説明

スイッチ装置

【課題】方向キーと決定キーを小型化しても、誤操作を防いで視覚的にも違和感のないスイッチ装置を提供する。
【解決手段】上下左右に配置される四つの方向キー2・3・4・5と、これら四つの方向キー2・3・4・5で囲まれる範囲内に配置される決定キー6と、を備えるスイッチ装置であって、決定キー6は、上下の方向キー2・3を結ぶ線と左右の方向キー4・5を結ぶ線の何れか一方の線上のみに位置する。例えば、決定キー6を、左右の方向キー4・5を結ぶ線に対し上方に変位させて配置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、上下左右四つの方向キーと、その中の決定キーと、を備えるスイッチ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
テレビ等のリモコン、デジタルカメラ、携帯電話機等の操作キーや、キーボードにおいて、上下左右四つの方向キーの中央に決定キーが配置されている(例えば特許文献1〜4参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−42220号公報
【特許文献2】特開平11−317899号公報
【特許文献3】特開2003−219062号公報
【特許文献4】特開2004−13376号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
デジタルカメラや携帯電話において、画面の大型化に伴い、キーのエリアを広く取れず、キーが小型化し、操作性が悪化している。
特に、方向キーと決定キーは狭い場所に五つのキーを配置するため、操作性の悪化が顕著となる。例えば横幅を小さくした場合、左右の方向キーの間に決定キーが狭い範囲で並ぶため、指が隣のキーに触れてしまう恐れがある。
【0005】
本発明の課題は、方向キーと決定キーを小型化しても、誤操作を防いで視覚的にも違和感のないスイッチ装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の課題を解決するため、本発明は、上下左右に配置される四つの方向キーと、これら四つの方向キーで囲まれる範囲内に配置される決定キーと、を備えるスイッチ装置であって、前記決定キーは、前記上下の方向キーを結ぶ線と前記左右の方向キーを結ぶ線の何れか一方の線上のみに位置することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、方向キーと決定キーを小型化しても、誤操作を防いで視覚的にも違和感のないスイッチ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明を適用したスイッチ装置の一実施形態の配置構成を示すもので、ダイヤフラムスイッチ及び指操作エリアの関係も併せて示した正面図である。
【図2】図1のキー配置のみを示した図である。
【図3】図1の中央縦断面図である。
【図4】実施形態2を示すもので、キートップ形状を示した中央縦断面図である。
【図5】実施形態3のスイッチ装置を示す正面図である。
【図6】図5の中央縦断面図である。
【図7】図5及び図6の決定キーのスライド構造を示す三面図である。
【図8】実施形態4のスイッチ装置を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図を参照して本発明を実施するための形態を詳細に説明する。
(実施形態1)
図1から図3は本発明を適用したスイッチ装置の一実施形態の配置構成としてダイヤフラムスイッチ及び指操作エリアの関係も併せて示したもので、1は筐体、2は上方向キー、3は下方向キー、4は左方向キー、5は右方向キー、6は決定キー、11は基板、12は上方向ダイヤフラムスイッチ、13は下方向ダイヤフラムスイッチ、14は左方向ダイヤフラムスイッチ、15は右方向ダイヤフラムスイッチ、16は決定ダイヤフラムスイッチである。
【0010】
図示のように、筐体1には、上方向キー2と、下方向キー3と、左方向キー4と、右方向キー5と、決定キー6とからなるスイッチ装置が備えられており、このスイッチ装置は、左方向キー4及び右方向キー5を結ぶ線に対し上方に変位して決定キー6が配置されて、この決定キー6の上方に上方向キー2が近付けて配置された構成となっている。
【0011】
すなわち、図2に示すように、下方向キー3、左方向キー4及び右方向キー5が配置される同一の円О上に決定キー6が配置されていて、この決定キー6の上方に近付けて上方向キー2が配置されている。
【0012】
また、筐体1の内部の基板11には、上方向キー2、下方向キー3、左方向キー4、右方向キー5及び決定キー6の押しボタン部に各々対応した直下位置に、上方向ダイヤフラムスイッチ12、下方向ダイヤフラムスイッチ13、左方向ダイヤフラムスイッチ14、右方向ダイヤフラムスイッチ15及び決定ダイヤフラムスイッチ16がそれぞれ搭載されている。
【0013】
なお、図1において、上方向キー2、下方向キー3、左方向キー4、右方向キー5及び決定キー6の押しボタン部の位置に各々対応して、円形の上方向キー指操作エリアA2、下方向キー指操作エリアA3、左方向キー指操作エリアA4、右方向キー指操作エリアA5及び決定キー指操作エリアA6がそれぞれ示されている。
【0014】
以上の上方向キー指操作エリアA2、下方向キー指操作エリアA3、左方向キー指操作エリアA4、右方向キー指操作エリアA5及び決定キー指操作エリアA6は、図示のように、互いにオーバーラップしないようになっている。
【0015】
以上、実施形態のスイッチ装置によれば、左方向キー4及び右方向キー5を結ぶ線に対し上方に変位して決定キー6を配置して、この決定キー6の上方に近付けて上方向キー2を配置したことで、横幅を小さくして各方向キー2・3・4・5と決定キー6を小型化しても、各方向キー2・3・4・5及び決定キー6を操作する場合、隣のキーを触れることがなく、視覚的にも違和感がない。
【0016】
(実施形態2)
図4は実施形態2を示すもので、前述した実施形態1と同様、1は筐体、2は上方向キー、3は下方向キー、6は決定キー、11は基板、12は上方向ダイヤフラムスイッチ、13は下方向ダイヤフラムスイッチ、16は決定ダイヤフラムスイッチである。
【0017】
実施形態2では、図示のように、下方向キー3と、この下方向キー3から上方に離間して配置された決定キー6の各キートップ形状と、この決定キー6の上方に近付けて配置された上方向キー2のキートップ形状とが、その曲面形状の傾き方向を異ならせた形状に形成されている。
【0018】
このように、下方向キー3から上方に離間した決定キー6のキートップ形状と、この決定キー6の上方に近付けた上方向キー2のキートップ形状とを、その曲面形状の傾き方向を異ならせた形状にすれば、決定キー6とその上方に近付けた上方向キー2を視覚的、並びに触覚的にも差別化して、誤操作を防止できる。
【0019】
(実施形態3)
図5及び図6は実施形態3のスイッチ装置を示すもので、前述した実施形態1と同様、1は筐体、2は上方向キー、3は下方向キー、4は左方向キー、5は右方向キー、6は決定キー、11は基板、12は上方向ダイヤフラムスイッチ、13は下方向ダイヤフラムスイッチ、16は決定ダイヤフラムスイッチであって、7はスライド溝、8は係止溝、9は係止突起である。
【0020】
実施形態3では、図示のように、上方向キー2と下方向キー3の距離を大きく開けて、筐体1の上方向キー2と下方向キー3の間に縦方向のスライド溝7を形成して、このスライド溝7に決定キー6がスライド移動可能に組み付けられている。
【0021】
すなわち、図示例においては、スライド溝7内の縦方向の両端部と中央部の三箇所に係止溝8が形成されて、図7に示すように、決定キー6の両側部に形成した係止突起9が、三箇所の係止溝8にそれぞれ係止可能となっている。
なお、図示しないが、係止突起9を係止溝8に係止した状態に保持するスプリング等の付勢手段が設けられている。
【0022】
そして、基板11上の上方向ダイヤフラムスイッチ12と下方向ダイヤフラムスイッチ13との間には、三箇所の係止溝8の位置に各々対応して、三個の決定ダイヤフラムスイッチ16が離間して搭載されている。
【0023】
このように、距離を大きく開けた上方向キー2と下方向キー3の間に形成した縦方向のスライド溝7に沿って決定キー6をスライドさせて、その縦方向のスライド溝7内の両端部と中央部の三箇所に形成した係止溝8の各々に、決定キー6の両側部に形成した係止突起9をそれぞれ係止させることで、縦方向の三箇所において、決定キー6の位置を変更して決定ダイヤフラムスイッチ16をそれぞれ押すことができる。
【0024】
従って、決定キー6を左方向キー4と右方向キー5を結ぶ線に対し上方に変位させて上方向キー2に近付けた配置としたり、決定キー6を左方向キー4と右方向キー5を結ぶ線に対し下方に変位させて下方向キー3に近付けた配置としたり、決定キー6の位置を任意に選択することができる。
【0025】
また、図示例では、前述した実施形態2と同様に、下方向キー3から上方に離間した決定キー6のキートップ形状と、この決定キー6の上方に近付けた上方向キー2のキートップ形状とを、その曲面形状の傾き方向を異ならせた形状にしたり外形形状を異ならせたりして、決定キー6とその上方に近付けた上方向キー2を視覚的、並びに触覚的にも差別化して、誤操作を防止できるものとなっている。
【0026】
(実施形態4)
図8は実施形態4のスイッチ装置を示すもので、前述した実施形態1と同様、2は上方向キー、3は下方向キー、4は左方向キー、5は右方向キー、6は決定キーである。
【0027】
すなわち、実施形態4は、タッチパネルやキーボード等の各キーの位置及び機能の割付けが電気的に変更可能なスイッチ装置において、図示のように、左方向キー4及び右方向キー5の間で下方向キー3の上のキー位置の上のキー位置に決定キー6を割付けて、この決定キー6の上のキー位置に上方向キー2を割付けている。
【0028】
このように、電気的に、左方向キー4及び右方向キー5の間のキー位置の上に決定キー6を割付けて、この決定キー6の上に上方向キー2を割付けてもよい。
【0029】
(変形例)
以上の実施形態においては、横幅を小さくする場合について説明したが、縦幅を小さくする場合には、決定キーを上方向キーと下方向キーを結ぶ線に対し左右いずれか一方に変位させて左方向キーまたは右方向キーに近付けて配置すればよい。
また、実施形態では、ダイヤフラムスイッチとしたが、これに限らずスイッチ構造は任意である。
さらに、方向キー及び決定キーの形状等も任意であり、その他、具体的な細部構造等についても適宜に変更可能であることは勿論である。
【0030】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。
付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
〔付記〕
<請求項1>
上下左右に配置される四つの方向キーと、これら四つの方向キーで囲まれる範囲内に配置される決定キーと、を備えるスイッチ装置であって、
前記決定キーは、前記上下の方向キーを結ぶ線と前記左右の方向キーを結ぶ線の何れか一方の線上のみに位置することを特徴とするスイッチ装置。
<請求項2>
前記決定キーを、前記左右の方向キーを結ぶ線に対し上下の何れか一方に変位させて配置したことを特徴とする請求項1に記載のスイッチ装置。
<請求項3>
前記上下の方向キーのうち前記決定キーに近い方の方向キーを、前記決定キーと異形状に形成したことを特徴とする請求項2に記載のスイッチ装置。
<請求項4>
前記決定キーの位置が機械的に移動可能であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のスイッチ装置。
<請求項5>
前記方向キーと前記決定キーの位置及び機能の割付けが電気的に変更可能であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のスイッチ装置。
【符号の説明】
【0031】
1 筐体
2 上方向キー
3 下方向キー
4 左方向キー
5 右方向キー
6 決定キー
7 スライド溝
8 係止溝
9 係止突起
11 基板
12 上方向ダイヤフラムスイッチ
13 下方向ダイヤフラムスイッチ
14 左方向ダイヤフラムスイッチ
15 右方向ダイヤフラムスイッチ
16 決定ダイヤフラムスイッチ
A2 上方向キー指操作エリア
A3 下方向キー指操作エリア
A4 左方向キー指操作エリア
A5 右方向キー指操作エリア
A6 決定キー指操作エリア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下左右に配置される四つの方向キーと、これら四つの方向キーで囲まれる範囲内に配置される決定キーと、を備えるスイッチ装置であって、
前記決定キーは、前記上下の方向キーを結ぶ線と前記左右の方向キーを結ぶ線の何れか一方の線上のみに位置することを特徴とするスイッチ装置。
【請求項2】
前記決定キーを、前記左右の方向キーを結ぶ線に対し上下の何れか一方に変位させて配置したことを特徴とする請求項1に記載のスイッチ装置。
【請求項3】
前記上下の方向キーのうち前記決定キーに近い方の方向キーを、前記決定キーと異形状に形成したことを特徴とする請求項2に記載のスイッチ装置。
【請求項4】
前記決定キーの位置が機械的に移動可能であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のスイッチ装置。
【請求項5】
前記方向キーと前記決定キーの位置及び機能の割付けが電気的に変更可能であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のスイッチ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−155915(P2012−155915A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−12526(P2011−12526)
【出願日】平成23年1月25日(2011.1.25)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】