説明

スイッチング装置

【課題】高い信頼性を得ることができるスイッチング装置を提供する。
【解決手段】制御手段4は、負荷2に対する電源のオン/オフの状態を維持する条件下で複数のスイッチSW1〜SW4の状態を順次切り替える制御を実行する。電圧監視回路3および電流監視回路5は上記制御実行時における電圧(Vrb1,Vrb2)または電流(Irb1,Irb2)を監視することで負荷2への配線の状態または負荷2の状態を検出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スイッチの切り替えにより負荷に対する電源のオン/オフを選択可能なスイッチング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プロセスオートメーションの分野では、電磁弁等のフィールド機器に対し、電源のオン/オフを切り替えるための装置が使用されている。このような装置では高い信頼性(例えば、IEC61508)が要求されるため、自らの状態やフィールド機器への電源配線の状態等を診断する機能が要望される。
【特許文献1】特開2005−44074号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、プラント操業中における診断時には電源のオン/オフ状態を維持することが前提条件となるため、内部のスイッチを自由にオン/オフさせることができず、十全な診断が困難であるという事情がある。例えば、負荷に対する電源がオフの状態では、配線等の断線を検出することが困難となる。
【0004】
本発明の目的は、高い信頼性を得ることができるスイッチング装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のスイッチング装置は、スイッチの切り替えにより負荷に対する電源のオン/オフ状態を選択可能なスイッチング装置において、電源と負荷との間に形成され、回路中に複数のスイッチを含む回路網と、前記回路網に含まれる前記複数のスイッチをそれぞれ独立して制御する制御手段と、前記回路網中の電圧または電流を監視することで前記負荷への配線の状態を検出する検出手段と、を備え、前記制御手段は、前記負荷に対する電源のオン/オフの状態を維持する条件下で前記複数のスイッチの状態を順次切り替える制御を実行するとともに、前記検出手段は前記制御実行時における前記電圧または前記電流を監視することで前記負荷への配線の状態または前記負荷の状態を検出することを特徴とする。
このスイッチング装置によれば、負荷に対する電源のオン/オフの状態を維持する条件下で複数のスイッチの状態を順次切り替えつつ電圧または電流を監視することで、配線の状態を検出するので、負荷への出力状態を維持しつつ配線の状態または前記負荷の状態を高精度に検出できる。
【0006】
前記検出手段は、実際に監視される当該電圧または電流と、前記配線が正常な場合における前記回路網中の電圧または電流とを対比することで、前記配線の状態を検出してもよい。
【0007】
前記検出手段は、前記配線の断線または短絡を検出してもよい。
【0008】
前記検出手段は、前記負荷のインピーダンスを検出してもよい。
【発明の効果】
【0009】
本発明のスイッチング装置によれば、負荷に対する電源のオン/オフの状態を維持する条件下で複数のスイッチの状態を順次切り替えつつ電圧または電流を監視することで、配線の状態または前記負荷の状態を検出するので、負荷への出力状態を維持しつつ配線の状態または前記負荷の状態を高精度に検出できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明によるスイッチング装置の実施形態について説明する。
【実施例1】
【0011】
以下、図1〜図2を参照して、実施例1のスイッチング装置について説明する。
【0012】
図1(a)は、実施例1のスイッチング装置の回路構成を示す図、図1(b)はスイッチの構成を示す図である。
【0013】
図1(a)に示すように、本実施例のスイッチング装置は、4つのスイッチSW1〜SW4を用いて構成される。図1(b)に示すように、スイッチSW1はN型の電界効果トランジスタ(MOSFET)Q11,Q12を組み合わせて構成される。スイッチSW2〜スイッチSW4も同様に構成される。スイッチSW1〜スイッチSW4は制御回路4により互いに独立して制御可能とされる。
【0014】
図1(a)に示すように、本実施例のスイッチング装置では、独立にオン/オフ制御可能な2個のスイッチ(スイッチSW1およびスイッチSW2)が実効電圧値100Vの交流電源1と負荷2との間に直列に接続され、交流電源1の交流電圧Vを分圧するように直列に接続された同一抵抗値の抵抗(R1,R2)の中点が、スイッチSW1およびスイッチSW2の中点に接続されている。また、この中点の電圧(Vrb1)は電圧監視回路3により監視される。
【0015】
同様に、独立にオン/オフ制御可能な2個のスイッチ(スイッチSW3およびスイッチSW4)が交流電源1と負荷2との間に直列に接続され、交流電源1の交流電圧Vを分圧するように直列に接続された同一抵抗値の抵抗(R3,R4)の中点が、スイッチSW3およびスイッチSW4の中点に接続されている。また、この中点の電圧(Vrb2)は電圧監視回路3により監視される。
【0016】
抵抗R1〜R4の抵抗値は、通常オフ状態において負荷2に影響を与えない程度の高抵抗値とされる。
【0017】
図1(a)に示すように、スイッチSW1およびスイッチSW2が直列接続されたスイッチング回路には電流検出抵抗RS1が、スイッチSW3およびスイッチSW4が直列接続されたスイッチング回路には電流検出抵抗RS2が、それぞれ挿入されている。それぞれのスイッチング回路の電流値(Irb1,Irb2)は電流監視回路5により監視される。
【0018】
電流検出抵抗RS1,RS2の抵抗値は、電圧降下が問題を生じさせない程度の低抵抗値とされる。
【0019】
電圧監視回路3および電流監視回路5における監視結果は制御回路4に与えられ、制御回路4はこの監視結果に基づいて4つのスイッチSW1〜SW4についての診断を行うとともに、スイッチング装置と負荷2との間の配線についての診断を行う。
【0020】
図2は正常動作時における各スイッチの状態と、監視される電圧、電流との関係を示す図である。
【0021】
通常出力状態がオンである場合、スイッチSW1〜SW4を、図2において「出力状態」がオンである状態(状態4,8,12〜16)に順次、切り替え、その時の実効電圧(Vrb1およびVrb2)が図2に示す正しい電圧値となっていることを確認することで、各スイッチの健全性を自己診断できる。
【0022】
同様に、通常出力状態がオフである場合、スイッチSW1〜SW4を、図2において「出力状態」がオフである状態(状態1〜3,5〜7,9〜11)に順次、切り替え、その時の実効電圧(Vrb1およびVrb2)が図2に示す正しい電圧値となっていることを確認することで、各スイッチの健全性を自己診断できる。
【0023】
図3は、スイッチSW1またはスイッチSW2を構成するトランジスタのいずれか1つがオン故障(オンに固着する故障)した場合に検出される実効電圧(Vrb1およびVrb2)を示している。例えば、「状態1」の上段ではスイッチSW1を構成するトランジスタQ11またはQ12のいずれかがオン故障した状態が示されており、「↓」はトランジスタQ11がオン故障しトランジスタQ12の寄生ダイオードを経由して電流が流れることを意味している。また、「↑」はトランジスタQ12がオン故障しトランジスタQ11の寄生ダイオードを経由して電流が流れることを意味している。
【0024】
図3に示すように、トランジスタにオン故障が発生した場合には、図2に示す正常時とは異なる実効電圧(Vrb1)が検出されるため、故障の発生を検知できる。
【0025】
スイッチSW3またはスイッチSW4においてオン故障が発生した場合にも、同様に実効電圧(Vrb2)に基づき故障の発生を検知できる。
【0026】
スイッチSW1〜SW4のいずれかにオフ故障(オフに固着する故障)が生じた場合には、図2に示される状態群中の1つに対応した状態となり、実効電圧(Vrb1,Vrb2)に基づきオフ故障が検出される。例えば、スイッチSW4がオフ故障した場合には、各スイッチの状態が「状態2」のときに、実効電圧(Vrb1およびVrb2)は、図2における「状態1」と同様の結果となる。このため、実効電圧に基づいてスイッチSW4のオフ故障を検出できる。
【0027】
また、本実施例のスイッチング装置では、監視される電圧(Vrb1,Vrb2)および電流(Irb1,Irb2)に基づいて、スイッチング装置から負荷2に至る配線ないし負荷2の断線を検出できる。
【0028】
図2において、右端にある「断線検出」の欄には、各状態における断線の検出条件が表示されている。一方、「Irb1」および「Irb2」の欄では、負荷2が接続されている場合の負荷2に流れる正常な電流値を「2」と表現しており、正常時には「Irb1」および「Irb2」の和が「2」となる。例えば、「状態16」では、正常時に「Irb1=Irb2=1」となる。これに対し、配線等の断線時には「断線検出」の欄に表示されているように、「Irb1=Irb2=0」となり、断線を検出できる。その他、電圧(Vrb1,Vrb2)に基づく断線の検出も可能であり、図2の「断線検出」の欄において「不可」と記載されている状態以外では、断線等の検出が可能である。負荷2に対する出力状態が「オフ」であっても、断線を検出できる(状態2,5,6,7,10)。
【0029】
断線の有無は、正常時、あるいは断線発生時に計測される電圧、電流パターンのテーブルと、実際に計測された電圧、電流パターンとの比較により判定することができる。
【0030】
なお、断線検出を優先する場合には、断線を検出できない状態(状態1,3,9,11)を省略し他の状態のみで遷移させることで、断線の検出速度を向上させることができる。
【0031】
このように、本実施例のスイッチング装置では、負荷に対する出力状態を維持したまま断線診断を行えるため、システムの信頼性を大幅に向上できる。また、小さな回路規模により容易に断線診断が可能であり、システムの小型化を図ることができるうえ、全体での消費電力を抑制できる。さらに、メカニカルリレーを使用しないため、長寿命化を図ることができる。なお、電流検出器として、カレントトランスやホール素子を用いた電流センサを使用してもよい。
【実施例2】
【0032】
以下、図4を参照して、実施例2のスイッチング装置について説明する。本実施例では、実施例1のスイッチング装置を用いて、負荷のインピーダンスを確認する方法を示している。
【0033】
図4は負荷のインピーダンスを確認する場合のスイッチの状態を示している。
【0034】
図4に示すように、負荷のインピーダンスを確認する場合には、スイッチSW1を開き、スイッチSW2〜SW4を閉じる。この状態は、図2における「状態8」に相当する。このような状態で、電流(Irb1)および電流(Irb2)の値を使用することで、負荷2のインピーダンスを確認することができる。例えば、ヒーター等のように経年劣化により異常を発生させる負荷の場合、負荷における異常発生を事前に予測することが可能となる。
【実施例3】
【0035】
以下、図5〜図6を参照して、実施例3のスイッチング装置について説明する。本実施例のスイッチング装置は、複数の負荷に対して電源のオン/オフを制御可能なように、複数のチャネルを備えている。
【0036】
図5は、実施例3のスイッチング装置の回路構成を示す図である。
【0037】
図5に示すように、本実施例のスイッチング装置は、電磁弁RL1への電源のオン/オフを制御する第1のチャンネルCh1と、電磁弁RL2への電源のオン/オフを制御する第2のチャンネルCh2と、を備える。いずれの電磁弁RL1,RL2も交流電源1を共通の電源として使用する。
【0038】
チャネルCh1は、4つのスイッチSW11〜SW14を用いて構成される。実施例1と同様、各スイッチSW1〜SW4はN型の電界効果トランジスタ(MOSFET)Q11,Q12を組み合わせて構成される。
【0039】
チャネルCh1では、実施例1と同様、独立にオン/オフ制御可能な2個のスイッチ(スイッチSW11およびスイッチSW12)が実効電圧値100Vの交流電源1と電磁弁RL1との間に直列に接続され、交流電源1の交流電圧Vを分圧するように直列に接続された同一抵抗値の抵抗(R11,R12)の中点が、スイッチSW11およびスイッチSW12の中点に接続されている。また、この中点の電圧(Vrb11)は電圧監視回路3Aにより監視される。
【0040】
また、独立にオン/オフ制御可能な2個のスイッチ(スイッチSW13およびスイッチSW14)が交流電源1と電磁弁RL1との間に直列に接続され、交流電源1の交流電圧Vを分圧するように直列に接続された同一抵抗値の抵抗(R13,R14)の中点が、スイッチSW13およびスイッチSW14の中点に接続されている。また、この中点の電圧(Vrb12)は電圧監視回路3Aにより監視される。
【0041】
同様に、チャネル2では、独立にオン/オフ制御可能な2個のスイッチ(スイッチSW21およびスイッチSW22)が実効電圧値100Vの交流電源1と電磁弁RL2との間に直列に接続され、交流電源1の交流電圧Vを分圧するように直列に接続された同一抵抗値の抵抗(R21,R22)の中点が、スイッチSW21およびスイッチSW22の中点に接続されている。また、この中点の電圧(Vrb21)は電圧監視回路3Aにより監視される。
【0042】
また、独立にオン/オフ制御可能な2個のスイッチ(スイッチSW23およびスイッチSW24)が交流電源1と電磁弁RL2との間に直列に接続され、交流電源1の交流電圧Vを分圧するように直列に接続された同一抵抗値の抵抗(R23,R24)の中点が、スイッチSW23およびスイッチSW24の中点に接続されている。また、この中点の電圧(Vrb22)は電圧監視回路3Aにより監視される。
【0043】
抵抗R11〜R14の抵抗値および抵抗R21〜R24の抵抗値は、通常オフ状態において電磁弁に影響を与えない程度の高抵抗値とされる。
【0044】
電圧監視回路3Aにおける監視結果は制御回路4Aに与えられ、制御回路4Aはこの監視結果に基づいてスイッチ群についての診断を行う。各チャネルCh1,Ch2におけるスイッチ群の診断は、実施例1と同様の手順で実行される。これにより、各スイッチの健全性を自己診断できる。
【0045】
図5に示すようにチャネルCh1では、スイッチSW11およびスイッチSW12が直列接続されたスイッチング回路には電流検出抵抗RS11が、スイッチSW13およびスイッチSW14が直列接続されたスイッチング回路には電流検出抵抗RS12が、それぞれ設けられている。それぞれのスイッチング回路の電流値(Irb11,Irb12)は電流監視回路5Aにより監視される。
【0046】
同様に、チャネルCh2では、スイッチSW21およびスイッチSW22が直列接続されたスイッチング回路には電流検出抵抗RS21が、スイッチSW23およびスイッチSW24が直列接続されたスイッチング回路には電流検出抵抗RS22が、それぞれ設けられている。それぞれのスイッチング回路の電流値(Irb21,Irb22)は電流監視回路5Aにより監視される。
【0047】
電圧監視回路5Aにおける監視結果は制御回路4Aに与えられ、制御回路4Aはこの監視結果に基づいてスイッチ群についての診断を行う。
【0048】
次に、電圧監視回路3Aおよび制御回路4Aにおける配線等の短絡検出の手順について説明する。
【0049】
図6(a)は、抵抗R11〜R14の抵抗値および抵抗R21〜R24の抵抗値、各スイッチのオン抵抗(Ron)、オフ抵抗(Roff)、電磁弁の抵抗値を示している。
【0050】
図6(a)の表示においてチャンネルChn、抵抗Rn1,Rn2,Rn3,Rn4、およびスイッチSWn1,SWn2,SWn3,SWn4における添え字「n」はチャネル番号を示している。図5の例では2つのチャネルCh1,Ch2を備えるので、それぞれのチャネルは、「n=1」および「n=2」となる。
【0051】
図6(a)の例では、抵抗R11〜R14の抵抗値および抵抗R21〜R24の抵抗値は100kΩ、各スイッチのオン抵抗(Ron)は0.5Ω、オフ抵抗(Roff)は10MΩ、電磁弁RL1,RL2のインピーダンスはそれぞれ200Ωである。
【0052】
図6(b)はチャネルCh1およびチャネルCh2がいずれもオン出力状態の場合に監視される電圧を示している。図6(b)に示す表の「ch間短絡」の欄において、「無」はチャネル間短絡のない場合を、「有」はチャネル間短絡がある場合を示している。チャネル間短絡は、図5に示すように、電磁弁RL1および電磁弁RL2に至る両チャネルの配線どうしが接触している場合を想定している。また、図6(b)において、「ON」は対応するスイッチがオンしている状態を、「OFF」は対応するスイッチがオフしている状態を、「↓」は状態が上段の状態(オン/オフ)を引き継ぐことを、それぞれ示している。図6(c)および図6(d)においても同様である。
【0053】
図6(b)に示すように、チャネルCh1およびチャネルCh2がいずれもオン出力状態の場合には、すべてのスイッチが閉じている状態からスイッチSW24のみを開くと、チャネル間短絡がある場合には、チャネルCh1側の電圧(Vrb11)および電圧(Vrb12)が変動する。この例では、各電圧が99.875V→99.834Vに変化する。このため、電圧(Vrb11)および電圧(Vrb12)の変動に基づいて、チャネル間短絡を検出できる。
【0054】
図6(c)はチャネルCh1がオン出力状態で、チャネルCh2がオフ出力状態の場合に監視される電圧を示している。この場合には、スイッチSW24をオンした場合に、短絡がなければ電圧(Vrb22)が0V付近となるのに対し、チャネル間短絡がある場合には、電圧(Vrb22)が100V付近の値を示す。このため、電圧(Vrb22)に基づいてチャネル間短絡を検出できる。
【0055】
図6(d)はチャネルCh1およびチャネルCh2がいずれもオフ出力状態の場合に監視される電圧を示している。この場合には、チャネル間短絡がある場合には、スイッチSW24をオンした際の電圧(Vrb22)と、その状態からスイッチSW14をオンした際の電圧(Vrb12)とが、それぞれ変化するため、チャネル間短絡を検出できる。
【0056】
チャネル間短絡の有無は、正常時、あるいはチャネル短絡発生時に計測される電圧パターンのテーブルと、実際に計測された電圧パターンとの比較により判定することができる。
【0057】
図7に示すように、チャネルCh1およびチャネルCh2がいずれもオン出力状態の場合には、すべてのスイッチが閉じている状態からスイッチSW24のみを開くと、チャネル間短絡の有無によって、チャネルCh2側の電流(Irb21)の電流値に差異が生じるため、チャネル間短絡を検出できる。この例では、スイッチSW24を開く前のCh2側の電流(Irb21)と(Irb22)の電流値の和から、チャネル間短絡が無い場合には、スイッチSW24を開いたときのCh2側の電流(Irb21)の値は496.3Aが期待できる。一方、チャネル間短絡がある場合には、Ch2側の電流(Irb21)は331.7Aとなり,期待される値の約2/3の値となる。このことから、電流値に基づいて、チャネル間短絡を検出できる。
【0058】
以上説明したように、本発明のスイッチング装置によれば、負荷に対する電源のオン/オフの状態を維持する条件下で複数のスイッチの状態を順次切り替えつつ電圧または電流を監視することで、配線の状態または前記負荷の状態を検出するので、負荷への出力状態を維持しつつ配線の状態または前記負荷の状態を高精度に検出できる。
【0059】
本発明の適用範囲は上記実施形態に限定されることはない。本発明は、スイッチの切り替えにより負荷に対する電源のオン/オフを選択可能なスイッチング装置に対し、広く適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】実施例1のスイッチング装置の構成を示す図であり、(a)は、スイッチング装置の回路構成を示す図、(b)はスイッチの構成を示す図。
【図2】正常動作時における各スイッチの状態と、監視される電圧との関係を示す図。
【図3】オン故障時に検出される実効電圧(Vrb1およびVrb2)を示す図。
【図4】負荷のインピーダンスを確認する場合のスイッチの状態を示す図。
【図5】実施例3のスイッチング装置の回路構成を示す図。
【図6】チャネル間短絡の検出方法を示す図であり、(a)は各素子等の抵抗値およびインピーダンスの一覧を示す図、(b)はチャネルCh1およびチャネルCh2がいずれもオン出力状態の場合に監視される電圧を示す図、(c)はチャネルCh1がオン出力状態で、チャネルCh2がオフ出力状態の場合に監視される電圧を示す図、(d)はチャネルCh1およびチャネルCh2がいずれもオフ出力状態の場合に監視される電圧を示す図。
【図7】チャネル間短絡の検出方法を示す図であり、チャネルCh1およびチャネルCh2がいずれもオン出力状態の場合に監視される電流を示す図。
【符号の説明】
【0061】
1 電源
2 負荷
3 電圧監視回路(検出手段)
3A 電圧監視回路(検出手段)
4 制御回路(制御手段、検出手段)
4A 制御回路(制御手段、検出手段)
5 電流監視回路(検出手段)
5A 電流監視回路(検出手段)
41 制御部(制御手段)
51 電流監視部(電流検出手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スイッチの切り替えにより負荷に対する電源のオン/オフ状態を選択可能なスイッチング装置において、
電源と負荷との間に形成され、回路中に複数のスイッチを含む回路網と、
前記回路網に含まれる前記複数のスイッチをそれぞれ独立して制御する制御手段と、
前記回路網中の電圧または電流を監視することで前記負荷への配線の状態または前記負荷の状態を検出する検出手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記負荷に対する電源のオン/オフの状態を維持する条件下で前記複数のスイッチの状態を順次切り替える制御を実行するとともに、前記検出手段は前記制御実行時における前記電圧または前記電流を監視することで前記負荷への配線の状態または前記負荷の状態を検出することを特徴とするスイッチング装置。
【請求項2】
前記検出手段は、実際に監視される当該電圧または電流と、前記配線が正常な場合における前記回路網中の電圧または電流とを対比することで、前記配線の状態を検出することを特徴とする請求項1に記載のスイッチング装置。
【請求項3】
前記検出手段は、前記配線の断線または短絡を検出することを特徴とする請求項1または2に記載のスイッチング装置。
【請求項4】
前記検出手段は、前記負荷のインピーダンスを検出することを特徴とする請求項1または2に記載のスイッチング装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−108131(P2010−108131A)
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−277796(P2008−277796)
【出願日】平成20年10月29日(2008.10.29)
【出願人】(000006507)横河電機株式会社 (4,443)
【Fターム(参考)】