説明

スイッチ構造およびそれを用いた情報処理装置

【課題】情報処理装置に使用するドアスイッチやユニットの着脱を検出するスイッチにおいて、部品を最小限とした構成で押し過ぎによるスイッチの破損を防止する。
【解決手段】一方端部の押圧により他方端部を回動する支点15を有するアクチェータ11と、前記アクチュエータ11の他方端部をスイッチ2側に付勢するバネ部13と、前記支点15と前記バネ部13の間にスイッチボタン12とを備え、前記アクチェータ11の回動によりスイッチボタン12をオンオフするようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理機器や事務用機器、AV機器、媒体処理装置などの情報処理装置に使用するドアスイッチやユニットの着脱を検出するスイッチの構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ドアスイッチやユニット着脱検出スイッチ(以下、単に「スイッチ」という)は、許容範囲を超えてドアやユニットを押し込まれた場合、スイッチ自体が破損したり、スイッチを動作させるためのレバーの変形などによってスイッチが動作しなくなったりするといった問題があった。
【0003】
この問題を解決するために、押圧板により押圧される部材の材質を弾性体とすることにより当該部材の永久変形を防止し、また、押し込み過ぎないようにするための係止部を設けることによりスイッチ本体の破損を防止するようにした技術はあった(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−260261号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来のスイッチ構造では、弾性部材、係止用部材等の部品が必要となり、低価格化や小型化を阻害する要因となっていた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、前述の課題を解決するため次の構成を採用する。すなわち、一方端部の押圧により他方端部を回動する支点を有するアクチェータと、前記アクチュエータの他方端部をスイッチ側に付勢する付勢手段と、前記支点と前記付勢手段の間にスイッチボタンとを備え、前記アクチェータの回動によりスイッチボタンをオンオフするようにした。
【発明の効果】
【0007】
本発明のスイッチ構造によれば、一方端部の押圧により他方端部を回動する支点を有するアクチェータと、前記アクチュエータの他方端部をスイッチ側に付勢する付勢手段と、前記支点と前記付勢手段の間にスイッチボタンとを備え、前記アクチェータの回動によりスイッチボタンをオンオフするようにしたので、部品数を最小限とした構成で、アクチュエータの押し過ぎによるスイッチの破損を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】実施例1のスイッチの構成図である。
【図2】実施例1のスイッチおよび情報処理装置の構成を説明する図である。
【図3】実施例1のスイッチの動作説明図である。
【図4】実施例1のスイッチの動作説明図である。
【図5】実施例2のスイッチの構成である。
【図6】実施例2のスイッチの作用の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係わる実施の形態例を、図面を用いて説明する。図面に共通する要素には同一の符号を付す。
【実施例1】
【0010】
(構成)
図1は、実施例1のスイッチの構成を示す図である。同図に示したように、実施例1のスイッチ2は、支点15を支点としてバネ13の付勢に打ち勝って矢印D方向に回動するアクチュエータ11と、アクチュエータ11により押圧されてオン状態となるスイッチボタン12と、矢印C方向に付勢する付勢手段としてのバネ13と、スイッチボタン12のオンオフを電気的オンオフとして出力する端子14から構成される。なお、スイッチボタン12は比較的弱い付勢力により矢印Bのように付勢されている。
【0011】
図2は、実施例1のスイッチ2を情報処理装置1に備えた外観斜視図である。同図に示したように、情報処理装置1は、後方の保守扉5が開き、例えば、媒体収納ユニット3を情報処理装置1内にセットできるようになっている。
【0012】
媒体収納ユニット3の先端には、押し棒4が設けられており、媒体収納ユニット3を矢印X方向にセットすると、押し棒4によりスイッチ2のアクチュエータ11が押されるようにスイッチ2が配置されている。
【0013】
(動作)
以上の構成による実施例1のスイッチは以下のように動作する。以下、図3および図4の動作説明図を用いて実施例1のスイッチの動作を説明する。
【0014】
実施例1のスイッチ2は、図2に示したように情報処理装置1に取り付けられており、媒体収納ユニット3をセットしX方向に挿入すると、媒体収納ユニット3に備えられた押し棒4が、図3の位置から図4のように矢印D方向にスイッチ2のアクチュエータ11を押し、支点15を支点として矢印E方向に回動する。
【0015】
すると、矢印Bのように、スイッチボタン12がアクチュエータ11により押された状態から開放状態となりスイッチオフの状態となり、端子14間がオープンとなる。
【0016】
一方、媒体収納ユニット3を引き抜くと、図4の位置から図3のように押し棒4がアクチュエータ11から離れ、矢印A方向に移動するため、アクチュエータ11がバネ13により矢印Cのようにスイッチ2の本体側に引っ張られ、アクチュエータ11が支点15を支点として回動することによりスイッチボタン12が押され、端子14間が短絡する。
【0017】
以上のように、端子14の短絡または開放を電気的に検知することにより媒体収納ユニット3のセット状態と抜き取り状態を検知することができる。
【0018】
なお、以上の説明では、媒体収納ユニット3のセットを検出するスイッチとして説明したが、保守扉5等に設けて当該開閉を検出するスイッチの場合にも本発明を適用することができる。
【0019】
(実施例1の効果)
以上詳細に述べたように実施例1のスイッチ構造によれば、一方端部の押圧により他方端部を回動する支点を有するアクチェータと、前記アクチュエータの他方端部をスイッチ側に付勢するバネ部と、前記支点と前記バネ部の間にスイッチボタンとを備え、前記アクチェータの回動によりスイッチボタンをオンオフするようにしたので、部品数を最小限とした構成で、アクチュエータの押し過ぎによるスイッチの破損を防止することができる。
【実施例2】
【0020】
(構成)
図5は、実施例2のスイッチの構成を示す図である。同図に示したように、実施例2のスイッチでは、実施例1のスイッチとは、スイッチボタン12とバネ13の位置が異なっている。すなわち、アクチュエータ11の支点15の近傍にバネ13を備え、アクチュエータ11の他方端部にスイッチボタン12を備えた構成となっている。その他の構成は実施例1の構成と同様であるので、簡略化のためにその説明を省略する。
【0021】
(動作)
以上の構成による実施例2のスイッチは以下のように作用する。以下、図6の実施例1のスイッチと実施例2のスイッチを比較した動作説明図を用いて実施例2のスイッチの動作を説明する。
【0022】
まず、図6(a)に示したように、実施例1のスイッチ構造では、押し棒4によりアクチュエータ11を押し、B方向に付勢されたスイッチボタン12を確実にオフさせるためには、アクチュエータ11の支点15とスイッチボタン12の距離が短いために長いストロークが必要であった。
【0023】
一方、実施例2のスイッチ構造では、図6(b)に示したように、アクチュエータ11の支点15とスイッチボタン12の距離が長くなるため、実施例1のスイッチ構造と比し、図中Ly分、短いストロークでスイッチボタン12をオフさせることが可能となる。
【0024】
その他の動作については、実施例1の動作と同様であるので、簡略化のためにその説明を省略する。
【0025】
(実施例2の効果)
以上詳細に述べたように実施例2のスイッチによれば、一方端部を押すことにより他方端部を回動させる支点を有するアクチェータと、前記アクチュエータの略中央部をスイッチ側に付勢するバネ部と、他方端部にスイッチボタンとを備え、前記アクチェータの回動によりスイッチボタンをオンオフするようにしたので、実施例1の効果に加え、一方端部を押すストロークを短くすることができ、さらに小型化を図ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0026】
以上述べたように、本発明は、ドアスイッチやユニットの着脱を検出するスイッチを用いる情報処理機器や事務用機器、AV機器、媒体処理装置などの情報処理装置に広く利用することができる。
【符号の説明】
【0027】
1 情報処理装置
2 スイッチ
3 媒体収納ユニット
4 押し棒
5 保守扉
11 アクチュエータ
12 スイッチボタン
13 バネ
14 端子
15 支点

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方端部の押圧により他方端部を回動する支点を有するアクチェータと、
前記アクチュエータの他方端部をスイッチ側に付勢する付勢手段と、
前記支点と前記付勢手段の間にスイッチボタンとを備え、
前記アクチェータの回動によりスイッチボタンをオンオフするようにしたことを特徴とするスイッチ構造。
【請求項2】
前記付勢手段は、前記アクチュエータの略中央部をスイッチ側に付勢し、
前記スイッチボタンは、前記アクチュエータの他方端部に備え、
前記アクチェータの回動によりスイッチボタンをオンオフするようにしたことを特徴とするスイッチ構造。
【請求項3】
請求項1または請求項2記載のスイッチ構造を備え、
着脱可能なユニットの着脱または扉の開閉を検出できるようにしたことを特徴とする情報処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−9075(P2011−9075A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−151600(P2009−151600)
【出願日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【Fターム(参考)】