説明

スイッチング電源装置

【課題】コンパクトで安価に構成できる制御回路により、理想的なアクティブクランプ動作を行うことができるフライバック式のスイッチング電源装置を提供する。
【解決手段】フライバック式のインバータ回路30を有する。ローサイドの主スイッチング素子16にトランス14の一次巻線14aが接続されている。クランプ素子32とクランプコンデンサ34,36で成るクランプ回路40を有する。主スイッチング素子16を制御するインバータ動作制御回路18を有する。クランプ素子32を制御するクランプ動作制御回路44を有する。クランプ動作制御回路44は、クランプコンデンサ34,36の中点からクランプ素子32のゲートに向かう第1ダイオード46、クランプ素子32のソース端子からクランプコンデンサ34,36の中点に向かう第2ダイオード48、及びクランプ素子32のゲートから主スイッチング素子16のドレインに向かう第3ダイオードを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、アクティブクランプ回路を備えたフライバック式のスイッチング電源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、主スイッチング素子がオフの期間、トランス巻線と並列にクランプコンデンサを導通させることによりトランス巻線の両端に発生する電圧のピーク値を制限し、主スイッチング素子等に加わる電圧ストレスを軽減するアクティブクランプ方式のスイッチング電源装置がある。
【0003】
例えば、特許文献1に開示されているように、主スイッチング素子及びトランスを有するインバータ回路と、クランプコンデンサ及びクランプ素子で成るクランプ回路(アクティブクランプ回路)とを備え、さらに、主スイッチング素子のオン時間及びオフ時間を制御するオン/オフ制御回路と、主スイッチング素子がオンに転じるタイミングを決定するタイミング検出回路と、クランプ素子をオン・オフ制御するトランス回路とを備えたスイッチング電源回路がある。
【0004】
このオン/オフ制御回路は、主スイッチング素子がオフに転じた後クランプ素子がオンに転じるまでの期間を確保する遅延回路と、クランプ素子がオフに転じた後主スイッチング素子がオンに転じるまでの期間を確保する遅延回路とを有し、主スイッチング素子用のオン/オフ制御信号及びクランプ素子用のクランプ制御信号の2つの信号を出力する。トランス回路は、このクランプ制御信号をハイサイドの位置にあるクランプ素子の駆動端子に伝達し、クランプ素子をオン・オフ制御する。従って、クランプ素子と主スイッチング素子とが同時にオンする不具合を防止し、2つの素子が相補的にオン・オフする適正な動作を実現することができる。
【0005】
さらに、タイミング検出回路は、主スイッチング素子の両端電圧が共振により最小値をとるタイミングを検出し、オン/オフ制御回路は、そのタイミングで期間が終了するように主スイッチング素子をオン・オフ制御する。従って、主スイッチング素子がオンに反転したときのスイッチング損失を小さく抑えることができる。
【0006】
また、特許文献2に開示されているように、フライバック方式のインバータ回路と、トランスに接続されたクランプコンデンサ及びクランプ素子で成るクランプ回路と、主スイッチング素子及びクランプ素子をオン・オフ制御するスイッチング駆動部とを備えたスイッチング電源回路がある。
【0007】
このスイッチング駆動部は、特許文献1のスイッチング電源回路と同様に、クランプ素子が主スイッチング素子と同時にオンする不具合を防止し、さらにスイッチング損失が小さくなるタイミングで主スイッチング素子をオンに反転させる制御を行う。主スイッチング素子用の制御信号とクランプ素子用の制御信号の2つの制御信号は発振回路で生成され、クランプ素子用の制御信号は、レベルシフト回路とドライブ回路を通じてハイサイドの位置にあるクランプ素子に伝達される構成となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2000−92829号公報
【特許文献2】特開2001−314079号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、特許文献1,2のスイッチング電源回路は、クランプ素子用の制御信号をハイサイドの位置にあるクランプ素子に伝達するための回路ブロックをシンプルで安価に構成することが難しいという問題があった。
【0010】
例えば、特許文献1のスイッチング電源回路の場合、クランプ素子用の制御信号をクランプ素子に伝達するトランス回路が設けられているが、このトランス回路は、バッファ回路、トランス、複数の抵抗やコンデンサといった多数の部品で構成され、かつトランスを介して電気的に分離された入力側回路と出力側回路との間に一定の絶縁距離を確保しなければならない。また、トランス自体も、所定の絶縁構造が必要なためあまり小形化することができない。従って、トランス回路をコンパクトに構成することが困難であった。
【0011】
また、特許文献2のスイッチング電源回路の場合、クランプ素子用の制御信号がレベルシフト回路を通じてクランプ素子に伝達される。レベルシフト回路は、例えば、ブーストストラップ(チャージポンプ)動作によりフローティング電源を生じさせ、フローティング電源を断続することによってクランプ素子駆動用のパルス電圧を出力するハイサイド・ドライバICを用いて構成する方法が考えられる。しかし、高速スイッチングが可能なドライバICは比較的高価なため、スイッチング周波数が高めに設定されるスイッチング電源には採用しにくいものであった。
【0012】
この発明は、上記背景技術に鑑みて成されたもので、コンパクトで安価に構成できる制御回路により、理想的なアクティブクランプ動作を行うことができるフライバック式のスイッチング電源装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この発明は、入力直流電源と直列接続され自己のオン・オフ動作によって入力電圧を断続する主スイッチング素子と、前記断続電圧が印加される一次巻線及び前記一次巻線に磁気結合した二次巻線を有するトランスと、前記主スイッチング素子のオフ期間中に前記二次巻線に発生する電圧を整流する整流回路と、その整流電圧を平滑して直流の出力電圧を負荷に供給する平滑回路とで構成されたフライバック方式のインバータ回路と、前記一次巻線の両端に接続されたクランプ素子とクランプコンデンサとの直列回路であって、前記主スイッチング素子のオフ期間中に前記クランプ素子が導通することによって、前記トランスの各巻線に発生する電圧を制限するクランプ回路と、前記主スイッチング素子のオン時間及びオフ時間を制御するインバータ動作制御回路と、前記クランプ素子が前記スイッチング素子と相補的にオン・オフするよう制御するクランプ動作制御回路と、を備えたスイッチング電源装置であって、前記インバータ回路は、前記一次巻線の一端が前記直流入力電源のプラス側に接続され、前記主スイッチング素子が前記一次巻線の他端と前記直流入力電源のグランド側との間に接続され、前記クランプ回路の前記クランプ素子は、前記一次巻線の前記入力直流電源側の一端にドレイン端子が接続されたN−chのMOS型FETであって、そのソース端子からドレイン端子の向きに並列ダイオードと並列コンデンサとが設けられ、前記クランプコンデンサは、前記一次巻線の主スイッチング素子側の一端と前記クランプ素子のソース端子との間に接続された第1及び第2クランプコンデンサの直列回路で構成され、前記クランプ動作制御回路は、前記第1及び第2クランプコンデンサの中点から前記クランプ素子のゲート端子に向けて順方向に接続された第1ダイオードと、前記第2クランプコンデンサと並列に設けられ前記クランプ素子のソース端子から前記第1及び第2クランプコンデンサの中点に向けて順方向に接続された第2ダイオードと、前記クランプ素子のゲート端子から前記一次巻線の主スイッチング素子側の一端に向けて順方向に接続された第3ダイオードと、前記クランプ素子のゲート・ソース端子間に設けられた駆動コンデンサとで構成され、前記主スイッチング素子のオン・オフによって変化する前記一次巻線の主スイッチング素子側の一端の電圧変化に応じて前記クランプ素子をオン・オフさせるスイッチング電源装置である。
【0014】
前記クランプ回路の前記並列ダイオードは、前記クランプ素子であるMOS型FETのドレイン・ソース間の寄生ダイオードに並列接続された個別ダイオード素子であってもよい。
【0015】
前記インバータ動作制御回路は、前記主スイッチング素子の両端電圧が所定電圧以下に低下したときにオンに転じるよう前記主スイッチング素子のオン・オフを制御する。
【0016】
前記クランプ回路の前記並列コンデンサは、前記クランプ素子であるMOS型FETのドレイン・ソース間の寄生コンデンサ及び並列接続された個別コンデンサ素子であってもよい。また、前記クランプ動作制御回路の前記駆動コンデンサは、前記クランプ素子であるMOS型FETのゲート・ソース間の寄生コンデンサ及び並列接続された個別コンデンサ素子であってもよい。また、前記トランスが有する何れかの巻線と並列に、又は前記主スイッチング素子と並列に、前記主スイッチング素子の両端電圧の変化を調整する調整コンデンサが接続されていてもよい。
【発明の効果】
【0017】
この発明のスイッチング電源装置は、コンパクトかつ安価に構成可能なクランプ動作制御回路により、クランプ素子が主スイッチング素子と同時にオンするのを防止する理想的な動作を容易に実現することができる。
【0018】
さらに、インバータ動作制御回路として、例えば、通常の擬似共振フライバック方式用の制御ICを使用することによって、上記の理想的な動作を実現しつつ、主スイッチング素子のスイッチング損失を小さく抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】この発明のスイッチング電源装置の一実施形態を示す回路図である。
【図2】この実施形態の動作を示すタイムチャートである。
【図3】図2の期間T1における各素子の状態や電流の流れを説明する等価回路である。
【図4】図2の期間T2における各素子の状態や電流の流れを説明する等価回路である。
【図5】図2の期間T3における各素子の状態や電流の流れを説明する等価回路である。
【図6】図2の期間T4における各素子の状態や電流の流れを説明する等価回路である。
【図7】図2の期間T5,T6における各素子の状態や電流の流れを説明する等価回路である。
【図8】図2の期間T7における各素子の状態や電流の流れを説明する等価回路である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、この発明のスイッチング電源装置の一実施形態について、図面に基づいて説明する。この実施形態のスイッチング電源装置10は、直流入力電源12から入力された入力電圧Viを、直流の出力電圧Voに変換して出力する直流安定化電源である。
【0021】
まず、スイッチング電源装置10の構成を図1に基づいて説明する。スイッチング電源装置10は、直流入力電源12の両端に、トランス14の一次巻線14aと主スイッチング素子16との直列回路が接続されている。主スイッチング素子16は、N−chのMOS型FETであり、ドレイン端子が一次巻線14a側に、ソース端子が入力電源12のグランド側に各々接続されている。そして、後述するインバータ動作制御回路18が出力する駆動パルスがゲート・ソース間に印加され、オン・オフする。
【0022】
一次巻線14aの両端には、図示しない巻線容量と並列に個別のコンデンサ素子である調整コンデンサ20が接続されている。また、主スイッチング素子16のドレイン・ソース間には、図示しない寄生コンデンサと並列に個別のコンデンサ素子である調整コンデンサ22が接続されている。調整コンデンサ20,22の容量については後で説明する。
【0023】
トランス14は、互いに磁気結合した一次巻線14a、二次巻線14b及び補助巻線14cを有し、巻数はそれぞれNa,Nb,Ncである。図1の回路図に付してあるドットは各巻線の極性を示している。ここでは、一次巻線14aの入力電源12のプラス側の一端に基準のドットを付し、他の巻線の極性を表わした。
【0024】
二次巻線14bには、二次巻線14bに発生する交流電圧を整流する整流回路である整流ダイオード24が設けられ、二次巻線14bのドットが付してない一端にアノード端子が接続されている。整流ダイオード24は、主スイッチング素子16のオフ期間中に二次巻線14bに発生する電圧を整流する。整流回路の出力には平滑回路である平滑コンデンサ26が設けられ、整流ダイオード24のカソード端子と二次巻線14bのドットが付された一端との間に接続されている。平滑コンデンサ26は、整流ダイオード24が出力した整流電圧を平滑して直流の出力電圧Voを生成し、負荷28に出力電圧Voと出力電流Ioを供給する。
【0025】
このように、スイッチング電源装置10は、トランス14、主スイッチング素子16、整流ダイオード24及び平滑コンデンサ26で構成されたフライバック式のインバータ回路30を有している。
【0026】
一次巻線14aの両端には、クランプ素子32、第1クランプコンデンサ34、第2クランプコンデンサ36、並列ダイオード38で構成されたクランプ回路40が接続されている。クランプ素子32はN−chのMOS型FETであり、ドレイン端子が一次巻線14aのドットが付された一端に接続され、ソース端子が第2クランプコンデンサ36の一端に接続されている。クランプ素子32内のドレイン・ソース端子間には、並列コンデンサ42が寄生している。並列ダイオード38は、クランプ素子32内のドレイン端子からソース端子の向きにある寄生ダイオードを用いているが、クランプ素子32に発熱が集中するのを防止するため、外部に別個のダイオード素子を設け発熱を分散させてもよい。第2クランプコンデンサ36の他の一端には、第1クランプコンデンサ34の一端が接続され、第1クランプコンデンサ34の他の一端は、一次巻線14bの主スイッチング素子16側の一端に接続されている。
【0027】
クランプ回路40は、クランプ素子32が後述するクランプ動作制御回路44によってオン・オフ制御され、2つのクランプコンデンサ34,36を一次巻線14aと並列に接続し、また切り離す動作を繰り返す。
【0028】
インバータ動作制御回路18は、オン・オフ時間制御部18a、オンタイミング制御部18b及び駆動回路18cを備えている。オン・オフ時間制御部18aは、出力電圧Voに相当する信号Vo1が基準電圧Vaに近づくように、すなわち、出力電圧Voが基準電圧Vaに相当する一定の電圧になるようにパルス幅変調を行い、主スイッチング素子16のオン時間及びオフ時間を決める。オンタイミング制御部18bは、主スイッチング素子16のオフ期間中に、補助巻線14cの電圧V14c(ドットと逆向きに発生する電圧)が、基準電圧(−Vk)以下に低下したときに、主スイッチング素子16をオンに反転させる指令を出す。駆動回路18cは、オン・オフ時間制御部18aからのオン時間及びオフ時間の指令と、オンタイミング制御部18bからの主スイッチング素子16をオンに転じさせる指令とを受け、双方を充足する駆動パルスを主スイッチング素子16のゲート・ソース端子間に向けて出力する。
【0029】
前記クランプ動作制御回路44は、第1〜第3ダイオード46,48,50及び駆動コンデンサ52で構成されている。第1ダイオード46は、第1及び第2クランプコンデンサ34,36の中点からクランプ素子32のゲート端子に向けて接続されている。第2ダイオード48は、第2クランプコンデンサ36と並列に設けられクランプ素子32のソース端子から第1及び第2クランプコンデンサ34,36の中点に向けて接続されている。第3ダイオード50は、クランプ素子32のゲート端子から一次巻線14aの主スイッチング素子16側の一端に向けて接続されている。駆動コンデンサ52は、ここでは、クランプ素子32のゲート・ソース端子間に寄生する寄生コンデンサを用いているが、容量調整のため外部に個別のコンデンサ素子を付加してもよい。
【0030】
ここで、各部コンデンサの容量の大小関係について説明する。第1クランプコンデンサ34の容量をC34、第2クランプコンデンサ36の容量をC36、並列コンデンサ42の容量をC42、駆動コンデンサ52の容量をC52、平滑コンデンサ26の容量をC26とすると、容量C26は容量C34,C36よりも十分大きな値であり、容量C34,C36は容量C42よりも十分大きな値に設定されている。また、トランス14の巻線容量と調整コンデンサ20との並列合成容量をC20、主スイッチング素子16のドレイン・ソース間の寄生容量と調整コンデンサ22との並列合成容量をC22とすると、容量C34,C36及びC52の直列合成容量は、容量C20,C22の並列合成容量よりも大きな値に設定されている。
【0031】
次に、スイッチング電源装置10の動作を、図2〜図7に基づいて説明する。スイッチング電源装置10の動作は、図2のタイムチャートに示すように、スイッチングの一周期を期間T1〜T7に分けて説明することができる。図3〜図7の等価回路は、各期間ごとに、各素子の状態や電流の流れを説明したもので、主スイッチング素子16及びクランプ素子32は、オンかオフかの状態が分かりやすいようにスイッチの形で表わした。また、各部のダイオードが導通した時の順電圧は十分に小さく、ほぼゼロボルトと想定した。
【0032】
期間T1では、インバータ動作制御回路18の制御により、主スイッチング素子16のゲート・ソース間の電圧Vg16がハイレベルになっており、図3に示すように、主スイッチング素子16がオンし、ドレイン・ソース間の電圧Vd16がほぼゼロボルトになっている。従って、一次巻線14aにはドットの向きに入力電圧Viが印加され、二次巻線14bに接続された整流ダイオード24の両端が逆バイアスされ、整流ダイオード24がオフしている。このとき、入力直流電源12、一次巻線14a、主スイッチング素子16、入力直流電源12の経路に、図2の電流Id16の波形に示すように、所定の傾きで単調増加する電流が流れ、トランス14に励磁エネルギーを蓄積する。また、オフ状態の整流ダイオード24の電流I24はゼロアンペアであり、出力電流Ioは平滑コンデンサ26から負荷28に向けて供給される。
【0033】
クランプ動作制御回路44は、期間T7から引き続き、第2ダイオード48、第1ダイオード46、第3ダイオード50が導通して第1クランプコンデンサ34、第2クランプコンデンサ36及び駆動コンデンサ52の両端を短絡し、電圧V34,V36、クランプ素子32のゲート・ソース間の電圧Vg32をほぼゼロボルトに保持している。また、クランプ回路40のクランプ素子32がオフになるので、第1、第2クランプコンデンサ34,36が一次巻線14aから切り離され、ドレイン・ソース間の電圧Vd32が入力電圧Viに保持されている。
【0034】
期間T1は、出力電圧信号Vo1と基準電圧Vaとが等しくなるようにするインバータ動作制御回路18の制御により、主スイッチング素子16の電圧Vg16がローレベルに反転した時点で終了する。
【0035】
期間T2になると、図4に示すように、主スイッチング素子16がオフに転じ、トランス14に蓄積された励磁エネルギーを放出するリセット動作が行われる。そのため、入力直流電源12、トランス14の一次巻線14a及び巻線容量、調整コンデンサ22の経路に調整コンデンサ22を充電する電流(リセット電流)が流れ、ドレイン・ソース間の電圧Vd16が上昇する。それに合わせて、調整コンデンサ20を放電する電流(リセット電流)が流れ、一次巻線14aのドットの向きの電圧V14aが、入力電圧Viから低下する。
【0036】
また、期間T2の間は電圧V14aが正電圧なので、二次巻線14bに接続された整流ダイオード24の両端の逆バイアス状態が維持され、整流ダイオード24がオフしたまま、出力電流Ioは、平滑コンデンサ26から負荷28に向けて供給される。
【0037】
クランプ回路40及びクランプ動作制御回路44は、電圧Vd16の上昇に伴い、第1ダイオード46、第2ダイオード48、第3ダイオード50がオフに転じ、トランス14の一次巻線14a及び巻線容量から、第1クランプコンデンサ34、第2クランプコンデンサ36、並列コンデンサ42に至る経路と、トランス14の一次巻線14a及び巻線容量から、第1クランプコンデンサ34、第1ダイオード46、駆動コンデンサ52、並列コンデンサ42に至る経路に、並列コンデンサ42の電荷を放電する向きのリセット電流が流れ、クランプ素子32の電圧Vd32が低下する。このとき、並列コンデンサ42の容量C42は、第1及び第2クランプコンデンサ34,36の容量C34,C36よりも十分小さいので、第1及び第2クランプコンデンサの電圧V34,V36、及びクランプ素子32の電圧Vg32がほぼゼロボルトに保持され、クランプ素子32がオフを継続する。
【0038】
主スイッチング素子16の電圧Vd16が上昇する傾きは、互いに並列の関係にある容量C20,C22,C42の合成容量と、トランス14のインダクタンスとで定まる共振周波数によって決定される。すなわち、合成容量が小さいほど共振周波数が高くなり、電圧Vd16の上昇の傾きが急峻になる。ここで、期間T2における合成容量C(T2)は、式(1)のように表わされる。
【数1】

スイッチング電源装置10は、容量C42が小さな値なので合成容量C(T2)が非常に小さくなり、図2に示すように、電圧Vd16の上昇の傾きが急峻になる。
【0039】
期間T2は、一次巻線14aの電圧V14aとクランプ素子32の電圧Vd32がゼロボルトに達した時点で終了する。
【0040】
期間T3になると、図5に示すように、一次巻線14aの電圧V14aが正電圧から負電圧に反転する。主スイッチング素子16はオフを継続している。トランス14のリセット動作は期間3においても継続し、入力直流電源12、トランス14の一次巻線14a及び巻線容量、調整コンデンサ22の経路に、調整コンデンサ22を充電する電流(リセット電流)が流れ、ドレイン・ソース間の電圧Vd16が入力電圧Viを超えて上昇する。それに合わせて、調整コンデンサ20を逆向きに充電する電流(リセット電流)が流れ、一次巻線14aの電圧V14aがドットと逆向きに反転して上昇する。
【0041】
また、期間T3の間は、二次巻線14bの電圧がドットと逆向きに反転するものの電圧が低いので、整流ダイオード24の両端は逆バイアスが維持され、整流ダイオード24がオフしたまま、出力電流Ioは平滑コンデンサ26から負荷28に向けて供給される。
【0042】
クランプ回路40及びクランプ動作制御回路44には、クランプ素子32の電圧Vd32がゼロボルトに達した後もトランス14からのリセット電流が流れる。リセット電流の経路は、図5に示すように、トランス14の一次巻線14a及び巻線容量から、第1クランプコンデンサ34、第2クランプコンデンサ36、並列ダイオード38に至る経路と、一次巻線14a及び巻線容量から、第1クランプコンデンサ34、第1ダイオード46、駆動コンデンサ52、並列ダイオード38に至る経路の二つの経路になる。従って、並列ダイオード38が導通することによって電圧Vd32がほぼゼロボルトで一定となり、第1及び第2クランプコンデンサの電圧V34,V36、が負方向に低下し、クランプ素子32の電圧Vg32が上昇する。電圧Vg32がゲート閾値Vth32よりも低い間は、上記のように、クランプ素子32がオフしているのでリセット電流が並列ダイオード38に流れるが、電圧Vg32がゲート閾値Vth32を超えた時点でクランプ素子32がオンに転じ、並列ダイオード38に流れていたリセット電流がクランプ素子32に流れるようになる。
【0043】
主スイッチング素子16の電圧Vd16が上昇する傾きは、互いに並列の関係にある容量C20,C22,C34,C36,C52の合成容量と、トランス14のインダクタンスとで定まる共振周波数によって決定される。ここで、期間T3における合成容量C(T3)は、式(2)のように表わされる。
【数2】

スイッチング電源装置10は、C34,C36,C52の合成容量が、容量C20,C22,C42よりも大きいので、合成容量C(T3)が合成容量C(T2)よりも大きくなり、図2に示すように、期間T3の電圧Vd16の上昇の傾きが、期間T2の上昇の傾きよりも緩やかになる。
【0044】
期間T3は、2次巻線14bのドットと逆向きの電圧が上昇し、整流ダイオード24の両端の逆バイアスが解除された時点で終了する。
【0045】
期間T4になると、図6に示すように、整流ダイオード24がオンに転じ、トランス14の二次巻線14bがドットと逆向きに出力電圧Voが印加される。主スイッチング素子16はオフを継続している。この期間T4は、整流ダイオード24が導通することによって二次巻線14bが出力電圧Voに固定され、トランス14のリセット電流が、整流ダイオード24、大きな容量26を有した平滑コンデンサ26に流れ、図2のタイムチャートに示す電流I24のように、所定の傾きで減少する波形となる。出力電流Ioは、電流I24のうちの直流成分が負荷28に供給される。
【0046】
二次巻線14bが出力電圧Voに固定されるので、一次巻線14aの電圧V14aは、図2の波形(実線)に示すようにほぼ一定となり、式(3)で表わされる電圧に保持される。
【数3】

【0047】
このとき、クランプ回路40とクランプ動作制御回路44の各コンデンサ34,36,52の電圧V34,V36,Vg32は、電圧V14aに発生する電圧Vrをそれぞれの容量比で分圧した電圧になり、その電圧は、式(4),(5)のように表わされる。このとき、電圧V34,V36,Vg32が固定され電流はほとんど流れない。また、電圧Vg32がオン閾値Vth以上に固定されるので、クランプ素子32のオンが維持される。
【数4】

【数5】

【0048】
なお、トランス14の漏れインダクタンスが大きい場合や、第1及び第2コンデンサ34,36の容量が小さい場合などは、トランス14の電圧V14a,V14c、主スイッチング素子16の電圧Vd16に、図2の破線で示す波形のようなリンギングが発生する。その場合、第1ダイオード46の逆流阻止動作により、電圧Vg32がリンギングのピーク電圧に保持されることになり、上述した動作と若干の違いが生じる。しかし、この発明の動作や作用効果に対してほとんど影響がないので、ここでは説明を省略する。
【0049】
期間T4は、整流ダイオード24の電流I24が減少してゼロアンペアに達し、トランス14のリセット動作が終わった時点で終了する。
【0050】
期間T5になると、トランス14のリセット動作が終わり、整流ダイオード24がオフに転じ、平滑コンデンサ26から負荷28に向けて出力電流Ioが供給されるようになる。また、主スイッチング素子16はオフを継続している。従って、トランス14と、トランス14の1次巻線14aの周囲のコンデンサとの間で自由共振が発生し、図2に示すように、スイッチング素子16の電圧Vd16が正弦波状のカーブを描いて緩やかに低下する。このとき、電圧Vd16の低下に伴って第1及び第2クランプコンデンサ34,36の電圧V34,V36が負方向の電圧がゼロボルトに向けて上昇するが、クランプ素子32の電圧Vg32は、第1ダイオード46の逆流阻止動作により、式(3)で表わされる電圧Vg32のまま保持される。
【0051】
自由共振における共振電流の経路は、図7に示すように、トランス14の一次巻線14a及び巻線容量から調整コンデンサ20に至る経路と、一次巻線14a及び巻線容量から、オン状態のクランプ素子32、第2クランプコンデンサ36、第1クランプコンデンサ34に至る経路と、一次巻線14a及び巻線容量から、入力直流電源12、調整コンデンサ22に至る経路の三つの経路になる。このとき、第1、第2及び第3ダイオード46,48,50は、その両端に逆バイアスが印加されオフしている。
【0052】
自由共振の周波数は、互いに並列の関係にある容量C20,C22,C34,C36の合成容量と、トランス14のインダクタンスとで定まる共振周波数によってほぼ決定される。ここで、期間T5における合成容量C(T5)は、式(6)のように表わされる。
【数6】

【0053】
期間T5は、負方向の電圧V36、V34との合計電圧が低下して電圧Vg32達し、第3ダイオード50の逆バイアスが解除された時点で終了する。
【0054】
期間T6になると、第3ダイオード50がオンに転じる。主スイッチング素子16はオフを継続し、整流ダイオード24もオフを継続し、出力電流Ioは平滑コンデンサ26から負荷28に向けて供給される。
【0055】
この期間T6に移行すると、期間T5で説明した三つの共振電流の経路に加え、図7に示すように、一次巻線14a及び巻線容量から、オン状態のクランプ素子32、駆動コンデンサ52、第3ダイオード50に至る経路が発生する。自由共振の周波数は、互いに並列の関係にある容量C20,C22,C34,C36,C52の合成容量と、トランス14のインダクタンスとで定まる共振周波数によってほぼ決定される。期間T6における合成容量C(T6)は、式(7)のように表わされる。
【数7】

ここでは、上記のように合成容量C(T6)が合成容量C(T5)よりも容量C52分だけ大きくなるものの、共振周波数に大きな変化はなく、図2に示すように、期間T6の電圧Vd16の低下のカーブは、期間T5のカーブを単に延長したようなカーブになる。
【0056】
期間T6は、クランプ素子32の電圧Vg32が低下し、オン閾値Vth32に達した時点で終了する。
【0057】
期間T7になると、図8に示すように、クランプ素子32がオフに転じる。主スイッチング素子16はオフを継続し、整流ダイオード24もオフを継続し、出力電流Ioは平滑コンデンサ26から負荷28に向けて供給される。
【0058】
この期間T7に移行すると、期間T6で説明した四つの共振電流の経路のうち、オン状態のクランプ素子32を通っていた2つの経路に代わって、一次巻線14a及び巻線容量から、並列コンデンサ42、第2ダイオード48、第1ダイオード46、第3ダイオード50に至る経路が発生する。従って、第1及び第2クランプコンデンサ34及び駆動コンデンサ52は、第1、第2及び第3ダイオード48,46,50によってほぼ短絡され、電圧V34,V36,Vg32がほぼゼロボルトに保持される。
【0059】
自由共振の周波数は、互いに並列の関係にある容量C20,C22,C42の合成容量と、トランス14のインダクタンスとで定まる共振周波数によってほぼ決定される。ここで、期間T7における合成容量C(T7)は、式(8)のように表わされる。
【数8】

【0060】
このように、合成容量C(T7)は期間T6の合成容量C(T6)よりも十分に小さいので、共振周波数が非常に高くなり、図2に示すように、期間T7の電圧Vd16の低下のカーブは、期間T6の低下のカーブに比べて非常に急峻になる。
【0061】
期間T7は、インバータ動作制御回路18の制御により、主スイッチング素子16のゲート・ソース間の電圧Vg16がハイレベルに転じた時点で終了する。オンタイミング制御部18bは、補助巻線14cのドットと逆向きの電圧V14cが(−Vk)まで低下したことを検出すると、電圧Vd16がゼロボルト付近まで低下した、と判断し、駆動回路18cが主スイッチング素子16のゲート・ソース間の電圧Vg16をハイレベルに反転させ、主スイッチング16をオンさせる。従って、電圧Vd16がゼロボルト付近まで低下したタイミングで主スイッチング素子16がオンするので、スイッチング損失を小さく抑えることができる。
【0062】
スイッチング電源装置10は、上記の期間T1〜T7の動作を繰り返し、直流入力電源12から入力された入力電圧Viを直流の出力電圧Voに変換し、負荷28に安定供給する。
【0063】
以上説明したように、スイッチング電源装置10は、ローサイドの位置にある主スイッチング素子16とハイサイドの位置にあるクランプ素子32を、コンパクトかつ安価に構成したクランプ動作制御回路44により、同時にオンする不具合が生じない理想的なアクティブクランプ動作を行うことができる。また、クランプ動作制御回路44は、トランス14の一次巻線14aの主スイッチング素子16側の一端の電圧変化に応じてクランプ素子32をオン・オフさせるよう構成されているので、インバータ動作制御回路18は、主スイッチング素子16のオン・オフのみを制御できればよい。従って、インバータ動作制御回路18を、上述した特許文献1,2のスイッチング電源回路におけるオン/オフ制御回路や発振回路に比べ、非常にシンプルに構成することができ、例えば、アクティブクランプ制御用の特別な機能を具備しない汎用制御ICを使用することも可能である。
【0064】
さらに、インバータ動作制御回路18は、主スイッチング素子16の電圧Vd16が一定以下に低下したタイミングで主スイッチング素子16をオンに転じさせる制御、すなわちゼロボルトスイッチングに近い制御を行うので、上記の理想的なアクティブクランプ動作を実現しつつ、容易に主スイッチング素子のスイッチング損失を小さく抑えることができる。しかも、このインバータ動作制御回路18として、アクティブクランプ制御用の特別な機能を具備しない通常の擬似共振フライバック用の制御ICを使用することも可能である。
【0065】
また、半導体の寄生容量やコイル部品の巻線容量等は、部品個々の個体差や環境温度の変動の影響により、比較的大きくばらつくことが想定される。従って、従来のスイッチング電源装置の場合、主スイッチング素子のドレイン・ソース間電圧の自由共振(図2における電圧Vd16波形の期間T5〜T7に相当)の共振周波数及び振幅が安定せず、主スイッチング素子のスイッチング損失を小さくできないケースがあり得る。しかし、スイッチング電源装置10は、上記のアクティブクランプ動作が行われる範囲で、調整コンデンサ20をトランス14の巻線容量よりも十分大きな容量に設定し、調整コンデンサ22を主スイッチング素子16のドレイン・ソース間の寄生容量よりも十分大きな容量に設定し、第1及び第2クランプコンデンサ34,36を寄生コンデンサである並列コンデンサ42及び駆動コンデンサ52よりも十分大きな容量に設定すれば、上記の寄生容量等のばらつきを容易に吸収し、電圧Vd16の自由共振の共振周波数や振幅を安定にすることができる。
【0066】
なお、この発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、スイッチングノイズの発生を防止する目的で、図1に示されていないノイズ対策部品を付加することができる。例えば、上述した本発明の動作を妨げない範囲で、二次巻線14b又は補助巻線14cと並列に、または、整流ダイオード24と並列にスナバ用コンデンサを付加してもよい。その場合、スナバ用コンデンサは、トランス14の巻数比でインピーダンス変換した容量のコンデンサが調整コンデンサ20と並列に接続された、とみなして取り扱うことができる。
【0067】
また、インバータ動作制御回路は、主スイッチング素子16のスイッチング周波数を一定に保持する周波数固定型の制御を行うものでもよいし、自励フライバック式のように周波数変動型の制御を行うものであってもよい。また、インバータ制御回路が上記のゼロボルトスイッチングに近い制御を行う場合、主スイッチング素子の両端電圧が一定以下に低下したことを検知する方法は、上記実施形態のスイッチング電源装置10のように、トランス14の補助巻線14cの電圧変化をモニタすることによって間接的に検出する方法に限定するものではない。例えば、主スイッチング素子の両端を直接的にモニタすることによって検出する方法や、整流ダイオードの電流がゼロアンペアになったこと(期間T4が終了したこと)を検知し、その後一定時間が経過したときに電圧Vd16が低下しているとみなす方法など、自由に選択することができる。
【符号の説明】
【0068】
10 スイッチング電源装置
14 トランス
14a 一次巻線
14b 二次巻線
16 主スイッチング素子
18 インバータ動作制御回路
20,22 調整コンデンサ
24 整流ダイオード
26 平滑コンデンサ
30 インバータ回路
32 クランプ素子
34 第1クランプコンデンサ
36 第2クランプコンデンサ
38 並列ダイオード
40 クランプ回路
42 並列コンデンサ
44 クランプ動作制御回路
46 第1ダイオード
48 第2ダイオード
50 第3ダイオード
Va,Vk 基準電圧
Vo1 出力電圧信号


【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力直流電源と直列接続され自己のオン・オフ動作によって入力電圧を断続する主スイッチング素子と、前記断続電圧が印加される一次巻線及び前記一次巻線に磁気結合した二次巻線を有するトランスと、前記主スイッチング素子のオフ期間中に前記二次巻線に発生する電圧を整流する整流回路と、その整流電圧を平滑して直流の出力電圧を負荷に供給する平滑回路とで構成されたフライバック方式のインバータ回路と、
前記一次巻線の両端に接続されたクランプ素子とクランプコンデンサとの直列回路であって、前記主スイッチング素子のオフ期間中に前記クランプ素子が導通することによって、前記トランスの各巻線に発生する電圧を制限するクランプ回路と、
前記主スイッチング素子のオン時間及びオフ時間を制御するインバータ動作制御回路と、
前記クランプ素子が前記スイッチング素子と相補的にオン・オフするよう制御するクランプ動作制御回路と、を備えたスイッチング電源装置において、
前記インバータ回路は、前記一次巻線の一端が前記直流入力電源のプラス側に接続され、前記主スイッチング素子が前記一次巻線の他端と前記直流入力電源のグランド側との間に接続され、
前記クランプ回路の前記クランプ素子は、前記一次巻線の前記入力直流電源側の一端にドレイン端子が接続されたN−chのMOS型FETであって、そのソース端子からドレイン端子の向きに並列ダイオードと並列コンデンサとが設けられ、前記クランプコンデンサは、前記一次巻線の主スイッチング素子側の一端と前記クランプ素子のソース端子との間に接続された第1及び第2クランプコンデンサの直列回路で構成され、
前記クランプ動作制御回路は、前記第1及び第2クランプコンデンサの中点から前記クランプ素子のゲート端子に向けて順方向に接続された第1ダイオードと、前記第2クランプコンデンサと並列に設けられ前記クランプ素子のソース端子から前記第1及び第2クランプコンデンサの中点に向けて順方向に接続された第2ダイオードと、前記クランプ素子のゲート端子から前記一次巻線の主スイッチング素子側の一端に向けて順方向に接続された第3ダイオードと、前記クランプ素子のゲート・ソース端子間に設けられた駆動コンデンサとで構成され、前記主スイッチング素子のオン・オフによって変化する前記一次巻線の主スイッチング素子側の一端の電圧変化に応じて前記クランプ素子をオン・オフさせることを特徴とするスイッチング電源装置。
【請求項2】
前記クランプ回路の前記並列ダイオードは、前記クランプ素子であるMOS型FETのドレイン・ソース間の寄生ダイオードに並列接続された個別ダイオード素子である請求項1記載のスイッチング電源装置。
【請求項3】
前記インバータ動作制御回路は、前記主スイッチング素子の両端電圧が所定電圧以下に低下したときにオンに転じるよう前記主スイッチング素子のオン・オフを制御する請求項1又は2記載のスイッチング電源装置。
【請求項4】
前記クランプ回路の前記並列コンデンサは、前記クランプ素子であるMOS型FETのドレイン・ソース間の寄生コンデンサ及び並列接続された個別コンデンサ素子である請求項3記載のスイッチング電源装置。
【請求項5】
前記クランプ動作制御回路の前記駆動コンデンサは、前記クランプ素子であるMOS型FETのゲート・ソース間の寄生コンデンサ及び並列接続された個別コンデンサ素子である請求項3記載のスイッチング電源装置。
【請求項6】
前記トランスが有する何れかの巻線と並列に、又は前記主スイッチング素子と並列に、前記主スイッチング素子の両端電圧の変化を調整する調整コンデンサが接続されている請求項3記載のスイッチング電源装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−110117(P2012−110117A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−256696(P2010−256696)
【出願日】平成22年11月17日(2010.11.17)
【出願人】(000103208)コーセル株式会社 (80)
【Fターム(参考)】