説明

ジヒドロキシビアリール化合物の回収法

4,4′−ジヒドロキシビフェニルなどのジヒドロキシビアリール化合物を製造し単離する方法を開示する。ジヒドロキシビアリール化合物のアルカリ金属塩を、アルカリ金属塩を製造する還元カップリング反応で最初に使用したモノヒドロキシアリールハライド化合物でプロトン化する。さらに、この方法により、モノヒドロキシアリールハライド化合物のアルカリ金属塩が製造される。次いで、このアルカリ金属塩を、追加の還元カップリング反応での塩基及びモノヒドロキシアリールハライドとして再循環して、ジヒドロキシビアリール化合物のアルカリ金属塩を形成させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モノヒドロキシアリールハライド化合物の還元カップリングに関し、具体的には、かかる反応で生成したジヒドロキシビアリール化合物の単離及び回収に関する。
【背景技術】
【0002】
4,4′−ジヒドロキシビフェニル(本明細書では「ビフェノール」ともいう。)及び2,2′−ジメチル−4,4′−ジヒドロキシビフェニル(本明細書では「ジメチルビフェノール」ともいう。)などのジヒドロキシビフェニルを始めとするジヒドロキシビアリール化合物は化学工業で数多くの用途を有する。例えば、ビフェノールは、ポリマーの製造、特にポリカーボネート、ポリスルホン、ポリイミド及びポリエーテルイミドの製造に使用できる。
【0003】
ジヒドロキシアリール化合物は、米国特許第5177258号に記載されているように、モノヒドロキシアリールハライドの還元カップリングで製造できる。簡単に述べると、ビフェノールの合成では、例えば、水酸化ナトリウムのような水性塩基及び白金族触媒(好ましくはパラジウム、炭素に担持したものでもよい。)の存在下、p−ブロモフェノールをギ酸ヒドラジド又は水素のような還元剤と接触させる。カップリングに先だって、p−ブロモフェノールを十分な塩基と共に反応系に供給してNa塩を生成させ、反応が完結した後でNa塩として存在するビフェノールが生成する。ビフェノールの単離には、塩酸のような酸によるNa塩のプロトン化が必要とされる。系に過剰の酸が導入されるためビフェノール形成後に酸の除去のための追加の工程が必要とされることもあって、この方法には問題がある。さらに、プロトン化のためHClを使用すると、例えば酸のNa塩(NaCl)が副生物として生ずる。工業的規模で製造する場合、NaClは取扱いや処理に費用がかかる。
【特許文献1】米国特許第5177258号明細書
【特許文献2】特開平01−224330号公報
【特許文献3】特開平01−299236号公報
【特許文献4】特開平02−053742号公報
【特許文献5】特開昭62−026238号公報
【特許文献6】特開昭61−137838号公報
【非特許文献1】M.Bush et al,”Formation of Carbon Chains in the Catalytic Reduction of Alkyl Halogen Compounds”; J.Prakt.Chem.146,1−55(1936)
【非特許文献2】M Busch and W.schmidt,”Catalytic Hydrogenation of Organic Halogen Compounds”; Chemische Berichte.62,2612−2620(1929)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、アルカリ金属塩からのジヒドロキシビアリール化合物の改良単離法が依然として求められている。具体的には、ジヒドロキシビアリール化合物の塩をプロトン化するためのHClのような酸を外部から導入することを回避できれば有利である。かかるプロセスは、購入すべき薬品が少なくてすみ、過剰の酸を系から除去する必要がないので、経済的である。さらに、酸の添加に起因する混合物を処理するための追加の処理作業が必要なくなるので、所望のジヒドロキシビアリール化合物の単離が簡単となる。HClを使用した場合のように中和して水を形成する代わりに、生成混合物中のジヒドロキシビアリール化合物のNa塩のような塩基を、ジヒドロキシビアリール化合物の合成のためのモノヒドロキシアリールハライドの追加の還元カップリング反応へ再循環できれば、大規模商業生産では費用効率に優れるものとなる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、アルカリ金属塩からジヒドロキシビフェニルを製造するための新規で効率的な方法を提供する。従来の技術とは異なり、本発明は、最初の還元カップリング反応に用いたモノヒドロキシアリールハライドを使用することによって、意外にも、ビフェノールのナトリウム塩のようなジヒドロキシビフェニル塩のプロトン化に外部からの酸を使用しなくてすむ。さらに、この方法では、塩基、つまりモノヒドロキシアリールハライドのアルカリ金属塩が得られ、これをジヒドロキシビフェニルの合成のための追加反応に再循することができる。
【0006】
そこで、一態様では、本発明はジヒドロキシビアリール化合物の製造方法に関する。この方法は、ジヒドロキシビアリール化合物のアルカリ金属塩を準備する段階と、続いてジヒドロキシビアリール化合物のアルカリ金属塩を対応モノヒドロキシアリールハライド化合物と接触させる段階を含む。
【0007】
別の態様では、本発明の方法は、ジヒドロキシビアリール化合物の単離法であって、ジヒドロキシビアリール化合物のアルカリ金属塩を準備する段階と、続いて該塩を、対応モノヒドロキシアリールハライド化合物と接触させて溶液中で沈殿を生成させる段階を含む方法に関する。ジヒドロキシビアリール化合物を含む沈殿は次いで溶液から分離される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明で製造できるジヒドロキシビアリール化合物は置換されていても、置換されていなくてもよい。特に有用なジヒドロキシビアリール化合物としては、4,4′−ジヒドロキシビフェニル(「ビフェノール」)及び2,2′−ジメチル−4,4′ジヒドロキシビフェニル(「ジメチルビフェノール」)が挙げられる。ただし、本発明はこれらの化合物の製造に限定されず、他のジヒドロキシビアリール誘導体を本発明によって製造できることは当業者には自明であろう。
【0009】
本発明の方法では、最初に所望のジヒドロキシビアリール化合物のアルカリ金属塩を準備する。アルカリ金属塩の製造方法としては数多くのものが公知である。通常の合成法としては、例えば、KOH又はNaOHのような塩基と、Pd、Rh、Ru又はNiのような金属系触媒と、水素、ギ酸ナトリウム、パラホルムアルデヒド、グリコール、グリセロール、メタノール又はギ酸ヒドラジドのような還元剤を用いたヒドロキシアリールハライド化合物の還元カップリングがある。一般に、反応は約20〜約120℃の温度で実施される。1:1以上の塩基/モノヒドロキシアリールハライドのモル比が用いられ、触媒の所要量はモノヒドロキシアリールハライドの重量の約0.01〜5%である。ギ酸ヒドラジドを還元剤として用いる場合、約1:4〜約1:1のギ酸ヒドラジド/モノヒドロキシアリールハライドのモル比が好適である。かかる方法は上述の米国特許第5177258号に詳細に記載されている。p−ブロモフェノール(II)の還元カップリングによるビフェノール(I)のナトリウム塩の従来の製造法を以下のスキーム1に示す。
【0010】
【化1】

ジヒドロキシビアリール化合物のアルカリ金属塩を次いで対応モノヒドロキシアリールハライド化合物(すなわち、上記還元カップリング反応でジヒドロキシビアリール化合物のアルカリ金属塩の合成に使用できるもの)と接触させる。対応モノヒドロキシアリールハライド化合物はジヒドロキシビアリール化合物のアルカリ金属塩をプロトン化して、所望のジヒドロキシビアリール生成物を生成する。通例、プロトン化反応は約20〜約120℃の温度域で実施される。2:1以上のモノヒドロキシアリールハライド/ジヒドロキシビアリール化合物のアルカリ金属塩のモル比で、ジヒドロキシビアリール生成物の量が最大となる。
【0011】
反応が完了すると、所望ジヒドロキシビアリール化合物を含む沈殿が生ずる。一般に、反応はジヒドロキシビアリール化合物の融点未満の温度で実施され、ジヒドロキシビアリール化合物は反応母液中で実質的に不溶性である。例えば、ビフェノールの融点は282〜284℃である。次いで、沈殿を分離して、残留溶液を通例濾過によって除去して、生成物を単離すればよい。所望により、固形沈殿を、水又はメタノールで1回以上回洗浄してもよい。次いで、沈殿を例えばメタノール中で再結晶化することによって、沈殿を精製ジヒドロキシビアリール化合物へと転化させることができる。本明細書では、「精製」という用語は、90%以上、好ましくは95%超、さらに好ましくは98%超の純度を有することを意味する。
【0012】
一実施形態では、ビフェノールは、以下のスキーム2に示すように、式(I)の4,4′−ジヒドロキシビフェニルのナトリウム又はカリウム塩1モル当量を準備し、(I)を構造(II)のp−ブロモフェノール2モル当量以上と接触させて1当量の4,4′−ジヒドロキシビフェニル(III)と2モル当量のp−ブロモフェノール(IV)のナトリウム塩を生じさせ、(III)を溶液から沈殿させることによって製造し得る。
【0013】
【化2】

別法として、ビフェノールの製造では、スキーム2に示す反応において、p−ブロモフェノール(II)をp−クロロフェノールで置き換えてもよい。この場合、対応ブロモ化合物よりも幾分酸性のクロロ化合物によるプロトン化は、酸性化の点でブロモフェノールと少なくとも同程度に有効である。
【0014】
他の実施形態としては、2−メチル−4−ブロモフェノール又は2−メチル−4−クロロフェノールを用いたジメチルビフェノールのアルカリ金属塩のプロトン化がある。2−メチル−4−ブロモフェノール及び2−メチル−4−クロロフェノールは、ジメチルビフェノールを形成させるための上記還元カップリング反応での使用に好適なモノヒドロキシアリールハライドである。
【0015】
次いで、モノヒドロキシアリールハライドのアルカリ金属塩を含有する濾液を、1当量のモノヒドロキシアリールハライド及び1当量の塩基として、モノヒドロキシアリールハライドの追加の還元カップリングに再循環すれば、上述の米国特許第5177258号に記載されスキーム1に示す反応と同様に、追加のジヒドロキシビアリール化合物を生成させることができる。濾液を、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムのようなアルカリ金属水酸化物と共に、パラジウムのような金属触媒及び水素ガス(反応混合物中に吹き込んでも、約100atm以下の圧力下で導入してもよい。)又はギ酸ヒドラジドのような還元剤と水中で接触させて、所望のジヒドロキシビアリール化合物のアルカリ金属塩を生成させる。追加量のモノヒドロキシアリールハライド化合物を適宜添加してもよいが、一般に、沈殿の際に最初に加えたモノヒドロキシアリールハライドを次段のジヒドロキシビアリール化合物の合成反応に使用する。スキーム2に示したプロトン化プロセスで生成したp−ブロモフェノール(IV)のナトリウム塩を、p−ブロモフェノールの還元カップリングに再循環して追加量のビフェノールのナトリウム塩を形成させる本発明の方法をスキーム3に示す。
【0016】
【化3】

簡単に述べると、最初に、金属触媒、好ましくはカーボンに5%のパラジウムを担持したものを、ヒドロキシアリールハライド化合物のアルカリ金属塩を含む濾液とNaOH又はKOHとを含む溶液に撹拌しながら混ぜ込む。パラジウム触媒の使用量は、モノヒドロキシアリールハライドのアルカリ金属塩の重量の約0.01%〜5%である。この溶液に還元剤を加える。ギ酸ヒドラジドを用いる場合、ギ酸ヒドラジド/ヒドロキシアリールハライドのアルカリ金属塩のモル比は約1:4〜約1:1が一般的である。還元剤として水素ガスを用いる場合、一般に、約1atm〜約100atmの圧力で溶液に流す。一実施形態では、出願人整理番号133063−1として本願と同時出願の「METHOD FOR PRODUCTION OF BIS(HYDROXY−AROMATIC) COMPOUNDS」と題する関連米国特許第出願に記載されているように、水素ガスを約1atm〜約350kPaの圧力で使用する。反応は通例約20〜120℃の温度で実施され、ジヒドロキシビアリール化合物のアルカリ金属塩が再度得られる。この方法では、1:1以上のアルカリ金属水酸化物/モノヒドロキシアリールハライドのアルカリ金属塩のモル比で、ジヒドロキシビアリール化合物のアルカリ金属塩の生成が最大となる。次いで、上述のジヒドロキシビアリール化合物のアルカリ金属塩をモノヒドロキシアリールハライド化合物でプロトン化する手順を行えばよい。
【0017】
上記スキーム2では、p−ブロモフェノール(IV)のナトリウム塩(又は示していないが、p−クロロフェノールのアルカリ金属塩)が濾液中で生成し、次いでこれをスキーム3に示すように1当量の塩基と1当量のモノヒドロキシアリールハライドとして、p−ブロモフェノール(又はp−クロロフェノール)の還元カップリングによるビフェノール(最初はナトリウム塩)の製造に使用すればよい。他の実施形態では、2−メチル−4−ブロモフェノール又は2−メチル−4−クロロフェノールのナトリウム又はカリウム塩を濾液中で生成させ、これらを各々塩基として、2−メチル−4−ブロモフェノール又は2−メチル−4−クロロフェノールを用いたカップリング反応に使用してジメチルビフェノールを生成させればよい。
【実施例】
【0018】
以下の実施例は例示のためのものであり、本発明を限定するものではない。本明細書に記載した反応に用いる薬品、反応体及び触媒は容易に入手できる材料である。
【0019】
実施例1
磁気撹拌子を備えた丸底フラスコに1.073g(5.76ミリモル)のビフェノール、0.476g(11.9ミリモル)のNaOH及び9.102gの水を仕込んだ。ビフェノールのナトリウム塩を含有する黄色がかった透明溶液が生成した。
【0020】
実施例2
実施例1のビフェノールのナトリウム塩を含有する溶液に、2.09g(12.08ミリモル)のp−ブロモフェノールを添加すると、沈殿が生成した。次いで沈殿を含む溶液を濾過し、固形物を回収した。固形物のHPLC分析によって94.2%のビフェノールが含まれていることが分かった。約0.8603gが回収されたが、これは76%の全回収率に当たる。
【0021】
実施例3
濾過前に、相分離を防ぐため水9.91gとメタノール1.29gを溶液に加え、得られた溶液(5.68g)の一部を濾過して固形物を分離した点を除けば、実施例2の手順にしたがった。存在する塩基をすべて中和するため過剰の37%HCl(0.5695g、塩基の中和に必要なモル量は0.2824gであった)を濾液に加えて、pHを測定したところ約0であった。得られた溶液には少量の固形物が存在しており、完全に溶解させるため8.245gのメタノールを加えた。HPLCでこの溶液のビフェノールとp−ブロモフェノールを分析した。分析によるp−ブロモフェノール/ビフェノールの重量比は約20:1(3.41%対0.17%)であったが、これに対してプロトン化が起こらない場合の予想重量比は約2:1(2.09:1.073=1.94:1)であった。予想p−ブロモフェノール濃度は3.42%であった。すべて存在いると仮定すると、ビフェノールの予想組成は1.75%である。このことは、存在するビフェノールの大部分が沈殿プロセスで除去されたことを示している(ビフェノールの90%が沈殿)。
【0022】
実施例4
磁気撹拌子を備えた丸底フラスコに、0.6部のパラジウム触媒(カーボンに5重量%担持)、実施例2の濾液中で生成した2.5部の4−ブロモフェノールのナトリウム塩及び2.5部のNaOHを仕込んで、ビフェノール合成のためのカップリング反応を実施する。5分間撹拌した後、3部のギ酸ヒドラジドを加え、混合物を10分間撹拌する。撹拌中、混合物を85℃に加熱して温度を30分間維持する。次いで2.5部の4−ブロモフェノールを加えると、ビフェノールを含む沈殿が生成する。沈殿を溶液から濾別し、メタノールで洗浄する。沈殿をメタノール中で再結晶化して純度90%以上の精製ビフェノールを得る。
【0023】
例示のため典型的な実施形態について記載してきたが、以上の説明及び実施例は、本発明の範囲を限定するものではない。本発明の要旨及び技術的範囲内での様々な変更、適応及び代替は当業者には自明である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ジヒドロキシビアリール化合物の製造方法であって、
(a)ジヒドロキシビアリール化合物のアルカリ金属塩を準備する段階と、
(b)ジヒドロキシビアリール化合物のアルカリ金属塩を、対応モノヒドロキシアリールハライド化合物と接触させる段階と
を含む方法。
【請求項2】
前記ジヒドロキシビアリール化合物が4,4′−ジヒドロキシビフェニルである、請求項1記載の方法。
【請求項3】
対応モノヒドロキシアリールハライド化合物がp−ブロモフェノール又はp−クロロフェノールである、請求項2記載の方法。
【請求項4】
前記ジヒドロキシビアリール化合物のアルカリ金属塩が4,4′−ジヒドロキシビフェニルのナトリウム塩又は4,4′−ジヒドロキシビフェニルのカリウム塩である、請求項2記載の方法。
【請求項5】
前記ジヒドロキシビアリール化合物が2,2′−ジメチル−4,4′−ジヒドロキシビフェニルである、請求項1記載の方法。
【請求項6】
対応モノヒドロキシアリールハライド化合物が2−メチル−4−ブロモフェノール又は2−メチル−4−クロロフェノールである、請求項5記載の方法。
【請求項7】
前記ジヒドロキシビアリール化合物のアルカリ金属塩が2,2′−ジメチル−4,4′−ジヒドロキシビフェニルのナトリウム塩又は2,2′−ジメチル−4,4′−ジヒドロキシビフェニルのカリウム塩である、請求項5記載の方法。
【請求項8】
約20〜約120℃の温度を用いる、請求項1記載の方法。
【請求項9】
2:1以上の対応モノヒドロキシアリールハライド化合物とジヒドロキシビアリール化合物のアルカリ金属塩とのモル比を用いる、請求項1記載の方法。
【請求項10】
段階(b)の後に、
(c)接触段階で生成した溶液から、接触段階で生成したジヒドロキシビアリール化合物を含む沈殿を除去する段階と、
(d)モノヒドロキシアリールハライド化合物のアルカリ金属塩を含む残留溶液を再循環して、残留溶液を金属触媒、アルカリ金属水酸化物及び還元剤と接触させて、ジヒドロキシビアリール化合物の追加のアルカリ金属塩を形成する段階
をさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項11】
前記金属触媒がパラジウムであり、還元剤がギ酸ヒドラジドである、請求項10記載の方法。
【請求項12】
前記金属触媒がパラジウムであり、還元剤が水素ガスである、請求項10記載の方法。
【請求項13】
水素ガスを約1atm〜約350kPaの圧力で用いる、請求項12記載の方法。
【請求項14】
前記アルカリ金属水酸化物が水酸化カリウム又は水酸化ナトリウムである、請求項10記載の方法。
【請求項15】
約20〜約120℃の温度を用いる、請求項10記載の方法。
【請求項16】
ジヒドロキシビアリール化合物が4,4′−ジヒドロキシビフェニルであり、対応モノヒドロキシアリールハライド化合物がp−ブロモフェノール又はp−クロロフェノールであり、ジヒドロキシビアリール化合物のアルカリ金属塩が4,4′−ジヒドロキシビフェニルのナトリウム塩又は4,4′−ジヒドロキシビフェニルのカリウム塩である、請求項10記載の方法。
【請求項17】
ジヒドロキシビアリール化合物が2,2′−ジメチル−4,4′−ジヒドロキシビフェニルであり、対応モノヒドロキシアリールハライド化合物が2−メチル−4−ブロモフェノール又は2−メチル−4−クロロフェノールであり、ジヒドロキシビアリール化合物のアルカリ金属塩が2,2′−ジメチル−4−4′−ジヒドロキシビフェニルのナトリウム塩又は2,2′−ジメチル−4,4′−ジヒドロキシビフェニルのカリウム塩である、請求項10記載の方法。
【請求項18】
1:1以上のアルカリ金属水酸化物/モノヒドロキシアリールハライド化合物のアルカリ金属塩のモル比を用いる、請求項10記載の方法。
【請求項19】
(a)ジヒドロキシビアリール化合物のアルカリ金属塩を準備する段階と、
(b)ジヒドロキシビアリール化合物のアルカリ金属塩を、対応モノヒドロキシアリールハライド化合物と接触させて溶液中で沈殿を生成させる段階と、
(c)溶液から、ジヒドロキシビアリール化合物を含む沈殿を分離する段階と
を含むジヒドロキシビアリール化合物の単離方法。
【請求項20】
ジヒドロキシビアリール化合物が4,4′−ジヒドロキシビフェニルであり、対応モノヒドロキシアリールハライド化合物がp−ブロモフェノール又はp−クロロフェノールであり、ジヒドロキシビアリール化合物のアルカリ金属塩が4,4′−ジヒドロキシビフェニルのナトリウム塩又は4,4′−ジヒドロキシビフェニルのカリウム塩である、請求項19記載の方法。
【請求項21】
ジヒドロキシビアリール化合物が2,2′−ジメチル−4,4′−ジヒドロキシビフェニルであり、対応モノヒドロキシアリールハライド化合物が2−メチル−4−ブロモフェノール又は2−メチル−4−クロロフェノールであり、ジヒドロキシビアリール化合物のアルカリ金属塩が2,2′−ジメチル−4,4′−ジヒドロキシビフェニルのナトリウム塩又は2,2′−ジメチル−4,4′−ジヒドロキシビフェニルのカリウム塩である、請求項19記載の方法。
【請求項22】
2:1以上の対応モノヒドロキシアリールハライド化合物とジヒドロキシビアリール化合物のアルカリ金属塩のモル比を用いる、請求項19記載の方法。
【請求項23】
分離した沈殿を、水又はメタノールで1回以上洗浄する段階をさらに含む、請求項19記載の方法。
【請求項24】
洗浄した沈殿を再結晶化して純度90%以上の精製ジヒドロキシビアリール化合物を得る段階をさらに含む、請求項23記載の方法。

【公表番号】特表2007−507501(P2007−507501A)
【公表日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−533872(P2006−533872)
【出願日】平成16年9月2日(2004.9.2)
【国際出願番号】PCT/US2004/028638
【国際公開番号】WO2005/040079
【国際公開日】平成17年5月6日(2005.5.6)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【氏名又は名称原語表記】GENERAL ELECTRIC COMPANY
【Fターム(参考)】