説明

シール構造

【課題】樹脂部材と金属部材との境界面において、簡素な構成で容易に必要とされる防水性を確保する。
【解決手段】電気自動車の駆動用のバッテリ8を収容する樹脂製のバッテリトレイ10に立設された立壁13Rと、立壁13Rに埋設されバッテリトレイ10に保持部材9を固定するための金属製のホルダーナット41との境界面16のシール構造であって、ホルダーナット41は、立壁13Rを貫通するように埋設され、保持部材9が当接される一端部41aに雌ねじ部41sを有し、立壁13Rは、ホルダーナット41の一端部41aの外周囲との隙間で環状溝部15を形成し、環状溝部15には、境界面16をシールするOリング43が装着される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気自動車のバッテリを収容するためのバッテリトレイにおいて、樹脂部と金属部との境界面におけるシール構造に関する。
【背景技術】
【0002】
電気自動車に使用されるバッテリユニットは、複数のバッテリと、バッテリを収容するバッテリケース等とから構成されている。バッテリケースの構造としては、例えば、特許文献1に記載のように、バッテリを支持する樹脂製のトレイ部材と、トレイ部材の上部を覆う樹脂製のカバー部材とを備え、トレイ部材とカバー部材とが、トレイ部材の周縁部とカバー部材の周縁部との接合部において複数のボルト及びナットにより接合されたものがある。
【0003】
特許文献1に記載のバッテリケースを構成するトレイ部材には、トレイ部材の長手方向を区切る幅方向に延びた隔壁と、トレイ部材上を複数の区画に仕切る前後方向に延びた仕切壁とが立設されている。複数のバッテリは、これら隔壁及び仕切壁とによって区画された部分に収納されて固定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−153130号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、バッテリをトレイ部材に固定する手法としては、例えば、図4に示すように、バッテリに固定用のブラケット64を設け、このブラケット64をトレイ部材50の隔壁や周壁等の立設された壁(以下、立壁という)51に埋設された金属製のホルダーナット61にボルト62を螺合することによって固定する方法が知られている。トレイ部材50にホルダーナット61を埋設するには、例えばトレイ部材50をインジェクション成形により一体成形するときに、予め金型にホルダーナット61を固定しておきトレイ部材50とともに一体成形することで行うことができる。成形直後のトレイ部材50は、立壁51とホルダーナット61とが密着した状態となる。
【0006】
しかしながら、例えば、バッテリの充放電時の発熱により繰り返し熱を加えられると、樹脂と金属とは熱膨張率が異なるため、立壁51とホルダーナット61との境界面56は剥離して、図4に示すように隙間Gを生じることがある。このとき、図4に示すように、ホルダーナット61がトレイ部材50の立壁51を貫通し、トレイ部材50の内部と外部とを連通するように設けられている場合、立壁51とホルダーナット61との境界面56に隙間Gが生じると、バッテリケースの内部へ水等が浸入するおそれがある。
【0007】
そこで、立壁51の先端部、すなわち、ホルダーナット61のバッテリケース内に位置する一端部61aの周囲に深溝部55を形成し、この深溝部55に柔軟性を有する樹脂等の接着剤63を充填してシールし、たとえ境界面56が剥離した場合であっても、必要とされる防水性を確保することが考えられる。
しかしながら、深溝部55内に接着剤63を充填する場合、作業者が一つ一つ手作業で行うことが必要になり、作業性の上で課題がある。また、立壁51に深溝部55を形成するためには、トレイ部材50を成形する金型に、深溝部55を形成するための大きな凸部が必要となり、型強度の面でも課題がある。
【0008】
本発明はこのような課題に鑑み案出されたもので、樹脂部材と金属部材との境界面において、簡素な構成で容易に必要とされる防水性を確保することができるようにした、シール構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明のシール構造は、電気自動車の駆動用のバッテリを収容する樹脂製のバッテリトレイに立設された立壁と、前記立壁に埋設され前記バッテリトレイに保持部材を固定するための金属製のホルダーナットとを備え、前記立壁と前記ホルダーナットとの境界面のシール構造であって、前記ホルダーナットは、前記立壁を貫通するように埋設され、前記保持部材が当接される一端部に雌ねじ部を有し、前記立壁は、前記ホルダーナットの前記一端部の外周囲との隙間で環状溝部を形成し、前記環状溝部には、前記境界面をシールするOリングが装着されることを特徴としている。
【0010】
また、前記保持部材は、前記バッテリを前記バッテリトレイに固定するためのバッテリブラケットであり、前記バッテリブラケットは、前記ホルダーナットの前記雌ねじ部にボルトを螺合することにより前記バッテリトレイに固定されることが好ましい。
或いは、前記保持部材は、前記バッテリトレイを補強するための補強部材であり、前記補強部材は、前記ホルダーナットの前記雌ねじ部にボルトを螺合することにより前記バッテリトレイに固定されることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明のシール構造によれば、樹脂製のバッテリトレイの立壁と、この立壁に埋設された金属製のホルダーナットとの境界面に剥離による隙間が生じても、環状溝部に装着されるOリングにより容易にシールすることができ、防水性を確保することができる。また、環状溝部にOリングを装着するだけで防水性を確保することができるため、作業性が向上し、作業者による品質の偏りをなくすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施形態にかかるシール構造を説明する模式的な図であり、図2のA−A矢視断面図である。
【図2】本発明の一実施形態にかかるシール構造が適用されたバッテリケースの構造を説明する模式的な全体斜視図である(各部材の対応関係を一点鎖線で示す)。
【図3】本発明の一実施形態にかかるシール構造が適用されたバッテリユニットの搭載構造を説明する模式的な分解斜視図である。
【図4】樹脂部材と金属部材との境界面における課題を説明するための模式的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面により実施の形態について説明する。なお、以下に示す実施形態はあくまでも例示に過ぎず、以下の実施形態で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。
本実施形態にかかるシール構造について、図1〜図3を用いて説明する。本シール構造は、ハイブリッド電気自動車を含む電気自動車に使用されるバッテリユニットのバッテリケースにおいて、防水性が要求される環境で使用されるものに用いられる。なお、以下、電気自動車の進行方向を前方とし、前方を基準に左右を定め、重力の方向を下方とし、その逆を上方として説明する。また、バッテリケースの中心に向かう側を内側、その逆を外側として説明する。また、以下の説明では、バッテリケースを構成するバッテリトレイが下側、カバーが上側に位置する通常の使い方をした場合を説明するが、バッテリケースを逆さまで使用する場合は、上下が反対になる。
【0014】
図3に示すように、電気自動車1は、車体2の後方に配置される走行用のモータ及び充電装置(いずれも図示略)と、車体2の床下に配置されるバッテリユニット6等とを備えている。また、バッテリユニット6の上方には、フロアパネル3が設けられ、フロアパネル3の上方、すなわち車室内には、フロントシート4F及びリヤシート4Rが配置されている。
【0015】
フロアパネル3は、例えば板金により形成され、車体2の前後方向及び左右方向に延び、車体2の床部を構成する。フロアパネル3は、車体2を構成する図示しないサイドメンバを含むフレーム構体の所定位置に溶接等によって固定されている。バッテリユニット6は、このフロアパネル3の下方、すなわち、車体の外部である床下に、フロアパネル3から離隔して配置される。また、バッテリユニット6の下方には、アンダーカバー5が配置され、フレーム構体等に固定される。
【0016】
図2に示すように、バッテリユニット6は、バッテリケース7の内部に、駆動用の複数のバッテリ8(図2に一部のみ二点鎖線で収納状態を例示する)や電子部品(図示略)等を収容して構成されている。バッテリケース7は、バッテリ8等を支持する樹脂製のトレイ部材(バッテリトレイ)10と、トレイ部材10の上に重ねられてトレイ部材10に結合,固定される樹脂製のカバー部材20と、トレイ部材10の下面に設けられ、トレイ部材10を下方から支持する支持部材30とを有して構成されている。
【0017】
トレイ部材10及びカバー部材20は、例えばガラス繊維等の繊維を補強材として混合されて強度,剛性を向上させ、電気絶縁性を有する繊維強化樹脂(FRP)で形成されている。また、支持部材30は、バッテリケース7全体の荷重を支えるに足る強度を有する金属材料(例えば鋼板)によって構成されている。また、バッテリケース7に収容されるバッテリ8は、例えば、リチウムイオン電池で構成されるバッテリセルを複数個直列に接続したものである。なお、ここでは、バッテリセルやバッテリセルを複数個接続してモジュール化(一体化)したバッテリモジュールを総称してバッテリ8という。
【0018】
トレイ部材10は、前壁11aと、後壁11bと、左右一対の側壁11c,11dと、底壁11eとを有し、上面側が開放した箱型に成形されている。なお、トレイ部材10の立設された壁である前壁11aと後壁11bと側壁11c,11dを立壁ともいう。前壁11aは車体2の前方に、後壁11bは車体2の後方にそれぞれ位置し、トレイ部材10の長手方向両端部においてトレイ部材10の幅方向(短手方向)に延びる。また、両側壁11c,11dは前後方向に延びており、これら前壁11aと後壁11bと両側壁11c,11dとによって、トレイ部材10の周壁11が構成されている。なお、ここでは、前後方向がトレイ部材10の長手方向であり、左右方向がトレイ部材10の幅方向である。
【0019】
また、トレイ部材10には、トレイ部材10の長手方向中間部に、トレイ部材10上を区画する隔壁13が立設されている。この隔壁13は、トレイ部材10の幅方向に延設されており、トレイ部材10上を仕切るとともに、トレイ部材10の剛性を高める。隔壁13は、車体の前方に位置する前隔壁13Fと、車体の後方に位置する後隔壁13Rと、これら前隔壁13F及び後隔壁13Rの間に位置する中隔壁13Cとによって、トレイ部材10の長手方向を4つの区画に仕切っている。なお、これら前隔壁13F,中隔壁13C及び後隔壁13Rを特に区別しないときは、隔壁13という。また、トレイ部材10に立設された壁である隔壁13を立壁ともいう。
【0020】
また、トレイ部材10には、前壁11aと前隔壁13Fとの間に設けられた複数の前側リブ11fと、後隔壁13Rと後壁11bとの間に設けられた複数の後側リブ11gとが形成されている。前側リブ11f及び後側リブ11gは、トレイ部材10上を複数の区画に仕切る仕切壁であるとともに、トレイ部材10の剛性を高め必要とする剛性を確保するものであり、車体2の前後方向に延設されている。
【0021】
トレイ部材10の周壁11の上端の周縁部には、トレイ側フランジ部12が周壁11の上端から水平方向に沿って外側に向けて突設されている。このトレイ側フランジ部12はトレイ部材10の全周にわたって連続して設けられており、後述するカバー側フランジ部22と接合されることにより、トレイ部材10とカバー部材20とが密閉される。
このような形状をしたトレイ部材10は、インジェクション成形(射出成形)により各部が一体に成形されている。なお、インジェクション成形とは、最も一般的な樹脂成形方法であり、キャビティ(凹型)とコア(凸型)とからなる金型内に製品形状を彫りこんで、成形機内で加熱されて溶融した樹脂原料を金型内に高圧で注入して成形する方法である。本トレイ部材10は、樹脂原料に強化繊維が加えられて成形される。
【0022】
支持部材30は、トレイ部材10の幅方向に延びる複数(ここでは、4本)の幅方向支持部31と、幅方向支持部31に直交する方向(すなわち、トレイ部材10の長手方向)に延設され、これら幅方向支持部31を接続する複数(ここでは、2本)の長手方向支持部32とを有し、幅方向支持部31と長手方向支持部32とによりいわゆる井桁の形状に構成されている。幅方向支持部31には、トレイ部材10と支持部材30とを結合したときに、トレイ部材10にそれぞれ設けられる後述する複数の締結部14と重なる位置に、幅方向支持部31を貫通する複数の貫通孔36が形成されている。複数の幅方向支持部32の両端部及び長手方向支持部31の前端部は、トレイ部材10の周壁よりも外側へ突出しており、この突出した両端部及び前端部には、それぞれフレーム構体と固定される固定部33が設けられている。
【0023】
カバー部材20は、前隆起部21a,後隆起部21b及び中隆起部21cからなるカバー本体21と、カバー本体21の周縁部に設けられたカバー側フランジ部22とから構成されており、トレイ部材10と同様、インジェクション成形により一体成形されている。
これらトレイ部材10とカバー部材20とは、トレイ側フランジ部12とカバー側フランジ部22との間に図示しないガスケットを介装して、このガスケットを圧縮変形させながら、図示しない複数のボルト及びナットを有する接合部材により、トレイ側フランジ部12及びカバー側フランジ部22を接合させてバッテリケース7が密閉される。すなわち、バッテリケース7は、接合部材及びガスケットによりその周縁部のシール性が確保されている。
【0024】
なお、トレイ部材10の前壁11a,後壁11b及び隔壁13には、トレイ部材10の幅方向に複数の締結部14が設けられている。この締結部14には、バッテリケース7内に収容されるバッテリ8を固定するための保持部材が締結される。
次に、締結部14の構造について、図1を用いて説明する。なお、複数の締結部14は、いずれも同じ構造となっているため、その一部について説明する。
【0025】
図1に示すように、後隔壁(立壁)13Rには、後隔壁13Rがトレイ部材10に立設される方向、すなわち鉛直方向(上下方向)に延びるように、金属性のホルダーナット41が埋設されている。ホルダーナット41は、その上端部(一端部)41aがバッテリトレイ10の内側に位置し、後隔壁13Rの上面よりも上方に突出している。また、ホルダーナット41は、その下端部41bがバッテリトレイ10の底壁11eを貫通している。すなわち、ホルダーナット41は、トレイ部材10を上下方向に貫通する貫通ナットである。
【0026】
ホルダーナット41の上端部41a及び下端部41bには、それぞれ雌ねじ部41sが設けられており、雌ねじ部41sに締結ボルト42が螺合されることにより、バッテリケース7に保持部材が固定される。ここでは、ホルダーナット41の上端部41aには、バッテリ8をトレイ部材10に固定するためのバッテリブラケット9が固定され、ホルダーナット41の下端部41bには、支持部材30の幅方向支持部31が固定される。なお、バッテリブラケット9及び幅方向支持部31には、締結ボルト42が挿通されるボルト孔9a,31aがそれぞれ設けられている。
【0027】
ホルダーナット41は、トレイ部材10をインジェクション成形により一体成形するときに、予め金型に固定しておくことでトレイ部材10とともに一体成形され、後隔壁13R内に埋設された状態となる。なお、トレイ部材10の成形直後は、後隔壁13Rとホルダーナット41とは密着しており、後隔壁13Rとホルダーナット41との境界面16はシールされた状態となっている。
【0028】
後隔壁13Rには、ホルダーナット41の上端部41aの外周囲との隙間で環状溝部15が形成されている。環状溝部15は、トレイ部材10の底壁11eから突設された後隔壁13Rの先端の上面に形成された円環の溝である。この環状溝部15には、後隔壁13Rとホルダーナット41との境界面16をシールするOリング43が装着されている。すなわち、環状溝部15及びOリング43により、樹脂部材と金属部材との境界面のシール構造が構成されている。なお、環状溝部15は、Oリング43の太さ(自然の状態の外径)よりもやや大きい深さHを有するように形成されている。また、ここで使用されるOリング43は、種々のゴムが適用される一般的なものであるため、その詳細な構成は省略する。
【0029】
本実施形態にかかるシール構造は上述のように構成されているので、バッテリケース7に繰り返し熱が加えられることにより、樹脂と金属との熱膨張率の違いから、トレイ部材10における境界面16が剥離して隙間を生じても、バッテリケース7の外部から隙間を通じて内部に水等が浸入することを防ぐことができる。すなわち、環状溝部15に装着されるOリング43により、境界面16を容易にシールすることができ、バッテリケース7の防水性を確保することができる。
【0030】
また、環状溝部15にOリング43を装着するだけで防水性を確保することができるため、簡素な構成で容易に防水性を確保できるとともに、作業性が向上し、作業者による品質の偏りを防止することができる。
また、環状溝部15はOリング43装着できる程度の深さHでよいため、従来のような深溝部を形成する必要はなく、インジェクション成形をする際の条件が緩和され、製造自由度,材料自由度が上がり、さらに金型の型強度を上げることができる。
【0031】
また、トレイ部材10をインジェクション成形により成形する場合、型抜きのために立壁の面には一定の傾斜を設ける必要があり、立壁の根元は先端よりも幅が大きくなる。そのため、図1に示すように、環状溝部15の深さHが小さいと、その分立壁(後隔壁13R等)の高さhを小さくできるため、立壁の先端の幅は従来と同じ大きさでも、立壁の根元の幅dを従来よりも小さくすることができる。したがって、環状溝部15の深さHを小さくできることにより、トレイ部材10上のスペース効率を上げることができる。
【0032】
また、バッテリ8のバッテリブラケット9は、ホルダーナット41に締結ボルト42を螺合することにより確実にトレイ部材10に固定される。
また、立壁である隔壁13に埋設されたホルダーナット41の上端部41a及び下端部41bにそれぞれバッテリブラケット9及び支持部材30が締結されることにより、トレイ部材10の剛性を向上させることができる。
【0033】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形することが可能である。
上記実施形態では、この締結部14には、バッテリ8を固定するためのバッテリブラケット9が締結されているが、締結部14に締結される保持部材はこれに限られず、例えば、バッテリトレイ10を補強するための補強部材が締結され、トレイ部材10に固定されてもよい。補強部材をホルダーナット41及び締結ボルト42によりトレイ部材10に固定することにより、バッテリケース7の剛性を向上させることができる。
【0034】
また、上記実施形態では、ホルダーナット41の両端部に雌ねじ部41sが設けられているが、ホルダーナット41の形状はこれに限られず、少なくともバッテリトレイ10の内側に位置する上端部41a、すなわち、保持部材が当接される一端部に雌ねじ部41sが設けられていればよい。
また、バッテリケース7の形状は上記したものに限られず、トレイ部材10の隔壁13及びリブ11f,11gの数や締結部14の数、カバー部材20及び支持部材30の形状等、適宜変更可能である。
【0035】
また、電気自動車1の構成は上記したものに限られず、例えば、バッテリユニット6はフロアパネル3から離隔して配置されていなくてもよい。
【符号の説明】
【0036】
1 電気自動車
7 バッテリケース
8 バッテリ
9 バッテリブラケット(保持部材)
10 トレイ部材(バッテリトレイ)
11 周壁(立壁)
13 隔壁(立壁)
15 環状溝部
16 境界面
41 ホルダーナット
41a 上端部(一端部)
41s 雌ねじ部
42 締結ボルト
43 Oリング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気自動車の駆動用のバッテリを収容する樹脂製のバッテリトレイに立設された立壁と、前記立壁に埋設され前記バッテリトレイに保持部材を固定するための金属製のホルダーナットとを備え、前記立壁と前記ホルダーナットとの境界面のシール構造であって、
前記ホルダーナットは、前記立壁を貫通するように埋設され、前記保持部材が当接される一端部に雌ねじ部を有し、
前記立壁は、前記ホルダーナットの前記一端部の外周囲との隙間で環状溝部を形成し、
前記環状溝部には、前記境界面をシールするOリングが装着される
ことを特徴とする、シール構造。
【請求項2】
前記保持部材は、前記バッテリを前記バッテリトレイに固定するためのバッテリブラケットであり、
前記バッテリブラケットは、前記ホルダーナットの前記雌ねじ部にボルトを螺合することにより前記バッテリトレイに固定される
ことを特徴とする、請求項1記載のシール構造。
【請求項3】
前記保持部材は、前記バッテリトレイを補強するための補強部材であり、
前記補強部材は、前記ホルダーナットの前記雌ねじ部にボルトを螺合することにより前記バッテリトレイに固定される
ことを特徴とする、請求項1記載のシール構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−129107(P2012−129107A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−280772(P2010−280772)
【出願日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【出願人】(000006286)三菱自動車工業株式会社 (2,892)
【出願人】(000176811)三菱自動車エンジニアリング株式会社 (402)
【Fターム(参考)】