説明

スイッチング装置

【課題】単純なアセンブリを有しながら確実に作動するスイッチング装置を提供する。
【解決手段】スイッチング装置は、アクチュエータ3が所定の位置に押圧された場合に作用するスナップ動作スイッチング機構9を有する。このスナップ動作スイッチング機構9は、第1のアクチュエータ要素8を有し、開閉接点6,7との切断及び/又は接触のための少なくとも1つの接点部分が第1の端部の領域に取り付けられ、共通の接点5の第2の端部で旋回するように取り付けられる。更に、スナップ動作スイッチング機構9は、第1の端部を経てアクチュエータ3によって圧力作動を受容することができ、共通の接点5の反対側のハウジング2の内側の端上の第2の端部で旋回するように取り付けられる第2のアクチュエータ要素11を有し、第1のアクチュエータ要素8との間に引張ばね12が配置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
少なくとも2つのスイッチの位置間の正確なスイッチングが可能であるスイッチング装置が、詳述される。
【背景技術】
【0002】
上記のスイッチング装置は、日本国特許公開2010−073662A号において開示される。前記スイッチング装置は、非常に複雑なアセンブリによって形成される不都合を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−073662A号公報
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
この状況を考慮して、本発明の主な目的は、より単純なアセンブリを有し、より確実に作動する請求項1の前文によるスイッチング装置を提供することである。
【0005】
この技術的な問題の解決法は、主な請求項の特徴を備え、一方、本発明の好都合な設計及びさらなる展開は、従属請求項から推定され得る。
【0006】
技術的な問題は、ハウジングと、2つ以上の作動の圧力を受容するためのアクチュエータと、少なくとも2つ以上の金属接点要素とを有するスイッチング装置において解決される。少なくとも1つの接点要素は共通接点を形成し、少なくとも1つの接点要素は、開閉接点である。接点要素は、ハウジングで外部から電気的に接触可能である。スイッチング装置は、アクチュエータが所定の位置に押圧される時に作用するスナップ動作スイッチング機構を有する。スナップ動作スイッチング機構は少なくとも第1のアクチュエータ要素を有し、そこでは、少なくとも1つの開閉接点との切断及び/又は接触のための少なくとも1つの接触部分が第1の端部の領域に取り付けられる。第1のアクチュエータ要素は、共通接点で第2の端部に旋回するように取り付けられる。スナップ動作スイッチング機構は、第1の端部を経てアクチュエータによって圧力の作動を受容することができる第2のアクチュエータ要素を有する。第2のアクチュエータ要素は、ハウジングの共通接点の反対側のハウジングの内側の端上において、その第2の端部で旋回するように取り付けられる。第2のアクチュエータ要素は、ハウジングの共通接点の横断側に対して反対側にあるハウジングの内側の端上において、その第2の端部で旋回するように取り付けられる。引張ばねは、第1のアクチュエータ要素と第2のアクチュエータ要素との間に位置する。
【発明の効果】
【0007】
スイッチング装置の好ましい実施態様は、第2のアクチュエータ要素がその第2の端部で少なくとも1つの凹部を有することにおいて特徴付けられる。好ましくは、少なくとも1つの突起が凹部と係合し、突起はハウジングの内側の端に取り付けられ、そこで、第2のアクチュエータ要素の第2の端部が搭載される。突起により、第2のアクチュエータは、横方向のずれに対して固定される。好ましくは、突起の形状は、それらが互いに係合できるように第2のアクチュエータの凹部の形状に適応する。凹部の代わりに、2つ以上の凹部もまた、第2のアクチュエータ要素の第2の端部で提供され得る。したがってこの場合、ハウジングの内側の端上に複数の適切な突起が存在する。
【0008】
スイッチング装置の他の好ましい実施態様は、第1のアクチュエータ要素に接続されている接点部分が開閉接点に対してプレストレッチされることにおいて特徴付けられる。接点部分のプレストレッチのために、接点部分が、スナップ動作スイッチング機構の動作によって克服されるべき十分に高い滑動抵抗を作成することが確実になる。第1及び第2のアクチュエータ要素間の引張ばねの張力が接点部分の滑動抵抗より高い場合には、スナップ動作スイッチング機構がスナップし、接点部分は、開閉接点から休止位置へ及び/又は休止位置から開閉接点へスナップする。アクチュエータにさらなる圧力が適用されない場合には、スナップ動作スイッチング機構は、引張ばねの張力によりその安定した開始位置へとスナップして戻る。これで、接点部分は、開閉接点及び/又は休止位置へ戻る。
【0009】
好ましくは、少なくとも1つの開閉接点は、ハウジングの内側の壁の方へ横に配置される。第1のアクチュエータ要素に接続される接点部分は、第1のアクチュエータ要素と開閉接点との間で配置される。好ましくは、開閉接点は、ハウジングの内側の表面と接触する又は内側の表面の凹部に配置されるように配置される。2つの開閉接点を有するスイッチング装置の実施態様において、開閉接点間の内側の壁は、好ましくは滑らかな転移を形成する。したがって、接点部分は、追加の障害を克服する必要なく、2つの開閉接点の間で摺動することができる。接点部分の滑動抵抗の定められた所望の増加及び/又は減少のため、開閉接点自体及び/又は複数の開閉接点自体はしかしながら、凹部又は高さを有する。
【0010】
スイッチング装置の他の好ましい実施態様は、少なくとも2つの第2の金属接点要素が少なくとも2つの第1の金属接点要素に平行に配置されることにおいて特徴付けられる。この場合、接点要素は共通接点を形成し、さらなる接点要素は、開閉接点である。第1の2つの金属接点要素の共通接点及び開閉接点は、各々の場合に第2の2つの金属接点要素に対して平行に配置される。好ましくは、スナップ動作スイッチング機構はそれぞれ、一対の2つの金属接点要素間に各々配置される。
【0011】
スイッチング装置の他の好ましい実施態様は、前記スイッチング装置がさらなる金属接点要素の配置を有することにおいて特徴付けられる。好ましくは、スナップ動作スイッチング機構は、少なくとも2つの金属接点要素の2つの隣接した対の間で配置される。
【0012】
この場合、金属接点要素はまた、2つの同期スナップ動作スイッチング機構によって両側で切り替えることができる。複数のスナップ動作スイッチング機構を有するスイッチング装置の実施態様において、後者は、共通のアクチュエータによって好ましくは同期する。
【0013】
スイッチング装置の他の好ましい実施態様は、第2の又はさらなる金属接点要素はそれぞれ、少なくとも2つの第1の金属接点要素から及び互いに電気的に絶縁されることにおいて特徴付けられる。
【0014】
スイッチング装置のアセンブリにより、個々のスイッチユニットが共通の接点及び2つの開閉接点を含む3つの接点要素を好ましくは含む完全に同期するスイッチを提供することができる。より高い信頼性を達成するため、複数の交換ユニットを1つのユニットに結合することができる。
【0015】
第2の及び/又は更なる金属接点要素は、ハウジングの外部から電気的に接触可能である。この目的のため、金属接点要素は十分にハウジングの底部から好ましくは突出する。
【0016】
スイッチング装置の他の好ましい実施態様は、ハウジングの外部から好ましくは電気的に接触できるさらなる金属接点要素を有することにおいて特徴付けられる。2つの接点要素、すなわち共通の接点及び開閉接点の各々の群のため、さらなる接点要素は提供される。さらなる接点要素は、さらなる開閉接点を形成する。好ましくは、スナップ動作スイッチング機構は、第1の開閉接点と第2の開閉接点との間の切断及び/又は接触のために提供される。
【0017】
接点部分及び引張ばねと同様に接点要素、少なくとも第1のアクチュエータ要素は、電気伝導材料、好ましくは電気を通すことができる金属から構成され、そこで、個々の構成要素が異なる電気伝導材料で作成され得る。第2のアクチュエータ要素は必ずしも電気接続の一部ではなく、したがって、金属のような電気伝導材料と同様に、プラスチックのような電気を絶縁する材料で構成されてもよい。
【0018】
スイッチング装置の好ましい実施態様は、第1のアクチュエータ要素が2つのさらなる開閉接点と切断及び/又は接触のためのさらなる接点部分を有し、さらなる接点部分が2つのさらなる開閉接点に対してプレストレッチされることにおいて特徴付けられる。
【0019】
好ましくは、第1のアクチュエータ要素に接続される2つの接点部分は、互いに電気的に絶縁される。
【0020】
スイッチング装置の好ましい実施態様は、第1のアクチュエータ要素が機械的に互いに接続される2つの構成要素を有することにおいて特徴付けられる。スイッチング装置の好ましい実施態様において、2つの構成要素は、絶縁要素によって機械的に互いに接続される。第1のアクチュエータ要素の2つの構成要素の機械的な接続のために、2つの構成要素は共通の要素として機能し、そこで個々の構成要素は互いに電気的に絶縁される。
【0021】
スイッチング装置の好ましい実施態様は、接点部分が1つ又は複数のばね要素に分割されることにおいて特徴付けられる。好ましくは、接点部分のばね要素のうちの少なくとも2つは、異なる長さである。接点部分が異なる長さのばね要素で設計される場合、接点部分の重複した設計が達成される。接点部分のこの設計のために、接点部分が開閉接点の領域にある時、それとの特定の電気的接点を有することがいつでも確実になる。
【0022】
スイッチング装置の好ましい実施態様は、ばね要素が、開閉接点に当接しているそれらの端部で、ばね要素から突出する少なくとも1つの開閉接点を各々有することにおいて特徴付けられる。ばね要素の開閉接点は、開閉接点への電気接続を形成する。
【0023】
スイッチング装置の他の好ましい実施態様は、滑り接点との接点領域の開閉接点が少なくとも1つの定められた不規則な領域を有することにおいて特徴付けられる。例えば突起又は凹部の形の不規則な領域により、接点部分と滑り接点との間の滑動抵抗は定められた方法で、例えば増加又は減少するように影響され得る。
【0024】
スイッチング装置の他の好ましい実施態様は、アクチュエータがシーリング要素によってハウジングの方へ密閉されることにおいて特徴付けられる。シーリング要素により、ハウジングの内部に入る汚染物質ができるだけ少ないことが確実にされる。加えて、スナップ動作スイッチング機構によって生成されるノイズの減少は、シーリング要素によって達成される。スナップ動作スイッチング機構を有するスイッチング装置は、一般に迷惑なノイズを生成する。ハウジングの密封により、ノイズはかなり減少する。
【0025】
スイッチング装置の他の好ましい実施態様は、ハウジングカバーが密封要素によってハウジングを密閉することにおいて特徴付けられる。好ましくは、シーリング要素は、それが外周にハウジング及びハウジングカバーを密閉するように形成される。ハウジングとハウジングカバーとの間の接続を密閉することによって、迷惑なノイズのさらなる減少が達成される。例えば、ハウジングカバーは、スナップ作用接続によってみぞ形のハウジングに好ましくは接続される。あるいは、ハウジングカバーはまたハウジングに機械的に、例えば接着又は溶接されて永久に固定する。ハウジングカバーがハウジングに溶接又は接着される場合、接着剤接合又は溶接が十分な密封を形成することが確実であるならば、さらなる密閉要素は省くことができる。
【0026】
スイッチング装置の好ましい実施態様は、ハウジングがみぞ形の方法で形成されることにおいて特徴付けられる。みぞ形のハウジングは、そこから4つの側壁が好ましくは垂直に上方に延長する底部をハウジングが有することを意味する。ハウジングの底部において、好ましくは金属接点要素が貫通する開口が存在する。好ましくは、貫通する開口は、ぴったり適合した方法で金属接点要素のサイズ及び形状に調整される。みぞ形のハウジングによって、例えばスイッチング装置がハンダ付けされる時に液体ハンダ付け材料がハウジングの内部に入るのを効果的に防ぐことができる。ハウジングとハウジングカバーとの間の周囲のシーリング要素を有するみぞ形のハウジングが使われる場合、ハウジングの特にしっかりした密封が達成される。しかしながら、ハウジングカバーがハウジングに接着又は溶接されることも可能である。この場合、追加のシーリング要素も同様に提供される、又は、追加のシーリング要素は省略され得る。
【0027】
スイッチング装置の他の好ましい実施態様は、設計により、圧力がアクチュエータに適用されない場合、スナップ動作スイッチング機構が押圧されない位置に保たれることにおいて特徴付けられる。アクチュエータが押圧されない位置にある場合、スナップ動作スイッチング機構は安定した位置にある。アクチュエータの押圧された位置において、スナップ動作スイッチング機構は、不安定な位置にある。
【0028】
上記した発明のスイッチング装置の実施態様により、容易にかつ確実にスイッチング動作を実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
本発明のさらなる利点、特徴及び詳細は、例示的な実施態様が図面に関して詳述される以下のさらなる説明から明らかになる。
【図1】図1は、本発明のスイッチング装置の実施態様の三次元図を示す。
【図2】図2は、図1によるスイッチング装置の断面図を示す。
【図3a】図3a及び3bは、ハウジングのないスイッチング装置の様々な図を示す。
【図3b】図3a及び3bは、ハウジングのないスイッチング装置の様々な図を示す。
【図4】図4は、接点部分を示す。
【図5】図5は、作用している時のハウジングのないスイッチング装置のさらなる図を示す。
【図6a】図6a及び6bは、スイッチング装置のスナップ動作スイッチング機構の様々な図を示す。
【図6b】図6a及び6bは、スイッチング装置のスナップ動作スイッチング機構の様々な図を示す。
【図7】図7は、スナップ動作スイッチング機構の第2のアクチュエータ要素の三次元図を示す。
【図8a】図8a及び8bは、スイッチング装置のハウジングの第2のアクチュエータ要素の配置の様々な図を示す。
【図8b】図8a及び8bは、スイッチング装置のハウジングの第2のアクチュエータ要素の配置の様々な図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図1は、スイッチング装置1の実施態様の三次元図を示す。スイッチング装置1は、ハウジングカバー23を有するハウジング2を含む。スイッチング装置1に作用するために、後者はスイッチング装置1の上面を経て作用することができるアクチュエータ3を有する。アクチュエータ3は、シーリング要素13によってハウジングカバー23の方へ密閉される。スイッチング装置1を接触させるための複数の接点要素5、6、7、15、16、17は、スイッチング装置1のハウジング2の底面から突出する。
【0031】
図2は、図1において示される実施態様によるスイッチング装置1の断面図を示す。スナップ動作スイッチング機構9は、スイッチング装置1のみぞ形のハウジング2内に配置される。スナップ動作スイッチング機構9は、引張ばね12によって互いに接続される第1のアクチュエータ要素10及び第2にアクチュエータ要素11を含む。スイッチング装置1に作用するため、圧力がアクチュエータ3によってスイッチング装置1の上面に適用される。アクチュエータ3は、ハウジングカバー23の開口4により外部へ導かれる。示された実施態様において、周囲のシーリング要素14が、ハウジング2とハウジングカバー23との間で配置される。シーリング要素14により、ハウジング2とハウジングカバー23と間の接続は汚染物質に透過に対して保護されて、スナップ動作スイッチング機構9が作用する時、外部に透過するノイズの減少が達成される。
【0032】
アクチュエータ3は第2にアクチュエータ要素11に圧力を伝え、それによって同時に下に旋回する。第2にアクチュエータ要素11は、ハウジング2の左の内側の端で支えられる。第2にアクチュエータ要素11の支持位置の領域において、ハウジングカバー23は、ハウジング2へとハウジングカバー23から延長する柄を有する。好ましくは、柄24は、その支持位置の領域において、第2にアクチュエータ要素11が垂直方向に望ましくなく、上に移動するのを防ぐような深さまでハウジング2に突出する。柄24は、スナップ動作スイッチング機構9のスナップの回転式動作がまだ可能であるように、第2のアクチュエータ要素11のために十分な空間を残す。あるいは、この領域におけるハウジング2の内側の壁上の柄24の代わりに、ハウジング2の内側の壁上に十分な大きさにされた突起が提供され、前記突起はハウジングカバー23から出発し、柄24と同じ機能を満たす。
【0033】
第2のアクチュエータ要素11の動作により、引張ばね12が張力をかけられ、引張ばねの張力が十分に大きくなるとすぐにその安定した休止位置から第1のアクチュエータ要素10を動かす。第1のアクチュエータ要素10が下方に旋回し、共通の接点要素5と接点要素7との間の電気接続は、さらなる接点要素6まで切替えられる。圧力がアクチュエータ3に適用されない場合、スナップ動作スイッチング機構9は、その不安定な位置から図2において示されるその安定した休止位置まで、スナップして戻る。
【0034】
図3a及び3bは、ハウジング2のないスイッチング装置1の様々な図を示す。図3aで分かるように、スナップ動作スイッチング機構の第1のアクチュエータ要素10は、共通の接点151で支えられる。共通の接点151上の第1のアクチュエータ要素10の支持位置は、第1のアクチュエータ要素10の支柱を形成する。接点部分82は、第1のアクチュエータ要素10に配置される。接点部分82は、第1のアクチュエータ要素10に平行して配置される。第1のアクチュエータ要素10の動作の間、接点部分82が同様に旋回するように、接点部分82も第1のアクチュエータ要素10の旋回動作の間、第1の開閉接点171と第2の開閉接点161との間で移動される。第1のアクチュエータ要素10と共に、接点部分82は、接点要素15と2つのさらなる接点要素16及び/又は17との間に電気伝導接続を形成する。
【0035】
第1のアクチュエータ要素10は、共通の接点51の支持位置の一端で旋回するように取り付けられる。示された実施態様において、支持点は、共通の接点51において段の形で構成される。この領域において、ハウジングカバー23は、ハウジング2に延長し、第1のアクチュエータ要素10が上方における支持点からあまりに遠くに移動するのを防ぐ柄を好ましくは有する。あるいは、これは、共通の接点51の、例えばノッチの形での幾何学的な設計によって達成され得る。
【0036】
図3bにおいて示されるスイッチング装置1の実施態様において、前の接点部分82と同様に前の接点要素15、16、17は、接点要素15、16、17及び/又は5、6、7との間のスナップ動作スイッチング機構9が可視であるように取り除かれる。
【0037】
図4は、一例による接点部分81の実施態様を示す。接点部分81は、異なる長さの2つのばね要素811及び812を有する。第1のばね要素811の長さL1は、第2のばね要素812の長さL2より大きい。第1のばね要素811は、U形に第2のばね要素812を囲む。
【0038】
示されないさらなる実施態様において、接点部分81は、1つ又は複数のばね式アームを有する。
【0039】
右側の端で、接点部分81は、それを経て、スナップ動作スイッチング機構9の第1のアクチュエータ要素10に取り付け可能である2つの開口815を有する。接点部分81は例えば、レーザー溶接、ハンダ付け又は他のいかなる適切な方法によって第1のアクチュエータ要素10に機械的に永久に接続され得る。互いに反対側にあるばね要素811、812の端部で、後者は、開閉接点813、814を有する。
【0040】
2つ以上のばね要素811、812を有する接点部分81のアセンブリにより、スイッチング装置の信頼性は改良される。しかしながら用途によっては、接点部分81が1つのばね要素のみを有することで十分である。
【0041】
異なる長さL1、L2であるばね要素811、812の配置により、定められた方法で接点部分81と開閉接点との間の滑動抵抗を変化させることも可能である。開閉接点と接点部分との間の滑動抵抗のさらなる増加のため、開閉接点は、スイッチング動作の前にばね要素の1つまたは複数の開閉接点によって克服されなければならない幾何学的に設計された突起、凹部その他を備える。開閉接点のそのような幾何学的な設計により、定められた滑動抵抗は調節可能である。
【0042】
図5は、図3bにおいて示されるスイッチング装置1の実施態様に類似したスイッチング装置1のさらなる図を示す。図5は、スナップ動作スイッチング機構9が不安定な位置にスナップするアクチュエータ3の作動の間のスイッチング装置1を示す。これで、接点部分81は、第2の開閉接点61に当接する。
【0043】
図6a及び6bは、スイッチング装置1のスナップ動作スイッチング機構9の様々な図を示す。図5aは、アクチュエータ3と共にスナップ動作スイッチング機構9を示す。スナップ動作スイッチング機構9は、引張ばね12によって互いに接続される第1のアクチュエータ要素10及び第2のアクチュエータ要素11から構成される。第1の端部101の領域において、第1のアクチュエータ要素10は、下方に旋回するように取り付けられる。第1のアクチュエータ要素10の対向する端部102で、図6aに示さない共通の接点に旋回するように取り付けられる支持点を有して後者は支持される。第1の端部111で、第2のアクチュエータ要素11は、スイッチング装置1のハウジング2の内側の端上に旋回するように取り付けられる。アクチュエータ3が作用する時、第2のアクチュエータ要素11の対向する第2の端部112は下方に旋回する。好ましくは、アクチュエータ3は、第2のアクチュエータ要素11の第2の端部112を直接押圧する。図6aにおいて、絶縁部分8は引張ばね12の領域において、概略的に示される。絶縁部分8は、第1のアクチュエータ要素10の2つの構成要素103、104を互いに機械的に接続する。図6bにおいて、第1のアクチュエータ要素10の2つの構成要素103、104は、スナップ動作スイッチング機構9の三次元図において識別され得る。
【0044】
図6bはまた、引張ばね12は、好ましくは第1のアクチュエータ要素10の構成要素103の金属小穴105に引っかかることを明らかにする。あるいは、引張ばね12はまた、第1のアクチュエータ要素10のさらなる構成要素104上へ引っかかる。機械的に2つの構成要素103、104を互いに接続する図6aにおいて示される絶縁部分8によって、引張ばね12に作用する力はしたがって、第1のアクチュエータ要素10の2つの構成要素103、104に作用する。第2のアクチュエータ要素11がその第1の端部111で凹部113を有することがまた図6bからもわかる。第2のアクチュエータ要素11は、詳細に図7に示される。
【0045】
図7は、スナップ動作スイッチング機構9の第2のアクチュエータ要素11の三次元図を示す。その第1の端部111で、第2のアクチュエータ要素11は、凹部113を有する。図7において示される第2のアクチュエータ要素11の実施態様において、凹部113はU形に設計される。その第2の端部112で、第2のアクチュエータ要素11は開口114を有する。図6a及び6bにおいて示される引張ばね12は、開口114を経て第2のアクチュエータ要素11上へ引っかけられる。第2のアクチュエータ要素11の動作の場合には、張力はしたがって引張ばね12を経て第1のアクチュエータ要素10に適用される。
【0046】
図8a及び8bは、スイッチング装置1のハウジング2の第2のアクチュエータ要素11の配置の様々な図を示す。図8a及び8bは、スイッチング装置1のハウジング2においてより良好な第2のアクチュエータ要素11の配置を見るため、スナップ動作スイッチング機構9の部分を示さない。その第1の端部111で、第2のアクチュエータ要素11は、ハウジング2の内側の端21上に旋回するように取り付けられる。ハウジング2の内側の端21上に、第2のアクチュエータ要素11の第1の端部111の凹部113と係合する突起22が、好ましくは配置される。突起22及び凹部113により、第2のアクチュエータ要素11は、ハウジング2内部の横方向のずれを防ぐ。突起22の形状及び凹部113の形状は、互いにできるだけ共存できるような方法で設計される。突起22の形状及び凹部113の形状は、図において示される形状に制限されない。
【0047】
図8bはまた、ハウジング2の内側の壁上の2つの開閉接点61及び71が、ハウジング2の内側の壁の部分24が、ハウジング2の内側の壁全体の第1の開閉接点61から第2の開閉接点71に延長している表面はできる限り平面であるように2つの開閉接点61、71の間で配置されて取り付けられることを明らかにする。その結果、接点部分81は、第1の接点部分が移動した時、2つの開閉接点61及び/又は71間で容易に摺動することができる。さらなる開閉接点161及び/又は171の領域の反対側上のハウジング2の内側の壁は、対応して設計される。第1のアクチュエータ要素10が旋回する共通の接点51は、第1のアクチュエータ要素10がその上で旋回するように取り付けられるために、それらはハウジング2の側面の壁から間隔を置かれるように好ましくは配置される。好ましくは、共通の接点51は、しかしながら、共通の接点51間でアクチュエータ3が上下に移動するのに十分な空間があるような距離で横方向に互いに間隔を置かれる。
【0048】
図1から8bは、3つの接点要素の2つの群を有しているスイッチング装置の一実施態様のみ(5、6、7及び/又は15、16、17)を示す。スイッチング装置は、しかしながらこの実施態様に制限されない。例えば、スイッチング装置はそれぞれ、接点要素の2つ以上の群を有することができる。好ましくは、スナップ動作スイッチング機構は、接点要素の2つの隣接した群の間で配置される。好ましくは、複数のスナップ動作スイッチング機構は、同期スイッチング動作が接点要素のすべての群で実行されるように共通のアクチュエータによって作用され得る。
【0049】
図1から8bにおいて示されるスイッチング装置1の実施態様において、接点部分は、スイッチング動作の間、第2の開閉接点の接触が起こる前に、最初に第1の開閉接点から分離される。あるいは、第2の開閉接点の接触は、第1の開閉接点の分離が確立される前に、すでに起こり得る。
【0050】
1つの共通の接点及び2つの開閉接点を有している実施態様のみに関して、本発明のスイッチング装置が図1から8bに示される場合であっても、本発明のスイッチング装置は、スナップ動作スイッチング機構が作用される場合、切替えられない位置から共通の接点と開閉接点との間の電気接続、又は、切替えられた位置から切替えられない位置への電気接続の切断を確立する1つの開閉接点のみを各々の側に有することも可能である。
【符号の説明】
【0051】
1:スイッチング装置
2:ハウジング
21:ハウジング2の内側の端
22:内側の端21上の突起
23:ハウジングカバー
24:柄
3:アクチュエータ
4:ハウジングカバー23の開口
5:接点要素
51:共通の接点
6:接点要素
61:開閉接点
7:接点要素
71:開閉接点
8:絶縁要素
81:接点部分
811:ばね要素
812:ばね要素
813:開閉接点
814:開閉接点
815:開口
82:接点部分
9:スナップ動作スイッチング機構
10:第1のアクチュエータ要素
101:第1のアクチュエータ要素10の第1の端部
102:第1のアクチュエータ要素10の第2の端部
103:第1のアクチュエータ要素10の構成要素
104:第1のアクチュエータ要素10の構成要素
105:小穴
11:第2のアクチュエータ要素
111:第2のアクチュエータ要素11の第1の端部
112:第2のアクチュエータ要素11の第2の端部
113:凹部
114:開口
12:引張ばね
13:シーリング要素
14:シーリング要素
15:接点要素
151:共通の接点
16:接点要素
161:開閉接点
17:接点要素
171:開閉接点
L1:ばね要素811の長さ
L2:ばね要素811の長さ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジング(2)と、圧力の作動を受容するアクチュエータ(3)と、少なくとも2つの金属接点要素(5、6)とを含むスイッチング装置であって、該少なくとも1つの接点要素(5)は共通の接点(51)であり、該少なくとも1つの接点要素(6)は開閉接点であり、該接点要素(5、6)は、該ハウジング(2)の外部から電気的に接触可能であり、スナップ動作スイッチング機構(9)は、該アクチュエータ(3)が所定の位置に押圧された場合に作用し、該スナップ動作スイッチング機構(9)は、少なくとも1つの開閉接点(61)との切断及び/又は接触のための少なくとも1つの接点部分(81)が、第1の端部(101)の領域に取り付けられ、該共通の接点(51)の第2の端部(102)で旋回するように取り付けられる少なくとも第1のアクチュエータ要素(10)と、第1の端部(111)を経て該アクチュエータ(3)によって圧力作動を受容することができ、該ハウジング(2)の該共通の接点(51)の反対側の該ハウジング(2)の内側の端(21)上の第2の端部(112)で旋回するように取り付けられる第2のアクチュエータ要素(11)と、を有し、引張ばね(12)が、該第1のアクチュエータ要素(10)と該第2のアクチュエータ要素(11)との間で配置される、スイッチング装置。
【請求項2】
前記第2のアクチュエータ要素(11)が、その第2の端部(112)に少なくとも1つの凹部(113)有し、少なくとも1つの突起(22)が、前記ハウジング(2)の前記内側の端(21)に係合し、それによって該第2のアクチュエータ要素(11)の横方向のずれに対して固定する、請求項1記載のスイッチング装置。
【請求項3】
前記第1のアクチュエータ要素(10)に接続されている前記接点部分(81)が、前記少なくとも1つの開閉接点(61)に対してプレストレッチされる、請求項1又は2のいずれかに記載のスイッチング装置。
【請求項4】
前記開閉接点(61)が前記ハウジング(2)の前記内側の壁の方へ横方向に配置される、請求項1から3のうちのいずれか一項に記載のスイッチング装置。
【請求項5】
前記スイッチング機構が、少なくとも2つの第1の金属接点要素(5、6)に平行して配置された少なくとも2つの第2の金属接点要素(15、16)を含む、請求項1から4のうちのいずれか一項に記載のスイッチング装置。
【請求項6】
前記第2の2つの金属接点要素(15、16)が前記第1の2つの金属接点要素(5、6)から電気的に絶縁される、請求項5記載のスイッチング装置。
【請求項7】
前記第2の金属接点要素(15、16)が、前記ハウジング(2)で外部から電気的に接触可能であり、共通の接点(151)及び少なくとも1つの開閉接点(161)を含む、請求項6記載のスイッチング装置。
【請求項8】
前記第1のアクチュエータ要素(10)が、さらなる開閉接点(161)に対してプレストレッチされる該さらなる開閉接点(161)との切断及び/又は接触のためのさらなる接点部分(82)を有する、請求項5から7のうちのいずれか一項に記載のスイッチング装置。
【請求項9】
前記第1のアクチュエータ要素(10)に接続されている前記2つの接点部分(81、82)が互いに電気的に絶縁される、請求項8記載のスイッチング装置。
【請求項10】
前記第1のアクチュエータ要素(10)が互いに機械的に接続されている2つの構成要素(103、104)を有する、請求項9記載のスイッチング装置。
【請求項11】
前記第1のアクチュエータ要素(10)の前記2つの構成要素(103、104)が絶縁要素(8)によって互いに機械的に接続される、請求項10記載のスイッチング装置。
【請求項12】
前記開閉接点(6及び/又は61)が前記共通の接点(5及び/又は15)に接続され、電気を伝導する方法で、又は、前記スナップ動作スイッチング機構(9)が安定した位置にある時に後者から分離するように接続される、請求項1から11のうちのいずれか一項に記載のスイッチング装置。
【請求項13】
前記ハウジング(2)の外部から接触可能であり、さらなる開閉接点(71及び/又は171)を形成するさらなる金属接点要素(7及び/又は17)を有し、前記切断及び/又は接触のための前記スナップ動作スイッチング機構(9)が前記第1の開閉接点(61及び/又は161)と前記第2の開閉接点(71及び/又は171)との間に提供される、請求項1から11のうちのいずれか一項に記載のスイッチング装置。
【請求項14】
前記接点部分(81、82)が1つ又は複数のばね要素(810、811)を有し、前記少なくとも2つのばね要素(811、812)が異なる長さ(L1、L2)である、請求項1から13のうちのいずれか一項に記載のスイッチング装置。
【請求項15】
前記開閉接点(61、71及び/又は161、171)に当接しているその端部で、前記ばね要素(811、812)が、該ばね要素(811、812)より上に突出する少なくとも1つの開閉接点(813、814)を各々有する、請求項14記載のスイッチング装置。
【請求項16】
前記開閉接点(6、7及び/又は16、17)が前記滑り接触点(813、814)との前記接点領域の少なくとも1つの定められた不規則な点を有する、請求項15記載のスイッチング装置。
【請求項17】
前記アクチュエータ(3)及び/又は前記ハウジングカバー(23)がシーリング要素(13)により前記ハウジング(2)の方へ密閉される、及び/又は、該ハウジング(2)がみぞ形の方法で形成される、請求項1から16のうちのいずれか一項に記載のスイッチング装置。
【請求項18】
前記アクチュエータ(3)が、前記スナップ動作スイッチング機構(9)の前記アセンブリのために押圧されない位置において保たれる、請求項1から17のうちのいずれか一項に記載のスイッチング装置。

【図1】
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【図2】
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【図3a】
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【図3b】
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【図4】
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【図5】
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【図6a】
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【図6b】
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【図7】
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【図8a】
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【図8b】
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【公開番号】特開2012−199239(P2012−199239A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−64119(P2012−64119)
【出願日】平成24年3月21日(2012.3.21)
【出願人】(512072902)メトーデ エレクトロニクス マルタ リミテッド (1)
【Fターム(参考)】