説明

スイッチカバー

【課題】従来のスイッチカバーは、箱型のフレームに上蓋を開閉自在に係止したものや、円弧状の第1のカバーと第2のカバーの回動により開閉自在としたものであって、スイッチの操作時にカバーを開ける必要であるためスイッチの操作性が損なわれていた。そこで、操作性を損なうことなく誤動作防止機能を備えたスイッチカバーを提供することを目的とする。
【解決手段】ネジリコイルバネを配設した下カバーと上カバーを摺動自在に嵌合し、嵌合した上カバーおよび下カバーをハウジング内に配設し、ハウジングの内側面に形成されたL字状のガイド溝と上カバーおよび下カバーに形成されたガイド突起の係合により通常状態ではスイッチの操作が不能であって、スイッチの操作時には上カバーをスライドさせてから押圧する構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スイッチに取付けるカバーに係り、誤動作防止機能を備えたスイッチカバーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のカバーは、箱型のフレームに上蓋を開閉自在に係止したもの(下記特許文献1参照)や、円弧状の第1のカバーと第2のカバーの回動により開閉自在としたもの(下記特許文献2参照)があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−283667号
【特許文献2】特開平10−241487号
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】なし
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記した従来のカバーは、スイッチの操作時にカバーを開ける必要であるためスイッチの操作性が損なわれ、操作性を損なうことなく誤動作を防止するカバーを実現することは困難であった。
【0006】
そこで本発明は、上記状況に鑑みて、操作性を損なうことなく誤動作防止機能を備えたスイッチカバーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記目的を達成するために、
弾性部材を配設した下カバーと上カバーを摺動自在に嵌合し、嵌合した前記上カバーおよび下カバーを内側面に略L字状のガイド溝を形成したハウジング内に配設し、前記上カバーおよび下カバーの側面には前記ガイド溝に係合する突起が形成され、前記突起が前記ガイド溝に沿って摺動することで前記上カバーはスライド操作および押圧操作が可能であるとともに前記下カバーは押圧操作が可能であって、前記上カバーのスライド操作前はスイッチの押圧操作が不能であり、前記上カバーをスライド操作後に押圧操作することでスイッチの押圧操作が可能となることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、次のような効果を奏することができる。
(1)カバーの開閉を行うことなくスイッチを操作できるため、操作性を損なうことなく誤動作が防止できる。
(2)カバーの開閉が不要であるため、破損の可能性を軽減できる。
(3)カバーは様々な形状や色に変更可能であるため、パネルのデザイン性が向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施例を表すスイッチカバーの分解斜視図である。
【図2】本発明の実施例を表すスイッチカバーの斜視図である。
【図3】本発明の実施例を表すスイッチカバーのハウジングの図である。
【図4】本発明の実施例を表すスイッチカバーの上カバーの図である。
【図5】本発明の実施例を表すスイッチカバーの下カバーの図である。
【図6】本発明の実施例を表すスイッチカバーを取付けたときの要部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明は、ハウジングに形成された略L字状の溝と上カバーおよび下カバーに形成された突起の係合によって、通常状態ではスイッチの操作が不能であって、上カバーをスライドさせてから押圧することで、スイッチを操作することができる構成とする。よって、操作性を損なうことなく誤動作を防止することができる。
【実施例】
【0011】
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0012】
図1は本発明の実施例を表すスイッチカバーの分解斜視図、図2は本発明の実施例を表すスイッチカバーの斜視図、図3は本発明の実施例を表すスイッチカバーのハウジングの図であり、図3(a)は平面図を、図3(b)はA−A断面図を示している。図4は本発明の実施例を表すスイッチカバーの上カバーの図であり、図4(a)は側面図を、図4(b)は底面図を、図4(c)は正面図を示している。図5は本発明の実施例を表すスイッチカバーの下カバーの図であり、図5(a)は平面図を、図5(b)は側面図を、図5(c)は底面図を示している。図6は本発明の実施例を表すスイッチカバーを取付けたときの要部断面図であり、図6(a)は操作前(ロック時)を、図6(b)は操作途中を、図6(c)は操作完了時を示している。
【0013】
これらの図において、1はハウジング、2は上カバー、3は下カバー、4はネジリコイルバネ、5は底板、6はスイッチ、7はパネルである。ハウジング1は略筒状で、内側面の長辺側には対向した2対のL字状のガイド溝1aが形成され、短辺側の一方には鍔部1bが形成される。上カバー2には、側面にガイド溝1aと係合するガイド突起2aが形成され、底面には下カバー3と嵌合する嵌合爪2bおよびネジリコイルバネ4の脚部4bと係合する係合凹部2cが形成され、上面は短辺の一方から他方に向って傾斜が形成される。下カバー3には、側面にガイド溝1aと係合するガイド突起3aが形成され、上面にはネジリコイルバネ4のコイル部4aと係合する係合突起3bが形成されるとともに上カバー2と嵌合する嵌合孔3cが形成され、下面には短辺側の一方に垂下部3dが形成され、垂下部3dの略中央部には切欠部3eが形成される。底板5には、スイッチ6を挿入する挿入孔5aが形成され、スイッチ6を固定する固定孔5bが挿入孔5aと連続して形成され、上面には下カバー3の切欠部3eと係合して上下動を案内するガイド凸部5cが形成され、長側面にはハウジング1に形成された嵌合凹部1cと嵌合する嵌合凸部5dが形成される。
【0014】
下カバー3の上面にネジリコイルバネ4を配設し、上カバー2下面と下カバー3上面が対向するように嵌合爪2bを嵌合孔3cに嵌合する。このとき、ネジリコイルバネ4のコイル部4aは係合突起3bと係合するとともに脚部4bは係合凹部2cと係合して、上カバー2と下カバー3を左右に分かれる方向に付勢する。嵌合した上カバー2および下カバー3をハウジング1の下方から挿入し、ガイド突起2aおよび3aがガイド溝1aに沿うように移動させ、上カバー2が鍔部1bの上側に配置される。そして、底板5をハウジング1の下方から嵌合し、スイッチカバーが完成される。
【0015】
以上のように構成された本発明のスイッチカバーは、スイッチ6を挿入孔5aに挿入後、固定孔5bに移動し、パネル7の取付孔(図示せず)にスイッチ6を挿入後、ナット6cで締め付け、フランジ部6bとナット6cによって底板5とパネル7を狭持することでパネル7への取付けが完了する。取付けられたスイッチカバーは、通常状態では上カバー2の下面が鍔部1bに当接するとともにガイド溝1aと2aの係合により上カバー2の下方への移動が抑止されるため押圧操作を行うことができず、上カバー2をスライドさせて、ロックを解除することで押圧操作が可能となる。押圧操作を行うと、上カバー2および下カバー3が下降し、下カバー3の下面でスイッチ6の操作部6aを押圧してスイッチ6を操作する。操作後は操作部6aの復帰にともなって上カバー2および下カバー3が押し上げられ、ネジリコイルバネ4の復帰力によって上カバー2が鍔部1bの上側に配置される。
【0016】
このように、本実施例に示すスイッチカバーは、ネジリコイルバネ4を配設した下カバー3と上カバー2を摺動自在に嵌合し、嵌合した上カバー2および下カバー3をハウジング1内に配設し、ハウジング1の内側面に形成されたL字状のガイド溝1aと上カバー2および下カバー3に形成されたガイド突起2aおよび3aの係合により、通常状態ではスイッチの操作が不能であって、上カバー2をスライドさせてから押圧する構造としたため、操作性を損なうことなく誤動作が防止できるという特徴を有している。
【0017】
本実施例では、ハウジングを楕円形としたが、四角形やその他の形状としてもよく、上カバーの上面に表示などを設けてもよく、種々の方法が考えられる。
【0018】
なお、本発明は上記の実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0019】
本発明のスイッチカバーは、操作性を損なうことなく誤動作防止機能を備えたスイッチカバーとして利用可能である。
【符号の説明】
【0020】
1 ハウジング
1a ガイド溝
1b 鍔部
1c 嵌合凹部
2 上カバー
2a ガイド突起
2b 嵌合爪
2c 係合凹部
3 下カバー
3a ガイド突起
3b 係合突起
3c 嵌合孔
3d 垂下部
3e 切欠部
4 ネジリコイルバネ
4a コイル部
4b 脚部
5 底板
5a 挿入孔
5b 固定孔
5c ガイド凸部
5d 嵌合凸部
6 スイッチ
6a 操作部
6b フランジ部
6c ナット
7 パネル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
弾性部材を配設した下カバーと上カバーを摺動自在に嵌合し、嵌合した前記上カバーおよび下カバーを内側面に略L字状のガイド溝を形成したハウジング内に配設し、前記上カバーおよび下カバーの側面には前記ガイド溝に係合する突起が形成され、前記突起が前記ガイド溝に沿って摺動することで前記上カバーはスライド操作および押圧操作が可能であるとともに前記下カバーは押圧操作が可能であって、前記上カバーのスライド操作前はスイッチの押圧操作が不能であり、前記上カバーをスライド操作後に押圧操作することでスイッチの押圧操作が可能となることを特徴とするスイッチカバー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−218938(P2010−218938A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−65655(P2009−65655)
【出願日】平成21年3月18日(2009.3.18)
【出願人】(000230722)日本開閉器工業株式会社 (79)
【Fターム(参考)】