説明

スイッチ点灯表示装置

【課題】 横方向に延びるライン状に形成した点灯表示部31を、全領域にわたり点灯して見せることができるスイッチ点灯表示装置を提供する。
【解決手段】 オンオフ操作により交流電源を接続又は遮断するスイッチ本体10と、当該スイッチ本体10をオンオフ操作するための操作部材30とを含むスイッチ装置に組み込まれ、スイッチ本体10のオン操作又はオフ操作に伴い操作部材に設けた点灯表示部31を点灯表示させる構成である。スイッチ本体10のオン操作又はオフ操作に伴い点灯する発光ダイオード41と、この発光ダイオード41から出射した光線を裏面から内部に取り込み、点灯表示部31へ導く導光部材70とを備えている。点灯表示部31は長尺に延びており、導光部材70は発光ダイオード41から出射した光線を拡散、反射させて長尺に延びた点灯表示部31の全領域へ導く。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、オンオフ操作により交流電源を接続又は遮断するスイッチ本体と、当該スイッチ本体をオンオフ操作するための操作部材とを含むスイッチ装置に組み込まれ、スイッチ本体のオン操作又はオフ操作に伴い操作部材に設けた点灯表示部を点灯表示させる構成のスイッチ点灯表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種のスイッチ点灯表示装置は、ネオン管を操作部材に組み込むとともに、このネオン管の対向位置に点灯表示窓を設けた構成となっていた。点灯表示窓は、小さな面積でネオン管からの光線を直接外部へ出射させる構成であった。
さて、近年はスイッチ装置にデザイン性を求めるユーザが増えてきており、点灯表示部も小さな小窓からネオン管の光が漏れ出る程度の点灯表示では、ユーザのデザイン要求に応えられなくなっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3031176号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、横方向に延びるライン状に形成した点灯表示部を、全領域にわたり点灯して見せることができるスイッチ点灯表示装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明は、オンオフ操作により交流電源を接続又は遮断するスイッチ本体と、当該スイッチ本体をオンオフ操作するための操作部材とを含むスイッチ装置に組み込まれ、スイッチ本体のオン操作又はオフ操作に伴い操作部材に設けた点灯表示部を点灯表示させる構成のスイッチ点灯表示装置であって、
スイッチ本体のオン操作又はオフ操作に伴い点灯する指向性発光体(例えば、発光ダイオード)と、
指向性発光体から出射した光線を内部に取り込み、点灯表示部へ導く導光部材とを備え、
点灯表示部が長尺に延びており、
導光部材が次の(イ)乃至(ヘ)の各部を備えることを特徴とする。
(イ)平板状に形成され、一方の平面から発光ダイオードの光線が取り込まれる平板部
(ロ)点灯表示部に対応して長尺に延びた光出射端面を有し、当該光出射端面が点灯表示部に配置されるとともに、平板部の内部を前方向へ導かれてきた発光ダイオードの光線を光出射端面から出射させる光出射部
(ハ)平板部内に形成され、高さ位置の異なる複数の反射領域を有し、平板部内に取り込まれた発光ダイオードからの光線を、光出射部に繋がる前方向へ拡開して反射させる光分割反射部
(ニ)平板部内に形成され、光分割反射部で反射してきた光線のうち一部の高さ領域にある光線を、光出射部に繋がる前方向へ導く前方導光部
(ホ)平板部内に形成され、光分割反射部で反射してきた光線のうち前方導光部へ進まない高さ領域にある光線を、平板部の側方へ反射させる側方反射部
(ヘ)側方反射部で反射してきた光線を反射又は吸収して、当該光線の漏れ出しを阻止する光閉塞端部
【0006】
本発明は、上記(へ)の光閉塞端部に代えて、又は当該光閉塞端部に加えて、平板部内に形成され、側方反射部で反射してきた光線を、光出射部に繋がる前方向へ反射させる前方反射部を備えた構成とすることもできる。
【0007】
前方反射部は、
所定の高さ領域にある光線を、平板部内における前方導光部と離間した所定の側方位置で前方へ反射させて、光出射端面へ導く第一前方反射部と、
他の所定の高さ領域にある光線を、平板部内における前方導光部及び第一前方反射部と離間した他の所定の側方位置で前方へ反射させて、光出射部に繋がる前方向へ導く第二前方反射部と、
を含む構成とすることができる。
【0008】
また、光分割反射部及び横反射部は、光出射端面の中央位置と対応する幅方向中央位置に配置してあり、
横反射部は、左右両方向へそれぞれ光線を反射させる左右一対の反射面を有しており、
第一及び第二前方反射部は、当該横反射部に対し左右対称となる幅方向位置にそれぞれ一対設けた構成とすることもできる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、横方向に延びるライン状に形成した点灯表示部を、全領域にわたり点灯して見せることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施形態に係る表示灯付きスイッチ装置の全体構成を示す分解斜視図である。
【図2】組立後のスイッチ本体、操作部材、及び導光部材を縦方向に並べて示す外観斜視図である。
【図3】本発明の実施形態に係る発光ダイオード点灯回路を示す回路図である。
【図4】従来の表示灯付きスイッチ装置における表示灯点灯回路を示す回路図である。
【図5】従来の他の表示灯付きスイッチ装置における表示灯点灯回路を示す回路図である。
【図6】本発明の実施形態に係る発光ダイオード点灯回路ユニットの構造を示す分解斜視図である。
【図7】発光ダイオード点灯回路の変形例を示す回路図である。
【図8】発光ダイオード点灯回路の他の変形例を示す回路図である。
【図9】本発明の実施形態に係る導光部材を示しており、(a)は平面図、(b)は断面側面図、(c)は導光部材内での光路を描いた平面図、(d)は同じく側面図である。
【図10】(a)は図9(b)を拡大して示す断面側面図、(b)は図9(d)を拡大して示す側面図である。
【図11】本発明の他の実施形態に係る表示灯付きスイッチ装置の外観構成を示す斜視図である。
【図12】本発明の他の実施形態に係る表示灯付きスイッチ装置の外観構成を示す斜視図である。
【図13】図2、図11、図12に示した表示灯付きスイッチ装置における導光部材を示す図で、(1a)(2a)(3a)は平面図、(1b)(2b)(3b)は正面図、(1c)(2c)(3c)は側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
〔全体構成〕
図1はこの実施形態に係る表示灯付きスイッチ装置の全体構成を示す分解斜視図である。
同図に示すように、本実施形態の表示灯付きスイッチ装置は、スイッチ本体10、操作部材30、発光ダイオード点灯回路ユニット40、及び導光部材70を含んでいる。
図2は組立後のスイッチ本体、操作部材、及び導光部材を縦方向に並べて示す外観斜視図である。
【0012】
スイッチ本体10は、上面が開口したケース11内に、中枠体12、速結端子13、可動接触子17、コイルばね18、及び作動子19を組み込んだ構成となっており、ケース11の開口には蓋体23が嵌め込まれ、蓋止め金具24によりケース11と蓋体23とを結合してある。
【0013】
速結端子13は、押えばね14、端子板15、及び解除釦16の各構成部品を含み、これらの各構成部品を中枠体12に組み込んで構成される。速結端子13は、ケース11に設けた導線挿入孔(図示せず)から差し込まれた導線を、押えばね14と端子板15との間で挟持して導通状態を形成する機能を有している。一方、解除釦16を押すことで導線の挟持状態をワンタッチで解除して当該導線をケース11から引き出すことができる。かかる速結端子13(「ネジ無し端子」ともいう)の構成と機能はすでに周知であるため、詳細な説明は省略する(例えば、特開2001-357756号公報参照)。
【0014】
可動接触子17は、可動接点17aを有し、下端を支点として揺動自在に組み込まれており、端子板15に設けた固定接点15aに対して可動接点17aを接離させる。可動接触子17と作動子19との間にはコイルばね18が設けられ、これらの構成部品をもってトグル機構が形成されている。すなわち、作動子19の揺動操作に伴い、作動子19が揺動範囲の中央位置を超えると可動接触子17が揺動して、固定接点15aに対し接触又は離間する。上述した速結端子13には、交流電源に繋がる屋内配線の導線と、電灯や換気扇等の電気機械器具(以下、「負荷」ということもある)に繋がる導線とが接続され、固定接点15aと可動接点17aの接離動作により、これら負荷と交流電源との間が接続又は遮断される。すなわち、固定接点15aと可動接点17aは、交流電源と負荷とを接続又は遮断する開閉接点51を構成している。
【0015】
作動子19は、表面に固定ばね20が装着されており、蓋体23へ揺動自在に組み込まれている。この作動子19の表面(ボス面)には、固定ばね20を介して操作部材30が装着され、ユーザによる操作部材30の操作をもって作動子19が一体に揺動する。作動子19の表面中央部には透光窓21が形成してあり、後述する発光ダイオード41の光線がこの透光窓21を透して導光部材70へと導かれる。透光窓には透明な敷板22が配置してあり、透光窓21からケース11内への塵埃の侵入を防いでいる。敷板22は、固定ばね20に押えつけられて作動子19の表面に固定されている。
【0016】
操作部材30には、表面から視認できる点灯表示部31が設けられている。点灯表示部31は、横方向(幅方向)に延びるライン状に形成されている。本実施形態の表示灯付きスイッチ装置は、このようにライン状に形成された点灯表示部31の全領域から、後述する発光ダイオード41の光線を出射するように構成されている。
【0017】
〔発光ダイオード点灯回路ユニット40〕
次に、発光ダイオード点灯回路ユニット40について説明する。
スイッチ本体10の内部には、発光ダイオード点灯回路ユニット40が組み込まれている。発光ダイオード点灯回路ユニット40は、本スイッチ装置が交流電源を遮断した状態のとき(すなわち、電源OFFの状態のとき)、発光ダイオード41(LED)を発光させるための点灯回路(発光ダイオード点灯回路)を構成する。
図3は本実施形態に係る発光ダイオード点灯回路を示す回路図である。
本実施形態の発光ダイオード点灯回路は、一次側巻線43及び二次側巻線44を有する変成器42(トランス)、ブリッジダイオード47、及び平滑コンデンサ48を含んでいる。
【0018】
変成器42の一次側巻線43は、交流電源を接続又は遮断する開閉接点51と並列に接続してある。すなわち、実施形態に係る表示灯付きスイッチ装置において、端子板15に設けた固定接点15aと可動接触子17に設けた可動接点17aとが開閉接点51を構成しており(図1参照)、固定接点15aに対して可動接点17aが接離することで、電源側の端子52から負荷側の端子53へ供給される交流電源が接続又は遮断される。ここで、電源側の端子52には、交流電源に繋がる屋内配線の導線が繋げられる。一方、負荷側の端子53には、照明器具や換気扇などの電気機械器具(負荷)が繋げられる。これら各端子52、53は、既述したとおり速結端子13により構成されている。なお必要に応じて、変成器42の一次側巻線43と直列に、電流調整用の抵抗49が挿入される。
【0019】
また、変成器42の二次側巻線44にはブリッジダイオード47が設けてあり、二次側巻線44に生じた電流は、このブリッジダイオード47によって全波整流される。ブリッジを構成する各ダイオードは、電圧降下の小さいショットキーバリアダイオードを用いることが好ましい。発光ダイオード41は、全波整流されたブリッジダイオード47の出力側に接続してある。さらに、発光ダイオード41と並列に電流平滑用のコンデンサが設けてあり、このコンデンサによって発光ダイオード41に流す電流を平滑化している。なお、発光ダイオード41と直列に電流調整用の抵抗50が挿入されている。
このように、全波整流され且つ平滑化された電流を通電することで、発光ダイオード41はちらつきのない均一な輝度をもって発光することができる。
【0020】
ここで、変成器42は、一次側巻線43の無負荷インピーダンスを高めて当該一次側巻線43に流れる電流を抑えるとともに、二次側巻線44に発光ダイオード41を点灯させる電流が流れるように、当該一次側巻線43と二次側巻線44の巻数比が設定してある。
【0021】
このように設定したことによる作用効果を説明する。
すなわち、本スイッチ装置が交流電源を遮断した状態のとき、開閉接点51が開いているため負荷側の端子53には電流が流れず、したがって負荷側の端子53に接続された電気機器はOFFとなっている。変成器42の一次側巻線43は、かかる開閉接点51と並列に接続してあるため、開閉接点51を開いていても、漏洩電流がこの一次側巻線43を通して負荷側の端子53へ流れる。この漏洩電流が大きいと、負荷側の端子53に接続された電気機械器具(負荷)が電気的に作動してしまうおそれがある。
例えば、10mAの漏洩電流は、消費電力1W(100V回路の場合)の負荷電流に相当する。ゆえに、消費電力10W程度の負荷が負荷側の端子53に接続されている状況にあっては、10mAの漏洩電流が一次側巻線43を通して負荷側の端子53に流れた場合、ON状態のときの負荷電流の数パーセントがOFF状態のときにも流れることとなり、当該負荷は電気的に作動してしまう。つまり、負荷が白熱電球であれば薄く点灯した状態となり、換気扇であればファンが低速回転する状態となる。
【0022】
このような不都合を回避するため、本実施形態のスイッチ装置は、変成器42の一次側巻線43について、無負荷インピーダンスを高めて当該一次側巻線43に流れる電流を抑える構成とした。ここで、無負荷インピーダンスとは、変成器二次側巻線を開放し変成器を無負荷としたとき、一次側巻線に現れるインピーダンスを指し、損失の無い理想変成器では∞となる。しかし、現実の変成器には損失があり、鉄心を有する通常の小形変成器では、一次側巻線に鉄心の励磁電流が流れるため、無負荷時にも数mA〜数10mAの電流が流れてしまう。従い、どんなに二次側巻線の消費電流値を下げても、一次側巻線の電流値はある値以下にはならず、前記の通り負荷のOFF状態を維持出来なかった。そこで、本発明のスイッチ装置にあっては、好ましくは、一次側巻線43に流れる電流を1mA以下に抑える構成とする。例えば、一次側巻線43の巻数を一万回を超える巻数として、そのインダクタンスと巻線抵抗により無負荷インピーダンスを高めて、電流の流れを抑制している。
具体的には、一次側巻線43の巻数を一万回を超える巻数とすれば、当該一次側巻線43に100Vの交流電源が印加されても、流れる電流は1mAよりも小さくなる。後述する通り、この状態で二次側巻線に10mA程度の負荷電流を通じても、一次側巻線電流は力率が変化するだけで電流はほぼ変わらず1mA以下である。一次側巻線43を経由して流れる漏洩電流が1mA以下程度であれば、負荷側の端子53に接続された電気機械器具(負荷)が作動するおそれはなく、開閉接点51が開いて電気機械器具がOFFの状態と同一視することができる。
【0023】
一方、変成器42の二次側巻線44は、発光ダイオード41を点灯させるために充分な電流が流れるようにする必要がある。通常、発光ダイオード41を高輝度点灯させるには、10mAを超える電流を通電させなければならない。そこで、本実施形態のスイッチ装置は、変成器42の一次側巻線43と二次側巻線44との巻数比を、大きな巻数比に設定することで、一次側巻線43に流れる電流値を抑えつつ、二次側巻線44に発光ダイオード41を点灯させるために充分な電流が流れるように構成してある。
具体的には、既述したとおり、一次側巻線43に流れる電流を1mA以下に抑えるために、一次側巻線43の巻数を一万回を超える巻数とすれば、二次側巻線44に10mAを超える電流を流すためには、一次側巻線43と二次側巻線44との巻数比を10/1とすればよい。すなわち、二次側巻線44を1000回よりも少ない巻数とすれば、二次側巻線44に10mAを超える電流を流すことができる。これにより、二次側巻線44に接続した発光ダイオード41を、充分に高輝度に発光させることができる。
【0024】
<実験例>
本発明者らは、直径0.03mmの導線を用いて、一次側巻線43の巻数11000回、二次側巻線44の巻数623回の変成器42を製作した。一次側巻線43と二次側巻線44との巻数比は18:1である。この変成器42の一次側巻線43に100Vの交流電源を印加したとき、一次側巻線43には0.85mAの電流が流れ、一方、二次側巻線44には15mAの電流を流すことができた。かかる一次側巻線43をスイッチ装置に開閉接点51と並列に接続しても、漏洩電流が0.85mA程度であれば、スイッチ装置の負荷側の端子53に接続された電気機械器具(負荷)はOFF状態を維持する。一方、二次側巻線44に接続した発光ダイオード41は、15mAの電流が通電するため、充分に高輝度に発光する。
【0025】
<比較例1>
図4は従来の表示灯付きスイッチ装置における表示灯点灯回路を示す回路図である。
同図に示す表示灯点灯回路は、開閉接点51と並列にネオン管60と抵抗61が接続されている。ネオン管60は、点灯開始電圧が60V程度と高いものの、1mA以下の微小電流で充分な輝度が得られる。したがって、開閉接点51と並列に接続しても、ネオン管60を経由して流れる漏洩電流が1mA以下程度であれば、負荷側の端子53に接続された電気機械器具(負荷)が作動するおそれはなく、開閉接点51が開いて電気機械器具がOFFの状態と同一視することができる。
なお、ネオン管60の光は、管内に封入したネオンガスのグロー放電による発光であり、この種の光源はランダムな配向の拡散光を発するため、如何なる光学系を用いてもビーム状の光束を形成することが出来ず、光源からの距離の2乗乃至3乗に比例して光量が減衰するので、後述するように導光部材70を介して操作板に設けたライン状の点灯表示部31へ充分な光量を導くことはできない。よって、本実施形態の表示灯付きスイッチ装置における光源として用いることは出来ない。
【0026】
<比較例2>
図5は従来の他の表示灯付きスイッチ装置における表示灯点灯回路を示す回路図である。
同図に示す表示灯点灯回路は、先に記載した特許文献1(実用新案登録第3031176号公報)に開示された回路であり、開閉接点51と並列に発光ダイオード62と抵抗63が接続されている。
しかし、既述したとおり、発光ダイオード62を高輝度に発光させるには10mAを超える電流を通電する必要がある。10mAの漏洩電流は、消費電力1W(100V回路の場合)の負荷電流に相当する。ゆえに、消費電力10W程度の負荷が負荷側の端子53に接続されている状況にあっては、10mAの漏洩電流が負荷側の端子53に流れた場合、ON状態のときの負荷電流の数パーセントがOFF状態のときにも流れることとなり、当該負荷は電気的に作動してしまう。つまり、負荷が白熱電球であれば薄く点灯した状態となり、換気扇であればファンが低速回転する状態となる。
逆に、負荷がOFF状態を維持できる程度の漏洩電流(例えば、1mA以下の漏洩電流)に抑えた場合、発光ダイオード62の輝度は視認しがたい暗さとなってしまう。
したがって、図5に示す表示灯点灯回路では、漏洩電流を抑えつつ発光ダイオード62を高輝度に発光させることはできない。
【0027】
<発光ダイオード点灯回路ユニット40の具体的構造>
図6は本実施形態に係る発光ダイオード点灯回路ユニットの構造を示す分解斜視図である。
図3に示した発光ダイオード点灯回路を構成する電子部品は、変成器42を除き、リジット基板55とフレキシブル基板56のいずれかに半田付けして搭載されている。フレキシブル基板56は、電子部品を搭載する電子部品搭載領域56aと、同領域から帯状に延出する湾曲領域56bと、湾曲領域56bの先端に形成した接続部56cとを含んでいる。
光源となる発光ダイオード41は、フレキシブル基板56の電子部品搭載領域56aに半田付けして搭載されている。このフレキシブル基板56の電子部品搭載領域56aは、裏面に補強板57が取り付けられており、当該領域の剛性を確保するとともに、補強板四隅に設けた脚57aにより電子部品搭載領域56aは作動子19内に係止される。フレキシブル基板56の接続部56cは、リジット基板55に設けた被接続部55aへ半田付けにより接続される。
リジット基板55は、端子板15上に載置され、一方、フレキシブル基板56の電子部品搭載領域56aは、作動子19の内部に組み込まれる(図1参照)。その間をフレキシブル基板56の湾曲領域56bが電気的に接続している。これにより、発光ダイオード41は、作動子19の出光口に固定される。
【0028】
変成器42は、一次側巻線43と二次側巻線44を構成するボビンの外周に、インピーダンス変換素子としての強磁性体コア45を取り付けてある。この強磁性体コア45は、方向性珪素鋼板を積層してなる積層鉄心によって構成してあり、これにより小さな体積で大きな透磁率を実現している。なお、既述したとおり、一次側巻線43は一万回を超える巻数とし、一次側巻線43と二次側巻線44との巻数比は10/1以上に設定してある。一次側巻線43は、一万回を超える巻数とするために、直径0.03mmという極細の巻線を用いている。
【0029】
この変成器42は、図1に示すように、ケース11の内底部に収容配置される。変成器42とリジット基板55との間には、中枠体12や速結端子13がケース11内で介在する。このように離間した変成器42とリジット基板55に搭載した電子部品とを電気的に接続するために、変成器42には四隅から長尺な接続ピン46を延出して設けてある。これらの接続ピン46は、それぞれ基端が一次側巻線43の両端、又は二次側巻線44の両端に半田付けしてある。接続ピン46は、外力を加えない限り変形しない。このような剛性を有する接続ピン46を接続手段とすることで、ケース11への変成器42、中枠体12、速結端子13等の組み込み作業の自動化が可能となる。
すなわち、変成器42をケース11の内底部に収容配置し、続いて、接続ピン46との接触を回避しながら中枠体12及び速結端子13を順次ケース11に組み込んでいく。自由変形してしまう電線ではなく、剛性のある接続ピン46としたことで、このような組み込み作業の自動化が可能となる。
【0030】
<変形例1>
図7は発光ダイオード点灯回路の変形例を示す回路図である。
図3に示した発光ダイオード点灯回路は、変成器42における二次側巻線44の出力をブリッジダイオード47によって全波整流するとともに、コンデンサにより電流を平滑化して発光ダイオード41に通電していたが、図7に示すように、発光ダイオード41に対しダイオード58と抵抗50を直列に接続して、これらの直列回路を二次側巻線44の出力へ接続した構成とすることもできる。ダイオード58は二次側巻線44の出力を半波整流する機能を有する。このダイオード58には、電圧降下の小さいショットキーバリアダイオードを用いることが好ましい。抵抗50は、発光ダイオード41の通電電流を調整するために挿入してある。
【0031】
この変形例では、変成器42は二次側巻線44に交流半波しか通電しないため、強磁性体コア45が直流偏磁することに伴い、一次側巻線43に当該偏磁をリセットする電流が流れる。したがって、一次側巻線43に流れる電流は二次側巻線44に流れる電流の相似形とはならないが、巻数比に比例した微小電流となる。
【0032】
また、発光ダイオード41は、正弦波交流の半サイクルの波形に比例した二次電流で点灯するため、全波整流した電流を通電した場合に比べ平均輝度が半分以下となり、電源周波数の周期で明滅して点灯する。それでも、従来のネオン管程度の輝度は得ることができるため、実用性は有している。しかも、図7に示した回路構成よりも構成が簡素化して、安価に製作することが可能である。
【0033】
<変形例2>
図8は発光ダイオード点灯回路の他の変形例を示す回路図である。
同図に示す発光ダイオード点灯回路は、さらに構成を簡素化したもので、図7の回路における半波整流用のダイオードを省略し、発光ダイオード41と抵抗50を二次側巻線44に直列に接続した構成としてある。
かかる回路構成では、二次側巻線44に生じた二次電圧(交流)を、発光ダイオード41の自己整流作用により半波整流させて、当該発光ダイオード41が点灯する。なお、変成器42の開放二次電圧は、発光ダイオード41の逆耐電圧以下となるように調整する。
この変形例の構成の場合も、発光ダイオード41は、全波整流した電流を通電した場合に比べ平均輝度が半分以下となり、電源周波数の周期で明滅して点灯する。それでも、従来のネオン管60程度の輝度は得ることができるため、実用性は有している。しかも、図7に示した回路構成よりもいっそう構成が簡素化して、安価に製作することが可能である。
【0034】
〔導光部材70〕
次に、導光部材70について説明する。
図1及び図2に示した導光部材70は、発光ダイオード41から出射した光線を内部に取り込み、操作部材30に設けられたライン状の点灯表示部31へと導く機能を有している。この導光部材70は、操作部材30の裏面に組み込まれる。
発光ダイオード41は実質的に点光源であり、出射した光線はレンズ系を用いて任意に拡散又は収束させることができる。
【0035】
図9は本実施形態に係る導光部材を示しており、(a)は平面図、(b)は断面側面図、(c)は導光部材内での光路を描いた平面図、(d)は同じく側面図である。また、図10(a)は図9(b)を拡大して示す断面側面図、図10(b)は図9(d)を拡大して示す側面図である。
【0036】
導光部材70は、発光ダイオード41から出射されて光線を透過する特性のある透明なプラスチック材料で形成してあり、任意の厚さを有する平板状に形成された平板部71と、この平板部71の前端縁からほぼ直交する方向へ屈曲して延出する光出射部72とを備えている。そして、平板部71には、光分割反射部75、前方導光部77、側方反射部80、及び前方反射部90の各部が形成されている。また、光出射部72の先端面が光出射端面74となっている。平板部71と光出射部72が交わる隅部は反射隅部73を形成しており、平板部71の前端縁に導かれてきた光線を反射隅部73で光出射部72に向かって偏向拡散して反射させ光出射面へと導く構成となっている。
光出射端面74は、操作部材30に設けられたライン状の点灯表示部31に対応して横方向に延びるライン状の端面を形成しており、当該点灯表示部31に配置される。
【0037】
また、導光部材70の外面には、光出射端面74、溝76の構成面、溝81の構成面及び光入射面71cを除くすべての面(又は内部に導入した光線が当たる面)に、光を拡散して反射する特性を有する塗料(例えば、白色塗料)が塗装されており、導光部材70の内部に取り込まれた光線は、内部で減衰するか、又は反射を繰り返して光出射端面74に導かれ、当該光出射端面74から外部へ出射するよう構成してある。このように光出射端面74以外からの光線の漏れだしを無くすことで、光出射端面74に至る光量を多く確保し、高輝度に点灯表示部31を点灯させることが可能となる。
【0038】
光分割反射部75は、光出射端面74の中央位置と対応する幅方向中央位置Oの周囲に形成してある。具体的には、図10に示すように、この光分割反射部75は、導光部材70の平板部71に表面から溝76を掘り、当該溝76の側面によって形成されている。この光分割反射部75は、高さ位置の異なる複数の反射領域を有し、各反射領域とも導光部材70の光入射面71cから内部に取り込んだ発光ダイオード41からの光線を、平板部71の前方へ反射させる機能を有している。図10に拡大して示すように、本実施形態の導光部材70は、光分割反射部75を高さ位置の異なる4つの反射領域75a、75b、75c、75dで構成し、これら反射領域75a、75b、75c、75dにより発光ダイオード41からの光線をほぼ均等に四分割し、それぞれ拡散して反射させている。
【0039】
前方導光部77は、光分割反射部75の前方位置に形成してある。図10(b)に示すように、この前方導光部77は、導光部材70の表面から4番目の高さ位置にある反射領域75d(いちばん深い位置にある反射領域)とほぼ同じ高さ領域に形成してあり、当該反射領域75dで反射してきた光線を透過させて反射隅部73へと導く機能を有している。
【0040】
側方反射部80は、光分割反射部75の前方位置であって、前方導光部77よりも表面側の高さ領域に形成してある。具体的には、図10に示すように、この側方反射部80は、導光部材70の平板部71に表面から溝81を掘り、当該溝81の側面によって形成されている。当該溝81の側面の高さ位置は、導光部材70の表面から1乃至3番目の高さ位置にある各反射領域75a、75b、75cとほぼ同じ高さ領域に形成してあり、当該反射領域75a、75b、75cで反射してきた光線を側方へ拡散して反射する機能を有している。
【0041】
ここで、側方反射部80は、図9(a)(c)に示すように、左右両方向へそれぞれ光線を反射させる左右一対の反射面80a、80bを有しており、光分割反射部75から導かれてきた光線を左右方向へほぼ均等に振り分けて反射させる。
【0042】
なお、本実施形態では、図9(c)に示すように、発光ダイオード41は、導光部材70の幅方向中央位置Oよりも一方の側方寄りに僅かながらオフセットした位置に対向配置してある。横反射部80に形成した左右一対の反射面80a 、80bは、このように幅方向中央位置Oよりも一方の側方寄りにオフセットした位置、幅方向中央位置O、又は幅方向中央位置Oよりも他方の側方寄りにオフセットした位置のいずれに発光ダイオード41を対向配置した場合であっても、光分割反射部75を介して当該発光ダイオード41から導かれてくる光線をほぼ均等に左右へ振り分けて反射できるような湾曲面に形成してある。
【0043】
前方反射部90は、側方反射部80で反射してきた光線を、前方へ偏向拡散して反射させ反射隅部73へと導く機能を有している。反射隅部73に入射した光線は、当該反射隅部73で反射して光出射部72を透して光出射端面74から出射する。
本実施形態では、図9(a)(b)に示すように、この前方反射部90は、所定の高さ領域にある光線を、前方へ偏向拡散して反射させ反射隅部73へ導く第一前方反射部91と、他の所定の高さ領域にある光線を前方へ偏向拡散して反射させ反射隅部73へ導く第二前方反射部92とに分けて構成してある。
【0044】
具体的には、各前方反射部90は、導光部材70の平板部71に表面からそれぞれ溝93、94を掘り、当該溝93、94の内面に形成してある。そして、第一前方反射部91を形成する溝93の側面の高さ位置は、導光部材70の表面から1番目の高さ位置にある反射領域75aとほぼ同じ高さ領域に形成してあり、当該反射領域75aから側方反射部80を介して反射してきた光線を、導光部材70の内部で前方へ反射させて反射隅部73へと導く。一方、第二前方反射部92を形成する溝94の側面の高さ位置は、導光部材70の表面から2番目の高さ位置にある反射領域75bとほぼ同じ高さ領域に形成してあり、当該反射領域75bから側方反射部80を介して反射してきた光線を、導光部材70の内部で前方へ反射させて反射隅部73へと導く。
【0045】
さらに、本実施形態では、導光部材70における平板部71の両側面71aも、側方反射部80で反射してきた光線を、平板部71の前方へと偏向拡散して反射させ反射隅部73へと導く前方反射部90として機能する構成としてある。すなわち、これら両側面71aは側方反射部80から導かれてくる光線を平板部71の前方へ偏向拡散して反射させるように傾きを付けてあり、且つこれら両側面71aには光を反射させる特性のある白色塗料が塗布してある。これら平板部71の両側面71aには、導光部材70の表面から3番目の高さ位置にある反射領域75cから側方反射部80を介して反射してきた光線が入射して、当該光線を反射隅部73に向けて反射させる。
【0046】
図9(a)(c)に示すように、上述した導光部材70は、幅方向中央位置Oを通る中心軸に対して左右対称な形状に形成してある。そして、平板部71における幅方向中央位置Oの周囲に形成した側方反射部80に対し左右対称となる幅方向位置に、上述した第一前方反射部91及び第二前方反射部92がそれぞれ一対設けてある。前方導光部77は、側方反射部80と同じく導光部材70における平板部71における幅方向中央位置Oの周囲に設けてある。
これら前方導光部77、第一前方反射部91、第二前方反射部92、及び平板部71の両側面71aは、それぞれ幅方向の異なった位置に配置してあり、前方導光部77を透過してきた光線が反射隅部73の幅方向中央の一定領域aに導かれ、第一前方反射部91を反射してきた光線が反射隅部73の当該領域aよりも側方の一定領域bに導かれ、第二前方反射部92を反射してきた光線が反射隅部73の当該領域bよりもさらに側方の一定領域cに導かれ、平板部71の両側面71aを反射してきた光線が反射隅部73の当該領域cよりもさらに側方の一定領域dに導かれるように、それぞれの形成位置と光線の透過又は反射角度を調整してある。
【0047】
このようにして、発光ダイオード41から出射した光線が反射隅部73の全領域に向けて導かれ、さらにその光線は光出射部72を透してその先端面である光出射端面74の全領域に分散して到達し、当該光出射端面74から出射する。したがって、光出射端面74が配置された操作部材の点灯表示部31はライン状にほぼ均一な輝度で点灯して見える。
【0048】
〔他の実施形態〕
図11及び図12は、本発明の他の実施形態に係る表示灯付きスイッチ装置の外観構成を示す斜視図である。
屋内の壁面にスイッチ装置などの配線器具を施設するために用いられる取付枠には、寸法が規格化されたスイッチ装置を並べて3個取り付けることができる、3個口取付枠と称するものがある。図2に示した先の実施形態に係る表示灯付きスイッチ装置は、この種の3個口取付枠の中央に1個のスイッチ本体10を取り付けて使用する構成のもので、操作部材30は一枚で3個口取付枠の全体を覆い隠す寸法形状となっている。したがって、操作部材30の幅寸法に対応して、ライン状の点灯表示部31も長尺に延びている。
【0049】
これに対して、図11に示した表示灯付きスイッチ装置は、3個口取付枠の中央にスイッチ本体10を取り付けるとともに、操作部材30は一枚で3個口取付枠におけるスイッチ2個分の領域を覆い隠す寸法形状となっている。したがって、図2に示した操作部材30に比べ、ライン状の点灯表示部31は短くなっている。
また、図12に示した表示灯付きスイッチ装置は、操作部材30が3個口取付枠におけるスイッチ1個分の領域を覆い隠す寸法形状となっている。したがって、図11に示した操作部材30に比べ、ライン状の点灯表示部31はさらに短くなっている。
図11に示した表示灯付きスイッチ装置は、図12に示した表示灯付きスイッチ装置との組み合わせで3個口取付枠へ装着される。また、図12に示した表示灯付きスイッチ装置は、3個分を並べて3個口取付枠へ装着される。
【0050】
このように使用形態が異なる図2、図11、図12に示す表示灯付きスイッチ装置は、導光部材70が図13に示すように異なった構成となっている。図13(1a)〜(1c)に示す導光部材70は、既述したとおりの図2に示す表示灯付きスイッチ装置に適用される導光部材70である。同図(2a)〜(2c)に示す導光部材70は、図11に示す表示灯付きスイッチ装置に適用される導光部材70である。同図(3a)〜(3c)に示す導光部材70は、図12に示す表示灯付きスイッチ装置に適用される導光部材70である。
【0051】
図13(2a)〜(2c)に示す導光部材70は、図13(1a)〜(1c)に示す導光部材70において、第一前方反射部91、第二前方反射部92が設けられた一方の側方領域を、光出射端面74と直交する断面で切除した構成となっている。したがって、図13(2a)〜(2c)に示す導光部材70では、前方導光部77、他方の側方領域にある第一前方反射部91、第二前方反射部92、及び平板部71の側面71aで、発光ダイオード41からの光線が透過又は反射して反射隅部73へ導かれる。
切除した側端面71bには、光を拡散して反射する特性を有する塗料(例えば、白色塗料)が塗装されているが、当該側端面71bで反射する光線は、前方の反射隅部73へ向かうことなく導光部材70の内部に戻される。そして、導光部材70内で反射拡散を繰り返すうちに多くが減衰していく。
すなわち、切除した側端面71bは、側方反射部80で反射してきた光線を反射して、当該光線の漏れ出しを阻止する光閉塞端部を形成している。これにより、光出射端面74に導かれる光線の単位面積あたりの光量が、図13(1a)〜(1c)に示す導光部材70とほぼ同じになり、操作部材30の点灯表示部31がほぼ同じ輝度で点灯して見える。
【0052】
図13(3a)〜(3c)に示す導光部材70は、図13(1a)〜(1c)に示す導光部材70において、第一前方反射部91、第二前方反射部92が設けられた両方の側方領域を、光出射端面74と直交する断面でそれぞれ切除した構成となっている。したがって、図13(3a)〜(3c)に示す導光部材70では、発光ダイオード41からの光線が前方導光部77を透過して反射隅部73へ導かれる。
切除した両側端面71bには、光を拡散して反射する特性を有する塗料(例えば、白色塗料)が塗装されているが、当該両側端面71bで反射する光線は、前方の反射隅部73へ向かうことなく導光部材70の内部に戻される。そして、導光部材70内で反射拡散を繰り返すうちに多くが減衰していく。
すなわち、切除した両側端面71bは、側方反射部80で反射してきた光線を反射して、当該光線の漏れ出しを阻止する光閉塞端部を形成している。これにより、光出射端面74に導かれる光線の単位面積あたりの光量が、図13(1a)〜(1c)に示す導光部材70とほぼ同じになり、操作部材30の点灯表示部31がほぼ同じ輝度で点灯して見える。
【0053】
なお、図13(2a)〜(2c)、(3a)〜(3c)の導光部材70において、光閉塞端部を形成する側端面71bには、光を吸収する特性のある塗装(例えば、黒色塗装)を施してもよい。
【0054】
また、上述した実施形態では、開閉接点51が開いている状態(負荷がOFF状態)で発光ダイオード41が発光する構成を示したが、さらに、開閉接点51が閉じている状態(負荷がON状態)でも発光ダイオード41が発光する回路構造を組み込むこともできる。その場合、各発光ダイオード41の発光色を変える等、どちらの状態かを識別できる工夫をする必要があることは勿論である。開閉接点51が閉じている状態(負荷がON状態)で発光ダイオード41が発光する回路構造は、すでに周知であるため詳細な説明は省略する。当該発光ダイオード41は、図9(c)に示した発光ダイオード41の隣りに並べて配置すれば、導光部材70を介して操作部材30の点灯表示部31をライン状に点灯させることができる。
【0055】
また、上述した実施形態では、操作部材30の点灯表示部31及び導光部材70の光出射端面74をライン状に形成したが、これに限らず、例えば直線上の点列で構成することもできる。
さらに、上述した実施形態では、平板部71の前端縁から光出射部72を延出させたが、平板部71の前部領域を光出射部72としてその端面(平板部71の前端面)に光出射端面を形成してもよい。
【符号の説明】
【0056】
10:スイッチ本体、11:ケース、12:中枠体、13:速結端子、14:押えばね、15:端子板、15a:固定接点、16:解除釦、17:可動接触子、17a:可動接点、18:コイルばね、19:作動子、20:固定ばね、21:透光窓、22:敷板、23:蓋体、24:蓋止め金具、
30:操作部材、31:点灯表示部、
40:発光ダイオード点灯回路ユニット、41:発光ダイオード、42:変成器、43:一次側巻線、44:二次側巻線、45:強磁性体コア、46:接続ピン、47:ブリッジダイオード、48:平滑コンデンサ48、49:抵抗、50:抵抗、51:開閉接点、52:電源側の端子、53:負荷側の端子、55:リジット基板、55a:被接続部、
56:フレキシブル基板、56a:電子部品搭載領域、56b:湾曲領域、56c:接続部、57:補強板、58:ダイオード、60:ネオン管、
70:導光部材、71:平板部、71a:側面、71b:側端面、71c:光入射面、
72:突条部、73:反射隅部、
74:光出射端面、
75:光分割反射部、75a、75b、75c、75d:反射領域、76:溝、
77:前方導光部、
80:横反射部、81:溝、80a、80b:反射面、
90:前方反射部、91:第一前方反射部、92:第二前方反射部、93:溝、94:溝、

【特許請求の範囲】
【請求項1】
オンオフ操作により交流電源を接続又は遮断するスイッチ本体と、当該スイッチ本体をオンオフ操作するための操作部材とを含むスイッチ装置に組み込まれ、前記スイッチ本体のオン操作又はオフ操作に伴い前記操作部材に設けた点灯表示部を点灯表示させる構成のスイッチ点灯表示装置であって、
前記スイッチ本体のオン操作又はオフ操作に伴い点灯する指向性発光体と、
前記指向性発光体から出射した光線を内部に取り込み、前記点灯表示部へ導く導光部材とを備え、
前記点灯表示部が長尺に延びており、
前記導光部材が次の(イ)乃至(へ)の各部を備えることを特徴としたスイッチ点灯表示装置。
(イ)平板状に形成され、一方の平面から前記発光ダイオードの光線が取り込まれる平板部
(ロ)前記点灯表示部に対応して長尺に延びた光出射端面を有し、当該光出射端面が前記点灯表示部に配置されるとともに、前記平板部の内部を前方向へ導かれてきた前記発光ダイオードの光線を前記光出射端面から出射させる光出射部
(ハ)前記平板部内に形成され、高さ位置の異なる複数の反射領域を有し、前記平板部内に取り込まれた前記発光ダイオードからの光線を、前記光出射部に繋がる前方向へ拡開して反射させる光分割反射部
(ニ)前記平板部内に形成され、前記光分割反射部で反射してきた光線のうち一部の高さ領域にある光線を、前記光出射部に繋がる前方向へ導く前方導光部
(ホ)前記平板部内に形成され、前記光分割反射部で反射してきた光線のうち前記前方導光部へ進まない高さ領域にある光線を、前記平板部の側方へ反射させる側方反射部
(ヘ)前記側方反射部で反射してきた光線を反射又は吸収して、当該光線の漏れ出しを阻止する光閉塞端部
【請求項2】
オンオフ操作により交流電源を接続又は遮断するスイッチ本体と、当該スイッチ本体をオンオフ操作するための操作部材とを含むスイッチ装置に組み込まれ、前記スイッチ本体のオン操作又はオフ操作に伴い前記操作部材に設けた点灯表示部を点灯表示させる構成のスイッチ点灯表示装置であって、
前記スイッチ本体のオン操作又はオフ操作に伴い点灯する指向性発光体と、
前記指向性発光体から出射した光線を内部に取り込み、前記点灯表示部へ導く導光部材とを備え、
前記点灯表示部が長尺に延びており、
前記導光部材が次の(イ)乃至(へ)の各部を備えることを特徴としたスイッチ点灯表示装置。
(イ)平板状に形成され、一方の平面から前記発光ダイオードの光線が取り込まれる平板部
(ロ)前記点灯表示部に対応して長尺に延びた光出射端面を有し、当該光出射端面が前記点灯表示部に配置されるとともに、前記平板部の内部を前方向へ導かれてきた前記発光ダイオードの光線を前記光出射端面から出射させる光出射部
(ハ)前記平板部内に形成され、高さ位置の異なる複数の反射領域を有し、前記平板部内に取り込まれた前記発光ダイオードからの光線を、前記光出射部に繋がる前方向へ拡開して反射させる光分割反射部
(ニ)前記平板部内に形成され、前記光分割反射部で反射してきた光線のうち一部の高さ領域にある光線を、前記光出射部に繋がる前方向へ導く前方導光部
(ホ)前記平板部内に形成され、前記光分割反射部で反射してきた光線のうち前記前方導光部へ進まない高さ領域にある光線を、前記平板部の側方へ反射させる側方反射部
(ヘ)前記平板部内に形成され、前記側方反射部で反射してきた光線を、前記光出射部に繋がる前方向へ反射させる前方反射部
【請求項3】
前記前方反射部は、
所定の高さ領域にある光線を、前記平板部内における前記前方導光部と離間した所定の側方位置で前方へ反射させて、前記光出射端面へ導く第一前方反射部と、
他の所定の高さ領域にある光線を、前記平板部内における前記前方導光部及び第一前方反射部と離間した他の所定の側方位置で前方へ反射させて、前記光出射部に繋がる前方向へ導く第二前方反射部と、
を含むことを特徴とする請求項2のスイッチ点灯表示装置。
【請求項4】
前記光分割反射部及び横反射部は、前記光出射端面の中央位置と対応する幅方向中央位置に配置してあり、
前記横反射部は、左右両方向へそれぞれ光線を反射させる左右一対の反射面を有しており、
前記第一及び第二前方反射部は、当該横反射部に対し左右対称となる幅方向位置にそれぞれ一対設けられていることを特徴とする請求項3のスイッチ点灯表示装置。
【請求項5】
前記指向性発光体が前記スイッチ本体に組み込まれ、前記導光部材が前記操作部材に組み込まれていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のスイッチ点灯表示装置。
【請求項6】
前記指向性発光体は、発光ダイオードであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のスイッチ点灯表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−243295(P2011−243295A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−111667(P2010−111667)
【出願日】平成22年5月14日(2010.5.14)
【出願人】(390005038)神保電器株式会社 (50)
【Fターム(参考)】