構造及びワイヤハーネスの構成を示す図である。
【図2】接続固定前の編組及びシールドシェルの斜視図である。
【図3】シールドシェルに編組を挿入した状態の斜視図である。
【図4】加締めを施して編組をシールドシェルに接続固定した状態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
シールドシェルは、シールド部材の端部を接続固定するにあたり、加締めを施す部分としての被加締め片を一体に有する。被加締め片は、従来のシールドリングに相当する部分である。
【実施例】
【0022】
以下、図面を参照しながら実施例を説明する。図1は本発明のシールド構造及びワイヤハーネスを示す図であり、(a)はワイヤハーネスの配索状態を示す自動車の模式図、(b)はシールド構造及びワイヤハーネスの構成を示す図である。また、図2は接続固定前の編組及びシールドシェルの斜視図、図3はシールドシェルに編組を挿入した状態の斜視図、図4は加締めを施して編組をシールドシェルに接続固定した状態の斜視図である。
【0023】
本実施例においては、ハイブリッド自動車(電気自動車であってもよいものとする)に本発明のシールド構造及びワイヤハーネスを採用する例を挙げて説明するものとする。
【0024】
図1(a)において、引用符号1はハイブリッド自動車を示している。ハイブリッド自動車1は、エンジン2及びモータユニット3の二つの動力をミックスして駆動する車両であって、モータユニット3にはインバータユニット4を介してバッテリー5(電池パック)からの電力が供給されるようになっている。エンジン2、モータユニット3、及びインバータユニット4は、本実施例において前輪等がある位置のエンジンルーム6に搭載されている。また、バッテリー5は、後輪等がある自動車後部7に搭載されている(エンジンルーム6の後方に存在する自動車室内に搭載してもよいものとする)。
【0025】
モータユニット3とインバータユニット4は、高圧のワイヤハーネス8により接続されている。また、バッテリー5とインバータユニット4は、高圧のワイヤハーネス9により接続されている。ワイヤハーネス9は、高圧用のものとして構成されている。ワイヤハーネス9は、この中間部10が車体床下11の地面側に配索されている。また、車体床下11に沿って略平行に配索されている。車体床下11は、公知のボディであるとともに所謂パネル部材であって、所定位置には貫通孔(符号省略)が形成されている。この貫通孔には、ワイヤハーネス9が挿通されている。
【0026】
ワイヤハーネス9とバッテリー5は、このバッテリー5に設けられるジャンクションブロック12を介して接続されている。ジャンクションブロック12には、ワイヤハーネス9の後端13が公知の方法で電気的に接続されている。ワイヤハーネス9の前端14側は、インバータユニット4に対し公知の方法で電気的に接続されている。
【0027】
モータユニット3は、モータ及びジェネレータを構成に含んでいるものとする。また、インバータユニット4は、インバータ及びコンバータを構成に含んでいるものとする。モータユニット3は、シールドケースを含むモータアッセンブリとして形成されるものとする。また、インバータユニット4もシールドケースを含むインバータアッセンブリとして形成されるものとする。バッテリー5は、Ni−MH系やLi−ion系のものであって、モジュール化してなるものとする。尚、例えばキャパシタのような蓄電装置を使用することも可能であるものとする。バッテリー5は、ハイブリッド自動車1や電気自動車に使用可能であれば特に限定されないものとする。
【0028】
先ず、ワイヤハーネス8の構成及び構造について説明をする(ワイヤハーネス8に限らず、ワイヤハーネス9にも適用可能であるものとする)。
【0029】
図1(b)において、ワイヤハーネス8は、三本の高圧電線39(導電路)と、この三本の高圧電線39を一括して覆いシールドする編組40(シールド部材)と、編組40の本体部外側に設けられる外装部材41と、三本の高圧電線39の一端側に設けられるモーター側接続部42と、他端側に設けられるインバータ側接続部43とを備えて構成されている。
【0030】
ワイヤハーネス8は、編組40の両端部をモーター側接続部42及びインバータ側接続部43に接続固定するとともに、モーター側接続部42及びインバータ側接続部43を介して編組40をシールドケース44及び45に電気的に接続するシールド構造を有している。
【0031】
先ず、上記の構成部材について説明をする。
【0032】
図1(b)において、高圧電線39は、導体及び絶縁体(被覆)を含む高圧の導電路であって、電気的な接続に必要な長さを有するように形成されている。導体は、銅や銅合金、アルミニウムやアルミニウム合金により製造されている。導体に関しては、素線を撚り合わせてなる導体構造のものや、断面矩形又は丸形となる棒状の導体構造(例えば平角単心や丸単心となる導体構造であり、この場合、電線自体も棒状となる)のもののいずれであってもよいものとする。
【0033】
高圧電線39の端末には、図示しない端子金具が設けられている。この端子金具は、シールドケース44及び45の内部に差し込まれて、モーターユニット3及びインバータユニット4の電気接続部に対し公知の方法で接続されるようになっている。
【0034】
導電路に関し、本実施例においては高圧電線39を用いているが、この限りでないものとする。すなわち、公知のバスバーに絶縁体を設けて高圧の導電路としたものや、n系統の回路(n個の回路)を同軸で一本に構成することによりなる高圧同軸複合導電路等を用いてもよいものとする。
【0035】
尚、上記高圧同軸複合導電路の一例としては、プラス極導体及びマイナス極導体のいずれか一方と、このいずれか一方の外側を覆うように設けられる第一絶縁体と、第一絶縁体の外側を覆うように設けられるプラス極導体及びマイナス極導体のいずれか他方と、このいずれか他方の外側を覆うように設けられる第二絶縁体とを含み、全体が一本で構成された導電路が挙げられるものとする。
【0036】
図1(b)及び図2において、編組40は、電磁シールド用の筒状部材(電磁波対策用のシールド部材)に形成されている。また、編組40は、本実施例において、三本の高圧電線39をこの全長にわたって覆うことのできる形状に形成されている。編組40は、導電性を有する極細の素線を多数用い、これを筒状に編んで形成されている。
【0037】
上記素線に関しては、軟銅等の金属素線、非金属繊維からなる極細の素線などが挙げられるものとする。非金属繊維は、炭素繊維、又は樹脂材料に導電性材料を混ぜた導電性樹脂繊維が挙げられるものとする。尚、これらの素線の他に、例えば耐摩耗性を持たせるための樹脂素線(PETの素線)を混在させるようにしてもよいものとする。
【0038】
図1(b)において、外装部材41は、三本の高圧電線39及び編組40を覆い、これらを保護をするための部材であって、例えばツイストチューブ46や図示しないコルゲートチューブ等が用いられている。ツイストチューブ46は、編組40の外側に巻き付くものとして形成されおり、図示しないテープ巻きで保持されている。尚、外装部材41は、上記コルゲートチューブ以外の管体を用いてもよいものとする。外装部材41は、編組40に耐摩耗性や耐衝撃性を持たせることができれば、これを用いなくてもよいものとする。
【0039】
図1(b)及び図2において、モーター側接続部42及びインバータ側接続部43は、シールドシェル47と、シールドシェル47をシールドケース44及び45に接続固定するための複数のボルト48とを備えて構成されている。
【0040】
尚、モーター側接続部42及びインバータ側接続部43に関し、これをシールドコネクタの構造で構成してもよいものとする。すなわち、高圧電線39の端末の上記図示しない端子金具を収容保持するコネクタハウジング(図示省略)と、このコネクタハウジングの外側に設けられるシールドシェル47と、複数のボルト48とを備えて構成してもよいものとする。
【0041】
シールドシェル47は、導電性を有する金属板をプレス加工することにより、例えば図示形状に形成されている。シールドシェル47は、シェル筒部49及びシェル固定部50を有している。
【0042】
シェル筒部49は、絞り加工(プレス絞り加工)を施した後に底部分を除去して筒状に形成されている。本実施例のシェル筒部49は、断面長円形状に形成されている。このような形状のシェル筒部49の内側には、三本の高圧電線39が挿通されたり、上記コネクタハウジングが装着されたりするようになっている。
【0043】
シェル筒部49の外周面における引用符号51は外側平面部を示している。また、引用符号52は外側曲面部を示している。シェル筒部49は、上記の如く断面長円形状であることから、外側平面部51が上下に一対となるように、また、外側曲面部52が左右に一対となるように配置形成されている(上記の上下や左右は、図2を見た時の方向であるものとする。以下同様)。
【0044】
シェル固定部50は、シェル筒部49の基端部53に連続する略フランジ状の平板部分であって、シールドケース44及び45の外面に対し面接触するように形成されている。このようなシェル固定部50には、複数のボルト挿通孔54、55が貫通形成されている。ボルト挿通孔54、55は、ボルト48のサイズに合わせて形成されている。また、シェル固定部50には、一対の縁部56が形成されている。この縁部56は、シェル固定部50の上下位置に配置され且つ左右方向にのびるように形成されている。
【0045】
縁部56には、この位置で折り返されてシェル筒部49の先端57側へとのびる被加締め片58が連続形成されている。被加締め片58は、矩形平板状に形成されており、シェル筒部49の外側平面部51に対し所定の間隔で対向するように配置されている。尚、所定の間隔とは、編組40の後述する端部62を挿入することができる間隔であるものとする。
【0046】
被加締め片58は、特に限定するものでないが、後述する加締めを施した時に、この先端59がシェル筒部49の先端57の位置に合うような長さに形成されている。
【0047】
被加締め片58は、以下説明で分かるようになるが加締めを施す部分として、また、シェル筒部49は受ける部分として形成されている。
【0048】
シールドシェル47は、上記の如く、加締めを施す部分と受ける部分とを一体化させて形成されている。
【0049】
次に、上記各構成に基づきながら、上記シールド構造の形成について、図2ないし図4を参照しつつ説明をする。尚、三本の高圧電線39などの図示は省略するものとする。
【0050】
図2において、引用号60は編組40の本体部を示している。また、引用符号61は編組40の端末部を示している。端末部61は、本実施例において本体部60よりも若干幅広となるような状態に広げられている。また、端末部61は、この端部62がシェル筒部49の形状に合わせて長円形状となるような状態に広げられている。
【0051】
シールド構造を形成するには、編組40をシールドシェル47に接続固定する必要がある。先ず、編組40を矢印Pの方向に移動させて、この端部62をシェル筒部49の外側に挿入する作業(工程)を行う。尚、この時、編組40の端部62は、シェル筒部49と一対の被加締め片58との間に挿入されるものとする。
【0052】
図3において、編組40の端部62をシェル筒部49の外側に挿入した後は、矢印Qの方向から図示しない加締め金型で被加締め片58に加締めを施す作業(工程)を行う。この作業は、シールド構造を形成するにあたり最後の作業となる。尚、本実施例においては、シェル筒部49の内側に図示しない受け側の金型が挿入されているものとする。
【0053】
図4において、被加締め片58に加締めを施すと、この被加締め片58には、凹み形状の加締め部63が形成される。加締め部63は、シェル筒部49との間で編組40の端部62を十分な幅で挟み込んで圧着する部分になることから、これが形成されると、編組40のシールドシェル47に対する接続固定が完了するとともに、シールド構造の形成も完了する。
【0054】
以上、図1ないし図4を参照しながら説明してきたように、シールド部材としての編組40を加締めにてシールドシェル47に接続固定するにあたり、被加締め片58をシールドシェル47に一体化することから、従来、シールドシェル及びシールドリングの二部品でシールド部材を接続固定していたことを、本発明のシールド構造では一部品で済ますことができる。
【0055】
従って、従来に比べ部品点数を少なくすることができるのは勿論のこと、作業数も少なくなることから、結果、本発明のシールド構造は作業性の改善、及び、部品点数やコストの削減を図ることができるという効果を奏する。
【0056】
この他、被加締め片58を平板状に形成し、シェル筒部49の外側平面部51に対向配置することから、例えば曲面と比べて加締め状態を安定させることができ、以て強度確保を図ることができるという効果を奏する。
【0057】
ワイヤハーネス8は、上記シールド構造を採用することから、作業性の改善、及び、部品点数やコストの削減を図ることができるワイヤハーネス8でもあり、従来と比べてより良いものとなるという効果を奏する。
【0058】
本発明は本発明の主旨を変えない範囲で種々変更実施可能なことは勿論である。
【0059】
尚、上記説明では、シールド部材を編組40としてきたが、これに限らず金属箔を含む部材であってもよいものとする。また、被加締め片58をシェル固定部50の縁部56に連続形成していたが、これに限らずシェル筒部49の基端部53に連続形成してもよいものとする。さらに、シールドシェル47を金属板のプレス加工により形成していたが、これに限らずダイキャスト製にしてもよいものとする。ダイキャスト製の場合、アルミダイキャストが一例として挙げられるものとする。アルミダイキャストのシールドシェルに被加締め片を一体化させることも有効であるものとする。
【符号の説明】
【0060】
1…ハイブリッド自動車、 2…エンジン、 3…モータユニット、 4…インバータユニット、 5…バッテリー、 6…エンジンルーム、 7…自動車後部、 8…高圧ワイヤハーネス、 9…ワイヤハーネス、 10…中間部、 11…車体床下、 12…ジャンクションブロック、 13…後端、 14…前端、 39…高圧電線(導電路)、 40…編組(シールド部材)、 41…外装部材、 42…モーター側接続部、 43…インバータ側接続部、 44、45…シールドケース、 46…ツイストチューブ、 47…シールドシェル、 48…ボルト、 49…シェル筒部、 50…シェル固定部、 51…外側平面部、 52…外側曲面部、 53…基端部、 54、55…ボルト挿通孔、 56…縁部、 57…先端、 58…被加締め片、 59…先端、 60…本体部、 61…端末部、 62…端部、 63…加締め部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状に形成されたシェル筒部及び該シェル筒部の基端部に連続するシェル固定部を有する導電性のシールドシェルと、一又は複数本の導電路を覆う導電性のシールド部材と、を接続固定するにあたり、加締めを採用してなるシールド構造において、
前記シールドシェルは、前記シェル筒部の先端側へのびるシェル一体形の被加締め片を一又は複数有する
ことを特徴とするシールド構造。
【請求項2】
請求項1に記載のシールド構造において、
前記シールドシェルは、金属板をプレス加工することにより形成され、前記被加締め片は、前記シェル固定部の縁部で折り返され、或いは、前記シェル筒部の前記基端部で折り返されて形成される
ことを特徴とするシールド構造。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のシールド構造において、
前記被加締め片は、加締め前の状態として平板状に形成され、且つ、前記被加締め片は、前記シェル筒部の外側平面部に対向配置される
ことを特徴とするシールド構造。
【請求項4】
請求項1、2又は3に記載のシールド構造を採用してなる
ことを特徴とするワイヤハーネス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−115072(P2013−115072A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−256943(P2011−256943)
【出願日】平成23年11月25日(2011.11.25)
【出願人】(000006895)矢崎総業株式会社 (7,019)
【Fターム(参考)】