説明

スイッチング電源

【課題】出力電圧に基づく出力検出回路による検出信号を、スイッチング素子を制御する制御回路に正確にフィードバックすることができる技術を提供する。
【解決手段】平滑用チョークコイル10a,10bが励磁するのに伴い、出力検出回路8の検出信号をフィードバックする出力検出配線17に設けられた2つの配線部18a,18bにそれぞれ互いに逆の向きに誘導起電力が生じるため、2つの配線部18a,18bにそれぞれ生じる誘導起電力は互いに打ち消される。したがって、平滑用チョークコイル10,10bの励磁に伴う誘導起電力による電圧変動が、出力検出配線17によりフィードバックされる出力検出回路8の検出信号に与える影響を抑制することができ、平滑回路7の出力電圧に基づく出力検出回路8による検出信号を、スイッチング素子4を制御する制御回路5に出力検出配線17により正確にフィードバックすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トランスの1次側に設けられたスイッチング素子のオン、オフがフィードバック制御されることにより安定した直流電圧が負荷に供給されるスイッチング電源に関する。
【背景技術】
【0002】
図10の従来のスイッチング電源の一例に示すように、トランス501の1次側に設けられたスイッチング素子502と、スイッチング素子502のオン、オフを制御する制御回路503と、トランス501の2次側出力を整流する整流回路504と、整流回路504の整流出力を平滑する平滑回路505と、平滑回路505の出力電圧を検出する出力検出回路506とを備えるスイッチング電源500が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
スイッチング電源500の1次側回路は、トランジスタやMOSFETなどにより形成されるスイッチング素子502および入力電圧Vinがトランス501の入力側の1次巻線501aに接続されて形成されており、制御回路503によりスイッチング素子502がオンされたときに、1次巻線501aが励磁される。また、スイッチング素子502が接続された側と反対側の1次巻線501aにはダイオード507が接続されており、スイッチング素子502が制御回路503によりオフされたときに生じる誘導起電力によりダイオード507がオンされて、誘導電流が入力電圧Vin側に流れることで1次巻線501aの磁束がリセットされる。
【0004】
スイッチング電源500の2次側回路は、次のような構成で形成される。トランス501の出力側の2次巻線501bの一端には、整流用のダイオード508および平滑用のチョークコイル509が直列に接続される。転流用のダイオード510は、アノードが2次巻線501bの他端に接続され、カソードが整流用のダイオード508と平滑用のチョークコイル509の中点に接続される。平滑用のコンデンサ511は出力端子512間に接続される。そして、整流用のダイオード508および転流用のダイオード510により整流回路504が形成され、平滑用のチョークコイル509および平滑用のコンデンサ511により平滑回路505が形成される。
【0005】
また、出力検出回路506は、スイッチング電源500の2次側回路の出力端子512間に分圧用の抵抗513,514を介してオペアンプなどにより形成される電圧比較器515が接続されて形成されており、平滑回路505の出力電圧に比例する検出電圧と基準電圧Eとの差分電圧が増幅されることによる検出信号が電圧比較器515の出力端から出力される。また、電圧比較器515と制御回路503との間にはフォトカプラ516が介装されており、スイッチング素子502は、フォトカプラ516を介して出力検出回路506から出力された検出信号に基づいて制御回路503によりオン、オフが制御される。
【0006】
すなわち、スイッチング電源500では、制御回路503によりスイッチング素子502がオンされると、トランス501の2次巻線501bに生じる誘導起電力により整流用のダイオード508がオンされて、チョークコイル509を流れる誘導電流によりコンデンサ511が充電される。また、制御回路503によりスイッチング素子502がオフされると、チョークコイル509に生じる誘導起電力により転流用のダイオード510がオンされて流れる誘導電流によりコンデンサ511が充電される。
【0007】
したがって、平滑回路505(出力端子512間)の出力電圧は、トランス501の変圧比と、スイッチング素子502のオン、オフのデューティ比により決定される。ところが、実際にはスイッチング電源500を構成する各回路素子が有する内部抵抗などによる損失により出力電圧が低下するため、出力検出回路506により平滑回路505の出力電圧が監視されている。すなわち、出力検出回路506により基準電圧Eと出力電圧に比例する検出電圧との差が検出されることによる検出信号がフォトカプラ516を介して制御回路503に出力されることで、検出された出力電圧(コンデンサ511の充電電圧)に応じてスイッチング素子502をオン、オフするデューティ比が制御回路503によりフィードバック制御されて出力電圧の安定化が図られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開昭63−178766号公報(第1頁右下欄〜第2頁左上欄、第3図など)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、近年、ノートパソコン、携帯電話、携帯オーディオプレイヤー、薄型液晶テレビなど、電子機器の小型化が進み、これらの電子機器に搭載されるスイッチング電源のさらなる小型化が要望されている。ところが、スイッチング電源を小型化するためには、スイッチング電源を構成する各回路素子および配線パターンをそれぞれ近接配置しなければならないが、各回路素子および配線パターンがそれぞれ近接配置されると電磁結合や容量結合するおそれがあることが、スイッチング電源の小型化を妨げる一因となっている。
【0010】
例えば、平滑回路505のチョークコイル509に、出力検出回路506による検出信号を制御回路503にフィードバックする出力検出配線が近接配置されている場合、チョークコイル509および出力検出配線が電磁結合するおそれがある。チョークコイル509および出力検出配線が電磁結合すると、チョークコイル509の励磁に伴い、検出信号をフィードバックする出力検出配線に誘導起電力が生じ、この誘導起電力により出力検出回路506による検出信号が正確ではなくなり、出力検出配線を介して正確な検出信号が制御回路503に伝達されない。したがって、出力検出回路506の検出信号に基づく制御回路503によるスイッチング素子502のフィードバック制御が不正確になるので、安定した出力電圧が得られない。
【0011】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、出力電圧に基づく出力検出回路による検出信号を、スイッチング素子を制御する制御回路に正確にフィードバックすることができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記した目的を達成するために、本発明のスイッチング電源は、トランスの1次側に設けられたスイッチング素子と、前記スイッチング素子のオン、オフを制御する制御回路と、前記トランスの2次側出力を整流する整流回路とを備えるスイッチング電源において、平滑用チョークコイルを有し前記整流回路の整流出力を平滑する平滑回路と、前記平滑回路の出力電圧に基づく検出信号を前記制御回路にフィードバックする出力検出配線を有する出力検出回路とを備え、前記制御回路は前記検出信号に基づいて前記スイッチング素子を制御し、前記出力検出配線は、前記平滑用チョークコイルにそれぞれ電磁結合し、前記平滑用チョークコイルの励磁により生じる誘導起電力の向きが互いに逆である2つの配線部を有することを特徴としている(請求項1)。
【0013】
また、前記平滑用チョークコイルは、少なくとも1つの脚部が回路基板を貫通して設けられて閉磁路を形成するコアと、前記回路基板に設けられて前記脚部に巻回されたコイルパターンとにより形成されており、前記出力検出配線に設けられた前記2つの配線部は、前記閉磁路の内側を通り前記回路基板に設けられた前記出力検出配線用の往路配線パターンおよび復路配線パターンによりそれぞれ形成されていてもよい(請求項2)。
【0014】
また、前記2つの配線部は、前記往路、復路配線パターンが前記閉磁路の内側において平行に配置されて前記回路基板に設けられているとよい(請求項3)。
【0015】
また、前記2つの配線部は、前記往路、復路配線パターンが前記閉磁路の内側において前記回路基板の同一面に設けられていてもよい(請求項4)。
【0016】
また、前記2つの配線部は、前記往路、復路配線パターンが前記閉磁路の内側においてそれぞれ前記回路基板の両面に分かれて設けられていてもよい(請求項5)。
【0017】
また、前記2つの配線部は、前記往路、復路配線パターンが前記閉磁路の内側においてそれぞれ前記回路基板を形成する複数層のうちの2層に分かれて設けられていてもよい(請求項6)。
【0018】
また、前記出力検出回路は、前記出力検出配線に設けられた前記2つの配線部と、前記制御回路側とを絶縁して前記検出信号を前記制御回路に伝達するフォトカプラを備えているのが望ましい(請求項7)。
【0019】
また、前記出力検出回路は、前記平滑回路の出力側に並列に接続されて、所定の基準電圧と前記平滑回路の出力電圧との比較に基づく信号を前記検出信号として出力する検出部をさらに備えるとよい(請求項8)。
【発明の効果】
【0020】
請求項1の発明によれば、トランスの2次側出力が整流回路により整流され、整流回路の整流出力は、平滑用チョークコイルを有する平滑回路により平滑される。そして、平滑回路の出力電圧に基づいて出力検出回路により出力される検出信号が出力検出配線により制御回路にフィードバックされ、トランスの1次側に設けられたスイッチング素子のオン、オフが、フィードバックされた検出信号に基づいて制御回路により制御される。
【0021】
また、出力検出回路の出力検出配線には、平滑用チョークコイルにそれぞれ電磁結合し、平滑用チョークコイルの励磁により生じる誘導起電力の向きが互いに逆である2つの配線部が設けられている。そのため、制御回路によりスイッチング素子がオン、オフ制御されることによる平滑用チョークコイルの励磁に伴い、出力検出回路の検出信号をフィードバックする出力検出配線に設けられた2つの配線部にそれぞれ互いに逆の向きに誘導起電力が生じるため、平滑用チョークコイルの励磁に伴い2つの配線部にそれぞれ生じる誘導起電力は互いに打ち消される。
【0022】
したがって、平滑用チョークコイルの励磁に伴う誘導起電力による電圧変動が、出力検出配線によりフィードバックされる出力検出回路の検出信号に与える影響を抑制することができ、出力電圧に基づく出力検出回路による検出信号を、スイッチング素子を制御する制御回路に出力検出配線により正確にフィードバックすることができる。そして、出力電圧に基づく出力検出回路による検出信号が制御回路に正確にフィードバックされるため、出力検出回路の検出信号に基づいて、制御回路によりスイッチング素子を安定してフィードバック制御することができるので、安定した正確な出力電圧を得ることができる。
【0023】
また、平滑回路の出力電圧に基づいて、出力検出回路により過電圧および過電流が検出されたり、負荷の異常が検出されたときは、これらの異常を示す検出信号が出力検出回路から出力されるようにすれば、出力検出配線により正確に制御回路にフィードバックされたこれらの異常を示す検出信号に基づいて、スイッチング素子のオン、オフの制御を含む適切な制御を制御回路により実行することができる。
【0024】
請求項2の発明によれば、平滑用チョークコイルは、少なくとも1つの脚部が回路基板を貫通して設けられて閉磁路を形成するコアと、回路基板に設けられて脚部に巻回されたコイルパターンとにより形成されており、出力検出配線に設けられた2つの配線部は、コアにより形成される閉磁路の内側を通り回路基板に設けられた出力検出配線用の往路配線パターンおよび復路配線パターンによりそれぞれ形成されている。したがって、往路、復路配線パターンが、コアにより形成される閉磁路の内側を通り配線されることで、出力検出配線を平滑用チョークコイルと離間して配線するためのスペースを回路基板に設けなくてもよいため、回路基板の幅をコア幅とほぼ同じ大きさとすることができ、スイッチング電源の小型化を図ることができる。また、コア幅を回路基板の幅とほぼ同じ大きさに形成することができ、平滑用チョークコイルの使用目的に応じて、コアの大型化を図ることができる。
【0025】
請求項3の発明によれば、出力検出配線は、往路、復路配線パターンが閉磁路の内側において平行に配置されて回路基板に設けられているため、閉磁路の内側における往路、復路配線パターンの配線形状や向きをほぼ同一とすることができ、平滑用チョークコイルの励磁に伴い往路、復路配線パターンにほぼ同様の磁気効果による電圧が発生するので、往路、復路配線パターンにそれぞれ生じた誘導起電力を互いに打ち消し合う効果の向上を図ることができる。
【0026】
請求項4,5,6の発明によれば、往路、復路配線パターンが、閉磁路の内側において回路基板の同一面に設けられたり、閉磁路の内側においてそれぞれ回路基板の両面に分かれて設けられたり、閉磁路の内側においてそれぞれ回路基板を形成する複数層のうちの2層に分かれて設けられたりすることで出力検出配線が形成されているため、非常に実用的な構成でスイッチング電源を提供することができる。
【0027】
請求項7の発明によれば、出力検出回路は、出力検出配線に設けられた2つの配線部と、制御回路側とを絶縁して検出信号を制御回路に伝達するフォトカプラを備えているため、トランスの1次側に設けられた制御回路と2次側に設けられた出力検出回路とを絶縁した状態で回路基板上に配置することができ、非常に実用的な構成でスイッチング電源を提供することができる。
【0028】
請求項8の発明によれば、出力検出回路は、平滑回路の出力側に並列に接続されて、所定の基準電圧と平滑回路の出力電圧との比較に基づく信号を検出信号として出力する検出部を備えており、検出部により出力された検出信号が出力検出配線により制御回路にフィードバックされることで、フォードバックされた検出信号に基づいて、制御回路によりスイッチング素子を適切に制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明のスイッチング電源の第1実施形態の回路構成を示す図である。
【図2】図1のスイッチング電源の外観図であって、(a)は平面図、(b)は平滑用チョークコイルのコアの上側が取外された状態を示す図である。
【図3】平滑用チョークコイルのコアを示す図であって、(a)は側面図、(b)は平面図、(c)はコアの上側が取外された状態を示す図である。
【図4】図1のスイッチング電源の側断面図である。
【図5】回路基板に設けられる往路、復路配線パターンの配置位置の他の例を示す図である。
【図6】回路基板に設けられる往路、復路配線パターンの配置位置の他の例を示す図である。
【図7】本発明のスイッチング電源の第2実施形態の回路構成を示す図である。
【図8】本発明のスイッチング電源の第3実施形態の回路構成を示す図である。
【図9】本発明のスイッチング電源の第4実施形態の回路構成を示す図である。
【図10】従来のスイッチング電源の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
<第1実施形態>
本発明のスイッチング電源の第1実施形態について、図1〜図6を参照して説明する。図1は本発明のスイッチング電源の第1実施形態の回路構成を示す図である。図2は図1のスイッチング電源の外観図であって、(a)は平面図、(b)は平滑用チョークコイルのコアの上側が取外された状態を示す図である。図3は平滑用チョークコイルのコアを示す図であって、(a)は側面図、(b)は(a)の上面図、(c)は(b)のコアの上側が取外された状態を示す図である。図4は図1のスイッチング電源の側断面図である。図5および図6はそれぞれ、回路基板に設けられる往路、復路配線パターンの配置位置の他の例を示す図である。なお、図1〜図6では、説明を簡易なものとするために、本発明にかかる基本的な構成のみ図示されており、その他の構成については図示省略されている。
【0031】
図1に示すように、スイッチング電源1は、入力電圧Vinが入力される1次側と出力電圧Voutが出力される2次側とを絶縁するトランス2を備え、トランス2の1次側に、入力電圧Vinが入力される入力端子+Vin、−Vinに接続される平滑用のコンデンサ3と、スイッチング素子4と、スイッチング素子4のオン、オフを制御する制御回路5とが設けられ、トランス2の2次側に、トランス2の2次側出力を整流する同期整流回路6と、同期整流回路6の整流出力を平滑する平滑回路7と、平滑回路7の出力電圧を検出する出力検出回路8とが設けられている。
【0032】
スイッチング電源1の1次側回路は、平滑用のコンデンサ3がトランス2の入力側の1次巻線2aに並列に接続され、バイポーラトランジスタやMOSFETなどにより形成されるスイッチング素子4がトランス2の入力側の1次巻線2aに直列に接続されて形成される。また、スイッチング素子4には制御回路5が接続されており、制御回路5はPMW駆動によりスイッチング素子4のオン、オフを制御する。なお、スイッチング素子4が制御回路5により高速にスイッチング制御されるので、電源供給ラインの寄生インダクタンスの影響を低減してトランス2の1次巻線2aに入力される入力電圧Vinを安定させるために、平滑用のコンデンサ3はトランス2の一次巻線2aの近傍に配置される。
【0033】
スイッチング電源1の2次側回路は、次のような構成で形成される。トランス2の出力側の2次巻線2bには、整流用のスイッチング素子9および平滑用チョークコイル10a,10bが直列に接続される。転流用のスイッチング素子11は、平滑用チョークコイル10a,10bの2次巻線側にそれぞれ接続される。平滑用のコンデンサ12は出力端子+Vout、−Voutに接続される。そして、整流用のスイッチング素子9、転流用のスイッチング素子11およびスイッチング素子9,11のオン、オフを制御するドライバ回路6aにより同期整流回路6が形成される。また、平滑用チョークコイル10a,10bおよび平滑用のコンデンサ12により平滑回路7が形成される。なお、スイッチング電源1の2次側回路は、出力端子+Voutに接続される出力側配線および出力端子−Voutに接続される接地側配線(GND)を備えているが、平滑用チョークコイル10a,10bは出力側配線および接地側配線にそれぞれ直列に接続されている。
【0034】
同期整流回路6のドライバ6aは、制御回路5によるスイッチング素子4のオン、オフ制御に同期して、整流用のスイッチング素子9および転流用のスイッチング素子11のオン、オフを制御する。すなわち、制御回路5によりスイッチング素子4がオンされたときに、整流用のスイッチング素子9がオン、転流用のスイッチング素子11がオフとなるようにドライバ6aによりそれぞれ制御され、制御回路5によりスイッチング素子4がオフされたときに、整流用のスイッチング素子9がオフ、転流用のスイッチング素子11がオンとなるようにドライバ6aによりそれぞれ制御される。
【0035】
また、出力検出回路8は、オペアンプなどにより形成される誤差増幅器14が、平滑回路7の出力側のスイッチング電源1の2次側回路の出力端子間に分圧用の抵抗13を介して並列に接続されると共に、ゲイン設定用の抵抗15および所定の基準電圧Eを供給する基準電源がそれぞれ入力側の非反転入力端子(+端子)および反転入力端子(−端子)
に接続されて形成された検出部16を備えている。そして、検出部16は、平滑回路7の出力電圧に比例する検出電圧と基準電圧Eとの比較に基づく信号を検出信号として出力する。この実施形態では、平滑回路7の出力電圧に比例する検出電圧と基準電圧Eとが比較された差分電圧が増幅されることによる検出信号が誤差増幅器14の出力端子から出力される。
【0036】
また、出力検出回路8は、検出部16により平滑回路7の出力電圧に基づいて出力された検出信号を制御回路5にフィードバックする出力検出配線17と、出力検出配線17に直列に設けられた2つの配線部18a,18bとを備えている。そして、平滑用チョークコイル10aは2つの配線部18a,18bに電磁結合し、平滑用チョークコイル10bも同様に2つの配線部18a,18bに電磁結合して、2つの配線部18a,18bは、平滑用チョークコイル10a,10bの励磁により2つの配線部18a,18bにそれぞれ生じる誘導起電力の向きが互いに逆となるように出力検出配線17に設けられている。なお、図1中の丸印は配線部のコイルとしての極性を示す。
【0037】
また、出力検出回路8は、出力検出配線17に設けられ、2つの配線部18a,18bと制御回路5とを絶縁して検出部16により出力された検出信号を制御回路5に伝達するフォトカプラ19を備えている。そして、フォトカプラ19を介して検出部16から出力された検出信号が制御回路5にフィードバックされることにより、スイッチング素子4は、フィードバックされた検出信号に基づいて制御回路5によりオン、オフが制御される。
【0038】
以上のように構成されたスイッチング電源1では、制御回路5によりスイッチング素子4がオンされると、ドライバ6aにより同期整流回路6のスイッチング素子9,11がそれぞれオン、オフに制御され、トランス2の2次巻線2bに生じる誘導起電力により、整流用のスイッチング素子9を通る矢印aの経路を電流が流れてコンデンサ12が充電される。このとき、平滑用チョークコイル10a,10bのそれぞれに流れる電流により誘導起電力が生じるため、平滑用チョークコイル10a,10bそれぞれに電磁結合する配線部18a,18bに向きが互いに逆である誘導起電力が生じる。平滑用チョークコイル10aにより生じる誘導起電力は配線部18aと配線部18bで互いに打ち消され、平滑用チョークコイル10bにより生じる誘導起電力も同様に配線部18aと配線部18bで互いに打ち消される。
【0039】
また、制御回路5によりスイッチング素子4がオフされると、ドライバ6aにより同期整流回路6のスイッチング素子9,11がそれぞれオフ、オンに制御され、平滑用チョークコイル10a,10bに生じる誘導起電力により転流用のスイッチング素子11を通る矢印bの経路を電流が流れてコンデンサ12が充電される。このとき、平滑用チョークコイル10a,10bの誘導起電力により、平滑用チョークコイル10a,10bそれぞれに電磁結合する配線部18a,18bに向きが互いに逆である誘導起電力が生じる。このときも同様に、平滑用チョークコイル10aにより生じる誘導起電力は配線部18aと配線部18bで互いに打ち消され、平滑用チョークコイル10bにより生じる誘導起電力も同様に配線部18aと配線部18bで互いに打ち消される。
【0040】
そして、検出部16により基準電圧Eと平滑回路7の出力電圧とが比較されることによる検出信号がフォトカプラ19を介して制御回路5に出力されることで、検出された出力電圧(コンデンサ12の充電電圧)に応じてスイッチング素子4をオン、オフするデューティ比が制御回路5によりフィードバック制御されて出力電圧が調整される。
【0041】
次に、スイッチング電源1が備える、トランス2と、平滑用チョークコイル10a,10bと、出力検出回路8の出力検出配線17との配置関係についてその概略を説明する。
【0042】
スイッチング電源1は、回路基板20を備え、図2(a)に示すように、トランス2および平滑用チョークコイル10a,10bは、回路基板20の長手方向の両側に離れて配設されている。また、トランス2および平滑用チョークコイル10a,10bは、図3(a)〜(c)に示すように、略E字型の磁性部材21a,21bが2つ組合されることにより、大きさが異なるだけでほぼ同一形状のE−E型のコア21と有している。また、図2(a),(b)および図4に示すように、コア21の幅は回路基板20の幅よりやや大きめに形成されており、両コア21は、脚部の1つである主脚21cが回路基板21に透設された孔を貫通し、他の脚部である両副脚21dが回路基板20の短手方向の両側にそれぞれ形成された切欠に嵌合して、回路基板20を横断して設けられることにより閉磁路を形成する。なお、コア21の形状は上記したE−E型の形状に限らず、E−I型やその他の形状を有していてもよく、少なくとも1つの脚部が回路基板20を貫通して設けられて閉磁路を形成する形状であればどのような形状であってもよい。
【0043】
また、平滑用チョークコイル10a,10bは、図2(a),(b)に示すように、閉磁路を形成するコア21と、回路基板20に設けられて主脚21cに巻回されたコイルパターン22とにより形成される。また、出力検出配線17に設けられた2つの配線部18a,18bは、図2(a),(b)および図4に示すように、コア21により形成される閉磁路の内側を通り回路基板20の同一面に平行に配置されて設けられた出力検出配線17用の往路配線パターン23および復路配線パターン24によりそれぞれ形成される。
【0044】
なお、回路基板20は、樹脂やセラミック、ポリマー材料などを用いた、プリント基板、LTCC、アルミナ系基板、ガラス基板、複合材料基板、単層基板、多層基板などで形成することができ、スイッチング電源1の使用目的に応じて、適宜最適な材質を選択して回路基板20を形成すればよい。また、例えば、図5に示すように、回路基板20が両面基板により形成されている場合には、往路、復路配線パターン23,24が閉磁路の内側においてそれぞれ回路基板20の両面に分かれて設けられていてもよい。
【0045】
また、図6に示すように、回路基板20が多層基板により形成されている場合には、
往路、復路配線パターン23,24が閉磁路の内側においてそれぞれ回路基板20を形成する複数層のうちの2層に分かれて設けられていてもよい。なお、図6では、往路、復路配線パターン23,24が設けられた両層間の層が図示省略されている。
【0046】
なお、コイルパターン22を、往路、復路配線パターン23,24と同様に、回路基板20の両面や、回路基板20を形成する複数の層に渡って設けてもよい。例えば、コイルパターン22を、回路基板20を形成する複数の層に渡って形成することにより、コア21の主脚21cを回路基板20の上層側から下層側にヘリカル状に巻回するようにコイルパターン22を形成することもできる。
【0047】
また、往路、復路配線パターン23,24とコイルパターン22とが積層方向に配置されることにより、往路、復路配線パターン23,24およびコイルパターン22が容量結合して、コイルパターン22の電圧変化が往路、復路配線パターン23,24に電圧信号
として伝搬するのを防止するために、往路、復路配線パターン23,24とコイルパターン22は、できるだけ隔たりを設け、上下方向においては隣接しない層に形成するとよい。往路、復路配線パターン23,24は、回路基板20の同一面もしくは上下方向にできるだけ隔たりがなく隣接する層に形成するとよい。また、コイルパターン22も同様に、回路基板20の同一面もしくは上下方向にできるだけ隔たりがなく隣接する層に形成するとよい。
【0048】
以上のように、この実施形態によれば、トランス2の2次側出力が同期整流回路6により整流され、同期整流回路6の整流出力は、平滑用チョークコイル10a,10bを有する平滑回路7により平滑される。そして、平滑回路7の出力電圧に基づいて出力検出回路8により出力される検出信号が出力検出配線17により制御回路5にフィードバックされ、トランス2の1次側に設けられたスイッチング素子4のオン、オフが、フィードバックされた検出信号に基づいて制御回路5により制御される。
【0049】
具体的には、出力検出回路8は、平滑回路7の出力側に並列に接続されて、所定の基準電圧Eと平滑回路7の出力電圧との比較に基づく信号を検出信号として出力する検出部16を備えており、検出部16により出力された検出信号が出力検出配線17により制御回路5にフィードバックされることで、フォードバックされた検出信号に基づいて、制御回路5によりスイッチング素子4を適切に制御することができる。
【0050】
また、出力検出回路8の出力検出配線17には、平滑用チョークコイル10a,10bにそれぞれ電磁結合し、平滑用チョークコイル10a,10bの励磁により生じる誘導起電力の向きが互いに逆である2つの配線部18b,18aが設けられている。そのため、制御回路5によりスイッチング素子4がオン、オフ制御されて平滑用チョークコイル10a,10bが励磁するのに伴い、出力検出回路8の検出信号をフィードバックする出力検出配線17に設けられた2つの配線部18a,18bにそれぞれ互いに逆の向きに誘導起電力が生じるため、平滑用チョークコイル10a,10bの励磁に伴い2つの配線部18a,18bにそれぞれ生じる誘導起電力は互いに打ち消される。
【0051】
すなわち、出力検出配線17は、平滑用チョークコイル10a,10bとの電磁結合を防止するために、従来、平滑用チョークコイル10a,10bと離間して配設されていたが、この実施形態では、平滑用チョークコイル10a,10bと出力検出配線17に設けられた2つの配線部18a,18bとを近接配置することにより電磁結合させている。そして、2つの配線部18a,18bは、平滑用チョークコイル10a,10bの励磁により生じる誘導起電力の向きが互いに異なり打ち消し合うように、出力検出配線17に直列に設けられている。
【0052】
したがって、平滑用チョークコイル10,10bの励磁に伴う誘導起電力による電圧変動が、出力検出配線17によりフィードバックされる出力検出回路8の検出信号に与える影響を抑制することができ、平滑回路7の出力電圧に基づく出力検出回路8による検出信号を、スイッチング素子4を制御する制御回路5に出力検出配線17により正確にフィードバックすることができる。そして、出力電圧に基づく出力検出回路8による検出信号が制御回路5に正確にフィードバックされるため、出力検出回路8の検出信号に基づいて、制御回路5によりスイッチング素子4を安定してフィードバック制御することができるので、出力電圧の安定化を図ることができる。
【0053】
また、平滑回路7の出力電圧に基づいて、出力検出回路8により過電圧および過電流が検出されたり、負荷の異常が検出されたときは、これらの異常を示す検出信号が出力検出回路8から出力されるようにすれば、出力検出配線17により正確に制御回路5にフィードバックされたこれらの異常を示す検出信号に基づいて、スイッチング素子4のオン、オフの制御を含む適切な制御を制御回路5により実行することができる。
【0054】
また、平滑用チョークコイル10a,10bと、出力検出配線17に設けられた2つの配線部18a,18bとが電磁結合するように近接配置することで、従来のように平滑用チョークコイル10a,10bと出力検出配線17とを離間して配置しなくともよいため、スイッチング電源1の小型化を図ることができる。
【0055】
また、平滑用チョークコイル10a,10bは、脚部の1つである主脚21cが回路基板20を貫通して設けられて閉磁路を形成するコア21と、回路基板20に設けられて主脚20cに巻回されたコイルパターン22とにより形成されており、出力検出配線17に設けられた2つの配線部18a,18bは、コア21により形成される閉磁路の内側を通り回路基板20に設けられた出力検出配線用17の往路配線パターン23および復路配線パターン24によりそれぞれ形成されている。したがって、往路、復路配線パターン23,24が、コア21により形成される閉磁路の内側を通り配線されることで、出力検出配線17を平滑用チョークコイル10a,10bと離間して配線するためのスペースを回路基板20に設けなくてもよいため、回路基板20の幅をコア幅とほぼ同じ大きさとすることができ、スイッチング電源1の小型化を図ることができる。また、コア幅を回路基板20の幅とほぼ同じ大きさに形成することができ、平滑用チョークコイル10a,10bの使用目的に応じて、コア12の大型化を図ることができる。
【0056】
また、出力検出配線17は、往路、復路配線パターン23,24が閉磁路の内側において平行に配置されて回路基板20に設けられているため、閉磁路の内側における往路、復路配線パターン23,24の配線形状や向きをほぼ同一とすることができ、平滑用チョークコイル10a,10bの励磁に伴い往路、復路配線パターン23,24にほぼ同様の磁気効果による電圧が発生するので、往路、復路配線パターン23,24にそれぞれ生じた誘導起電力を互いに打ち消し合う効果の向上を図ることができる。
【0057】
また、図5および図6に示すように、往路、復路配線パターン23,24を上下に重ねて配置することにより、閉磁路を形成するコア21の主脚21cおよび副脚21dから往路、復路配線パターンパターン23,24までの距離がほぼ等距離となる。したがって、往路、復路配線パターン23,24により形成される2つの配線部18a,18bに、平滑用チョークコイル10a,10bが励磁されることで生じる誘導起電力をほぼ同じ大きさとすることができ、誘導起電力を互いに打ち消し合う効果の向上を図ることができる。
【0058】
また、往路、復路配線パターン23,24が、閉磁路の内側において回路基板20の同一面に設けられたり、閉磁路の内側においてそれぞれ回路基板20の両面に分かれて設けられたり、閉磁路の内側においてそれぞれ回路基板20を形成する複数層のうちの2層に分かれて設けられたりすることで出力検出配線17が形成されているため、非常に実用的な構成でスイッチング電源1を提供することができる。
【0059】
また、出力検出回路8は、出力検出配線17に設けられた2つの配線部18a,18b側と、制御回路5側とを絶縁して検出信号を制御回路5に伝達するフォトカプラ19を備えているため、トランス2の1次側に設けられた制御回路5と2次側に設けられた出力検出回路8とを絶縁した状態で回路基板20に配設することができ、非常に実用的な構成でスイッチング電源1を提供することができる。
【0060】
<第2実施形態>
本発明のスイッチング電源の2実施形態について、図7を参照して説明する。図7は本発明のスイッチング電源の第2実施形態の回路構成を示す図である。
【0061】
この実施形態が上記した第1実施形態と異なるのは、図7に示すように、スイッチング電源1の2次側回路を形成する接地側配線にチョークコイル10cが1つ直列に接続されて、チョークコイル10cおよびコンデンサ12により平滑回路7が形成されており、出力検出配線17に、2つの配線部18a,18bがそれぞれチョークコイル10cに電磁結合して設けられている点である。その他の構成は上記した第1実施形態と同様の構成であるため、同一符号を付すことによりその構成および動作の説明は省略する。
【0062】
図7に示すように、スイッチング素子4が制御回路5にオン、オフ制御されることによりチョークコイル10cが励磁されると、出力検出配線17に設けられた2つの配線部18a,18bにそれぞれ誘導起電力が互いに逆の向きに生じるため、2つの配線部18a,18bに生じた誘導起電力は互いに打ち消される。したがって、上記した第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0063】
<第3実施形態>
本発明のスイッチング電源の3実施形態について、図8を参照して説明する。図8は本発明のスイッチング電源の第3実施形態の回路構成を示す図である。
【0064】
この実施形態が上記した第1実施形態と異なるのは、図8に示すように、スイッチング電源1の2次側回路を形成する出力側配線にチョークコイル10dが1つ直列に接続されて、チョークコイル10dおよびコンデンサ12により平滑回路7が形成されており、出力検出配線17に、2つの配線部18a,18bがそれぞれチョークコイル10dに電磁結合して設けられている点である。その他の構成は上記した第1実施形態と同様の構成であるため、同一符号を付すことによりその構成および動作の説明は省略する。
【0065】
図8に示すように、スイッチング素子4が制御回路5にオン、オフ制御されることによりチョークコイル10dが励磁されると、出力検出配線17に設けられた2つの配線部18a,18bにそれぞれ誘導起電力が互いに逆の向きに生じるため、2つの配線部18a,18bに生じた誘導起電力は互いに打ち消される。したがって、上記した第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0066】
<第4実施形態>
本発明のスイッチング電源の4実施形態について、図9を参照して説明する。図9は本発明のスイッチング電源の第4実施形態の回路構成を示す図である。
【0067】
この実施形態が上記した第1実施形態と異なるのは、図9に示すように、上記した第2実施形態と同様にスイッチング電源1の2次側回路を形成する接地側配線にチョークコイル10cが1つ直列に接続されている点と、出力検出回路8および制御回路5が出力検出配線17により絶縁されずに接続されている点である。
【0068】
また、−Vinと−Voutとの間の電位差および−Vinおよび−Vout間を伝達するノイズが、オペアンプにより形成される誤差増幅器14の出力信号に影響を与えるのを防止するために、誤差増幅器14に直流電圧E2(E2≠E)を供給する直流電源と、インピーダンス整合のための抵抗25がさらに設けられている。その他の構成は上記した第1実施形態と同様の構成であるため、同一符号を付すことによりその構成および動作の説明は省略する。
【0069】
図9に示すように、スイッチング素子4が制御回路5にオン、オフ制御されることによりチョークコイル10cが励磁されると、出力検出配線17に設けられた2つの配線部18a,18bにそれぞれ誘導起電力が互いに逆の向きに生じるため、2つの配線部18a,18bに生じた誘導起電力は互いに打ち消される。したがって、上記した第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0070】
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、上記したもの以外に種々の変更を行なうことが可能であり、例えば、トランス2のコア21により形成される閉磁路の内側を通るように出力検出配線17を設け、出力検出回路8の検出信号が出力検出配線17を介して制御回路5に伝達されるようにしてもよい。この場合、トランス2のコア21により形成される閉磁路の内側を通るように設けられた出力検出配線17により、上記した実施形態で説明した配線部18a,18bと同様の配線部を設けるとよい。このようにすると、トランス2と出力検出配線17とが電磁結合することにより、出力検出配線17により伝達される検出信号の値が変動するのを、上記した実施形態における配線部18a,18bにより実現される機能と同様の原理で防止することができる。
【0071】
そして、本発明は、種々のスイッチング電源に適用することができる。
【符号の説明】
【0072】
1 スイッチング電源
2 トランス
4 スイッチング素子
5 制御回路
6 同期整流回路
7 平滑回路
8 出力検出回路
10a,10b,10c,10d 平滑用チョークコイル
16 検出部
17 出力検出配線
18a,18b 配線部
19 フォトカプラ
20 回路基板
21 コア
21c 主脚
22 コイルパターン
23 往路配線パターン
24 復路配線パターン
E 基準電圧

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トランスの1次側に設けられたスイッチング素子と、前記スイッチング素子のオン、オフを制御する制御回路と、前記トランスの2次側出力を整流する整流回路とを備えるスイッチング電源において、
平滑用チョークコイルを有し前記整流回路の整流出力を平滑する平滑回路と、
前記平滑回路の出力電圧に基づく検出信号を前記制御回路にフィードバックする出力検出配線を有する出力検出回路とを備え、
前記制御回路は前記検出信号に基づいて前記スイッチング素子を制御し、
前記出力検出配線は、
前記平滑用チョークコイルにそれぞれ電磁結合し、前記平滑用チョークコイルの励磁により生じる誘導起電力の向きが互いに逆である2つの配線部を有する
ことを特徴とするスイッチング電源。
【請求項2】
前記平滑用チョークコイルは、少なくとも1つの脚部が回路基板を貫通して設けられて閉磁路を形成するコアと、前記回路基板に設けられて前記脚部に巻回されたコイルパターンとにより形成されており、
前記出力検出配線に設けられた前記2つの配線部は、前記閉磁路の内側を通り前記回路基板に設けられた前記出力検出配線用の往路配線パターンおよび復路配線パターンによりそれぞれ形成されていることを特徴とする請求項1に記載のスイッチング電源。
【請求項3】
前記2つの配線部は、前記往路、復路配線パターンが前記閉磁路の内側において平行に配置されて前記回路基板に設けられていることを特徴とする請求項2に記載のスイッチング電源。
【請求項4】
前記2つの配線部は、前記往路、復路配線パターンが前記閉磁路の内側において前記回路基板の同一面に設けられていることを特徴とする請求項2または3に記載のスイッチング電源。
【請求項5】
前記2つの配線部は、前記往路、復路配線パターンが前記閉磁路の内側においてそれぞれ前記回路基板の両面に分かれて設けられていることを特徴とする請求項2または3に記載のスイッチング電源。
【請求項6】
前記2つの配線部は、前記往路、復路配線パターンが前記閉磁路の内側においてそれぞれ前記回路基板を形成する複数層のうちの2層に分かれて設けられていることを特徴とする請求項2または3に記載のスイッチング電源。
【請求項7】
前記出力検出回路は、前記出力検出配線に設けられた前記2つの配線部と、前記制御回路側とを絶縁して前記検出信号を前記制御回路に伝達するフォトカプラを備えていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載のスイッチング電源。
【請求項8】
前記出力検出回路は、前記平滑回路の出力側に並列に接続されて、所定の基準電圧と前記平滑回路の出力電圧との比較に基づく信号を前記検出信号として出力する検出部をさらに備えることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載のスイッチング電源。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2013−27250(P2013−27250A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−162478(P2011−162478)
【出願日】平成23年7月25日(2011.7.25)
【出願人】(000006231)株式会社村田製作所 (3,635)
【Fターム(参考)】