説明

シール構造

【課題】弾性シール部材が2つの部材の連続する合わせ面の中間部に端部を有する場合であっても、シール長手方向の全長にわたってシール性を確保する。
【解決手段】シリンダヘッド1とシリンダヘッドカバー2との接合部に、連続する合わせ面の中間部に端部を有する弾性シール部材11を介在させてシールするシール構造であって、シリンダヘッドカバー2に形成するシール溝16を、シール長手方向の一端においてシール幅方向に拡幅する拡幅溝端部18を有するものとし、弾性シール部材11を、側面に対して間隙20をおいて拡幅溝端部18に装着されるとともにシール幅方向に拡幅する拡幅シール部13と、拡幅シール部13におけるシール長手方向の一端側の側面から突出し、シリンダヘッド1とシリンダヘッドカバー2とが接合された状態で拡幅溝端部18の側面に圧接する第1突起部14とを有するものとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、互いに接合される第1部材と第2部材とを接合部に弾性シール部材を介在させてシールするシール構造に係り、より詳しくは、弾性シール部材が第1部材と第2部材との連続する合わせ面の中間部に端部を有するシール構造に関し、内燃機関本体と内燃機関本体に締結されるカバー部材との接合に好適である。
【背景技術】
【0002】
ガスケットを介して2つの部材を互いに接合する場合、一方の部材に環状溝を形成するとともにこの環状溝に環状の弾性シール部材を装着し、弾性シール部材を両部材間に介在させてガスケットとして用いることが知られている(例えば特許文献1参照)。ところで、シリンダブロックとその下面に接合されるラダーフレームとの接合部などに用いるガスケットとしては、環状の弾性シール部材を用いることができないため、直線状の弾性シール部材を2つの部材間に介在させてシールすることがある。このような場合には弾性シール部材のシール長手方向の位置決めが必要になるため、弾性シール部材およびシール溝の各両端に、中間部よりも大径の大径部を形成したシール構造が知られている(特許文献2参照)。
【0003】
また、上記のように直線状の弾性シール部材を用いる際に、長手方向の端部に断面形状が円形の大径部を形成すると、接合時の圧縮によって弾性変形する大径部は径方向への逃げ場を失って接合(シール)の妨げとなることがあるため、シール溝および弾性シール部材の各中間部と各大径部との間にテーパー部をそれぞれ設けるとともに、弾性シール部材の大径部を、シール溝との間に弾性変形のための逃げし代を形成する断面面形状としたシール構造が提案されている(特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実公昭58−83652号公報
【特許文献2】実公昭56−83652号公報
【特許文献3】登録実用新案第2597704号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、弾性シール部材が2つの部材の連続する合わせ面の中間部に端部を有する場合、例えば特許第3777344号に開示されるようなシール構造の場合、特許文献2や特許文献3のシール構造では、シール長手方向の最端部をシールことが困難である。また、このような位置に弾性シール部材の端部が配置されるシール構造では、両部材の接合時の圧縮により弾性変形する分の逃げ代が必要であるが、逃げ代の設定が難しく、シール性の確保が困難であった。
【0006】
本発明は、このような背景に鑑みなされたもので、弾性シール部材が2つの部材の連続する合わせ面の中間部に端部を有する場合であっても、シール長手方向の全長にわたってシール性を確保することのできるシール構造を提供することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は、互いに接合される第1部材(1)と第2部材(2)との接合部に弾性シール部材(11)を介在させてシールするシール構造であって、前記弾性シール部材は、前記第1部材と前記第2部材との連続する合わせ面の中間部に端部を有し、前記第1部材と前記第2部材との少なくとも一方には、前記弾性シール部材を装着し、シール長手方向の一端においてシール幅方向に拡幅する拡幅溝端部(18)を有するシール溝(16)が形成され、前記弾性シール部材は、前記拡幅溝端部の側面に対して間隙(20)をおいて前記拡幅溝端部に装着されるとともに、シール幅方向に拡幅する拡幅シール部(13)と、当該拡幅シール部におけるシール長手方向の一端側の側面から突出し、少なくとも前記第1部材と前記第2部材とが接合された状態で前記拡幅溝端部の側面に圧接する第1突起部(14)とを有するものとする。
【0008】
この構成によれば、第1突起部により弾性シール部材の長手方向の最端部とシール溝の端面とを確実に圧接させつつ、拡幅溝端部の側面と拡幅シール部との間に間隙を形成することができるため、第1部材と第2部材とを接合した際に圧縮される弾性シール部材の逃げ代を確保しつつシール長手方向の全長にわたってシール性を確保することができる。
【0009】
また、本発明の一側面によれば、前記弾性シール部材は、前記拡幅シール部におけるシール長手方向の他端側の側面から突出し、少なくとも前記第1部材と前記第2部材とが接合された状態で前記拡幅溝端部の前記他端側の側面に当接する第2突起部(15)をさらに有する構成とすることができる。この構成によれば、拡幅シール部に、シール長手方向の一端側に位置する第1突起部と、シール長手方向の他端側に位置する第2突起部とを形成することで、拡幅シール部と拡幅溝端部の側面との間に適切に間隙を形成しつつ、第2突起部が係止手段として機能することにより拡幅シール部が拡幅溝端部から脱落することを防止できる。
【0010】
また、本発明の一側面によれば、前記拡幅溝端部と前記拡幅シール部との間隙に液状シール材(22)が充填される構成とすることができる。この構成によれば、拡幅シール部と拡幅溝端部との間をシールして一層確実かつ良好なシール性を確保することができる。
【0011】
また、本発明の一側面によれば、前記拡幅溝端部には、前記第1突起部を挟む位置に前記液状シール材の溜り部(19)が形成された構成とすることができる。この構成によれば、溜り部により液状シール材の充填量を確保し、弾性シール部材の第1突起部と拡幅溝端部の側面とのシール性を良好にすることができる。
【0012】
また、本発明の一側面によれば、前記弾性シール部材によりシールされる第1シール領域(5)と、液状シール材(22)によりシールされ、前記第1シール領域とオーバーラップする第2シール領域(6)とを有し、前記拡幅溝端部が、前記第1シール領域と前記第2シール領域とのオーバーラップ部(7)に位置する構成とすることができる。この構成によれば、液状シール材と弾性シール部材とのオーバーラップ部に拡幅溝端部を配置することで、弾性シール部材と液状シール材とが単にオーバーラップするだけでなく、液状シール材が弾性シール部材の拡幅シール部と拡幅溝端部の側面との間に確実に充填されるため、液状シール材と弾性シール部材との接続部におけるシール性を良好にすることができる。
【0013】
また、本発明の一側面によれば、前記第1部材が内燃機関本体(1)であり、前記第2部材が前記内燃機関本体に締結されるカバー部材(2)である構成とすることができる。この構成によれば、弾性シール部材と液状シール材との接合部のシールが確実に行われているため、内燃機関本体からの振動や熱の影響を受けてもオイルやブローバイガスの漏れを確実に防止することができる。
【発明の効果】
【0014】
このように本発明によれば、弾性シール部材が2つの部材の連続する合わせ面の中間部に端部を有する場合であっても、シール長手方向の全長にわたってシール性を確保することのできるシール構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に係るシール構造が適用されるシリンダヘッドカバーの接合前の状態を接合面側から示す斜視図
【図2】図1中のII−II線に沿う断面の接合状態を示す図
【図3】図1に示す弾性シール部材の端部を示す底面図
【図4】図1に示す弾性シール部材の斜視図
【図5】図3中のV−V断面図
【図6】図3中のVI−VI断面図
【図7】図3中のVII−VII断面図
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係るシール構造の一実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。ここでは、本発明に係るシール構造は、内燃機関のシリンダヘッド1とその上面1aに接合されるシリンダヘッドカバー2との接合部に適用される。
【0017】
図1に示すようにシリンダヘッドカバー2は、DOHC(Double Over Head Camshaft)型の直列4気筒エンジンのシリンダヘッド1(図2参照)の上面1aに接合されるものであり、カムホルダ3や、図示しないバキュームポンプ、カムエンドキャップを一体化したものであり、内部に空間部10を形成している。シリンダヘッドカバー2の外周部の適所には、ボルト挿通孔2bが複数形成されており、このボルト挿通孔2bにボルト8を挿通してシリンダヘッド1の図示しないボルト孔に所定のトルクで締結することにより、シリンダヘッドカバー2がシリンダヘッド1に接合される。
【0018】
シリンダヘッドカバー2のシリンダヘッド1に対する接合面(合わせ面)となる下面2aには、シリンダ列方向に沿って互いに平行に延在し、弾性シール部材11によりシールされる一対の第1シール領域5と、第1シール領域5の端部にオーバーラップ部7をもってオーバーラップするように連続し、FIPG(Formed In Pale Gasket)21(図5〜7参照)によりシールされる第2シール領域6とが形成されている。
【0019】
なお、シリンダ列方向一端側(図1の右上側)に配置される第2シール領域6は、端部に配置されたカムホルダ3の下面に当たり、第1シール領域5とのオーバーラップ部7を始端および終端としてシリンダ列直角方向に延在するとともに、2本のカムシャフトの軸受け部4により3分割とされている。また、シリンダ列方向他端側(図1の左下側)に配置される第2シール領域6は、シリンダ列直角方向に延在することなく、第1シール領域5とのオーバーラップ部7をそれぞれ始端とし、図示しないチェーンカバーなどが接合されるシリンダヘッドカバー2の側端面2cとの接続部へ至っている。
【0020】
したがって、第1シール領域5と第2シール領域6とのオーバーラップ部7は、それぞれシリンダヘッド1とシリンダヘッドカバー2との連続する合わせ面の中間部に位置している。
【0021】
第1シール領域5には、図2に併せて示すように、弾性シール部材11を装着すべく断面が略矩形を呈するシール溝16がシール長手方向に沿って形成されている。シリンダヘッドカバー2は、第1シール領域5のオーバーラップ部7を除いた範囲において、その下面2aがシリンダヘッド1の上面1aとの間に間隙を形成した状態でシリンダヘッド1に接合されるものである。そして、シリンダヘッドカバー2は、弾性シール部材11の下面11aがシリンダヘッド1の上面1aに当接し且つ弾性シール部材11の上面11bがシリンダヘッドカバー2(シール溝16の底面16a)に当接した状態からさらにボルト8が締め付けられることにより、弾性シール部材11が弾性変形してその下面11aおよび上面11bがそれぞれシリンダヘッド1およびシリンダヘッドカバー2に圧接した状態でシリンダヘッド1に接合される。
【0022】
弾性シール部材11は、上部の幅aが下部の幅bよりも小さい段付き断面形状とされるとともに、上端および下端の隅部が面取りされた断面形状とされている。
【0023】
図3に示すように、シール溝16は、シール長手方向の各端部においてシール幅方向に拡幅する拡幅溝端部18を有している。拡幅溝端部18は、第1シール領域5と第2シール領域6とのオーバーラップ部7に位置し、合わせ面の直角方向視において、その直径d1がシール溝16の他の部分(以下、一般溝部17と称する。)の幅w1よりも大きな円形状とされており、一般溝部17の深さd1(図6参照)と同一寸法の高さを有し且つ軸心が合わせ面に直交する略円柱形状を呈している。
【0024】
一方、図4に併せて示すように、弾性シール部材11は、一般シール部12と、一般シール部12の端部に連結してシール幅方向に拡幅する拡幅シール部13と、拡幅シール部13におけるシール長手方向の先端側の側面から突出する第1突起部14と、拡幅シール部13におけるシール長手方向の基端側(一般シール部12側)の両側面から突出する一対の第2突起部15とを有している。
【0025】
拡幅シール部13は、シール溝16への装着状態(図3に示す締結前の状態)において、合わせ面の直角方向視において、上部および下部ともにその直径d3が一般シール部12の幅w2よりも大きな円形状とされており、一般シール部12の高さh1と同一の高さを有し且つ軸心が合わせ面に直交する段付きの略円柱形状を呈している。
【0026】
また、図5に併せて示すように、拡幅シール部13は、その直径d3が拡幅溝端部18の直径d1よりも小さく設定されており、拡幅溝端部18の側面に対して所定寸法の間隙20をおいて拡幅溝端部18に装着され得る大きさとなっている。なお、図5〜図7においてはシリンダヘッド1とシリンダヘッドカバー2との間のFIPG21の厚さを誇張して示している。また、図3に示されるように、拡幅シール部13の最大部の直径d3は、シール溝16の一般溝部17の幅w1よりも大きくなっており、一般溝部17へ拡幅シール部13が入ることが防止されている。
【0027】
第1突起部14は、図3、4および6に示すように、合わせ面に直交する方向に延在する突状であり、その上面(シール溝16の底面16a側の面)は、拡幅シール部13の上面と面一の平面とされ、その下面(シリンダヘッド1側の面)は、ボルト8の締め付けによって弾性変形したときに拡幅溝端部18からはみ出してシリンダヘッド1とシリンダヘッドカバー2との間に噛み込まれることがないように、面取りされた傾斜面とされている。そして、第1突起部14は、ここではシール溝16への装着状態において拡幅溝端部18の側面に当接するようにされており、少なくともシリンダヘッド1とシリンダヘッドカバー2とが接合された状態で拡幅溝端部18におけるシール長手方向の先端側の側面に圧接するようになっている。
【0028】
図3、4および7に示すように、第2突起部15も、合わせ面に直交する方向に延在する突状であり、第1突起部14と同様の理由により、下面が面取りされた傾斜面とされるとともに、拡幅シール部13とシール溝16の底面16aとの圧接の妨げとならないように、上面も面取りされた傾斜面とされている。そして、第2突起部15は、少なくともシリンダヘッド1とシリンダヘッドカバー2とが接合された状態で拡幅溝端部18における一般溝部17側の側面に圧接するようになっており、接合前の状態において第1突起部14と協働して拡幅シール部13の位置決めを行って拡幅シール部13の周囲に間隙20を形成するとともに、接合前および接合状態において拡幅シール部13の一般シール部12側への位置ずれを規制する。
【0029】
そして、シリンダヘッド1とシリンダヘッドカバー2とを接合する際には、図3に想像線で示すように、シリンダヘッドカバー2の下面2aの第1シール領域5とのオーバーラップ部7を含む第2シール領域6に、シール長手方向に沿って液状シール材22をビード状に塗布し、液状シール材22が硬化する前にボルト8で締結することにより、シリンダヘッド1とシリンダヘッドカバー2との第2シール領域6にFIPG21が形成される。
【0030】
第2シール領域6においては、図5および図7に示すように、拡幅溝端部18の側面と拡幅シール部13の外周面との間の間隙20に液状シール材22が流入し、FIPG21が充填された状態となっており、これにより、拡幅シール部13の移動が一層確実に防止される。
【0031】
また、図3および図7に示すように、拡幅溝端部18には、第1突起部14を挟む先端側の位置に、合わせ面に向けて拡開するFIPG21の溜り部19が形成されており、これにより、液状シール材22が間隙20へ充填され易くなるとともに、第1突起部14の両側近傍における液状シール材22の充填量が他の部分に比べて多くなっている。
【0032】
このように構成されたシール構造によれば、第1突起部14により弾性シール部材11の長手方向の最端部とシール溝16の端面との圧接を確実にしつつ、拡幅溝端部18の側面と拡幅シール部13との間に形成される間隙20によって、シリンダヘッド1とシリンダヘッドカバー2とを接合した際に圧縮される弾性シール部材11の逃げ代が確保され、第1シール領域5のシール長手方向の全長にわたってシール性が確保される。
【0033】
また、弾性シール部材11が第2突起部15を有することにより、拡幅シール部13と拡幅溝端部18の側面との間に適切に間隙20が形成され、第2突起部15が係止手段として機能することで、拡幅シール部13が拡幅溝端部18から脱落することが防止される。そして、拡幅溝端部18と拡幅シール部13との間隙20にFIPG21が充填されることにより、拡幅シール部13と拡幅溝端部18との間がシールされて一層確実かつ良好なシール性が確保される。さらに、FIPG21の溜り部19が第1突起部14を挟む位置に形成されたことにより、溜り部19によって第1突起部14近傍のFIPG21の充填量が確保され、弾性シール部材11の第1突起部14と拡幅溝端部18の側面とのシール性が向上する。
【0034】
また、FIPG21と弾性シール部材11とのオーバーラップ部7に拡幅溝端部18が配置されることで、弾性シール部材11とFIPG21とが単にオーバーラップするだけでなく、FIPG21が弾性シール部材11の拡幅シール部13と拡幅溝端部18の側面との間に確実に充填されるため、FIPG21と弾性シール部材11との接続部におけるシール性が向上する。
【0035】
このようにして弾性シール部材11とFIPG21との接合部のシールが確実に行われるため、接合部がシリンダヘッド1からの振動や熱の影響を受けてもオイルやブローバイガスの漏れが確実に防止される。
【0036】
以上で具体的実施形態の説明を終えるが、本発明の態様は上記実施形態に限られるものではない。例えば、上記実施形態では、本発明に係るシール構造をシリンダヘッド1とシリンダヘッドカバー2との接合部に適用しているが、2つの部材の接合部であれば、例えばクランクケースとオイルパンとの接合部や、トランスミッション部材同士の接合部などのオイル漏れ防止を必要とする部材同士の接合部や、オイル以外の流体の漏れ防止を必要とする部材同士の接合部に適用してもよい。また、上記実施形態ではシール溝16をシリンダヘッドカバー2に形成しているが、シリンダヘッド1に形成する形態や、シリンダヘッドカバー2とシリンダヘッド1との両方に形成する形態であってもよい。さらに、上記実施形態では拡幅シール部13および拡幅溝端部18を、合わせ面の直角方向視で円形としているが、楕円形や四角形などの多角形としてもよい。その他、弾性シール部材11やシール溝16などの具体的構成についても、本発明の趣旨を逸脱しない範囲であれば適宜変更可能である。また、上記実施形態に示した構成要素は必ずしも全てが必須なものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて適宜取捨選択することが可能である。
【符号の説明】
【0037】
1 シリンダヘッド(第1部材)
2 シリンダヘッドカバー(第2部材)
5 第1シール領域
6 第2シール領域
7 オーバーラップ部
11 弾性シール部材
12 一般シール部
13 拡幅シール部
14 第1突起部
15 第2突起部
16 シール溝
17 一般溝部
18 拡幅溝端部
19 溜り部
20 間隙
21 FIPG
22 液状シール材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに接合される第1部材と第2部材との接合部に弾性シール部材を介在させてシールするシール構造であって、
前記弾性シール部材は、前記第1部材と前記第2部材との連続する合わせ面の中間部に端部を有し、
前記第1部材と前記第2部材との少なくとも一方には、前記弾性シール部材を装着し、シール長手方向の一端においてシール幅方向に拡幅する拡幅溝端部を有するシール溝が形成され、
前記弾性シール部材は、前記拡幅溝端部の側面に対して間隙をおいて前記拡幅溝端部に装着されるとともに、シール幅方向に拡幅する拡幅シール部と、当該拡幅シール部におけるシール長手方向の一端側の側面から突出し、少なくとも前記第1部材と前記第2部材とが接合された状態で前記拡幅溝端部の側面に圧接する第1突起部とを有することを特徴とするシール構造。
【請求項2】
前記弾性シール部材は、前記拡幅シール部におけるシール長手方向の他端側の側面から突出し、少なくとも前記第1部材と前記第2部材とが接合された状態で前記拡幅溝端部の前記他端側の側面に当接する第2突起部をさらに有することを特徴とする、請求項1に記載のシール構造。
【請求項3】
前記拡幅溝端部と前記拡幅シール部との間隙に液状シール材が充填されることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のシール構造。
【請求項4】
前記拡幅溝端部には、前記第1突起部を挟む位置に前記液状シール材の溜り部が形成されたことを特徴とする、請求項3に記載のシール構造。
【請求項5】
前記弾性シール部材によりシールされる第1シール領域と、
液状シール材によりシールされ、前記第1シール領域とオーバーラップする第2シール領域とを有し、
前記拡幅溝端部が、前記第1シール領域と前記第2シール領域とのオーバーラップ部に位置することを特徴とする、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載のシール構造。
【請求項6】
前記第1部材が内燃機関本体であり、前記第2部材が前記内燃機関本体に締結されるカバー部材であることを特徴とする、請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載のシール構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−219916(P2012−219916A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−86341(P2011−86341)
【出願日】平成23年4月8日(2011.4.8)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】