説明

スイッチ装置

【課題】 シート状のスイッチにおいて、他の電気機器に接続するための各端子部が、上記他の電気機器に接続されているか否かを容易に判断し、複数の接点を設けても、上記接点や抵抗や端子部を電気的につなぐ経路の形態が煩雑になることを極力防止する。
【解決手段】 フィルム状基材3と板状のスペーサ5とフィルム状部材7とを具備し、フィルム状基材3の一部、フィルム状部材7の一部のうちの少なくとも一方が撓み、この撓んだ部分に設けられている各接点同士が互いに導通することにより、端子部9と端子部11とが互いに導通してオンする構成のスイッチ1において、端子部9と各接点のうちの一部の接点とを互いに導通する経路17中で端子部9側に一端部が接続され、端子部11と各接点のうちの他の一部の接点とを互いに導通する経路21中で端子部11側に他端部が接続された電気抵抗19が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主として着座検出に使用するスイッチ装置に係り、特に、接点部を備えたフィルム状の基材と、前記接点部に対応した位置に貫通孔を備えたフィルム状のスペーサと、前記接点部に対向し前記接点部に接触可能な別の接点部を備えたフィルム状の部材とを順に重ね合わせて構成されているシート状のスイッチ装置に関する。さらに詳細には、スイッチ装置が電気機器に接続されているか否かを判断することができるものに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、接点部を備えたフィルム状の基材と、前記接点部に対応した位置に貫通孔を備えたフィルム状のスペーサと、前記接点部に対向し前記接点部に接触可能な別の接点部を備えたフィルム状の部材とを順に重ね合わせて構成されているシート状のスイッチ装置が知られている(たとえば特許文献1参照)。
【0003】
前記従来の着座センサについて、図を用い説明する。
【0004】
従来のスイッチ装置(着座センサ)100は、たとえば、人が着座可能なシートの表皮の裏側に配して使用され、シートに着座した人の体重により動作し、シートへ人が着座しているか否かを検出する着座検出装置として使用されるものである。
【0005】
図12は、従来のスイッチ装置100の概略構成を示す図であり、図13は、図12のXIIIA−XIIIB断面を示す図である。図14は、前記スイッチ装置100を構成するフィルム状基材(フィルム)102の概略構成を示す図であり、図15は、前記スイッチ装置100を構成するスペーサ104の概略構成を示す図である。図16は、前記スイッチ装置100を構成するフィルム状部材(フィルム)106の概略構成を示す図である。
【0006】
従来のスイッチ装置100は、図12や図13で示すように、絶縁体よりなるスペーサ104(図15参照)を間にして、このスペーサ104の一方の面にフィルム状基材102(図13、図14参照)を配置し、前記スペーサ104の他方の面にフィルム状部材106(図13、図16参照)を配置して構成されている。
【0007】
前記フィルム状基材102のフィルム状部材106側の面(内側の面)には、図14に示すように、互いが離れている複数の一方の電極(接点部)108が設けられており、また、前記各一方の電極108のそれぞれから僅かに離れて、互いが離れている複数の他方の電極(接点部)110が設けられている。
【0008】
前記各一方の接点部108は、前記内側の面に配線された一方の導線(導通経路)112を介して、前記スイッチ装置100を他の電気機器に接続するための一方の端子部114に電気的に接続されている。同様に、前記各他方の接点部110も、他方の導線(導通経路)116を介して、他方の端子部118に電気的に接続されている。
【0009】
また、図13や図16で示すように、フィルム状部材106のフィルム状基材102側の面(内側の面)であって、前記対をなす各接点部108、110が互いに近接して設けられている位置に対応する部位には、第3の電極(接点部)120が設けられている。
【0010】
そして、前記フィルム状基材102と前記フィルム状部材106との間に介在した前記スペーサ104の、前記対をなす各接点部108、110と前記第3の接点部120とが設けられている位置に対応する部位には、貫通孔122が設けられている。
【0011】
したがって、図13に示すように、前記フィルム状基材102と前記フィルム状部材106との間に、前記スペーサ104が配置されていることにより、前記対をなす各接点部108、110と前記第3の接点部120とは常時離間対向するようになっている。
【0012】
そして、乗員(人)の着座時に前記フィルム状基材102、前記フィルム状部材106が撓んで、前記対をなす各接点部108、110と前記第3の接点部120とが互いに接触すると、前記対をなす各接点部108、110は、前記第3の接点部120を介して互いに接触電気的に導通する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
ところで、前記従来のスイッチ装置100では、コネクタに前記スイッチ装置100が装着されているか否かのチェックは、実際にスイッチ装置100に荷重をかけ、スイッチ装置が正常か異常かを判断することにより行われる。
【0014】
しかし、このような方法では、購入者は、事前に動作確認(たとえば、助手席、後部座席の動作確認)を行うことができず、使用する段階で初めて異常に気づくことになり、異常を知らないまま乗車してしまうおそれがある。
【0015】
スイッチ装置100がコネクタからはずれた状態で人が着座すると、着座しているにもかかわらず、信号が伝わらない結果、センサのシステムが正常に動作せず、アラームが点灯したままになる等、運転者に不快感を与えるおそれがあるという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
請求項1に記載の発明は、フィルム状のスペーサを間にして、このスペーサの一方の面にフィルム状基材を配置し、前記スペーサの他方の面にフィルム状部材を配置して構成されていると共に、第1の接点部とこの第1の接点部から離れた第2の接点部とが前記フィルム状基材の前記フィルム状部材側の面に設けられ、前記第1の接点部と対向した第3の接点部と前記第2の接点部と対向した第4の接点部とが前記フィルム状部材の前記フィルム状基材側の面に設けられているフィルム状のスイッチ装置において、前記フィルム状基材に設けられた第1の端子部と、前記フィルム状基材に設けられ、前記第1の接点部と前記第1の端子部とを互いに導通している第1の導通経路と、前記フィルム状基材に前記第1の端子部から離れて設けられた第2の端子部と、前記フィルム状基材に前記第1の導通経路から離れて設けられ、前記第2の接点部と前記第2の端子部とを互いに導通している第2の導通経路と、前記第1の端子部または前記第1の端子部の近傍における前記第1の導通経路に一端部が接続され、前記第2の端子部または前記第2の端子部の近傍における前記第2の導通経路に他端部が接続された電気抵抗とを有し、前記第3の接点部と前記第4の接点部とが、直接電気的に導通し、または、前記フィルム状基材および/または前記フィルム状部材に設けられら他の接点を介して互いに電気的に導通するように構成されており、常態においては、前記第1の端子部と前記第2の端子部とは前記電気抵抗を介して導通した状態にあり、前記フィルム状基材、前記フィルム状部材の少なくとも一方が撓んで、前記第1の接点部と前記第3の接点部とが互いに接触し、前記第2の接点部と前記第4の接点部とが互いに接触し、かつ、前記第3の接点部と前記第4の接点部とが互いに導通しているときに、前記電気抵抗と並列な接続路が前記第1の端子部と前記第2の端子部との間に構成されるスイッチ装置である。
【0017】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のスイッチ装置において、前記第1の導通経路が、前記第1の端子部から前記第1の導通経路の先端部に向かう途中で複数に枝分かれしていると共に、前記第1の接点部が、複数に枝分かれしている前記第1の導通経路の各先端部側に複数設けられており、前記第2の導通経路が、前記第2の端子部から前記第2の導通経路の先端部に向かう途中で複数に枝分かれしていると共に、前記第2の接点部が、複数に枝分かれしている前記第2の導通経路の各先端部側に複数設けられており、前記第1の各接点部に対応して、前記第3の接点部が複数設けられており、前記第2の各接点部に対応して、前記第4の接点部が複数設けられており、前記第3の各接点部のうちの一部の接点部と前記第4の各接点部のうちの一部の接点部とが、前記フィルム状部材の前記フィルム状基材側の面に設けられた第3の導通経路によって互いに導通しており、前記第3の各接点部のうちの他の一部の接点部と前記第4の各接点部のうちの他の一部の接点部とが、前記フィルム状部材の前記フィルム状基材側の面に設けられ前記第3の導通経路とは導通していない第4の導通経路によって互いに導通しており、前記第3の導通経路に接続されている第3の接点部がこの第3の接点部に対向している第1の接点部に接触しかつ前記第3の導通経路に接続されている第4の接点部がこの第4の接点部に対向している第2の接点部に接触したときに前記第1の端子部と前記第2の端子部との間に前記電気抵抗と並列な接続路が構成され、または、前記第4の導通経路に接続されている第3の接点部がこの第3の接点部に対向している第1の接点部に接触しかつ前記第4の導通経路に接続されている第4の接点部がこの第4の接点部に対向している第2の接点部に接触したときに前記第1の端子部と前記第2の端子部との間に前記電気抵抗と並列な接続路が構成されるスイッチ装置である。
【0018】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載のスイッチ装置において、前記第1の導通経路が、前記第1の端子部から前記第1の導通経路の先端部に向かう途中で複数に枝分かれしていると共に、前記第1の接点部が、複数に枝分かれしている前記第1の導通経路の各先端部側に複数設けられており、前記第2の導通経路が、前記第2の端子部から前記第2の導通経路の先端部に向かう途中で複数に枝分かれしていると共に、前記第2の接点部が、複数に枝分かれしている前記第2の導通経路の各先端部側に複数設けられており、前記第1の各接点部に対応して、前記第3の接点部が複数設けられており、前記第2の各接点部に対応して、前記第4の接点部が複数設けられており、総ての前記第3の各接点部と、総ての前記第4の各接点部とが、前記フィルム状部材の前記フィルム状基材側の面に設けられた第5の導通経路によって互いに導通しているスイッチ装置である。
【0019】
請求項4に記載の発明は、フィルム状のスペーサを間にして、このスペーサの一方の面にフィルム状基材を配置し、前記スペーサの他方の面にフィルム状部材を配置して構成されていると共に、第1の接点部とこの第1の接点部から僅かに離れている第2の接点部とが前記フィルム状基材の前記フィルム状部材側の面に設けられ、前記第1の接点部および前記第2の接点部と対向するように、第3の接点部が前記フィルム状部材の前記フィルム状基材側の面に設けられているフィルム状のスイッチ装置において、前記フィルム状基材に設けられた第1の端子部と、前記フィルム状基材に設けられ、前記第1の接点部と前記第1の端子部とを互いに導通している第1の導通経路と、前記フィルム状基材に前記第1の端子部から離れて設けられた第2の端子部と、前記フィルム状基材に前記第1の導通経路から離れて設けられ、前記第2の接点部と前記第2の端子部とを互いに導通している第2の導通経路と、前記第1の端子部または前記第1の端子部の近傍における前記第1の導通経路に一端部が接続され、前記第2の端子部または前記第2の端子部の近傍における前記第2の導通経路に他端部が接続された電気抵抗とを有し、常態においては、前記第1の端子部と前記第2の端子部とは前記電気抵抗を介して導通した状態にあり、前記フィルム状基材、前記フィルム状部材の少なくとも一方が撓んで、前記第1の接点部と記第2の接点部とが前記第3の接点部を介して互いに導通したときに、前記電気抵抗と並列な接続路が前記第1の端子部と前記第2の端子部との間に構成されるスイッチ装置である。
【0020】
請求項5に記載の発明は、フィルム状のスペーサを間にして、このスペーサの一方の面にフィルム状基材を配置し、前記スペーサの他方の面にフィルム状部材を配置して構成されているフィルム状のスイッチ装置において、前記フィルム状基材の前記フィルム状部材側の面に設けられた第1の接点部と、前記フィルム状基材の前記フィルム状部材側の面に前記第1の接点部から僅かに離れて設けられた第2の接点部と、前記フィルム状基材の前記フィルム状部材側の面に前記第1の接点部から大きく離れて設けられた第3の接点部と、前記フィルム状基材の前記フィルム状部材側の面に前記第3の接点部から僅かに離れて設けられた第4の接点部と、前記フィルム状基材に設けられた第1の端子部と、前記フィルム状基材に設けられ、前記第1の接点部と前記第1の端子部とを互いに導通している第1の導通経路と、前記フィルム状基材に前記第1の端子部から離れて設けられた第2の端子部と、前記フィルム状基材に前記第1の導通経路から離れて設けられ、前記第3の接点部と前記第2の端子部とを互いに導通している第2の導通経路と、前記フィルム状基材に前記第1の導通経路および前記第2の導通経路から離れて設けられ、前記第2の接点部と前記第4の接点部とを互いに導通している第3の導通経路と、前記フィルム状部材の前記フィルム状基材側の面に前記第1の接点部および前記第2の接点部と対向するように設けられた第5の接点部と、前記フィルム状部材の前記フィルム状基材側の面に前記第3の接点部および前記第4の接点部と対向するように設けられた第6の接点部と、前記第1の端子部または前記第1の端子部の近傍における前記第1の導通経路に一端部が接続され、前記第2の端子部または前記第2の端子部の近傍における前記第2の導通経路に他端部が接続された電気抵抗とを有し、常態においては、前記第1の端子部と前記第2の端子部とは前記電気抵抗を介して導通した状態にあり、前記フィルム状基材、前記フィルム状部材の少なくとも一方が撓んで、前記第1の接点部と前記第2の接点部とが前記第5の接点部を介して互いに導通し、かつ、前記第3の接点部と前記第4の接点部とが前記第6の接点部を介して互いに導通したときに、前記電気抵抗と並列な接続路が前記第1の端子部と前記第2の端子部との間に構成されるスイッチ装置である。
【0021】
請求項6に記載の発明は、フィルム基材上に設けられた電極とフィルム部材上に設けられた電極とがスペーサを介して配され、前記各電極が互いに導通することにより第1の端子部と第2の端子部とが互いに導通するスイッチ装置において、前記第1の端子部および前記第2の端子部の近傍に前記各端子部を互いにつなぐ電気抵抗が設けられているスイッチ装置である。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、他の電気機器と接続される端子部を有するシート状のスイッチ装置において、他の電気機器に接続するための前記端子部が、前記他の電気機器に接続されているか否かを容易に判断することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態に係るスイッチ装置1の概略構成を示す図であり、図2は、図1におけるIIA―IIB断面を示す図である。図3は、前記スイッチ装置1を構成するフィルム状基材3の概略構成を示す図であり、図4は、前記スイッチ装置1を構成するスペーサ5の概略構成を示す図である。図5は、前記スイッチ装置1を構成するフィルム状部材7の概略構成を示す図である。
【0024】
スイッチ装置1は、たとえば、自動車の座席シートの内部に設置され、搭乗者(人)が着座したか否かの検出に使用されるものである。
【0025】
また、前記スイッチ装置1は図1や図2で示すように、可撓性を備えた絶縁体で構成されたフィルム状のスペーサ(図4参照)5を間にして、このスペーサ5の一方の面に可撓性を備えた絶縁体で構成されたフィルム状の基材(図3参照)3を配置し、前記スペーサ5の他方の面に可撓性を備えた絶縁体で構成されたフィルム状の部材(図5参照)7を配置して三重構造に構成され、全体としてシート状(フィルム状)に構成されている。
【0026】
スイッチ装置1の前記フィルム状基材3の前記フィルム状部材7側の面(内側の面)には、図3に示すように、第1の端子部9と、第1の接点群として互いが離れている複数の第1の接点部13A、13Bと、第1の端子部9と前記第1の接点群を構成している前記第1の各接点部13A、13Bとを互いに電気的に導通している第1の導通経路17とが設けられている。
【0027】
また、前記フィルム状基材3の前記フィルム状部材7側の面(内側の面)には、同様に、第2の端子部11と、第2の接点群として互いが離れている複数の第2の接点部13C、13Dと、第2の端子部11と前記第2の接点群を構成している前記第2の各接点部13C、13Dとを互い電気的に導通している第2の導通経路21とが設けられている。
【0028】
なお、前記第1の接点群の第1の各接点部13A、13Bと、前記第2の接点群の第2の各接点部13C、13Dとは、前記各接点群における各接点同士の間隔距離(たとえば、第1群の第1の接点部13Aと第1群の第1の接点部13Bとの間の距離)よりも大きく離れて配置されている。
【0029】
すなわち、たとえば、前記第1の一方の接点部13Aと前記第1の他方の接点部13Bとの間の距離よりも、前記第1の一方の接点部13Aと前記第2の一方の接点部13Cとの間の距離のほうが長くなっている。
【0030】
さらに、前記フィルム状基材3の前記フィルム状部材7側の面には、電気抵抗19が設けられている。この電気抵抗19の一端部は、前記第1の端子部9の近傍における前記第1の導通経路17に接続されており、前記電気抵抗19の他端部は、前記第2の端子部11の近傍における前記第2の導通経路21に接続されている。
【0031】
なお、前記電気抵抗19の一端部が、前記第1の端子部9に直接接続されていてもよく、前記電気抵抗19の他端部が、前記第2の端子部11に直接接続されていてもよい。
【0032】
前記第1の端子部9と前記第2の端子部11とは、他の電気機器(たとえば、自動車の制御装置)から延出しているコネクタに、たとえば、カシメやハトメ等の接続手段によって接続されるものである。
【0033】
前記フィルム状部材7の前記フィルム状基材3側の面(内側の面)には、図2や図5で示すように、前記第1の接点群における第1の各接点部13A、13Bのそれぞれと対向するように複数の第3の接点部15A、15Bを備えた第3の接点群が設けられていると共に、前記第2の接点群における第2の各接点部13C、13Dのそれぞれと対向するように、複数の第4の接点部15C、15Dを備えた第4の接点群が設けられている。
【0034】
また、前記フィルム状部材7の前記フィルム状基材3側の面には、図2や図5で示すように、前記第3の接点群における第3の各接点部15A、15Bのうちの一部の接点部である接点部15Aと前記第4の接点群における前記第4の各接点部15C、15Dのうちの一部の接点部である接点部15Cとを互いに導通している第3の導通経路23が設けられていると共に、第3の接点群における第3の各接点部15A、15Bのうちの他の一部の接点部である接点部15Bと前記第4の接点群における第4の各接点部15C、15Dのうちの他の一部の接点部である接点部15Dとを互いに導通している第4の導通経路25が設けられている。
【0035】
すなわち、前記第3の接点群における第3の各接点部15A、15Bと対をなす第4の接点群の第4の各接点部15C、15Dは、それぞれ電気的に独立した各導通経路23、25を介して電気的に接続してある。
【0036】
換言すれば、第3の接点群と第4の接点群とにおいて、互いに対をなす接点部のみが電気的に接続してある。
【0037】
また、図1や図4に示すように、前記フィルム状基材3と前記フィルム状部材7との間に挟まれた前記スペーサ5の前記各接点部13A〜13D、15A〜15Dに対応する部位には、前記各接点部13A〜13Dのそれぞれと、前記各接点部15A〜15Dのそれぞれとを互いに接触させることができるように各貫通孔27A〜27Dが設けられている。
【0038】
そして、常態においては、スペーサ5を介して(スペーサ5に設けられた貫通孔27Aを介して)、接点部13Aと接点部15Aとが離反し、同様に、各接点部13B〜13Dそれぞれと、各接点部15B〜15Dのそれぞれとが離反していることにより、前記第1の端子部9と前記第2の端子部11とは、電気抵抗19のみを介して導通した状態にある。
【0039】
そして、前記フィルム状基材3、前記フィルム状部材7の少なくとも一方が、人の着座により撓んで、前記第1接点群における第1の接点部13Aと前記第3の接点群における第3の接点部15Aとが互いに接触し、かつ、前記第2の接点群における第2の接点部13Cと前記第4の接点群における第4の接点部15Cとが互いに接触するとき、前記第1の端子部9と前記第2の端子部11と第3の導通経路23を介して導通される。この第3の導通経路23は、前記電気抵抗19と並列接続路をなすものである。
【0040】
または、同様に、前記第1の接点群における第1の接点部13Bと前記第3の接点群における第3の接点部15Bとが互いに接触し、かつ、前記第2の接点群における第2の接点部13Dと前記第4の接点群における第4の接点部15Dとが互いに接触したときに、前記第1の端子部9と前記第2の端子部11と、第4の導通経路25を介してが互いに接続するように構成されている。
【0041】
前記構成によって、接点部の接触により電気抵抗19と並列な接続路が形成されると、抵抗値が変化するので、人の着座を判別することとができる。また並列な接続路は大きく離れた複数箇所の接点部が接触することによって形成されるので、着座したか否かの誤判断が生じ難くなる。
【0042】
なお、前記フィルム状基材3、スペーサ5、フィルム状部材7は、たとえばPEN樹脂、PET樹脂等の絶縁体で構成されており、前記各接点部13A〜13D、15A〜15Dや前記各導通経路17、21、23、25は、たとえば、前記フィルム状基材3や前記フィルム状部材7の表面に印刷によって薄く固着して設けられた銀の上に、カーボンを薄く設けて形成されており、さらに、前記電気抵抗19は、カーボン等の高電気抵抗材料で構成されていることにより電気抵抗値が高くなっていると共に、前記フィルム状基材3の表面に薄く形成されている。
【0043】
ここで、前記各導通経路17、21の形状についてより詳しく説明する。
【0044】
前記第1の導通経路17は、図3に示すように、前記第1の端子部9から前記第1の導通経路17の先端部に向かう途中で、前記第2の接続経路21から離れる方向にほぼ直角に曲がっており、この曲がっている部位よりもさらに先端部側で、前記第1の導通経路17が複数に枝分かれしていると共に、複数に枝分かれしている前記第1の導通経路17の各先端部(先端部側でもよい)に、第1の接点群の第1の各接点部13A、13Bが設けられている。
【0045】
なお、図3では、前記第1の導通経路17が2つに枝分かれしており、この2つに枝分かれした各導通経路が互いに逆の方向に延伸しており、第1の接点部が前記枝分かれしている導通経路17の各先端部のそれぞれに2つ設けられているが、前記第1の導通経路17が3つ以上の複数に枝分かれし、第1の接点部が3つ以上の複数個設けられていてもよい。
【0046】
前記第2の導通経路21は、前記第1の端子部9と並んで配置されている第2の端子部11から前記第2の導通経路21の先端部に向かう途中までは、前記第1の経路17とほぼ平行に延伸しているが、先端部に向かう途中で、前記第1の経路と同様に前記第1の接続経路17から離れる方向に曲がっており、この曲がっている部位よりもさらに先端部側で複数に枝分かれし、この枝分かれした先端部側に、第2の接点群の第2の各接点部13C、13Dが設けられている。
【0047】
次に、前記フィルム状基材3の形状について説明する。
【0048】
前記フィルム状基材3は、前記各接点部13A〜13D、前記各端子部9、11を接続するために長く設けられている前記各導通経路17、21の形状に応じた形状に延伸し枝分かれして形成されている。
【0049】
すなわち、前記フィルム状基材3は、前記各端子部9、11が設けられている基端部から前記各導通経路17、21が平行に延伸している部位まで所定の幅で延伸している帯状の基端部側部位3Aを有している。なお、前記各端子部9、11や前記各導通経路17、21は、前記基端部側部位3Aの幅方向の中間部に配置されている。
【0050】
前記基端部側部位3Aの先端部側(各端子部9、11が設けられている部位とは反対側)には、ほぼ直角に曲がって延伸している前記各導通経路17の形態に応じて、前記基端部側部位3Aに対してほぼ直角に曲がって所定の幅で延伸している帯状の中間部位3B、が設けられている。
【0051】
同様に、前記基端部側部位3Aの先端部側には、前記中間部位3Bと同形状の中間部位3Cが、前記中間部位3Bの延伸方向とは逆の方向に延伸して設けられており、前記基端部側部位3Aと両中間部位3B、3Cは、全体として「T」字状に形成してある。
【0052】
いる。なお、前記導通経路17は、前記中間部位3Bの幅方向の中間部に配置されており、同様に、前記導通経路21も、前記中間部位3Cの幅方向の中間部に配置されている。
【0053】
さらに、前記中間部位3Bの先端部側(前記基端部側部位3Aとは反対側)には、前記2つに枝分かれして延伸している導通経路17の形態に応じて、所定の幅で帯状に延伸している先端部側部位3Dが設けられており、前記中間部位3Bと前記先端部側部位3Dは、全体として「T」字状に形成してある。なお、先端部側部位3Dは、この先端部側部位3Dの長手方向の中間部で、前記中間部位3Bの先端部に接続している。
【0054】
前記中間部位3Cの先端部側には、同様に、所定の幅で帯状に延伸している先端部側部位3Eが設けられている。なお、前記導通経路17や前記各接点部13A、13Bは、前記先端部側部位3Dの幅方向の中間部に配置されており、同様に、前記導通経路21や前記各接点部13C、13Dも、前記中間部位3Eの幅方向の中間部に配置されている。
【0055】
また、スペーサ5や、フィルム状部材7の外形形状も、フィルム状基材3の外形に準じてほぼ同様に形成されている。ただし、各端子部9、11を露出させるために、前記各端子部9、11に対応する部位までは、前記スペーサ5と前記フィルム状部材7とは、延伸していない。
【0056】
なお、前記フィルム状基材3の先端部側部位3Dの一端部側(接点部13Aが設けられている側)の部位に対応した前記フィルム状部材7の先端部側部位と、前記フィルム状基材3の中間部位3Bに対応した前記フィルム状部材7の中間部位と、前記フィルム状基材3の先端部側部位3Eの一端部側(接点13Cが設けられている側)の部位に対応した前記フィルム状部材7の他の先端部側部位とを通って、前記第3の導通経路23は、「コ」字状に延伸して設けられている。また、前記第4の導通経路25も、同様に、「コ」字状に延伸して設けられている。
【0057】
上述のごとき構成のスイッチ装置1によれば、電気抵抗19の一端部が、前記第1の端子部9の近傍で前記第1の導通経路17に接続されており、前記電気抵抗19の他端部が、前記第2の端子部11の近傍で前記第2の導通経路21に接続されているので、前記第1の導通経路17や断線にもかかわらず、前記第1の端子部9や前記第2の端子部11が、前記の電気機器に接続されているか否かを容易に判断することができる。
【0058】
すなわち、前記第1の端子部9と前記第2の端子部11とを、他の電気機器から延出しているコネクタに接続し、前記第1の端子部9と前記第2の端子部11との間に電圧を印加した場合、電気抵抗19よりも先端部側(前記電気抵抗19に対して前記端子部9、11とは反対側)で導通経路17、21が断線しまたは前記導通経路23、25が断線していても、前記第1の端子部9や前記第2の端子部11が、前記の電気機器に接続されていれば、電気抵抗19を介して前記第1の端子部9と前記第2の端子部11との間に電流が流れるので、各端子部9、11が前記他の電気機器に接続されているか否かを容易に判断することができる。
【0059】
したがって、たとえば、スイッチ装置1が使用されるシートが設置された車両の組み立て時において、各端子部9、11の車両のコネクタへの接続忘れを防止することができる。
【0060】
さらに、コネクタの近傍に電気抵抗を設けてあるので、電気的に各座席のコネクタのはずれをモニタすることができる。よって、事前に購入者が異常を把握することができ、システム異常のまま使用されるおそれを回避することができ、運転者が不快感を感じるおそれもなくなる。
【0061】
加えて、電気抵抗をコネクタ近傍に設けてあるので、前記電気抵抗よりも先の回路がどのような複雑な形状(たとえば複雑に枝分かれした形状)になっても、複雑な経路形状に左右されることなく動作確認を行うことができる。
【0062】
また、スイッチ装置1によれば、第1、第2の各接点部13A〜13Dがフィルム状基材3に設けられ、第3、第4の各接点部15A〜15Dがフィルム状部材7に設けられているので、前記第1、第2の各接点部13A〜13Dと前記第3、第4の各接点部15A〜15Dとの間の距離が、常態においては、気体が満たされた空間で遮断されている。したがって、第1、第2の接点部13A〜13D、第3、第4の各接点部15A〜15Dが設けられている前記空間内で部位へ水分が染み入ってもマイグレーションが発生しにくくなっている。
【0063】
また、スイッチ装置1によれば、たとえば、第1の接点群における接点部13Aと第3の接点群における接点部15Aとが互いに接触して導通し、かつ、前記各接点部13A、15Aと対をなす第2の接点群における接点部13Cと第4の接点群における接点部15Cとが互いに接触して導通しなければ、スイッチ装置1がオンしない構成であるので、すなわち、第1、第3の接点群において互いに接続可能な各接点部13A、15Aと、これらの各接点部13A、15Aと対をなす第2、第4の接点群における各接点部13C、15Cの両方が接触することによって初めて接続路が構成されるので、スイッチ装置1の誤作動を防止することができる。
【0064】
さらに、各導通経路17、21をこれらの延伸方向の中間部で、互いが離反するように延伸させることにより、各接点部13A、15Aと各接点部13C、15Cとを互いに離隔させて設けてあり、and回路が形成されているので、たとえば、荷物の鋭敏なエッジ等によって、1つの接点部対である接点部13Aと接点部15Aとが互いに接触しても、他の接点部対である接点部13Cと接点部15Cとは互いが離反したままであるので、スイッチ装置1はオンせず、誤作動を防止することができる。
【0065】
[第2の実施形態]
図6は、本発明の第2の実施形態に係るスイッチ装置を構成するフィルム状部材29の概略構成を示す図である。
【0066】
第2の実施形態に係るスイッチ装置は、フィルム状部材29に設けられている導通経路の形態が、前記第1の実施形態に係るスイッチ装置1とは異なり、その他の点は、前記第1の実施形態に係るスイッチ装置1とほぼ同様に構成されている。
【0067】
すなわち、前記第3の導通経路23、前記第4の導通経路に25代えて、第5の導通経路31を設け、この第5の導通経路31が、総ての第3の接点部15A、15Bと、総ての第4の接点部15C、15Dとを互いに導通させている。換言すれば、総ての接点部15A〜15Dが、導通経路31によって互いに電気的に接続されている。
【0068】
そして、第1の接点群における接点部13Aと対をなす第3の接点群における接点部15Aとの接点部対または第1の接点群にける接点部13Bと対をなす第2の接点群における接点部15Bとの接点部対が互いに接触して導通し、かつ、第3の接点群における接点部13Cと対をなす第4の接点群における接点部15Cとの接点部対または第3の接点群における接点部13Dと対をなす第4の接点群における接点部15Dとの接点部対が互いに接触して導通することにより、第1の端子部9と第2の端子部11とが、前記導通経路31を介して互いに導通するようになっている。
【0069】
すなわち、前記第1、第3の接点群において対をなす各接点部の少なくとも1つが接続し、かつ、前記第2、第4の接点群において対をなす各接点部の少なくとも1つが接続することによって、前記導通経路31を介して、前記第1の端子部9と前記第2の端子部11との接続が行われるものであり、上述した第1の実施形態に係る効果と同様の効果を奏しえる。
【0070】
なお、前記各実施形態では、前記第3の接点部と前記第4の接点部とが導通経路を介して直接電気的に導通しているが、前記各実施形態における前記第3の接点部と前記第4の接点部との接続形態について適宜変更を加え、前記フィルム状基材および/または前記フィルム状部材に設けられた他の接点部や他の導通経路を介して、前記第3の接点部と前記第4の接点部とが互いに電気的に導通するようにしてもよい。
【0071】
[第3の実施形態]
図7は、本発明の第3の実施形態に係るスイッチ装置41の概略構成を示す図であり、図8は、前記スイッチ装置41を構成するフィルム状基材43の概略構成を示す図である。図9は、前記スイッチ装置41を構成するフィルム状部材45の概略構成を示す図である。
【0072】
なお、前記スイッチ装置41を構成するスペーサは、第1の実施形態に係るスイッチ装置1のスペーサ5と同様な形状に形成されている。
【0073】
第3の実施形態に係るスイッチ装置41は、各接点部と各導通経路との形態が、前記第1の実施形態に係るスイッチ装置1とは異なり、その他の点は、前記第1の実施形態に係るスイッチ装置1とほぼ同様に構成されている。
【0074】
なお、本実施形態における第1の接点部〜前記第3の接点部、第1の導通経路、第2の導通経路は、前記各実施形態における各接点部、各導通経路とは、異なる形態で配置され設置されているものである。
【0075】
スイッチ装置41のフィルム状基材43のフィルム状部材45側の面(内側の面)には、第1の端子部9と、第1の接点群に属する複数の第1の接点部47A〜47Dとが設けられている。
【0076】
また、スイッチ装置41のフィルム状基材43のフィルム状部材45側の面には、前記第1の端子部9と前記第1の接点群に属する各接点部47A〜47Dとを電気的に接続している第1の導通経路49が設けられている。
【0077】
また、スイッチ装置41のフィルム状基材43のフィルム状部材45側の面には、前記第1の端子部9に近接して設けた第2の端子部11と、前記第1の接点群に属する第1の各接点部47A〜47Dのそれぞれと近接して対をなした第2の接点群に属する複数の第2の接点部51A〜51Dとが設けられている。
【0078】
また、スイッチ装置41のフィルム状基材43のフィルム状部材45側の面には、前記第2の端子部11と前記第2の接点群に属する第2各接点部51A〜51Dとを電気的に接続している第2の導通経路53が設けられている。
【0079】
さらに、スイッチ装置41のフィルム状基材43のフィルム状部材45側の面であって、前記各端子部9、11の近傍には電気抵抗19が設けられている。なお、前記電気抵抗19の一端部は、第1の実施形態と同様に、前記第1の端子部9の近傍で前記第1の導通経路49に接続されており、前記電気抵抗19の他端部は、前記第2の端子部11の近傍で前記第1の導通経路49に接続されている。
【0080】
また、スイッチ装置41の前記フィルム状部材45の前記フィルム状基材43側の面には、前記第1の各接点部47A〜47Dおよび前記第2の各接点部51A〜51Dと接触自在な第3の接点部55A〜55Dが設けられており、前記スペーサ5には、前記第3の接点部55A〜55Dと、前記第1の各接点部47A〜47Dと前記第2の各接点部51A〜51Dとを互いに接触させるための複数の貫通孔27A〜27D(図4参照)が設けられている。
【0081】
そして、常態においては、前記第1の端子部9と前記第2の端子部11とは、前記電気抵抗19を介して互いに導通してある。そして、前記第3の各接点部55A〜55Dのうちの少なくとも1つの接点部が、前記第1の各接点部47A〜47Dと前記2の各接点部51A〜51Dとで形成される各接点対のうちの少なくとも1つの接点対に接触したときに、前記第1の端子部9と前記第2の端子部11とが、前記第3の接点部を介して互いに導通される。
【0082】
前記第3の接点部55A〜55Dは、導通時には、前記電気抵抗19と並列な接続路を形成するものである。
【0083】
すなわち、前記第1、第2の接点群における前記第1、第2の各接点対が前記第3の接点部を介して接続されることにより、電気抵抗19と並列な接続路が構成されるものであり、上述した実施形態と同様の効果を奏するものである。
【0084】
[第4の実施形態]
図10は、本発明の第4の実施形態に係るスイッチ装置57の概略構成を示す図であり、図11は、前記スイッチ装置57を構成するフィルム状基材59の概略構成を示す図である。
【0085】
第4の実施形態に係るスイッチ装置57は、各接点部と各導通経路との形態が、前記第3の実施形態に係るスイッチ装置41とは異なり、その他の点は、前記第3の実施形態に係るスイッチ装置41とほぼ同様に構成されている。
【0086】
なお、第4の実施形態に係るスイッチ装置57のフィルム状部材およびスペーサは、前記第3の実施形態を構成するフィルム状部材45(図9参照)、前記第3の実施形態を構成するスペーサ5(図4参照)と同様に構成されている。
【0087】
また、本実施形態における第1の接点部〜前記第6の接点部、第1の導通経路〜第4の導通経路は、前記各実施形態における各接点部、各導通経路とは異なる形態で配置され設置されているものである。
【0088】
スイッチ装置57のフィルム状基材59の前記フィルム状部材45側の面には、第1の接点群に属する第1の各接点部61A、61Bと、第2の接点群に属し前記第1の各接点部61A、61Bのそれぞれから僅かに離れて設けられた第2の各接点部63A、63Bと、第3の接点群に属し前記第1の各接点部61A、61Bから大きく離れて設けられた第3の各接点部65A、65Bと、第4の接点群に属し前記第3の各接点部65A、65Bのそれぞれからから僅かに離れて設けられた第4の各接点部67A、67Bとが設けられている。
【0089】
また、スイッチ装置57のフィルム状基材59の前記フィルム状部材45側の面には、前記各実施形態と同様に、第1の端子部9と第2の端子部とが設けられている。
【0090】
また、前記第1の各接点部61A、61Bと前記第1の端子部9とは、前記フィルム状基材59の前記フィルム状部材45側の面に設けられた第1の導通経路69によって互いに導通しており、前記第3の各接点部65A、65Bと前記第2の端子部11とは、前記フィルム状基材59の前記フィルム状部材45側の面に前記第1の導通経路69から離れて設けられた第2の導通経路71によって互いに導通している。
【0091】
さらに、スイッチ装置57のフィルム状基材59の前記フィルム状部材45側の面には、前記第1の導通経路69および前記第2の導通経路71から離れて設けられていると共に、前記第2の各接点部63A、63Bと前記第4の各接点部67A、67Bとを互いに導通している第3、第4の各導通経路73、75が設けられている。
【0092】
つまり、第2の接点群に属する一部の接点部63Aと第4の接点群に属する一部の接点部67Aとが、一方の第3の導通経路73によって互いに導通されており、第2の接点群に属する他の一部の接点部63Bと第4の接点群に属する他の一部の接点部67Bとが、前記一方の第3の導通経路73から離れている他方の第4の導通経路75によって互いに導通されている。
【0093】
なお、前記一方の第3の導通経路73と前記他方の第4の導通経路75とを互いに導通接続することにより、第2の接点群に属する総ての接点部63A、63Bと第4の接点群に属する総ての接点部67A、67Bとが互いに導通されているように構成してもよい。
【0094】
スイッチ装置57の前記フィルム状部材45の前記フィルム状基材59側の面には、第5の接点群に属し前記第1の各接点部61A、61Bおよび前記第2の各接点部63A、63Bで構成された各接点対のそれぞれと対向するように設けられた第5の各接点部77A、77Bと、第6の接点群に属し前記第3の各接点部66A、65Bおよび前記第4の各接点部67A、67Bで構成された各接点対のそれぞれと対向するように設けられた第6の各接点部79A、79Bとが設けられている(図9参照)。
【0095】
さらに、前記第3の実施形態に係るスイッチ装置41と同様に、前記フィルム状基材59には、電気抵抗19が設けられている。
【0096】
そして、常態においては、前記第1の端子部9と前記第2の端子部11とは前記電気抵抗19を介して導通した状態にあり、前記フィルム状基材59、前記フィルム状部材45の少なくとも一方が撓んで、前記第1の各接点部61A(61B)と前記第2の接点部63A(63B)とが前記第5の接点部77A(77B)を介して互いに導通し、かつ、前記第3の接点部65A(65B)と前記第4の接点部67A(67B)とが前記第6の接点部79A(79B)を介して互いに導通したときに、前記電気抵抗19と並列な接続路が前記第1の端子部9と前記第2の端子部11との間に構成されるようになっている。
【0097】
スイッチ装置57によれば、第1のスイッチ装置1と同様に各端子部9、11が他の電気機器に接続されているか否かを容易に判断することができると共に、たとえば、第1の接点群における接点部61Aと第2の接点群における接点部63Aとが第5の接点群における接点部77Aと接触して互いに導通し、かつ、前記各接点部61A、63A、77Aから大きく離れて設けられている第3の接点群における接点部65Aと第4の接点群における接点部67Aとが第6の接点群における接点部77Aと接触して互いに導通しなければ、スイッチ装置571がオンしない構成であるので、第1の実施形態に係るスイッチ装置1と同様に、スイッチ装置57の誤作動を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るスイッチ装置の概略構成を示す図である。
【図2】図1におけるIIA―IIB断面を示す図である。
【図3】スイッチ装置を構成するフィルム状基材の概略構成を示す図である。
【図4】スイッチ装置を構成するスペーサの概略構成を示す図である。
【図5】スイッチ装置を構成するフィルム状部材の概略構成を示す図である。
【図6】本発明の第2の実施形態に係るスイッチ装置を構成するフィルム状部材の概略構成を示す図である。
【図7】本発明の第3の実施形態に係るスイッチ装置の概略構成を示す図である。
【図8】スイッチ装置を構成するフィルム状基材の概略構成を示す図である。
【図9】スイッチ装置を構成するフィルム状部材の概略構成を示す図である。
【図10】本発明の第4の実施形態に係るスイッチ装置の概略構成を示す図である。
【図11】スイッチ装置を構成するフィルム状基材の概略構成を示す図である。
【図12】従来のスイッチ装置の概略構成を示す図である。
【図13】図12のXIIIA−XIIIB断面を示す図である。
【図14】従来のスイッチ装置を構成するフィルム状基材の概略構成を示す図である。
【図15】従来のスイッチ装置を構成するスペーサの概略構成を示す図である。
【図16】従来のスイッチ装置を構成するフィルム状部材の概略構成を示す図である。
【符号の説明】
【0099】
1、41、57 スイッチ装置
3、43、59 フィルム状基材
5 スペーサ
7、29、45 フィルム状部材
9、11 端子部
13A〜13D、15A〜15D、47A〜47D、51A〜51D、55A〜55D 接点部
17、21、23、25、31、49、53 導通経路
19 電気抵抗

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルム状のスペーサを間にして、このスペーサの一方の面にフィルム状基材を配置し、前記スペーサの他方の面にフィルム状部材を配置して構成されていると共に、第1の接点部とこの第1の接点部から離れた第2の接点部とが前記フィルム状基材の前記フィルム状部材側の面に設けられ、前記第1の接点部と対向した第3の接点部と前記第2の接点部と対向した第4の接点部とが前記フィルム状部材の前記フィルム状基材側の面に設けられているフィルム状のスイッチ装置において、
前記フィルム状基材に設けられた第1の端子部と;
前記フィルム状基材に設けられ、前記第1の接点部と前記第1の端子部とを互いに導通している第1の導通経路と;
前記フィルム状基材に前記第1の端子部から離れて設けられた第2の端子部と;
前記フィルム状基材に前記第1の導通経路から離れて設けられ、前記第2の接点部と前記第2の端子部とを互いに導通している第2の導通経路と;
前記第1の端子部または前記第1の端子部の近傍における前記第1の導通経路に一端部が接続され、前記第2の端子部または前記第2の端子部の近傍における前記第2の導通経路に他端部が接続された電気抵抗と;
を有し、前記第3の接点部と前記第4の接点部とが、直接電気的に導通し、または、前記フィルム状基材および/または前記フィルム状部材に設けられた他の接点を介して互いに電気的に導通するように構成されており、常態においては、前記第1の端子部と前記第2の端子部とは前記電気抵抗を介して導通した状態にあり、前記フィルム状基材、前記フィルム状部材の少なくとも一方が撓んで、前記第1の接点部と前記第3の接点部とが互いに接触し、前記第2の接点部と前記第4の接点部とが互いに接触し、かつ、前記第3の接点部と前記第4の接点部とが互いに導通しているときに、前記電気抵抗と並列な接続路が前記第1の端子部と前記第2の端子部との間に構成されることを特徴とするスイッチ装置。
【請求項2】
請求項1に記載のスイッチ装置において、
前記第1の導通経路が、前記第1の端子部から前記第1の導通経路の先端部に向かう途中で複数に枝分かれしていると共に、前記第1の接点部が、複数に枝分かれしている前記第1の導通経路の各先端部側に複数設けられており、
前記第2の導通経路が、前記第2の端子部から前記第2の導通経路の先端部に向かう途中で複数に枝分かれしていると共に、前記第2の接点部が、複数に枝分かれしている前記第2の導通経路の各先端部側に複数設けられており、
前記第1の各接点部に対応して、前記第3の接点部が複数設けられており、
前記第2の各接点部に対応して、前記第4の接点部が複数設けられており、
前記第3の各接点部のうちの一部の接点部と前記第4の各接点部のうちの一部の接点部とが、前記フィルム状部材の前記フィルム状基材側の面に設けられた第3の導通経路によって互いに導通しており、
前記第3の各接点部のうちの他の一部の接点部と前記第4の各接点部のうちの他の一部の接点部とが、前記フィルム状部材の前記フィルム状基材側の面に設けられ前記第3の導通経路とは導通していない第4の導通経路によって互いに導通しており、
前記第3の導通経路に接続されている第3の接点部がこの第3の接点部に対向している第1の接点部に接触しかつ前記第3の導通経路に接続されている第4の接点部がこの第4の接点部に対向している第2の接点部に接触したときに前記第1の端子部と前記第2の端子部との間に前記電気抵抗と並列な接続路が構成され、または、前記第4の導通経路に接続されている第3の接点部がこの第3の接点部に対向している第1の接点部に接触しかつ前記第4の導通経路に接続されている第4の接点部がこの第4の接点部に対向している第2の接点部に接触したときに前記第1の端子部と前記第2の端子部との間に前記電気抵抗と並列な接続路が構成されることを特徴とするスイッチ装置。
【請求項3】
請求項1に記載のスイッチ装置において、
前記第1の導通経路が、前記第1の端子部から前記第1の導通経路の先端部に向かう途中で複数に枝分かれしていると共に、前記第1の接点部が、複数に枝分かれしている前記第1の導通経路の各先端部側に複数設けられており、
前記第2の導通経路が、前記第2の端子部から前記第2の導通経路の先端部に向かう途中で複数に枝分かれしていると共に、前記第2の接点部が、複数に枝分かれしている前記第2の導通経路の各先端部側に複数設けられており、
前記第1の各接点部に対応して、前記第3の接点部が複数設けられており、
前記第2の各接点部に対応して、前記第4の接点部が複数設けられており、
総ての前記第3の各接点部と、総ての前記第4の各接点部とが、前記フィルム状部材の前記フィルム状基材側の面に設けられた第5の導通経路によって互いに導通していることを特徴とするスイッチ装置。
【請求項4】
フィルム状のスペーサを間にして、このスペーサの一方の面にフィルム状基材を配置し、前記スペーサの他方の面にフィルム状部材を配置して構成されていると共に、第1の接点部とこの第1の接点部から僅かに離れている第2の接点部とが前記フィルム状基材の前記フィルム状部材側の面に設けられ、前記第1の接点部および前記第2の接点部と対向するように、第3の接点部が前記フィルム状部材の前記フィルム状基材側の面に設けられているフィルム状のスイッチ装置において、
前記フィルム状基材に設けられた第1の端子部と;
前記フィルム状基材に設けられ、前記第1の接点部と前記第1の端子部とを互いに導通している第1の導通経路と;
前記フィルム状基材に前記第1の端子部から離れて設けられた第2の端子部と;
前記フィルム状基材に前記第1の導通経路から離れて設けられ、前記第2の接点部と前記第2の端子部とを互いに導通している第2の導通経路と;
前記第1の端子部または前記第1の端子部の近傍における前記第1の導通経路に一端部が接続され、前記第2の端子部または前記第2の端子部の近傍における前記第2の導通経路に他端部が接続された電気抵抗と;
を有し、常態においては、前記第1の端子部と前記第2の端子部とは前記電気抵抗を介して導通した状態にあり、前記フィルム状基材、前記フィルム状部材の少なくとも一方が撓んで、前記第1の接点部と記第2の接点部とが前記第3の接点部を介して互いに導通したときに、前記電気抵抗と並列な接続路が前記第1の端子部と前記第2の端子部との間に構成されることを特徴とするスイッチ装置。
【請求項5】
フィルム状のスペーサを間にして、このスペーサの一方の面にフィルム状基材を配置し、前記スペーサの他方の面にフィルム状部材を配置して構成されているフィルム状のスイッチ装置において、
前記フィルム状基材の前記フィルム状部材側の面に設けられた第1の接点部と;
前記フィルム状基材の前記フィルム状部材側の面に前記第1の接点部から僅かに離れて設けられた第2の接点部と;
前記フィルム状基材の前記フィルム状部材側の面に前記第1の接点部から大きく離れて設けられた第3の接点部と;
前記フィルム状基材の前記フィルム状部材側の面に前記第3の接点部から僅かに離れて設けられた第4の接点部と;
前記フィルム状基材に設けられた第1の端子部と;
前記フィルム状基材に設けられ、前記第1の接点部と前記第1の端子部とを互いに導通している第1の導通経路と;
前記フィルム状基材に前記第1の端子部から離れて設けられた第2の端子部と;
前記フィルム状基材に前記第1の導通経路から離れて設けられ、前記第3の接点部と前記第2の端子部とを互いに導通している第2の導通経路と;
前記フィルム状基材に前記第1の導通経路および前記第2の導通経路から離れて設けられ、前記第2の接点部と前記第4の接点部とを互いに導通している第3の導通経路と;
前記フィルム状部材の前記フィルム状基材側の面に前記第1の接点部および前記第2の接点部と対向するように設けられた第5の接点部と;
前記フィルム状部材の前記フィルム状基材側の面に前記第3の接点部および前記第4の接点部と対向するように設けられた第6の接点部と;
前記第1の端子部または前記第1の端子部の近傍における前記第1の導通経路に一端部が接続され、前記第2の端子部または前記第2の端子部の近傍における前記第2の導通経路に他端部が接続された電気抵抗と;
を有し、常態においては、前記第1の端子部と前記第2の端子部とは前記電気抵抗を介して導通した状態にあり、前記フィルム状基材、前記フィルム状部材の少なくとも一方が撓んで、前記第1の接点部と前記第2の接点部とが前記第5の接点部を介して互いに導通し、かつ、前記第3の接点部と前記第4の接点部とが前記第6の接点部を介して互いに導通したときに、前記電気抵抗と並列な接続路が前記第1の端子部と前記第2の端子部との間に構成されることを特徴とするスイッチ装置。
【請求項6】
フィルム基材上に設けられた電極とフィルム部材上に設けられた電極とがスペーサを介して配され、前記各電極が互いに導通することにより第1の端子部と第2の端子部とが互いに導通するスイッチ装置において、前記第1の端子部および前記第2の端子部の近傍に前記各端子部を互いにつなぐ電気抵抗が設けられていることを特徴とするスイッチ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2006−156033(P2006−156033A)
【公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−342547(P2004−342547)
【出願日】平成16年11月26日(2004.11.26)
【出願人】(000005186)株式会社フジクラ (4,463)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】