説明

スイッチング電源装置

【課題】外部交流電源から外した際の感電を防ぐととともに、消費電力が小さいスイッチング電源装置を提供する。
【解決手段】スイッチ素子4と直列に接続される放電抵抗R8と、AC入力電圧の低下を検知する電圧低下検知回路2とを備え、直列に接続された、放電抵抗R8及びスイッチ素子4は、コンデンサC2と並列に接続され、電圧低下検知回路2は、AC入力電圧の低下を検知すると、制御電圧をスイッチ素子4の制御入力に出力してスイッチ素子4を導通させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ACラインフィルタに設けたコンデンサの電荷とAC整流平滑後のラインに設けたコンデンサの電荷とを同時に放電するスイッチング電源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図14は、従来のスイッチング電源装置101の回路図である。スイッチング電源装置101では、スイッチング素子Q101が発生するノイズが、商用のAC電源ラインに流出するのを防ぐため、ACラインフィルタ回路106を設ける。
【0003】
ACラインフィルタ回路106は、ラインフィルタL101とコンデンサC101,C107とを有しているが、スイッチング電源装置101を商用の交流電源ACから外した際に、コンデンサC101,C107に充電された電荷がACプラグの両端に現れ、感電の危険がある。このため、図14に示すように、スイッチング電源装置101に放電抵抗R110を設け、コンデンサC101,C107の電荷を放電する。一般的に、コンデンサC101,C107の静電容量が0.2μFの場合、放電抵抗R110の抵抗値は1MΩ程度に設定する。
【0004】
また、スイッチング電源装置101を交流電源ACから外した際に、コンデンサC102(AC整流平滑コンデンサ)に充電された電荷によりスイッチング電源装置101は動作を維持する。しかし、コンデンサC102の電位が低下を続けトランスT101の出力電圧が低下を始めるとスイッチング制御回路103は動作を停止する。その際、コンデンサC102の電荷を放電する(消費する)ための負荷は放電抵抗R110になるが、一般的に、コンデンサC102の静電容量は、ACラインフィルタ回路106のコンデンサC101,C107の静電容量よりはるかに大きく、数十μF以上になる。このため、コンデンサC102の放電時間は、コンデンサC101,C107の放電時間よりも長くなる。
【0005】
なお、スイッチング電源装置101は、ACラインフィルタ回路106の出力を整流するダイオードD101と、トランスT101の2次巻線N102の一方に接続されているダイオードD102と、一端がダイオードD102のカソードに接続され、他端がトランスT101の2次巻線の他方に接続されているコンデンサC103とを備えている。また、負荷LOADは、コンデンサC103に並列に接続されている。さらに、トランスT101は、ダイオードD101のカソードから出力される電流が流れる1次主巻線N101と、スイッチング制御回路103に接続されている1次副巻線N103とを有している。
【0006】
図14と同様に放電抵抗を備えるものとして、特許文献1には、1次側回路の並列コンデンサと並列に、電源スイッチを切ることに連動して作動する放電回路が接続された、スイッチング電源が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】実開昭63−4184号公報(昭和63年1月12日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、図14の従来技術は、以下に示す問題がある。即ち、スイッチング電源装置101では、ACラインフィルタ回路106のコンデンサC101,C107に充電された電荷を放電抵抗R110で放電するが、コンデンサC102に充電された電荷を放電するには放電抵抗R110は抵抗値が大きい。放電抵抗R110は抵抗値を、コンデンサC102を放電する値まで小さくすると、スイッチング電源装置101が商用の交流電源ACに接続されている間の放電抵抗R110の消費電力が大きくなり、非経済的である。
【0009】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、外部交流電源から外した際の感電を防ぐととともに、消費電力が小さいスイッチング電源装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のスイッチング電源装置は、上記課題を解決するために、外部交流電源から交流入力電圧が入力されるスイッチング電源装置であって、主スイッチング素子が発生するノイズが、外部交流電源に流出するのを防ぐラインフィルタ部と、上記ラインフィルタ部の出力電圧を整流するダイオードブリッジ部と、両端が、それぞれ上記ダイオードブリッジ部の2つの出力に接続される第1のコンデンサと、他励式にて、上記主スイッチング素子を制御して、直流入力を所望する電圧に安定化して直流出力として出力するための制御部とを備え、上記ラインフィルタ部は、ラインフィルタと第2のコンデンサとを有し、上記外部交流電源と上記ラインフィルタとの間に第2のコンデンサが接続されるスイッチング電源装置において、スイッチ部と直列に接続される放電抵抗と、上記交流入力電圧の低下を検知する電圧低下検知部とを備え、直列に接続された、上記放電抵抗及び上記スイッチ部は、上記第1のコンデンサと並列に接続され、上記電圧低下検知部は、上記交流入力電圧の低下を検知すると、制御電圧を上記スイッチ部の制御入力に出力して上記スイッチ部を導通させることを特徴とする。
【0011】
上記発明によれば、上記電圧低下検知部は、上記交流入力電圧の低下を検知すると、制御電圧を上記スイッチ素子部の制御入力に出力して上記スイッチ部を導通させる。上記スイッチ部を導通させることにより、上記放電抵抗は、上記第1のコンデンサと並列に接続されるとともに、上記ダイオードブリッジ部を介して上記ラインフィルタ部の上記第2のコンデンサと接続される。上記放電抵抗により、上記第1のコンデンサの電荷と上記第2のコンデンサの電荷とを同時に放電できる。
【0012】
また、上記放電抵抗は、上記交流入力電圧が低下した後、即ち上記第1のコンデンサ及び上記第2のコンデンサを放電したい時だけ接続される。従って、スイッチング電源装置の消費電力が小さくなり経済的であるとともに、上記放電抵抗の抵抗値は、放電に最適な抵抗値に設定すればよく、上記放電抵抗は、従来の放電抵抗よりも抵抗値を小さく出来、より早く放電できる。
【0013】
さらに、上記放電抵抗は、従来の放電抵抗と異なり、上記ダイオードブリッジ部の出力側にある。従って、上記放電抵抗が、上記第1のコンデンサと並列に接続されるとともに、上記ダイオードブリッジ部を介して上記ラインフィルタ部の上記第2のコンデンサと接続された際に、上記第1のコンデンサ及び上記第2のコンデンサの電荷の放電による電流が、スイッチング電源装置の内部へ向けて流れ、上記外部交流電源側に流れない。よって、感電の恐れが無い。
【0014】
従って、外部交流電源から外した際の感電を防ぐととともに、消費電力が小さいスイッチング電源装置を提供することができる。
【0015】
上記スイッチング電源装置では、上記電圧低下検知部は、上記交流入力電圧を、上記ダイオードブリッジ部で整流するとともに上記第1のコンデンサで平滑した後の電圧が入力され、上記平滑した後の電圧の低下を検知することにより、上記交流入力電圧の低下を検知してもよい。これにより、上記電圧低下検知部は、上記交流入力電圧の低下を検知できる。
【0016】
上記スイッチング電源装置では、上記ダイオードブリッジ部と上記電圧低下検知部との間に設けられた高調波対策部をさらに備えてもよい。上記高調波対策部の出力電圧の低下を、上記電圧低下検知部で検知することにより、上記スイッチ部を導通させることができる。
【0017】
上記スイッチング電源装置では、上記スイッチ部は、トライアックまたはサーミスタであってもよい。上記スイッチ部は、制御入力に印加される電圧が、制御入力に印加されなくなっても導通し続けることが望ましい。このため、ゲートに電圧が印加されると、アノードとカソードとの間が導通し、アノードとカソードとの間を流れる導通電流が0になるまで導通し続けるトライアックを用いると、上記スイッチング電源装置において適切に放電抵抗を接続できる。また、上記理由から、上記スイッチ部としてサーミスタを用いてもよい。
【0018】
上記スイッチング電源装置では、上記スイッチ部は、ホトトライアックであり、上記ホトトライアックは、第1のダイオード部と、トライアック部とを有し、上記第1のダイオード部のアノードは、上記制御入力であり、上記トライアック部は、上記第1のダイオード部の導通時にONしてもよい。
【0019】
これにより、上記交流入力電圧が低下すると、アノードが制御入力である上記第1のダイオード部が導通し、上記トライアック部がONできる。
【0020】
上記スイッチング電源装置では、上記電圧低下検知部は、ホトカプラを有し、上記ホトカプラは、第2のダイオード部と、トランジスタ部とを有し、上記第2のダイオード部は、上記ダイオードブリッジ部と上記放電抵抗との間に設けられ、上記トランジスタ部は、ON時に上記制御入力を電気的に接地してもよい。
【0021】
これにより、上記交流入力電圧が低下すると、上記第2のダイオード部が非導通となり、上記トランジスタ部がOFFする。上記トランジスタ部がOFFすることにより、上記スイッチ部の制御入力は、電気的に接地されなくなる。よって、上記スイッチ部の制御入力に電圧を印加することにより上記スイッチ部をONできる。
【0022】
上記スイッチング電源装置では、上記電圧低下検知部は、比較部を有し、上記比較部の第1の入力には、上記交流入力電圧に基づく第1の電圧が入力され、上記比較部の第2の入力には、上記直流入力に基づく第2の電圧が入力され、上記比較部の、上記第1の電圧と上記第2の電圧との比較結果に基づき、上記第1のダイオード部のアノードに制御電圧が出力されてもよい。これにより、上記トライアック部をONできる。
【発明の効果】
【0023】
本発明のスイッチング電源装置は、以上のように、スイッチ部と直列に接続される放電抵抗と、交流入力電圧の低下を検知する電圧低下検知部とを備え、直列に接続された、上記放電抵抗及び上記スイッチ部は、第1のコンデンサと並列に接続され、上記電圧低下検知部は、上記交流入力電圧の低下を検知すると、制御電圧を上記スイッチ部の制御入力に出力して上記スイッチ部を導通させるものである。
【0024】
それゆえ、外部交流電源から外した際の感電を防ぐととともに、消費電力が小さいスイッチング電源装置を提供するという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の一実施形態に係るスイッチング電源装置のブロック図である。
【図2】本発明の他の実施形態に係るスイッチング電源装置のブロック図である。
【図3】本発明のさらに別の実施形態に係るスイッチング電源装置のブロック図である。
【図4】本発明のさらに別の実施形態に係るスイッチング電源装置のブロック図である。
【図5】本発明のさらに別の実施形態に係るスイッチング電源装置のブロック図である。
【図6】本発明のさらに別の実施形態に係るスイッチング電源装置のブロック図である。
【図7】本発明のさらに別の実施形態に係るスイッチング電源装置のブロック図である。
【図8】本発明のさらに別の実施形態に係るスイッチング電源装置のブロック図である。
【図9】本発明のさらに別の実施形態に係るスイッチング電源装置のブロック図である。
【図10】本発明のさらに別の実施形態に係るスイッチング電源装置のブロック図である。
【図11】本発明のさらに別の実施形態に係るスイッチング電源装置のブロック図である。
【図12】本発明のさらに別の実施形態に係るスイッチング電源装置のブロック図である。
【図13】本発明のさらに別の実施形態に係るスイッチング電源装置のブロック図である。
【図14】従来のスイッチング電源装置のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
〔実施の形態1〕
本発明の一実施形態について図1に基づいて説明すると以下の通りである。先ずは本実施形態に係るスイッチング電源装置11の概略構成を、図1を参照して説明する。
【0027】
図1は、本実施形態1に係るスイッチング電源装置11のブロック図である。スイッチング電源装置11は、後述する交流電源AC(外部交流電源)からAC入力電圧(交流入力電圧)が入力されるスイッチング電源装置であって、ラインフィルタ回路6(ラインフィルタ部)と、ダイオードブリッジ回路D1(ダイオードブリッジ部)と、コンデンサC2(第1のコンデンサ)と、スイッチング素子Q1(主スイッチング素子)と、スイッチング制御回路3(制御部)と、トランス(変圧トランス)T1と、トランスT1の出力を整流平滑するダイオードD2と、コンデンサC3と、放電抵抗R8と、電圧低下検知回路2(電圧低下検知部)と、スイッチ素子4(スイッチ部)とを備えている。放電抵抗R8とスイッチ素子4とは、直列に接続されている。
【0028】
AC入力側のラインフィルタ回路6は、ラインフィルタL1とコンデンサC1(第2のコンデンサ)とを有しており、スイッチング素子Q1が発生するノイズが、交流電源ACに流出するのを防ぐ。トランスT1は、1次主巻線N1と、2次巻線N2と、1次副巻線N3とを有している。
【0029】
スイッチング電源装置11では、コンデンサC1の両端と、ラインフィルタL1の2つの入力端子とは、例えば商用の交流電源ACに接続されている。ラインフィルタL1の第1の出力端子は、ダイオードブリッジ回路D1の第1の入力端子に接続され、ラインフィルタL1の第2の出力端子は、ダイオードブリッジ回路D1の第2の入力端子に接続されている。
【0030】
ダイオードブリッジ回路D1の第1の出力は、コンデンサC2の一端と、電圧低下検知回路2の一端と、放電抵抗R8の一端と、トランスT1の1次主巻線N1の一端とに接続されている。1次主巻線N1の他端は、スイッチング素子Q1のドレインに接続されている。スイッチング素子Q1のゲートは、スイッチング制御回路3の出力に接続されている。1次副巻線N3の一端は、スイッチング制御回路3の第1の入力に接続されており、1次副巻線N3の他端は、スイッチング制御回路3の第2の入力と、スイッチング素子Q1のソースとに接続されている。
【0031】
放電抵抗R8の他端は、スイッチ素子4の一端に接続されている。スイッチ素子4の他端と、スイッチング制御回路3のGNDと、電圧低下検知回路2の他端と、コンデンサC2の他端と、ダイオードブリッジ回路D1の第2の出力とは、電気的に接地されている。電圧低下検知回路2の出力は、スイッチ素子4の制御入力に接続されている。
【0032】
2次巻線N2の一端は、ダイオードD2のアノードに接続されている。ダイオードD2のカソードは、コンデンサC3の一端と負荷LOADの一端とに接続されている。そして、2次巻線N2の他端と、コンデンサC3の他端と負荷LOADの他端とは、互いに接続されている。
【0033】
以下ではスイッチング電源装置11の動作について説明する。スイッチング電源装置11では、スイッチング制御回路3は、他励式にて、スイッチング素子Q1を制御して、直流入力V3を所望する電圧に安定化して直流出力V4として出力する。また、ダイオードブリッジ回路D1は、交流電源ACから出力され、ラインフィルタ回路6を介したAC電圧を整流する。コンデンサC2は、ダイオードブリッジ回路D1により整流された電圧を平滑する。ダイオードD2は、トランスT1の出力を整流平滑する。
【0034】
交流電源ACから入力されるAC入力電圧が低下すると、AC入力電圧を、ダイオードブリッジ回路6で整流するとともにコンデンサC2で平滑した後の電圧が電圧低下検知回路2に入力される。電圧低下検知回路2は、AC入力電圧を、ダイオードブリッジ回路6で整流するとともにコンデンサC2で平滑した後の電圧の低下を検知することにより、AC入力電圧の低下を検知する。このようにして電圧低下検知回路2がAC入力電圧の低下を検知すると、制御電圧をスイッチ素子4の制御入力に出力してスイッチ素子4をONする。スイッチ素子4をONするために電圧低下検知回路2が検知する電圧は、所望の値に設定すればよい。
【0035】
スイッチ素子4をONすることにより、放電抵抗R8は、コンデンサC2と並列に接続されるとともに、ダイオードブリッジ回路D1を介してラインフィルタ回路6のコンデンサC1と接続される。このような放電抵抗R8により、コンデンサC1の電荷とコンデンサC2の電荷とを同時に放電できる。
【0036】
放電抵抗R8は、AC入力電圧が低下した後、即ちコンデンサC1,C2を放電したい時だけ接続される。従って、スイッチング電源装置11の消費電力が小さくなり経済的であるとともに、放電抵抗R8の抵抗値は、放電に最適な抵抗値に設定すればよく、放電抵抗R8は、従来図14の放電抵抗R110よりも抵抗値を小さく出来、より早く放電できる。
【0037】
また、放電抵抗R8は、従来図14の放電抵抗R110と異なり、ダイオードブリッジ回路D1の出力側にある。従って、放電抵抗R8が、コンデンサC2と並列に接続されるとともに、ダイオードブリッジ回路D1を介してラインフィルタ回路6のコンデンサC1と接続された際に、コンデンサC1,C2の電荷の放電による電流が、トランスT1側へ(スイッチング電源装置11の内部へ)向けて流れ、ACプラグ側に(交流電源AC側に)流れない。よって、感電の恐れが無い。
【0038】
コンデンサC1の静電容量、コンデンサC2の静電容量、及び放電抵抗R8の抵抗値に関して、以下に示す(1)式及び(2)式が成立する。ここで、iは放電電流(単位は例えばA)、Eは放電開始電圧(AC入力電圧が低下し始めた時のコンデンサC1,C2の両端の電圧)、Rは放電抵抗R8の抵抗値(単位は例えばΩ)、tは放電時間(単位は例えば秒)CはコンデンサC1,C2の合成静電容量(C=C1+C2、単位は例えばμF)、Vはt秒後の放電後電圧である。
【0039】
i=(E/R)×2.7^(−t/RC) (1)
V=i×R (2)
(1)式においてE=400V、C=220μFの場合、R=1800Ωとすると、(1)式及び(2)式から、スイッチング電源装置11では、1秒後(t=1)の放電後電圧Vを、“危険な活電部電圧”以下にできる。“危険な活電部電圧”は、直流では60Vであり、交流では35V(ピーク)である。
【0040】
このように、放電開始電圧Eの値及び合成静電容量Cの値に対して放電抵抗R8の抵抗値Rを適宜設定することにより、コンデンサC1,C2の両端電圧を、所望の時間で所望の電圧にすることが可能となる。
【0041】
〔実施の形態2〕
本発明の他の実施形態について図2に基づいて説明すると以下の通りである。なお、本実施形態において説明すること以外の構成は、前記実施の形態1と同じである。また、説明の便宜上、前記実施の形態1の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。本段落に記載の内容は、実施形態3以降も同様である。
【0042】
図2は、本実施形態2に係るスイッチング電源装置12のブロック図である。スイッチング電源装置12と実施の形態1のスイッチング電源装置11との相違点は、電圧低下検知回路2の一端の接続先である。スイッチング電源装置12では、電圧低下検知回路2の一端は、コンデンサC1の一端に接続されている。このような構成とすることにより、電圧低下検知回路2では、AC入力電圧の低下を検知してスイッチ素子4をONできる。スイッチ素子4をONすることにより、コンデンサC2と並列に接続されるとともに、ダイオードブリッジ回路D1を介してラインフィルタ回路6のコンデンサC1と接続される放電抵抗R8は、コンデンサC1の電荷とコンデンサC2の電荷とを同時に放電できる。
【0043】
〔実施の形態3〕
図3は、本実施形態3に係るスイッチング電源装置13のブロック図である。スイッチング電源装置13は、実施の形態1のスイッチング電源装置11に、高調波対策回路H1(高調波対策部)を追加したスイッチング電源装置である。高調波対策回路H1は、ダイオードブリッジ回路D1と電圧低下検知回路2との間に設けられる。
【0044】
高調波対策回路H1は、コンデンサC2を含むとともに、チョークコイルL2と、スイッチング素子Q2と、ダイオードD3と、高調波対策制御回路5とを有している。
【0045】
スイッチング電源装置13では、ダイオードブリッジ回路D1の第1の出力は、チョークコイルL2の一端に接続されている。チョークコイルL2の他端は、ダイオードD3のアノードとスイッチング素子Q2のドレインとに接続されている。ダイオードD3のカソードは、コンデンサC2の一端と、電圧低下検知回路2の一端と、放電抵抗R8の一端と、トランスT1の1次主巻線N1の一端とに接続されている。
【0046】
スイッチング素子Q2のゲートは、高調波対策制御回路5の出力に接続されている。スイッチング素子Q2のソース及び高調波対策制御回路5のGNDは、電気的に接地されている。
【0047】
以下ではスイッチング電源装置13の動作について説明する。スイッチング電源装置13では、AC入力電圧が低下し、トランスT1の出力電圧が低下すると、スイッチング制御回路3の動作が停止し、高調波対策回路H1も停止する。
【0048】
そこで、AC入力整流平滑後の電圧の低下、即ち高調波対策回路H1の出力電圧の低下を、電圧低下検知回路2で検知することにより、スイッチ素子4をONできる。スイッチ素子4をONすることにより、コンデンサC2と並列に接続されるとともに、ダイオードブリッジ回路D1を介してラインフィルタ回路6のコンデンサC1と接続される放電抵抗R8は、コンデンサC1の電荷とコンデンサC2の電荷とを同時に放電できる。
【0049】
〔実施の形態4〕
図4は、本実施形態4に係るスイッチング電源装置14のブロック図である。スイッチング電源装置14と実施の形態3のスイッチング電源装置13との相違点は、電圧低下検知回路2の一端の接続先である。スイッチング電源装置14では、電圧低下検知回路2の一端は、コンデンサC1の一端に接続されている。このような構成とすることにより、電圧低下検知回路2では、AC入力電圧の低下を検知してスイッチ素子4をONできる。スイッチ素子4をONすることにより、コンデンサC2と並列に接続されるとともに、ダイオードブリッジ回路D1を介してラインフィルタ回路6のコンデンサC1と接続される放電抵抗R8は、コンデンサC1の電荷とコンデンサC2の電荷とを同時に放電できる。
【0050】
〔実施の形態5〕
図5は、本実施形態5に係るスイッチング電源装置15のブロック図である。スイッチング電源装置15は、実施の形態2のスイッチング電源装置12において、トライアックTRC1でスイッチ素子4を構成するとともに、抵抗R2〜R7と、ダイオードD4と、トランジスタQ3と、コンデンサC4〜C6とで電圧低下検知回路2を構成している。
【0051】
スイッチング電源装置15では、コンデンサC1の一端に、ダイオードD4のアノードが接続されている。ダイオードD4のカソードは、抵抗R2の一端に接続されている。抵抗R2の他端は、抵抗R3の一端と、コンデンサC4の一端と、トランジスタQ3のベースとに接続されている。
【0052】
トランジスタQ3のコレクタは、抵抗R4の一端と、抵抗R5の一端と、コンデンサC5の一端と、トライアックTRC1のゲート(制御入力)とに接続されている。抵抗R4の他端は、抵抗R6の一端と、抵抗R7の一端と、コンデンサC6の一端とに接続されている。抵抗R6の他端は、ダイオードブリッジ回路D1の第1の出力に接続されている。トライアックTRC1の一端は、放電抵抗R8の他端に接続されている。そして、トライアックTRC1の他端と、コンデンサC6の他端と、抵抗R7の他端と、コンデンサC5の他端と、抵抗R5の他端と、トランジスタQ3のエミッタと、コンデンサC4の他端と、抵抗R3の他端とは、電気的に接地されている。
【0053】
以下ではスイッチング電源装置15の動作について説明する。スイッチング電源装置15では、AC入力電圧からダイオードD4による電圧降下を引いた電圧を、抵抗R2と抵抗R3とにより分圧した電圧が、所定の電圧を下回ると、トランジスタQ3がoffする。そして、抵抗R6,R4,R5,R7によって、スイッチ素子であるトライアックTRC1のゲートに電圧を印加してトライアックTRC1をONする。トライアックTRC1をONすることにより、コンデンサC2と並列に接続されるとともに、ダイオードブリッジ回路D1を介してラインフィルタ回路6のコンデンサC1と接続される放電抵抗R8は、コンデンサC1の電荷とコンデンサC2の電荷とを同時に放電できる。
【0054】
スイッチ素子4は、ドライブ電圧、即ち制御入力に印加される電圧が、制御入力に印加されなくなってもONし続けることが望ましい。このため、ゲートに電圧が印加される(ゲート電流が流れる)と、アノードとカソードとの間が導通し、アノードとカソードとの間を流れる導通電流が0になるまで導通し続けるトライアックTRC1を用いると、スイッチング電源装置15において適切に放電抵抗R8を接続できる。また、上記理由から、スイッチ素子4としてサーミスタを用いてもよい。
【0055】
〔実施の形態6〕
図6は、本実施形態6に係るスイッチング電源装置16のブロック図である。スイッチング電源装置16は、実施の形態2のスイッチング電源装置12において、トライアックTRC1でスイッチ素子4を構成するとともに、抵抗R2,R3,R5,R9と、ダイオードD4と、トランジスタQ3と、コンデンサC5とで電圧低下検知回路2を構成している。
【0056】
スイッチング電源装置16では、コンデンサC1の一端に、ダイオードD4のアノードが接続されている。ダイオードD4のカソードは、抵抗R2の一端に接続されている。抵抗R2の他端は、抵抗R3の一端と、コンデンサC4の一端と、トランジスタQ3のベースとに接続されている。
【0057】
トランジスタQ3のコレクタは、抵抗R9の一端と、抵抗R5の一端と、コンデンサC5の一端と、トライアックTRC1のゲートとに接続されている。抵抗R9の他端は、1次副巻線N3の一端に接続されている。トライアックTRC1の一端は、放電抵抗R8の他端に接続されている。そして、トライアックTRC1の他端と、コンデンサC5の他端と、抵抗R5の他端と、トランジスタQ3のエミッタと、コンデンサC4の他端と、抵抗R3の他端とは、電気的に接地されている。
【0058】
以下ではスイッチング電源装置16の動作について説明する。スイッチング電源装置16では、AC入力電圧からダイオードD4による電圧降下を引いた電圧を、抵抗R2と抵抗R3とにより分圧した電圧が、所定の電圧を下回ると、トランジスタQ3がoffする。そして、1次副巻線N3の出力電圧を、抵抗R9と抵抗R5とにより分圧した電圧を、トライアックTRC1のゲートに印加してトライアックTRC1をONする。トライアックTRC1をONすることにより、コンデンサC2と並列に接続されるとともに、ダイオードブリッジ回路D1を介してラインフィルタ回路6のコンデンサC1と接続される放電抵抗R8は、コンデンサC1の電荷とコンデンサC2の電荷とを同時に放電できる。
【0059】
〔実施の形態7〕
図7は、本実施形態7に係るスイッチング電源装置17のブロック図である。スイッチング電源装置17は、実施の形態2のスイッチング電源装置12において、トライアックTRC1でスイッチ素子4を構成するとともに、ホトカプラPC1と、抵抗R4〜R7と、トランジスタQ3と、コンデンサC5,C6とで電圧低下検知回路2を構成している。ホトカプラPC1は、ダイオードPC1d(第2のダイオード部)と、トランジスタPC1t(トランジスタ部)とを有している。
【0060】
ダイオードPC1dは、ダイオードブリッジ回路D1とトライアックTRC1との間に設けられ、トランジスタPC1tは、ON時に上記制御入力を電気的に接地する。
【0061】
スイッチング電源装置17では、トランジスタPC1tのコレクタは、抵抗R4の一端と、抵抗R5の一端と、コンデンサC5の一端と、トライアックTRC1のゲートとに接続されている。抵抗R4の他端は、抵抗R6の一端と、抵抗R7の一端と、コンデンサC6の一端とに接続されている。抵抗R6の他端は、ダイオードPC1dのカソードに接続されている。ダイオードPC1dのアノードは、ダイオードブリッジ回路D1の第1の出力に接続されている。トライアックTRC1の一端は、放電抵抗R8の他端に接続されている。そして、トライアックTRC1の他端と、コンデンサC6の他端と、抵抗R7の他端と、コンデンサC5の他端と、抵抗R5の他端と、トランジスタPC1tのエミッタとは、電気的に接地されている。
【0062】
以下ではスイッチング電源装置17の動作について説明する。スイッチング電源装置17では、AC入力電圧が低下し、所定の電圧を下回ると、ダイオードPC1dが非導通となり、トランジスタPC1tがOFFする。トランジスタPC1tがOFFすることにより、トライアックTRC1のゲートは電気的に接地されなくなる。そして、抵抗R6,R4,R5,R7によって、スイッチ素子であるトライアックTRC1のゲートに電圧を印加することによりトライアックTRC1をONできる。トライアックTRC1をONすることにより、コンデンサC2と並列に接続されるとともに、ダイオードブリッジ回路D1を介してラインフィルタ回路6のコンデンサC1と接続される放電抵抗R8は、コンデンサC1の電荷とコンデンサC2の電荷とを同時に放電できる。
【0063】
〔実施の形態8〕
図8は、本実施形態8に係るスイッチング電源装置18のブロック図である。スイッチング電源装置18は、実施の形態2のスイッチング電源装置12において、トライアックTRC1でスイッチ素子4を構成するとともに、ホトカプラPC1と、抵抗R5,R9と、コンデンサC5とで電圧低下検知回路2を構成している。ホトカプラPC1は、ダイオードPC1dと、トランジスタPC1tとを有している。
【0064】
ダイオードPC1dは、ダイオードブリッジ回路D1とトライアックTRC1との間に設けられ、トランジスタPC1tは、ON時に上記制御入力を電気的に接地する。
【0065】
スイッチング電源装置18では、トランジスタPC1tのコレクタは、抵抗R9の一端と、抵抗R5の一端と、コンデンサC5の一端と、トライアックTRC1のゲートとに接続されている。抵抗R9の他端は、1次副巻線N3の一端に接続されている。ダイオードPC1dのアノードは、ダイオードブリッジ回路D1の第1の出力に接続されている。ダイオードPC1dのカソードは、コンデンサC2の一端に接続されている。トライアックTRC1の一端は、放電抵抗R8の他端に接続されている。そして、トライアックTRC1の他端と、コンデンサC5の他端と、抵抗R5の他端と、トランジスタPC1tのエミッタとは、電気的に接地されている。
【0066】
以下ではスイッチング電源装置18の動作について説明する。スイッチング電源装置18では、AC入力電圧が低下し、所定の電圧を下回ると、ダイオードPC1dが非導通となり、トランジスタPC1tがOFFする。トランジスタPC1tがOFFすることにより、トライアックTRC1のゲートは電気的に接地されなくなる。そして、1次副巻線N3の出力電圧を、抵抗R9と抵抗R5とにより分圧した電圧を、トライアックTRC1のゲートに印加することによりトライアックTRC1をONできる。トライアックTRC1をONすることにより、コンデンサC2と並列に接続されるとともに、ダイオードブリッジ回路D1を介してラインフィルタ回路6のコンデンサC1と接続される放電抵抗R8は、コンデンサC1の電荷とコンデンサC2の電荷とを同時に放電できる。
【0067】
〔実施の形態9〕
図9は、本実施形態9に係るスイッチング電源装置19のブロック図である。スイッチング電源装置19は、実施の形態2のスイッチング電源装置12において、ホトトライアックPTRC1でスイッチ素子4を構成するとともに、抵抗R2,R3,R9と、ダイオードD4と、トランジスタQ3と、コンデンサC4,C5とで電圧低下検知回路2を構成している。ホトトライアックPTRC1は、トライアックPTRC1t(トライアック部)と、ダイオードPTRC1d(第1のダイオード部)とを有している。
【0068】
ダイオードPTRC1dのアノードは、制御入力であり、トライアックPTRC1tは、ダイオードPTRC1dの導通時にONする。
【0069】
スイッチング電源装置19では、コンデンサC1の一端に、ダイオードD4のアノードが接続されている。ダイオードD4のカソードは、抵抗R2の一端に接続されている。抵抗R2の他端は、抵抗R3の一端と、コンデンサC4の一端と、トランジスタQ3のベースとに接続されている。
【0070】
トランジスタQ3のコレクタは、抵抗R9の一端と、ダイオードPTRC1dのアノードと、コンデンサC5の一端とに接続されている。抵抗R9の他端は、1次副巻線N3の一端に接続されている。トライアックPTRC1tの一端は、放電抵抗R8の他端に接続されている。そして、トライアックPTRC1tの他端と、コンデンサC5の他端と、ダイオードPTRC1dのカソードと、トランジスタQ3のエミッタと、コンデンサC4の他端と、抵抗R3の他端とは、電気的に接地されている。
【0071】
以下ではスイッチング電源装置19の動作について説明する。スイッチング電源装置19では、AC入力電圧からダイオードD4による電圧降下を引いた電圧を、抵抗R2と抵抗R3とにより分圧した電圧が、所定の電圧を下回ると、トランジスタQ3がoffする。そして、抵抗R9を介した1次副巻線N3の出力電圧によって、アノードが制御入力であるダイオードPTRC1dが導通する結果、トライアックPTRC1tがONする。トライアックPTRC1tをONすることにより、コンデンサC2と並列に接続されるとともに、ダイオードブリッジ回路D1を介してラインフィルタ回路6のコンデンサC1と接続される放電抵抗R8は、コンデンサC1の電荷とコンデンサC2の電荷とを同時に放電できる。
【0072】
〔実施の形態10〕
図10は、本実施形態10に係るスイッチング電源装置20のブロック図である。スイッチング電源装置19は、実施の形態2のスイッチング電源装置12において、ホトトライアックPTRC1でスイッチ素子4を構成するとともに、ホトカプラPC1と、抵抗R9と、コンデンサC5とで電圧低下検知回路2を構成している。ホトカプラPC1は、ダイオードPC1dと、トランジスタPC1tとを有している。ホトトライアックPTRC1は、トライアックPTRC1tと、ダイオードPTRC1dとを有している。
【0073】
ダイオードPC1dは、ダイオードブリッジ回路D1とトライアックTRC1との間に設けられ、トランジスタPC1tは、ON時に上記制御入力を電気的に接地する。
【0074】
ダイオードPTRC1dのアノードは、制御入力であり、トライアックPTRC1tは、ダイオードPTRC1dの導通時にONする。
【0075】
スイッチング電源装置20では、トランジスタPC1tのコレクタは、抵抗R9の一端と、コンデンサC5の一端と、ダイオードPTRC1dのアノードとに接続されている。抵抗R9の他端は、1次副巻線N3の一端に接続されている。ダイオードPC1dのアノードは、ダイオードブリッジ回路D1の第1の出力に接続されている。ダイオードPC1dのカソードは、コンデンサC2の一端に接続されている。トライアックPTRC1tの一端は、放電抵抗R8の他端に接続されている。そして、トライアックPTRC1tの他端と、コンデンサC5の他端と、ダイオードPTRC1dのカソードと、トランジスタPC1tのエミッタとは、電気的に接地されている。
【0076】
以下ではスイッチング電源装置20の動作について説明する。スイッチング電源装置20では、AC入力電圧が低下し、所定の電圧を下回ると、ダイオードPC1dが非導通となり、トランジスタPC1tがOFFする。トランジスタPC1tがOFFすることにより、制御入力であるダイオードPTRC1dのアノードは、電気的に接地されなくなる。そして、抵抗R9を介した1次副巻線N3の出力電圧によって、ダイオードPTRC1dが導通する結果、トライアックPTRC1tがONする。トライアックPTRC1tをONすることにより、コンデンサC2と並列に接続されるとともに、ダイオードブリッジ回路D1を介してラインフィルタ回路6のコンデンサC1と接続される放電抵抗R8は、コンデンサC1の電荷とコンデンサC2の電荷とを同時に放電できる。
【0077】
〔実施の形態11〕
図11は、本実施形態11に係るスイッチング電源装置21のブロック図である。スイッチング電源装置21は、実施の形態2のスイッチング電源装置12において、ホトトライアックPTRC1でスイッチ素子4を構成するとともに、コンパレータCOMP1(比較部)と、抵抗R9,R11〜R15と、トランジスタQ4と、コンデンサC5とで電圧低下検知回路2を構成している。ホトトライアックPTRC1は、トライアックPTRC1tと、ダイオードPTRC1dとを有している。
【0078】
コンパレータCOMP1の反転入力端子(−、第1の入力)には、AC入力電圧に基づく電圧V1(第1の電圧)が入力され、コンパレータCOMP1の非反転入力端子(+、第2の入力)には、直流入力V3に基づく電圧V2(第2の電圧)が入力される。コンパレータCOMP1の、電圧V1と電圧V2との比較結果に基づき、制御入力であるダイオードPTRC1dのアノードに制御電圧が出力される。これにより、トライアックPTRC1tをONできる。
【0079】
スイッチング電源装置21では、トランジスタQ4のエミッタは、抵抗R9の一端と、ダイオードPTRC1dのアノードと、コンデンサC5の一端とに接続されている。抵抗R9の他端は、1次副巻線N3の一端と、抵抗R11の一端と、抵抗R13の一端とに接続されている。抵抗R11の他端は、抵抗R12の一端と、コンパレータCOMP1の反転入力端子とに接続されている。抵抗R13の他端は、抵抗R14の一端と、コンパレータCOMP1の非反転入力端子とに接続されている。コンパレータCOMP1の出力は、トランジスタQ4のベースに接続されている。抵抗R12の他端は、ダイオードブリッジ回路D1の第2の出力と抵抗R5の一端とに接続されている。トライアックPTRC1tの一端は、放電抵抗R8の他端に接続されている。そして、トライアックPTRC1tの他端と、コンデンサC5の他端と、ダイオードPTRC1dのカソードと、トランジスタQ4のコレクタと、抵抗R14の他端と、抵抗R15の他端とは、電気的に接地されている。
【0080】
以下ではスイッチング電源装置21の動作について説明する。スイッチング電源装置21では、抵抗R15の両端電圧の変化を、抵抗R11,R12,R13,R14とコンパレータCOMP1とで検知する。スイッチング電源装置21の動作が停止し、AC入力電圧が低下すると、コンパレータCOMP1の出力がHiとなる。これにより、トランジスタQ4のベースがHiとなるので、トランジスタQ4がOFFする。そして、抵抗R9を介した1次副巻線N3の出力電圧によって、ダイオードPTRC1dが導通する結果、トライアックPTRC1tがONする。トライアックPTRC1tをONすることにより、コンデンサC2と並列に接続されるとともに、ダイオードブリッジ回路D1を介してラインフィルタ回路6のコンデンサC1と接続される放電抵抗R8は、コンデンサC1の電荷とコンデンサC2の電荷とを同時に放電できる。
【0081】
〔実施の形態12〕
図12は、本実施形態12に係るスイッチング電源装置22のブロック図である。スイッチング電源装置22は、実施の形態2のスイッチング電源装置12において、ホトトライアックPTRC1でスイッチ素子4を構成するとともに、コンパレータCOMP1と、抵抗R9,R11,R12,R16,R17と、ダイオードD5と、トランジスタQ4と、コンデンサC5,C7とで電圧低下検知回路2を構成している。ホトトライアックPTRC1は、トライアックPTRC1tと、ダイオードPTRC1dとを有している。
【0082】
コンパレータCOMP1の反転入力端子(−、第1の入力)には、AC入力電圧に基づく電圧V1(第1の電圧)が入力され、コンパレータCOMP1の非反転入力端子(+、第2の入力)には、直流入力V3に基づく電圧V2(第2の電圧)が入力される。コンパレータCOMP1の、電圧V1と電圧V2との比較結果に基づき、制御入力であるダイオードPTRC1dのアノードに制御電圧が出力される。これにより、トライアックPTRC1tをONできる。
【0083】
スイッチング電源装置22では、トランジスタQ4のエミッタは、抵抗R9の一端と、ダイオードPTRC1dのアノードと、コンデンサC5の一端とに接続されている。抵抗R9の他端は、1次副巻線N3の一端と、抵抗R11の一端とに接続されている。抵抗R11の他端は、抵抗R12の一端と、コンパレータCOMP1の反転入力端子とに接続されている。ダイオードD5のアノードは、コンデンサC1の他端に接続されている。ダイオードD5のカソードは、抵抗R16の一端に接続されている。抵抗R16の他端は、抵抗R17の一端と、コンパレータCOMP1の非反転入力端子と、コンデンサC7の一端とに接続されている。コンパレータCOMP1の出力は、トランジスタQ4のベースに接続されている。トライアックPTRC1tの一端は、放電抵抗R8の他端に接続されている。そして、トライアックPTRC1tの他端と、コンデンサC5の他端と、ダイオードPTRC1dのカソードと、トランジスタQ4のコレクタと、抵抗R12の他端と、抵抗R17の他端と、コンデンサC7の他端とは、電気的に接地されている。
【0084】
以下ではスイッチング電源装置22の動作について説明する。スイッチング電源装置22では、ダイオードD5により整流されたAC入力電圧の変化を、抵抗R11,R12,R16,R17とコンデンサC7とコンパレータCOMP1とで検知する。スイッチング電源装置22の動作が停止し、AC入力電圧が低下すると、コンパレータCOMP1の出力がHiとなる。これにより、トランジスタQ4のベースがHiとなるので、トランジスタQ4がOFFする。そして、抵抗R9を介した1次副巻線N3の出力電圧によって、ダイオードPTRC1dが導通する結果、トライアックPTRC1tがONする。トライアックPTRC1tをONすることにより、コンデンサC2と並列に接続されるとともに、ダイオードブリッジ回路D1を介してラインフィルタ回路6のコンデンサC1と接続される放電抵抗R8は、コンデンサC1の電荷とコンデンサC2の電荷とを同時に放電できる。
【0085】
〔実施の形態13〕
図13は、本実施形態13に係るスイッチング電源装置23のブロック図である。スイッチング電源装置23は、実施の形態2のスイッチング電源装置12において、ホトトライアックPTRC1でスイッチ素子4を構成するとともに、コンパレータCOMP1と、抵抗R9,R11,R12,R16,R17と、ダイオードD5,D6と、トランジスタQ4と、コンデンサC5,C7とで電圧低下検知回路2を構成している。ホトトライアックPTRC1は、トライアックPTRC1tと、ダイオードPTRC1dとを有している。
【0086】
コンパレータCOMP1の反転入力端子(−、第1の入力)には、AC入力電圧に基づく電圧V1(第1の電圧)が入力され、コンパレータCOMP1の非反転入力端子(+、第2の入力)には、直流入力V3に基づく電圧V2(第2の電圧)が入力される。コンパレータCOMP1の、電圧V1と電圧V2との比較結果に基づき、制御入力であるダイオードPTRC1dのアノードに制御電圧が出力される。これにより、トライアックPTRC1tをONできる。
【0087】
スイッチング電源装置23では、トランジスタQ4のエミッタは、抵抗R9の一端と、ダイオードPTRC1dのアノードと、コンデンサC5の一端とに接続されている。抵抗R9の他端は、1次副巻線N3の一端と、抵抗R11の一端とに接続されている。抵抗R11の他端は、抵抗R12の一端と、コンパレータCOMP1の反転入力端子とに接続されている。ダイオードD6のアノードは、コンデンサC1の一端に接続されている。ダイオードD5のアノードは、コンデンサC1の他端に接続されている。ダイオードD6のカソード及びダイオードD5のカソードは、抵抗R16の一端に接続されている。抵抗R16の他端は、抵抗R17の一端と、コンパレータCOMP1の非反転入力端子と、コンデンサC7の一端とに接続されている。コンパレータCOMP1の出力は、トランジスタQ4のベースに接続されている。トライアックPTRC1tの一端は、放電抵抗R8の他端に接続されている。そして、トライアックPTRC1tの他端と、コンデンサC5の他端と、ダイオードPTRC1dのカソードと、トランジスタQ4のコレクタと、抵抗R12の他端と、抵抗R17の他端と、コンデンサC7の他端とは、電気的に接地されている。
【0088】
以下ではスイッチング電源装置23の動作について説明する。スイッチング電源装置23では、ダイオードD6により整流されたAC入力電圧と、ダイオードD5により整流されたAC入力電圧との和の電圧の変化を、抵抗R11,R12,R16,R17とコンデンサC7とコンパレータCOMP1とで検知する。AC入力電圧を交流電源ACが接続された2本のライン両方から取り出すことで、コンパレータCOMP1の非反転入力端子の電圧V2の安定化を実現している。
【0089】
スイッチング電源装置23の動作が停止し、AC入力電圧が低下すると、コンパレータCOMP1の出力がHiとなる。これにより、トランジスタQ4のベースがHiとなるので、トランジスタQ4がOFFする。そして、抵抗R9を介した1次副巻線N3の出力電圧によって、ダイオードPTRC1dが導通する結果、トライアックPTRC1tがONする。トライアックPTRC1tをONすることにより、コンデンサC2と並列に接続されるとともに、ダイオードブリッジ回路D1を介してラインフィルタ回路6のコンデンサC1と接続される放電抵抗R8は、コンデンサC1の電荷とコンデンサC2の電荷とを同時に放電できる。
【0090】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0091】
本発明のスイッチング電源装置は、外部交流電源から外した際の感電を防ぐととともに、消費電力が小さいので、直流電圧を出力するスイッチング電源装置、液晶TV用スイッチング電源装置、液晶TVのLEDバックライト用スイッチング電源装置に好適に用いることが出来る。
【符号の説明】
【0092】
11〜23 スイッチング電源装置
2 電圧低下検知回路(電圧低下検知部)
3 スイッチング制御回路(制御部)
4 スイッチ素子(スイッチ部)
5 高調波対策制御回路
6 ラインフィルタ回路(ラインフィルタ部)
AC 交流電源
C 合成静電容量
C1 コンデンサ(第2のコンデンサ)
C2 コンデンサ(第1のコンデンサ)
C3〜C7 コンデンサ
COMP1 コンパレータ(比較部)
D1 ダイオードブリッジ回路(ダイオードブリッジ部)
D2〜D6 ダイオード
E 放電開始電圧
H1 高調波対策回路(高調波対策部)
i 放電電流
L1 ラインフィルタ
L2 チョークコイル
LOAD 負荷
N1 1次主巻線
N2 2次巻線
N3 1次副巻線
PC1 ホトカプラ
PC1d ダイオード(第2のダイオード部)
PC1t トランジスタ(トランジスタ部)
PTRC1 ホトトライアック
PTRC1d ダイオード(第1のダイオード部)
PTRC1t トライアック(トライアック部)
Q1 スイッチング素子(主スイッチング素子)
Q2 スイッチング素子
Q3,Q4 トランジスタ
R 抵抗値
R2〜R7,R9,R11〜R17 抵抗
R8 放電抵抗
t 放電時間
T1 トランス(変圧部)
TRC1 トライアック

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部交流電源から交流入力電圧が入力されるスイッチング電源装置であって、
主スイッチング素子が発生するノイズが、外部交流電源に流出するのを防ぐラインフィルタ部と、
上記ラインフィルタ部の出力電圧を整流するダイオードブリッジ部と、
両端が、それぞれ上記ダイオードブリッジ部の2つの出力に接続される第1のコンデンサと、
他励式にて、上記主スイッチング素子を制御して、直流入力を所望する電圧に安定化して直流出力として出力するための制御部とを備え、
上記ラインフィルタ部は、ラインフィルタと第2のコンデンサとを有し、
上記外部交流電源と上記ラインフィルタとの間に第2のコンデンサが接続されるスイッチング電源装置において、
スイッチ部と直列に接続される放電抵抗と、
上記交流入力電圧の低下を検知する電圧低下検知部とを備え、
直列に接続された、上記放電抵抗及び上記スイッチ部は、上記第1のコンデンサと並列に接続され、
上記電圧低下検知部は、上記交流入力電圧の低下を検知すると、制御電圧を上記スイッチ部の制御入力に出力して上記スイッチ部を導通させることを特徴とするスイッチング電源装置。
【請求項2】
上記電圧低下検知部は、上記交流入力電圧を、上記ダイオードブリッジ部で整流するとともに上記第1のコンデンサで平滑した後の電圧が入力され、上記平滑した後の電圧の低下を検知することにより、上記交流入力電圧の低下を検知することを特徴とする請求項1に記載のスイッチング電源装置。
【請求項3】
上記ダイオードブリッジ部と上記電圧低下検知部との間に設けられた高調波対策部をさらに備えることを特徴とする請求項1または2に記載のスイッチング電源装置。
【請求項4】
上記スイッチ部は、トライアックまたはサーミスタであることを特徴とする請求項1に記載のスイッチング電源装置。
【請求項5】
上記スイッチ部は、ホトトライアックであり、
上記ホトトライアックは、第1のダイオード部と、トライアック部とを有し、
上記第1のダイオード部のアノードは、上記制御入力であり、
上記トライアック部は、上記第1のダイオード部の導通時にONすることを特徴とする請求項1に記載のスイッチング電源装置。
【請求項6】
上記電圧低下検知部は、ホトカプラを有し、
上記ホトカプラは、第2のダイオード部と、トランジスタ部とを有し、
上記第2のダイオード部は、上記ダイオードブリッジ部と上記放電抵抗との間に設けられ、
上記トランジスタ部は、ON時に上記制御入力を電気的に接地することを特徴とする請求項1、4または5に記載のスイッチング電源装置。
【請求項7】
上記電圧低下検知部は、比較部を有し、
上記比較部の第1の入力には、上記交流入力電圧に基づく第1の電圧が入力され、
上記比較部の第2の入力には、上記直流入力に基づく第2の電圧が入力され、
上記比較部の、上記第1の電圧と上記第2の電圧との比較結果に基づき、上記第1のダイオード部のアノードに制御電圧が出力されることを特徴とする請求項5に記載のスイッチング電源装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−67075(P2011−67075A)
【公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−217820(P2009−217820)
【出願日】平成21年9月18日(2009.9.18)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】