説明

ジオキサジン誘導体の製造方法

本発明は、式(1)のジオキサジン誘導体の製造方法、及び対応の中間体に関する。
【化1】


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ジオキサジン誘導体の製造方法、及び該製造の間に得られる中間体に関する。
【0002】
式(1)のジオキサジン
【化1】

は、多数の有機活性化合物中において重要な官能基である。例えば、ジオキサジン環は、農薬有効成分(特許文献1を参照)中に、特にジオキサジン−ピリジニル−スルホニルウレア(特許文献2を参照)中に存在する。さらに、多くの有機顔料がジオキサジン環を含有する(特許文献3を参照)。
【0003】
ジオキサジン誘導体の合成は、一般的に、好適なカルボン酸エステルとヒドロキシルアミンとの反応及び続いてのジブロモエタンとの反応によって進行する。この反応順序は、例えば、特許文献2に従うニコチン酸エステルについて、下記の反応式で説明される:
【化2】

【0004】
上記の反応についての収率が21%と低いこと、及び毒性が高くかつ環境に有害なジブロモエタンを使用することのために、このような方法の実施は、魅力がなく、高価である。
【0005】
従って、高収率及び高純度で所望の化合物を提供する、安価でありかつ環境に優しいジオキサジン誘導体の製造方法についての必要性が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】DE 10 2005 044 108 A1
【特許文献2】US 5,476,936
【特許文献3】DE 10 2005 063 360 A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、本発明の目的は、好ましくは高収率で進行し、かつ、毒性が高くかつ環境に有害な物質、特にジブロモエタンが好ましくは省かれ得る、ジオキサジン誘導体の製造方法を提供することである。所望の標的化合物は、好ましくは、安価に、高純度で得られるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の目的は、本発明に従って、式(1)のジオキサジン誘導体の製造方法によって達成される:
【化3】

式中、個々の置換基は以下のように定義される:
1は、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、SCN、又はS−R3であり、ここで、
3は、水素;
場合により置換されたC1−C6−アルキル;
場合により置換されたC3−C6−シクロアルキル;
−(CH2r−C65、ここでr=0〜6の整数であり、アルキル基−(CH2r−は場合により置換され得る;又は
【化4】

ここで、置換基R1及びR2並びに指標n及びmは、式(1)におけるのと同一の定義を有する;であり;
1は、ハロゲン;シアノ;チオシアナト;又は各場合において場合によりハロゲン置換されたアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルアミノ、アルキニルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル及びヘテロシクリルであり、ここで、上述の基中のアルキル及びアルキレン基は各々1〜6個の炭素原子、アルケニル及びアルキニル基は各々2〜6個の炭素原子、シクロアルキル基は各々3〜6個の炭素原子、アリール基は各々6又は10個の炭素原子を含有し得;
nは、0〜2の整数であり;
2は、各場合において独立して、場合により、単一又は多数の同一又は異なる基で置換されたC1−C6−アルキル、C2−C6−アルケニル、C2−C6−アルキニル、C3−C6−シクロアルキルであり、ここで、置換基は、各々独立して、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1−C4−アルコキシ、C1−C4−ハロアルコキシ、C1−C4−アルキルチオ、C1−C4−アルキルスルフィニル、C1−C4−アルキルスルホニル、(C1−C6−アルコキシ)カルボニル、(C1−C6−アルキル)カルボニル又はC3−C6−トリアルキルシリルより選択され得;
mは、0〜4の整数である。
【0009】
本発明に従う方法は、式(2)の化合物から閉環処理によって式(1)のジオキサジン誘導体を製造すること(方法工程(1))を含む:
【化5】

式中、置換基R1、R2及びX1並びに指標n及びmは、各々、上記に定義される通りであり;Gは、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、−OSO2−CH3、−O−SO2CF3、−O−SO2−Ph及び−O−SO2−C64−Meからなる群より選択される脱離基であり、X2は、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、SCN、又はS−R3であり、ここで、R3は、水素;場合により置換されたC1−C6−アルキル;場合により置換されたC3−C6−シクロアルキル;−(CH2r−C65(ここでr=0〜6であり、アルキル基−(CH2r−は場合により置換され得る)であるか;又は基
【化6】

であり、ここで、該基中の置換基R1及びR2並びに指標m及びnは、式(1)におけるのと同一の定義を有する。
【0010】
G=Clである式(2)の化合物は、例えば塩化チオニルを用いる、塩素化によって式(3)の化合物から得ることができる(方法工程(2a)):
【化7】

【0011】
G=Brである式(2)の化合物は、臭素化によって式(3)の化合物から得ることができる(方法工程(2b)):
【化8】

【0012】
G=−O−SO2CH3、G=−O−SO2−Ph又はG=−O−SO2−C64−CH3である式(2)の化合物は、CH3SO2Cl又はPhSO2Clとの反応によって式(3)の化合物から得ることができる(方法工程(2c)):
【化9】

【0013】
G=−O−SO2CF3である式(2)の化合物は、(CF3SO22Oとの反応によって式(3)の化合物から得ることができる(方法工程(2d)):
【化10】

【0014】
G=Fである式(2)の化合物は、(CH32NSF3、Deoxofluor(登録商標)、Yarovenko又はIshikawa試薬との反応によって式(3)の化合物から得ることができる(方法工程(2e)):
【化11】

【0015】
G=Iである式(2)の化合物は、リン/ヨウ素(P/I2)との又はCH3SO2Cl/KIとの反応によって式(3)の化合物から得ることができる(方法工程(2f)):
【化12】

【0016】
化合物(2a)〜(2g)についての上述の方法において、ピリジン窒素に対してオルト位にある基、即ち、ピリジン窒素とアミド/ジオキサジン置換基との間の置換基は、詳細には定義されず、二量体構造の場合、ヒドロキシル基における変換が2回生じることが可能である。
【0017】
式(3)の化合物は先行技術から公知である;同日出願した欧州特許出願EP 07011966.4、Bayer CropScience AG、発明の名称“Nicotinamide derivates and processes for preparation thereof”を参照のこと。
【0018】
本発明の1態様において、本発明に従う方法は、方法工程(1)及び(2)の両方を含み、即ち、この態様における方法は、全般的に言えば、以下の反応順序を特徴とする:
【化13】

式中、個々の置換基は、各々、上記の定義を有し、X3は、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、SCN、又はS−R3であり、ここで、R3は、水素;場合により置換されたC1−C6−アルキル;場合により置換されたC3−C6−シクロアルキル;−(CH2r−C65(ここでr=0〜6であり、アルキル基−(CH2r−は場合により置換され得る)であるか;又は基
【化14】

であり、ここで、該基中の置換基R1及びR2並びに指標m及びnは、各々、式(1)におけるのと同一の定義を有する。
【0019】
本発明の文脈において、式(1)〜(3)の化合物の置換基は、好ましくは、各々、以下のように定義される:
1、X2、X3は、塩素、S−R3であり、ここで、
3は、場合により置換されたC1−C6−アルキル;
場合により置換されたC3−C6−シクロアルキル;
−(CH2r−C65(ここでr=0〜4であり、アルキル基−(CH2r−は場合により置換され得る)であり;
1は、ハロゲン;シアノ;チオシアナト;又は各場合において場合によりハロゲン置換されたアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルアミノ、アルキニルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル及びヘテロシクリルであり、ここで、上述の基中のアルキル及びアルキレン基は各々1〜6個の炭素原子、アルケニル及びアルキニル基は各々2〜6個の炭素原子、シクロアルキル基は各々3〜6個の炭素原子、アリール基は各々6又は10個の炭素原子を含有し得;
nは、0又は1であり;
2は、各場合において独立して、場合により、単一又は多数の同一又は異なる基で置換されたC1−C4−アルキル、C3−C6−シクロアルキルであり、ここで、置換基は、各々独立して、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、C1−C4−アルコキシ、C1−C4−ハロアルコキシ、C1−C4−アルキルチオ、C1−C4−アルキルスルフィニル及びC1−C4−アルキルスルホニルより選択され得;
mは、0〜2の整数であり;
Gは、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素である。
【0020】
さらに、特に好ましいのは、式(1)〜(3)の化合物の置換基の以下の定義である:
1、X2、X3は、塩素、S−R3であり、ここで、
3は、場合により置換されたC1−C6−アルキル;
場合により置換されたC3−C6−シクロアルキル;
−(CH2r−C65(ここでr=0〜2であり、アルキル基−(CH2r−は場合により置換され得る)であり;
1は、ハロゲン;シアノ;チオシアナト;又は各場合において場合によりハロゲン置換されたアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルアミノ、アルキニルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル及びヘテロシクリルであり、ここで、上述の基中のアルキル及びアルキレン基は各々1〜6個の炭素原子、アルケニル及びアルキニル基は各々2〜6個の炭素原子、シクロアルキル基は各々3〜6個の炭素原子、アリール基は各々6又は10個の炭素原子を含有し得;
nは、0又は1であり;
2は、各場合において独立して、場合により、単一又は多数の同一又は異なる基で置換されたC1−C4−アルキルであり、ここで、置換基は、各々独立して、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1−C4−アルコキシ、C1−C4−ハロアルコキシより選択され得;
mは、0又は1であり;
Gは、塩素である。
【0021】
さらに、式(1)〜(3)の化合物の置換基の以下の定義が特に好ましい:
1、X2、X3は、S−CH2−C65であり;
nは、0であり;
mは、0であり;
Gは、塩素である。
【0022】
方法工程(1):
本発明に従う方法は、式(1)の化合物を与える式(2)の化合物の閉環である方法工程(1)を特徴とする。
【化15】

【0023】
原理的には、方法工程(1)を行ういくつかの手段がある:例えば、方法工程(1)の第1の構成において、塩基の存在下での閉環で前記反応を行うことが可能である。
【0024】
この場合に使用される塩基は、有機又は無機塩基であり得る。好ましいのは、無機塩基、例えば、LiOH、NaOH、KOH、Ca(OH)2、Ba(OH)2、Li2CO3、K2CO3、Na2CO3、NaHCO3、又は有機塩基、例えば、アミン(例えば、好ましくはトリエチルアミン、ジエチルイソプロピルアミン)、Bu4NOH、ピペリジン、モルホリン、ピリジン、アルキルピリジン及びDBUを使用することである。特に好ましいのは、無機塩基、例えば、LiOH、NaOH、KOH、Ca(OH)2、Ba(OH)2、Li2CO3、K2CO3、Na2CO3及びNaHCO3を使用することである。特に好ましいのは、LiOH、NaOH、KOH、K2CO3、Na2CO3、NaHCO3を使用することである。
【0025】
本発明に従う方法の方法工程(1)において塩基を使用する場合、その量は、各場合において式(2)の化合物に基づいて、好ましくは0.6〜4.0モル当量、より好ましくは1〜3モル当量、特に1.2〜2.5モル当量である。
【0026】
方法工程(1)は、一般的に、溶媒の存在下で行われる。方法工程(1)は、水中において、又は、不活性有機溶媒、好ましくは極性非プロトン性溶媒の存在下において行われ得る。本発明の文脈において使用され得る有機溶媒の例は、芳香族又は脂肪族溶媒、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン;脂肪族及び芳香族ハロ水素(halohydrogen)、例えば、塩化メチレン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン;エーテル、例えば、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、ジイソブチルエーテル、メチルtert−ブチルエーテル、イソプロピルエチルエーテル、テトラヒドロフラン及びジオキサン;並びにまたジメチルスルホキシド及び酸アミド誘導体、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド及びN−メチル−2−ピロリドン;そしてまたカルボン酸エステル、例えば、酢酸エチル、又は、ジオキサン、ジグリム又はジメチルグリコール;ニトリル、例えば、メチルニトリル、ブチルニトリル又はフェニルニトリルである。特に好ましいのは、トルエン、キシレン、ジクロロベンゼン、クロロベンゼン、酢酸エチル、ジクロロエタン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド及び水である。特に好ましいのは、溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、酢酸エチル、ジクロロエタン及び水である。しかし、本発明は、上記の例によって明記された溶媒に限定されない。
【0027】
方法工程(1)における閉環反応が行われ得る反応温度は、広範囲に変化し得る。例えば、閉環反応は、20〜100℃、好ましくは20〜70℃の温度で行われ得る。
【0028】
本発明に従う方法の方法工程(1)は、一般的に、標準圧力下で行われる。しかし、高められた圧力又は減圧、一般的に0.1bar〜10bar下で機能することも可能である。
【0029】
さらに、本発明の方法工程(1)において、閉環反応のための試薬として、方法段階(2)によって、即ち、例えば、塩素化、臭素化、フッ素化又はメシル化によって得られた化合物を使用することが可能である。この場合、中間体である式(2)の化合物は、方法段階(2)において得られたまま直ちに使用され得る。
【0030】
式(2)の化合物が単離されないことが本発明の文脈において意図される場合、方法段階(2)における脱離基Gの導入、及び方法段階(1)の引き続いての閉環反応は、ワンポット反応として公知であるものとして行われ得る。
【0031】
この場合、従って方法工程(1)の第2の構成において、方法工程(2)と共にワンポット反応として方法工程(1)を構成することが可能である。この構成において、方法工程(1)の方法において塩基の添加を省くことが可能であり、しかし、これは、2つの方法段階にわたる全収率をいくぶん低下させる。
【0032】
方法工程(1)の生成物は、当業者に公知のプロセス操作、例えば、結晶化又はクロマトグラフィーによって精製され得るが、粗生成物の純度は、続いての反応における使用に既に十分である。
【0033】
方法工程(2):
方法工程(2)は、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、−OSO2−CH3、−O−SO2CF3、−O−SO2−Ph及び−O−SO2−C64−Meからなる群より選択される脱離基への、下記の反応式に従っての、式(3)の化合物のヒドロキシル官能基の変換を含む:
【化16】

【0034】
個々のR1、R2、X2及びX3基並びに指標m及びnについて、対応する定義が参照される。
【0035】
この方法工程(2)において得られる式(2)の化合物は、本発明に従う方法の方法工程(1)における反応物質として使用され得、しかし、方法工程(2)の後に式(2)の化合物を後処理すること、即ち、単離されそして場合により精製された形態でそれを使用すること、又は未精製形態でそれを使用すること(ワンポット反応)が可能である。
【0036】
脱離基の選択に依存して、方法工程(2)において変換を行ういくつかの手段がある。
【0037】
脱離基が塩素である場合、これはまた本発明の文脈において好ましく、式(3)の化合物を塩素化するために任意の所望の塩素化剤を使用することが可能である。有用な例としては、塩化チオニル(SOCl2)、塩化ホスホリル(POCl3)、ホスゲン、ジホスゲン及び塩化オキサリル((COCl)2)が挙げられる。これらの中でも特に好ましいのは、塩化チオニル(SOCl2)、ホスゲン及び塩化オキサリル((COCl)2)である。
【0038】
使用される塩素化剤の量は、広範囲に変化し得る。例えば、方法工程(2)について使用される塩素化剤の量は、各場合において、式(3)の化合物の量に基づいて、0.8〜3モル当量、より好ましくは1〜2.5モル当量、特に1.1〜1.8モル当量である。
【0039】
脱離基が臭素である場合、式(3)の化合物は、任意の所望の臭素化剤を使用して臭素化され得る。有用な例としては、三臭化リン(PBr3)又は臭化ホスホリル(POBr3)が挙げられる。
【0040】
使用される臭素化剤の量は、広範囲に変化し得る。例えば、方法工程(2)について使用される臭素化剤の量は、各場合において、式(3)の化合物の量に基づいて、0.8〜3モル当量、より好ましくは1〜2.5モル当量、特に1.1〜1.8モル当量である。
【0041】
脱離基がフッ素である場合、式(3)の化合物は、任意の所望のフッ素化剤を使用してフッ素化され得る。有用な例としては、(CH32NSF3(DAST)、Deoxofluor(登録商標)、Yarovenko又はIshikawa試薬(ClCFH−CF2−N(C252)が挙げられる。
【0042】
使用されるフッ素化剤の量は、広範囲に変化し得る。例えば、方法工程(2)について使用されるフッ素化剤の量は、各場合において、式(3)の化合物の量に基づいて、0.8〜3モル当量、より好ましくは1〜1.5モル当量、特に1〜1.3モル当量である。
【0043】
脱離基がヨウ素である場合、式(3)の化合物は、任意の所望のヨウ素化剤を使用してヨウ素化され得る。有用な例としては、I2/P又はCH3SO2Cl/KIが挙げられる。
【0044】
使用されるヨウ素化剤の量は、広範囲に変化し得る。例えば、方法工程(2)について使用されるヨウ素化剤の量は、各場合において、式(3)の化合物の量に基づいて、0.8〜2モル当量、より好ましくは1〜1.5モル当量、特に1〜1.2モル当量である。
【0045】
脱離基が−O−SO2−CH3、−OSO2−Ph、−OSO2−C64−CH3である場合、脱離基は、メタンスルホニルクロリド(CH3−SO2−Cl)、フェニルスルホクロリド(PhSO2Cl)又はトリルスルホクロリドCH3−C64SO2−Clを使用して、式(3)の化合物中へ導入され得る。
【0046】
使用されるメタンスルホニルクロリド(CH3−SO2−Cl)、フェニルスルホクロリド(PhSO2Cl)又はトリルスルホクロリド(CH3−C64SO2Cl)の量は、広範囲に変化し得る。例えば、方法工程(2)について使用される試薬の量は、各場合において、式(3)の化合物の量に基づいて、0.8〜3モル当量、より好ましくは1〜2.5モル当量、特に1〜1.5モル当量である。
【0047】
脱離基が−O−SO2−CF3である場合、脱離基は、トリフルオロメチルスルホン酸無水物(CF3−SO22Oを使用して、式(3)の化合物中へ導入され得る。
【0048】
使用されるトリフルオロメチルスルホン酸無水物の量は、広範囲に変化し得る。例えば、方法工程(2)について使用されるトリフルオロメチルスルホン酸無水物の量は、各場合において、式(3)の化合物の量に基づいて、0.8〜2.5モル当量、より好ましくは1〜2モル当量、特に1〜1.5モル当量である。
【0049】
方法工程(2)は、一般的に、溶媒の存在下で行われる。使用される溶媒は、例えば、有機溶媒であり得る。有機溶媒の例は、例えば、芳香族又は脂肪族溶媒、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン;脂肪族及び芳香族ハロ水素、例えば、塩化メチレン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン;酸アミド誘導体、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド及びN−メチル−2−ピロリドン;並びにまたカルボン酸エステル、例えば、酢酸エチル;又はジオキサン、ジグリム、ジメチルグリコール又はTHF;ニトリル、例えば、メチルニトリル、ブチルニトリル又はフェニルニトリルである。特に好ましいのは、トルエン、キシレン、ジクロロベンゼン、クロロベンゼン又は酢酸エチルである。これらの中でも、以下の溶媒が特に好ましい:塩化メチレン、ジクロロエタン、酢酸エチル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド及びN−メチル−2−ピロリドンである。
【0050】
方法工程(2)における反応が行われ得る反応温度は、広範囲に変化し得る。例えば、閉環反応は、10〜100℃、好ましくは20〜80℃の温度で行われ得る。反応温度は、個々の化合物の反応性に依存する。
【0051】
本発明に従う方法の方法工程(2)は、一般的に、標準圧力下で行われる。しかし、高められた圧力又は減圧、一般的に0.1bar〜10bar下で実施することも可能である。
【0052】
方法工程(2)の生成物は、当業者に公知のプロセス操作、例えば、結晶化又はクロマトグラフィーによって精製され得るが、粗生成物の純度は、方法工程(1)の続いての反応において使用されるに既に十分である。
【0053】
本発明に従う方法は、高収率及び純度で、所望のジオキサジン誘導体を与える。本発明に従う方法は、簡単な様式で、より特には、環境に有害な試薬を使用することなく、行われ得る。ワンポット反応の可能性に起因して、本方法は、安価であり;中間体及び標的化合物の対応の後処理が省かれ得る。
【0054】
さらに、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、−OSO2−CH3、−O−SO2CF3、−O−SO2−Ph及び−O−SO2−C64−Meからなる群より選択されるGを有する式(2)の化合物は、新規である。
【0055】
従って、本発明は、さらに式(2)の化合物を提供する:
【化17】

式中、個々の置換基は以下のように定義される:
Gは、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、−OSO2−CH3、−O−SO2CF3、−O−SO2−Ph及び−O−SO2−C64−Meであり;
2は、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、SCN、又はS−R3であり、ここで、
3は、水素;場合により置換されたC1−C6−アルキル;場合により置換されたC3−C6−シクロアルキル;−(CH2r−C65(ここでr=0〜6であり、アルキル基−(CH2r−は場合により置換され得る)であるか;又は基
【化18】

であり;
1は、ハロゲン;シアノ;チオシアナト;又は各場合において場合によりハロゲン置換されたアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルアミノ、アルキニルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル及びヘテロシクリルであり、ここで、上述の基中のアルキル及びアルキレン基は各々1〜6個の炭素原子、アルケニル及びアルキニル基は各々2〜6個の炭素原子、シクロアルキル基は各々3〜6個の炭素原子、アリール基は各々6又は10個の炭素原子を含有し得;
nは、0〜2の整数であり;
2は、各場合において独立して、場合により、単一又は多数の同一又は異なる基で置換されたC1−C6−アルキル、C2−C6−アルケニル、C2−C6−アルキニル、C3−C6−シクロアルキルであり、ここで、置換基は、各々独立して、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1−C4−アルコキシ、C1−C4−ハロアルコキシ、C1−C4−アルキルチオ、C1−C4−アルキルスルフィニル、C1−C4−アルキルスルホニル、(C1−C6−アルコキシ)カルボニル、(C1−C6−アルキル)カルボニル又はC3−C6−トリアルキルシリルより選択され得;
mは、0〜4の整数である。
【0056】
好ましい態様において、置換基は、以下のように定義される:
Gは、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素であり、
2は、塩素、S−R3であり、ここで、
3は、場合により置換されたC1−C6−アルキル;
場合により置換されたC3−C6−シクロアルキル;
−(CH2r−C65(ここでr=0〜4であり、アルキル基−(CH2r−は場合により置換され得る)であり;
1は、ハロゲン;シアノ;チオシアナト;又は各場合において場合によりハロゲン置換されたアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルアミノ、アルキニルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル及びヘテロシクリルであり、ここで、上述の基中のアルキル及びアルキレン基は各々1〜6個の炭素原子、アルケニル及びアルキニル基は各々2〜6個の炭素原子、シクロアルキル基は各々3〜6個の炭素原子、アリール基は各々6又は10個の炭素原子を含有し得;
nは、0又は1であり;
2は、各場合において独立して、場合により、単一又は多数の同一又は異なる基で置換されたC1−C4−アルキル、C3−C6−シクロアルキルであり、ここで、置換基は、各々独立して、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、C1−C4−アルコキシ、C1−C4−ハロアルコキシ、C1−C4−アルキルチオ、C1−C4−アルキルスルフィニル及びC1−C4−アルキルスルホニルより選択され得;
mは、0〜2の整数である。
【0057】
さらに、式(2)の化合物の置換基の以下の定義が特に好ましい:
Gは、塩素であり;
2は、塩素、S−R3であり、ここで、
3は、場合により置換されたC1−C6−アルキル;
場合により置換されたC3−C6−シクロアルキル;
−(CH2r−C65(ここでr=0〜2であり、アルキル基−(CH2r−は場合により置換され得る)であり;
1は、ハロゲン;シアノ;チオシアナト;又は各場合において場合によりハロゲン置換されたアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルアミノ、アルキニルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル及びヘテロシクリルであり、ここで、上述の基中のアルキル及びアルキレン基は各々1〜6個の炭素原子、アルケニル及びアルキニル基は各々2〜6個の炭素原子、シクロアルキル基は各々3〜6個の炭素原子、アリール基は各々6又は10個の炭素原子を含有し得;
nは、0又は1であり;
2は、場合により、単一又は多数の同一又は異なる基で置換されたC1−C4−アルキルであり、ここで、置換基は、各々独立して、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1−C4−アルコキシ、C1−C4−ハロアルコキシより選択され得;
mは、0又は1である。
【0058】
さらに、式(2)の化合物の置換基の以下の定義が特に好ましい:
Gは、塩素であり;
2は、S−CH2−C65であり;
nは、0であり;
mは、0である。
【0059】
これらの化合物は、上述の方法によって得ることができる。次に、本発明を下記の実施例によって詳細に説明するが、本発明はそれに限定されない。
【実施例】
【0060】
実施例1:
2−(ベンジルチオ)−N−(2−クロロエトキシ)ニコチンアミドの製造
【化19】

最初に2−(ベンジルチオ)−N−(2−ヒドロキシエトキシ)ニコチンアミド11.4gをN,N−ジクロロメタン50mlに加え、塩化チオニル6.6gを30℃で滴下した。反応混合物を室温で1時間撹拌し、次いで混合物を水100mlで希釈した。懸濁液を20℃で1時間撹拌し、沈殿物を吸引濾別し、水で洗浄した。
これによって、生成物11.47g、理論値の95%が得られた(m.p.122〜124℃)。
1H NMR (DMSO-d6): 3.81 (m, 2H), 4.15 (m, 2H), 4.4 (s, 2H), 7.2-7.4 (m, 6H), 7.8 (dd, 1H), 8.5 (dd, 1H).
【0061】
実施例2:
3−[2−(ベンジルチオ)ピリジン−3−イル]−5,6−ジヒドロ−1,4,2−ジオキサジンの製造(塩基無し)
【化20】

最初に2−(ベンジルチオ)−N−(2−ヒドロキシエトキシ)ニコチンアミド114gをTHF500mlに加え、塩化チオニル65.8gを10℃で滴下した。反応混合物を室温で1時間撹拌し、次いで、沈殿物(生成物のHCl塩)を濾別し、水及びNaHCO3溶液で洗浄し、乾燥させた。
これによって、m.p.63〜65℃の生成物およそ65gが得られた。
1H NMR (DMSO-d6): 4.2 (d, 2H), 4.4 (s, 2H), 4.45 (d, 2H), 7.2-7.4 (m, 6H), 7.7 (d, 1H), 8.5 (d, 1H).
【0062】
実施例3:
3−[2−(ベンジルチオ)ピリジン−3−イル]−5,6−ジヒドロ−1,4,2−ジオキサジンの製造(塩基有り)
【化21】

最初に2−(ベンジルチオ)−N−(2−ヒドロキシエトキシ)ニコチンアミド114gをN,N−ジメチルアセトアミド500mlに加え、塩化チオニル65.8gを滴下した。反応混合物を室温で1時間撹拌し、次いで、カリ溶液306gを室温で滴下した。混合物を70℃へ加熱し、この温度でおよそ1時間撹拌した。水を添加し、懸濁液を20℃で3時間撹拌した。沈殿物を吸引濾別し、水で洗浄した。
これによって、103g、理論値の95%(純度98%、100%LC)、m.p.62〜64℃が得られた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(1)のジオキサジン誘導体の製造方法であって、
【化1】

式中、個々の置換基は以下のように定義される:
1は、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、SCN、又はS−R3であり、ここで、
3は、水素;
場合により置換されたC1−C6−アルキル;
場合により置換されたC3−C6−シクロアルキル;
−(CH2r−C65(ここでr=0〜6であり、アルキル基−(CH2r−は場合により置換され得る);又は
【化2】

(ここで、置換基R1及びR2並びに指標m及びnは、式(1)におけるのと同一の定義を有する)であり;
1は、ハロゲン;シアノ;チオシアナト;又は各場合において場合によりハロゲン置換されたアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルアミノ、アルキニルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル及びヘテロシクリルであり、ここで、上述の基中のアルキル及びアルキレン基は各々1〜6個の炭素原子、アルケニル及びアルキニル基は各々2〜6個の炭素原子、シクロアルキル基は各々3〜6個の炭素原子、アリール基は各々6又は10個の炭素原子を含有し得;
nは、0〜2の整数であり;
2は、各場合において独立して、場合により、単一又は多数の同一又は異なる基で置換されたC1−C6−アルキル、C2−C6−アルケニル、C2−C6−アルキニル、C3−C6−シクロアルキルであり、ここで、置換基は、各々独立して、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1−C4−アルコキシ、C1−C4−ハロアルコキシ、C1−C4−アルキルチオ、C1−C4−アルキルスルフィニル、C1−C4−アルキルスルホニル、(C1−C6−アルコキシ)カルボニル、(C1−C6−アルキル)カルボニル又はC3−C6−トリアルキルシリルより選択され得;
mは、0〜4の整数であり、
該方法が、
式(2)の化合物から閉環処理によって式(1)のジオキサジン誘導体を作製すること(方法工程(1)):
【化3】

式中、置換基R1、R2及びX1並びに指標n及びmは、各々、上記に定義される通りであり;Gは、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、−OSO2−CH3、−O−SO2CF3、−O−SO2−Ph及び−O−SO2−C64−Meからなる群より選択される脱離基であり、
2は、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、SCN、又はS−R3であり、
ここで、R3は、水素;
場合により置換されたC1−C6−アルキル;
場合により置換されたC3−C6−シクロアルキル;
−(CH2r−C65(ここでr=0〜6であり、アルキル基−(CH2r−は場合により置換され得る)であるか;又は基
【化4】

であり、ここで、該基中の置換基R1及びR2並びに指標m及びnは、式(1)におけるのと同一の定義を有する;
を含む、方法。
【請求項2】
式(2)の化合物が、式(3)の化合物のヒドロキシル官能基を、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、−OSO2−CH3、−O−SO2CF3、−O−SO2−Ph及びO−SO2−C64−Meからなる群より選択される脱離基へ変換することよって得ることができる、請求項1に記載の方法:
【化5】

式中、X3は、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、SCN、又はS−R3であり、ここで、R3は、水素;場合により置換されたC1−C6−アルキル;場合により置換されたC3−C6−シクロアルキル;−(CH2r−C65(ここでr=0〜6であり、アルキル基−(CH2r−は場合により置換され得る)であるか;又は基
【化6】

であり、ここで、該基中の置換基R1及びR2並びに指標m及びnは、各々、式(1)におけるのと同一の定義を有する。
【請求項3】
方法工程(1)における環化を塩基の存在下で行う、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
方法工程(1)における反応を20〜100℃の温度で行う、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
脱離基が塩素であり、方法工程(2)において、塩化チオニル(SOCl2)、塩化ホスホリル(POCl3)、ホスゲン、ジホスゲン及び塩化オキサリル((COCl)2)からなる群より選択される塩素化剤によって塩素化を行う、請求項2又は3に記載の方法。
【請求項6】
方法工程(2)における反応を10〜100℃の温度で行う、請求項2〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
式(2)の化合物を単離することなく、方法工程(1)及び(2)をワンポット反応として行う、請求項2〜6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
塩基を添加することなく、ワンポット反応を行う、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
式(2)の化合物
【化7】

式中、個々の置換基は以下のように定義される:
Gは、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、−OSO2−CH3、−O−SO2CF3、−O−SO2−Ph及び−O−SO2−C64−Meであり;
2は、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、SCN、又はS−R3であり、ここで、
3は、水素;
場合により置換されたC1−C6−アルキル;
場合により置換されたC3−C6−シクロアルキル;
−(CH2r−C65(ここでr=0〜6であり、アルキル基−(CH2r−は場合により置換され得る)であるか;又は基
【化8】

であり、ここで、該基中の置換基R1及びR2並びに指標m及びnは、各々、式(1)におけるのと同一の定義を有し;
1は、ハロゲン;シアノ;チオシアナト;又は各場合において場合によりハロゲン置換されたアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルアミノ、アルキニルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル及びヘテロシクリルであり、ここで、上述の基中のアルキル及びアルキレン基は各々1〜6個の炭素原子、アルケニル及びアルキニル基は各々2〜6個の炭素原子、シクロアルキル基は各々3〜6個の炭素原子、アリール基は各々6又は10個の炭素原子を含有し得;
nは、0〜2の整数であり;
2は、各場合において独立して、場合により、単一又は多数の同一又は異なる基で置換されたC1−C6−アルキル、C2−C6−アルケニル、C2−C6−アルキニル、C3−C6−シクロアルキルであり、ここで、置換基は、各々独立して、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1−C4−アルコキシ、C1−C4−ハロアルコキシ、C1−C4−アルキルチオ、C1−C4−アルキルスルフィニル、C1−C4−アルキルスルホニル、(C1−C6−アルコキシ)カルボニル、(C1−C6−アルキル)カルボニル又はC3−C6−トリアルキルシリルより選択され得;
mは、0〜4の整数である。
【請求項10】
置換基が、各々、以下のように定義される、請求項9に記載の式(2)の化合物:
Gは、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素であり、
2は、S−R3であり、ここで、
3は、場合により置換されたC1−C6−アルキル;
場合により置換されたC3−C6−シクロアルキル;
−(CH2r−C65(ここでr=0〜4であり、アルキル基−(CH2r−は場合により置換され得る)であり;
1は、ハロゲン;シアノ;チオシアナト;又は各場合において場合によりハロゲン置換されたアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルアミノ、アルキニルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル及びヘテロシクリルであり、ここで、上述の基中のアルキル及びアルキレン基は各々1〜6個の炭素原子、アルケニル及びアルキニル基は各々2〜6個の炭素原子、シクロアルキル基は各々3〜6個の炭素原子、アリール基は各々6又は10個の炭素原子を含有し得;
nは、0又は1であり;
2は、各場合において独立して、場合により、単一又は多数の同一又は異なる基で置換されたC1−C4−アルキル、C3−C6−シクロアルキルであり、ここで、置換基は、各々独立して、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、C1−C4−アルコキシ、C1−C4−ハロアルコキシ、C1−C4−アルキルチオ、C1−C4−アルキルスルフィニル及びC1−C4−アルキルスルホニルより選択され得;
mは、0〜2の整数である。
【請求項11】
置換基が以下のように定義される、請求項9又は10に記載の式(2)の化合物:
Gは、塩素であり;
2は、S−R3であり、ここで、
3は、場合により置換されたC1−C6−アルキル;
場合により置換されたC3−C6−シクロアルキル;
−(CH2r−C65(ここでr=0〜6であり、アルキル基−(CH2r−は場合により置換され得る)であり;
1は、ハロゲン;シアノ;チオシアナト;又は各場合において場合によりハロゲン置換されたアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルアミノ、アルキニルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル及びヘテロシクリルであり、ここで、上述の基中のアルキル及びアルキレン基は各々1〜6個の炭素原子、アルケニル及びアルキニル基は各々2〜6個の炭素原子、シクロアルキル基は各々3〜6個の炭素原子、アリール基は各々6又は10個の炭素原子を含有し得;
nは、0又は1であり;
2は、場合により、単一又は多数の同一又は異なる基で置換されたC1−C4−アルキルであり、ここで、置換基は、各々独立して、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1−C4−アルコキシ、C1−C4−ハロアルコキシより選択され得;
mは、0又は1である。
【請求項12】
置換基が、各々、以下のように定義される、請求項9〜11のいずれか1項に記載の式(2)の化合物:
Gは、塩素であり;
2は、S−CH2−C65であり;
nは、0であり;
mは、0である。

【公表番号】特表2010−530379(P2010−530379A)
【公表日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−512548(P2010−512548)
【出願日】平成20年5月28日(2008.5.28)
【国際出願番号】PCT/EP2008/004215
【国際公開番号】WO2008/155004
【国際公開日】平成20年12月24日(2008.12.24)
【出願人】(302063961)バイエル・クロツプサイエンス・アクチエンゲゼルシヤフト (524)
【Fターム(参考)】