説明

ジュースをベースとする飲料組成物

乳清タンパク質分離物、および乳清タンパク質分離物と乳清タンパク質水解物との組合せからなる群から選択されるタンパク質;ショ糖、フルクトース、HFCS 42、HFCS 55、ならびにショ糖、フルクトース、HFCS 42およびHFCS 55の組合せ、ならびにショ糖、フルクトース、HFCS 42およびHFCS 55からなる群から選択されるその他の炭水化物とマルトデキストリンとの組合せからなる群から選択される炭水化物;クエン酸、リン酸、ならびにクエン酸およびリン酸の組合せ、ならびにクエン酸およびリン酸からなる群から選択されるその他の食用酸とリンゴ酸との組合せからなる群から選択される食用酸;果実ジュースまたは果実ジュースの組合せ;様々なビタミン;ミネラル;ならびに任意で繊維および香料を含む、味のよい果実ジュースをベースとする飲料組成物、ならびにこうした組成物を作製する方法。上記の成分を含んだ組成物は、透明であり、約4.0以下のpHを有し、かつ約40センチポイズ未満の粘度を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、参照により本明細書に組み込まれている、2001年11月20日に出願した米国仮特許出願第60/335,867号の利益を主張する。
【0002】
本発明は一般に、ジュースをベースとする飲料組成物、および特にタンパク質、炭水化物、ビタミン、およびミネラルを含んだ味のよいジュースをベースとする飲料組成物に関する。
【背景技術】
【0003】
タンパク質、炭水化物、ビタミン、およびミネラルを含んだ果実ジュースをベースとする飲料の開発は非常に困難である。成分の相互作用、特にタンパク質とミネラルおよびその他の成分により、タンパク質がしばしば沈殿し、組成物全体が非常に粘性またはゲルになることがしばしば引き起こされる。同様に、これらの相互作用は、組成物の風味、色、匂い、口当たりおよびその他の物理的性質に悪影響を与える形で、組成物の物理的または化学的性質を変化させることがある。これらの不利な変化はいずれの時点にも起こり得るが、加工中に組成物を加熱したとき、または組成物を長期間棚に放置したときに特に起こりうる。
【0004】
食品組成物中のタンパク質、炭水化物、ビタミン、およびミネラルの間の相互作用により引き起こされる問題を克服する方法が当技術分野で知られている。大部分は添加剤または安定剤を使用して、成分の間の相互作用を妨害し、加工および貯蔵中に溶液中のタンパク質およびその他の成分を保持する。たとえば、米国特許第5,607,714号には、タンパク質およびガラクトマンナンの間の化学反応を進めることにより酸性pHの環境中でタンパク質を安定化する方法が開示されている。米国特許第3,692,532号には、ミルク/果実ジュース飲料中のタンパク質の沈殿を回避するためにカルボキシメチルセルロースを使用することが開示されている。米国特許第3,647,476号には、植物性油で苦味を除去したネーブルオレンジジュースを用いて、ミルク/オレンジジュース飲料を作製することが開示されている。米国特許第3,692,532号には、沈殿および沈降の防止を洋ナシパルプに依存している洋ナシおよびミルク組成物が開示されている。米国特許第6,106,874号には、これらの通常の問題を回避するために特別に加工した果実ジュースの使用に基づいた、水、脱ペクチン果実ジュース、カルシウムの供給源、および乳清タンパク質分離物を含んだ透明な低粘度の栄養飲料が開示されている。さらに、従来技術では、通常のビタミンおよびミネラル強化ジュースをベースとする飲料に付随して起こる褐変、物理的な不安定状態、および沈殿物形成の問題が解消されていない。
【0005】
しかし、これらの従来技術の参考文献には、添加剤、安定剤、または特別に加工した成分を使用することなく、タンパク質、炭水化物、ビタミン、およびミネラルを含んだ果実ジュースをベースとする飲料組成物の製造方法を開示しているものはない。したがって、特別に加工した成分、安定剤、またはその他の添加剤を使用することなく、簡単にかつ効率的に製造することができる、味のよい強化した果実ジュースをベースとする飲料組成物が必要である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、本発明の目的は、タンパク質、炭水化物、ビタミン、およびミネラルを含んだジュースをベースとする飲料組成物を提供することである。
【0007】
本発明の他の目的は、加工中に安定で、長期の保管期限を有する、タンパク質、炭水化物、ビタミン、およびミネラルを含んだ味のよいジュースをベースとする飲料組成物を提供することである。
【0008】
本発明の他の目的は、特別に加工した成分、安定剤、またはその他の添加剤を含まない、タンパク質、炭水化物、ビタミン、およびミネラルを含んだ味のよいジュースをベースとする飲料組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記およびその他の目的は、ジュースをベースとする飲料組成中に使用する成分を慎重に選択すること、および組成物中の成分の量を調節することにより達成される。成分およびこれらの量を注意深く選択することにより、組成物の清澄性、粘度、pH、色、風合い、味、あと味、口当たり、安定性、およびその他の物理的性質を制御して、長期の保管期限を有する味のよい組成物を作製することができる。
【0010】
本発明は、組成物の最高で約10重量%の量のタンパク質の供給源、組成物の最高で約30重量%の炭水化物の供給源、組成物の最高で約3重量%の食用酸の供給源、組成物の約5〜約40重量%の果実ジュースの供給源を含んだ果実ジュースをベースとする飲料組成物を対象とする。さらに、本発明は、タンパク質スラリーを生成するステップと、炭水化物を含んだ水溶液を形成するステップと、タンパク質スラリーと炭水化物水溶液を混合するステップと、タンパク質スラリーと炭水化物溶液との混合物に食用酸を加えるステップと、最終組成物の約5〜約40重量%を形成するのに十分な量の果実ジュースを混合物に加えるステップと、混合物のショ糖濃度、pH、および温度を調整するステップと、混合物を殺菌するステップとを含む、ジュースをベースとする飲料を製造する方法を含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
一実施形態では、この組成物は、乳清タンパク質分離物および乳清タンパク質分離物と乳清タンパク質水解物との組合せからなる群から選択されるタンパク質を約0.5〜約10重量%;ショ糖、フルクトース、高フルクトーストウモロコシシロップ(「HFCS」)、ならびにショ糖、フルクトース、HFCS 42およびHFCS 55の組合せ、ならびにショ糖、フルクトース、HFCS 42およびHFCS 55からなる群から選択されるその他の炭水化物とマルトデキストリンとの組合せからなる群から選択される炭水化物を約1〜約30重量%;クエン酸、リン酸、クエン酸とリン酸の組合せ、ならびにクエン酸およびリン酸からなる群から選択されるその他の食用酸とリンゴ酸の組合せからなる群から選択される食用酸を約0.01〜約3重量%;ならびに果実ジュースおよび果実ジュースの組合せ約10〜40重量%を含む。さらに、この組成物は、推奨される1日の必要摂取量の約1/10〜約2倍、1種または複数のミネラルを推奨される1日の必要摂取量の約1/10〜約3倍の1種または複数のビタミン、および水を含んでいる。上記の成分を含んだ組成物は、透明であり、約4.0以下のpHを有し、室温で約40センチポイズ未満、好ましくは約20センチポイズ未満の粘度を有する。組成物はさらに、繊維および様々な香料を含んでもよい。本発明はまた、上記の組成物を作製する方法を含む。
【0012】
本発明のその他の目的、特徴および利点は当業者には容易に明らかであろう。
【0013】
本明細書では、「重量パーセント」および略語「重量%」という用語は、水を含む成分すべてを加えたその最終形態のジュースをベースとする飲料組成物の合計重量に対する重量パーセントを言う。
【0014】
「重量パーセント」および略語「重量%」という用語は、本明細書で果実ジュースに適用する場合は、飲料組成物の合計重量、再構成した果実ジュースに対する重量パーセントを言い、ジュースをその本来の状態に戻すために果実ジュース濃縮物に加えた水を含む。
【0015】
本明細書では、「果実ジュース」という用語は、別段の指示がなければ、単一の果実ジュースまたは果実ジュースの組合せを言う。
【0016】
本明細書では、「繊維」という用語は、別段の指示がなければ、単一の繊維または繊維の混合物を言う。
【0017】
本明細書では、「デキストロース当量」および頭字語「DE」という用語は、デキストロースとして計算した還元糖の無水ベースでのパーセントを言う。グルコース(またはトウモロコシ)シロップは、デンプンと酸および/または酵素との反応により生成される。DEとはデンプンが加水分解を受けて異なるDEのシロップが得られる程度の測度である。標準的なトウモロコシシロップは、ほぼ42のDE値を有するものと定義される。「高」DE用途を有するように処理されたシロップは、ほぼ65DEの値を持つ。炭水化物成分でDEのレベルがより高いと、その成分はより甘い。高DE炭水化物は甘味因子に加えて負の製品特性、当技術分野で知られているように大きい結晶化の傾向(結晶配合物が多すぎるまたは大きすぎる場合は、生成物の欠陥をもたらし得る)、粘度の減少(粘着性が強すぎ、形態を保持する能力がない生成物をもたらし得る)、褐変する傾向(風味の問題および色あいの問題をもたらし得る)、より吸湿性になる傾向(結晶化の多すぎる生成物をもたらし得る)、等の原因となり得る。
【0018】
本明細書では、「マルトデキストリン」という用語は、食用デンプンから得られた、20未満のデキストロース当量を有する、栄養糖類の水溶液を言う。マルトデキストリンは、任意の適当な食用デンプン、たとえばトウモロコシ、コメ、コムギ、テンサイ、ジャガイモ、およびモロコシからのデンプンから作製することができる。
【0019】
本発明は、タンパク質、炭水化物、ビタミン、およびミネラルを含んだ味のよいジュースをベースとする飲料組成物である。組成物は、乳清タンパク質分離物および乳清タンパク質分離物と乳清タンパク質水解物との組合せからなる群から選択されるタンパク質を約0.5〜約10重量%;ショ糖、フルクトース、HFCS 42、HFCS 55、ならびにショ糖、フルクトース、HFCS 42およびHFCS 55の組合せ、ならびにショ糖、フルクトース、HFCS 42およびHFCS 55からなる群から選択されるその他の炭水化物とマルトデキストリンとの組合せからなる群から選択される炭水化物を約1〜約30重量%;クエン酸、リン酸、ならびにクエン酸およびリン酸の組合せ、ならびにクエン酸およびリン酸からなる群から選択されるその他の食用酸とリンゴ酸との組合せからなる群から選択される食用酸を約0.01〜約3重量%;果実ジュースおよび果実ジュースの組合せを約5〜40重量%;1種または複数のビタミンを推奨される1日の必要摂取量の約1/10〜約2倍、1種または複数のミネラルを推奨される1日の必要摂取量の約1/10〜約3倍、ならびに水を含んでいる。上記の成分を含んだ組成物は、透明であり、約4.0以下のpHを有し、かつ室温で約40センチポイズ未満、好ましくは約20センチポイズ未満の粘度を有し、貯蔵中に粘度が増加しない。上記の所定の量の成分を慎重に選択することにより、安定剤添加剤、または特別の成分を使用しなくとも、強化された味のよいジュースをベースとする飲料組成物が作製できる。本発明はまた、ビタミンおよびミネラルなしで上記の組成物を場合により含んでもよく、独立した添加剤としての代わりに水を飲料のその他の成分の一部として供給してもよい。
【0020】
本発明で有用な乳清タンパク質分離物および乳清タンパク質水解物は、当技術分野でよく知られている多くの供給元から販売されている。乳清タンパク質は牛乳中に認められる純粋な高品質タンパク質である。米国では、乳清タンパク質は最も多くの場合は、チーズ製造プロセスと一緒に製造される。このプロセス中、ミルクの固形分の半分がチーズ(カード)の状態になり、別の半分は液体乳清と共に残る。乳清タンパク質は健康な食事の成分として多くの重要な健康上の利点を提供する。乳清タンパク質は、抗酸化(グルタチオン)レベルを上昇させることにより体の免疫系を増強し、また病原菌に対応する免疫系の能力を高めることにより感染の危険を低下させることが知られている。乳清タンパク質はまた、食欲の抑制、コレステロールの低下、および歯垢およびう食の抑制などの、その他の領域で潜在的な正の効果を有する可能性があることが知られている。
【0021】
タンパク質は、組成物の約0.5〜約10重量%、好ましくは約2〜約8重量%を構成する。
【0022】
組成物中に乳清タンパク質分離物および乳清タンパク質水解物の組合せを使用する場合は、乳清タンパク質水解物は、組合せの約0.01〜約20重量%を含んでいる。この組合せ中に過剰の水解物があると、タンパク質とミネラルの間の相互作用が増大して、組成物の清澄性を低下させる沈殿の原因となるので、この20重量%の限界を超えることは望ましくない。これらの望ましくない作用は、感覚特性、すなわち風味の劣化、褐色になる傾向を有する色に負の影響を持ち得る。
【0023】
本発明で有用な炭水化物は、当技術分野でよく知られている多くの供給元から販売されている。ショ糖、フルクトース、高フルクトーストウモロコシシロップ(HFCS)、およびマルトデキストリンは、食品および飲料に一般的に使用されているよく知られた市販の炭水化物である。トウモロコシシロップは、そのデキストロース当量(DE)およびボーメ度により分類される。DEは甘味のおおよその尺度であり、ボーメ度は粘度または固体の尺度である。HFCS 42またはHFCS 55は、乾燥ベースでフルクトースを42%または55%有する高フルクトーストウモロコシシロップを意味する。炭水化物は、組成物の約1〜約30重量%、好ましくは約5〜約25重量%、最も好ましくは、約8〜約20重量%を構成する。
【0024】
組成物中に、ショ糖、フルクトース、HFCS 42、またはHFCS 55とマルトデキストリンとの組合せを使用する場合は、マルトデキストリンは組合せの約0.1〜約25重量%を構成する。組合せ中のマルトデキストリンが過剰であると、特に輸送および貯蔵中に組成物の粘度を増加させ、飲んだとき許容できない口当たりを持つまずい飲料ができるので、25重量%の限界を超えることは望ましくない。
【0025】
本発明で有用な食用酸は、当技術分野でよく知られている多くの供給元から販売されている。クエン酸、リン酸、およびリンゴ酸は、食品および飲料中に一般的に使用されているよく知られた市販の化合物である。
【0026】
食用酸は、組成物の約0.01〜約3重量%、好ましくは0.5〜約2重量%を構成する。
【0027】
組成物中にリンゴ酸またはクエン酸のリン酸との組合せを使用する場合は、リンゴ酸は組合せの約0.1〜約50重量%を構成する。組合せ中のリンゴ酸が過剰であると、味に酸味および渋味が生じ、飲んだとき許容できない口当たりを持つまずい飲料ができるので、50重量%の限界を超えることは望ましくない。
【0028】
本発明で有用な果実ジュースは、カンキツ類ジュースおよび非カンキツ類ジュースを含む、飲料中で使用するのに適した任意の果実ジュースであることができる。多数の果実ジュースが、当技術分野でよく知られている多くの供給元から販売されている。好ましくは、本発明に使用される果実ジュースは、オレンジ、レモン、ライム、グレープフルーツ、タンジェリン、ラズベリー、クランベリー、ブルーベリー、ボイゼンベリー、リンゴ、ブドウ、洋ナシ、サクランボ、パイナップル、モモ、アプリコット、プラム、マンゴー、パッションフルーツ、およびバナナから得られる、カンキツ類および非カンキツ類のジュースである。ジュースは単独でまたはそれらの任意の組合せで使用することができ、かついかなる特別の処理をすることなく使用される。本発明には脱ペクチン果実ジュースもまた使用することができる。脱ペクチン果実ジュースは、酵素的消化、クロマトグラフィー、沈殿、または任意のその他の類似の技法などの方法を用いて、ペクチンの大部分を除去したものである。「脱ペクチンジュース」いう用語は、当業者にはよく知られている意味を持ち、通常は約0.05重量%を超え、約0.25重量%未満のペクチン含量を有するジュースを示す。
【0029】
本発明で有用なビタミンおよびミネラルは、消費者にとって健康上の利点を有し、かつ組成物と適合性があることが知られている任意のビタミンおよびミネラルである。好ましくは、ビタミンはビタミンA、ビタミンB、ビタミンB、ビタミンB、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、パントテン酸、ビオチン、葉酸、ナイアシン、およびその他の水可溶性ビタミンからなる群から選択される。好ましくは、本発明で使用されるミネラルは、カルシウム、カリウム、マグネシウム、鉄、ナトリウム、ヨウ素、モリブデン、クロム、セレン、亜鉛、および銅からなる群から選択される。
【0030】
ビタミンおよびミネラルは組成物中に、消費者にとって健康上の利点を有する量で存在し得る。好ましくは、ビタミンおよびミネラルは、ビタミンおよびミネラルに対する推奨される1日の必要摂取量の約1/10〜約2倍を供給するのに十分な量が組成物中に存在する。こうしたビタミンおよびミネラルに対する推奨される1日の必要摂取量は、当技術分野で知られている。本発明中で有用なビタミンおよびミネラルは、当技術分野でよく知られている多くの供給元から販売されている。
【0031】
1つの特定の組成物は、乳清タンパク質分離物を約3.3重量%、約1/3のショ糖と約2/3のフルクトースの混合物を約9.2重量%、約25%のリンゴ酸および約75%のリン酸の混合物を含んだ食用酸を約0.86重量%、果実ジュースまたは果実ジュースの組合せを約30重量%、表10中に示した量のビタミン、表10中に示した量のミネラル、および水を含んでいる。この実施形態の1つのバージョンの詳細およびこれを作製する方法を実施例7中に示す。別のバージョン、異なる果実ジュースの組合せについては実施例8に示す。
【0032】
他の態様では、ジュースをベースとする飲料組成物がさらに、ポリデキストロース、イヌリンおよびアラビノガラクタンからなる群から選択される繊維を約0.01〜約5重量%、またはペクチン、セルロースガム、キサンタンガム、アラビアゴムからなる群から選択される繊維を0.01〜約0.1重量%を含んでいる。この繊維は約0.5〜約4重量%の量のポリデキストロース、イヌリンおよびアラビノガラクタンからなる群から選択してもよい。本発明で有用な繊維は、当技術分野でよく知られている多くの供給元から販売されている。ペクチン、セルロースガム、キサンタンガム、アラビアゴム、ポリデキストロース、イヌリンおよびアラビノガラクタンは、食品および飲料において一般的に使用されるよく知られた市販の化合物である。本発明の一実施形態では、両方の繊維群からの繊維の合計量は、組成物の約0.5〜約2重量%を含んでいる。
【0033】
本発明の組成物は、よく知られている従来の技法を用いて作製される。通常この組成物は、タンパク質スラリーを形成すること、炭水化物および食用酸を含んだ溶液を形成すること、タンパク質スラリーと酸溶液を混合すること、この混合物に果実ジュースを加えること、混合物にビタミンおよびミネラルを加えること、混合物のショ糖濃度、pH、および温度を調整すること、および混合物を殺菌するにことにより作製される。その他の同様の方法が当技術分野で知られている。本発明によるジュースをベースとする飲料組成物を製造する好ましい方法は、乳清タンパク質分離物と、乳清タンパク質分離物および乳清タンパク質水解物の組合せからなる群から選択される、最終組成物の約0.5〜約10重量%を形成するのに十分な量のタンパク質を水と混合して、タンパク質スラリーを形成するステップと、ショ糖、フルクトース、HFCS 42、HFCS 55、ならびにショ糖、フルクトース、HFCS 42およびHFCS 55の組合せ、ならびにショ糖、フルクトース、HFCS 42、およびHFCS 55からなる群から選択されるその他の炭水化物とマルトデキストリンとの組合せからなる群から選択される炭水化物を、最終組成物の約1〜約30重量%を形成するのに十分な量で水に溶解するステップと、タンパク質スラリーと炭水化物溶液を混合するステップと、クエン酸、リン酸ならびにクエン酸およびリン酸の組合せ、ならびにクエン酸およびリン酸からなる群から選択されるその他の食用酸とリンゴ酸との組合せ(ただし、リンゴ酸が組合せの約0.1〜約50重量%を構成する)からなる群から選択される食用酸を、最終組成物の約0.01〜約3重量%を形成するのに十分な量でタンパク質スラリーおよび炭水化物溶液の混合物に加えるステップと、最終組成物の約5〜約40重量%を形成するのに十分な量の1種または複数の果実ジュースを、タンパク質スラリーおよび炭水化物溶液の混合物に加えるステップと、ミネラルの推奨される1日の必要摂取量の約1/10〜約3倍を供給するのに十分な量の、1種または複数のミネラルを含んだ溶液を形成するステップと、ミネラル溶液をタンパク質スラリーおよび炭水化物溶液の混合物に加えるステップと、ビタミンの推奨される1日の必要摂取量の約1/10〜約2倍を供給するのに十分な量の、1種または複数のビタミンおよび場合により香料を含んだ溶液を形成するステップと、場合により香料を含んだビタミン溶液を、タンパク質スラリーおよび炭水化物溶液の混合物に加えるステップと、得られた混合物のショ糖濃度を水で約15〜約20%に調整するステップと、得られた混合物のpHを約4.0以下に調整するステップと、得られた混合物の温度を約40°F〜約60°F(10℃〜15℃)に調整するステップと、得られた混合物を密封可能容器に移すステップと、容器を密封して、得られた混合物を含んだ加圧した容器を作製するステップと、得られた混合物を殺菌するステップとを含む。得られた溶液はその全体を殺菌し、次いで無菌状態下で加圧容器中に充填するか、または熱交換機中で殺菌し、缶の中に熱充填することが可能である。
【0034】
本発明のジュースをベースとする飲料組成物は、消費者に対して味のよい食品として有用である。
【0035】
本発明を概略的に説明してきたが、本発明の特定の実施形態とし、その実施および利点を説明するために、以下の実施例を示す。実施例は説明の目的で提供されるものであり、いかようにも本明細書または特許請求の範囲を限定するものではないことを理解されたい。
【実施例1】
【0036】
処理タンク中で、消泡剤C(antifoam agent C)エマルション254グラムをろ過済みの水2700リットル中に溶解した。得られた水2700リットルを継続的に液化機(liquifier)中にポンプ給送して乳清タンパク質分離物(528kg)を溶解した。タンパク質および水スラリーを液化機中で約30秒間静置して、タンパク質が完全に溶解し塊がないことを確認した。溶解したタンパク質溶液を仕上り製品タンクに直接移した。
【0037】
以下の成分を液化機中で、室温のろ過済みの水5400リットルに攪拌しながら加えた。以下の成分を示した量で液化機に加えた:フルクトース(966kg)、ショ糖(498kg)、塩化カリウム(13.2kg)、塩化マグネシウム(5.12kg)、クエン酸カリウム(11.33kg)、β−カロテン(2.20kg)、混濁剤(clouding agent)(23.10kg)、およびリンゴ酸(26.63kg)。得られた混合物を、タンパク質溶液を含んだ仕上り製品タンク中に直接移した。
【0038】
パイナップル、洋ナシ、リンゴ、マンゴー、プラム、パッションフルーツ、オレンジ、および天然香料からなる濃縮トロピカルジュース(tropical juice concentrate)ブレンド778.30kgを仕上り生成物タンクに直接加えた。
【0039】
液化機中で、リン酸74.66kgを200リットルのろ過済みの水で希釈し、以下のミネラルを以下の順序で希釈した酸溶液中に加えた:第二リン酸カルシウム(18.70kg)、リン酸マグネシウム(10.67kg)、炭酸カルシウム(11.40kg)、および微量ミネラルプレミックス(trace mineral premix)(1.10kg)。5〜10分間十分に混合した後、ミネラル溶液を仕上り製品タンクに移した。
【0040】
ビタミンプレミックス10.82kgと天然および人工香料23.8kgを少量の水に溶解し、仕上り製品タンク中に直接加えた。
【0041】
仕上り製品タンクからの生成物のショ糖濃度を、ろ過済みの水で約19%に調整した。次いでpHを、リン酸溶液中の25%(固体重量/重量)リンゴ酸で3.2に調整した。ショ糖濃度をろ過済みの水で17.5%に調整した。次いでpHを25%リンゴ酸および75%リン酸を含んだ酸溶液で3.2に調整した。混合物の温度を、40〜50°F(10℃〜15℃)に調整した。得られた生成物は、表1に示した成分を含んだタンパク質およびビタミンおよびミネラル強化ジュース飲料の15,000リットルのバッチであった。
【0042】
次いで冷却した生成物を充填機に移し、生成物を、表7に示した8オンス缶当たりの栄養プロファイルを有する強化ジュース飲料254グラムを含んだ背の高い細いアルミニウム缶に充填した。充填した缶に窒素を充満し、缶の圧力(25psi)を制御するために液体窒素を1滴加えた。缶を通常のふた閉鎖により密閉した。「bulb buster」を使用して、ヘッドスペースの酸素を3%未満に制限した。
【0043】
加圧した缶中の冷却した生成物(40〜50°F)(10〜15℃)を、最少回転速度9RPMおよび水位55〜68%の範囲で用いる、攪拌する部分的水浸レトルト装置中で熱処理した。上槽を約205°F(97℃)および上昇時間が9.5分である10psigの上部ドラム圧に維持し、約183°F(85℃)および16psigで2分間殺菌し、急速冷却段階を続けた(0.1〜0.7のp値を得るための最終生成物温度は(100°F)(39℃)未満)。
【0044】
完成した生成物を45℃で24時間保温し、粘度の上昇がないことを点検した。その結果は、この期間に粘度は増加しなかったことを示している。この生成物をサンプリングし、列挙した成分を含み、許容される清澄性、粘度、pH、味、あと味、および口当たりを持つ味のよいジュースをベースとする生成物であることが分かった。
【0045】
【表1】

【実施例2】
【0046】
実施例1の乳清タンパク質分離物の代わりに、乳清タンパク質分離物(422.6kg)および乳清タンパク質水解物(I05.4kg)の混合物を使用したこと以外は、実施例1を繰り返した。得られた生成物は、表2に示す成分を含み、表7に示すものと同じ栄養素プロファイルを得たタンパク質、ビタミンおよびミネラル強化のジュースをベースとする飲料の15,000リットルのバッチであった。
【0047】
【表2】

【実施例3】
【0048】
ショ糖の代わりに高フルクトーストウモロコシシロップ42(「HFCS 42」)646.8kgを使用したこと以外は実施例1を繰り返した。得られた生成物は、表3に示す成分を含み、表7に示すものと同じ栄養素プロファイルを得たタンパク質、ビタミンおよびミネラル強化のジュースをベースとする飲料の15,000リットルのバッチであった。この実施例は、有意に組成物の特性を変更することなく、炭水化物をHDCSに改変することができることを示す。
【0049】
【表3】

【実施例4】
【0050】
ショ糖の代わりに、HFCS、ショ糖およびフルクトースの混合物を使用したこと以外は実施例1を繰り返した。得られた生成物は、表4に示す成分を含み、表7に示すものと同じ栄養素プロファイルを得たタンパク質、ビタミンおよびミネラル強化のジュースをベースとする飲料の15,000リットルのバッチであった。この実施例は、有意に組成物の特性を変更することなく、炭水化物をこれらの炭化水素の混合物を使用するように改変することができることを示す。
【0051】
【表4】

【実施例5】
【0052】
実施例1に記載のように、消泡剤Cエマルション254グラムをろ過済みの水2700リットル中に溶解した。
【0053】
以下の成分を処理タンク中で、室温のろ過済みの水5400リットルに攪拌しながら加えた。以下の成分を示した量で液化機に加えた:フルクトース(966kg)、ショ糖(498kg)、塩化カリウム(13.2kg)、塩化マグネシウム(5.12kg)、クエン酸カリウム(11.33kg)、wild cherry shade R(714グラム)、およびリンゴ酸(26.63kg)。得られた混合物を、仕上り製品タンク中に直接移した。
【0054】
洋ナシ、リンゴ、レッドラズベリー、イチゴ、クランベリー、ブルーベリー、ボイゼンベリーおよびサクランボからなる液果ジュース濃縮物の混合物778.3kgを仕上り生成物タンクに直接加えた。
【0055】
液化機中で、リン酸74.66kgを200リットルのろ過済みの水に溶解し、以下のミネラルを以下の順序で希釈した酸溶液中に加えた:第二リン酸カルシウム(18.70kg)、リン酸マグネシウム(10.67kg)、炭酸カルシウム(11.40kg)、および微量ミネラルプレミックス(1.10kg)。5〜10分間十分に混合した後、ミネラル溶液を仕上り製品タンクに移した。
【0056】
ビタミンプレミックス10.82kgと天然香料および人工香料23.8kgを少量の水に溶解し、仕上り製品タンク中に直接加えた。
【0057】
仕上り製品タンクからの生成物のショ糖濃度を、ろ過済みの水で約19%に調整した。次いでpHを25%リンゴ酸および75%リン酸を含んだ酸溶液で3.2に調整した。混合物の温度を、40〜50°F(10℃〜15℃)に調整した。得られた生成物は、表5に示した成分を含んだタンパク質およびビタミンおよびミネラル強化ジュース飲料の15,000リットルのバッチであった。
【0058】
冷却した生成物を、実施例1に記載のように充填し、密閉し、熱処理して、表7に示した8オンス缶当たりの栄養プロファイルを有する強化飲料を作製した。完成した生成物を45℃で24時間保温し、粘度の上昇がないことを点検した。その結果は、この期間に粘度は増加しなかったことを示している。この実施例は、有意に組成物の特性を変更することなく、果実ジュースおよびいくつかのその他の成分改変することができることを示す。
【0059】
【表5】

【実施例6】
【0060】
処理タンク中で、消泡剤Cエマルション254グラムをろ過済みの水2700リットル中に溶解した。得られた水2700リットルを液化機中に入れて乳清タンパク質分離物(528kg)を溶解した。タンパク質および水スラリーを液化機中で約30秒間静置して、タンパク質が完全に溶解し塊がないことを確認した。溶解したタンパク質溶液を仕上り製品タンクに直接移した。
【0061】
以下の成分を液化機中で、室温のろ過済みの水5400リットルに攪拌しながら加えた。成分を以下の順序で液化機に加えた:フルクトース(966kg)、ショ糖(498kg)、アラビノガラクタン(320kg)、塩化カリウム(13.2kg)、塩化マグネシウム(5.12kg)、クエン酸カリウム(11.33kg)、3%β−カロテン溶液(2.2kg)、乳濁剤(23.1kg)、およびリンゴ酸(26.63kg)。得られた混合物を、仕上り製品タンク中に直接移した。
【0062】
パイナップル、洋ナシ、リンゴ、マンゴー、プラム、パッションフルーツ、オレンジ、および天然香料からなる濃縮トロピカルジュース混合物778.30kgを仕上り生成物タンクに直接加えた。
【0063】
液化機中で、リン酸74.66kgを200リットルのろ過済みの水で希釈し、以下のミネラルを以下の順序で希釈した酸溶液中に加えた:第二リン酸カルシウム(18.70kg)、リン酸マグネシウム(10.67kg)、炭酸カルシウム(11.40kg)、および微量ミネラルプレミックス(1.10kg)。5〜10分間十分に混合した後、ミネラル溶液を仕上り製品タンクに移した。
【0064】
ビタミンプレミックス10.82kgと天然香料および人工香料23.80kgを少量の水に溶解し、仕上り製品タンク中に直接加えた。
【0065】
ショ糖濃度を、ろ過済みの水で約22%に調整した。次いでpHを、リン酸溶液中の25%(固体重量/重量)リンゴ酸で3.2に調整した。ショ糖濃度をろ過済みの水で19.6%に調整した。次いでpHを25%リンゴ酸および75%リン酸を含んだ酸溶液で3.2に調整した。
【0066】
混合物の温度を、40〜50°F(10℃〜15℃)に調整した。得られた生成物は、表6に示した成分を含んだタンパク質およびビタミンおよびミネラル強化ジュース飲料の15,000リットルのバッチであった。
【0067】
次いで冷却した生成物を充填機に移し、生成物を表8に示した栄養素を有する強化ジュース飲料を254グラム含んだ背の高い細いアルミニウム缶に充填した。充填した缶に窒素を充満し、缶の圧力(25psi)を制御するために液体窒素を1滴加えた。缶を通常のふた閉鎖により密閉した。「bulb buster」を使用して、ヘッドスペースの酸素を3%未満に制限した。この実施例は、有意に組成物の特性を変更することなく、繊維を加えることができることを示す。
【0068】
【表6】

【0069】
【表7】

【0070】
【表8】

【実施例7】
【0071】
処理タンク中で、消泡剤Cエマルション254グラムをろ過済みの水1800リットル中に溶解し、得られた水を継続的に液化機中にポンプ給送して乳清タンパク質分離物(353.019kg)を溶解した。タンパク質および水スラリーを液化機中で約30秒間静置して、タンパク質が完全に溶解し塊がないことを確認した。溶解したタンパク質溶液を仕上り製品タンクに直接移した。
【0072】
以下の成分を液化機中で室温のろ過済みの水3600リットルに加えた。以下の成分を示した量で液化機に加えた:フルクトース(642.591kg)、ショ糖(331.526kg)、塩化カリウム(8.652kg)、塩化マグネシウム(3.688kg)、クエン酸カリウム(7.427kg)、β−カロテン(1.442kg)、乳濁剤(15.400kg)、およびリンゴ酸(20.499kg)。得られた混合物を、タンパク質溶液を含んだ仕上り製品タンク中に直接移した。
【0073】
パイナップル、洋ナシ、リンゴ、マンゴー、プラム、パッションフルーツ、オレンジ、および天然香料からなる濃縮トロピカルジュース混合物515.963kgを仕上り生成物タンクに直接加えた。
【0074】
液化機中で、リン酸71.951kgを200リットルのろ過済みの水で希釈し、以下のミネラルを以下の順序で希釈した酸溶液中に加えた:第二リン酸カルシウム(12.258kg)、リン酸マグネシウム(7.694kg)、炭酸カルシウム(7.499kg)、および微量ミネラルプレミックス(0.808kg)。5〜10分間十分に混合した後、ミネラル溶液を仕上り製品タンクに移した。
【0075】
ビタミンプレミックス7.873kgと天然および人工香料15.610kgを少量の水に溶解し、仕上り製品タンク中に直接加えた。
【0076】
仕上り製品タンクからの生成物のショ糖濃度を、ろ過済みの水で約19%に調整した。次いでpHをリン酸溶液中の25%(固体重量/重量)リンゴ酸で3.2に調整した。ショ糖濃度をろ過済みの水で17.5%に調整した。次いでpHを25%リンゴ酸および75%リン酸を含んだ酸溶液で3.2に調整した。混合物の温度を、40〜50°F(10℃〜15℃)に調整した。得られた生成物は、表9に示した成分を含んだタンパク質およびビタミンおよびミネラル強化ジュース飲料の10000リットルのバッチであった。
【0077】
次いで冷却した生成物を充填機に移し、生成物を表10に示した8オンス缶当たりの栄養プロファイルを有する強化ジュース飲料を254グラム含んだ背の高い細いアルミニウム缶に充填した。充填した缶に窒素を充満し、缶の圧力(25psi)を制御するために液体窒素を1滴加えた。缶を通常のふた閉鎖により密閉した。「bulb buster」を使用して、ヘッドスペースの酸素を3%未満に制限した。
【0078】
加圧した缶中の冷却した生成物(40〜50°F)(10℃〜15℃)を、最少回転速度9RPMおよび水位55〜68%の範囲で用いる、攪拌する部分的水浸レトルト装置中で熱処理した。上槽を約205°F(97℃)および上昇時間が9.5分である10psigの上部ドラム圧に維持し、約183°F(85℃)および16psigで2分間殺菌し、急速冷却段階を続けた(0.1〜0.7のp値を得るための最終生成物温度は(100°F)(39℃)未満)。
【0079】
完成した生成物を45℃で24時間保温し、粘度の上昇がないことを点検した。その結果は、この期間に粘度は増加しなかったことを示している。この生成物をサンプリングし、列挙した成分を含み、好ましい清澄性、粘度、pH、味、あと味、および口当たりを持つ味のよいジュースをベースとする生成物であることが分かった。
【0080】
【表9】

【0081】
飲料の合計炭水化物含量はほぼ12.5%である。この量にはタンパク質スラリーに加えたショ糖およびフルクトース(飲料の合計重量のほぼ9.19%)、さらに果実ジュース中に天然に存在する炭水化物含がまれる。表9から、果実ジュース濃縮物(熱帯混合物)515.96kgが混合物に加えられ、この量は水を除いた飲料成分のほぼ25.49重量%で、加工中に加えた水を含んだ飲料成分の4.868重量%を占めることが分かる。濃縮物のこの量は天然の果実ジュースほぼ3,000kgから生成される。したがって、濃縮物をほぼ515kg混合物に加えることは、天然のジュースをほぼ3,000kg加えることと等価である。この実施例中の飲料10,000リットルに対して、飲料中の果実ジュース含量はこうしてほぼ30重量%である。上記の定義の項で述べたように、「重量パーセント」という用語は、果実ジュースに適用する場合は再構成した果実ジュースの重量パーセントを言い、ジュースの濃度をその天然の状態に戻すためにジュース濃縮物に加えられる水を含む。
【0082】
【表10】

【実施例8】
【0083】
実施例7の濃縮トロピカルジュース混合物の代わりに、洋ナシ、パイナップル、レッドラズベリー、イチゴ、クランベリー、ブルーベリー、ボイゼンベリーおよびサクランボからなる液果ジュースの混合物を515.963kg使用したこと以外は、実施例7を繰り返した。得られた生成物は、表11に示す成分を含み、表9に示すものと同じ栄養素プロファイルを得たタンパク質、ビタミンおよびミネラル強化のジュースをベースとする飲料の10000リットルのバッチであった。
【0084】
【表11】

【0085】
飲料の合計炭水化物含量はほぼ12.5重量%である。この量にはタンパク質スラリーに加えたショ糖およびフルクトース(飲料の合計重量のほぼ9.19重量%)、さらに果実ジュース中に天然に存在する炭水化物が含まれる。表11から、果実ジュース濃縮物(混合液果混合物)515.96kgが混合物に加えられ、この量は水を除いた飲料成分のほぼ25.63重量%で、加工中に加えた水を含んだ飲料成分の4.868重量%を占めることが分かる。濃縮物のこの量は天然の果実ジュース3,000kgから生成される。したがって、濃縮物をほぼ515kgを混合物に加えることは、天然のジュースをほぼ3,000kg加えることと等価である。この実施例中の飲料10,000リットルに対して、飲料中の果実ジュース含量はこうしてほぼ30重量%である。上記定義の項で述べたように、「重量パーセント」という用語は、果実ジュースに適用する場合は再構成した果実ジュースの重量パーセントを言い、ジュースの濃度をその天然の状態に戻すためにジュース濃縮物に加えられる水を含む。
【実施例9】
【0086】
様々な種類の食用酸を使用したこと以外は実施例1を繰り返した。酸および結果を表12に示す。表12を参照すると、Xはどのような酸あるいは酸の組合せを使用したかを示す。結果は、組成物の特性を有意に変更することなく、様々な酸および酸の組合せを使用することができることを示す。しかし、大量のリンゴ酸は組成物の粘度を望ましくないレベルに増加させるという指標がある。
【0087】
【表12】

【実施例10】
【0088】
リンゴ酸の組合せおよび炭水化物レベルの組成物への影響を決定するために、これらを試験した以外は実施例1を繰り返した。試験の組合せおよび結果を表13に示す。表13を参照すると、結果は組合せ中のリンゴ酸レベルは、食用酸合計の約50%の最大値に制限するべきである。
【0089】
【表13】

【実施例11】
【0090】
炭水化物の組合せの組成物への影響を決定するために、これらを試験した以外は実施例1を繰り返した。試験の組合せおよび結果を表14に示す。表14を参照すると、結果は試験した炭水化物は使用することができることを示す。しかし、いくつかのデータは、マルトデキストリンは単独で使用せずに、かつ組合せ中で約30%に制限するように限定する必要がある。
【0091】
【表14】

【実施例12】
【0092】
タンパク質加水分解物の粘度への影響を評価した以外は実施例1を繰り返した。試験の組合せおよび結果を表15に示す。表15を参照すると、結果は乳清タンパク質水解物の量は、組合せの約20重量%に制限するべきであることを示す。
【0093】
【表15】

【実施例13】
【0094】
pHおよびタンパク質含量の影響を評価した以外は実施例1を繰り返した。試験の組合せおよび結果を表16に示す。表16を参照すると、結果は、タンパク質を本発明による量で使用する場合は、pHは約4.0以下にすることができることを示す。
【0095】
【表16】

【実施例14】
【0096】
組成物への繊維の添加の影響を評価した以外は実施例1を繰り返した。試験の組合せおよび結果を表17に示す。表17を参照すると、結果は、試験した繊維は使用することができるが、ポリデキストロース、イヌリン、およびアラビノガラクタンが好ましい。その他の繊維は、組成物中に約0.1重量%未満の量しか加えるべきでない。
【0097】
【表17】

【0098】
上記の教示に照らして本発明の多くの修正形態および変形形態が明らかに可能である。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲内で、特に記載されているものとは別の形態で実施可能であると理解すべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)組成物の約10重量%までの量のタンパク質の供給源、
(b)組成物の約30重量%までの炭水化物の供給源、
(c)組成物の約3重量%までの食用酸の供給源、
(d)組成物の約5〜約40重量%の果実ジュースの供給源
を含んでいる、果実ジュースをベースとする飲料組成物。
【請求項2】
透明であり、4.0以下のpHを有し、かつ約40センチポイズ未満の粘度を有する請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
20センチポイズ未満の粘度を有する請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
果実ジュースの供給源が、約10〜約40重量%の量である請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
炭水化物の供給源が、組成物の約5〜約25重量%を含んでいる請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
炭水化物の供給源が、組成物の約8〜約20重量%を含んでいる請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
タンパク質の供給源が、組成物の約2〜約8重量%を含んでいる請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
食用酸の供給源が、組成物の約2〜約7重量%を含んでいる請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
タンパク質の供給源が、乳清タンパク質分離物および乳清タンパク質水解物からなる群から選択される少なくとも1種のタンパク質を含んでいる請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
タンパク質の供給源が、乳清タンパク質分離物および乳清タンパク質水解物の組合せであり、かつ乳清タンパク質水解物がその組合せの20重量%までを構成する請求項1に記載の組成物。
【請求項11】
炭水化物の供給源が、ショ糖、フルクトース、HFCS 42、HFCS 55およびマルトデキストリンからなる群から選択される少なくとも1種の炭水化物を含んでいる請求項1に記載の組成物。
【請求項12】
炭水化物の供給源が、ショ糖、フルクトース、HFCS 42、またはHFCS 55からなる群から選択される少なくとも1種のその他の炭水化物とマルトデキストリンとの組合せであり、かつマルトデキストリンがその組合せの約25重量%までを構成する請求項1に記載の組成物。
【請求項13】
食用酸の供給源が、クエン酸、リン酸、およびリンゴ酸からなる群から選択される少なくとも1種の食用酸を含んでいる請求項1に記載の組成物。
【請求項14】
食用酸の供給源が、クエン酸およびリン酸からなる群から選択される少なくとも1種のその他の食用酸とリンゴ酸との組合せを含んでおり、かつリンゴ酸がその組合せの約30重量%までを構成する請求項1に記載の組成物。
【請求項15】
1種または複数のミネラルの推奨される1日に必要な摂取量の約1/10〜約3倍を
さらに含んでいる請求項1に記載の組成物。
【請求項16】
カルシウム、カリウム、マグネシウム、鉄、ナトリウム、ヨウ素、モリブデン、クロム、セレン、亜鉛、および銅からなる群から選択される少なくとも1種のミネラルをさらに含んでいる請求項1に記載の組成物。
【請求項17】
少なくとも1種の水可溶性ビタミンをさらに含んでいる請求項1に記載の組成物。
【請求項18】
ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、パントテン酸、ビオチン、葉酸、ナイアシンからなる群から選択される少なくとも1種のビタミンをさらに含んでいる請求項1に記載の組成物。
【請求項19】
さらに、組成物の約5重量%までのペクチン、セルロースガム、キサンタンガム、アラビアゴム、ポリデキストロース、イヌリン、およびアラビノガラクタンからなる群から選択される少なくとも1種の繊維を含んでいる請求項1に記載の組成物。
【請求項20】
さらに、組成物の約5重量%までのポリデキストロース、イヌリン、およびアラビノガラクタンからなる群から選択される少なくとも1種の繊維を含んでいる請求項1に記載の組成物。
【請求項21】
さらに、組成物の約0.5重量%〜約4重量%のポリデキストロース、イヌリン、およびアラビノガラクタンからなる群から選択される少なくとも1種の繊維を含んでいる請求項1に記載の組成物。
【請求項22】
さらに、組成物の約0.1重量%のペクチン、セルロースガム、キサンタンガム、およびアラビアゴムからなる群から選択される少なくとも1種の繊維を含んでいる請求項1に記載の組成物。
【請求項23】
タンパク質の供給源が、乳清タンパク質分離物である請求項1に記載の組成物。
【請求項24】
炭水化物の供給源が、ショ糖およびフルクトースの組合せである請求項1に記載の組成物。
【請求項25】
タンパク質スラリーを形成するステップと、
炭水化物を含んだ水溶液を形成するステップと、
タンパク質スラリーと炭水化物水溶液を混合するステップと、
食用酸をタンパク質スラリーと炭水化物溶液との混合物に加えるステップと、
最終組成物の約5〜約40重量%を形成するのに十分な量の果実ジュースを混合物に加えるステップと、
混合物のショ糖濃度、pH、および温度を調整するステップと、および
混合物を殺菌するステップとを
含むジュースをベースとする飲料を製造する方法。
【請求項26】
タンパク質、炭水化物、食用酸および果実ジュースの混合物に、ミネラルおよびビタミンを加えるステップをさらに含む請求項25に記載の方法。
【請求項27】
タンパク質、炭水化物、食用酸および果実ジュースの混合物に、繊維を加えることをさらに含む請求項25に記載の方法。
【請求項28】
タンパク質スラリーを形成するステップが、乳清タンパク質分離物、ならびに乳清タンパク質分離物および乳清タンパク質水解物との組合せからなる群から選択されるタンパク質を、最終組成物の約10重量%までを形成するのに十分な量で水と混合することを含む請求項25に記載の方法。
【請求項29】
炭水化物を含んだ水溶液を生成するステップが、ショ糖、フルクトース、HFCS 42、HFCS 55、ならびにショ糖、フルクトース、HFCS 42およびHFCS 55の組合せ、ならびにショ糖、フルクトース、HFCS 42、およびHFCS 55からなる群から選択されるその他の炭水化物とマルトデキストリンとの組合せからなる群から選択される炭水化物を、水に溶解することを含み、当該炭水化物は最終組成物の約1〜約30重量%である請求項25に記載の方法。
【請求項30】
食用酸をタンパク質スラリーおよび炭水化物溶液の混合物に加えるステップが、クエン酸、リン酸、ならびにクエン酸およびリン酸の組合せ、ならびにクエン酸およびリン酸からなる群から選択されるその他の食用酸と組合せの約0.1〜約50重量%を構成するリンゴ酸の組合せからなる群から選択される食用酸を最終組成物の約0.01〜約3重量%を形成するのに十分な量で混合物に加えることを含む請求項25に記載の方法。
【請求項31】
(a)乳清タンパク質分離物、ならびに乳清タンパク質分離物および乳清タンパク質水解物の組合せからなる群から選択されるタンパク質を、最終組成物の約0.5〜約10重量%を形成するのに十分な量で水と混合してタンパク質スラリーを形成するステップと、
(b)ショ糖、フルクトース、HFCS 42、HFCS 55、ならびにショ糖、フルクトース、HFCS 42およびHFCS 55の組合せ、ならびにショ糖、フルクトース、HFCS 42およびHFCS 55からなる群から選択されるその他の炭水化物とマルトデキストリンとの組合せからなる群から選択される炭水化物を最終組成物の約1〜約30重量%を形成するのに十分な量で水に溶解するステップと、
(c)タンパク質スラリーと炭水化物溶液を混合するステップと、
(d)クエン酸、リン酸、ならびにクエン酸およびリン酸の組合せ、ならびに、クエン酸およびリン酸からなる群から選択されるその他の食用酸と組合せの約0.1〜約50重量%を構成するリンゴ酸との組合せからなる群から選択される食用酸の最終組成物の約0.01〜約3重量%を形成するのに十分な量を、タンパク質スラリーと炭水化物溶液との混合物に加えるステップと、
(e)最終組成物の約5〜約40重量%を形成するのに十分な量の1種または複数種の果実ジュースを、タンパク質スラリーと炭水化物溶液との混合物に加えるステップと、
(f)ミネラルの推奨される1日の必要摂取量の約1/10〜約3倍を供給するのに十分な量の、1種または複数のミネラルを含んだ溶液を形成するステップと、
(g)ミネラル溶液をタンパク質スラリーおよび炭水化物溶液の混合物に加えるステップと、
(h)ビタミンの推奨される1日の必要摂取量の約1/10〜約2倍を供給するのに十分な量の、1種または複数のビタミンおよび場合により香料を含んだ溶液を形成するステップと、
(i)場合により香料を含んだビタミン溶液を、タンパク質スラリーおよび炭水化物溶液の混合物に加えるステップと、
(j)得られた混合物のショ糖濃度を水で約15〜約20%に調整するステップと、
(k)得られた混合物のpHを約4.0未満に調整するステップと、
(l)得られた混合物の温度を約40°F〜約60°F(10℃〜15℃)に調整するステップと、
(m)得られた混合物を密封可能容器に移すステップと、
(n)容器を密封して、得られた混合物を含んだ加圧容器を作製するステップと、
(o)得られた混合物を殺菌するステップとを
含む、ジュースをベースとする飲料組成物を製造する方法。

【公表番号】特表2006−501803(P2006−501803A)
【公表日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2003−545135(P2003−545135)
【出願日】平成14年11月20日(2002.11.20)
【国際出願番号】PCT/US2002/037058
【国際公開番号】WO2003/043446
【国際公開日】平成15年5月30日(2003.5.30)
【出願人】(597011463)ノバルティス アクチエンゲゼルシャフト (942)
【Fターム(参考)】