説明

ジョブ管理装置、ジョブ管理方法及びジョブ管理用プログラム

【課題】本発明は、より高いセキュリティ機能を確保することができるジョブ管理装置、ジョブ管理方法及びジョブ管理用プログラムを提供する。
【解決手段】入力されたユーザIDに基づいて、ユーザのセキュリティレベルが参照され、その参照結果に基づいてジョブ情報に対する集計項目が変更される、即ちユーザ毎に集計できるジョブ情報が制限されるので、機密的な情報を含むジョブ情報が第三者に知られることがなくなり、より高いセキュリティ機能を確保することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークに接続されたプリンタ、スキャナ、ファクシミリ、複写機、これらを統合したマルチファンクション機器(MFP)等の周辺機器へ出力されたジョブに関するジョブ情報を管理するジョブ管理装置、ジョブ管理方法及びジョブ管理用プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、周辺機器で実行されたジョブの情報(以下ジョブ情報という)を取得してジョブを管理する画像処理システムのジョブ管理方法が開発されている。
【0003】
かかる画像処理システムにおいて、適切なジョブの管理(ジョブアカウント)を行うためには、サーバが周辺機器で実行されたジョブ情報を取得し、そのジョブをユーザの用途に合わせて集計できることが重要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−308191号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
サーバが取得したジョブ情報を集計すると、サーバでは「誰がどのプリンタに何枚出力した」という集計結果が表示されるが、ジョブ情報の項目には「ドキュメント名」や「ユーザ名」等も含まれていることから、場合によっては、機密的な情報が含まれるケースがある。
【0006】
しかしながら、従来のジョブ管理方法においては、ユーザごとに応じた機能が提供されていない場合がある。
【0007】
本発明は、かかる問題点を鑑みてなされたものであり、使用頻度の高い複数の集計項目の再設定を1つの集計項目名の選択により実行でき、集計項目の設定の利便性を向上することができるジョブ管理装置、ジョブ管理方法及びジョブ管理用プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、請求項1のジョブ管理装置は、印刷装置から収集した印刷履歴情報を集計するジョブ管理装置において、ユーザIDを入力する入力手段と、前記印刷履歴情報の集計条件を設定するための複数の設定項目において設定された複数の集計項目情報に1つの集計項目名をつけ、当該集計項目名と前記入力手段により入力されたユーザIDに基づいて特定されるユーザとを対応付けて記憶する記憶手段と、前記入力手段により入力されたユーザIDに基づいて特定されるユーザに対応付けて前記記憶手段に記憶されている複数の集計項目名の何れかが選ばれ、当該選ばれた集計項目名の複数の集計項目情報を集計条件として呼び出し、当該集計条件のもとで前記印刷履歴情報の集計を行う集計手段とを有し、前記集計手段は、前記ユーザにより集計対象として前記ジョブ管理装置で管理されるユーザ単位、または複数ユーザ単位での集計が設定され、当該集計対象に関して前記印刷履歴情報の集計を行うことを特徴とする。
【0009】
請求項2のジョブ管理装置は、請求項1記載のジョブ管理装置において、ユーザに前記設定項目を設定させる設定項目領域と前記集計対象を設定させる集計対象領域とを含む集計画面を表示する表示手段をさらに有し、前記表示手段により表示される集計画面に含まれる集計対象領域では、ユーザに依存して集計対象の表示が変更されることを特徴とする。
【0010】
請求項3のジョブ管理装置は、請求項1又は2記載のジョブ管理装置において、前記印刷履歴情報の集計条件として用紙を集計するか金額を集計するかを設定するための設定項目と集計期間を設定するための設定項目とが含まれることを特徴とする。
【0011】
請求項4のジョブ管理装置は、請求項1乃至3の何れか1項に記載のジョブ管理装置において、前記記憶手段に記憶された集計項目名と対応付けられるユーザを変更するための画面を表示して、当該対応付けの変更を受け付ける変更手段をさらに有することを特徴とする。
【0012】
請求項5のジョブ管理装置は、請求項4記載のジョブ管理装置において、前記変更手段による変更を指示するユーザの権限に応じて、該変更により集計項目名と対応付けることができるユーザが異なることを特徴とする。
【0013】
請求項6のジョブ管理方法は、印刷装置から収集した印刷履歴情報を集計するジョブ管理方法において、ユーザIDを入力する入力ステップと、前記印刷履歴情報の集計条件を設定するための複数の設定項目において設定された複数の集計項目情報に1つの集計項目名をつけ、当該集計項目名と前記入力ステップにより入力されたユーザIDに基づいて特定されるユーザとを対応付けて記憶手段に記憶する記憶ステップと、前記入力ステップにより入力されたユーザIDに基づいて特定されるユーザに対応付けて前記記憶手段に記憶されている複数の集計項目名の何れかが選ばれ、当該選ばれた集計項目名の複数の集計項目情報を集計条件として呼び出し、当該集計条件のもとで前記印刷履歴情報の集計を行う集計ステップとを有し、前記集計ステップは、前記ユーザにより集計対象として前記ジョブ管理装置で管理されるユーザ単位、または複数ユーザ単位での集計が設定され、当該集計対象に関して前記印刷履歴情報の集計を行うことを特徴とする。
【0014】
請求項7のジョブ管理用プログラムは、印刷装置から収集した印刷履歴情報を集計するジョブ管理装置に組み込まれるジョブ管理用プログラムにおいて、ユーザIDを入力する入力ステップと、前記印刷履歴情報の集計条件を設定するための複数の設定項目において設定された複数の集計項目情報に1つの集計項目名をつけ、当該集計項目名と前記入力手段により入力されたユーザIDに基づいて特定されるユーザとを対応付けて記憶手段に記憶する記憶ステップと、前記入力ステップにより入力されたユーザIDに基づいて特定されるユーザに対応付けて前記記憶手段に記憶されている複数の集計項目名の何れかが選ばれ、当該選ばれた集計項目名の複数の集計項目情報を集計条件として呼び出し、当該集計条件のもとで前記印刷履歴情報の集計を行う集計ステップとを有し、前記集計ステップは、前記ユーザにより集計対象として前記ジョブ管理装置で管理されるユーザ単位、または複数ユーザ単位での集計が設定され、当該集計対象に関して前記印刷履歴情報の集計を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、入力されたユーザIDに関連して、ジョブ情報に対する複数の集計項目が1つの集計項目名で記憶され、該記憶された1つの集計項目名を指定して複数の集計項目が読み出されるので、使用頻度の高い複数の集計項目の再設定を1つの集計項目名の選択により実行でき、集計項目の設定の利便性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るジョブ管理装置を備えたジョブアカウントシステムの構成図である。
【図2】クライアントコンピュータ1020のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図3】ジョブアカウントサーバ1010及びクライアントコンピュータ1020に含まれるソフトウェアモジュールの構成を示す図である。
【図4】図1に示したプリンタ1030の構成を示すブロック図である。
【図5】図1に示したジョブアカウントサーバ1010のメモリマップの一例を表す図である。
【図6】ジョブアカウントプログラム及び関連データが格納されているFDのメモリマップを示す図である。
【図7】FDに記録されたジョブアカウントプログラム及び関連データをコンピュータにロードする例を示す図である。
【図8】登録されているユーザのセキュリティレベルに応じて、ジョブの集計機能を選択する画面を表示する処理を示すフローチャートである。
【図9】図8の処理で作成された機能選択画面において、「部門/ユーザ毎の集計機能」が選択された場合の、ユーザのセキュリティレベルに応じたジョブの集計処理を示すフローチャートである。
【図10】図9の処理における「部門/ユーザ毎の集計機能」の集計項目を設定する画面例を示す図である。
【図11】図9の処理における「部門/ユーザ毎の集計機能」の集計項目を設定する画面例を示す図である。
【図12】図9の処理における「部門/ユーザ毎の集計機能」の集計項目を設定する画面例を示す図である。
【図13】機能選択画面において「部門/ユーザ毎の集計機能」が選択された場合の、ユーザのセキュリティレベルに応じたジョブの集計処理を示すフローチャートである。
【図14】機能選択画面において「部門/ユーザ毎の集計機能」が選択された場合の、ユーザのセキュリティレベルに応じたジョブの集計処理を示すフローチャートである。
【図15】図13及び図14の処理における「部門/ユーザ毎の集計機能」の集計項目を設定する画面例を示す図である。
【図16】図15の集計項目の設定画面の整理ボタンを押下したときに表示されるダイアログを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0018】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るジョブ管理装置を備えたジョブアカウントシステムの構成図である。
【0019】
同図において、1010はジョブ管理装置としてのジョブアカウントサーバであり、1020はクライアントコンピュータである。1030はプリンタであり、印刷履歴を保持する機能(印刷履歴保持機能)を備えている。1040はMFP(Multi Function Pirnter)であり、プリンタ機能、コピー機能、スキャナ機能、印刷履歴保持機能を備えている。プリンタ1030及びMFP1040のより詳細な構成は、後述する図3で示す。
【0020】
ジョブアカウントサーバ1010、クライアントコンピュータ1020、プリンタ1030及びMFP1040は、ネットワークを介してそれぞれ他の装置と通信を行うことができる。プリンタ1030は、クライアントコンピュータ1020の通信部から受信したデータを印刷する。プリンタ1030はジョブ終了時点でそのジョブの総排紙ページ数をクライアントコンピュータ1020の通信部に返信する。プリンタ1030は印刷後にジョブ情報をプリンタ内の記憶装置に格納する。また、ジョブアカウントサーバ1010において、ジョブアカウントサーバアプリケーション1011は、プリンタ1030やMFP1040との間でプロトコルを定義し通信することで、プリンタ1030やMFP1040からジョブ履歴情報を取得し、DB(データベース)1012内にデータを保持する。プリンタ1030及びMFP1040はそれぞれ記憶装置を備え、この記憶装置にジョブ履歴情報を格納している。ジョブアカウントサーバ1010をWEBサーバとして機能させることにより、クライアントコンピュータ1020のブラウザからDB1012内に保持された印刷ジョブ履歴情報を参照することが可能である。またその際に、ジョブアカウントサーバ1010はプリンタ1030やMFP1040などの機器を特定した印刷履歴の集計、ジョブアカウントサーバ1010に登録されているユーザ毎の印刷履歴情報の集計、及び機器毎又はユーザ毎の集計をある一定の期間(1時間毎/1日毎/1週間毎/1ヵ月毎/3ヶ月毎/6ヶ月毎/1年毎など)について行うことが可能である。
【0021】
また、ジョブアカウントサーバ1010のCPUは、ユーザ毎にセキュリティレベルを「管理者」、「ユーザ(管理)」又は「ユーザ(一般)」に設定することができる。
【0022】
図2は、クライアントコンピュータ1020のハードウェア構成を示すブロック図であるが、ジョブアカウントサーバ1010も同様のハードウェア構成を有する。また、図3は、ジョブアカウントサーバ1010及びクライアントコンピュータ1020に含まれるソフトウェアモジュールの構成を示す図である。
【0023】
図2において、201はCPU(中央処理装置)であり、このコンピュータ装置全体の制御及び演算処理等を行うものである。202はROM、即ち読み出し専用メモリであり、システム起動プログラムの情報等の記憶領域である。203はRAM(ランダムアクセスメモリ)(記憶手段)であり、使用制限のないデータ記憶領域であり、図3のアプリケーション102、フック部103、GDI(GraphicsDevice Interface)104、プリンタドライバ105、送信部107及びジョブアカウントクライアント118などのソフトウェアモジュール並びに通信制御等のプログラム(オペレーティングシステムを含む)がHD206やROM202からロードされ、CPU201により実行される領域である。
【0024】
図2において、204はキーボード・マウス制御部(入力手段)であり、不図示のキーボードやマウスより入力データ(ユーザID及びパスワードを含む)を受け取りCPU201へ伝達する。205はCRT即ちディスプレイ制御部であり、不図示のディスプレイへの表示制御をする。206は、HD即ちハードディスクであり、プログラムおよびデータを記憶しておき、実行時に必要に応じて参照又はRAM203へロードする。このHD206は、FD即ちフロッピー(登録商標)ディスク装置、又はSRAM即ち不揮発性記憶装置等の外部記憶装置であってもよい。207は通信部であり、ネットワーク通信制御を行うものであり、図1で説明したようにネットワークに接続された他のコンピュータや周辺機器との通信が可能であり、図3の送信部107及びジョブログ送信部117により制御される。208は上述された構成要素間のデータの通路となるシステムバスである。
【0025】
図3に示すように、クライアントコンピュータ1020は、そのHD206に、アプリケーション102、フック部103、GDI(Graphics Device Interface)104、プリンタドライバ105、送信部107及びジョブアカウントクライアント118などのソフトウェアモジュールを備えており、さらにフック部103のフックログ111、プリンタドライバ105のドライバログ112、スプーラ106のAPIログ113及び送信部107の送信部ログ114を一つにまとめるジョブログマージ部116を備えている。ジョブアカウントクライアント118は、各種印刷処理に関するログを収集する。ジョブログマージ部116で一つにまとめられたジョブログはジョブログ送信部117からジョブアカウントサーバ1010のジョブログ受信部122に送信される。この際、ジョブアカウントクライアント118の一部であるジョブログ送信部117は、OSが提供する送信部を制御して、ジョブログ受信部128へログを送信するようにしてもよい。
【0026】
送信部107はプリンタ108〜110との間で排紙ページ数に関するログの通信を行う。また、プリンタ110は機器ログ115をジョブログ受信部122に送信する。図示していないが、プリンタ108,109はそれぞれ機器ログをジョブログ受信部122に送信する。
【0027】
ジョブアカウントサーバ1010は、そのHD206内に、ジョブログマージ部123、ジョブログ記録部124、ジョブログ受信部122、ジョブログ集計部125を記憶する。また、ジョブログ受信部122は、通信部207を制御する。ジョブログ受信部122は、ジョブログ送信部117から受信したジョブログとプリンタ108〜110から受信した機器ログをジョブログマージ部123に送信し、ジョブログマージ部123ではこれらのログを一つにまとめてジョブログ記録部124に送信し、ジョブログ記録部124はジョブログマージ部123から受信したログを記録すると共にジョブログ集計部125からの集計結果を記録する。ID発生部126はクライアントコンピュータを一意に識別するためのIDを発行する。ここでは、各桁がaからzの26通りの値をとりうる4桁の文字列をフック部103の要求に応じて、aaaa、aaab、・・・、zzzy、zzzzと順に変化させ、クライアントを一意に識別できるように発行する。
【0028】
フック部103は、クライアントコンピュータを一意に識別するためのIDを取得済であるか否かを判別し、取得していなければ、ID発生部126と通信し、当該IDをID発生部126から取得する。
【0029】
図4は、図1に示したプリンタ1030の構成を示すブロック図である。
【0030】
図4において、405はプリンタ1030全体を制御するコントローラ部である。コントローラの内部構成として、401はCPU即ち中央処理装置であり、このコントローラの制御および演算処理等を行うものである。402はROM即ち読み出し専用メモリであり、システム起動プログラムの情報等の記憶領域である。403はRAM即ちランダムアクセスメモリであり、使用制限のないデータ記憶領域であり、404はHD即ちハードディスクであるが、SRAMなどの不揮発性記憶装置であってもよい。
【0031】
RAM403はオペレーティングシステム、及び通信制御並びにエンジン制御等のプログラムがロードされ、実行される領域である。406はこの装置のエンジン部であり、コントローラ部405の制御のもとで印刷動作や画像読み取り動作をするものである。407は通信部であり、ネットワーク通信制御を行うものであり、図1で説明したようにクライアントコンピュータ1020やジョブアカウントサーバ1010との通信が可能である。408は、ユーザ操作入出力部であり、ユーザとの対話的な設定作業を行う。409は上述の構成要素間のデータの通路となるべきシステムバスである。
【0032】
図5は、図1に示したジョブアカウントサーバ1010のメモリマップの一例を表す図である。501は基本I/Oプログラムを示す。502はウインドウシステム等のオペレーティングシステムがRAM203にロードされ、実行可能となった状態のメモリマップを示す。503は本発明のプログラムがRAM203にロードされ、実行可能となった状態のメモリマップを示す。504は関連データがRAM203にロードされ実行可能となった状態のメモリマップを示す。505は各々のプログラムが使用するワークメモリのメモリマップを示す。
【0033】
図6は、ジョブアカウントプログラム及び関連データが格納されているFDのメモリマップを示す図である。ジョブアカウントプログラムとは、ジョブアカウントサーバ1010を制御するプログラムである。
【0034】
本発明のジョブアカウントプログラム及び関連データはフロッピー(登録商標)ディスク(FD)中に記録されている。フロッピー(登録商標)ディスク(FD)の記録領域600には、ボリューム情報601、ディレクトリ情報602、アプリケーション実行ファイル603及びジョブアカウントプログラム関連データファイル604が記録されている。なお、本実施の形態では、ジョブアカウントプログラム及び関連データをFDに格納したが、記憶媒体はCD−RやDVD等でもよく、さらに、コンピュータ(ジョブアカウントサーバ1010やクライアントコンピュータ1020)にネットワーク接続された外部サーバ装置内のHDD(不図示)でもよい。また、本発明のジョブアカウントプログラム(図3に示されたクライアントコンピュータ内及びジョブアカウントサーバ121内の各モジュール)は、ネットワークを介してダウンロードして導入されてもよい。
【0035】
図7は、FDに記録されたジョブアカウントプログラム及び関連データをコンピュータにロードする例を示す図である。
【0036】
フロッピー(登録商標)ディスク(FD)700に記録されたジョブアカウントプログラム及び関連データは、FDドライブ(DKC)701を介してジョブアカウントサーバ1010又はクライアントコンピュータ1020にロードすることができる。フロッピー(登録商標)ディスク(FD)700をFDドライブ(DKC)701にセットすると、オペレーティングシステム502及び基本I/Oプログラム501の制御のもとに、本ジョブアカウントプログラムを実現するためのプログラムモジュール等及び関連データがフロッピー(登録商標)ディスク(FD)700から読み出され、RAM203にロードされて使用可能となる。また、ジョブアカウントプログラムを実現するためのプログラムモジュール等とは、図1に記載された、クライアントコンピュータ1020内又はジョブアカウントサーバ1010内の各ソフトウェアモジュールに該当する。もちろん、記憶媒体はFDに限定されるものではなく、DVDやCD−ROM等を含むことは言うまでもない。
【0037】
次に、図1に示したジョブアカウントシステムにおいて、登録されているユーザのセキュリティレベル毎に使用可能な、ジョブの集計機能が異なる例を説明する。
【0038】
図8は、登録されているユーザのセキュリティレベルに応じて、ジョブの集計機能を選択する画面を表示する処理を示すフローチャートである。本処理は、主としてジョブアカウンタントサーバ1010のCPU201によって実行される。
【0039】
まず、クライアントコンピュータ1020のブラウザにて、ジョブアカウンタントサーバ1010上に構築されているジョブアカウントサーバアプリケーション1011のURLを指定すると、ユーザID及びパスワードの入力画面が該ブラウザに表示される(ステップS801)。
【0040】
次に、ジョブアカウントサーバアプリケーション1011に登録されているユーザID及びパスワードが入力されると(ステップS802)、ジョブアカウントサーバアプリケーション1011を実行するCPU201が、入力されたユーザID及びパスワードがDB1012に登録されているかどうかをDB1012に問い合わせる(ステップS803)。
【0041】
もし、DB1012に入力されたユーザID及びパスワードが登録されていない場合は、ログインエラー画面を表示し(ステップS804)、ステップS801に戻る。
【0042】
一方、DB1012に入力されたユーザID及びパスワードが登録されている場合は、CPU201は入力されたユーザIDをキーにして、DB1012からセキュリティレベル情報を参照し(ステップS805)、セキュリティレベルが「管理者」であるか否かを判別する(ステップS806)。セキュリティレベルが「管理者」の場合は、ジョブアカウントサーバアプリケーション1011内のCGIプログラムに従ってCPU201がすべてのジョブ集計機能を使用可能にするための画面データを作成する(ステップS807)。一方、セキュリティレベルが「管理者」でない場合には、セキュリティレベルが「ユーザ(管理)」であるか否かを判別する(ステップS808)。
【0043】
ステップS808において、セキュリティレベルが「ユーザ(管理)」の場合は、ジョブアカウントサーバアプリケーション1011内のCGIプログラムに従ってCPU201がユーザ(管理)用に一部のジョブ集計機能を限定するための画面データを作成する(ステップS809)。
【0044】
ステップS808において、セキュリティレベルが「ユーザ(管理)」でない場合は、ジョブアカウントサーバアプリケーション1011内のCGIプログラムに従ってCPU201が「ユーザ(一般)」用に多くのジョブ集計機能を限定するための画面データを作成する(ステップS810)。
【0045】
次に、ステップS807、ステップS809及びステップS810において、CGIプログラムに従って作成された画面データを元に、セキュリティレベル毎に異なる機能選択画面をクライアントコンピュータ1020のブラウザ上に表示する(ステップS811)。
【0046】
図9は、図8の処理で作成された機能選択画面において、「部門/ユーザ毎の集計機能」が選択された場合の、ユーザのセキュリティレベルに応じたジョブの集計処理を示すフローチャートである。本処理は、主としてジョブアカウンタントサーバ1010のCPU201によって実行される。
【0047】
まず、クライアントコンピュータ1020のブラウザ上に表示された機能選択画面から、集計機能が選択されたら(ステップS901)、CPU201はユーザIDをキーにして、DB1012からセキュリティレベルの情報を参照し(ステップS902)、セキュリティレベルが「管理者」であるか否かを判別する(ステップS903)。
【0048】
次に、ステップS903において、セキュリティレベルが「管理者」の場合は、ジョブアカウントサーバアプリケーション1011に従ってCPU201が管理者用の表示データを、DB1012を介して参照し(ステップS904)、後述するステップS908へ進む。
【0049】
ステップS903において、セキュリティレベルが「管理者」でない場合、セキュリティレベルが「ユーザ(管理)」であるか否かを判別し(ステップS905)、セキュリティレベルが「ユーザ(管理)」の場合は、ジョブアカウントサーバアプリケーション1011に従ってCPU201がユーザ(管理)用の表示データをDB1012を介して参照して(ステップS906)、後述するステップS908へ進む。一方、セキュリティレベルが「ユーザ(管理)」でない場合は、ジョブアカウントサーバアプリケーション1011に従ってCPU201がユーザ(一般)用の表示データをDB1012を介して参照する(ステップS907)。
【0050】
次に、前記ステップS904、ステップS906及びステップS907でそれぞれ参照された表示データを元に、ジョブアカウントサーバアプリケーション1011内のGUIプログラムに従ってCPU201が集計の対象として選択可能な部門/ユーザの情報を表示する(ステップS908)。次いで、ユーザにより集計項目、即ち集計方法(用紙枚数による集計か、用紙単価を金額に換算した金額集計か)、集計期間、集計する印刷ジョブのタイプ(すべて/プリント/コピー/FAX受信/スキャン)、及び印刷ジョブが白黒かカラーか白黒とカラーの両方かが選択され(ステップS909)、集計開始ボタンが押下されると(ステップS910)、該集計項目に従い、ジョブアカウントサーバアプリケーション1011を介して、DB1012の印刷ジョブ情報を参照する(ステップS911)。
【0051】
次に、CPU201は参照結果をジョブアカウントサーバアプリケーション1011に渡し、表示用データに加工して(ステップS912)、表示用データをクライアントコンピュータ1020のブラウザ上に表示する(ステップS913)。
【0052】
図10、図11及び図12は、図9の処理における「部門/ユーザ毎の集計機能」の集計項目を設定する画面例を示す図である。
【0053】
図10は、セキュリティレベル「ユーザ(一般)」の「総務課・山田」がログインし、「部門/ユーザ毎の集計機能」の集計項目を設定する画面例を示している。同図に示す画面の左側では、集計条件(集計方法/集計期間/印刷ジョブのタイプ)の指定が可能である。また画面の右側では、集計対象となる部門およびユーザの指定が可能である。この例では、セキュリティレベルが「ユーザ(一般)」であることから、ユーザ「総務課・山田」は自分自身の印刷ジョブ情報の集計のみが可能であることを示している。
【0054】
図11は、セキュリティレベル「ユーザ(管理)」の「総務課」がログインし、「部門/ユーザ毎の集計機能」の集計項目を設定する画面例を示している。図9と同様に、画面の左側では、集計条件(集計方法/集計期間/印刷ジョブのタイプ)の指定が可能である。画面の右側では、集計対象となる部門およびユーザの指定が可能である。この例では、セキュリティレベルが「ユーザ(管理)」であることから、ユーザ「総務課」は総務課全体の印刷ジョブ情報の集計及び総務課に所属する個々の課員の印刷ジョブ集計が可能であることを示している。
【0055】
図12は、セキュリティレベル「管理者」のユーザがログインし、「部門/ユーザ毎の集計機能」の集計項目を設定する画面例を示している。この例では、セキュリティレベルが「管理者」であることから、全ての部門およびユーザの印刷ジョブ情報の集計が可能であることを示している。
【0056】
上述したように、本実施の形態によれば、入力されたユーザIDに基づいて、ユーザのセキュリティレベルが参照され、その参照結果に基づいてジョブ情報に対する集計項目が変更される、即ちユーザ毎に集計できるジョブ情報が制限されるので、機密的な情報を含むジョブ情報が第三者に知られることがなくなり、より高いセキュリティ機能を確保することができる。
【0057】
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態は、第1の実施の形態と、ユーザによって選択された集計項目を記憶する点で異なる。ジョブアカウントシステムの構成は第1の実施の形態と同様であるので、その説明は省略する。
【0058】
図10、図11及び図12に示した「部門/ユーザ毎の集計機能」の集計項目を設定する画面例においては、図9のフローチャートで示したように、集計処理を行う毎に、集計項目を設定する必要があるため、より集計項目の設定の利便性を向上させる処理を以下説明する。
【0059】
図13及び図14は、機能選択画面において「部門/ユーザ毎の集計機能」が選択された場合の、ユーザのセキュリティレベルに応じたジョブの集計処理を示すフローチャートであり、図9のフローチャートと主として異なる点は、ユーザによって選択された集計項目を記憶する処理である。この処理により、度々使用する集計項目については、その内容を保存でき、将来的にまた同じ集計項目で集計したいときに簡単にその項目を呼び出せるようになる。図13及び図14のフローチャートでは、図9のフローチャートと異なる処理のみ説明し、同一の処理については、図9と同一の番号を付し、その説明を省略する。
【0060】
まず、ステップS908の次に、過去に設定した集計項目を選択するか否かを判別する(ステップS1301)。過去に設定した集計項目を選択する場合は、過去に設定された項目(群)の一覧から所望の内容を選択し(ステップS1302)、ステップS910に進む。ステップS1301において、過去に設定した集計項目を選択しない場合は、ステップS909に進む。
【0061】
ステップS913において、表示用データをクライアントコンピュータ1020のブラウザ上に表示した後、集計に使用した集計項目を保存するか否か判別する(ステップS1303)。集計項目を保存する場合は、該集計項目に名前を付加して、DB1012に登録する(ステップS1304)。こうすることにより、集計項目は、ジョブアカウントサーバアプリケーション1011を介して、DB1012に保存され、次回同様の集計を行うときには、該付加した名前を選択するのみで集計結果が得られる。
【0062】
セキュリティレベルが「管理者」である場合は、保存される集計項目の集計結果に対し、セキュリティレベルの変更(「ユーザ(管理)」及び「ユーザ(一般)」のユーザに対してこの項目の選択を可能とするように変更が可能)を行うことが可能である。同様にセキュリティレベルが「ユーザ(管理)」の場合は、「ユーザ(一般)」のユーザに対してのみ、セキュリティレベルの変更を可能とする。この際の画面のイメージを示したものが図15及び図16である。図15の画面左下の部分に「集計条件の選択/保存」があり、設定されている集計条件を選択することにより、以前に保存された集計項目が呼び出され、OKボタンを押下することにより、その集計項目による集計が実行される。また、集計項目設定後に追加ボタンを押下することにより、集計項目の保存が可能である。また、整理のボタンを押すことにより、図16に示すダイアログが表示される。保存された名称の変更、保存された項目の削除ならびにセキュリティレベルの変更を行うことが可能である。
【0063】
上述したように、本実施の形態によれば、ジョブ情報の複数の集計項目を1つの集計項目名を付して保存し、該保存された集計項目名を選択できるので、使用頻度の高い複数の集計項目の再設定を1つの集計項目名の選択により実行でき、集計項目の設定の利便性を向上することができる。
【0064】
上記の実施の形態における各図(図8、図9、図13、図14等)に示すフローチャートに示す処理及び図3に示す各モジュールが、外部からインストールされるプログラムによって、各コンピュータにより遂行される。そして、その場合、CD−ROMやフラッシュメモリやFD等の記憶媒体又はネットワークを介して外部の記憶媒体からプログラムを含む情報群がクライアントコンピュータに供給される場合でも本発明は適用されるものである。
【0065】
以上のように、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システムあるいは装置に供給し、又は、外部サーバ(図示省略)から上述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードをダウンロードすることで、そのシステム又は装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)がプログラムコードを読出し実行することによっても、本発明の目的が達成されることは言うまでもない。
【0066】
この場合、記憶媒体から読み出されたジョブアカウントサーバやジョブアカウントクライアントプログラム等のプログラムコード自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、DVD、CD−ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、EEPROM等を用いることができる。
【0067】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0068】
さらに、外部の所定のサーバ装置(図示省略)からネットワークを介して送信された、又は記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0069】
201 CPU
202 ROM
203 RAM
204 キーボード制御部
205 CRT部
206 HD(ハードディスク)
207 通信部
208 システムバス
1010 ジョブアカウントサーバ
1011 ジョブアカウントサーバアプリケーション
1012 データベース(DB)
1020 クライアントコンピュータ
1030 プリンタ
1040 MFP(Multi Function Pirnter)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷装置から収集した印刷履歴情報を集計するジョブ管理装置において、
ユーザIDを入力する入力手段と、
前記印刷履歴情報の集計条件を設定するための複数の設定項目において設定された複数の集計項目情報に1つの集計項目名をつけ、当該集計項目名と前記入力手段により入力されたユーザIDに基づいて特定されるユーザとを対応付けて記憶する記憶手段と、
前記入力手段により入力されたユーザIDに基づいて特定されるユーザに対応付けて前記記憶手段に記憶されている複数の集計項目名の何れかが選ばれ、当該選ばれた集計項目名の複数の集計項目情報を集計条件として呼び出し、当該集計条件のもとで前記印刷履歴情報の集計を行う集計手段とを有し、
前記集計手段は、前記ユーザにより集計対象として前記ジョブ管理装置で管理されるユーザ単位、または複数ユーザ単位での集計が設定され、当該集計対象に関して前記印刷履歴情報の集計を行うことを特徴とするジョブ管理装置。
【請求項2】
ユーザに前記設定項目を設定させる設定項目領域と前記集計対象を設定させる集計対象領域とを含む集計画面を表示する表示手段をさらに有し、
前記表示手段により表示される集計画面に含まれる集計対象領域では、ユーザに依存して集計対象の表示が変更されることを特徴とする請求項1に記載のジョブ管理装置。
【請求項3】
前記印刷履歴情報の集計条件として用紙を集計するか金額を集計するかを設定するための設定項目と集計期間を設定するための設定項目とが含まれることを特徴とする請求項1または2に記載のジョブ管理装置。
【請求項4】
前記記憶手段に記憶された集計項目名と対応付けられるユーザを変更するための画面を表示して、当該対応付けの変更を受け付ける変更手段をさらに有することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載のジョブ管理装置。
【請求項5】
前記変更手段による変更を指示するユーザの権限に応じて、該変更により集計項目名と対応付けることができるユーザが異なることを特徴とする請求項4に記載のジョブ管理装置。
【請求項6】
印刷装置から収集した印刷履歴情報を集計するジョブ管理装置のジョブ管理方法において、
ユーザIDを入力する入力ステップと、
前記印刷履歴情報の集計条件を設定するための複数の設定項目において設定された複数の集計項目情報に1つの集計項目名をつけ、当該集計項目名と前記入力ステップにより入力されたユーザIDに基づいて特定されるユーザとを対応付けて記憶手段に記憶する記憶ステップと、
前記入力ステップにより入力されたユーザIDに基づいて特定されるユーザに対応付けて前記記憶手段に記憶されている複数の集計項目名の何れかが選ばれ、当該選ばれた集計項目名の複数の集計項目情報を集計条件として呼び出し、当該集計条件のもとで前記印刷履歴情報の集計を行う集計ステップとを有し、
前記集計ステップは、前記ユーザにより集計対象として前記ジョブ管理装置で管理されるユーザ単位、または複数ユーザ単位での集計が設定され、当該集計対象に関して前記印刷履歴情報の集計を行うことを特徴とするジョブ管理方法。
【請求項7】
印刷装置から収集した印刷履歴情報を集計するジョブ管理装置に組み込まれるジョブ管理用プログラムにおいて、
ユーザIDを入力する入力ステップと、
前記印刷履歴情報の集計条件を設定するための複数の設定項目において設定された複数の集計項目情報に1つの集計項目名をつけ、当該集計項目名と前記入力手段により入力されたユーザIDに基づいて特定されるユーザとを対応付けて記憶手段に記憶する記憶ステップと、
前記入力ステップにより入力されたユーザIDに基づいて特定されるユーザに対応付けて前記記憶手段に記憶されている複数の集計項目名の何れかが選ばれ、当該選ばれた集計項目名の複数の集計項目情報を集計条件として呼び出し、当該集計条件のもとで前記印刷履歴情報の集計を行う集計ステップとを有し、
前記集計ステップは、前記ユーザにより集計対象として前記ジョブ管理装置で管理されるユーザ単位、または複数ユーザ単位での集計が設定され、当該集計対象に関して前記印刷履歴情報の集計を行うことを特徴とするジョブ管理用プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2010−20807(P2010−20807A)
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−247532(P2009−247532)
【出願日】平成21年10月28日(2009.10.28)
【分割の表示】特願2003−391117(P2003−391117)の分割
【原出願日】平成15年11月20日(2003.11.20)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】