説明

シール構造

【課題】シール性が損なわれることが抑制されたシール構造を提供する。
【解決手段】第1部材と第2部材とが組み付けられ、第1部材と第2部材との対向部位間がシール部材によってシールされたシール構造であって、第1部材と第2部材とが互いに近接する磁力を発生する磁性部材を有し、第1部材と第2部材との対向部位間は、磁力によってシール部材が圧縮された状態で、離間している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1部材と第2部材とが組み付けられ、第1部材と第2部材との対向部位間がシール部材によってシールされたシール構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1に示されるように、凹部が形成されたコネクタケースと、圧力導入孔が形成され、その圧力導入孔がシールダイヤフラムとリングウェルドとによって閉塞されたハウジングと、凹部に接着固定されたセンサ素子と、を備える圧力検出装置が提案されている。コネクタケースとハウジングとを組み付けることで、凹部とシールダイヤフラムとによって圧力検出室が構成され、この圧力検出室内が圧力伝達媒体によって満たされている。
【0003】
コネクタケースとハウジングとは、ハウジングの一部をかしめることで組みつけられており、圧力検出室を気密封止するためのOリングが、圧力検出室の外周囲に設けられている。Oリングは、かしめによって、コネクタケースとハウジングとの間に挟まれて圧縮されており、圧力検出室がOリングによってシールされている。
【0004】
また、特許文献1の図1に示されるように、ハウジングには、圧力媒体が流動する装置へハウジングを固定するためのねじ部が形成されており、ハウジングは装置にねじ締結される構成となっている。また、外部に圧力媒体が漏れることを抑制するためのOリングが、ハウジングにおける装置との対向部位に設けられ、ねじ締結によって、ハウジングと装置との間に挟まれて圧縮された構成となっている。これにより、ハウジングと装置との間がOリングによってシールされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−329633号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
Oリングによるシール性は、Oリングの厚さと、Oリングを圧縮する圧縮力とによって決定される。これに対して、特許文献1に記載のように、かしめ、ねじ締結などのように、圧力検出装置の製造時、又は、圧力検出装置の取り付け時に圧縮力が決定される構成の場合、長年の使用によって復元力が低下し、Oリングの形状が変化して厚さが薄くなると、圧縮力が低減し、シール性が損なわれる虞がある。
【0007】
そこで、本発明は上記問題点に鑑み、シール性が損なわれることが抑制されたシール構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記した目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、第1部材と第2部材とが組み付けられ、第1部材と第2部材との対向部位間がシール部材によってシールされたシール構造であって、第1部材と第2部材とが互いに近接する磁力を発生する磁性部材を有し、第1部材と第2部材との対向部位間は、磁力によってシール部材が圧縮された状態で、離間していることを特徴とする。
【0009】
これによれば、長年の使用によってOリングの復元力が低下し、その形状が変化して厚さが薄くなったとしても、圧縮力(磁力)は低減しないので、シール性が損なわれることが抑制される。
【0010】
請求項2に記載のように、磁性部材は、第1部材に埋め込まれた磁石と、第2部材における磁性を有する部位と、であり、第1部材に埋め込まれた磁石と、第2部材の磁性を有する部位とは、第1部材と第2部材とが並ぶ方向で、互いに対向した構成が好適である。
【0011】
これによれば、第1部材と第2部材とを対向させることで、第1部材と第2部材との配置位置が磁力によって自動に定まるので、第1部材と第2部材との位置決めが容易となる。
【0012】
請求項3及び請求項4に記載の発明の作用効果は、請求項2に記載の作用効果と同等なので、その記載を省略する。
【0013】
請求項5に記載のように、圧縮されたシール部材の一部を配置するための凹部若しくは凸部が、第1部材における第2部材との対向部位、及び、第2部材における第1部材との対向部位の少なくとも一方に形成された構成が良い。これによれば、Oリングの配置位置を定めることができる。また、外力による衝撃によって、Oリングの配置位置がずれることが抑制され、シール性が損なわれることが抑制される。
【0014】
請求項6に記載のように、第1部材及び第2部材の少なくとも一方には、第1部材と第2部材とが並ぶ方向に垂直な横方向における、第1部材と第2部材との配置位置を決める位置決め部が形成された構成が良い。
【0015】
これによれば、第1部材と第2部材とが互いに近接する磁力が第1部材と第2部材とに働いていたとしても、位置決め部によって、横方向における第1部材と第2部材との配置位置を定めることができる。
【0016】
位置決め部としては、請求項7に記載のように、第1部材に形成された凸部、及び、第2部材に形成された凹部を有し、凸部が凹部に嵌合されることで、第1部材と第2部材との横方向の配置位置が定まる構成を採用することができる。
【0017】
請求項8に記載のように、凹部は、第2部材における第1部材との対向部位に形成されており、シール部材が凹部に配置され、凸部と凹部とによって挟持された構成が良い。これによれば、位置決め用の凹部と、シール部材配置用の凹部とがそれぞれ独立して第1部材や第2部材に形成される構成と比べて、シール構造の体格の増大が抑制される。しかしながら、請求項9に記載のように、位置決め部の凹部とは別に、圧縮されたシール部材の一部を配置するための凹部が、第1部材における第2部材との対向部位、及び、第2部材における第1部材との対向部位の少なくとも一方に形成された構成を採用することもできる。
【0018】
請求項10に記載のように、位置決め部は、第2部材に形成された凸部であり、凸部によって、第1部材の側部の少なくとも一部が囲まれた構成が良い。これによれば、第1部材の体格の増大が抑制され、シール構造の体格の増大が抑制される。
【0019】
請求項11に記載のように、位置決め部は、第1部材に形成された凸部であり、凸部によって、第2部材の側部の少なくとも一部が囲まれた構成が良い。これによれば、第2部材の体格の増大が抑制され、シール構造の体格の増大が抑制される。
【0020】
請求項12に記載の発明の作用効果は、請求項5に記載の作用効果と同等なので、その記載を省略する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】圧力センサとパイプとのシール構造を概略的に示す断面図である。
【図2】圧力センサとパイプとの接続構成を概略的に示す断面図である。
【図3】磁性部材の変形例を示す断面図であり、(a)は磁性部材が表面に設けられた場合、(b)は磁性部材が内部に設けられた状態を示している。
【図4】位置決め部を説明するための断面図である。
【図5】位置決め部を説明するための断面図である。
【図6】位置決め部を説明するための断面図である。
【図7】圧力センサの変形例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明を圧力センサとパイプとのシール構造に適用した場合の実施形態を図に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図1は、圧力センサとパイプとのシール構造を概略的に示す断面図である。図2は、圧力センサとパイプとの接続構成を概略的に示す断面図である。図2では、圧力センサ10の構成要素の内、ハウジング20のみを図示し、ハウジング20及びパイプ50の形状を単純化している。また、図2では、磁性を有する部位を破線で示し、磁石を実線で示している。以下においては、圧力センサ10とパイプ50とが並ぶ方向を並列方向と示し、並列方向に直交する方向を横方向と示す。
【0023】
図1に示すように、シール構造100は、圧力センサ10とパイプ50とが組みつけられ、圧力センサ10とパイプ50との対向部位間(ハウジング20と壁部51との間)がOリング60によってシールされて成る。圧力センサ10(ハウジング20)及びパイプ50(壁部51)は、特許請求の範囲に記載の第1部材及び第2部材に相当する。
【0024】
圧力センサ10は、柱状のハウジング20、ハウジング20に固定されたセンサ素子30及びターミナル40を有する。本実施形態に係るハウジング20は金属製である。ハウジング20における、パイプ50側の端部には、センサ素子30とターミナル40の一部を設けるための凹部21が形成されており、凹部21は、後述する導入孔52を介して、パイプ50の内部と連通されている。
【0025】
センサ素子30は、圧力を電気信号に変換するものである。図示しないが、センサ素子30は、半導体基板にメンブレンが形成され、そのメンブレンに圧電素子が形成されて成る。
【0026】
ターミナル40は、センサ素子30と外部とを電気的に接続するものである。ターミナル40は、外部電源用、グランド用、電気信号送受信用の3つを有しており、ワイヤ41を介して、センサ素子30と電気的に接続されている。図示しないが、ターミナル40は、ハウジング20に形成された挿入孔に挿入されており、その挿入孔を満たすガラスによってハウジング20に固定されている。
【0027】
パイプ50は、壁部51によって筒状に構成されており、その内部を圧力流体が流れている。壁部51には、壁部51の外壁面51aと内壁面51bとを連通する導入孔52が形成されており、この導入孔52に圧力流体が流入するようになっている。図1に示すように、導入孔52の一方の開口端52aは凹部21に開口し、他方の開口端52bはパイプ50の内部に開口しており、導入孔52に流入した圧力流体が、凹部21に流入するようになっている。凹部21に流入した圧力流体の圧力がセンサ素子30に作用すると、その圧力がセンサ素子30によって電気信号に変換され、その変換された電気信号がワイヤ41とターミナル40とを介して外部へと伝達される。
【0028】
本実施形態に係るパイプ50は金属製であり、外壁面51aに、局所的に厚さの薄くなった凹部53が形成されている。凹部53は、導入孔52の開口端52aを囲むように、環状に形成されている。
【0029】
シール部材60は、環状を成すOリングであり、断面が円形となっている。図1に示すように、シール部材60(以下、Oリング60と示す)は、凹部53に配置されており、導入孔52の開口端52aを囲んでいる。Oリング60は、下記に示す磁力によって圧縮されており、その断面が円形から楕円形に変形している。そして、並列方向において、Oリング60の長さ(厚さ)は、凹部53の長さ(深さ)よりも長くなっており、磁力によってOリング60が圧縮された状態においても、Oリング60の厚さは、凹部53の深さよりも長くなっている。
【0030】
次に、本実施形態に係るシール構造100の特徴点を図2に基づいて説明する。シール構造100は、圧力センサ10(ハウジング20)とパイプ50(壁部51)とが互いに近接する磁力を発生する磁性部材70を有する。磁性部材70は、ハウジング20に設けられる第1磁性部材71と、壁部51に設けられる第2磁性部材72と、を有する。本実施形態に係る第1磁性部材71は、ハウジング20における磁性を有する部位(図2で破線で囲まれた部位)であり、S極である。本実施形態に係る第2磁性部材72は、パイプ50の壁部51に埋め込まれた磁石であり、N極である。ハウジング20の内部に第1磁性部材71が設けられ、壁部51の内部に第2磁性部材72が設けられており、磁性部材71,72は、Oリング60を介して、並列方向で互いに対向している。ハウジング20と壁部51とは、磁性部材71,72間に働く引力によって組みつけられている。
【0031】
図2に示すように、Oリング60は、ハウジング20における壁部51との対向面20aと、凹部53の底部53aとの間で挟まれて圧縮されている。そして、対向面20aと外壁面51aとの間隔が、圧縮されたOリング60における凹部53の開口端から飛び出した部位の厚さ分、離間している。この構成により、圧力センサ10(ハウジング20)とパイプ50(壁部51)との間がOリング60によってシール(気密封止)され、導入孔52を介して凹部21に流入した圧力流体が、ハウジング20と壁部51との間を介して、パイプ50の外部に漏れないようになっている。
【0032】
次に、本実施形態に係るシール構造100の作用効果を説明する。上記したように、磁性部材71,72間に働く引力によって、圧力センサ10(ハウジング20)とパイプ50(壁部51)とが近接し、圧力センサ10とパイプ50が組みつけられている。また、ハウジング20の対向面20aと、凹部53の底部53aとの間でOリング60が挟まされて圧縮されており、対向面20aと外壁面51aとの間隔が、圧縮されたOリング60における凹部53の開口端から飛び出した部位の厚さ分、離間している。これによれば、長年の使用によってOリング60の復元力が低下し、その形状が変化して厚さが薄くなったとしても、圧力センサ10とパイプ50とが近接するので、Oリング60を圧縮する力は低減しない。そのため、シール性が損なわれることが抑制される。
【0033】
磁性部材71,72は、Oリング60を介して、並列方向で互いに対向している。これによれば、圧力センサ10とパイプ50との配置位置が磁力によって自動に定まるので、圧力センサ10とパイプ50との位置決めが容易となる。
【0034】
Oリング60は、凹部53に配置されている。これによれば、Oリング60の配置位置を定めることができる。また、外力による衝撃によって、Oリング60の配置位置がずれることが抑制され、シール性が損なわれることが抑制される。
【0035】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上記した実施形態になんら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々変形して実施することが可能である。
【0036】
第1実施形態では、磁性部材71,72は、Oリング60を介して、並列方向で互いに対向した例を示した。しかしながら、図3(a)に示すように、磁性部材71,72は、Oリング60を介して対向していなくとも良い。
【0037】
第1実施形態では、第1磁性部材71がハウジング20の内部に設けられ、第2磁性部材72が壁部51の内部に設けられた例を示した。しかしながら、図3(a)に示すように、第1磁性部材71が、ハウジング20の表面に設けられ、第2磁性部材72が、壁部51の表面に設けられた構成を採用することでもできる。これによれば、磁性部材71,72の対向距離が近づくので、圧力センサ10とパイプ50とを近接する(Oリング60を圧縮する)磁力を強めることができる。
【0038】
第1実施形態では、第1磁性部材71は、ハウジング20における磁性を有する部位であり、第2磁性部材72は、壁部51に埋め込まれた磁石である例を示した。しかしながら、図3(a)に示すように、第1磁性部材71は、ハウジング20に埋め込まれた磁石であり、第2磁性部材72は、壁部51における磁性を有する部位でも良い。また、図3(b)に示すように、第1磁性部材71は、ハウジング20に埋め込まれた磁石であり、第2磁性部材72は、壁部51に埋め込まれた磁石でも良い。更に、図示しないが、第1磁性部材71は、ハウジング20における磁性を有する部位であり、第2磁性部材72は、壁部51における磁性を有する部位でも良い。図3は、磁性部材の変形例を示す断面図であり、(a)は磁性部材が表面に設けられた場合、(b)は磁性部材が内部に設けられた状態を示している。なお、図3では、図2と同様にして、圧力センサ10の構成要素の内、ハウジング20のみを図示し、ハウジング20及びパイプ50の形状を単純化している。また、磁性を有する部位を破線、磁石を実線で示している。
【0039】
第1実施形態では、第1磁性部材71がS極、第2磁性部材72がN極である例を示した。しかしながら、第1磁性部材71がN極、第2磁性部材72がS極でも良い。
【0040】
第1実施形態では、磁性部材71,72間に働く引力によって、圧力センサ10(ハウジング20)とパイプ50(壁部51)との配置位置が定められる例を示した。しかしながら、図4〜図6に示すように、位置決め部80によって、圧力センサ10とパイプ50との横方向の配置位置が定められる構成を採用することもできる。これによれば、磁性部材71,72の設けられる位置が当初の予定よりもズレた結果、磁力によって定められる、圧力センサ10とパイプ50との横方向の配置位置が当初の予定からズレたとしても、位置決め部によって、圧力センサ10とパイプ50との横方向の配置位置を定めることができる。
【0041】
図4に示す位置決め部80は、外壁面51aからハウジング20側に突起した凸部81と、対向面20aに形成された凹部82と、を有する。凸部81と凹部82とが嵌合することで、圧力センサ10とパイプ50との横方向の配置位置が定められる。
【0042】
図5に示す位置決め部80は、対向面20aからパイプ50側に突起した凸部83と、外壁面51aに形成された凹部84と、を有する。凹部84は、第1実施形態に示した凹部53の機能を兼用しており、凹部84にOリング60が配置される。凸部81と凹部82とが嵌合することで、圧力センサ10とパイプ50との横方向の配置位置が定められ、凸部83と凹部84の底部84aとの間で、Oリング60が挟持される。これによれば、位置決め用の凹部82と、シール部材配置用の凹部53とがそれぞれ独立してパイプ50に形成される構成と比べて、シール構造100の体格の増大が抑制される。なお、この場合、磁力によってOリング60が圧縮された状態においても、並列方向における凸部83の長さとOリング60の厚さとの和は、凹部84の深さよりも長くなっている。これにより、対向面20aと外壁面51aとの対向間隔が有限となっている。
【0043】
図6に示す位置決め部80は、壁部51の外壁面51aからハウジング20側に突起した環状の凸部85である。この凸部85によって、ハウジング20の側壁が囲まれ、横方向におけるハウジング20(圧力センサ10)と壁部51(パイプ50)との配置位置が定められる。これによれば、ハウジング20(圧力センサ10)の体格の増大が抑制され、シール構造100の体格の増大が抑制される。なお、凸部85の形状としては環状に限定されず、C字状でもよく、ハウジング20の側壁の少なくとも一部を取り囲める形状であれば適宜採用することができる。例えば、複数の凸部によって、ハウジング20の側壁の少なくとも一部を囲っても良い。図4〜図6は、位置決め部を説明するための断面図である。なお、図4〜図6では、図2と同様にして、圧力センサ10の構成要素の内、ハウジング20のみを図示し、ハウジング20及びパイプ50の形状を単純化している。また、磁性部材70を省略している。
【0044】
第1実施形態では、凹部53が壁部51に形成され、凹部53にOリング60の一部が設けられる例を示した。しかしながら、Oリング60の配置を定める構成としては、上記例に限定されない。図示しないが、例えば、環状のOリング60の内周面と接触する凸部が壁部51に形成された構成を採用することもできる。なお、上記したOリング60が配置される凹部や凸部は壁部51だけではなく、ハウジング20に形成されていても良く、ハウジング20だけに形成されていても良い。
【0045】
第1実施形態では、圧力センサ10が1つのハウジング20を有する例を示した。しかしながら、図7に示すように、圧力センサ10は、2つのハウジング20を有しても良い。この場合、ハウジング20は、樹脂材料から成り、ターミナル40がハウジング20にインサート成形されている。そして、新たなハウジング22は、金属材料からなり、パイプ50から離れた端部がかしめられて、ハウジング20,22が組みつけられている。凹部21の開口部は、メタルダイヤフラムによって閉塞されており、凹部21とメタルダイヤフラムによって囲まれた空間(圧力検出室)内は、センサ素子30に圧力を伝達する圧力媒体によって満たされている。凹部21の周囲には、圧力検出室をシールするためのシール部材61(Oリング61)が設けられており、Oリング61は、かしめによって、ハウジング20,22の間で圧縮され、挟持されている。この構成では、新たなハウジング22に第1磁性部材71が設けられ、壁部51に第2磁性部材72が設けられており、ハウジング22(圧力センサ10)と壁部51(パイプ50)とが、磁性部材71,72に働く引力によって組みつけられている。図7は、圧力センサの変形例を示す平面図である。
【0046】
第1実施形態では、圧力センサ10とパイプ50とのシール構造を例にして示した。しかしながら、本発明の適用としては上記例に限定されない。任意の2つの部材を組み付け、それら2つの部材の間をシールする構造であれば、適宜採用することができる。例えば、図7に示す変形例において、ハウジング22をかしめない場合、ハウジング20に第1磁性部材71が設けられ、新たなハウジング22に第2磁性部材72が設けられた構成とすることで、ハウジング20,22を、磁性部材71,72に働く引力によって組みつけ、ハウジング20,22の間を、Oリング61によってシールしても良い。このように、シールする対象としては、第1実施形態で示したように、圧力センサ10とパイプ50との間に限定されず、ハウジング20,22との間でも良い。なお、もちろんではあるが、本発明に係るシール構造は、圧力センサに限定されるものではなく、2つの部材間がシールされる構造であれば、適宜採用することができる。
【符号の説明】
【0047】
10・・・圧力センサ
20・・・ハウジング
20・・・センサ素子
40・・・ターミナル
50・・・パイプ
60・・・Oリング
70・・・磁性部材
71・・・第1磁性部材
72・・・第2磁性部材
80・・・位置決め部
100・・・シール構造

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1部材と第2部材とが組み付けられ、前記第1部材と前記第2部材との対向部位間がシール部材によってシールされたシール構造であって、
前記第1部材と前記第2部材とが互いに近接する磁力を発生する磁性部材を有し、
前記第1部材と前記第2部材との対向部位間は、前記磁力によって前記シール部材が圧縮された状態で、離間していることを特徴とするシール構造。
【請求項2】
前記磁性部材は、前記第1部材に埋め込まれた磁石と、前記第2部材における磁性を有する部位と、であり、
前記第1部材に埋め込まれた磁石と、前記第2部材の磁性を有する部位とは、前記第1部材と前記第2部材とが並ぶ方向で、互いに対向していることを特徴とする請求項1に記載のシール構造。
【請求項3】
前記磁性部材は、前記第1部材に埋め込まれた磁石と、前記第2部材に埋め込まれた磁石と、であり、
前記第1部材に埋め込まれた磁石と、前記第2部材に埋め込まれた磁石とは、前記第1部材と前記第2部材とが並ぶ方向で、互いに対向していることを特徴とする請求項1に記載のシール構造。
【請求項4】
前記磁性部材は、前記第1部材における磁性を有する部位と、前記第2部材における磁性を有する部位と、であり、
前記第1部材の磁性を有する部位と、前記第2部材の磁性を有する部位とは、前記第1部材と前記第2部材とが並ぶ方向で、互いに対向していることを特徴とする請求項1に記載のシール構造。
【請求項5】
圧縮された前記シール部材の一部を配置するための凹部若しくは凸部が、前記第1部材における前記第2部材との対向部位、及び、前記第2部材における前記第1部材との対向部位の少なくとも一方に形成されていることを特徴とする請求項1〜4いずれか1項に記載のシール構造。
【請求項6】
前記第1部材及び前記第2部材の少なくとも一方には、前記第1部材と前記第2部材とが並ぶ方向に垂直な横方向における、前記第1部材と前記第2部材との配置位置を決める位置決め部が形成されていることを特徴とする請求項1〜4いずれか1項に記載のシール構造。
【請求項7】
前記位置決め部は、前記第1部材に形成された凸部、及び、前記第2部材に形成された凹部を有し、前記凸部が前記凹部に嵌合されることで、前記第1部材と前記第2部材との横方向の配置位置が定まることを特徴とする請求項6に記載のシール構造。
【請求項8】
前記凹部は、前記第2部材における前記第1部材との対向部位に形成されており、
前記シール部材が前記凹部に配置され、前記凸部と前記凹部とによって挟持されていることを特徴とする請求項7に記載のシール構造。
【請求項9】
前記位置決め部の凹部とは別に、圧縮された前記シール部材の一部を配置するための凹部が、前記第1部材における前記第2部材との対向部位、及び、前記第2部材における前記第1部材との対向部位の少なくとも一方に形成されていることを特徴とする請求項7に記載のシール構造。
【請求項10】
前記位置決め部は、前記第2部材に形成された凸部であり、
前記凸部によって、前記第1部材の側部の少なくとも一部が囲まれていることを特徴とする請求項6に記載のシール構造。
【請求項11】
前記位置決め部は、前記第1部材に形成された凸部であり、
前記凸部によって、前記第2部材の側部の少なくとも一部が囲まれていることを特徴とする請求項6に記載のシール構造。
【請求項12】
圧縮された前記シール部材の一部を配置するための凹部若しくは凸部が、前記第1部材における前記第2部材との対向部位、及び、前記第2部材における前記第1部材との対向部位の少なくとも一方に形成されていることを特徴とする請求項10又は請求項11に記載のシール構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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