スキュー補正装置、用紙搬送装置及び画像形成装置
【課題】用紙先端の状態によらず、比較的高速かつ信頼性よく用紙のスキューを補正できるようにする。
【解決手段】用紙を搬送するための一対の搬送ローラ13a,13bと、上記用紙に対して搬送ローラ13a,13bによる搬送方向と逆側に向けて負荷トルク41を加える負荷発生手段と、搬送ローラ13a,13bを駆動して上記用紙に対して上記搬送方向に負荷トルク41より小さい搬送トルク42a,42bを加える搬送ローラ駆動手段とを設けると共に、各搬送ローラ13a,13bを、上記搬送ローラ駆動手段による駆動中に、上記用紙の移動に伴い、搬送ローラ13a,13bの駆動軸19に沿ってスライド可能とした。
【解決手段】用紙を搬送するための一対の搬送ローラ13a,13bと、上記用紙に対して搬送ローラ13a,13bによる搬送方向と逆側に向けて負荷トルク41を加える負荷発生手段と、搬送ローラ13a,13bを駆動して上記用紙に対して上記搬送方向に負荷トルク41より小さい搬送トルク42a,42bを加える搬送ローラ駆動手段とを設けると共に、各搬送ローラ13a,13bを、上記搬送ローラ駆動手段による駆動中に、上記用紙の移動に伴い、搬送ローラ13a,13bの駆動軸19に沿ってスライド可能とした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、用紙を搬送する際に用紙のスキューを補正するスキュー補正装置、このようなスキュー補正装置を備えた用紙搬送装置、およびこのような用紙搬送装置を備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、用紙に画像形成を行う際などに、用紙が傾いた状態で搬送されないよう、スキュー補正を行うことが知られている。
このスキュー補正の方法としては、用紙先端をレジストローラやシャッタなどの突き当て部材に突き当てて補正を行う方法や、左右の搬送ローラを個別制御し、スキュー量に応じて左右の搬送ローラに周速差を持たせることで補正を行う方法などが既に知られている。
【0003】
また、特許文献1には、腰が強く、レジストローラに突き当てた際に撓まずにニップに食い込んでしまうような用紙でも確実にスキュー補正するために、レジストローラの上流にトルクリミッタを介して駆動力が伝達される搬送ローラを設け、用紙の先端がレジストローラに突き当たった後で過大な搬送力がかからないようにしたシート搬送装置が記載されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述したような、突き当て部材に用紙を突き当てる方法は、用紙の先端が搬送方向に垂直であることが前提となっている。
従って、例えば連続紙をカットしながら画像形成を行う場合において、誤って用紙先端が斜めにカットされてしまったような場合には、その先端を突き当て部材に突き当てても、スキューが正常に補正できないばかりか、逆に用紙の向きを先端に合わせて斜めにしてしまうことになるという問題があった。
【0005】
また、搬送ローラに周速差を持たせる方法では、2つ搬送ローラにより用紙に一定の圧力をかけて保持した状態で徐々に用紙の向きを変えるため、スキューの補正速度に限界があり、あまり高速に補正しようとすると、用紙に弛みやシワが発生してしまう恐れがあるという問題があった。
【0006】
この発明は、このような背景に鑑みてなされたものであり、用紙先端の状態によらず、比較的高速かつ信頼性よく用紙のスキューを補正できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するため、この発明のスキュー補正装置は、用紙を搬送するための一対の搬送ローラと、上記用紙に対して上記搬送ローラによる搬送方向と逆側に向けて力を加える負荷発生手段と、その搬送ローラを駆動して上記用紙に対して上記搬送方向に上記負荷発生手段による力より小さい力を加える搬送ローラ駆動手段とを設け、上記各搬送ローラが、上記搬送ローラ駆動手段による駆動中に、上記用紙の移動に伴い、その搬送ローラの軸に沿ってスライド可能としたものである。
【0008】
このようなスキュー補正装置において、上記搬送ローラの各々に対応して、その搬送ローラに当接して従動回転する従動コロと、その従動コロを上記搬送ローラから離間させる離間手段と、上記搬送ローラの各々をそれぞれ所定の定位置に向けて付勢し、上記離間手段による上記従動コロの離間に応じて上記搬送ローラを定位置に復帰させる付勢手段を設けるとよい。
【0009】
さらに、上記搬送ローラの各々の回転数を検知するための回転数検知手段を設け、上記搬送ローラ双方の回転数差が閾値以下になった場合に、上記離間手段に上記従動コロを上記搬送ローラから離間させる手段を設けるとよい。
さらにまた、少なくとも一方の搬送ローラについて、その搬送ローラの定位置を調整可能とするとよい。
【0010】
また、この発明の用紙搬送装置は、スキュー補正装置を備えた用紙搬送装置である。
また、この発明の画像形成装置は、用紙搬送装置により用紙を画像形成部に搬送する画像形成装置である。
【発明の効果】
【0011】
以上のようなこの発明のスキュー補正装置、用紙搬送装置及び画像形成装置によれば、用紙先端の状態によらず、比較的高速かつ信頼性よく用紙のスキューを補正することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】この発明の画像形成装置の概略構成を示した模式的な断面図である。
【図2】図1に示した画像形成装置の外観を示す斜視図である。
【図3】図1に示した画像形成装置が備えるスキュー補正機構を模式的に示した図である。
【図4】図3に示したスキュー補正機構の搬送ローラ部分の拡大図である。
【図5】図3に示したスキュー補正機構においてロール紙が左側にスキューしている状態を示した図である。
【図6】左スキュー補正時に搬送ローラがスライドしている状態を示した図である。
【図7】左スキュー補正後に搬送コロを搬送ローラから離間させた状態を示した図である。
【図8】図3に示したスキュー補正機構においてロール紙が右側にスキューしている状態を示した図である。
【図9】右スキュー補正時に搬送ローラがスライドしている状態を示した図である。
【図10】右スキュー補正後に搬送コロを搬送ローラから離間させた状態を示した図である。
【図11】スキュー量と左右の搬送ローラの回転数差の関係を示す図である。
【図12】スキュー補正を行う際に画像形成装置のCPUが実行する処理を示すフローチャートである。
【図13】この発明のスキュー補正機構の変形例を示した図3と対応する図である。
【図14】変形例のスキュー補正機構における搬送ローラ部分の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、この発明を実施するための形態を図面に基づいて具体的に説明する。
まず、図1及び図2を参照しながら、この発明のスキュー補正装置を備えた画像形成装置の実施形態の全体構成について説明する。図1及び図2は、それぞれその画像形成装置の概略構成を示した模式的な断面図とその画像形成装置の外観を示す斜視図である。
この画像形成装置10は、図1に示すように、画像形成部20、ロール紙収納部30、用紙吸引搬送部40及びカッターユニット50を備えている。画像形成部20は、図2に示すようにキャリッジ21、ガイドロッド22、ガイドレール23、駆動モータ24、駆動プーリ25、従動プーリ26、ベルト部材27、メインカートリッジ28、維持回復機構29を設けている。また、ロール紙収納部30は、フランジ受け31とフランジ32を設けている。
【0014】
このうち、画像形成部20は、図示しない両側板にガイドロッド22及びガイドレール23が掛け渡され、これらのガイドロッド22及びガイドレール23にキャリッジ21が矢印A方向に摺動可能に保持されている。
そして、このキャリッジ21は、画像形成用のブラック(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の各色のインク滴を吐出する液体吐出ヘッドと、図示しない各記録ヘッドにインクを供給するサブタンクとを一体的に備えるとともに、駆動モータ24、駆動プーリ25、従動プーリ26、ベルト部材27からなる主走査機構により矢印A方向の主走査方向に沿って移動走査が可能となる。
【0015】
具体的には、キャリッジ21の背面側に設けられた図示しないベルト固定部がベルト部材27に固定保持されていることから、ベルト部材27が駆動モータ24によって回転駆動される駆動プーリ25と従動プーリ26との間を周回すると、それに連れて主走査方向(矢印A方向)に移動可能となる。
なお、従動プーリ26は、図示しないテンションスプリングによって外側(駆動プーリ25に対して離れる方向)にテンションがかけられている。また、主走査方向に沿って図示しないエンコーダシートが配置されており、キャリッジ21に設けた図示しないエンコーダセンサによってエンコーダシートを読取ることにより、キャリッジ21の主走査位置を検知するようにしている。
【0016】
そして、このキャリッジ21における主走査領域のうち、記録領域では、連続紙であるロール紙Rが用紙吸引搬送部40によってキャリッジ21の主走査方向と直行する方向(副走査方向:矢印B方向)に間欠的に搬送される。
また、主走査領域のうち、一方の端部側領域には、インク滴の固着や吐出不良を防止して、各記録ヘッドの性能の維持回復を行うための維持回復機構29が配置されている。さらに、主走査方向のキャリッジ移動領域外、又は主走査領域のうち他方の端部側領域には、記録ヘッドのサブタンクに供給する各色のインクを収容したメインカートリッジ28が着脱自在に装着される。
【0017】
一方、ロール紙収納部30は、ロール紙Rの紙軸に両端からフランジ32を装着してフランジ受け31に載置するためのものである。このフランジ受け31の内部には、図示しない支持コロが設けられ、支持コロがフランジ32の外周と当接することでフランジ32が回転し、ロール紙Rを給紙することができる。
なお、一方のフランジ32とフランジ受け31を側壁側に固定し、他方のフランジ32とフランジ受け31を一体としてロール紙Rの幅方向に移動可能な構成にすることにより、サイズの異なるロール紙Rを収納するようにしてもよい。また、図示の状態では、ロール紙収納部30は、ロール紙Rを1段のみ装着しているが、別サイズのロール紙を上下に複数段備えてもよい。
また、カッターユニット50は、画像形成部20による画像形成後のロール紙Rを排紙する前に所定の長さにカットするためのものである。
【0018】
以上の構成を備える画像形成装置10のロール紙収納部30から給紙されたロール紙Rは、図1に示す給紙ローラ11、給紙コロ12、搬送ローラ13、搬送コロ14などを備えるスキュー補正機構により搬送途中でいったんスキュー補正がなされた後、画像形成部20へ搬送される。そして、画像形成部20のキャリッジ21が間欠的に送り込まれるロール紙Rに対して画像形成を行った後、ロール紙Rはカッタユニット50により排紙手前の位置で所定の長さにカットされて、画像形成装置10の正面に配置された図示しない排紙トレイへ排出される。
なお、複数段のロール紙を用いる場合、各段のロール紙が給紙時に干渉しないようにするため、カット後のロール紙Rに次の画像を形成する際に、いったん給紙ローラ11、給紙コロ12付近まで引き戻して再搬送を開始することができる。
【0019】
そして、このような画像形成装置10における1つの特徴は、給紙ローラ11、給紙コロ12、搬送ローラ13、搬送コロ14などを備えるスキュー補正機構により行われるスキュー補正である。そこで、以下このスキュー補正機構について説明する。
【0020】
次に、図3及び図4を参照しながらスキュー補正機構の詳細について具体的に説明する。図3は、画像形成装置におけるスキュー補正機構を模式的に示した図であり、図4は、搬送ローラ部分の拡大図である。
【0021】
このスキュー補正機構は、給紙ローラ11、給紙コロ12、搬送ローラ13a,13b、搬送コロ14a,14b、圧縮スプリング16a,16b、トルクリミッタ17a,17b及び図示しない回転数検知センサを設けている。なお、図中で「a」,「b」を含む符号で示している構成要素につき、個体を区別しないで指す場合には、「a」及び「b」を含まない符号を用いて指すことにする。
【0022】
図3に示した構成のうち、給紙ローラ11は、セットされたロール紙Rを搬送方向下流側に搬送するためのものであり、給紙コロ12は、給紙ローラ11と圧接して従動回転するローラであり、両端に設けられたスプリングを含む接離機構により給紙ローラ11と接離可能な構成となっている。
なお、給紙ローラ11によりロール紙Rを給紙する際に弛みが発生することを防止するため、図示しない負荷発生装置により、ロール紙Rに対して負荷トルク41を与え搬送方向と逆側に向けてバックテンションをかけている。
【0023】
搬送ローラ13は、図4に示すように中心に挿入された駆動軸19(図3では図示を省略した)にトルクリミッタ17を介して支持されており、図示しないメインモータが駆動すると駆動軸19が回転して、それに連れて回転するようになっている。このトルクリミッタ17は、搬送トルク42が負荷トルク41よりも小さくなるように駆動軸19から搬送ローラ13に伝達するトルクを制御しており、搬送トルク以上のトルクがかかると、駆動軸19のみ回転するようになっている。
搬送コロ14はスプリング15により搬送ローラ13に向けて付勢され、搬送ローラ13に当接した状態では搬送ローラ13に対し従動回転する従動コロであり、搬送ローラ13との間に用紙をニップして搬送することができる。
【0024】
また、搬送ローラ13は、駆動軸19に沿う方向の力が加わった場合に駆動軸19上を駆動軸19に沿ってスライド可能に構成している。さらに、搬送ローラ13は、一端が駆動軸19に固定された付勢手段である圧縮スプリング16により、駆動軸19に沿う方向の力がなくなると、自動的に駆動軸19上の定位置(圧縮スプリング16が自然長となる位置)に復帰できる構成としている。
【0025】
なお、後述するように、図3に示すスキュー補正機構では、スキューを補正する際に搬送ローラ13には駆動軸19に沿って端部に向かう力がかかるため、圧縮スプリング16を搬送ローラ13の外側に設けているが、内側に引張スプリングを設けても同様の効果が得られる。そのほかにも、搬送ローラ13に加わると想定される力の向きに応じて適宜搬送ローラ13を駆動軸19上の定位置に復帰させるための構成を採用することができる。
【0026】
このような構成を設けたスキュー補正機構においてロール紙Rを搬送する場合、まず給紙ローラ11と給紙コロ12によりロール紙Rを挟持して負荷トルク41よりも強い搬送力で搬送し、ロール紙先端を搬送ローラ13と搬送コロ14のニップ部分に送り込んでいったん搬送を停止する。
そして、給紙ローラ11の停止後、給紙コロ12を離間させて搬送力をロール紙Rに伝達しないようにしつつ、駆動軸19を回転させて搬送ローラ13の駆動を開始する。この状態では、搬送ローラ13による搬送トルク42がロール紙Rに伝わる。
【0027】
しかし、トルクリミッタ17により、搬送トルク42を搬送方向逆側の負荷トルク41より弱い値に設定しているため、ロール紙Rは搬送されない。また、搬送ローラ13と搬送コロ14のニップ部分にてロール紙Rを挟む力が、負荷トルク41よりも大きくなるようにしており、搬送ローラ13と搬送コロ14がロール紙Rを挟持した状態では、負荷トルク41によりロール紙Rが搬送方向逆方向に引き戻されることもない。
従って、図3の状態のように搬送途中でスキューが生じておらずロール紙に弛みがなく張っている状態だと、搬送ローラ13はほとんど回転せずに、駆動軸19が空転する。
【0028】
そして、図示しない回転数検知センサにより搬送ローラ13a,13bの回転数をそれぞれ検知し、このように回転しないこと、あるいはわずかに回転しても回転数に差がないことを検出すると、離間させておいた給紙コロ12を再び給紙ローラ11に当接し、ロール紙Rに搬送力を伝えて搬送を再開する。
以上のような動作は、CPU,ROM,RAM等から成る不図示の制御部が、スキュー補正機構の各部の動作を制御することにより実現できる。
【0029】
次に、ロール紙Rが搬送方向左側へスキューした場合のスキュー補正について図5乃至図7を参照しながら具体的に説明する。図5は、ロール紙が左側にスキューしている状態を示した図3と対応する図であり、図6は、左スキュー補正時に搬送ローラがスライドしている状態を示した図4と対応する図であり、図7は、左スキュー補正後に搬送コロを搬送ローラから離間させた状態を示した図である。
【0030】
図5に示すように、給紙ローラ11による搬送の途中でロール紙Rが左側へスキューした場合は、ロール紙Rの左端部領域に弛みが生じ、逆に右端部領域はロール紙Rが緊張した状態となる。
この状態でロール紙Rが搬送ローラ13と搬送コロ14のニップ部分に送り込まれた場合、駆動軸19を回転させると、弛みが生じている左端部領域では、その弛みが解消されるまで搬送ローラ13aが回転してロール紙を搬送する。ロール紙Rが緊張状態でないので、弛みが解消されるまでは負荷トルク41があっても低いトルクで用紙を搬送可能なためである。
【0031】
一方、右端部領域の搬送ローラ13bの部分では、ロール紙Rが緊張しているため、上述のスキューがない場合と同様、搬送ローラ13bは回転しない。
しかし、搬送ローラ13aの回転に伴い左端部領域の撓みが解消するに連れて、ロール紙Rは図5に破線で示す定位置(スキューがない状態の位置)に移動していき、搬送ローラ13bは、そのロール紙Rから駆動軸19に沿う外向きの力を受けることになる。そして、この力により、搬送ローラ13bは図6に示すように駆動軸19に沿って外側(図で右側)にスライドする。
【0032】
そして、徐々にスキューが補正されていくに連れて、左端部領域の搬送ローラ13aは回転しなくなり、ロール紙Rが定位置に戻ったときには、図3と同様な状態となり、搬送ローラ13a,13bの回転数に差がなくなる(どちらも回転しない状態となる)。このように回転数の差がなくなって回転数が一致することを図示しない回転数検知センサにより検知した場合に、スキュー補正が完了したものとみなすことができる。
【0033】
ここで、スキュー補正後の搬送ローラ13bは、図6に示すように右側にスライドしている状態のため、圧縮スプリング16bの反力による再スキューを防止する必要がある。
そこで、スキュー補正後に図7に示すように図示しない駆動手段により図で下向きに力を加えて搬送コロ14a,14bを搬送ローラ13a,13bから離間させることにより、搬送ローラ13bを解放する。そして、この状態では搬送ローラ13bには駆動軸19に沿う方向の力はかからないため、圧縮スプリング16bの付勢力により、搬送ローラ13bは定位置に復帰する。
【0034】
このとき、搬送コロ14a,14bを搬送ローラ13a,13bから離間させることに連動して、ロール紙Rに対する負荷トルク41を与えるのを停止するようにしてもよい。このことにより、搬送コロ14a,14b離間中にロール紙Rが搬送方向逆側に引っ張られることを防止することができる。
これらの後、給紙コロ12を給紙ローラ11に圧接させ、給紙ローラ11による搬送を再開する。
【0035】
次に、ロール紙Rが搬送方向右側へスキューした場合のスキュー補正について図8乃至図10を参照しながら具体的に説明する。図8は、ロール紙が右側にスキューしている状態を示した図3と対応する図であり、図9は、右スキュー補正時に搬送ローラがスライドしている状態を示した図4と対応する図であり、図10は、右スキュー補正後に搬送コロを搬送ローラから離間させた状態を示した図である。
【0036】
図8に示すように、給紙ローラ11による搬送の途中でロール紙Rが右側へスキューした場合は、ロール紙Rの右端部領域に弛みが生じ、逆に左端部領域はロール紙Rが緊張した状態となる。
この状態でロール紙Rが搬送ローラ13と搬送コロ14のニップ部分に送り込まれた場合、駆動軸19を回転させると、弛みが生じている右端部領域では、その弛みが解消されるまで搬送ローラ13bが回転してロール紙を搬送する。ロール紙Rが緊張状態でないので、弛みが解消されるまでは負荷トルク41があっても低いトルクで用紙を搬送可能なためである。
【0037】
一方、左端部領域の搬送ローラ13aの部分では、ロール紙Rが緊張しているため、上述のスキューがない場合と同様、搬送ローラ13aは回転しない。
しかし、搬送ローラ13bの回転に伴い右端部領域の撓みが解消するに連れて、ロール紙Rは図8に破線で示す定位置に移動していき、搬送ローラ13aは、そのロール紙Rから駆動軸19に沿う外向きの力を受けることになる。そして、この力により、搬送ローラ13aは図9に示すように駆動軸19に沿って外側(図で左側)にスライドする。
【0038】
そして、徐々にスキューが補正されていくに連れて、右端部領域の搬送ローラ13bは回転しなくなり、ロール紙Rが定位置に戻ったときには、図3と同様な状態となり、搬送ローラ13a,13bの回転数に差がなくなる(どちらも回転しない状態となる)。このように回転数の差がなくなって回転数が一致することを図示しない回転数検知センサにより検知した場合に、スキュー補正が完了したものとみなすことができる。
【0039】
ここで、スキュー補正後の搬送ローラ13aは、図9に示すように左側にスライドしている状態のため、圧縮スプリング16aの反力による再スキューを防止する必要がある。
そこで、スキュー補正後に図10に示すように図示しない駆動手段により図で下向きに力を加えて搬送コロ14a,14bを搬送ローラ13a,13bから離間させることにより、搬送ローラ13aを解放する。そして、この状態では搬送ローラ13aには駆動軸19に沿う方向の力はかからないため、圧縮スプリング16aの付勢力により、搬送ローラ13aは定位置に復帰する。基本的な考え方は、図5乃至7を用いて説明した左スキューの場合と同様である。
これらの後、給紙コロ12を給紙ローラ11に圧接させ、給紙ローラ11による搬送を再開する。
【0040】
次に、図11を参照しながらロール紙Rのスキュー量と、搬送ローラ13a,13bの回転数差の関係について具体的に説明する。図11は、そのスキュー量と回転数差の関係を示す図である。
この図において、縦軸はスキュー量を示しており(0から離れるほどスキュー量が大きくなる)、横軸は搬送ローラ13aと13bの回転数差の絶対値を示している。そして、図に示す通り、スキュー量が大きいほど回転数差の絶対値が大きく、スキューが徐々に補正されていくに連れて回転数の差がなくなっていき絶対値は0に収束していく。
従って、搬送ローラ13aと13bの回転数差がなくなるか、あるいはその絶対値が一定の閾値以下になった場合に、スキューがない、すなわちスキュー補正が完了したとみなすことができる。
【0041】
次に、図12を参照しながらスキュー補正を行う際の処理について具体的に説明する。図12は、その処理を示すフローチャートである。
図1に示した画像形成装置10においては、このフローチャートに示す処理は、不図示の制御部のCPUが、所要のプログラムを実行することにより行うものである。
制御部のCPUは、印刷指示等に応じてロール紙Rを画像形成部20に給紙する場合、図12のフローチャートに示す処理を開始する。
そしてまず、給紙ローラ11により、ロール紙Rを搬送ローラ13と搬送コロ14のニップ部分まで搬送して停止する(S11)。その後、給紙コロ12を給紙ローラ11から離間させて、ロール紙Rへの圧力を解除する(S12)と共に、搬送ローラ13a及び13bの駆動軸19を搬送方向に駆動する(S13)。
【0042】
ここで、スキューが生じていない場合は、搬送ローラ13aと13b間に回転差がないため、ステップS14の判定でNoとなりステップS15に進む。一方、搬送ローラ13aと13b間に一定以上の回転差がある間は、スキューが生じているものとして、スキュー補正が終了するまでウェイト処理を行う(S14のYes方向)。
【0043】
そして、スキューが初めから生じていないか、又は搬送ローラ13a及び13bによるスキュー補正が終了すると、処理はステップS14からS15に進み、搬送コロ14a,14bを搬送ローラ13a,13bから一旦離間させ、その後再度圧接させる(S15)。これにより、圧縮スプリング16の弾性力で搬送ローラ13a,13bを定位置に復帰させることができる。
その後、ステップS12で離間させた給紙コロ12を再び給紙ローラ11へ圧接し、ロール紙Rの搬送を再開し(S16)、スキュー補正に係る処理を終了する。
【0044】
以上説明してきた画像形成装置10におけるスキュー補正機構によれば、スキュー補正に際して用紙をどこかに突き当てる必要がないため、用紙先端が誤って斜めにカットされたような場合でも、特にこのことに影響されることなくスキュー補正を行うことができる。
【0045】
また、スキュー補正時に搬送ローラ13が駆動軸19上をスライド可能な構成となっていることから、スキュー補正を行う際にロール紙Rを搬送ローラ13に対してスリップさせることなく、または少ないスリップ量でスキューを補正することができる。そしてこのため、比較的高速にロール紙Rのスキューを補正したとしても、搬送ローラ13と搬送コロ14の間のニップに起因する用紙の弛みやシワが発生しないようにすることができる。
また、圧縮スプリング16を設けたことにより、スキュー補正後にスライドした搬送ローラ13を、搬送コロ14を離間させることで定位置にリセットすることができる。このことにより、圧縮スプリング16の反力によって再スキューが生じてしまうことを防止することができる。
【0046】
〔変形例〕
以上で実施形態の説明を終了するが、この発明において、各部の具体的な構成や処理の内容は、実施形態で説明したものに限るものではない。
例えば、図13及び図14に示すように、付勢手段として、圧縮スプリング16に代えて引張スプリング36を駆動軸19上の搬送ローラ13の内側に設けてもよい。この場合、スキュー補正時には、搬送ローラ13が外側にスライドすることにより引張スプリング36が伸長され、搬送コロ14を離間させると引張スプリング36の復元力により搬送ローラ13が定位置に復帰されることになる。
【0047】
また、搬送ローラ13を定位置に復帰させる手段は、スプリングに限らず任意の機械部材により構成することができる。例えば、搬送ローラ13の両側にスライド可能領域となる空間を空けて固設されたソレノイドを各々設け、搬送ローラ13が定位置からずれた場合にソレノイドを通電し可動芯を突出させることにより、搬送ローラ13をプッシュして定位置に戻す構成も考えられる。
【0048】
また、搬送ローラ13に加えて搬送コロ14と圧縮スプリング16も駆動軸19上で移動可能な構成とし、ロール紙R搬送前にこれらを一体として移動させることを可能とし、すなわち搬送ローラ13の定位置を調整可能とすることにより、スキュー補正機構をサイズの異なる用紙に対応可能な構成とすることもできる。この場合、搬送ローラ13a側と搬送ローラ13b側の少なくとも一方を移動可能とすればよい。またこの場合、用紙搬送中には、搬送ローラ13の定位置が移動することがないよう、圧縮スプリング16を固定する手段を設ける。また、搬送コロ14についても同様に固定するようにするとよい。
【0049】
また、以上の他、この発明は、画像形成装置として構成するだけでなく、用紙を搬送する用紙搬送装置や、用紙のスキューを補正するスキュー補正装置として構成することができる。スキューの補正対象も、紙ではなく任意のシート材でよい。もちろん、ロール状であることや、長尺であることも必須ではない。
また、この発明を画像形成装置として構成する場合も、装置の全体構成は図1及び図2に示したものに限られず、例えば電子写真方式の画像形成装置にも適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0050】
以上説明してきたように、この発明のスキュー補正装置、用紙搬送装置及び画像形成装置によれば、用紙先端の状態によらず、比較的高速かつ信頼性よく用紙のスキューを補正することができる。
従って、この発明を適用することにより、シート材搬送の信頼性を向上させることができる。
【符号の説明】
【0051】
10:画像形成装置、11:給紙ローラ、12:給紙コロ、13a,13b:搬送ローラ、14a,14b:搬送コロ、15:スプリング、16a,16b:圧縮スプリング、17a,17b:トルクリミッタ、19:駆動軸、20:画像形成部、21:キャリッジ、22:ガイドロッド、23:ガイドレール、24:駆動モータ、25:駆動プーリ、26:従動プーリ、27:ベルト部材、28:メインカートリッジ、30:ロール紙収納部、31:フランジ受け、32:フランジ、41:負荷トルク、42a,42b:搬送トルク
【先行技術文献】
【特許文献】
【0052】
【特許文献1】特開平7−267434号公報
【技術分野】
【0001】
この発明は、用紙を搬送する際に用紙のスキューを補正するスキュー補正装置、このようなスキュー補正装置を備えた用紙搬送装置、およびこのような用紙搬送装置を備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、用紙に画像形成を行う際などに、用紙が傾いた状態で搬送されないよう、スキュー補正を行うことが知られている。
このスキュー補正の方法としては、用紙先端をレジストローラやシャッタなどの突き当て部材に突き当てて補正を行う方法や、左右の搬送ローラを個別制御し、スキュー量に応じて左右の搬送ローラに周速差を持たせることで補正を行う方法などが既に知られている。
【0003】
また、特許文献1には、腰が強く、レジストローラに突き当てた際に撓まずにニップに食い込んでしまうような用紙でも確実にスキュー補正するために、レジストローラの上流にトルクリミッタを介して駆動力が伝達される搬送ローラを設け、用紙の先端がレジストローラに突き当たった後で過大な搬送力がかからないようにしたシート搬送装置が記載されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述したような、突き当て部材に用紙を突き当てる方法は、用紙の先端が搬送方向に垂直であることが前提となっている。
従って、例えば連続紙をカットしながら画像形成を行う場合において、誤って用紙先端が斜めにカットされてしまったような場合には、その先端を突き当て部材に突き当てても、スキューが正常に補正できないばかりか、逆に用紙の向きを先端に合わせて斜めにしてしまうことになるという問題があった。
【0005】
また、搬送ローラに周速差を持たせる方法では、2つ搬送ローラにより用紙に一定の圧力をかけて保持した状態で徐々に用紙の向きを変えるため、スキューの補正速度に限界があり、あまり高速に補正しようとすると、用紙に弛みやシワが発生してしまう恐れがあるという問題があった。
【0006】
この発明は、このような背景に鑑みてなされたものであり、用紙先端の状態によらず、比較的高速かつ信頼性よく用紙のスキューを補正できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するため、この発明のスキュー補正装置は、用紙を搬送するための一対の搬送ローラと、上記用紙に対して上記搬送ローラによる搬送方向と逆側に向けて力を加える負荷発生手段と、その搬送ローラを駆動して上記用紙に対して上記搬送方向に上記負荷発生手段による力より小さい力を加える搬送ローラ駆動手段とを設け、上記各搬送ローラが、上記搬送ローラ駆動手段による駆動中に、上記用紙の移動に伴い、その搬送ローラの軸に沿ってスライド可能としたものである。
【0008】
このようなスキュー補正装置において、上記搬送ローラの各々に対応して、その搬送ローラに当接して従動回転する従動コロと、その従動コロを上記搬送ローラから離間させる離間手段と、上記搬送ローラの各々をそれぞれ所定の定位置に向けて付勢し、上記離間手段による上記従動コロの離間に応じて上記搬送ローラを定位置に復帰させる付勢手段を設けるとよい。
【0009】
さらに、上記搬送ローラの各々の回転数を検知するための回転数検知手段を設け、上記搬送ローラ双方の回転数差が閾値以下になった場合に、上記離間手段に上記従動コロを上記搬送ローラから離間させる手段を設けるとよい。
さらにまた、少なくとも一方の搬送ローラについて、その搬送ローラの定位置を調整可能とするとよい。
【0010】
また、この発明の用紙搬送装置は、スキュー補正装置を備えた用紙搬送装置である。
また、この発明の画像形成装置は、用紙搬送装置により用紙を画像形成部に搬送する画像形成装置である。
【発明の効果】
【0011】
以上のようなこの発明のスキュー補正装置、用紙搬送装置及び画像形成装置によれば、用紙先端の状態によらず、比較的高速かつ信頼性よく用紙のスキューを補正することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】この発明の画像形成装置の概略構成を示した模式的な断面図である。
【図2】図1に示した画像形成装置の外観を示す斜視図である。
【図3】図1に示した画像形成装置が備えるスキュー補正機構を模式的に示した図である。
【図4】図3に示したスキュー補正機構の搬送ローラ部分の拡大図である。
【図5】図3に示したスキュー補正機構においてロール紙が左側にスキューしている状態を示した図である。
【図6】左スキュー補正時に搬送ローラがスライドしている状態を示した図である。
【図7】左スキュー補正後に搬送コロを搬送ローラから離間させた状態を示した図である。
【図8】図3に示したスキュー補正機構においてロール紙が右側にスキューしている状態を示した図である。
【図9】右スキュー補正時に搬送ローラがスライドしている状態を示した図である。
【図10】右スキュー補正後に搬送コロを搬送ローラから離間させた状態を示した図である。
【図11】スキュー量と左右の搬送ローラの回転数差の関係を示す図である。
【図12】スキュー補正を行う際に画像形成装置のCPUが実行する処理を示すフローチャートである。
【図13】この発明のスキュー補正機構の変形例を示した図3と対応する図である。
【図14】変形例のスキュー補正機構における搬送ローラ部分の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、この発明を実施するための形態を図面に基づいて具体的に説明する。
まず、図1及び図2を参照しながら、この発明のスキュー補正装置を備えた画像形成装置の実施形態の全体構成について説明する。図1及び図2は、それぞれその画像形成装置の概略構成を示した模式的な断面図とその画像形成装置の外観を示す斜視図である。
この画像形成装置10は、図1に示すように、画像形成部20、ロール紙収納部30、用紙吸引搬送部40及びカッターユニット50を備えている。画像形成部20は、図2に示すようにキャリッジ21、ガイドロッド22、ガイドレール23、駆動モータ24、駆動プーリ25、従動プーリ26、ベルト部材27、メインカートリッジ28、維持回復機構29を設けている。また、ロール紙収納部30は、フランジ受け31とフランジ32を設けている。
【0014】
このうち、画像形成部20は、図示しない両側板にガイドロッド22及びガイドレール23が掛け渡され、これらのガイドロッド22及びガイドレール23にキャリッジ21が矢印A方向に摺動可能に保持されている。
そして、このキャリッジ21は、画像形成用のブラック(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の各色のインク滴を吐出する液体吐出ヘッドと、図示しない各記録ヘッドにインクを供給するサブタンクとを一体的に備えるとともに、駆動モータ24、駆動プーリ25、従動プーリ26、ベルト部材27からなる主走査機構により矢印A方向の主走査方向に沿って移動走査が可能となる。
【0015】
具体的には、キャリッジ21の背面側に設けられた図示しないベルト固定部がベルト部材27に固定保持されていることから、ベルト部材27が駆動モータ24によって回転駆動される駆動プーリ25と従動プーリ26との間を周回すると、それに連れて主走査方向(矢印A方向)に移動可能となる。
なお、従動プーリ26は、図示しないテンションスプリングによって外側(駆動プーリ25に対して離れる方向)にテンションがかけられている。また、主走査方向に沿って図示しないエンコーダシートが配置されており、キャリッジ21に設けた図示しないエンコーダセンサによってエンコーダシートを読取ることにより、キャリッジ21の主走査位置を検知するようにしている。
【0016】
そして、このキャリッジ21における主走査領域のうち、記録領域では、連続紙であるロール紙Rが用紙吸引搬送部40によってキャリッジ21の主走査方向と直行する方向(副走査方向:矢印B方向)に間欠的に搬送される。
また、主走査領域のうち、一方の端部側領域には、インク滴の固着や吐出不良を防止して、各記録ヘッドの性能の維持回復を行うための維持回復機構29が配置されている。さらに、主走査方向のキャリッジ移動領域外、又は主走査領域のうち他方の端部側領域には、記録ヘッドのサブタンクに供給する各色のインクを収容したメインカートリッジ28が着脱自在に装着される。
【0017】
一方、ロール紙収納部30は、ロール紙Rの紙軸に両端からフランジ32を装着してフランジ受け31に載置するためのものである。このフランジ受け31の内部には、図示しない支持コロが設けられ、支持コロがフランジ32の外周と当接することでフランジ32が回転し、ロール紙Rを給紙することができる。
なお、一方のフランジ32とフランジ受け31を側壁側に固定し、他方のフランジ32とフランジ受け31を一体としてロール紙Rの幅方向に移動可能な構成にすることにより、サイズの異なるロール紙Rを収納するようにしてもよい。また、図示の状態では、ロール紙収納部30は、ロール紙Rを1段のみ装着しているが、別サイズのロール紙を上下に複数段備えてもよい。
また、カッターユニット50は、画像形成部20による画像形成後のロール紙Rを排紙する前に所定の長さにカットするためのものである。
【0018】
以上の構成を備える画像形成装置10のロール紙収納部30から給紙されたロール紙Rは、図1に示す給紙ローラ11、給紙コロ12、搬送ローラ13、搬送コロ14などを備えるスキュー補正機構により搬送途中でいったんスキュー補正がなされた後、画像形成部20へ搬送される。そして、画像形成部20のキャリッジ21が間欠的に送り込まれるロール紙Rに対して画像形成を行った後、ロール紙Rはカッタユニット50により排紙手前の位置で所定の長さにカットされて、画像形成装置10の正面に配置された図示しない排紙トレイへ排出される。
なお、複数段のロール紙を用いる場合、各段のロール紙が給紙時に干渉しないようにするため、カット後のロール紙Rに次の画像を形成する際に、いったん給紙ローラ11、給紙コロ12付近まで引き戻して再搬送を開始することができる。
【0019】
そして、このような画像形成装置10における1つの特徴は、給紙ローラ11、給紙コロ12、搬送ローラ13、搬送コロ14などを備えるスキュー補正機構により行われるスキュー補正である。そこで、以下このスキュー補正機構について説明する。
【0020】
次に、図3及び図4を参照しながらスキュー補正機構の詳細について具体的に説明する。図3は、画像形成装置におけるスキュー補正機構を模式的に示した図であり、図4は、搬送ローラ部分の拡大図である。
【0021】
このスキュー補正機構は、給紙ローラ11、給紙コロ12、搬送ローラ13a,13b、搬送コロ14a,14b、圧縮スプリング16a,16b、トルクリミッタ17a,17b及び図示しない回転数検知センサを設けている。なお、図中で「a」,「b」を含む符号で示している構成要素につき、個体を区別しないで指す場合には、「a」及び「b」を含まない符号を用いて指すことにする。
【0022】
図3に示した構成のうち、給紙ローラ11は、セットされたロール紙Rを搬送方向下流側に搬送するためのものであり、給紙コロ12は、給紙ローラ11と圧接して従動回転するローラであり、両端に設けられたスプリングを含む接離機構により給紙ローラ11と接離可能な構成となっている。
なお、給紙ローラ11によりロール紙Rを給紙する際に弛みが発生することを防止するため、図示しない負荷発生装置により、ロール紙Rに対して負荷トルク41を与え搬送方向と逆側に向けてバックテンションをかけている。
【0023】
搬送ローラ13は、図4に示すように中心に挿入された駆動軸19(図3では図示を省略した)にトルクリミッタ17を介して支持されており、図示しないメインモータが駆動すると駆動軸19が回転して、それに連れて回転するようになっている。このトルクリミッタ17は、搬送トルク42が負荷トルク41よりも小さくなるように駆動軸19から搬送ローラ13に伝達するトルクを制御しており、搬送トルク以上のトルクがかかると、駆動軸19のみ回転するようになっている。
搬送コロ14はスプリング15により搬送ローラ13に向けて付勢され、搬送ローラ13に当接した状態では搬送ローラ13に対し従動回転する従動コロであり、搬送ローラ13との間に用紙をニップして搬送することができる。
【0024】
また、搬送ローラ13は、駆動軸19に沿う方向の力が加わった場合に駆動軸19上を駆動軸19に沿ってスライド可能に構成している。さらに、搬送ローラ13は、一端が駆動軸19に固定された付勢手段である圧縮スプリング16により、駆動軸19に沿う方向の力がなくなると、自動的に駆動軸19上の定位置(圧縮スプリング16が自然長となる位置)に復帰できる構成としている。
【0025】
なお、後述するように、図3に示すスキュー補正機構では、スキューを補正する際に搬送ローラ13には駆動軸19に沿って端部に向かう力がかかるため、圧縮スプリング16を搬送ローラ13の外側に設けているが、内側に引張スプリングを設けても同様の効果が得られる。そのほかにも、搬送ローラ13に加わると想定される力の向きに応じて適宜搬送ローラ13を駆動軸19上の定位置に復帰させるための構成を採用することができる。
【0026】
このような構成を設けたスキュー補正機構においてロール紙Rを搬送する場合、まず給紙ローラ11と給紙コロ12によりロール紙Rを挟持して負荷トルク41よりも強い搬送力で搬送し、ロール紙先端を搬送ローラ13と搬送コロ14のニップ部分に送り込んでいったん搬送を停止する。
そして、給紙ローラ11の停止後、給紙コロ12を離間させて搬送力をロール紙Rに伝達しないようにしつつ、駆動軸19を回転させて搬送ローラ13の駆動を開始する。この状態では、搬送ローラ13による搬送トルク42がロール紙Rに伝わる。
【0027】
しかし、トルクリミッタ17により、搬送トルク42を搬送方向逆側の負荷トルク41より弱い値に設定しているため、ロール紙Rは搬送されない。また、搬送ローラ13と搬送コロ14のニップ部分にてロール紙Rを挟む力が、負荷トルク41よりも大きくなるようにしており、搬送ローラ13と搬送コロ14がロール紙Rを挟持した状態では、負荷トルク41によりロール紙Rが搬送方向逆方向に引き戻されることもない。
従って、図3の状態のように搬送途中でスキューが生じておらずロール紙に弛みがなく張っている状態だと、搬送ローラ13はほとんど回転せずに、駆動軸19が空転する。
【0028】
そして、図示しない回転数検知センサにより搬送ローラ13a,13bの回転数をそれぞれ検知し、このように回転しないこと、あるいはわずかに回転しても回転数に差がないことを検出すると、離間させておいた給紙コロ12を再び給紙ローラ11に当接し、ロール紙Rに搬送力を伝えて搬送を再開する。
以上のような動作は、CPU,ROM,RAM等から成る不図示の制御部が、スキュー補正機構の各部の動作を制御することにより実現できる。
【0029】
次に、ロール紙Rが搬送方向左側へスキューした場合のスキュー補正について図5乃至図7を参照しながら具体的に説明する。図5は、ロール紙が左側にスキューしている状態を示した図3と対応する図であり、図6は、左スキュー補正時に搬送ローラがスライドしている状態を示した図4と対応する図であり、図7は、左スキュー補正後に搬送コロを搬送ローラから離間させた状態を示した図である。
【0030】
図5に示すように、給紙ローラ11による搬送の途中でロール紙Rが左側へスキューした場合は、ロール紙Rの左端部領域に弛みが生じ、逆に右端部領域はロール紙Rが緊張した状態となる。
この状態でロール紙Rが搬送ローラ13と搬送コロ14のニップ部分に送り込まれた場合、駆動軸19を回転させると、弛みが生じている左端部領域では、その弛みが解消されるまで搬送ローラ13aが回転してロール紙を搬送する。ロール紙Rが緊張状態でないので、弛みが解消されるまでは負荷トルク41があっても低いトルクで用紙を搬送可能なためである。
【0031】
一方、右端部領域の搬送ローラ13bの部分では、ロール紙Rが緊張しているため、上述のスキューがない場合と同様、搬送ローラ13bは回転しない。
しかし、搬送ローラ13aの回転に伴い左端部領域の撓みが解消するに連れて、ロール紙Rは図5に破線で示す定位置(スキューがない状態の位置)に移動していき、搬送ローラ13bは、そのロール紙Rから駆動軸19に沿う外向きの力を受けることになる。そして、この力により、搬送ローラ13bは図6に示すように駆動軸19に沿って外側(図で右側)にスライドする。
【0032】
そして、徐々にスキューが補正されていくに連れて、左端部領域の搬送ローラ13aは回転しなくなり、ロール紙Rが定位置に戻ったときには、図3と同様な状態となり、搬送ローラ13a,13bの回転数に差がなくなる(どちらも回転しない状態となる)。このように回転数の差がなくなって回転数が一致することを図示しない回転数検知センサにより検知した場合に、スキュー補正が完了したものとみなすことができる。
【0033】
ここで、スキュー補正後の搬送ローラ13bは、図6に示すように右側にスライドしている状態のため、圧縮スプリング16bの反力による再スキューを防止する必要がある。
そこで、スキュー補正後に図7に示すように図示しない駆動手段により図で下向きに力を加えて搬送コロ14a,14bを搬送ローラ13a,13bから離間させることにより、搬送ローラ13bを解放する。そして、この状態では搬送ローラ13bには駆動軸19に沿う方向の力はかからないため、圧縮スプリング16bの付勢力により、搬送ローラ13bは定位置に復帰する。
【0034】
このとき、搬送コロ14a,14bを搬送ローラ13a,13bから離間させることに連動して、ロール紙Rに対する負荷トルク41を与えるのを停止するようにしてもよい。このことにより、搬送コロ14a,14b離間中にロール紙Rが搬送方向逆側に引っ張られることを防止することができる。
これらの後、給紙コロ12を給紙ローラ11に圧接させ、給紙ローラ11による搬送を再開する。
【0035】
次に、ロール紙Rが搬送方向右側へスキューした場合のスキュー補正について図8乃至図10を参照しながら具体的に説明する。図8は、ロール紙が右側にスキューしている状態を示した図3と対応する図であり、図9は、右スキュー補正時に搬送ローラがスライドしている状態を示した図4と対応する図であり、図10は、右スキュー補正後に搬送コロを搬送ローラから離間させた状態を示した図である。
【0036】
図8に示すように、給紙ローラ11による搬送の途中でロール紙Rが右側へスキューした場合は、ロール紙Rの右端部領域に弛みが生じ、逆に左端部領域はロール紙Rが緊張した状態となる。
この状態でロール紙Rが搬送ローラ13と搬送コロ14のニップ部分に送り込まれた場合、駆動軸19を回転させると、弛みが生じている右端部領域では、その弛みが解消されるまで搬送ローラ13bが回転してロール紙を搬送する。ロール紙Rが緊張状態でないので、弛みが解消されるまでは負荷トルク41があっても低いトルクで用紙を搬送可能なためである。
【0037】
一方、左端部領域の搬送ローラ13aの部分では、ロール紙Rが緊張しているため、上述のスキューがない場合と同様、搬送ローラ13aは回転しない。
しかし、搬送ローラ13bの回転に伴い右端部領域の撓みが解消するに連れて、ロール紙Rは図8に破線で示す定位置に移動していき、搬送ローラ13aは、そのロール紙Rから駆動軸19に沿う外向きの力を受けることになる。そして、この力により、搬送ローラ13aは図9に示すように駆動軸19に沿って外側(図で左側)にスライドする。
【0038】
そして、徐々にスキューが補正されていくに連れて、右端部領域の搬送ローラ13bは回転しなくなり、ロール紙Rが定位置に戻ったときには、図3と同様な状態となり、搬送ローラ13a,13bの回転数に差がなくなる(どちらも回転しない状態となる)。このように回転数の差がなくなって回転数が一致することを図示しない回転数検知センサにより検知した場合に、スキュー補正が完了したものとみなすことができる。
【0039】
ここで、スキュー補正後の搬送ローラ13aは、図9に示すように左側にスライドしている状態のため、圧縮スプリング16aの反力による再スキューを防止する必要がある。
そこで、スキュー補正後に図10に示すように図示しない駆動手段により図で下向きに力を加えて搬送コロ14a,14bを搬送ローラ13a,13bから離間させることにより、搬送ローラ13aを解放する。そして、この状態では搬送ローラ13aには駆動軸19に沿う方向の力はかからないため、圧縮スプリング16aの付勢力により、搬送ローラ13aは定位置に復帰する。基本的な考え方は、図5乃至7を用いて説明した左スキューの場合と同様である。
これらの後、給紙コロ12を給紙ローラ11に圧接させ、給紙ローラ11による搬送を再開する。
【0040】
次に、図11を参照しながらロール紙Rのスキュー量と、搬送ローラ13a,13bの回転数差の関係について具体的に説明する。図11は、そのスキュー量と回転数差の関係を示す図である。
この図において、縦軸はスキュー量を示しており(0から離れるほどスキュー量が大きくなる)、横軸は搬送ローラ13aと13bの回転数差の絶対値を示している。そして、図に示す通り、スキュー量が大きいほど回転数差の絶対値が大きく、スキューが徐々に補正されていくに連れて回転数の差がなくなっていき絶対値は0に収束していく。
従って、搬送ローラ13aと13bの回転数差がなくなるか、あるいはその絶対値が一定の閾値以下になった場合に、スキューがない、すなわちスキュー補正が完了したとみなすことができる。
【0041】
次に、図12を参照しながらスキュー補正を行う際の処理について具体的に説明する。図12は、その処理を示すフローチャートである。
図1に示した画像形成装置10においては、このフローチャートに示す処理は、不図示の制御部のCPUが、所要のプログラムを実行することにより行うものである。
制御部のCPUは、印刷指示等に応じてロール紙Rを画像形成部20に給紙する場合、図12のフローチャートに示す処理を開始する。
そしてまず、給紙ローラ11により、ロール紙Rを搬送ローラ13と搬送コロ14のニップ部分まで搬送して停止する(S11)。その後、給紙コロ12を給紙ローラ11から離間させて、ロール紙Rへの圧力を解除する(S12)と共に、搬送ローラ13a及び13bの駆動軸19を搬送方向に駆動する(S13)。
【0042】
ここで、スキューが生じていない場合は、搬送ローラ13aと13b間に回転差がないため、ステップS14の判定でNoとなりステップS15に進む。一方、搬送ローラ13aと13b間に一定以上の回転差がある間は、スキューが生じているものとして、スキュー補正が終了するまでウェイト処理を行う(S14のYes方向)。
【0043】
そして、スキューが初めから生じていないか、又は搬送ローラ13a及び13bによるスキュー補正が終了すると、処理はステップS14からS15に進み、搬送コロ14a,14bを搬送ローラ13a,13bから一旦離間させ、その後再度圧接させる(S15)。これにより、圧縮スプリング16の弾性力で搬送ローラ13a,13bを定位置に復帰させることができる。
その後、ステップS12で離間させた給紙コロ12を再び給紙ローラ11へ圧接し、ロール紙Rの搬送を再開し(S16)、スキュー補正に係る処理を終了する。
【0044】
以上説明してきた画像形成装置10におけるスキュー補正機構によれば、スキュー補正に際して用紙をどこかに突き当てる必要がないため、用紙先端が誤って斜めにカットされたような場合でも、特にこのことに影響されることなくスキュー補正を行うことができる。
【0045】
また、スキュー補正時に搬送ローラ13が駆動軸19上をスライド可能な構成となっていることから、スキュー補正を行う際にロール紙Rを搬送ローラ13に対してスリップさせることなく、または少ないスリップ量でスキューを補正することができる。そしてこのため、比較的高速にロール紙Rのスキューを補正したとしても、搬送ローラ13と搬送コロ14の間のニップに起因する用紙の弛みやシワが発生しないようにすることができる。
また、圧縮スプリング16を設けたことにより、スキュー補正後にスライドした搬送ローラ13を、搬送コロ14を離間させることで定位置にリセットすることができる。このことにより、圧縮スプリング16の反力によって再スキューが生じてしまうことを防止することができる。
【0046】
〔変形例〕
以上で実施形態の説明を終了するが、この発明において、各部の具体的な構成や処理の内容は、実施形態で説明したものに限るものではない。
例えば、図13及び図14に示すように、付勢手段として、圧縮スプリング16に代えて引張スプリング36を駆動軸19上の搬送ローラ13の内側に設けてもよい。この場合、スキュー補正時には、搬送ローラ13が外側にスライドすることにより引張スプリング36が伸長され、搬送コロ14を離間させると引張スプリング36の復元力により搬送ローラ13が定位置に復帰されることになる。
【0047】
また、搬送ローラ13を定位置に復帰させる手段は、スプリングに限らず任意の機械部材により構成することができる。例えば、搬送ローラ13の両側にスライド可能領域となる空間を空けて固設されたソレノイドを各々設け、搬送ローラ13が定位置からずれた場合にソレノイドを通電し可動芯を突出させることにより、搬送ローラ13をプッシュして定位置に戻す構成も考えられる。
【0048】
また、搬送ローラ13に加えて搬送コロ14と圧縮スプリング16も駆動軸19上で移動可能な構成とし、ロール紙R搬送前にこれらを一体として移動させることを可能とし、すなわち搬送ローラ13の定位置を調整可能とすることにより、スキュー補正機構をサイズの異なる用紙に対応可能な構成とすることもできる。この場合、搬送ローラ13a側と搬送ローラ13b側の少なくとも一方を移動可能とすればよい。またこの場合、用紙搬送中には、搬送ローラ13の定位置が移動することがないよう、圧縮スプリング16を固定する手段を設ける。また、搬送コロ14についても同様に固定するようにするとよい。
【0049】
また、以上の他、この発明は、画像形成装置として構成するだけでなく、用紙を搬送する用紙搬送装置や、用紙のスキューを補正するスキュー補正装置として構成することができる。スキューの補正対象も、紙ではなく任意のシート材でよい。もちろん、ロール状であることや、長尺であることも必須ではない。
また、この発明を画像形成装置として構成する場合も、装置の全体構成は図1及び図2に示したものに限られず、例えば電子写真方式の画像形成装置にも適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0050】
以上説明してきたように、この発明のスキュー補正装置、用紙搬送装置及び画像形成装置によれば、用紙先端の状態によらず、比較的高速かつ信頼性よく用紙のスキューを補正することができる。
従って、この発明を適用することにより、シート材搬送の信頼性を向上させることができる。
【符号の説明】
【0051】
10:画像形成装置、11:給紙ローラ、12:給紙コロ、13a,13b:搬送ローラ、14a,14b:搬送コロ、15:スプリング、16a,16b:圧縮スプリング、17a,17b:トルクリミッタ、19:駆動軸、20:画像形成部、21:キャリッジ、22:ガイドロッド、23:ガイドレール、24:駆動モータ、25:駆動プーリ、26:従動プーリ、27:ベルト部材、28:メインカートリッジ、30:ロール紙収納部、31:フランジ受け、32:フランジ、41:負荷トルク、42a,42b:搬送トルク
【先行技術文献】
【特許文献】
【0052】
【特許文献1】特開平7−267434号公報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙を搬送するための一対の搬送ローラと、
前記用紙に対して前記搬送ローラによる搬送方向と逆側に向けて力を加える負荷発生手段と、
前記搬送ローラを駆動して前記用紙に対して前記搬送方向に前記負荷発生手段による力より小さい力を加える搬送ローラ駆動手段とを備え、
前記各搬送ローラが、前記搬送ローラ駆動手段による駆動中に、前記用紙の移動に伴い、該搬送ローラの軸に沿ってスライド可能であることを特徴とするスキュー補正装置。
【請求項2】
請求項1に記載のスキュー補正装置であって、
前記搬送ローラの各々に対応して、該搬送ローラに当接して従動回転する従動コロと、
該従動コロを前記搬送ローラから離間させる離間手段と、
前記搬送ローラの各々をそれぞれ所定の定位置に向けて付勢し、前記離間手段による前記従動コロの離間に応じて前記搬送ローラを定位置に復帰させる付勢手段を備えたことを特徴とするスキュー補正装置。
【請求項3】
請求項2に記載のスキュー補正装置であって、
前記搬送ローラの各々の回転数を検知するための回転数検知手段を設け、
前記搬送ローラ双方の回転数差が閾値以下になった場合に、前記離間手段に前記従動コロを前記搬送ローラから離間させる手段を備えたことを特徴とするスキュー補正装置。
【請求項4】
請求項2又は3に記載のスキュー補正装置であって、
少なくとも一方の搬送ローラについて、該搬送ローラの定位置を調整可能としたことを特徴とするスキュー補正装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか一項に記載のスキュー補正装置を備えた用紙搬送装置。
【請求項6】
請求項5に記載の用紙搬送装置により用紙を画像形成部に搬送する画像形成装置。
【請求項1】
用紙を搬送するための一対の搬送ローラと、
前記用紙に対して前記搬送ローラによる搬送方向と逆側に向けて力を加える負荷発生手段と、
前記搬送ローラを駆動して前記用紙に対して前記搬送方向に前記負荷発生手段による力より小さい力を加える搬送ローラ駆動手段とを備え、
前記各搬送ローラが、前記搬送ローラ駆動手段による駆動中に、前記用紙の移動に伴い、該搬送ローラの軸に沿ってスライド可能であることを特徴とするスキュー補正装置。
【請求項2】
請求項1に記載のスキュー補正装置であって、
前記搬送ローラの各々に対応して、該搬送ローラに当接して従動回転する従動コロと、
該従動コロを前記搬送ローラから離間させる離間手段と、
前記搬送ローラの各々をそれぞれ所定の定位置に向けて付勢し、前記離間手段による前記従動コロの離間に応じて前記搬送ローラを定位置に復帰させる付勢手段を備えたことを特徴とするスキュー補正装置。
【請求項3】
請求項2に記載のスキュー補正装置であって、
前記搬送ローラの各々の回転数を検知するための回転数検知手段を設け、
前記搬送ローラ双方の回転数差が閾値以下になった場合に、前記離間手段に前記従動コロを前記搬送ローラから離間させる手段を備えたことを特徴とするスキュー補正装置。
【請求項4】
請求項2又は3に記載のスキュー補正装置であって、
少なくとも一方の搬送ローラについて、該搬送ローラの定位置を調整可能としたことを特徴とするスキュー補正装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか一項に記載のスキュー補正装置を備えた用紙搬送装置。
【請求項6】
請求項5に記載の用紙搬送装置により用紙を画像形成部に搬送する画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2012−126537(P2012−126537A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−280708(P2010−280708)
【出願日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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