説明

スイッチ装置

【課題】フィルム状のスペーサを間にして、このスペーサの一方の面にフィルム状基材を配置し、上記スペーサの他方の面にフィルム状部材を配置して構成されているフィルム状のスイッチ装置において、静電気による故障が発生しにくいスイッチ装置を提供する。
【解決手段】フィルム状のスイッチ装置1において、端子部9と、端子部11と、フィルム状基材5の内側の面に設けられた接点部13Aと、フィルム状部材7の内側の面に接点部13Aと対向して接触可能に設けられた接点部29Aと、第1の接点部13Aおよび第2の接点部29Aに対応してスペーサ3に設けられた貫通孔28Aと、接点部13Aと端子部9とを互いに電気的に接続している導通経路15と、静電気による導通経路15の破損を防ぐために、スイッチ装置1に設けられた保護回路21とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スイッチ装置に係り、特に、静電気に対する保護回路が設けられているものに関する。
【背景技術】
【0002】
図55は、従来のスイッチ装置200の概略構成を示す図であり、図56は、図55のLVIA−LVIB断面を示す図である。
【0003】
図57は、上記スイッチ装置200を構成するフィルム状基材(フィルム)202の概略構成を示す図であり、図58は、上記スイッチ装置200を構成するスペーサ204の概略構成を示す図である。
【0004】
従来のスイッチ装置200は、図56に示すように、PEN樹脂、PET樹脂等の絶縁体よりなるスペーサ204(図58参照)を間にして、このスペーサ204の一方の面にPEN樹脂、PET樹脂等の絶縁体よりなるフィルム状基材(フィルム)202(図57参照)を配置し、上記スペーサ204の他方の面にPEN樹脂、PET樹脂等の絶縁体よりなるフィルム状部材(他方のフィルム)206を配置して構成されている。
【0005】
なお、上記フィルム状基材202と、上記フィルム状部材(他方のフィルム)206とは同様に構成されている。
【0006】
上記スイッチ装置200は、たとえば、人が着座可能なシートの表皮の裏側に配して使用され、シートに着座した乗員の体重により動作し、シートへ乗員が着座しているか否かを検出する着座検出装置として使用される。
【0007】
乗員の着座を検知するため、図57に示すように、上記フィルム状基材202の上記フィルム状部材206側の面(内側の面)には、複数の電極(接点部)210A〜210Fがそれぞれ離れて設けられている。
【0008】
上記各電極(接点部)210A〜210Fは、上記内側の面に配線された導線(導通経路)208で互いに電気的に接続されており、上記導線208の一方の側には、上記スイッチ装置200を他の電気機器に接続するための第1の端子部(図示せず)が設けられている。
【0009】
また、上記フィルム状基材202と同様に、上記フィルム状部材206の上記フィルム状基材202側の面(内側の面)には、複数の電極(接点部)214A〜214Fがそれぞれ離れて設けられている。
【0010】
上記各電極(接点部)214A〜214Fは、上記内側の面に配線された導線(導通経路)212で互いに電気的に接続されており、上記導線212の一方の側には、上記スイッチ装置200を他の電気機器に接続するための第2の端子部(図示せず)が設けられている。
【0011】
上記スペーサ204は、上記フィルム状基材202と同様な形状に形成されていると共に、複数の貫通孔216を備えている。上記各貫通孔216は、上記各電極210A〜210F、214A〜214Fが設けられている位置に対応する位置に設けられている。
【0012】
そして、上記各電極210A〜210F、214A〜214Fが常時は離間しているが、乗員の着座時に上記フィルム状基材202、上記フィルム状部材206が撓んで上記各電極210A〜210F、214A〜214Fが接触し(たとえば、電極210Aと電極214Aとが互いに接触し)、各導線208、212が互いに電気的に接続され、着座を検知することができる。
【0013】
ここで、従来のスイッチ装置200の導通経路208について説明する。
【0014】
図59は、図55におけるLIXA―LIXB断面を示す図であり、図60は、図59のLX部の拡大図である。
【0015】
上記導通経路208は、上記フィルム状基材202の表面にたとえば印刷によって薄く固着して設けられた銀218の上に、カーボン220を薄く設けて形成されている。上記導通経路212も、上記フィルム状部材206に上記導通経路208と同様に形成されている。
【0016】
なお、上記従来のスイッチ装置200に関連するスイッチ装置として特許文献1に記載にスイッチ装置が知られている。
【特許文献1】特開平9−315199号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
ところで、上記従来のスイッチ装置200では、静電気により上記導通経路208、212が破損するおそれがあるという問題ある。
【0018】
より詳しく説明すると、たとえば、スイッチ装置200の上記フィルム状基材202と上記スペーサ204との間に、静電気による過大な電流が一時的に流れ、上記導通経路208で火花が発生し、この火花が発生した部位およびこの周辺の温度が一時的に上昇し、上記導通経路208の銀218とカーボン220とが、図61に示すように、上記フィルム状基材202の表面から剥離することがある。なお、図61は、図60に対応した図である。
【0019】
この剥離後、上記従来のスイッチ装置200(フィルム状基材202やスペーサ204)が使用により繰り返し撓むと、フィルム状基材202やスペーサ204に比べてもろい上記銀218とカーボン220とが破損し導通経路が断線することがある。
【0020】
なお、火花のエネルギーが大きい場合には、上記火花が発生した部位で上記導通経路208が破損して断線し、さらに、上記火花が発生した部位で上記フィルム状基材202やスペーサ204、フィルム状部材206に孔があくことがある。
【0021】
同様にして、上記フィルム状部材206の表面に設けられた導通経路212や上記フィルム状部材206も破損する場合がある。
【0022】
上記導通経路208、212の破損によって、上記導通経路208、212が断線し、上記従来のスイッチ装置200に故障が発生し、スイッチ装置200が機能しなくなる。
【0023】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、フィルム状のスペーサを間にして、このスペーサの一方の面にフィルム状基材を配置し、上記スペーサの他方の面にフィルム状部材を配置して構成されているフィルム状のスイッチ装置において、静電気による故障が発生しにくいスイッチ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0024】
請求項1に記載の発明は、フィルム状のスペーサを間にして、このスペーサの一方の面にフィルム状基材を配置し、上記スペーサの他方の面にフィルム状部材を配置して構成されているフィルム状のスイッチ装置において、上記スイッチ装置に設けられた第1の端子部と、上記第1の端子部から離れて上記スイッチ装置に設けられた第2の端子部と、上記フィルム状基材の上記フィルム状部材側の面に設けられた第1の接点部と、上記フィルム状部材の上記フィルム状基材側の面に上記第1の接点部と対向して接触可能に設けられた第2の接点部と、上記第1の接点部および上記第2の接点部に対応して上記スペーサに設けられた貫通孔と、上記第1の接点部と上記第1の端子部とを互いに電気的に接続している導通経路と、静電気による上記導通経路の破損を防ぐために、上記スイッチ装置に設けられた保護回路とを有し、上記フィルム状のスイッチ装置が撓んで、上記第1の接点部と上記第2の接点部とが互いに接触したときに、上記第1の端子部と上記第2の端子部とが互いに電気的に接続するように構成されているスイッチ装置である。
【0025】
請求項2に記載の発明は、フィルム状のスペーサを間にして、このスペーサの一方の面にフィルム状基材を配置し、上記スペーサの他方の面にフィルム状部材を配置して構成されているフィルム状のスイッチ装置において、上記スイッチ装置に設けられた第1の端子部と、上記第1の端子部から離れて上記スイッチ装置に設けられた第2の端子部と、上記フィルム状基材の上記フィルム状部材側の面に設けられた適数の第1の接点部で構成された第1の接点群と、上記第1の端子部と上記第1の各接点部とを互いに電気的に接続している第1の導通経路と、上記フィルム状基材の上記フィルム状部材側の面に上記第1の接点群から離れて設けられた適数の第2の接点部で構成された第2の接点群と、上記第1の導通経路から離れて設けられ、上記第2の端子部と上記第2の各接点部とを互いに電気的に接続している第2の導通経路と、上記フィルム状部材の上記フィルム状基材側の面に上記第1の接点部に対向して接触可能に設けられた適数の第3の接点部で構成された第3の接点群と、上記フィルム状部材の上記フィルム状基材側の面に上記第2の各接点部に対向して接触可能に設けられた適数の第4の接点部で構成された第4の接点群と、上記第1の導通経路または上記第1の端子部と電気的に接続し、上記第1の導通経路と並行する部位を備えた第1の回路とを有し、上記第3の接点群の適宜の接点部と上記第4の接点群の適宜の接点部とが、直接電気的に接触し、または、上記フィルム状基材および/または上記フィルム状部材に設けられた他の接点群を介して互いに電気的に導通するように構成されているスイッチ装置である。
【0026】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のスイッチ装置において、上記第1の回路とは離れて設けられていると共に、上記第2の導通経路または上記第2の端子部と電気的に接続し、上記第2の導通経路と並行する部位を備えた第2の回路を有するスイッチ装置である。
【0027】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のスイッチ装置において、上記第1の回路は、上記第1の導通経路のうちの所定の部位である第1導通経路所定部位に沿って長く延びて形成されたことによって上記第1の導通経路と並行している第1の部位を備えていると共に、上記第1の部位と上記第1の導通経路とを互いに電気的に接続している第2の部位を備えており、上記第2の回路は、上記第2の導通経路のうちの所定の部位である第2導通経路所定部位に沿って長く延びて形成されたことによって上記第2の導通経路と並行している第3の部位を備えていると共に、上記第3の部位と上記第2の導通経路とを互いに電気的に接続している第4の部位を備えているスイッチ装置である。
【0028】
請求項5に記載の発明は、請求項3に記載のスイッチ装置において、上記第1の回路の上記第1の導通経路と並行している部位は、上記第1の導通経路を所定の箇所で所定の長さにわたり幅方向に拡張したことによって形成されており、上記第2の回路の上記第2の導通経路と並行している部位は、上記第2の導通経路を所定の箇所で所定の長さにわたり幅方向に拡張したことによって形成されているスイッチ装置である。
【0029】
請求項6に記載の発明は、請求項2に記載のスイッチ装置において、上記第1の回路は、上記第1の接点群、上記第2の接点群、上記第1の導通経路および上記第2の導通経路をほぼ囲むように、上記フィルム状基材の側面に沿って長く延びて形成されているスイッチ装置である。
【0030】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載のスイッチ装置において、上記第1の回路が、所定の箇所で所定の長さにわたり、上記所定の箇所に直接対向している上記フィルム状基材の側面またはこの側面の近傍まで、幅方向に拡張されているスイッチ装置である。
【0031】
請求項8に記載の発明は、請求項3に記載のスイッチ装置において、上記第1の回路は、上記第1の端子部側で上記フィルム状基材の側面に沿って長く延びて形成されており、上記第2の回路は、上記第2の端子部側で上記フィルム状基材の側面に沿って長く延びて形成されており、上記第1の回路と上記第2の回路とが協働して、上記第1の接点群、上記第2の接点群、上記第1の導通経路および上記第2の導通経路をほぼ囲んでおり、上記第1の回路の一端部側が、上記第1の端子部に電気的に接続され、または、上記第1の端子部の近傍で上記第1の導通経路に電気的に接続されており、上記第2の回路の一端部側が、上記第2の端子部に電気的に接続され、または、上記第2の端子部の近傍で上記第2の導通経路に電気的に接続されていると共に、上記第1の回路の他端部側と上記第2の回路の他端部側とが、電気抵抗を介して、互いに電気的に接続されているスイッチ装置である。
【0032】
請求項9に記載の発明は、フィルム状のスペーサを間にして、このスペーサの一方の面にフィルム状基材を配置し、上記スペーサの他方の面にフィルム状部材を配置して構成されているフィルム状のスイッチ装置において、上記スイッチ装置に設けられた第1の端子部と、上記第1の端子部から離れて上記スイッチ装置に設けられた第2の端子部と、上記フィルム状基材の上記フィルム状部材側の面に設けられた適数の第1の接点部と、細長く延びて設けられ、上記第1の端子部と上記第1の各接点部とを互いに電気的に接続している第1の導通経路と、上記フィルム状基材の上記フィルム状部材側の面に上記第1の各接点部に対応して上記第1の各接点部から僅かに離れて設けられた第2の各接点部と、上記第1の導通経路から離れて細長く延びて設けられ、上記第2の端子部と上記第2の各接点部とを互いに電気的に接続している第2の導通経路と、上記フィルム状部材の上記フィルム状基材側の面に、上記第1の各接点部と上記第2の各接点部とで構成された各接点対のそれぞれに対向して接触可能に設けられた第3の各接点部と、上記第1の導通経路または上記第1の端子部と電気的に接続し、上記第1の導通経路と並行する部位を備えた第1の回路とを有するスイッチ装置である。
【0033】
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載のスイッチ装置において、上記第1の回路とは離れて設けられていると共に、上記第2の導通経路または上記第2の端子部と電気的に接続し、上記第2の導通経路と並行する部位を備えた第2の回路を有するスイッチ装置である。
【0034】
請求項11に記載の発明は、請求項2または請求項9に記載のスイッチ装置において、上記第1の回路は、上記フィルム状基材の外側の面、上記フィルム状部材の外側の面のうちの少なくとも一方の面に設けられていると共に、上記スイッチ装置の厚さ方向から眺めた場合、上記第1の回路は、上記各接点部および上記各導通経路が上記第1の回路の内側に位置するように形成されているスイッチ装置である。
【0035】
請求項12に記載の発明は、フィルム状のスペーサを間にして、このスペーサの一方の面にフィルム状基材を配置し、上記スペーサの他方の面にフィルム状部材を配置して構成されているフィルム状のスイッチ装置において、上記スイッチ装置に設けられた第1の端子部と、上記フィルム状基材の上記フィルム状部材側の面に設けられた第1の接点部と、上記第1の端子部と上記第1の接点部とを互いに電気的に接続している第1の導通経路と、上記フィルム状部材の上記フィルム状基材側の面に上記第1の接点部と対向して接触可能に設けられた第2の接点部と、上記第1の導通経路から離れて設けられ、上記第2の端子部と上記第2の接点部とを互いに電気的に接続している第2の導通経路と、上記第1の接点部および上記第2の接点部に対応して上記スペーサに設けられた貫通孔と、上記第1の導通経路または上記第1の端子部と電気的に接続し、上記第1の導通経路と並行する部位を備えた回路とを有するスイッチ装置である。
【0036】
請求項13に記載の発明は、フィルム状のスペーサを間にして、このスペーサの一方の面にフィルム状基材を配置し、上記スペーサの他方の面にフィルム状部材を配置して構成されているフィルム状のスイッチ装置において、上記フィルム状基材の上記フィルム状部材側の面に設けられた第1の接点部と、上記フィルム状部材の上記フィルム状基材側の面に、上記第1の接点部と対向して接触可能に設けられた第2の接点部と、上記第1の接点部と上記第2の接点部とに対応した上記スペーサの部位に設けられた第1の貫通孔と、上記第1の貫通孔が設けられている位置とは異なる位置で、上記フィルム状基材に設けられた第2の貫通孔と、一端部側が上記第1の貫通孔に接続され他端部側が上記第2の貫通孔が設けられている部位まで延伸して、上記スペーサに設けられた切り欠きと、上記スイッチ装置の厚さ方向から眺めた場合、上記第2の貫通孔が内側に位置するように、上記スイッチ装置に設けられた回路とを有するスイッチ装置である。
【0037】
請求項14に記載の発明は、フィルム状のスペーサを間にして、このスペーサの一方の面にフィルム状基材を配置し、上記スペーサの他方の面にフィルム状部材を配置して構成されているフィルム状のスイッチ装置において、上記フィルム状基材の上記フィルム状部材側の面に設けられた第1の接点部と、上記フィルム状基材の上記フィルム状部材側の面に上記第1の接点部に対応して上記第1の各接点部から僅かに離れて設けられた第2の接点部と、上記フィルム状部材の上記フィルム状基材側の面に、上記第1の接点部と上記第2の接点部とで構成された接点対に対向して接触可能に設けられた第3の接点部と、上記第1の接点部、上記第2の接点部および上記第3の接点部に対応した上記スペーサの部位に設けられた第1の貫通孔と、上記第1の貫通孔が設けられている位置とは異なる位置で、上記フィルム状基材に設けられた第2の貫通孔と、一端部側が上記第1の貫通孔に接続され他端部側が上記第2の貫通孔が設けられている部位まで延伸して、上記スペーサに設けられた切り欠きと、上記スイッチ装置の厚さ方向から眺めた場合、上記第2の貫通孔が内側に位置するように、上記スイッチ装置に設けられた回路とを有するスイッチ装置である。
【0038】
請求項15に記載の発明は、フィルム状のスペーサを間にして、このスペーサの一方の面にフィルム状基材を配置し、上記スペーサの他方の面にフィルム状部材を配置して構成されているフィルム状のスイッチ装置において、上記フィルム状基材の上記フィルム状部材側の面に設けられた第1の接点部と、上記フィルム状基材の上記フィルム状部材側の面に上記第1の接点部に対応して上記第1の各接点部から僅かに離れて設けられた第2の接点部と、上記フィルム状部材の上記フィルム状基材側の面に、上記第1の各接点部と上記第2の各接点部とで構成された接点対のそれぞれに対向して接触可能に設けられた第3の接点部と、上記第1の接点部、上記第2の接点部および上記第3の接点部に対応した上記スペーサの部位に設けられた第1の貫通孔と、上記第1の貫通孔が設けられている位置とは異なる位置で、上記フィルム状基材または上記フィルム状部材に設けられた第2の貫通孔と、一端部側が上記第1の貫通孔に接続され他端部側が上記第の貫通孔が設けられている部位まで延伸して、上記スペーサに設けられた切り欠きと、上記スイッチ装置の厚さ方向から眺めた場合上記第2の貫通孔が内側に位置するように、上記スイッチ装置に設けられた抵抗回路と、上記第1の接点部と上記スイッチ装置に設けられている第1の端子部とを互いに電気的に接続するために、上記第1の接点部から延出している第1の導通経路と、上記スイッチ装置に上記第1の端子部から離れて設けられている第2の端子部と上記第2の接点部とを互いに電気的に接続するために、上記第1の導通経路から離れて上記第2の接点部から延出している第2の導通経路とを有し、上記抵抗回路の一端部側が上記第1の導通経路に電気的に接続され、上記抵抗回路の他端部側が上記第2の導通経路に電気的に接続されているスイッチ装置である。
【発明の効果】
【0039】
本発明によれば、フィルム状のスペーサを間にして、このスペーサの一方の面にフィルム状基材を配置し、上記スペーサの他方の面にフィルム状部材を配置して構成されているフィルム状のスイッチ装置において、静電気による故障が発生しにくいという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0040】
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態に係るスイッチ装置1の概略構成を示す図であり、図2は、図1におけるIIA―IIB断面を示す図である。
【0041】
スイッチ装置1は、上記従来のスイッチ装置200と同様に、たとえば、人が着座可能なシートの表皮の裏側に配して使用され、シートに着座した乗員の体重により動作し、シート(座席)へ乗員が着座しているか否かを検出する着座検出装置として使用される。
【0042】
スイッチ装置1は、図2に示すように、フィルム状のスペーサ3(図6参照)を間にして、このスペーサ3の一方の面にフィルム状基材5(図3参照)を配置し、上記スペーサ3の他方の面にフィルム状部材7(図7参照)を配置してフィルム状に構成されている。
【0043】
上記フィルム状基材5と上記スペーサ3とは、たとえば、粘着剤によって接着され、上記フィルム状部材7と上記スペーサ3も、粘着剤によって接着されている。
【0044】
ここで、スイッチ装置1を構成しているフィルム状基材5について詳しく説明する。
【0045】
図3は、スイッチ装置1を構成しているフィルム状基材5の概略構成を示す図である。
【0046】
フィルム状基材5は、PEN樹脂、PET樹脂等の絶縁体でフィルム状に薄く構成され、可撓性を備えている。
【0047】
また、フィルム状基材5は、所定の幅で帯状に長く形成されている基端部側部位5Aを備え、この基端部側部位5Aの先端部側には、所定の幅で帯状に長く形成されている中間部位5Bが一体的に設けられている。
【0048】
上記基端部側部位5Aの長手方向と上記中間部位5Bとの長手方向とはほぼ直交していると共に、上記中間部位5Bの長手方向の中央部が上記基端部側部位5Aの上記先端部側に接続しており、上記基端部側部位5Aと上記中間部位5Bとにより「T」字状の部位が形成されている。
【0049】
上記中間部位5Bの長手方向の一端部には、所定の幅で帯状に長く形成されている第1の先端部側部位5Cが一体的に設けられており、上記中間部位5Bの長手方向と上記第1の先端部側部位5Cとの長手方向とはほぼ直交していると共に、上記第1の先端部側部位5Cの長手方向の中央部が上記中間部位5Bの長手方向の一端部に接続している。
【0050】
また、上記中間部位5Bの長手方向の他端部には、上記第1の先端部側部位5Cと同様に構成された第2の先端部側部位5Dが、上記第1の先端部側部位5Cと同様に一体的に設けられている。上記中間部位5Bと上記第1の先端部側部位5Cと上記第2の先端部側部位5Dとにより「H」字状の部位が形成されている。
【0051】
上述のように構成されていることにより、上記フィルム状基材5は、基端部から先端部に向かうにしたがって複数に枝分れしているということができ、また、上記基端部側部位5Aの幅方向の中央部を通り上記基端部側部位5Aの長手方向に延伸した中心線CL1に対して、上記フィルム状基材5が線対称の形状に形成され、上記第1、第2の各先端部側部位5C、5Dの各端末部は互いに離れて配置されている。
【0052】
また、たとえば、上記フィルム状基材5の上記フィルム状部材7(スペーサ3側の面;内側の面)側の面であって、上記基端部側部位5Aの基端部側(上記中間部位5Bとは反対側)には、第1の端子部9が設けられており、さらに、上記第1の端子部9から僅かに離れて第2の端子部11が設けられている。
【0053】
なお、上記第1の端子部9は、上記第1の先端部側部位5Cが設けられている側に位置し、上記第2の端子部11は、上記第2の先端部側部位5Dが設けられている側に位置している。また、上記中心線CL1に対して線対称の位置に、上記第1の端子部9と上記第2の端子部11とが設けられている。
【0054】
上記第1の端子部9と上記第2の端子部11とは、他の電気機器(たとえば、自動車の制御装置)から延出しているコネクタに、上記スイッチ装置1を電気的に接続するときに使用されるものであり、上記第1の端子部9と上記第2の端子部11とは、たとえば、カシメやハトメ等の接続手段によって上記他の電気機器に接続されるようになっている。
【0055】
上記フィルム状基材5の上記フィルム状部材7側の面(スペーサ3側の面;内側の面)には、上記第1の端子部9と電気的に導通している適数の第1の接点部13A、13Bが設けられており、上記第1の各接点部13A、13Bが第1の接点群13を構成している。
【0056】
より詳しく説明すると、上記第1の先端部側部位5Cの長手方向の両端部(端末)側であって上記第1の先端部側部位5Cの幅方向の中間部に、上記第1の各接点部13A、13Bがそれぞれ設けられている。
【0057】
また、上記フィルム状基材5の上記フィルム状部材7側の面には、細長く延びた第1の導通経路15が形成され、この第1の導通経路15によって、上記第1の端子部9と上記第1の各接点部13A、13Bとが互いに電気的に接続している。
【0058】
上記第1の導通経路15は、上記基端部側部位5Aの幅方向の上記第1の先端部側部位5C寄りを、上記第1の端子部9から上記中間部位5Bの幅方向の中間部まで、上記基端部側部位5Aの長手方向に直線状に延伸し、上記中間部位5Bの幅方向の中間部から上記第1の先端部側部位5Cの幅方向の中間部まで、上記中間部位5Bの長手方向(上記基端部側部位5Aの長手方向と直交する方向)に直線状に延伸している。
【0059】
さらに、上記第1の導通経路15は、上記第1の先端部側部位5Cの幅方向の中間部まで延伸したところで2つに枝分れし、この枝分れした一方の部位が、一方の上記第1の接点部13Aまで、上記第1の先端部側部位5Cの長手方向(上記中間部位5Bの長手方向と直交する方向)に直線状に延伸し、一方の上記第1の接点部13Aに接続している。
【0060】
また、上記枝分れした他方の部位が、他方の上記第1の接点部13Bまで、上記第1の先端部側部位5Cの長手方向に直線状に延伸し、他方の上記第1の接点部13Bに接続している。
【0061】
換言すれば、上記フィルム状基材5の上記中間部位5Bから上記第1の先端部側部位5Cへうつるときに上記フィルム状基材5が複数に枝分れしていることに応じて、上記第1の導通経路15も複数に枝分れし、この枝分れした第1の導通経路15の各先端部に、第1の各接点部13A、13Bが設けられている。
【0062】
また、上記フィルム状基材5の上記フィルム状部材7側の面には、適数の第2の接点部17A、17Bが、上記中心線CL1に対して、上記第1の各接点部13A、13Bと対称な位置に設けられており、上記第2の各接点部17A、17Bが第2の接点群17を構成している。
【0063】
上記第2の各接点部17A、17Bは、上記第1の先端部側部位5Cから離れた上記第2の先端部側部位5Dに設けられていることにより、上記第1の接点群13(上記第1の各接点部13A、13B)から離れている。
【0064】
また、上記第1の導通経路15と同様に、上記フィルム状基材5の上記フィルム状部材7側の面には、第2の導通経路19が形成され、この第2の導通経路19によって、上記第2の端子部11と上記第2の各接点部17A、17Bとが互いに電気的に接続している。
【0065】
上記第2の導通経路19は、上記第1の導通経路15とは電気的に接続していない状態で、上記中心線CL1に対して上記第1の導通経路15とは線対称に設けられている。
【0066】
また、上記フィルム状基材5の上記フィルム状部材7側の面には、たとえば、静電気による上記第1の導通経路15の破損を防ぐための保護回路として、第1の回路21が設けられている。この第1の回路21は、上記第1の導通経路15または上記第1の端子部9と電気的に接続し、上記第1の導通経路15と並行する部位21Aを備え、上記第1の導通経路15とは別個に設けられている。
【0067】
なお、第1の回路21は、上記スペーサ3の上記フィルム状基材5側の面に設けられていてもよい。
【0068】
より詳しく説明すると、上記第1の回路21は、上記第1の導通経路15のうちの細長く延びている所定の部位である第1導通経路所定部位に沿って、細長く延びて形成されたことによって上記第1の導通経路15と並行している第1の部位21Aを備えていると共に、上記第1の部位21Aと上記第1の導通経路15とを互いに電気的に接続している第2の部位21Bを備えている。
【0069】
さらに、上記第1の部位21Aは、上記フィルム状基材5の側面と上記第1導通経路所定部位との間で、上記第1の導通経路15および上記第2の導通経路19から離れて設けられている。
【0070】
ここで、上記第1の部位21Aについてより詳しく説明すると、上記第1の部位21Aは、たとえば、上記第1の導通経路15のうちで、上記基端部側部位5Aに沿って延伸している部位や、上記中間部位5Bに沿って延伸している部位や、上記第1の先端部側部位5Cに沿って延伸している部位に平行に延伸している。
【0071】
なお、図3に示す上記第1の回路21が設けられている位置は例示であり、図3に示した部位以外の箇所に、上記第1の回路21を設けてもよい。たとえば、試験等の結果に応じて静電気による電流が流れやすい部位を選択し、この部位に応じて上記第1の導通経路15の適宜の箇所に、上記第1の回路21を適数個設けるとよい。
【0072】
また、上記第1の回路21が上記第1の導通経路15に設けられているのと同様に、第2の回路23が、上記フィルム状基材5の上記フィルム状部材7側の面に設けられている。上記第2の回路23は、上記第1の回路21と同様に、上記第2の導通経路19と並行した第3の部位23Aとこの第3の部位23Aを上記第2の導通経路19に電気的に接続している第4の部位23Bとで構成されている。
【0073】
なお、上記第3の部位23Aは、たとえば、上記第2の導通経路19のうちで、上記基端部側部位5Aに沿って延伸している部位や上記第2の先端部側部位5Dに沿って延伸している部位に並行して設けられている。
【0074】
上記第1の導通経路15と上記第1の回路21とは、図4(図3におけるIVA―IVB断面)に示すように、上記フィルム状基材5の表面にたとえば印刷によって薄く設けられた銀25により構成されており、この銀25の上には、カーボン27が薄く設けて形成されている。
【0075】
なお、上記第2の導通経路19、上記第2の回路23、上記各接点部13A、13B、17A、17Bも、上記第1の導通経路15や上記第1の回路21と同様に、銀25によって構成され、この銀25の上に、カーボン27を薄く設けてある。
【0076】
上記カーボン27の幅は、上記銀25の幅よりも僅かに太く形成されている。そして、上記フィルム状基材5の厚さ方向から眺めた場合、上記カーボンの25の内側に、上記銀25が存在し覆っており、上記銀25が酸化等することを防いでいる。
【0077】
なお、図5に示すように、上記第1の導通経路15と上記第1の回路21の第1の部位21Aとが並行している部位において、上記第1の導通経路15や第1の部位21Aの幅方向に連続して、カーボン27を形成してもよい。
【0078】
次に、上記スペーサ3について詳しく説明する。
【0079】
図6は、スペーサ3の概略構成を示す図である。
【0080】
スペーサ3は、フィルム状基材5と同様に、PEN樹脂、PET樹脂等の絶縁体でフィルム状に薄く形成され可撓性を備えている。
【0081】
また、上記スペーサ3の外形形状は、フィルム状基材5とほぼ同様の形状に形成されている。すなわち、スイッチ装置1を形成すべく、スペーサ3の一方の面にフィルム状基材5を貼り付けて設けた場合、スペーサ3の外形とフィルム状基材5の外形とが互いにほぼ一致するようになっている。
【0082】
ただし、スペーサ3の一方の面にフィルム状基材5を貼り付けて設けた場合、上記フィルム状基材5に設けられている各端子部9、11が隠れないで露出するように、上記スペーサ3では、上記各端子部9、11が設けられている部位に対応する部位が削除されている。
【0083】
また、フィルム状基材5の上記各接点部13A、13B、17A、17Bが設けられている部位に対応するスペーサ3の部位には、上記スペーサ3の厚さ方向に貫通した各貫通孔28A〜28Dが設けられている。
【0084】
次に、フィルム状部材7について詳しく説明する。
【0085】
図7は、スイッチ装置1を構成するフィルム状部材7の概略構成を示す図である。
【0086】
上記フィルム状部材7は、フィルム状基材5やスペーサ3と同様に、PEN樹脂、PET樹脂等の絶縁体でフィルム状に薄く形成され可撓性を備えている。
【0087】
また、上記フィルム状部材7の外形形状は、上記スペーサ3と同様の形状に形成されている。
【0088】
上記フィルム状部材7の上記フィルム状基材5側の面(スペーサ3側の面;内側の面)には、上記フィルム状基材5の上記第1の各接点部13A、13Bに対向して接触可能に設けられた適数の第3の接点部29A、29Bで構成された第3の接点群29と、上記第2の各接点部17A、17Bに対向して接触可能に設けられた適数の第4の接点部31A、31Bで構成された第4の接点群31とが設けられている。
【0089】
換言すれば、スイッチ装置1を形成すべく、フィルム状基材5とスペーサ3とフィルム状部材7を順に重ね合わせた場合、第1の接点群13を構成している一方の接点部13Aと第3の接点群29を構成している一方の第3の接点部29Aとが、スペーサ3を間にして(スペーサ3の貫通孔28Aを間にして)互いに離れて対向して存在し(図2参照)、同様に、第1の接点群13を構成している他方の接点部13Bと第3の接点群29を構成している他方の第3の接点部29Bとが互いに離れて対向して存在し、第2の接点群17を構成している一方の接点部17Aと第4の接点群31を構成している一方の第4の接点部31Aとが互いに離れて対向して存在し、第2の接点群17を構成している他方の接点部17Bと第4の接点群31を構成している他方の第4の接点部31Bとが互いに離れて対向して存在している。
【0090】
また、上記第3の接点群29の適宜の接点部と上記第4の接点群31の適宜の接点部とが直接電気的に導通している。たとえば、図7に示すように、上記フィルム状部材7の上記フィルム状基材5側の面に設けられた「H」字状の第3の導通経路33を介して、上記第3の接点群29および上記第4の接点群31を構成している総ての接点部29A、29B、31A、31Bが、互いに電気的に導通している。
【0091】
なお、上記各接点部29A、29B、31A、31Bや上記第3の導通経路33は、上記フィルム状基材5の上記各接点部13A、13B、17A、17Bや上記各導通経路15、19と同様に、上記フィルム状部材7の表面にたとえば印刷によって薄く設けられた銀によって構成され、この銀の上にはカーボンが薄く設けられている(図10参照)。
【0092】
上記スイッチ装置1を座席に設け、この座席に人が座ると、上記スイッチ装置1(フィルム状基材5やフィルム状部材7)が撓む。
【0093】
そして、第1の接点群13を構成している一方の接点部13Aと上記第3の接点群29を構成している一方の接点部29Aとが互いに接触するかもしくは第1の接点群13を構成している他方の接点部13Bと上記第3の接点群29を構成している他方の接点部29Bとが互いに接触し、かつ、第2の接点群17を構成している一方の接点部17Aと上記第4の接点群31を構成している一方の接点部31Aとが互いに接触するかもしくは第2の接点群17を構成している他方の接点部17Bと上記第4の接点群31を構成している他方の接点部31Bとが互いに接触したときに、上記第1の端子部9と上記第2の端子部11とが互いに電気的に導通し、人の着座を検出することができる。
【0094】
ところで、上記スイッチ装置1では、上記第3の接点群29の接点部と、上記第4の接点群の接点部とが、直接電気的に導通(接続)されているが、上記フィルム状基材5および/または上記フィルム状部材7に適宜の他の接点群や他の導通経路を設け、これらの接点群や導通経路を介して、上記第3の接点群29の接点部と上記第4の接点群の接点部とが互いに電気的に導通するようにしてもよい。
【0095】
スイッチ装置1によれば、上記第1の導通経路15または上記第1の端子部9と電気的に接続し、上記第1の導通経路15と並行する部位21Aを具備した第1の回路21を備えているので、上記第1の回路21の上記並行した部位21Aで、静電気による火花を発生するようになっている。すなわち、上記第1の回路21を設けたことによって、静電気により発生する火花が、上記第1の導通経路15で発生することを回避することができる。
【0096】
したがって、静電気により上記第1の導通経路15が破損することや、上記第1の導通経路15近傍におけるフィルム状基材の部位、スペーサ3の部位、フィルム状部材7の部位の破損を防止することができ、上記第1の導通経路15が破損しにくくなっている。
【0097】
また、上記第2の回路23を設けたことにより、上記第2の導通経路19においても、上記第1の導通経路15と同様に、静電気による破損を回避することができる。
【0098】
さらに、上記第1の回路21、上記第2の回路23を設けたことにより、上記第1の導通経路15や上記第2の導通経路19の場合と同様に、上記第3の導通経路33の破損を防止することができる。
【0099】
そして、上記導通経路15、19、33の破損により、上記導通経路15、19、33が断線し、上記スイッチ装置1に故障が発生し、上記スイッチ装置1が機能しなくなる事態を回避することができる。
【0100】
また、スイッチ装置1によれば、互いが離れている少なくとも2箇所の接点対において各接点部が接触しなければ、たとえば、第1の接点群13を構成している一方の接点部13Aと上記第3の接点群29を構成している一方の接点部29Aとが互いに接触し、かつ、第2の接点群17を構成している一方の接点部17Aと上記第4の接点群31を構成している一方の接点部31Aとが互いに接触しなければ、上記第1の端子部9と上記第2の端子部11とが互いに電気的に導通しないようになっている。
【0101】
したがって、荷物のエッジ等によって1箇所の接点対の各接点部のみが互いに接触するだけでは、各端子部同士9、11が互いに電気的に導通することはなく、着座の誤検出を極力防ぐことができる。
【0102】
ところで、スイッチ装置1を座席に設置し、人が着座したときに静電気が発生しやすい。この発生した静電気は、たとえば、粘着剤が存在しているフィルム状基材5との間で、スイッチ装置1の側面(フィルム状基材5等の側面)から、上記スイッチ装置1の内部に入り、たとえば上記第1の導通経路15に達しやすい。
【0103】
しかしながら、スイッチ装置1によれば、上記第1導通経路所定部位と直接対向している上記フィルム状基材5の側面と、上記第1導通経路所定部位との間に、第1の回路21の第1の部位21Aを設けてあるので、上記第1導通経路所定部位と直接対向している上記フィルム状基材5の側面(静電気が入ってきやすい部位)から入ってきた静電気が、上記第1の導通経路15に達する前に、上記第1の回路21の上記並行した部位21Aでせき止められ、上記第1導通経路所定部位が静電気によつ火花で破損することを防止することができる。
【0104】
なお、上記第1の導通経路15の所定の部位(上記第1導通経路所定部位)として、試験等の結果に応じて静電気による電流が流れやすい箇所を選択し、上記第1の回路21を設置する位置を適宜の位置にすれば、上記第1の回路21を無駄に設置することを回避し、静電気による上記第1の導通経路15の破損を防止できる。
【0105】
また、上記第1の回路21と同様に設けられた上記第2の回路23によっても、上記第2の導通経路19の破損を防止することができる。
【0106】
[第2の実施形態]
図8は、本発明の第2の実施形態に係るスイッチ装置1aに使用されるフィルム状基材35の概略構成を示す図である。
【0107】
スイッチ装置1aは、フィルム状基材35に設けられている第1の回路の形態が、上記第1の実施形態に係るスイッチ装置1とは異なり、その他の点は、上記第1の実施形態に係るスイッチ装置1とほぼ同様に構成されており、ほぼ同様の効果を奏する。
【0108】
したがって、スイッチ装置1aのスペーサ、フィルム状部材は、第1の実施形態に係るスイッチ装置1と同じものが使用される。また、図8において、第1の実施形態に係るスイッチ装置1のフィルム状基材5と同様に構成されているものには、同じ符号を付してある。
【0109】
スイッチ装置1aでは、上記第1の実施形態に係るスイッチ装置1に設けられている第1の回路21、第2の回路23の代わりに、上記第1の回路21、第2の回路23とは異なる形状の第1の回路37、第2の回路39が設けられている。
【0110】
すなわち、上記第1の導通経路15が所定の箇所で所定の長さにわたり幅方向(上記第1の導通経路15の延伸方向とは直交する方向)に拡張されたことによって、第2の実施形態に係る上記第1の回路37が形成され、この第1の回路37に上記第1の導通経路15と並行している部位37Aが形成されている。
【0111】
詳しく説明すると、上記第1の導通経路15が所定の箇所で所定の長さにわたり、上記第1の導通経路15の上記所定の箇所と直接対向している上記フィルム状基材5の側面の方向に、上記第1の導通経路15が拡張されて、上記第1の回路37が形成されていると共に、この第1の回路37の幅方向の一端部(拡張する前の第1の導通経路15とは反対側の一端部)が、上記並行している部位37Aを形成している。
【0112】
また、フィルム状基材35の中間部位5Bに設けられた第1の回路37のように、上記第1の導通経路15と直接対向している上記フィルム状基材35の側面が、上記第1の導通経路15の両側に存在している場合には、上記第1の導通経路15がこの幅方向で両方向に拡張され、両側に並行している部位37Aが形成されている。
【0113】
なお、上記第2の回路39も上記第1の回路37と同様に形成されており、並行した部位39Aを備えている。
【0114】
また、上記第1の回路37、上記第2の回路39も、第1の実施形態に係る上記第1の導通経路15や上記第1の回路21と同様に、上記フィルム状基材35の表面にたとえば印刷によって薄く設けられた銀により構成されており、この銀の上に、カーボンが薄く設けられている(図10参照)。
【0115】
スイッチ装置1によれば、上記第1の回路37が、上記第1の導通経路15を所定の箇所で所定の長さにわたり幅方向に拡張して形成された部位(上記第1の導通経路15と平行している部位)37Aを備えているので、この並行している部位37Aにより、上記第1の実施形態に係るスイッチ装置と同様に、静電気による火花の発生で上記第1の導通経路15が破損することを防止することができる。
【0116】
また、上記第1の回路37が、上記第1の導通経路15を幅方向に拡張することによって長い矩形状に形成されているので、上記第1の導通経路15と上記並行して設けられている部位37Aとの間が断線しにくくなっている。
【0117】
なお、上記第2の回路39によっても、上記第1の回路37と同様に、上記第2の導通経路19の破損を防止することができる。
【0118】
[第3の実施形態]
図9は、本発明の第3の実施形態に係るスイッチ装置1bの概略構成を示す図であり、図10は、図9におけるXA−XB断面を示す図である。
【0119】
図11は、第3の実施形態に係るスイッチ装置1bを構成しているフィルム状基材41の概略構成を示す図である。
【0120】
スイッチ装置1bは、フィルム状基材41に設けられている第1の回路の形態が、上記第1の実施形態に係るスイッチ装置1とは異なり、その他の点は、上記第1の実施形態に係るスイッチ装置1とほぼ同様に構成されており、ほぼ同様の効果を奏する。
【0121】
したがって、スイッチ装置1bのスペーサ、フィルム状部材は、第1の実施形態に係るスイッチ装置1と同じものが使用される。また、図9、図11において、第1の実施形態に係るスイッチ装置1のフィルム状基材5と同様に構成されているものには、同じ符号を付してある。
【0122】
スイッチ装置1bでは、上記第1の実施形態に係るスイッチ装置1に設けられている第1の回路21、第2の回路23の代わりに、上記第1の回路21、第2の回路23とは異なる形状の第1の回路43が設けられている。
【0123】
すなわち、上記第1の回路43は、第1の接点群13の各接点部13A、13B、第2の接点群17の各接点部17A、17B、第1の導通経路15、第2の導通経路19および第2の端子部11から離れて、上記各接点部13A、13B、17A、17B、上記各導通経路15、19をほぼ囲むように、上記フィルム状基材5の上記フィルム状部材7側の面で上記フィルム状基材5の側面に沿って長く延びて形成されている。
【0124】
このように、長く延びて形成されていることによって、上記回路43も、上記第1の導通経路15や上記第2の導通経路19と並行している部位を備えている。
【0125】
なお、上記第1の回路43も、第1の実施形態に係る上記第1の導通経路15や上記第1の回路21と同様に、上記フィルム状基材41の表面にたとえば印刷によって薄く設けられた銀によって構成されており、この銀の上にカーボンを薄く設けてある(図10参照)。
【0126】
また、スイッチ装置1bでは、上記第1の回路43の一端部が上記第1の端子部9に電気的に接続しているが、上記第1の回路43の一端部が、上記第1の端子部9の近傍で上記第1の導通経路15に接続されていてもよい。
【0127】
また、上述したように、上記第1の回路43が形成され配置されていることにより、上記フィルム状基材5の側面と上記第1の回路43との間には、他の接点部や他の導通経路が不存在な状態になっている。
【0128】
スイッチ装置1bによれば、上記第1の回路43が、上記第1の接点群13の各接点部13A、13B、上記第2の接点群17の各接点部17A、17B、上記第1の導通経路15、上記第2の導通経路19、上記第3の接点群29の各接点部29A、29B、上記第4の接点群31の各接点部31A、31Bおよび上記第3の導通経路33をほぼ囲むように、上記フィルム状基材の側面に沿って長く延びて形成されているので、上記フィルム状基材の側面のさまざまな箇所から上記スイッチ装置の内側に向かって静電気による電流が流れても、上記各導通経路15、19、33および上記各接点部13A、13B、17A、17B、29A、29B、31A、31Bでの火花の発生を防止することができ、上記各導通経路15、19、33および上記各接点部13A、13B、17A、17B、29A、29B、31A、31Bが破損することを防止することができる。
【0129】
なお、図11に破線で示すように、上記第1の導通経路15と上記回路43の中間部とを互いに電気的に接続する導通経路43Aを設けてもよい。上記導通経路43Aを設けることによって、上記第1の導通経路15と上記回路43との間での断線がし難くなる。
【0130】
[第4の実施形態]
図12は、本発明の第4の実施形態に係るスイッチ装置1cの概略構成を示す図であり、図13は、第4の実施形態に係るスイッチ装置1cを構成しているフィルム状基材45の概略構成を示す図である。
【0131】
図14は、第4の実施形態に係るスイッチ装置1cを構成しているスペーサ47の概略構成を示す図であり、図15は、第4の実施形態に係るスイッチ装置1cを構成しているフィルム状部材49の概略構成を示す図である。
【0132】
スイッチ装置1cでは、上記第3の実施形態に係る第1の回路43と同様に形成された回路50に、別の回路51を加えたことにより、第4の実施形態に係る第1の回路53が形成されている点が、上記第3の実施形態に係るスイッチ装置1bとは異なり、その他の点は、上記第3の実施形態に係るスイッチ装置1bとほぼ同様に構成されており、ほぼ同様の効果を奏する。
【0133】
したがって、スイッチ装置1cのスペーサ47、フィルム状部材49は、第3の実施形態に係るスイッチ装置1bのものとほぼ同様なものが使用される。また、図12〜図15において、第3の実施形態に係るスイッチ装置1cと同様に構成されているものには、同じ符号を付してある。
【0134】
スイッチ装置1cについてより詳しく説明すると、上記スイッチ装置1cでは、上記第3の実施形態に係る第1の回路43と同様に構成された回路50が、所定の箇所で所定の長さにわたり、上記所定の箇所に直接対向している上記フィルム状基材45の側面またはこの側面の近傍まで、幅方向に拡張されていることにより、矩形状の回路51が形成され、この矩形状の回路51と、上記回路50とで、スイッチ装置1cの第1の回路53が形成されている。
【0135】
スイッチ装置1cによれば、上記第1の回路53が、所定の箇所で所定の長さにわたり、上記所定の箇所に直接対向している上記フィルム状基材45の側面またはこの側面の近傍まで、幅方向に拡張されているので、上記第3の実施形態に係るスイッチ装置1bの効果に加えて、上記第1の回路53が拡張されている部位で、上記第1の導通経路15、上記第2の導通経路19が一層断線しにくくなる。
【0136】
また、上記第1の回路53は、一部の区間で幅広く形成されているので、総ての区間を幅広く形成する場合に比べ、銀の使用量を削減することができる。
【0137】
なお、図14に破線で示すように、上記スペーサ47に、上記拡張された第1の回路53の回路51に応じた形状の各切り欠き47A〜47Cを設け、また、上記フィルム状部材49にも同様の各切り欠き49A〜49Cを設け、上記フィルム状基材45に上記スペーサ47と上記フィルム状部材49とを設置した場合、上記拡張された第1の回路53の回路51の少なくとも一部が露出するようにしてもよい。
【0138】
このように、上記第1の回路53の回路51を露出させることによって、上記回路51に静電気による火花が発生しやすくなるが、上記回路51は、幅広に形成されているので、他の部位に比べて、火花に対する耐久性が高い。したがって、スイッチ装置1cの静電気に対する耐久性を高めることができる。
【0139】
[第5の実施形態]
図16は、本発明の第5の実施形態に係るスイッチ装置1dの概略構成を示す図であり、図17は、本発明の第5の実施形態に係るスイッチ装置1dに使用されるフィルム状基材55の概略構成を示す図である。
【0140】
図18は、図17におけるXVIIIA―XVIIIB断面を示す図である。
【0141】
スイッチ装置1dは、フィルム状基材55に設けられている第1の回路の形態が、上記第1の実施形態に係るスイッチ装置1とは異なり、その他の点は、上記第1の実施形態に係るスイッチ装置1とほぼ同様に構成されており、ほぼ同様の効果を奏する。
【0142】
したがって、スイッチ装置1dのスペーサ、フィルム状部材は、第1の実施形態に係るスイッチ装置1と同じものが使用される。また、図16、図17において、第1の実施形態に係るスイッチ装置1のフィルム状基材5と同様に構成されているものには、同じ符号を付してある。
【0143】
スイッチ装置1dでは、上記第1の実施形態に係るスイッチ装置1に設けられている第1の回路21、第2の回路23の代わりに、上記第1の回路21、第2の回路23とは異なる形状の第1の回路57、第2の回路59が設けられている。
【0144】
第5の実施形態に係るスイッチ装置1dの上記第1の回路57は、上記第1の端子部9側で上記フィルム状基材5の側面に沿って長く延びて形成されている。また、上記第1の回路57は、上記第1の接点群13の各接点部13A、13B、上記第2の接点群17の各接点部17A、17B、上記第1の導通経路15、上記第2の導通経路19および上記第2の端子部11から離れ、たとえば、上記フィルム状基材55の上記フィルム状部材7側の面に形成されている。
【0145】
このように上記第1の回路57が構成されていることにより、上記第1の回路57は、上記第1の導通経路15と並行した部位を備えている。
【0146】
第5の実施形態に係るスイッチ装置1dの上記第2の回路59は、上記第2の端子部11側で、上記フィルム状基材5の中心線CL1に対して上記第1の回路57と対称に、上記フィルム状基材5の側面に沿って長く延びて形成されている。また、上記第2の回路59は、上記第1の回路57と同様に、上記各接点部13A、13B、17A、17B、上記各導通経路15、19および上記第1の端子部9から離れて形成されている。
【0147】
そして、上記第1の回路57と上記第2の回路59とが協働して、上記第1の接点群13の各接点部13A、13B、上記第2の接点群17の各接点部17A、17B、上記第1の導通経路15および上記第2の導通経路19をほぼ囲んでいる。
【0148】
また、上記第1の回路57の一端部側が、上記第1の端子部9に電気的に接続されている。なお、上記第1の回路57の一端部側が、上記第1の端子部9の近傍で上記第1の導通経路15に電気的に接続されていてもよい。
【0149】
同様にして、上記第2の回路59の一端部側が、上記第2の端子部11に電気的に接続されている。
【0150】
なお、上記第1の回路57の中間部と上記第1の導通経路15とを、導通回路57Aで互いに電気的に接続し、同様に、上記第2の回路59の中間部と上記第2の導通経路19とを、導通回路59Aで互いに電気的に接続してもよい。このように構成することにより、上記第1の回路57と上記第1の導通経路15との間や、上記第2の回路59と上記第2の導通経路19との間での断線が起こりにくくなる。
【0151】
さらに、上記第1の回路57の他端部側と上記第2の回路59の他端部側とが、たとえば、上記フィルム状基材5の上記フィルム状部材7側の面に設けられた電気抵抗61を介して、互いに電気的に接続されている。
【0152】
なお、上記第1の回路57や上記第2の回路59、上記導通回路57A、上記導通回路59Aも、第1の実施形態に係る上記第1の導通経路15や上記第1の回路21と同様に、上記フィルム状基材55の表面にたとえば印刷によって薄く設けられた銀25により構成されており、この銀25の上に銀よりも抵抗値がはるかに大きいカーボン27を薄く設けてある(図18参照)。
【0153】
さらに、上記抵抗61は、図18に示すように、上記フィルム状基材55の表面に、銀25を設けることなく、カーボン27のみを薄く設けたことによって形成されている。このように、カーボン27のみで抵抗61を形成すれば、別途工程を設けることなく抵抗61を形成することができる。
【0154】
スイッチ装置1dによれば、上記第1の回路57と上記第2の回路59とが協働して、上記各接点部13A、13B、17A、17B、上記各導通経路15、19をほぼ囲んでいるので、第3の実施形態に係るスイッチ装置1bとほぼ同様の効果を得ることができる。
【0155】
また、スイッチ装置1dによれば、一端部側が上記第1の端子部9に電気的に接続されている第1の回路57の他端部側と、一端部側が上記第2の端子部11に電気的に接続されている第2の回路59の他端部側とが、電気抵抗61を介して互いに電気的に接続されているので、上記第1の端子部9と上記第2の端子部11とが、上記電気抵抗61を介して互いに電気的に接続されており、スイッチ装置1dの各端子部9、11を他の電気機器に接続した場合、各接点をオンさせることなく、上記各端子部9、11が上記他の電気機器に接続されていることや、上記各導通経路15、19や上記各回路57、59が断線しているか否かを容易に検出することができる。
【0156】
[第6の実施形態]
図19は、本発明の第6の実施形態に係るスイッチ装置1eの概略構成を示す図であり、図20は、図19におけるXXA−XXB断面を示す図である。
【0157】
図21は、第6の実施形態に係るスイッチ装置1eを構成しているフィルム状基材63の概略構成を示す図であり、図22は、第6の実施形態に係るスイッチ装置1eを構成しているフィルム状部材65の概略構成を示す図である。
【0158】
第6の実施形態に係るスイッチ装置1eは、フィルム状基材63に設けられている各接点部、各導通経路および第1の回路の形態や、フィルム状部材65に設けられている各接点部の形態が、上記第1の実施形態に係るスイッチ装置1とは異なり、その他の点は、上記第1の実施形態に係るスイッチ装置1とほぼ同様に構成されており、ほぼ同様の効果を奏する。
【0159】
スイッチ装置1eのスペーサは、第1の実施形態に係るスイッチ装置1と同じものが使用される。また、図19〜図21において、第1の実施形態に係るスイッチ装置1と同様に構成されているものには、同じ符号を付してある。
【0160】
スイッチ装置1eは、図21に示すように、上記第1の実施形態に係るスイッチ装置1と同様に、第1の端子部9と第2の端子部11とを備えている。
【0161】
上記フィルム状基材63の上記フィルム状部材65側の面には、互いが離れた適数の第1の接点部67A〜67Dで構成された第1の接点群67と、上記第1の各接点部67A〜67Dに対応して上記第1の各接点部67A〜67Dから僅かに離れて設けられた適数の第2の接点部69A〜69Dで構成された第2の接点群69が設けられている。
【0162】
さらに、上記フィルム状基材63の上記フィルム状部材65側の面には、上記第1の端子部9と上記第1の各接点部67A〜67Dとを互いに電気的に接続している第1の導通経路71が、細長く延びて設けられていると共に、上記第2の端子部11と上記第2の各接点部69A〜69Dとを互いに電気的に接続している第2の導通経路73が、上記第1の導通経路71から離れ細長く延びて設けられている。
【0163】
上記フィルム状基材63の上記フィルム状部材65側の面には、上記第1の導通経路71または上記第1の端子部9と電気的に接続し、上記第1の導通経路71と並行する部位を備えた第1の回路75が、上記第1の導通経路71とは別個に設けられていると共に、上記第2の導通経路73または上記第2の端子部11と電気的に接続し、上記第2の導通経路73と並行する部位を備えた第1の回路75が、上記第2の導通経路73とは別個に設けられている。
【0164】
また、図22に示すように、上記フィルム状部材65の上記フィルム状基材63側の面には、上記第1の各接点部67A〜67Dと上記第2の各接点部69A〜69Dとで構成された各接点対79A〜79Dのそれぞれに対向して接触可能に設けられた第3の各接点部81A〜81Dが設けられている。
【0165】
ここで、上記各接点部67A〜67D、69A〜69D、上記各導通経路71、73、上記第1の回路75、上記第2の回路77について、図21を参照して、より詳しく説明する。
【0166】
上記各接点部67A〜67D、69A〜69Dで構成される上記各接点対79A〜79Dは、上記第1の実施形態に係るスイッチ装置1の各接点部13A、13B、17A、17Bに対応した位置に設けられていると共に、上記第1の各接点部67A〜67Dが、上記第2の各接点部69A〜69Dの内側に配置されている。換言すれば、上記中間部位5Bの延伸方向(図21の左右方向)で、上記第2の各接点部69A〜69Dの内側に、上記第1の各接点部67A〜67Dが配置されている。
【0167】
また、上記第1の導通経路71は、上記第1の端子部9から上記中間部位5Bのところまで、上記基端部側部位5Aの延伸方向に沿って長く延びており、上記中間部位5Bのところで2つに枝分れしている。
【0168】
そして、上記枝分れした一方の部位が上記中間部位5Bの延伸方向に沿って、上記第1の先端部側部位5Cのところまで長く延びており、さらに、上記第1の先端部側部位5Cのところで2つに枝分れしている。
【0169】
そして、上記枝分れした一方の部位が上記第1の先端部側部位5Cの延伸方向に沿って、上記第1の接点部67Aまで延伸している。また、上記枝分れした他方の部位が、上記第1の先端部側部位5Cの延伸方向に沿って、上記第1の接点部67Bまで延伸している。
【0170】
同様にして、上記中間部位5Bのところで、枝分れした他方の部位が、上記第2の先端部側部位5Dのところまで長く延びており、さらに、上記第2の先端部側部位5Dのところで2つに枝分れし、上記第1の各接点部67C、67Dのところまで延伸している。
【0171】
また、上記第2の導通経路73は、上記第2の端子部11から上記中間部位5Bのところまで、上記基端部側部位5Aの延伸方向に沿って長く延びており、上記中間部位5Bのところよりも先端部側では、上記第2の導通経路73は、上記中間部位5Bの側面(上記基端部側部位5A側であって上記第2の先端部側部位5D側に位置した側面)、上記第2の先端部側部位5Dの側面、上記中間部位5Bの側面(上記基端部側部位5Aとは反対側に位置している側面)、上記第1の先端部側部位5Cの側面の各側面に沿って、適宜折れ曲がり長く延伸している。そして、上記第2の導通経路73は、上記延伸している中間部や先端部側で適宜枝分れし、上記第2の各接点部69A〜69Dに接続している。
【0172】
上記第1の回路75は、上記第1の実施形態に係るスイッチ装置1とほぼ同様に、第1の部位(上記第1の導通経路71のうちの所定の部位である第1導通経路所定部位に沿って長く延びて形成されたことによって上記第1の導通経路71と並行している部位)75Aを備えていると共に、上記第1の部位75Aと上記第1の導通経路71とを互いに電気的に接続している第2の部位75Bを備えている。
【0173】
また、上記第2の回路77も、上記第1の回路75と同様に、上記第2の導通経路73の所定の部位と並行している第3の部位77Aと、この第3の部位77Aと上記第2の導通経路73とを互いにつないでいる第4の部位77Bとを備えている。
【0174】
ここで、上記第1の部位75A、上記第3の部位77Aについてさらに詳しく説明すると、上記第1の部位75Aは、たとえば、上記第1の導通経路71のうちで、上記基端部側部位5Aに沿って延伸している部位に並行に延伸して設けられている。また、上記第3の部位77Aは、上記第2の導通経路73のうちで、上記基端部側部位5Aに沿って延伸している部位や、上記第2の先端部側部位5Dに沿って延伸している部位や、上記基端部側部位5Aの反対側で上記中間部位5Bに沿って延伸している部位や、上記第1の先端部側部位5Cに沿って延伸している部位に並行に延伸して設けられている。
【0175】
なお、上記各接点部67A〜67D、69A〜69D、81A〜81D、上記各導通経路71、73、上記各回路75、77も、第1の実施形態に係る上記第1の導通経路15や上記第1の回路21と同様に、上記フィルム状基材63の表面にたとえば印刷によって薄く設けられた銀によって構成されている。この銀の上にカーボンを薄く設けてある(図10参照)。
【0176】
また、第6の実施形態に係るスイッチ装置1eにおいて、上記各回路75、77の代わりに、上記第2の実施形態に係るスイッチ装置1aの各回路37、39のような回路を設けてもよい。
【0177】
すなわち、スイッチ装置1eにおいて、上記第1の導通経路71を、この所定の箇所で所定の長さにわたり幅方向に拡張して、上記第1の回路75に相当する回路を形成し、同様に、上記第2の導通経路73を、この所定の箇所で所定の長さにわたり幅方向に拡張して、上記第2の回路77に相当する回路を形成してもよい。
【0178】
また、第6の実施形態に係るスイッチ装置1eにおいて、上記各回路75、77の代わりに、上記第3の実施形態に係るスイッチ装置1bの回路43のような回路を設けてもよい。
【0179】
すなわち、スイッチ装置1eにおいて、上記各接点部67A〜67D、69A〜69D、上記各導通経路71、73をほぼ囲むように、上記フィルム状基材63の側面に沿って長く延びて形成されている回路を設けてもよい。さらに、上記第4の実施形態に係るスイッチ装置1cの回路53のような回路を設けてもよい。
【0180】
また、第6の実施形態に係るスイッチ装置1eにおいて、上記各回路75、77の代わりに、上記第5の実施形態に係るスイッチ装置1dの回路57、59、抵抗61と同様な、回路や抵抗を設けてもよい。
【0181】
すなわち、第6の実施形態に係るスイッチ装置1eにおいて、上記第1の端子部9側で上記フィルム状基材63の側面に沿って長く延びて形成された第1の回路と、上記第2の端子部11側で上記フィルム状基材63の側面に沿って長く延びて形成された第2の回路とを備え、上記第1の回路と上記第2の回路とが協働して、上記各接点部67A〜67D、69A〜69D、上記各導通経路71、73をほぼ囲むようにし、上記第1の回路の一端部側が、上記第1の端子部9に電気的に接続されており、上記第2の回路の一端部側が、上記第2の端子部11に電気的に接続されていると共に、上記第1の回路の他端部側と上記第2の回路の他端部側とが、電気抵抗を介して、互いに電気的に接続されている構成にしてもよい。
【0182】
上述したような各変更を適宜加えることにより、上記各変更に応じた効果(上記第2の実施形態〜上記第5の実施形態に係る各スイッチ装置と同様の効果)を得ることができる。
【0183】
[第7の実施形態]
図23は、本発明の第7の実施形態に係るスイッチ装置1fの概略構成を示す図であり、図24は、図23におけるXXIVA−XXIVB断面を示す図である。
【0184】
また、図25は、本発明の第7の実施形態に係るスイッチ装置1fに使用されるフィルム状基材83の概略構成を示す図であり、図26は、フィルム状部材85の概略構成を示す図である。
【0185】
スイッチ装置1fは、フィルム状部材85に設けられている第1の回路87の形態が、上記第1の実施形態に係るスイッチ装置1とは異なり、その他の点は、上記第1の実施形態に係るスイッチ装置1とほぼ同様に構成されており、ほぼ同様の効果を奏する。
【0186】
したがって、スイッチ装置1fのスペーサは、第1の実施形態に係るスイッチ装置1と同じものが使用される。また、図23〜図26において、第1の実施形態に係るスイッチ装置1と同様に構成されているものには、同じ符号を付してある。
【0187】
スイッチ装置1fでは、上記第1の実施形態に係るスイッチ装置1に設けられている第1の回路21、第2の回路23の代わりに、上記第1の回路21、第2の回路23とは異なる形態の第1の回路87が設けられている。
【0188】
すなわち、第7の実施形態に係るスイッチ装置1fでは、上記第1の回路87は、上記フィルム状部材85の外側の面(上記フィルム状基材83とは反対側に位置している面)に設けられていると共に、上記スイッチ装置1fの厚さ方向から眺めた場合、上記第1の回路87は、上記各接点部13A、13B、17A、17B、29A、29B、31A、31Bおよび上記各導通経路15、19、33が内側に位置するような形状に形成されている。また、上記第1の回路87は、図示しない導通回路を介して、上記第1の導通経路15または上記第1の端子部9に電気的に接続されている。
【0189】
ここで、上記第1の回路87についてより詳しく説明する。
【0190】
上記第1の回路87は、図24に示すように、第1の実施形態に係る上記第1の導通経路15や上記第1の回路21と同様に、上記フィルム状部材85の表面にたとえば印刷によって薄く設けられた銀によって構成されている。この銀25の上にカーボン27を薄く設けてある(図10参照)。
【0191】
また、第1の回路87の銀25は、上記フィルム状部材85の側面と並行に長く延びて環状に形成されており、この環状に形成されている銀25を覆うように、環状のカーボン27が設けられている。上記カーボン27の幅は、上記銀25の幅よりも僅かに広くなっている。
【0192】
なお、上記第1の回路87の形態を適宜変更してもよい。
【0193】
図27、図28は、上記第1の回路87の形態を変更した場合を示す図であり、図24に対応する図である。
【0194】
すなわち、図27に示すように、銀25を、上記フィルム状部材85の外形形状よりも僅かに小さい外形形状に形成し、上記フィルム状部材85の側面から一定の間隔をあけて配置し、さらに、上記銀25の総てを覆うように、カーボン27を設けてもよい。なお、上記カーボン27の外形形状は、上記銀25の外径形状よりも僅かに大きく形成されている。
【0195】
また、図28に示すように、上記フィルム状部材85の側面と並行に長く延びて環状に銀25を形成し、上記フィルム状部材85の外形形状よりも僅かに小さい形状に形成された板状のカーボン27で、上記銀25を覆うようにしてもよい。
【0196】
さらに、上記第1の回路87を、上記フィルム状部材85の表面に、アルPET等の導電性フィルムを貼り付けて積層することにより構成してもよい。
【0197】
スイッチ装置1fによれば、上記第1の回路87が、上記フィルム状部材85の外側の面に設けられていると共に、上記スイッチ装置1fの厚さ方向から眺めた場合、上記第1の回路87は、上記各接点部13A、13B、17A、17B、29A、29B、31A、31Bおよび上記各導通経路15、19、33が内側に位置するような形状に形成されているので、上記第3の実施形態に係るスイッチ装置1bと同様に、静電気による電流によって、上記各接点部や上記各導通経路が破損することを防止することができる。
【0198】
さらに、スイッチ装置1fによれば、上記第1の回路87が、上記各導通経路15、19、33や各接点部13A、13B、17A、17B、29A、29B、31A、31Bが設けられている面とは異なる面に設けられているので、たとえは、フィルム状基材83の側面と第1の導通経路15との間に上記第1の回路87を設ける必要がなく、上記フィルム状基材83の側面と上記第1の導通経路15との間の距離を小さくすることができ、厚さ方向から眺めたときのスイッチ装置1fの大きさを小さくすることができる。
【0199】
[第8の実施形態]
図29は、本発明の第8の実施形態に係るスイッチ装置1gの概略構成を示す図である。
【0200】
図30は、第8の実施形態に係るスイッチ装置1gを構成しているフィルム状基材89の概略構成を示す図であり、図31は、第8の実施形態に係るスイッチ装置1gを構成しているフィルム状部材91の概略構成を示す図である。
【0201】
第8の実施形態に係るスイッチ装置1gは、フィルム状基材89に設けられている各接点部、導通経路および第1の回路の形態や、フィルム状部材91に設けられている各接点部、導通経路および第2の端子部の形態が、上記第1の実施形態に係るスイッチ装置1とは異なり、その他の点は、上記第1の実施形態に係るスイッチ装置1とほぼ同様に構成されており、ほぼ同様の効果を奏する。
【0202】
スイッチ装置1gのスペーサは、第1の実施形態に係るスイッチ装置1と同じものが使用される。また、図29、図30において、第1の実施形態に係るスイッチ装置1とほぼ同様に構成されているものには、同じ符号を付してある。
【0203】
スイッチ装置1gを構成しているフィルム状基材89のフィルム状部材91側の面には、第1の端子部9と、適数の第1の接点部93A〜93Dにより構成された第1の接点群93と、上記第1の端子部9と上記第1の各接点部93A〜93Dとを互いに電気的に接続している第1の導通経路95とが設けられている。
【0204】
また、スイッチ装置1gを構成しているフィルム状部材91のフィルム状基材89側の面には、第2の端子部97と、適数の第2の接点部99A〜99Dにより構成された第2の接点群99と、上記第2の端子部97と上記第2の各接点部99A〜99Dとを互いに電気的に接続している第2の導通経路101が設けられている。
【0205】
なお、上記フィルム状基材89、上記スペーサ3(図6参照)、上記フィルム状部材91を互いに順に重ね合わせた場合、上記フィルム状基材89に設けられた上記第1の各接点部93A〜93Dと、上記フィルム状部材91に設けられた上記第2の各接点部99A〜99Dとが互いに対向するようになっている。
【0206】
また、上記各接点部93A〜93D、99A〜99Dの対応した上記スペーサ3の部位には、各貫通孔28A〜28Dが設けられており、上記スイッチ装置1gが撓むことにより、上記第1の各接点部93A〜93Dのそれぞれと、上記第2の各接点部99A〜99Dのそれぞれとが互いに接触し、上記第1の端子部9と第2の端子部97とが互いに電気的の接続するようになっている。
【0207】
上記各接点部93A〜93D、99A〜99Dは、上記第1の実施形態に係るスイッチ装置1の各接点部13A、13B、17A、17B、29A、29B、31A、31Bに対応したところに配置されていると共に、上記第1の導通経路95や上記第2の導通経路101は、上記第6の実施形態に係るスイッチ装置1eの導通経路71とほぼ同じ形状に形成されている。
【0208】
また、第1の実施形態〜上記第4の実施形態に係るスイッチ装置と同様に、上記フィルム状基材89の上記フィルム状部材91側の面には、上記第1の導通経路95または上記第1の端子部9と電気的に接続し、上記第1の導通経路95と並行する部位を備えた回路103が、上記第1の導通経路95とは別個に設けられている。
【0209】
ここで、上記回路103について例を掲げ詳しく説明すると、上記回路103は、上記第3の実施形態に係るスイッチ装置1bの第1の回路43とほぼ同様に、上記第1の各接点部93A〜93Dと上記第1の導通経路95とを囲むように、細長く延び還状に形成されて設けられている。
【0210】
上記回路103の一端部が、上記第1の端子部9または上記第1の端子部9の近傍で上記第1の導通経路に、電気的に接続している。さらに、上記回路103の他端部が、上記第1の端子部9に接続していてもよい。
【0211】
また、上記回路103が、この中間部において、導通経路105を介して、上記第1の導通経路95に電気的に接続していてもよい。
【0212】
なお、上記各接点部93A〜93D、99A〜99D、上記各導通経路95、101、上記回路103も、第1の実施形態に係る上記第1の導通経路15や上記第1の回路21と同様に、上記フィルム状基材89の表面にたとえば印刷によって薄く設けられた銀により構成されている。この銀の上に、カーボン27を薄く設けてある(図10参照)。
【0213】
スイッチ装置1gによれば、上記第3の実施形態に係るスイッチ装置1bの第1の回路43とほぼ同様に、上記第1の各接点部93A〜93Dと上記第1の導通経路95とを囲むように、上記回路103が設けられているので、上記第3の実施形態に係るスイッチ装置1bとほぼ同様の効果を奏する。
【0214】
さらに、上記回路103と同様な回路を、上記フィルム状部材91に設けてもよい。
【0215】
また、上記回路103に代えて、上記第1の実施形態に係るスイッチ装置1の回路21と同様な回路107(図30に破線で示した回路)や、上記第2の実施形態に係るスイッチ装置1aの回路37、39と同様な回路109(図30に破線で示した回路)を設けてもよい。
【0216】
[第9の実施形態]
図32は、本発明の第9の実施形態に係るスイッチ装置1hの概略構成を示す図であり、図33は、第9の実施形態に係るスイッチ装置1hを構成しているフィルム状基材111の概略構成を示す図である。
【0217】
図34は、第9の実施形態に係るスイッチ装置1hを構成しているスペーサ113の概略構成を示す図であり、図35は、第9の実施形態に係るスイッチ装置1hを構成しているフィルム状部材115の概略構成を示す図である。
【0218】
上記第4の実施形態に係るスイッチ装置1cとほぼ同様に、第9の実施形態に係るスイッチ装置1gでは、上記第8の実施形態に係る回路103と同様に形成された回路117に別の回路119を加えたことにより、第9の実施形態に係る回路121が形成されている点が、上記第8の実施形態に係るスイッチ装置1gとは異なり、その他の点は、上記第8の実施形態に係るスイッチ装置1gとほぼ同様に構成されており、ほぼ同様の効果を奏する。
【0219】
したがって、スイッチ装置1hのスペーサ113、フィルム状部材115は、第8の実施形態に係るスイッチ装置1gのものとほぼ同様なものが使用される。また、図32〜図35において、第8の実施形態に係るスイッチ装置1gと同様に構成されているものには、同じ符号を付してある。
【0220】
スイッチ装置1hについてより詳しく説明すると、上記スイッチ装置1hでは、上記第8の実施形態に係る回路103と同様に構成された回路117が、所定の箇所で所定の長さにわたり上記所定の箇所に直接対向している上記フィルム状基材111の側面またはこの側面の近傍まで、幅方向に拡張されていることにより、矩形状の回路119が形成され、この矩形状の回路119と、上記第8の実施形態に係る回路103と同様に構成された回路117とで、スイッチ装置1hの回路121が形成されている。
【0221】
スイッチ装置1hによれば、上記回路103が、所定の箇所で所定の長さにわたり、上記所定の箇所に直接対向している上記フィルム状基材111の側面またはこの側面の近傍まで、幅方向に拡張されているので、上記第8の実施形態に係るスイッチ装置1gの効果に加えて、上記第4の実施形態に係るスイッチ装置1cとほぼ同様に、上記回路121が拡張されている部位で、上記第1の導通経路95、上記第2の導通経路101が一層断線しにくくなる。
【0222】
なお、上記第4の実施形態に係るスイッチ装置1cとほぼ同様に、上記スペーサ113に、上記拡張された第1の回路121の回路119に応じた形状の各切り欠き123A〜123Cを設け(図34参照)、また、上記フィルム状部材115にも同様の各切り欠き125A〜125Cを設け(図35参照)、上記フィルム状基材111に上記スペーサ113と上記フィルム状部材115とを設置した場合、上記拡張された第1の回路121の回路119の少なくとも一部が露出するようにしてもよい。
【0223】
[第10の実施形態]
図36は、本発明の第10の実施形態に係るスイッチ装置1iの概略構成を示す図である。
【0224】
図37は、第10の実施形態に係るスイッチ装置1iを構成しているフィルム状基材127の概略構成を示す図であり、図38は、第10の実施形態に係るスイッチ装置1iを構成しているフィルム状部材129の概略構成を示す図である。
【0225】
第10の実施形態に係るスイッチ装置1iは、回路131が上記第7の実施形態に係るスイッチ装置1fの回路87と同様に構成されている点が、上記第8の実施形態に係るスイッチ装置1gとは異なり、その他の点は、上記第8の実施形態に係るスイッチ装置1gとほぼ同様に構成されており、ほぼ同様の効果を奏する。
【0226】
スイッチ装置1iのスペーサは、第8の実施形態に係るスイッチ装置1gと同じものが使用される。また、図36〜図38において、第8の実施形態に係るスイッチ装置1gとほぼ同様に構成されているものには、同じ符号を付してある。
【0227】
スイッチ装置1iでは、上記第7の実施形態に係るスイッチ装置1fと同様に、上記フィルム状部材129の外側の面に(上記フィルム状基材127の外側の面でもよい)、上記第7の実施形態に係るスイッチ装置1fの回路87と同様な回路131が設けられている。
【0228】
上記スイッチ装置1iの厚さ方向から眺めた場合、上記回路131は、上記各接点部93A〜93D、99A〜99Dおよび上記各導通経路95、101が内側に位置するような形状に形成されている。
【0229】
スイッチ装置1iによれば、上記各接点部93A〜93D、99A〜99Dおよび上記各導通経路95、101が上記回路131の内側に位置しているので、上記第7の実施形態に係るスイッチ装置1fとほぼ同様の効果を奏する。
【0230】
[第11の実施形態]
図39は、本発明の第11の実施形態に係るスイッチ装置141の概略構成を示す図であり、図40は、図39におけるXLA−XLB断面を示す図である。
【0231】
図41は、スイッチ装置141を構成しているフィルム状基材143の概略構成を示す図であり、図42は、図41におけるXLIIA−XLIIB断面を示す図である。
【0232】
図43は、上記スイッチ装置141を構成しているスペーサ145の概略構成を示す図であり、図44は、スイッチ装置141を構成しているフィルム状部材147概略構成を示す図である。
【0233】
上記スイッチ装置141は、上記第1の実施形態に係るスイッチ装置1と同様に、可撓性を備え絶縁体で構成されたフィルム状のスペーサ145(図43参照)を間にして、このスペーサ145の面に可撓性を備え絶縁体で構成されたフィルム状基材143(図41参照)を配置し、上記スペーサ145の他方の面に可撓性を備え絶縁体で構成されたフィルム状部材147(図44参照)を配置して構成されている(図40参照)。
【0234】
上記フィルム状基材143は、細長く延びてたとえば矩形状に形成されており、上記フィルム状基材143の一端部であって上記フィルム状部材147側の面には、第1の接点部149が設けられている。
【0235】
上記第1の接点部149からは、第1の導通経路152が、上記フィルム状基材143の幅方向の一端部側で上記フィルム状基材143の他端部側に向かって延出している。上記第1の導通経路152は、上記フィルム状基材143の上記フィルム状部材147側の面に設けられている。
【0236】
上記フィルム状部材147も、上記フィルム状基材143と同様に、細長く延びて上記フィルム状基材143と同じ外形形状に形成されており、上記フィルム状部材147の一端部であって上記フィルム状基材143側の面には、第2の接点部151が設けられている。上記スイッチ装置141において、上記第2の接点部151は、上記第1の接点部149と対向するようになっている。
【0237】
また、上記第2の接点部151からは、第2の導通経路153が、上記フィルム状部材147の幅方向の一端部側で上記フィルム状基材143の他端部側に向かって延出している。上記第2の導通経路153は、上記フィルム状部材147の上記フィルム状基材143側の面に設けられている。
【0238】
さらに、図39に示すように、上記スイッチ装置141においては、上記第1の導通経路152が、上記スイッチ装置141の幅方向の一端部側で延伸しており、上記第2の導通経路153が、上記スイッチ装置141の幅方向の他端部側で延伸している。
【0239】
また、上記延出している各導通経路の各先端部には、第1の実施形態に係るスイッチ装置1と同様に、第1の端子部、第2の端子部(いずれも図示せず)がそれぞれ設けられている。
【0240】
上記第1の接点部149と上記第2の接点部151とに対応した上記スペーサ145の部位には、上記スペーサ145の厚さ方向を貫通するように第1の貫通孔155が設けられている。そして上記スイッチ装置141が撓んだときに、上記第1の接点部149と上記第2の接点部151とが互いに接触可能になっている。上記スペーサ145の外形は、上記フィルム状基材143の外形と同じ外形形状になっている。
【0241】
上記スイッチ装置141において、上記第1の貫通孔155が設けられている位置とは異なる位置には、たとえば、上記スペーサ145の他端部側(上記第1の貫通孔155が設けられている側とは反対側)の、上記フィルム状基材143の部位には、上記フィルム状基材143の厚さ方向を貫通するように、第2の小さな貫通孔157が設けられている。
【0242】
なお、上記第2の貫通孔157は、上記フィルム状基材143の幅方向のほぼ中央部に設けられているので、上記第2の貫通孔157は、上記第1の導通経路152と上記第2の導通経路153との間に位置している。
【0243】
上記スペーサ145には、一端部側が上記第1の貫通孔155に接続され他端部側が上記第2の貫通孔157が設けられている部位まで延伸している細長い切り欠き159が設けられている。なお上記切り欠き159は、上記スペーサ145の厚さ方向を貫通している。
【0244】
上記切り欠き159と上記第2の貫通孔157とによって、上記第1の貫通孔155により上記スイッチ装置141の内部に形成された空間SP1(図40参照)が、上記スイッチ装置141の外部とつながっており、上記空間SP1にスイッチ装置1の外部から空気が出入りするようになっている。
【0245】
また、上記スイッチ装置141の厚さ方向から眺めた場合、上記第2の貫通孔157が内側に位置するように形成され配置された回路161を上記スイッチ装置141が備えている。
【0246】
上記回路161は、たとえば、リング状に形成され、上記フィルム状基材143の上記フィルム状部材147側の面で、上記第2貫通孔157を囲むように設けられている。また、上記回路161は、導通経路163を介して上記第1の導通経路152に電気的に接続されている。
【0247】
なお、上記各接点部149、151、上記各導通経路152、153、163、上記回路161は、第1の実施形態に係る上記第1の導通経路15や上記第1の回路21と同様に、上記フィルム状基材143の表面にたとえば印刷によって薄く設けられた銀25によって構成され、この銀25の上に、カーボン27を薄く設けてある(図42参照)。
【0248】
スイッチ装置141によれば、上記第2の貫通孔157が内側に位置するように、上記回路161が設けられているので、静電気による過大な電流が、上記第2の貫通孔から上記スイッチ装置1の内部へ流れることを防ぐことができ、上記第1の実施形態に係るスイッチ装置1と同様に、上記スイッチ装置の導通経路等の破損を防ぐことができる。
【0249】
ところで、上記スイッチ装置141において、図45に示すように、上記回路161とほぼ同じ外形を備えていると共に、上記第2の貫通孔157を囲むように配置された回路161aを、上記フィルム状部材147のフィルム状基材143側の面に設け、上記回路161aを上記第2の導通経路153に導通経路163aを介して電気的に接続してもよい。
【0250】
[第12の実施形態]
図46は、本発明の第12の実施形態に係るスイッチ装置141aの概略構成を示す図であり、図47は、図46におけるXLVIIA−XLVIIB断面を示す図である。
【0251】
図48は、第12の実施形態に係るスイッチ装置141aを構成しているフィルム状基材165の概略構成を示す図であり、図49は、第12の実施形態に係るスイッチ装置141aを構成しているフィルム状部材167の概略構成を示す図である。
【0252】
第12の実施形態に係るスイッチ装置141aは、フィルム状基材165に設けられている各接点部、各導通経路および回路の形態や、フィルム状部材167に設けられている各接点部の形態が、上記第11の実施形態に係るスイッチ装置141とは異なり、その他の点は、上記第11の実施形態に係るスイッチ装置141とほぼ同様に構成されており、ほぼ同様の効果を奏する。
【0253】
スイッチ装置141aのスペーサは、第11の実施形態に係るスイッチ装置141と同じものが使用される。また、図46〜図49において、第1の実施形態に係るスイッチ装置141と同様に構成されているものには、同じ符号を付してある。
【0254】
スイッチ装置141aにおける上記フィルム状基材165の上記フィルム状部材167側の面には、第1の接点部169と、この第1の接点部169に対応して上記第1の各接点部169から僅かに離れて設けられた第2の接点部171とが設けられている。
【0255】
第1の接点部169からは、第1の導通経路173が、上記フィルム状基材165の幅方向の一端部側で上記フィルム状基材165の他端部側に向かって延出している。また、第2の接点部171からは、第2の導通経路175が、上記フィルム状基材165の幅方向の他端部側で上記フィルム状基材165の他端部側に向かって延出している。
【0256】
上記フィルム状部材167の上記フィルム状基材165側の面には、上記第1の接点部169と上記第2の接点部171とで構成された接点対に対向して第3の接点部151が設けられている。
【0257】
また、図43に示すように、上記接点対と第3の接点部151とは、上記スイッチ装置141aが撓んだときに、上記スペーサ145に設けられた第1の貫通孔155を介して、互いに接触可能になっている。
【0258】
上記フィルム状基材165には、上記第1の実施形態に係るスイッチ装置141のフィルム状基材143に設けた貫通孔157と同じ第2の貫通孔が設けられていると共に、上記フィルム状基材165の上記フィルム状部材167側の面には、上記第11の実施形態に係るスイッチ装置141に設けた回路161と同様な回路が設けられている。
【0259】
[第13の実施形態]
図50は、本発明の第13の実施形態に係るスイッチ装置141bの概略構成を示す図であり、図51は、第13の実施形態に係るスイッチ装置141bを構成しているフィルム状基材183の概略構成を示す図である。
【0260】
図52は、図51におけるLIIA−LIIB断面を示す図であり、図53は、第13の実施形態に係るスイッチ装置141bを構成しているフィルム状部材185の概略構成を示す図である。
【0261】
第13の実施形態に係るスイッチ装置141bは、上記第12の実施形態に係る回路161に相当する回路187や、上記第12の実施形態に係る第2の貫通孔157に相当する第2の貫通孔189の設置位置が、上記第12の実施形態に係るスイッチ装置141aとは異なり、その他の点は、上記第12の実施形態に係るスイッチ装置141aとほぼ同様に構成されており、ほぼ同様の効果を奏する。
【0262】
スイッチ装置141bのスペーサは、第12の実施形態に係るスイッチ装置141aと同じものが使用される。また、図50〜図53において、第12の実施形態に係るスイッチ装置141aと同様に構成されているものには、同じ符号を付してある。
【0263】
スイッチ装置141bにおける上記フィルム状基材183の上記フィルム状部材185側の面には、上記第12の実施形態の場合と同様に、第1の接点部169、第2の接点部171、第1の導通経路173、第2の導通経路175が設けられている。
【0264】
また、上記フィルム状部材185の上記フィルム状基材183側の面には、上記第12の実施形態と同様に、第3の接点部151が設けられている。
【0265】
また、スイッチ装置141bでは、上記第12の実施形態に係る第2の貫通孔157に相当する第2の貫通孔189が、上記フィルム状部材185に設けられていると共に、上記第12の実施形態に係る回路161に相当する円形状の回路187が、上記フィルム状基材183の上記フィルム状部材185側の面に設けられている。
【0266】
なお、すでに理解されるように、上記スイッチ装置141bの厚さ方向から眺めた場合、上記回路187が、上記第2の貫通孔189を囲んでおり、上記第2の貫通孔189が上記回路187の内側に位置している。
【0267】
上記回路187は、上記第5の実施形態に係るスイッチ装置1dと同様に、上記フィルム状基材183の表面に形成されたカーボン27により構成されていることにより(図52参照)抵抗回路を形成している。
【0268】
また、上記抵抗回路187の一端部側は、導通経路191を介して上記第1の導通経路173に電気的に接続され、また、他端部側は、導通経路193を介して上記第2の導通経路175に電気的に接続されている。
【0269】
スイッチ装置141bによれば、上記抵抗回路187の一端部側が上記第1の導通経路173に電気的に接続され、上記抵抗回路187の他端部側が上記第2の導通経路175に電気的に接続されているので、上記第5の実施形態に係るスイッチ装置1dと同様に、スイッチ装置141bの各端子部(図示せず)が他の電気機器に接続されていることや、上記各導通経路173、175が断線しているか否かを容易に検出することができる。
【0270】
ところで、上記スイッチ装置141bにおいて、上記第2の貫通孔189の代わりに、図54に示すように、上記フィルム状基材183に、上記第2の貫通孔189と同様な第2の貫通孔195を設けてもよい。なお、第2の貫通孔195は、上記回路187の中央部にあけられている。したがって、上記回路187の抵抗回路としての機能や静電気をせき止める機能は、維持されている。
【0271】
なお、上記各実施形態に係るスイッチ装置に適宜変更を加えてもよい。
【0272】
すなわち、フィルム状のスペーサを間にして、このスペーサの一方の面にフィルム状基材を配置し、上記スペーサの他方の面にフィルム状部材を配置して構成されているフィルム状のスイッチ装置において、上記スイッチ装置に設けられた第1の端子部と、上記第1の端子部から離れて上記スイッチ装置に設けられた第2の端子部と、上記フィルム状基材の上記フィルム状部材側の面に設けられた第1の接点部と、上記フィルム状部材の上記フィルム状基材側の面に上記第1の接点部と対向して接触可能に設けられた第2の接点部と、上記第1の接点部および上記第2の接点部に対応して上記スペーサに設けられた貫通孔と、上記第1の接点部と上記第1の端子部とを互いに電気的に接続している導通経路と、静電気による上記導通経路の破損を防ぐために、上記スイッチ装置に設けられた保護回路とを有し、上記フィルム状のスイッチ装置が撓んで、上記第1の接点部と上記第2の接点部とが互いに接触したときに、上記第1の端子部と上記第2の端子部とが互いに電気的に接続するように構成されているスイッチ装置であれば、本発明の範囲の包含されるものとする。
【0273】
このように構成されたスイッチ装置によっても、静電気による破損を防ぐための保護回路を備えているので、静電気によっても、上記導通経路が破損しにくくなっており、上記導通経路でも断線を防ぐことができ、スイッチ装置における故障の発生を抑制することができ、スイッチ装置が機能しなくなる事態を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0274】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るスイッチ装置の概略構成を示す図である。
【図2】図1におけるIIA―IIB断面を示す図である。
【図3】スイッチ装置を構成しているフィルム状基材の概略構成を示す図である。
【図4】図3におけるIVA―IVB断面を示す図である。
【図5】図3におけるIVA―IVB断面を示す図であり、カーボンの変形例を示す図である。
【図6】スペーサの概略構成を示す図である。
【図7】スイッチ装置を構成するフィルム状部材の概略構成を示す図である。
【図8】本発明の第2の実施形態に係るスイッチ装置に使用されるフィルム状基材の概略構成を示す図である。
【図9】本発明の第3の実施形態に係るスイッチ装置の概略構成を示す図である。
【図10】図9におけるXA−XB断面を示す図である。
【図11】第3の実施形態に係るスイッチ装置を構成しているフィルム状基材の概略構成を示す図である。
【図12】本発明の第4の実施形態に係るスイッチ装置の概略構成を示す図である。
【図13】第4の実施形態に係るスイッチ装置を構成しているフィルム状基材の概略構成を示す図である。
【図14】第4の実施形態に係るスイッチ装置を構成しているスペーサの概略構成を示す図である。
【図15】第4の実施形態に係るスイッチ装置を構成しているフィルム状部材の概略構成を示す図である。
【図16】本発明の第5の実施形態に係るスイッチ装置の概略構成を示す図である。
【図17】第5の実施形態に係るスイッチ装置に使用されるフィルム状基材の概略構成を示す図である。
【図18】図17におけるXVIIIA―XVIIIB断面を示す図である。
【図19】本発明の第6の実施形態に係るスイッチ装置の概略構成を示す図である。
【図20】図19におけるXXA−XXB断面を示す図である。
【図21】第6の実施形態に係るスイッチ装置を構成しているフィルム状基材の概略構成を示す図である。
【図22】第6の実施形態に係るスイッチ装置を構成しているフィルム状部材の概略構成を示す図である。
【図23】本発明の第7の実施形態に係るスイッチ装置の概略構成を示す図である。
【図24】図23におけるXXIVA−XXIVB断面を示す図である。
【図25】本発明の第7の実施形態に係るスイッチ装置に使用されるフィルム状基材の概略構成を示す図である。
【図26】フィルム状部材の概略構成を示す図である。
【図27】第1の回路の形態を変更した場合を示す図であり、図24に対応する図である。
【図28】第1の回路の形態を変更した場合を示す図であり、図24に対応する図である。
【図29】本発明の第8実施形態に係るスイッチ装置の概略構成を示す図である。
【図30】第8の実施形態に係るスイッチ装置を構成しているフィルム状基材の概略構成を示す図である。
【図31】第6の実施形態に係るスイッチ装置を構成しているフィルム状部材の概略構成を示す図である。
【図32】本発明の第9の実施形態に係るスイッチ装置の概略構成を示す図である。
【図33】第9の実施形態に係るスイッチ装置を構成しているフィルム状基材の概略構成を示す図である。
【図34】第9の実施形態に係るスイッチ装置を構成しているスペーサの概略構成を示す図である。
【図35】第9の実施形態に係るスイッチ装置を構成しているフィルム状部材の概略構成を示す図である。
【図36】本発明の第10実施形態に係るスイッチ装置の概略構成を示す図である。
【図37】第10の実施形態に係るスイッチ装置を構成しているフィルム状基材の概略構成を示す図である。
【図38】第10の実施形態に係るスイッチ装置を構成しているフィルム状部材の概略構成を示す図である。
【図39】本発明の第11の実施形態に係るスイッチ装置の概略構成を示す図である。
【図40】図39におけるXLA−XLB断面を示す図である。
【図41】スイッチ装置を構成しているフィルム状基材の概略構成を示す図である。
【図42】図41におけるXLIIA−XLIIB断面を示す図である。
【図43】スイッチ装置を構成しているスペーサの概略構成を示す図である。
【図44】スイッチ装置を構成しているフィルム状部材の概略構成を示す図である。
【図45】フィルム状部材の変形例を示す図である。
【図46】本発明の第12の実施形態に係るスイッチ装置の概略構成を示す図である。
【図47】図46におけるXLVIIA−XLVIIB断面を示す図である。
【図48】第12の実施形態に係るスイッチ装置を構成しているフィルム状基材の概略構成を示す図である。
【図49】第12の実施形態に係るスイッチ装置を構成しているフィルム状部材の概略構成を示す図である。
【図50】本発明の第13の実施形態に係るスイッチ装置の概略構成を示す図である。
【図51】第13の実施形態に係るスイッチ装置を構成しているフィルム状基材の概略構成を示す図である。
【図52】図51におけるLIIA−LIIB断面を示す図である。
【図53】第13の実施形態に係るスイッチ装置を構成しているフィルム状部材の概略構成を示す図である。
【図54】フィルム状基材の変形例を示す図である。
【図55】従来のスイッチ装置の概略構成を示す図である。
【図56】図55のLVIA−LVIB断面を示す図である。
【図57】従来のスイッチ装置を構成するフィルム状基材の概略構成を示す図である。
【図58】従来のスイッチ装置を構成するスペーサの概略構成を示す図である。
【図59】図55におけるLIXA―LIXB断面を示す図である。
【図60】図60は、図59のLX部の拡大図である。
【図61】図60において、銀とカーボンとが、フィルム状基材の表面から剥離した状態を示す図である。
【符号の説明】
【0275】
1、1a、1b、1c、1d、1e、1f、1g、1h、1i、141、141a、141b スイッチ装置
3、47、113、145 スペーサ
5、35、41、45、63、83、89、111、127、143、165、183 フィルム状基材
7、47、65、85、91、115、129、147、167、185 フィルム状部材
9 第1の端子部
11、97 第2の端子部
13A、13B、17A、17B、29A、29B、31A、31B、67A〜67D、69A〜69D、79A〜79D、93A〜93D 接点部
15、95 第1の導通経路
19、101 第2の導通経路
21、23、37、43、87、95、103、121、131、161 回路
61、187 抵抗回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルム状のスペーサを間にして、このスペーサの一方の面にフィルム状基材を配置し、上記スペーサの他方の面にフィルム状部材を配置して構成されているフィルム状のスイッチ装置において、
上記スイッチ装置に設けられた第1の端子部と;
上記第1の端子部から離れて上記スイッチ装置に設けられた第2の端子部と;
上記フィルム状基材の上記フィルム状部材側の面に設けられた第1の接点部と;
上記フィルム状部材の上記フィルム状基材側の面に上記第1の接点部と対向して接触可能に設けられた第2の接点部と;
上記第1の接点部および上記第2の接点部に対応して上記スペーサに設けられた貫通孔と;
上記第1の接点部と上記第1の端子部とを互いに電気的に接続している導通経路と;
静電気による上記導通経路の破損を防ぐために、上記スイッチ装置に設けられた保護回路と;
を有し、上記フィルム状のスイッチ装置が撓んで、上記第1の接点部と上記第2の接点部とが互いに接触したときに、上記第1の端子部と上記第2の端子部とが互いに電気的に接続するように構成されていることを特徴とするスイッチ装置。
【請求項2】
フィルム状のスペーサを間にして、このスペーサの一方の面にフィルム状基材を配置し、上記スペーサの他方の面にフィルム状部材を配置して構成されているフィルム状のスイッチ装置において、
上記スイッチ装置に設けられた第1の端子部と;
上記第1の端子部から離れて上記スイッチ装置に設けられた第2の端子部と;
上記フィルム状基材の上記フィルム状部材側の面に設けられた適数の第1の接点部で構成された第1の接点群と;
上記第1の端子部と上記第1の各接点部とを互いに電気的に接続している第1の導通経路と;
上記フィルム状基材の上記フィルム状部材側の面に上記第1の接点群から離れて設けられた適数の第2の接点部で構成された第2の接点群と;
上記第1の導通経路から離れて設けられ、上記第2の端子部と上記第2の各接点部とを互いに電気的に接続している第2の導通経路と;
上記フィルム状部材の上記フィルム状基材側の面に上記第1の接点部に対向して接触可能に設けられた適数の第3の接点部で構成された第3の接点群と;
上記フィルム状部材の上記フィルム状基材側の面に上記第2の各接点部に対向して接触可能に設けられた適数の第4の接点部で構成された第4の接点群と;
上記第1の導通経路または上記第1の端子部と電気的に接続し、上記第1の導通経路と並行する部位を備えた第1の回路と;
を有し、上記第3の接点群の適宜の接点部と上記第4の接点群の適宜の接点部とが、直接電気的に接触し、または、上記フィルム状基材および/または上記フィルム状部材に設けられた他の接点群を介して互いに電気的に導通するように構成されていることを特徴とするスイッチ装置。
【請求項3】
請求項2に記載のスイッチ装置において、
上記第1の回路とは離れて設けられていると共に、上記第2の導通経路または上記第2の端子部と電気的に接続し、上記第2の導通経路と並行する部位を備えた第2の回路を有することを特徴とするスイッチ装置。
【請求項4】
請求項3に記載のスイッチ装置において、
上記第1の回路は、上記第1の導通経路のうちの所定の部位である第1導通経路所定部位に沿って長く延びて形成されたことによって上記第1の導通経路と並行している第1の部位を備えていると共に、上記第1の部位と上記第1の導通経路とを互いに電気的に接続している第2の部位を備えており、
上記第2の回路は、上記第2の導通経路のうちの所定の部位である第2導通経路所定部位に沿って長く延びて形成されたことによって上記第2の導通経路と並行している第3の部位を備えていると共に、上記第3の部位と上記第2の導通経路とを互いに電気的に接続している第4の部位を備えていることを特徴とするスイッチ装置。
【請求項5】
請求項3に記載のスイッチ装置において、
上記第1の回路の上記第1の導通経路と並行している部位は、上記第1の導通経路を所定の箇所で所定の長さにわたり幅方向に拡張したことによって形成されており、
上記第2の回路の上記第2の導通経路と並行している部位は、上記第2の導通経路を所定の箇所で所定の長さにわたり幅方向に拡張したことによって形成されていることを特徴とするスイッチ装置。
【請求項6】
請求項2に記載のスイッチ装置において、
上記第1の回路は、上記第1の接点群、上記第2の接点群、上記第1の導通経路および上記第2の導通経路をほぼ囲むように、上記フィルム状基材の側面に沿って長く延びて形成されていることを特徴とするスイッチ装置。
【請求項7】
請求項6に記載のスイッチ装置において、
上記第1の回路が、所定の箇所で所定の長さにわたり、上記所定の箇所に直接対向している上記フィルム状基材の側面またはこの側面の近傍まで、幅方向に拡張されていることを特徴とするスイッチ装置。
【請求項8】
請求項3に記載のスイッチ装置において、
上記第1の回路は、上記第1の端子部側で上記フィルム状基材の側面に沿って長く延びて形成されており、
上記第2の回路は、上記第2の端子部側で上記フィルム状基材の側面に沿って長く延びて形成されており、
上記第1の回路と上記第2の回路とが協働して、上記第1の接点群、上記第2の接点群、上記第1の導通経路および上記第2の導通経路をほぼ囲んでおり、
上記第1の回路の一端部側が、上記第1の端子部に電気的に接続され、または、上記第1の端子部の近傍で上記第1の導通経路に電気的に接続されており、
上記第2の回路の一端部側が、上記第2の端子部に電気的に接続され、または、上記第2の端子部の近傍で上記第2の導通経路に電気的に接続されていると共に、
上記第1の回路の他端部側と上記第2の回路の他端部側とが、電気抵抗を介して、互いに電気的に接続されていることを特徴とするスイッチ装置。
【請求項9】
フィルム状のスペーサを間にして、このスペーサの一方の面にフィルム状基材を配置し、上記スペーサの他方の面にフィルム状部材を配置して構成されているフィルム状のスイッチ装置において、
上記スイッチ装置に設けられた第1の端子部と;
上記第1の端子部から離れて上記スイッチ装置に設けられた第2の端子部と;
上記フィルム状基材の上記フィルム状部材側の面に設けられた適数の第1の接点部と;
細長く延びて設けられ、上記第1の端子部と上記第1の各接点部とを互いに電気的に接続している第1の導通経路と;
上記フィルム状基材の上記フィルム状部材側の面に上記第1の各接点部に対応して上記第1の各接点部から僅かに離れて設けられた第2の各接点部と;
上記第1の導通経路から離れて細長く延びて設けられ、上記第2の端子部と上記第2の各接点部とを互いに電気的に接続している第2の導通経路と;
上記フィルム状部材の上記フィルム状基材側の面に、上記第1の各接点部と上記第2の各接点部とで構成された各接点対のそれぞれに対向して接触可能に設けられた第3の各接点部と;
上記第1の導通経路または上記第1の端子部と電気的に接続し、上記第1の導通経路と並行する部位を備えた第1の回路と;
を有することを特徴とするスイッチ装置。
【請求項10】
請求項9に記載のスイッチ装置において、
上記第1の回路とは離れて設けられていると共に、上記第2の導通経路または上記第2の端子部と電気的に接続し、上記第2の導通経路と並行する部位を備えた第2の回路を有することを特徴とするスイッチ装置。
【請求項11】
請求項2または請求項9に記載のスイッチ装置において、
上記第1の回路は、上記フィルム状基材の外側の面、上記フィルム状部材の外側の面のうちの少なくとも一方の面に設けられていると共に、
上記スイッチ装置の厚さ方向から眺めた場合、上記第1の回路は、上記各接点部および上記各導通経路が上記第1の回路の内側に位置するように形成されていることを特徴とするスイッチ装置。
【請求項12】
フィルム状のスペーサを間にして、このスペーサの一方の面にフィルム状基材を配置し、上記スペーサの他方の面にフィルム状部材を配置して構成されているフィルム状のスイッチ装置において、
上記スイッチ装置に設けられた第1の端子部と;
上記フィルム状基材の上記フィルム状部材側の面に設けられた第1の接点部と;
上記第1の端子部と上記第1の接点部とを互いに電気的に接続している第1の導通経路と;
上記フィルム状部材の上記フィルム状基材側の面に上記第1の接点部と対向して接触可能に設けられた第2の接点部と;
上記第1の導通経路から離れて設けられ、上記第2の端子部と上記第2の接点部とを互いに電気的に接続している第2の導通経路と;
上記第1の接点部および上記第2の接点部に対応して上記スペーサに設けられた貫通孔と;
上記第1の導通経路または上記第1の端子部と電気的に接続し、上記第1の導通経路と並行する部位を備えた回路と;
を有することを特徴とするスイッチ装置。
【請求項13】
フィルム状のスペーサを間にして、このスペーサの一方の面にフィルム状基材を配置し、上記スペーサの他方の面にフィルム状部材を配置して構成されているフィルム状のスイッチ装置において、
上記フィルム状基材の上記フィルム状部材側の面に設けられた第1の接点部と;
上記フィルム状部材の上記フィルム状基材側の面に、上記第1の接点部と対向して接触可能に設けられた第2の接点部と;
上記第1の接点部と上記第2の接点部とに対応した上記スペーサの部位に設けられた第1の貫通孔と;
上記第1の貫通孔が設けられている位置とは異なる位置で、上記フィルム状基材に設けられた第2の貫通孔と;
一端部側が上記第1の貫通孔に接続され他端部側が上記第2の貫通孔が設けられている部位まで延伸して、上記スペーサに設けられた切り欠きと;
上記スイッチ装置の厚さ方向から眺めた場合、上記第2の貫通孔が内側に位置するように、上記スイッチ装置に設けられた回路と;
を有することを特徴とするスイッチ装置。
【請求項14】
フィルム状のスペーサを間にして、このスペーサの一方の面にフィルム状基材を配置し、上記スペーサの他方の面にフィルム状部材を配置して構成されているフィルム状のスイッチ装置において、
上記フィルム状基材の上記フィルム状部材側の面に設けられた第1の接点部と;
上記フィルム状基材の上記フィルム状部材側の面に上記第1の接点部に対応して上記第1の各接点部から僅かに離れて設けられた第2の接点部と;
上記フィルム状部材の上記フィルム状基材側の面に、上記第1の接点部と上記第2の接点部とで構成された接点対に対向して接触可能に設けられた第3の接点部と;
上記第1の接点部、上記第2の接点部および上記第3の接点部に対応した上記スペーサの部位に設けられた第1の貫通孔と;
上記第1の貫通孔が設けられている位置とは異なる位置で、上記フィルム状基材に設けられた第2の貫通孔と;
一端部側が上記第1の貫通孔に接続され他端部側が上記第2の貫通孔が設けられている部位まで延伸して、上記スペーサに設けられた切り欠きと;
上記スイッチ装置の厚さ方向から眺めた場合、上記第2の貫通孔が内側に位置するように、上記スイッチ装置に設けられた回路と;
を有することを特徴とするスイッチ装置。
【請求項15】
フィルム状のスペーサを間にして、このスペーサの一方の面にフィルム状基材を配置し、上記スペーサの他方の面にフィルム状部材を配置して構成されているフィルム状のスイッチ装置において、
上記フィルム状基材の上記フィルム状部材側の面に設けられた第1の接点部と;
上記フィルム状基材の上記フィルム状部材側の面に上記第1の接点部に対応して上記第1の各接点部から僅かに離れて設けられた第2の接点部と;
上記フィルム状部材の上記フィルム状基材側の面に、上記第1の各接点部と上記第2の各接点部とで構成された接点対のそれぞれに対向して接触可能に設けられた第3の接点部と;
上記第1の接点部、上記第2の接点部および上記第3の接点部に対応した上記スペーサの部位に設けられた第1の貫通孔と;
上記第1の貫通孔が設けられている位置とは異なる位置で、上記フィルム状基材または上記フィルム状部材に設けられた第2の貫通孔と;
一端部側が上記第1の貫通孔に接続され他端部側が上記第の貫通孔が設けられている部位まで延伸して、上記スペーサに設けられた切り欠きと;
上記スイッチ装置の厚さ方向から眺めた場合上記第2の貫通孔が内側に位置するように、上記スイッチ装置に設けられた抵抗回路と;
上記第1の接点部と上記スイッチ装置に設けられている第1の端子部とを互いに電気的に接続するために、上記第1の接点部から延出している第1の導通経路と;
上記スイッチ装置に上記第1の端子部から離れて設けられている第2の端子部と上記第2の接点部とを互いに電気的に接続するために、上記第1の導通経路から離れて上記第2の接点部から延出している第2の導通経路と;
を有し、上記抵抗回路の一端部側が上記第1の導通経路に電気的に接続され、上記抵抗回路の他端部側が上記第2の導通経路に電気的に接続されていることを特徴とするスイッチ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【図52】
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【図53】
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【図54】
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【図55】
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【図56】
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【図57】
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【図58】
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【図59】
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【図60】
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【図61】
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【公開番号】特開2008−258182(P2008−258182A)
【公開日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−198100(P2008−198100)
【出願日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【分割の表示】特願2004−212168(P2004−212168)の分割
【原出願日】平成16年7月20日(2004.7.20)
【出願人】(000005186)株式会社フジクラ (4,463)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】