説明

スイッチアダプタ及びこのスイッチアダプタを用いた照明制御システム

【課題】電気工事を行う必要がなく、既設の壁スイッチに簡単に装着でき、且つリモコンにより壁スイッチの電力の供給のオン操作又はオフ操作を遠隔制御することのできるスイッチアダプタ及びこのスイッチアダプタを用いた照明制御システムを提供する。
【解決手段】本発明のスイッチアダプタ2は、照明器具の電力をオン状態又はオフ状態に切り換えるための壁スイッチ5に着脱自在に取付可能な本体部12と、この本体部12内に設けられ、リモコン4からの制御信号を受信する受信アンテナ7及び無線通信部8と、電源部9からの電力が供給され、壁スイッチ5のスイッチ部6に接触又は非接触可能に本体部12内部に設けられ、スイッチ部6に接触するように駆動することで壁スイッチ5をオン状態又はオフ状態となるように操作する壁スイッチ操作部10と、無線通信部8により受信した制御信号に基づき、壁スイッチ操作部10を駆動制御する制御部11とを有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明器具をオン又はオフ状態に切り換える壁スイッチに、着脱自在に取り付けられリモコンからの無線信号を受信し、壁スイッチを操作するスイッチアダプタ及びこのスイッチアダプタを用いた照明制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、住宅用照明器具においては、リモコンからの無線信号により遠隔制御可能な照明器具が普及している。
【0003】
このような照明器具は、リモコンからの無線信号により、明るさ及び点灯又は消灯等の遠隔制御が可能である。また、前記照明器具は、一般に、この照明器具が施工された室内の壁等に設けられた壁スイッチによって、電力供給のオン操作又はオフ操作がなされて照明器具を点灯状態又は消灯状態に切り換えている。
【0004】
このようなリモコンを有する照明器具に関する従来の関連技術としては、例えば、特許文献1に記載のものがある。
特許文献1には、リモコン機能を搭載しない既設の照明器具でも、電気工事することなくリモコンによる遠隔操作を可能にするために、照明器具と、この照明器具に屋内配線からの電力を供給するための引掛シーリング部材との間に設置され、リモコンからの制御信号に基づき前記照明器具への電力供給をオン操作又はオフ操作するスイッチ部を有する照明器機器コネクタに関する技術が開示されている。
【0005】
また、前記特許文献1の他に、リモコン機能を搭載しない既設の照明器具でもリモコンによる遠隔操作を可能にするための別の手段が前記特許文献2によって提案されている。
【0006】
この特許文献2には、既設の壁スイッチに代えて取り付けるだけで、既設の照明器具をリモコンによって遠隔操作が可能となるワイヤレススイッチに関する技術が開示されている。
【特許文献1】特開2007ー122993号公報
【特許文献2】特開平11ー016683号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
リモコンからの無線信号により遠隔制御可能の従来の照明器具では、使用者が壁スイッチを操作することなく、リモコンによる遠隔制御によって壁スイッチにおける電力の供給のオン又はオフを切り換えて、使い勝手を向上させることが望まれている。
【0008】
しかしながら、前記特許文献1に記載の従来技術では、前記スイッチ部を設けたことで、リモコン機能のない既設の照明器具に対してリモコンによる遠隔制御によって電力供給のオン又はオフ操作することができるが、このリモコンは前記スイッチ部を介して前記照明器具に対して遠隔制御を行うものであって、前記壁スイッチとはなんら電気的に接続されてないことから、このリモコンで前記壁スイッチによる電力の供給をオン又はオフ操作することができない。つまり、この壁スイッチがオフ状態である場合には、リモコンによってスイッチ部を介して照明器具の遠隔制御を行うことができないといった不都合があった。
【0009】
また、前記特許文献1に記載の従来技術では、前記壁スイッチを前記ワイヤレススイッチに交換すれば、前記不都合を解消することはできるが、前記ワイヤレススイッチを交換するためには電気工事を行う必要があるといった不都合があった。
【0010】
そこで、本発明は前記問題点に鑑みてなされたもので、電気工事を行う必要がなく、既設の壁スイッチに簡単に装着でき、且つリモコンにより壁スイッチの電力の供給のオン操作又はオフ操作を遠隔制御することのできるスイッチアダプタ及びこのスイッチアダプタを用いた照明制御システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1の発明のスイッチアダプタは、照明器具の電力をオン状態又はオフ状態に切り換えるための壁スイッチに着脱自在に取付可能な本体部と;前記本体部内に設けられるともに電源部からの電力が供給され、リモコンからの制御信号を受信する受信部と;前記電源部からの電力が供給されるとともに、前記壁スイッチに対向配置され且つ前記壁スイッチに接触又は非接触可能に前記本体部内部に設けられ、前記壁スイッチに接触するように駆動することで前記壁スイッチをオン状態又はオフ状態となるように操作する壁スイッチ操作部と;前記受信部により受信した制御信号に基づき、前記壁スイッチ操作部を駆動制御する制御部と;を具備している。
【0012】
請求項2の発明のスイッチアダプタは、請求項1に記載のスイッチアダプタにおいて、前記スイッチ操作部は、前記壁スイッチと接触する接触面が円弧状に形成された係合部と、この係合部を回動可能に取り付けて回動させるように駆動する駆動部とを有し、前記係合部は、前記駆動部により回動されることによって前記壁スイッチに接触又は非接触が可能であることを特徴とする。
【0013】
請求項3の発明の照明制御システムは、照明器具と;前記照明器具の電力をオン状態又はオフ状態に切り換えるための壁スイッチと;前記壁スイッチに着脱自在に取付可能な本体部と、前記本体部内に設けられるともに電源部からの電力が供給され、リモコンからの制御信号を受信する受信部と、前記電源部からの電力が供給されるとともに、前記壁スイッチに対向配置され且つ前記壁スイッチに接触又は非接触可能に前記本体部内部に設けられ、前記壁スイッチに接触するように駆動することで前記壁スイッチをオン状態又はオフ状態となるように操作する壁スイッチ操作部と、前記受信部により受信した制御信号に基づき、前記壁スイッチ操作部を駆動制御する制御部とを有するスイッチアダプタと;を具備している。
【0014】
尚、請求項1から請求項3の発明において、前記電源部は、バッテリィや電池等のスイッチアダプタ内部に設けられたものが望ましいが、これに限定されることはなく、スイッチアダプタの外部に配置された外部電源から電力の供給を行っても良い。例えばACコンセントコードを用いて屋内配線に接続されたACコンセントを介してスイッチアダプタの電力供給を行っても良い。
【0015】
また、壁スイッチとしては、押圧することでオン又はオフ操作可能であれば、どのような構成であっても良い。尚、「壁スイッチに接触する」とは、オン又はオフ操作が可能であれば、壁スイッチのどの部位に接触しても良いという意味を含む。
【発明の効果】
【0016】
請求項1の発明によれば、電気工事を行う必要がなく、既設の壁スイッチに簡単に装着でき、且つリモコンにより壁スイッチの電力の供給のオン操作又はオフ操作を遠隔制御することのできるスイッチアダプタを提供することができる。
【0017】
請求項2の発明によれば、請求項1の発明と同様の効果が得られる他に、前記係合部を駆動部により回動されることによって前記スイッチに接触又は非接触が可能となるように構成しているため、リモコン操作で物理的に壁スイッチのオン操作又はオフ操作を行うことができる。
【0018】
請求項3の発明によれば、請求項1及び請求項2の発明のスイッチアダプタを用いて照明制御システムを構成しているので、簡単な構成のため、システム全体のコストを安価にでき、また、施工工程も簡素化できる。さらに、使用者にとっても大変使い勝手の良い照明制御システムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0020】
(一実施の形態)
図1から図6は本発明の一実施の形態に係り、図1は一実施の形態のスイッチアダプタを有する照明制御システムの全体構成を示す構成図、図2は図1のスイッチアダプタ内の壁スイッチ操作部の構成を説明するためスイッチアダプタを上から見た場合の断面図、図3及び図4は図1のアダプタスイッチを壁スイッチに取り付ける際の取付方法を説明するための説明図で、図3は既設の壁スイッチからスイッチカバーを取り外す工程を示し、図4はスイッチカバーを取り外した壁スイッチの固定枠にスイッチアダプタを取り付ける工程を示している。また、図5及び図6は図2の壁スイッチ操作部によるスイッチ動作を説明するための説明図で、図5はリモコンにより壁スイッチをオン操作した場合の壁スイッチ操作部の動作状態を示し、図6はリモコンにより壁スイッチをオフ操作した場合の壁スイッチ操作部の動作状態を示している。
【0021】
図1に示すように、本実施の形態の照明制御システム1は、本発明が適用されるスイッチアダプタ2と、リモコン4からの制御信号に基づき遠隔操作可能な照明器具3と、前記照明器具3及び前記スイッチアダプタ2を遠隔操作可能なリモコン4と、前記照明器具3の電力をオン状態又はオフ状態に切り換えるための壁スイッチ5とを有して構成されている。
【0022】
照明器具3は、屋内の例えば天井面50に配設される。この照明器具3は、リモコン4からの制御信号に基づき遠隔操作される。但し、照明器具3は、リモコン4の無線信号を受信しない構成であっても良い。
リモコン4は、図示はしないが、照明器具3専用の第1の操作ボタンと、スイッチアダプタ2専用の第2の操作ボタンとを有している。そして、リモコン4は、図示しない第1の操作ボタンを適宜操作することにより、照明器具3の明るさ及び点灯又は消灯等の遠隔制御を行う。また、リモコン4は、図示しない第2の操作ボタンを適宜操作することにより、壁スイッチ5の電力供給のオン操作又はオフ操作を物理的に行うように遠隔制御可能である。
【0023】
また、壁スイッチ5は、屋内の壁51に配設されている。この壁スイッチ5は、図示はしないが屋内配線と照明器具3とに有線を介して電気的に接続されるスイッチ部6を有している。
【0024】
そして、この壁スイッチ5は、スイッチ部6を左右どちらかに押下することで、屋内配線からの電力の供給のオン操作又はオフ操作がなされて、照明器具3を点灯状態又は消灯状態に切り換えることが可能である。
【0025】
次に、スイッチアダプタ2の具体的な構成について、図1及び図2を参照しながら説明する。
図1に示すように、スイッチアダプタ2は、壁スイッチ5に着脱自在に取付可能な本体部12と、この本体部12に取り付けられ、リモコン4からの制御信号を受信する受信アンテナ7と、本体部12内に設けられるともに電源部9からの電力が供給され、受信アンテナ7により受信した制御信号を取り込む無線通信部8と、スイッチアダプタ2の駆動電源である電源部9と、この電源部9からの電力が供給されるとともに、壁スイッチ5のスイッチ部6に接触するように駆動することで壁スイッチ5のスイッチ部6をオン状態又はオフ状態となるように操作する壁スイッチ操作部10と、無線通信部8により受信した制御信号に基づき、壁スイッチ操作部10を駆動制御する制御部11とを有して構成されている。
【0026】
尚、前記受信アンテナ7及び前記無線通信部8は、前記受信部8aを構成しており、受信アンテナ7は無線通信部8と一体又は別体として、本体部12の内部に収容される構成でも良い。また、前記壁スイッチ操作部10は、前記スイッチ操作部を構成している。
【0027】
電源部9は、例えば充電可能なバッテリィや電池等で構成され、スイッチアダプタ2全体を駆動するのに必要な電力を備えている。そして、電源部9は、電力を、無線通信部8、壁スイッチ操作部10及び制御部11に供給する。
【0028】
尚、電源部9は、バッテリィや電池等のスイッチアダプタ内部に設けられたものに限定されることはなく、スイッチアダプタ2の外部に配置された外部電源から電力の供給を行っても良い。例えばACコンセントコードを用いて屋内配線に接続されたACコンセントを介してスイッチアダプタ2の電力供給を行っても良い。
【0029】
無線通信部8は、受信アンテナ7により受信した制御信号を取り込み処理して制御部11に送信する。
【0030】
制御部11は、無線通信部8から送信された制御信号に基づく制御パルス信号を生成すると同時に、この生成した制御パルス信号に基づき、壁スイッチ操作部10を駆動制御する。
【0031】
ここで、壁スイッチ操作部10の具体的な構成を、図2を参照しながら説明する。
図2に示すように、壁スイッチ操作部10は、電源部9(図示しない)からの電力が供給されるとともに、壁スイッチ5のスイッチ部6に対向配置され且つスイッチ部6に接触又は非接触可能に本体部12内部に設けられ、スイッチ部6に接触するように駆動することで壁スイッチ5をオン状態又はオフ状態となるように操作する。
【0032】
具体的には、壁スイッチ操作部10は、壁スイッチ5のスイッチ部6と接触する接触面18が円弧状に形成された係合部17を有する回動部材15と、この回動部材15を回動可能に取り付けて回動させるように駆動する駆動部14とを有し、この回動部材15の係合部17は、駆動部14により回動されることによってスイッチ部6に接触又は非接触が可能となるように構成されている。
【0033】
駆動部14としては、例えば制御パルス信号のパルス幅で動作角の変更が可能なRCサーボモータが用いられている。このRCサーボモータ14は、例えば図2に示すように、動作角が0゜から150゜までの範囲内で変更が可能な特性を有している。勿論、RCサーボモータ14は、このような特性に限定されるものではなく、前記係合部17の接触によりスイッチ部6をオン状態又はオフ状態にさせるものであればいずれの特性のものでも良い。
【0034】
RCサーボモータ14は、本体部12内の所定箇所に配設される。そして、RCサーボモータ14の駆動軸14aには、回動部材15の係合部17を回動させるための回動軸16が軸支されている。つまり、回動部材15は、回動軸16と係合部17とが一体的に構成され、係合部17が回動軸16の基端側に設けられた構成となっている。
【0035】
係合部17は、壁スイッチ5のスイッチ部6と接触する接触面18が円弧状に形成されている。また、係合部17の接触面18の一方(図2中下側部分)には、壁スイッチ5のスイッチ部6がオン状態となる際に接触する第1の接触部18aが設けられている。また、係合部17の接触面18の他方(図2中上側部分)には、壁スイッチ5のスイッチ部6がオフ状態となる際に接触する第2の接触部18bが設けられている。
【0036】
尚、係合部17の接触面18は、前記第1、第2の接触部18a、18bを含めて全体が円弧状に形成されているので、回動部材15が回動する場合に、円滑にスイッチ部6と接触しながら摺動することが可能となる。但し、両端に滑らかな曲線状の接触部を有していれば、係合部17全体の形状は特に限定しなくても良い。
【0037】
また、回動部材15及び係合部17は、例えば樹脂部材又は金属部材で構成されているが、前記スイッチ部6と接触してオフ状態又はオン状態にすることが可能であれば、それ以外の部材を用いて構成しても良い。
【0038】
さらに、前記回動部材15は、回動軸16の基端部がRCサーボモータ14の駆動軸14aに軸支されているが、回動軸16の長さを変更できるような、回動軸16を駆動軸14aに固定する軸支固定手段を設けても良い。
この場合、このような軸支固定手段を設けて回動軸16の長さ、すなわち、駆動軸14aと係合部17との長さを変更可能とすることで、壁スイッチ5のスイッチ部6と係合部17の接触面18との最適な接触圧が得られるように調整することが可能となる。そのため、係合部17による接触摺動動作が円滑となる他に、確実にスイッチ部6を操作することが可能となる。
【0039】
次に、このようなスイッチアダプタ2の壁スイッチ5への取付方法を、図3及び図4を参照しながら説明する。
通常、既設の壁スイッチ5には、スイッチ部6を挿通させるための開口5Bを有するスイッチカバ5Aが取り付けられている。そのため、作業者は、スイッチアダプタ2を壁スイッチ5に取り付ける前に、図3に示すように、スイッチカバ5Aを取り外す。
【0040】
すると、スイッチカバ5Aを取り外すと、壁スイッチ5は、図3に示すように、壁51の取付孔内に取り付けられた固定枠5a及びスイッチ部6が露出することになる。
【0041】
この場合、壁スイッチ5の固定枠5aは、壁51の取付孔内に嵌装して固定されている。
【0042】
そして、この固定枠5aの上下部分には、固定部20のネジ孔20a(図4参照)が設けられており、これらのネジ孔20aにネジ21を螺合することによってスイッチ部6を有する本体部分を固定枠5aに固定されるようになっている。
【0043】
その後、作業者は、前記したようにスイッチ部6の本体部分を固定してるネジ21をそれぞれ外した後、スイッチアダプタ2の本体部12を、図4に示すように固定枠5a上に重ねるように配置する。
【0044】
このスイッチアダプタ2の本体部12には、図4に示すように、前記固定枠5aの固定部20の位置に対応するように固定部22がそれぞれ形成されている。また、これらの固定部22には、ネジ21を螺合するためのネジ孔22aがそれぞれ設けられている。
【0045】
そして、作業者は、外したネジ21を、固定部22のネジ孔22a、スイッチ部6の固定部20のネジ孔20aを介して螺合する。ネジ21による螺合は、それぞれ上下の固定部22のネジ孔22aとそれぞれの固定部20のネジ孔20aとに対して行う。
【0046】
これにより、壁スイッチ操作部10が壁スイッチ5のスイッチ部6に対向配置され且つスイッチ部6に接触又は非接触可能となるように、スイッチアダプタを固定枠5aに固定することが可能となる。
【0047】
すなわち、新たに固定部材等を用いずとも、既存のネジ21、固定枠5a及び固定部20を用いることで、コストもかからず、スイッチアダプタ2を簡単に壁スイッチ5に取り付けることが可能となる。勿論、電気工事も必要としない。
【0048】
次に、このようなスイッチアダプタ2の作用を図5及び図6を参照しながら説明する。
【0049】
尚、壁スイッチ5のスイッチ部6は、図2に示すように電力供給がオフ状態になっているものとする。
【0050】
いま、使用者は、リモコン4の図示しない第2の操作ボタンを操作して、壁スイッチ5の電力供給のオン操作を行うように遠隔制御するものとする。
【0051】
すると、リモコン4は、壁スイッチ5の電力供給のオン操作を示す制御信号をスイッチアダプタ2に対して送信する。
【0052】
そして、この制御信号は、スイッチアダプタ2の受信アンテナを介して無線通信部8により受信される。この無線通信部8は、受信アンテナ7により受信した制御信号を取り込み処理して制御部11に送信する。
【0053】
制御部11は、無線通信部8から送信された制御信号に基づく制御パルス信号を生成すると同時に、この生成した制御パルス信号に基づき、壁スイッチ操作部10を駆動制御する。
【0054】
この場合、壁スイッチ操作部10のRCサーボモータ14は、制御パルス信号に基づき、回動部材15が図2中に示す0゜から図2中の矢印A方向に回動するように駆動される。
【0055】
すると、回動部材15の係合部17は、図2に示すように、第1の接触部18a近傍がスイッチ部6の操作面(上面)に接触する。このときの回動部材15の動作角(RCサーボモータ14の動作角)は、例えば60゜であり、第1の接触部18aのスイッチ部6に対する接触圧は、F1となる。
【0056】
引き続き、制御部11は、制御パルス信号に基づき、RCサーボモータ14を駆動制御する。すると、回動部材15の図2中の矢印A方向への回動に伴い、係合部17は、図3に示す接触状態からさらにスイッチ部6の操作面(上面)を接触しながら摺動し、図3中に示す150゜の動作角まで回動する。
【0057】
この場合、係合部17の接触面18は、円弧形状に形成されているので、スイッチ部6の操作面(上面)上の摺動動作が円滑であり、また、スイッチ部6に対する接触圧も小さいものとなる。
【0058】
したがって、回動部材15が図3に示す動作角60゜から150゜まで回動することにより、係合部17は、第1の接触部18aを介して接触面18による接触圧により、スイッチ部6のオン操作部6aを押し下げることになる。
【0059】
その結果、壁スイッチ5のスイッチ部6を、スイッチアダプタ2により物理的にオン状態に操作することができ、照明器具3に対する電力の供給がオン状態となる。
【0060】
次に、壁スイッチ5のスイッチ部6のオフ操作時の作用について説明する。
いま、使用者は、リモコン4の図示しない第1の操作ボタンを操作して、壁スイッチ5の電力供給のオフ操作を行うように遠隔制御するものとする。
【0061】
すると、リモコン4は、壁スイッチ5の電力供給のオフ操作を示す制御信号をスイッチアダプタ2に対して送信する。
【0062】
そして、この制御信号は、スイッチアダプタ2の受信アンテナを介して無線通信部8により受信される。この無線通信部8は、受信アンテナ7により受信した制御信号を取り込み処理して制御部11に送信する。
【0063】
制御部11は、無線通信部8から送信された制御信号に基づく制御パルス信号を生成すると同時に、この生成した制御パルス信号に基づき、壁スイッチ操作部10を駆動制御する。
【0064】
この場合、壁スイッチ操作部10のRCサーボモータ14は、制御パルス信号に基づき、回動部材15が図4中に示す150゜から図4中の矢印B方向に回動するように駆動される。
【0065】
すると、回動部材15の係合部17は、図4に示すように、第2の接触部18b近傍がスイッチ部6の操作面(上面)に接触する。このときの回動部材15の動作角(RCサーボモータ14の動作角)は、例えば90゜であり、第2の接触部18bのスイッチ部6に対する接触圧は、F2となる。
【0066】
引き続き、制御部11は、制御パルス信号に基づき、RCサーボモータ14を駆動制御する。すると、回動部材15の図4中の矢印B方向への回動に伴い、係合部17は、図4に示す接触状態からさらにスイッチ部6の操作面(上面)を接触しながら摺動し、図4中に示す0゜の動作角まで回動する。
【0067】
この場合、係合部17の接触面18は、円弧形状に形成されているので、前記オン操作時と同様に、スイッチ部6の操作面(上面)上の摺動動作が円滑であり、また、スイッチ部6に対する接触圧も小さいものとなる。
【0068】
したがって、回動部材15が図4に示す動作角90゜から0゜まで回動することにより、係合部17は、第2の接触部18aを介して接触面18による接触圧により、スイッチ部6のオフ操作部6bを押し下げることになる。
【0069】
その結果、壁スイッチ5のスイッチ部6を、スイッチアダプタ2により物理的にオフ状態に操作することができ、照明器具3に対する電力の供給がオフ状態となる。
【0070】
尚、回動部材15を回動させるRCサーボモータ14は、その動作角が制御パルス信号のパルス幅で決定される。そのため、制御部11によって、その制御パルス信号のパルス幅を適宜調整すれば、回動部材の動作角を自在に制御することも可能である。
【0071】
また、RCサーボモータ14は、係合部17の接触面18のスイッチ部6の操作面(上面)における接触圧(接触圧F1、F2も含む)があっても、回動部材15の係合部17が十分摺動可能なトルクを有していることが望ましい。
【0072】
従って、本実施の形態によれば、電気工事を行う必要がなく、既設の壁スイッチ5に簡単に装着でき、且つリモコン4により壁スイッチ5の電力の供給のオン操作又はオフ操作を遠隔制御することのできるスイッチアダプタ2及びこのスイッチアダプタ2を有する照明制御システムを提供することができる。
【0073】
以上の実施の形態に記載した発明は、その実施の形態に限ることなく、その他、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々の変形を実施し得ることが可能である。さらに、前記実施の形態には、種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組合せにより種々の発明が抽出され得る。
【0074】
例えば、実施の形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明の一実施の形態のスイッチアダプタを有する照明制御システムの全体構成を示す構成図。
【図2】図1のスイッチアダプタ内の壁スイッチ操作部の構成を説明するためスイッチアダプタを上から見た場合の断面図。
【図3】アダプタスイッチを壁スイッチに取り付ける際の取付方法を説明するもので、既設の壁スイッチからスイッチカバーを取り外す工程を示す説明図。
【図4】アダプタスイッチを壁スイッチに取り付ける際の取付方法を説明するもので、スイッチカバーを取り外した壁スイッチの固定枠にスイッチアダプタを取り付ける工程を示す説明図。
【図5】壁スイッチ操作部によるスイッチ動作を説明するもので、リモコンにより壁スイッチをオン操作した場合の壁スイッチ操作部の動作状態を示す説明図。
【図6】壁スイッチ操作部によるスイッチ動作を説明するもので、リモコンにより壁スイッチをオフ操作した場合の壁スイッチ操作部の動作状態を示す説明図。
【符号の説明】
【0076】
1…照明制御システム、
2…スイッチアダプタ、
3…照明器具、
5…壁スイッチ、
6…スイッチ部、
8a…受信部、
10…壁スイッチ操作部、
11…制御部、
12…本体部、
14…駆動部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明器具の電力をオン状態又はオフ状態に切り換えるための壁スイッチに着脱自在に取付可能な本体部と;
前記本体部内に設けられるともに電源部からの電力が供給され、リモコンからの制御信号を受信する受信部と;
前記電源部からの電力が供給されるとともに、前記壁スイッチに対向配置され且つ前記壁スイッチに接触又は非接触可能に前記本体部内部に設けられ、前記壁スイッチに接触するように駆動することで前記壁スイッチをオン状態又はオフ状態となるように操作する壁スイッチ操作部と;
前記受信部により受信した制御信号に基づき、前記壁スイッチ操作部を駆動制御する制御部と;
を具備したことを特徴とするスイッチアダプタ。
【請求項2】
前記スイッチ操作部は、前記壁スイッチと接触する接触面が円弧状に形成された係合部と、この係合部を回動可能に取り付けて回動させるように駆動する駆動部とを有し、
前記係合部は、前記駆動部により回動されることによって前記壁スイッチに接触又は非接触が可能であることを特徴とする請求項1に記載のスイッチアダプタ。
【請求項3】
照明器具と;
前記照明器具の電力をオン状態又はオフ状態に切り換えるための壁スイッチと;
前記壁スイッチに着脱自在に取付可能な本体部と、前記本体部内に設けられるともに電源部からの電力が供給され、リモコンからの制御信号を受信する受信部と、前記電源部からの電力が供給されるとともに、前記壁スイッチに対向配置され且つ前記壁スイッチに接触又は非接触可能に前記本体部内部に設けられ、前記壁スイッチに接触するように駆動することで前記壁スイッチをオン状態又はオフ状態となるように操作する壁スイッチ操作部と、前記受信部により受信した制御信号に基づき、前記壁スイッチ操作部を駆動制御する制御部とを有するスイッチアダプタと;
を具備したことを特徴とする照明制御システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−43664(P2009−43664A)
【公開日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−209952(P2007−209952)
【出願日】平成19年8月10日(2007.8.10)
【出願人】(000003757)東芝ライテック株式会社 (2,710)
【Fターム(参考)】