説明

ジャイロミル型風車用の翼

【課題】低い風速域でも自己起動することができ、あらゆる風速域で高い回転トルクを発生させるジャイロミル型風車用の翼及び此に用いた風車をシンプルな構成で提供する。
【解決手段】翼10の下面であって、翼後縁を基点とし翼前縁に向けて形成した空間からなる凹部11と、当該凹部11と翼10の上面とが相互に連通する開口部12とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ジャイロミル型風車用の翼及び此に用いた風車に関し、特に、低い風速で自己起動し、高い回転トルクを生み出すジャイロミル型風車用の翼及び此に用いた風車に関するものである。
【背景技術】
【0002】
先進諸国のエネルギー源が石炭から石油へと転換されて以降、石油利権を巡って大小様々な争いが繰り返されてきたことは、これまでの歴史が物語っている。化石燃料枯渇への不安が高まる昨今、石油エネルギーへの依存度を減らし、此に代替する(此を補う)エネルギー源へとシフトする必要性が益々高まっている。
【0003】
石油エネルギーを代替し(補い)得るものとして、最近、特に「風力」の利用が見直されている。何故なら「風」は、太陽エネルギーにより地球上の空気が熱せられることによって無尽蔵に生み出されるものであり、特定人に利用が独占されることもなく、誰もが永続的に利用し得るものだからである。
【0004】
上記「風」をエネルギーへと変換する「風車」に関しては、有史以来、様々な方式・形態のものが提案されてきたが、大別すると、「水平軸風車」と「垂直軸風車」とに区分することができる。
【0005】
まず「水平軸風車」(特に、「プロペラ型風車」)は、風を回転エネルギー(電気エネルギー)に変換する効率が高いという利点を有している。しかし乍ら当該方式の風車は、大径の回転翼を高速で回転させる構造上、当該風車の周囲に広い空間を確保する必要があり、また、回転翼を回転させるためにはその正面から風を受ける必要があり、更に、自己起動させるためには高い風速が必要であると共に、回転時には非常に大きな風切り音を伴うことから、その設置場所は、常時ある程度の風量を確保でき風向きも安定している海岸付近や、山々の稜線付近に限定され、風量・風向きが安定しない住宅地等に設置するのは大きな障壁を伴うものであった。
【0006】
一方「垂直軸風車」は、風を回転エネルギー(電気エネルギー)に変換する効率は上記水平軸風車ほどではないにしても、風向きに制限されることなく全方位からの風を回転エネルギーへと変換することができ、また、自己起動に際しては上記水平軸風車ほど高い風速を要しないため、風量・風向きが安定しない住宅地等でも設置可能である。
【0007】
この点、特に「ジャイロミル型風車」は、複数の翼(ブレード)どうしを略平行状態に対向させて配置するため回転翼の直径が小径となり、狭いスペースでも設置することができる。また、比較的低い風速でも自己起動すると共に、作動時の騒音は極めて小さいという利点がある。このように当該「ジャイロミル型風車」は、住宅地等へ設置して発電に用いるのに特に好都合である。
【0008】
この「ジャイロミル型風車」に関しては、特許文献1或いは特許文献2に記載の発明が従来より提案されている。これらの特許文献に各々記載された発明は、揚力を発生させる各ブレードの後縁に窪みを形成し、其処へ風を受けることによりサボニウス型風車の如く抗力を利用して、低い風速での自己起動を実現するものであり、非常に優れた発明といえる。
【0009】
しかし乍ら、上記特許文献1に記載のブレードは、一枚の金属板を端面視「略つ字形状」に屈曲させると共に、その両端は開放された状態であるため、当該ブレード後縁側から風を受けた場合には、該ブレード両端の開放部から風を逃がしてしまい、充分な抗力を得られない虞がある。この点特許文献2に記載の発明においては、ブレード後縁の窪みの両サイドが翼端板により遮蔽されているため、上記文献1のような「開放部からの逃げ」という問題はないものの、当該窪みが高い風速の風を受けた場合、該窪み内が高圧となり、風が当該窪み内に入り込まず翼の下面上を流れてしまうため、一定値以上の抗力が得られない虞がある。
【特許文献1】特開2005−307850号公報
【特許文献2】特開2006−46306号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は上記諸問題に鑑みなされたものであり、その解決しようとする課題は、低い風速域でも自己起動することができ、あらゆる風速域で高い回転トルクを発生させるジャイロミル型風車用の翼及び此に用いた風車をシンプルな構成で提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決すべく本発明が採った手段は以下の通りである。
【0012】
まず請求項1に係る発明のジャイロミル型風車用の翼10は、当該翼10の下面であって、翼後縁を基点とし翼前縁に向けて形成した空間からなる凹部11と、当該凹部11と翼10の上面とが相互に連通する開口部12と、を備えたことを特徴とするものである。
【0013】
次に請求項2に係る発明は、請求項1に記載したジャイロミル型風車用の翼10において、翼10の下面に形成した凹部11と翼10の上面とが相互に連通する開口部12の、翼幅方向への寸法の総和は、翼幅に対し65%以下とし、当該開口部12の、翼弦方向への寸法は、翼弦長に対し1.5%以下としたことを特徴とするものである。
【0014】
また請求項3に係る発明は、請求項1又は請求項2に記載したジャイロミル型風車用の翼10において、翼10の下面に形成した凹部11の翼端部分からの気流の流出を防ぐべく、前記当該凹部11の翼端部分を塞ぐ翼端板13を設けたことを特徴とするものである。
【0015】
さらに請求項4に係る発明は、請求項1乃至請求項3の何れかに記載したジャイロミル型風車用の翼10において、翼10の下面に形成した凹部11を翼幅方向に区画するための仕切板14を、当該凹部11内に立設したことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0016】
上記解決手段を採用したことにより得られる効果は以下の通りである。
【0017】
まず請求項1に係る発明のジャイロミル型風車用の翼10は、当該翼10の下面であって、翼後縁を基点とし翼前縁に向けて形成した空間からなる「凹部11」を有するため、当該凹部11が翼後縁方向からの風を受けた場合には抗力を得ることとなる。そして、当該凹部11と翼10の上面とは「開口部12」を介して相互に連通しているため、該凹部11が高圧になり得る程度の高い風速の風を受けた際は、風の一部が前記開口部12を通過して翼10の上面へと抜けていくため、当該凹部11内が高圧になることに起因して翼下面上を流れてしまうという現象(以下、「凹部11上の上滑り」という)を解消でき、更なる抗力を得ることができる。そのため、本請求項に係る発明の翼10を用いてジャイロミル型風車100を構成し、翼後縁方向からの風を受けた場合には、低い風速域でも自己起動することができ、あらゆる風速域で当該風車100の回転トルクの向上を図ることが可能となるのである。
【0018】
また、当該翼10が翼前縁方向からの風を受けた場合には、該翼10の下面側を流れる風の一部が、前記開口部12を通過して翼10の上面へと抜けて当該上面側を流れる風と交わる(合流する)ので、該上面の流れ(気流)の剥離が防止されて、当該翼10の揚力が増すこととなる。そのため、本請求項に係る発明の翼10を用いてジャイロミル型風車100を構成し、翼前縁方向からの風を受けた場合には、揚力が増して当該風車100の回転トルクを向上させることとなるのである。
【0019】
次に請求項2に係る発明は、翼10の下面に形成した凹部11と翼10の上面とが相互に連通する開口部12の、翼幅方向への寸法の総和を、翼幅に対して65%以下とし、当該開口部12の、翼弦方向への寸法は、翼弦長に対し1.5%以下としたため、当該開口部12から過大に風が抜けてしまうことに起因する回転トルクの減少を防止して、確実に、当該風車100の回転トルクの向上を図ることが可能となるのである。
【0020】
また請求項3に係る発明は、翼10の下面に形成した凹部11の翼端に翼端板13を備えているため、当該凹部11が翼後縁方向から受けた風を、翼端から逃がしてしまうことを防止できるので、確実に抗力を得ることができ、発生するトルクのバラツキを抑えることとなる。
【0021】
さらに請求項4に係る発明は、翼10の下面に形成した凹部11を翼幅方向に区画するための仕切板14を当該凹部11内に立設しているため、当該凹部11が翼後縁方向から受けた風を、該凹部11の小さな区画ごとに受け止めることができるので、確実に抗力を得ることができるのである。また、当該仕切板14が凹部11内の風(気流)を整流するため、発生するトルクのバラツキを抑えることとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、好適な実施形態(以下、「実施例1」とする)を示す図1乃至図7を用いて、本発明の技術思想を説明する。
【0023】
まず図1及び図2は、実施例1に係る翼10を用いて構成したジャイロミル型風車100を示すものである。この風車100は、3枚の翼10(ブレード)を各々2本のアーム20を介して出力軸30に接続してなるものである。尚、上記図面に示す本実施例に係る翼10はデータ収集を目的とした実験用(ミニ翼)であるため、実用化する際には更に翼幅が延ばされることとなる。
【0024】
本発明において翼10は、下面に凹部11を有するものである。この凹部11は、翼後縁を基点とし翼前縁に向け切り欠いて形成した空間からなるものである。この凹部11の形状・大きさ如何により、当該翼10の性能が変わることとなる。本実施例では、低い風速でも大きな揚力が得られる翼型「NACA6521」を採用し、翼弦長30cm・翼幅40cmの寸法でFRP成形すると共に、図4に示すように当該翼10の翼弦長の15%を後縁から切り欠くことによって当該凹部11を構成している。
【0025】
図5に示すように、上記凹部11における翼前縁側には開口部12が穿設され、該凹部11と翼10の上面とが相互に連通している。この開口部12は、上記凹部11内に入り込んだ風の一部が翼10の上面側へと抜けるものである。即ち、図6(a)に示すように、上記凹部11が翼後縁方向からの風を受けて、当該凹部11内が高圧になる程度の高い風速の風を受けた際は、風の一部が前記開口部12を通過して翼10の上面へと抜けることにより、当該凹部11内が高圧になることに起因する「凹部11上の上滑り」を解消して、更なる抗力を得ることが可能となる。また、図6(b)に示すように、当該翼10が翼前縁方向からの風を受けた場合には、該翼10の下面側を流れる風の一部が、前記開口部12を通過して翼10の上面へと抜けて当該上面側を流れる風と交わる(合流する)ので、該上面の流れ(気流)の剥離が防止されて、当該翼10の揚力が増すこととなるのである。本発明において当該開口部12は、「穴状」、「スリット状」、「開口窓状」等々、その形態は特段限定されるものではないが、図表1(図8)が示す実験結果によれば以下の数値が導き出される。まず、翼弦方向の大きさを翼弦長の1%(3mm)で一定とした場合には、翼幅(40cm)の65%以下に相当する寸法(260mm以下)とし、好適には、翼幅(40cm)の10%に相当する寸法(40mm)のスリットを採用するとよい。一方、翼幅方向の大きさを70%(40mm×7個)で一定とした場合には、翼弦長(30cm)の1.5%以下に相当する幅寸法(4.5mm以下)とし、好適には、翼弦長(30cm)の1%に相当する幅寸法(3mm)のスリットを採用するとよい。
【0026】
また上記凹部11は、図3に示すように、当該凹部11の翼端に配置した翼端板13に加え、内部を区画する仕切板14を立設してもよい。翼端板13を翼端に配置した場合には、当該凹部11が翼後縁方向から受けた風を、翼端から逃がしてしまうことを防止できるため、確実に抗力を得ることができ、発生するトルクのバラツキを抑えることができるのである。一方、仕切板14を当該凹部11内に立設した場合には、当該凹部11が翼後縁方向から受けた風を、該凹部11の小さな区画ごとに受け止めることができるため、確実に抗力を得ることができるのである。また、当該仕切板14が凹部11内の風を整流するため、発生するトルクのバラツキを抑えることとなるのである。
【0027】
続いて、上記実施例に係る翼10の性能につき、計測データを用いて説明する。
以下の図表2(図9)乃至図表5(図13)に示すデータは、本実施例に係る翼10単体の性能を計測したものである。尚、それぞれの図表中「迎角α」(deg)とあるのは、図7に示すそれぞれの方位から風を当てたことを意味するものである。
【0028】
図表2乃至図表5は、4種類のサンプルにつき計測して性能を比較したものである。4種類のサンプルとは、(1)翼型「NACA6521」をなす翼10a、(2)翼10aに凹部11を付加した翼10b、(3)翼10bの翼端に翼端板13を付加した翼10c、(4)翼10cに開口部12を付加した翼10dである。尚、当該風車の回転トルク(CT:無次元量)は、揚力係数(Cl)、抗力(Cd)及び迎角(α)により次式で表すことができる。
CT=Cl(α)sinα−Cd(α)cos(α)
この式から、風車の回転トルクを大きくするにあたり、先ず、「揚力係数」(Cl)については、迎角0°(deg)〜180°(deg)の範囲では大きく、迎角180°(deg)〜360°(deg)の範囲では小さくする方が良い。一方、「抗力係数」(Cd)については、迎角90°(deg)〜270°(deg)の範囲では大きく、迎角0°(deg)〜90°(deg)及び迎角270°(deg)〜360°(deg)の範囲では小さくする方が良い。
【0029】
まず図表2は、上記サンプル(1)乃至(4)に対し、迎角0°(deg)〜360°(deg)の方向から同一風速の風を当てたことによって得られた揚力係数の数値を比較したものである。この図表2が示すように、迎角30°(deg)〜90°(deg)付近において、凹部11を備えたサンプル(2),(3),(4)の揚力の向上が見られる。これは、風を受けた凹部11内が高圧となり揚力が大きくなったためである。
【0030】
更に、上記図表2が示すように、開口部12を備えたサンプル(4)は、迎角180°(deg)〜230°(deg)付近では、翼の上面から下面へと開口部12から空気が流れて当該下面の圧力が高くなり揚力が小さくなっている。更に、当該図表2における迎角100°(deg)〜190°(deg)の範囲を拡大した図表3(図10)が示すように、迎角160°(deg)〜180°(deg)付近において、飛躍的な揚力の向上が認められる。この迎角範囲においては、開口部12を介して下面から上面へと気流が抜けて当該上面の気圧が高くなり揚力の低下が抑えられるためである。
【0031】
また図表4(図11)は、上記サンプル(1)乃至(4)の抗力係数の数値を比較したものである。この図表4が示すように、凹部11が風を受けることにより、迎角90°(deg)〜150°(deg)の範囲で抗力が大きくなっている。更に、当該図表4における迎角160°(deg)〜180°(deg)の範囲を拡大した図表5が示すように、迎角160°(deg)〜175°(deg)の範囲では、サンプル(2)及びサンプル(3)はサンプル(1)の数値を下回るまで低下してしまうが、本発明に係るサンプル(4)によれば、その数値の低下を改善して、高い抗力を得ることができるのである。
【0032】
続いて図表6(図13)は、上記サンプル(1)乃至(4)に係る翼10a〜翼10dを2本のアーム20を介して出力軸30に接続して構成した1枚翼風車100に対し、迎角0°(deg)〜360°(deg)の方向から同一風速の風を当てたことによって得られた、回転トルクの数値(計算値)を比較したものである。この図表6が示すように、迎角のほぼ全域にわたり、開口部12を備えたサンプル(4)の回転トルクが、サンプル(2)及びサンプル(3)のピーク値をトレースしている。これは、凹部11に風が入り込むことに起因する、迎角30°(deg)〜90°(deg)の範囲での揚力向上(図表2参照)、及び、迎角115°(deg)〜150°(deg)の範囲での抗力向上(図表4参照)に加え、迎角230°(deg)〜270°(deg)の範囲では、開口部12を備えたことにより高い回転トルクを得ることができる(図表6参照)ためである。
【0033】
更に、上記サンプル(1)乃至(4)に係る翼10a〜翼10dを2本のアーム20を介して出力軸30に接続して構成した直径80cmの3枚翼風車100に対し、風速8m毎秒の風を当てたことによって得られた回転数(rpm)を20回計測して得られた平均値を示すと、サンプル(1)は218.7rpm、サンプル(2)は212.2rpm、サンプル(3)は218.3rpm、そしてサンプル(4)は219.6rpmであった。即ち、サンプル(4)の風車の回転数は、従来の風車に比して約1%向上することとなる。回転数が向上するということは、当該風車を発電機に接続した場合に得られる電力量の向上も見込まれる。長期的に運用した場合には大きな差が生まれるのは自明である。また、上記実施例に係る翼10dはデータ収集を目的とした実験用(ミニ翼)であるが、実用化する際には、その翼幅は4倍から5倍程度にまで延ばされることとなる。即ち、上記実施例は「ミニ翼」であるが故に、「開口部12を設けたことによる効果」が、翼10(ブレード)と出力軸30とを結ぶ2本のアーム20が受ける空気抵抗によって減殺されてしまう。しかし乍ら、実用モデルの如き大きな翼幅を備えた場合には「開口部12を設けたことによる効果」も大きくなり、アーム20が受ける空気抵抗が相対的に小さいものとなるのである。そのような条件の下、上記サンプル(1)乃至(4)に係る翼10a〜翼10dの翼幅を各々大きく構成して回転数を計測した場合には、本発明に係るサンプル(4)の優位性は更に明らかとなる。
【産業上の利用分野】
【0034】
上記実施例では、低い風速でも大きな揚力が得られる「NACA6521」を採用しているが、本発明の技術思想は特段この翼型に限定されるものではない。即ち、本発明の上記作用が、翼に作用する圧力分布に起因することに鑑みれば、「NACA2412」や「NACA23012」等々をはじめとするあらゆる翼型に適用しても、上記と同様な効果が得られると予想される。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】実施例1に係る翼10(ミニ翼)を用いて構成したジャイロミル型風車100を斜め上方から示した図である。
【図2】図1に示すジャイロミル型風車100の平面図である。
【図3】他の実施例に係る翼10を斜め上方から示した図である。
【図4】実施例1に係る翼10の翼断面を模式的に示した図であって、凹部11の位置を示すものである。
【図5】実施例1に係る翼10の翼断面を模式的に示した図であって、開口部12の位置を示すものである。
【図6】(a)図4に模式的に示した翼10が、その翼後縁方向から受けた風の流れを表した図である。(b)図4に模式的に示した翼10が、その翼前縁方向から受けた風の流れを表した図である。
【図7】翼10単体の性能を計測する際、何れの方位から風を当てるかを示すものである。
【図8】開口部12の好適な寸法比率の計測データを示す図表1である。
【図9】サンプル(1)乃至(4)に対し、迎角0°(deg)〜360°(deg)の方向から同一風速の風を当てたことによって得られた揚力係数の数値を比較した図表2である。
【図10】図表2における迎角100°(deg)〜190°(deg)の範囲を拡大して示した図表3である。
【図11】サンプル(1)乃至(4)に対し、迎角90°(deg)〜180°(deg)の方向から同一風速の風を当てたことによって得られた抗力の数値を比較した図表4である。
【図12】図表4における迎角160°(deg)〜180°(deg)の範囲を拡大して示した図表5である。
【図13】サンプル(1)乃至(4)の、迎角(α)毎に計測した揚力係数(Cl)、抗力(Cd)を用い、次式で回転トルク(CT:無次元量)を求め比較した図表6である。 CT=Cl(α)sinα−Cd(α)cos(α)
【符号の説明】
【0036】
10 翼
11 凹部
12 開口部
13 翼端板
14 仕切板
20 アーム
30 出力軸
100 ジャイロミル型風車

【特許請求の範囲】
【請求項1】
翼の下面であって、翼後縁を基点とし翼前縁に向けて形成した空間からなる凹部と、
当該凹部と翼の上面とが相互に連通する開口部と、
を備えたことを特徴とするジャイロミル型風車用の翼。
【請求項2】
請求項1に記載したジャイロミル型風車用の翼において、
翼の下面に形成した凹部と翼の上面とが相互に連通する開口部の、翼幅方向への寸法の総和は、翼幅に対し65%以下とし、
当該開口部の、翼弦方向への寸法は、翼弦長に対し1.5%以下としたことを特徴とするジャイロミル型風車用の翼。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載したジャイロミル型風車用の翼において、
翼の下面に形成した凹部の翼端部分からの気流の流出を防ぐべく、前記当該凹部の翼端部分を塞ぐ翼端板を設けたことを特徴とするジャイロミル型風車用の翼。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3の何れかに記載したジャイロミル型風車用の翼において、
翼の下面に形成した凹部を翼幅方向に区画するための仕切板を、当該凹部内に立設したことを特徴とするジャイロミル型風車用の翼。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2009−114897(P2009−114897A)
【公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−286628(P2007−286628)
【出願日】平成19年11月2日(2007.11.2)
【出願人】(302019599)ミズノ テクニクス株式会社 (47)
【出願人】(505127721)公立大学法人大阪府立大学 (688)
【Fターム(参考)】