説明

スクリーン及びスクリーンの製造方法

【課題】プロジェクターからの光を適度な角度分布で効率良く正面へ進行させ、高輝度かつ高コントラストな画像を安価に且つ容易に得られるスクリーンを提供する。
【解決手段】投写光を反射させて表示を行うスクリーンは、スクリーン素材の一方の面に微細形状が形成され、微細形状の面上の一部に金属反射膜が形成されている。微細形状は、スクリーンの平面内のある方向に沿って繰返しピッチByで形成され、金属反射膜は、その方向に沿って繰返しピッチAyで形成され、繰返しピッチAyと繰返しピッチByとが異なっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スクリーン、及びスクリーンの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プロジェクター等の投写型表示装置から投写された投写光をスクリーンで反射して画像を表示するスクリーンが知られている。特許文献1では、凹形状をなし、平面上に配列された複数の凹面部を有し、平面又は平面の延長面上の基準点から離れるに従って、基準点を中心とする放射方向における凹面部のピッチを増大させて凹面部を配列させるスクリーンが開示されている。これにより、プロジェクターからの光を適度な角度分布で効率良く正面へ進行させ、高輝度かつ高コントラストな画像が得られるとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−96883号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されるスクリーンは、プロジェクターからの投写光を正面方向に効率よく反射させる為、スクリーン上に形成された各凹部の特定位置に金属薄膜から成る反射膜が形成されている。プロジェクターは例えばスクリーンに対して下方に置かれ、そこからの投写光はスクリーンによって正面に向かって反射する。特許文献1には、この投写光を効率よく正面に進行させ、かつ外部からの光の反射を減ずる為に、スクリーンの凹面部の中心付近より上の位置に反射膜が形成されていることが開示されている。
【0005】
ここで、プロジェクターからの投写光が効率よく映像観賞者側に反射し、更に、コントラストの高い映像が得られるためには、凹部や凹部の特定位置に形成される反射膜が、スクリーンの左右方向の中心軸や、プロジェクターから投写される投写光の光軸に対して精度良く形成されていることが必要となる。
このような高い光学性能を有し、かつ、安価なスクリーン、および、このようなスクリーンを容易に製造することが可能なスクリーンの製造方法が要望されていた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述した課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
【0007】
(適用例1)本適用例のスクリーンは、投写光を反射させて表示領域に表示を行うスクリーンであって、スクリーン素材の一方の面に微細形状が形成されたスクリーン基材と、前記表示領域の前記微細形状の面に、金属反射層が形成された転写箔から転写形成された金属反射膜と、を備え、前記微細形状は、前記スクリーンの平面内の一方向に沿って繰返しピッチBx、前記一方向と垂直な他方向に沿って繰返しピッチByで形成され、前記金属反射膜は、前記一方向に沿って繰返しピッチAx、前記他方向に沿って繰返しピッチAyで形成され、少なくとも前記繰返しピッチAyと前記繰返しピッチByとが異なっていることを特徴とする。
【0008】
このようなスクリーンは、繰返しピッチAyと繰返しピッチByとが異なっているため、スクリーン基材に形成された微細形状と、微細形状の面に形成された金属反射膜との互いの位置が、スクリーンの平面内の位置によって徐々にずれて形成される。例えば、スクリーンの下部を基準とし、他方向を垂直方向とすると、微細形状と金属反射膜の位置ずれにより、スクリーン下部では、微細形状の中心付近に金属反射膜が形成され、スクリーン上部では、微細形状の上部に金属反射膜が形成される。その結果、スクリーンに対して下方に置かれたプロジェクターからの投写光が、スクリーンの金属反射膜が形成された部分で反射され、反射光が効率良く映像鑑賞者に向かう。また、スクリーンに対して上方からの外光は金属反射膜が形成されていない部分に当たる為、映像鑑賞者には外光の反射光は届かない。従って、コントラストの高い映像を得られるようになる。
【0009】
(適用例2)上記適用例のスクリーンにおいて、さらに繰返しピッチAxと繰返しピッチBxとが異なっていることを特徴とする。
【0010】
このようなスクリーンであれば、一方向を水平方向とすると、プロジェクターから水平方向にも広がりながら投写される投写光を、より効率よく映像鑑賞者の方向に反射させることが可能となる。
【0011】
(適用例3)本適用例のスクリーンは、投写光を反射させて表示領域に表示を行うスクリーンであって、スクリーン素材の一方の面に微細形状が形成されたスクリーン基材と、前記表示領域の前記微細形状の面に、金属反射層が形成された転写箔から転写形成された金属反射膜と、を備え、前記微細形状は、前記スクリーンの平面内の一方向に沿って繰返しピッチBx、前記一方向と垂直な他方向に沿って繰返しピッチByで形成され、前記金属反射膜は、前記一方向に沿って繰返しピッチAx、前記他方向に沿って繰返しピッチAyで形成され、少なくとも前記繰返しピッチAyと前記繰返しピッチByとは異なっており、前記金属反射膜は、少なくとも前記他方向に沿って、所定の個数からなるブロックを形成しており、前記ブロックが前記他方向に沿って並んで配置されていることを特徴とする。
【0012】
このようなスクリーンであれば、金属反射膜のブロックを並べて配置させることにより、大面積、且つコントラストの高いスクリーンが提供できるようになる。
【0013】
(適用例4)上記適用例のスクリーンにおいて、前記金属反射膜を保護する保護膜が、前記金属反射膜の形成面上に形成されていることを特徴とする。
【0014】
このようなスクリーンであれば、保護膜が金属反射膜を保護するので空気中の水分などが原因となる反射率の劣化を防止できるようになる。
【0015】
(適用例5)上記適用例のスクリーンにおいて、前記金属反射膜は、アルミニウム薄膜であることを特徴とする。
【0016】
このようなスクリーンであれば、可視光領域の反射率が平均して約90%と高く、また、プロジェクターの投写光の波長の増減が起こらず、忠実に反射することができ、コントラスト、色再現性の優れた安価なスクリーンを提供できる。
【0017】
(適用例6)上記適用例のスクリーンにおいて、前記スクリーン素材は、硬質塩化ビニル樹脂から成ることを特徴とする。
【0018】
このようなスクリーンであれば、金属反射膜が形成されない部分に外光が当たっても、反射率が大幅に低減されるので、プロジェクターからの投写光を効率よく映像鑑賞者に戻すことが可能となる。
【0019】
(適用例7)本適用例のスクリーンの製造方法は、投写光を反射させて表示を行うスクリーンの製造方法であって、スクリーン素材の一方の面に、平面型により微細形状を成型しスクリーン基材を形成する基材変形工程と、前記スクリーン素材の一方の面に、転写箔により少なくとも金属反射膜を転写形成する反射膜転写工程と、を有し、前記平面型は、前記微細形状が、前記スクリーンの平面内の一方向に沿って繰返しピッチBx、前記一方向と垂直な他方向に沿って繰返しピッチByで形成されるような形状を有しており、前記転写箔には、前記金属反射膜が、前記一方向に沿って繰返しピッチAx、前記他方向に沿って繰返しピッチAyで形成されるように、金属反射層が形成されており、少なくとも前記繰返しピッチAyと前記繰返しピッチByとが異なっていることを特徴とする。
【0020】
このようなスクリーンの製造方法であれば、微細形状と金属反射膜との繰返しピッチをずらすことにより、一定の周期性を有するスクリーンを簡易に製造できることになる。このことで、スクリーン製造の効率を高めることができる。
また、あらかじめ印刷法、フォトリソ法等の手段で、転写箔上に所望のピッチで金属反射層を点在形成することにより、生産効率が高くなり、安価に金属反射膜を転写形成できる。
【0021】
(適用例8)本適用例のスクリーンの製造方法は、投写光を反射させて表示を行うスクリーンの製造方法であって、スクリーン素材の一方の面に、平面型により微細形状を成型しスクリーン基材を形成する基材変形工程と、前記スクリーン素材の一方の面に、転写箔により少なくとも金属反射膜を転写形成する反射膜転写工程と、を有し、前記平面型は、前記微細形状が、前記スクリーンの平面内の一方向に沿って繰返しピッチBx、前記一方向と垂直な他方向に沿って繰返しピッチByで形成されるような形状を有しており、前記転写箔には、前記金属反射膜が、前記一方向に沿って繰返しピッチAx、前記他方向に沿って繰返しピッチAyで形成されるように、金属反射層が形成されており、少なくとも前記繰返しピッチAyと前記繰返しピッチByとが異なっており、前記転写箔には、さらに、前記金属反射膜が、少なくとも前記他方向に沿って所定の個数からなるブロックを形成するように、金属反射層が形成されていることを特徴とする。
【0022】
このようなスクリーンの製造方法であれば、金属反射膜のブロックを並べて配置させることにより、大面積、且つコントラストの高いスクリーンを簡易に製造できることができる。
【0023】
(適用例9)上記適用例のスクリーンの製造方法において、前記スクリーン素材と前記転写箔をそれぞれ搬送する工程と、前記スクリーン素材と前記転写箔とを重ね合わせ搬送する工程と、円筒ロール状に湾曲された円筒形の型と、ロールと、の間で、前記スクリーン素材と前記転写箔とに連続して加熱と加圧を行い、スクリーンを形成する工程と、前記スクリーンを巻き取る工程と、を含むことを特徴とする。
【0024】
このようなスクリーンの製造方法であれば、大面積のスクリーン素材と大面積の転写箔を、搬送経路中で重ね合わせ微細形状を成型することで、連続してスクリーンを製造できる。よって、微細形状と金属反射膜との繰返しピッチがずれて、一定の周期性を有する大型スクリーンを複数単位同時に、且つ連続して製造できる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】実施形態にかかるスクリーンS1の概略断面図。
【図2】実施形態にかかるスクリーンS2の概略断面図。
【図3】実施形態にかかるスクリーンS1の光の進路を表す図。
【図4】実施形態にかかるスクリーンS1の凹面形状の中心と金属反射膜の中心とのズレを表した概略図。
【図5】実施形態にかかるスクリーンS3の概略断面図。
【図6】実施形態にかかる保護膜及び反射膜転写工程と基材変形工程を同時に行う場合の概略図。
【図7】実施形態にかかるスクリーンS1に形成される凹面形状の配列状態を平面で示した概略図。
【図8】実施形態にかかるスクリーンS1に形成される金属反射膜の配列状態を平面で示した概略図。
【図9】実施形態にかかるスクリーンS3に形成される金属反射膜の配列状態を平面で示した概略図。
【図10】実施形態にかかるスクリーンS3の製造方法の概略を示した図。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下の実施形態を、図面を参照して説明する。
本実施形態において、各構成要素を図面上で認識できる程度の大きさとするため、各構成要素の寸法や比率を実際のものとは適宜異ならせて示している。また、図面では、説明の便宜上、xyz直交座標系を使用する。xyz直交座標系は、直立したスクリーンの延在方向(鉛直線方向)をy方向とする。また、直立したスクリーンの反射面に平行で、y方向に直交する方向をx方向とする。また、y方向及びx方向に直交する方向をz方向とする。また、図の上側を鉛直線方向の上側(上部)とし、図の下側を鉛直線方向の下側(下部)として説明する。
図1〜図5は、スクリーン投写面が鉛直線方向に延在するように直立させ、投写面方向である図の右側方向に映像観賞者(観賞者)、およびプロジェクターが配置された状態を、使用状態の一例として示している。
【0027】
(実施形態1)
(スクリーンの構造)
図1は本実施形態に関わるスクリーンS1の断面を模式的に示した図である。
図1に示すように、スクリーンS1は、スクリーン基材としての凹凸付スクリーン基材1を備えており、凹凸付スクリーン基材1は、光不透過基材からなるスクリーン素材8の一方の面に複数の凹面形状5が形成されたものである。
各凹面形状5の表面の一部には金属反射膜2が形成されている。さらに、金属反射膜2の表面には保護膜3が形成されている。
【0028】
スクリーン素材8は、硬質塩化ビニル樹脂から成る。他に、ポリエチレン、ポリプロピレン、スチレン樹脂、ブタジエン樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル、ポリアミド、ポリアセタール、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、メチルペンテン、ブチルペンテン、ポリカーボネイト等の熱可塑性樹脂を用いてもよい。
【0029】
スクリーン素材8に形成された凹面形状5は、図7に示すスクリーンS1の平面概略図のように、x方向に延びた配列線4に沿って形成されている。凹面形状5の曲率半径は例えば100μm程度である。図7では、概念的に配列線4の間隔を空けて示しているが、実際の配列線4は近接している。隣接する凹面形状5どうしによって形成される稜線の対角方向の距離の最小値は、例えば100μm程度である。
ここで、凹面形状5のx方向のピッチ(即ち、配列線4の水平方向のピッチ)を繰返しピッチBxとし、x方向と直交するy方向のピッチ(即ち、配列線4の垂直方向のピッチ)を繰返しピッチByとする。
【0030】
金属反射膜2はスクリーンS1に入射する光、そのうち主にプロジェクターからの光、を反射させるために形成されている。金属反射膜2は厚み約0.1μmのアルミニウム蒸着膜(アルミニウム薄膜)から成る。他に銀等の蒸着膜、光学多層膜であってもよい。
【0031】
各凹面形状5の表面において、金属反射膜2は凹面形状5の一部分に形成されている。凹面形状5に対する金属反射膜2の大きさは、面積比で1/2以下(50%以下)が望ましく、特に30%〜40%が望ましい。これは、スクリーンS1に対して下方に置かれたプロジェクターからの投写光を映像鑑賞者に向けて反射させ、部屋の天井に設置されている照明装置などからの外光は映像観賞者側へ進行させにくくするためである。詳しい構造や作用は後述する。
【0032】
保護膜3は、金属反射膜2の表面を保護するために形成されている。保護膜3は、厚み2μmの、ポリメチルメタアクリレート樹脂を60重量部と、テフロン(登録商標)パウダーを40重量部と、の混合物から成る。また、他の熱可塑性樹脂、例えばエポキシ樹脂等が使用できる。一方、他の耐摩擦剤としてポリエチレンパウダー、天然ワックス、合成ワックス等も使用できる。また、酸化シリコン、酸化アルミニウム等の薄膜を用いても良い。
【0033】
スクリーンS1にプロジェクター6の投写光、及び外光が入射した場合の光の進路を表した概念図が図3である。
本実施形態では、プロジェクター6は、スクリーンS1に対して、垂直方向では下方に、水平方向では中心に、それぞれ対応した位置に置かれている状態を想定している。図3において、スクリーンS1に対して下方に置かれたプロジェクター6からの投写光のうち進路Aを通ってくる光は、凹面形状5内において金属反射膜2で反射され、進路Cを通って観賞者側に進行する。
【0034】
一方、部屋の天井に設置されている照明装置などからの外光はスクリーンS1に対して上方から照射される。したがって、スクリーンS1の凹面形状5の表面において、外光は照明装置に対向する下側の部分に進路Bを通って入射する。凹面形状5における下側の部分には金属反射膜2は形成されていない。よって、進路Bを通ってスクリーンS1に入射した外光の反射光の強度は極めて小さくなり、観賞者側へ進行しなくなる。外光の反射強度が小さくなる効果は、スクリーン生地(スクリーン素材)の持つ屈折率、及び反射率で決まる。
本実施形態の凹凸付スクリーン基材1(スクリーン素材8)は樹脂からなり、屈折率の値は凡そ1.3〜1.5であり、外光の4%ほどの反射強度となる。そして、凹凸付スクリーン基材1が黒色に着色されていれば、2〜3%と反射強度は非常に小さくなる。
【0035】
上述のとおり、プロジェクター6からの投写光を観賞者側に進行させやすく、また外光を観賞者側に進行させにくくするために、各凹面形状5の表面において、金属反射膜2は凹面形状5の一部分に形成されている。図1および図3に示されているように、スクリーンS1の下部では凹面形状5の中心付近に金属反射膜2が形成され、スクリーンS1の上部に向かうに従って凹面形状5の上側の部分に金属反射膜2が形成されるようになっている。
これは、スクリーンS1の位置によってプロジェクター6からの投写光が入射する角度が異なり、凹面形状5の表面におけるプロジェクター6からの投写光が照射される部分が異なるからである。このことは、図3から明らかである。
【0036】
本実施形態では、凹面形状5の表面における金属反射膜2が形成されている部分をスクリーンS1の位置(上部、下部)で異ならせるために、金属反射膜2の配列されるピッチを制御している。
凹凸付スクリーン基材1に形成された金属反射膜2は、図8に示すスクリーンS1の平面概略図のように、x方向に延びた配列線23に沿って形成されている。図8では、概念的に配列線23の間隔を空けて示しているが、実際の配列線23は近接している。
【0037】
なお、配列の基準となる位置(たとえばスクリーンS1の一番下の部分)では、金属反射膜2の配列線23は凹面形状5の配列線4と同じ位置に形成されている。また、この基準となる配列線23の位置では、スクリーンS1のx方向の中心において、金属反射膜2のx方向の中心は、凹面形状5のx方向の中心と同じ位置に形成されている。
ここで、金属反射膜2のx方向のピッチ(即ち、配列線23の水平方向のピッチ)を繰返しピッチAxとし、x方向と直交するy方向のピッチ(即ち、配列線23の垂直方向のピッチ)を繰返しピッチAyとする。
【0038】
ここで、Ay>By,Ax=Bxとしておけば、図4に示すように、凹面形状5の配列線4と金属反射膜2の配列線23とのy方向のピッチが異なるため、スクリーンS1の下部では凹面形状5の中心付近に金属反射膜2が形成され、スクリーンS1の上部に向かうに従って凹面形状5の中心より上側の部分にずれて金属反射膜2が形成されるようになっている。
【0039】
これにより、スクリーンS1に対して下方に置かれたプロジェクター6からの投写光を映像鑑賞者に向けて反射させやすくし、部屋の天井に設置されている照明装置などからの外光は映像観賞者側へ進行させにくくしている。
【0040】
(スクリーンの製造方法)
図1に記載したスクリーンS1の製造方法について説明する。
本実施形態では、スクリーンS1は、基材変形工程と、反射膜転写工程としての保護膜及び反射膜転写工程と、を経て製造される。ここでは、保護膜及び反射膜転写工程と基材変形工程とを同時に行うことができる。
図6に基材変形工程と保護膜及び反射膜転写工程を同時処理する工程の概略図を示す。
【0041】
図6に示すように、この同時処理の工程では、上部に位置する上プレス盤15と、下部に位置する下プレス盤7との間に、スクリーン素材8と転写箔9と凸面型16とを重ねて挟み込み、加熱圧着をすることで保護膜と金属反射膜との転写を行う。
あらかじめ加熱された下プレス盤7の略平坦な面の上面に凸面型16をセットし、凸面型16の上面に転写箔9をセットし、さらに転写箔9の上面にスクリーン素材8をセットする。
【0042】
凸面型16にはスクリーンS1に形成される凹面形状5に対応する凸面が形成されている。
転写箔9は、20μ程度の厚みの転写箔基材10、熱溶融接着層11、金属反射層の保護層12、金属反射層13、及び接着層14の積層体である。熱溶融接着層11、金属反射層の保護層12、金属反射層13、及び接着層14は、事前に、上述の図8に示すように、x方向のピッチを繰返しピッチAx、y方向のピッチを繰返しピッチAyとしてパターン化され、点在している。各々の層は、厚さがサブμから数μで、金属アルミニウムの連続蒸着法もしくは樹脂材料の塗布法、印刷コート法、フォトリソ法等で微細加工されている。
【0043】
凸面型16の上面に転写箔9をセットする際には、スクリーンS1上に対する基準となる位置や、凹面形状5と金属反射膜2とが同じ位置に形成される位置などにおいて、位置合わせがなされたうえでセットされる。
このようにセットされた各部材に対して、加熱された上プレス盤15と下プレス盤7とを用いて加熱圧着を行う。圧着時の上プレス盤15と下プレス盤7との温度は150℃から160℃である。この熱により熱溶融接着層11が溶融し、金属反射層13と金属反射層の保護層12とがスクリーン素材8に転写される。
【0044】
転写と同時に、凸面型16によりスクリーン素材8の変形が進行する。即ち、スクリーン素材8の成型と、保護層12(保護膜3)、及び金属反射層13(金属反射膜2)の変形が同時に進行する。加熱圧着をした後に、凹凸付スクリーン基材1(スクリーン素材8)に転写された保護膜3から転写箔基材10を剥離する。
【0045】
このようにして、x方向のピッチが繰返しピッチBx、y方向のピッチが繰返しピッチByの凹面形状5(図7参照)に、x方向のピッチが繰返しピッチAx、y方向のピッチが繰返しピッチAyの金属反射膜2(図8参照)が形成された、スクリーンS1が得られる。
なお、凸面型16による基材変形工程が行われた後に、変形によって形成された凹面形状5に対して金属反射膜が転写される位置の位置合わせがなされたうえで、保護膜及び反射膜転写工程が、行われてもよい。
【0046】
(変形例)
上述のスクリーンS1では、プロジェクター6がスクリーンS1に対して水平方向の中心に対応した位置に置かれている状態を想定し、凹面形状5のx方向の繰返しピッチBxと金属反射膜2のy方向の繰返しピッチAxとを等しくしていた。これに対し、プロジェクター6からの投写光が水平方向にも広がりながらスクリーンS1に投写されることを考慮して、繰返しピッチAxと繰返しピッチBxとを異なる(特にAx>Bxとする)ように設定してもよい。この場合、スクリーンS1の水平方向の中心部では凹面形状5の中心部に金属反射膜2が形成されるようにし、それを基準にスクリーンS1の水平方向の外側に向かうにしたがって、金属反射膜2も凹面形状5の外側に配置されるようにする。そうすれば、プロジェクター6から水平方向にも広がりながら投写される投写光をより効率よく映像鑑賞者の方向に反射させることが可能となる。
【0047】
このようなスクリーンS1を製造する場合も、転写箔9への金属反射層13などの形成位置や、転写箔9と凸面型16との位置合わせなどを適切に行ったうえで、上述の製造方法が適用できる。
【0048】
(実施形態2)
次に、実施形態2に関わるスクリーンS2、およびその製造方法について説明する。上述の実施形態と重複する内容については説明を省略する。
【0049】
(スクリーンの構造)
図2はスクリーンS2の断面を模式的に示した図である。
図2に示すように、スクリーンS2の凹凸付スクリーン基材1は、スクリーン素材8の一方の面に複数の凸面形状24が形成されたものである。形成された凸面形状24の平面的な配置はスクリーンS1の凹面形状5と同様である。
各凸面形状24の表面の一部には金属反射膜2が形成されている。さらに、金属反射膜2の表面には保護膜3が形成されている。形成された金属反射膜2の平面的な配置はスクリーンS1の凹面形状5と同様である。
【0050】
スクリーンS2にプロジェクターの投写光、及び外光が入射した場合、スクリーンS2の下部に設置されたプロジェクターからの投写光は、凸面形状24の金属反射膜2で反射され観賞者側に進行する。一方で、外光は、金属反射膜2が形成されていない部分に入射し、反射光の強度が極めて小さくなり、観賞者側へ進行しなくなる。このことは、実施形態のスクリーンS1の場合と同様であるため詳細な説明は省略する。
上記実施形態の凹面形状5、及び本実施形態の凸面形状24がスクリーンに形成される微細形状に相当する。
【0051】
(スクリーンの製造方法)
スクリーンS2の製造方法は、上述の実施形態に関わるスクリーンS1の製造方法に対して、凸面型16の代わりに凹面型を用いることが異なる。よって、各工程についての説明は省略する。
上記実施形態の凸面型16、及び本実施形態の凹面型が平面型に相当する。
【0052】
(実施形態3)
次に、実施形態3に関わるスクリーンS3、およびその製造方法について説明する。上述の実施形態と重複する内容については説明を省略する。
【0053】
(スクリーンの構造)
図5は、スクリーンS3の断面を模式的に示した図である。
上述のスクリーンS1は1台のプロジェクターからの投写に対応するものであるのに対し、スクリーンS3は、複数台のプロジェクターからの投写に対応するものである。あるいは、スクリーンS3は、所定の位置で切断することにより、スクリーンS1のような1台のプロジェクターからの投写に対応するものを得るためのものである。いいかえれば、スクリーンS3は複数のスクリーンS1が平面的に並んでいる構造を有している。
【0054】
スクリーンS3の凹凸付スクリーン基材1の一方の面上には、スクリーンS1と同様に、凹面形状5が配列されている。各凹面形状5の表面の一部には金属反射膜2が形成されている。さらに、金属反射膜2の表面には金属反射膜の保護膜3が形成されている。
凹面形状5や、金属反射膜2および金属反射膜の保護膜3の配列は、所定のブロックLBが平面的に並ぶようになっている。ブロックの詳細は後述する。
【0055】
それぞれのブロックLBにおいては、凹面形状5は、x方向のピッチ(即ち、配列線4の水平方向のピッチ)が繰返しピッチBx、y方向のピッチ(即ち、配列線4の垂直方向のピッチ)が繰返しピッチByで配置されている。また、金属反射膜2は、x方向のピッチ(即ち、配列線23の水平方向のピッチ)が繰返しピッチAx、y方向のピッチ(即ち、配列線23の垂直方向のピッチ)が繰返しピッチAyで配置されている。それぞれのブロックLBにおけるx方向およびy方向の凹面形状5やそれに対応する金属反射膜2の数は、上述のスクリーンS1に相当するような、1台のプロジェクターからの投写画面が表示される領域に対応する大きさによって定まっている。
ここで、ブロックLB内において、スクリーンS3を配置した時に下になる部分では凹面形状5の中心付近に金属反射膜2が形成されるように、x方向とy方向とでそれぞれの位置合わせがされている。
【0056】
このようなブロックLBが、ブロックLBの大きさに相当するピッチで、スクリーンS3の平面方向(x−y方向)に繰り返して配置されている。このブロックLBの繰返しピッチを、x方向はピッチCxとし、y方向はピッチCyとする。図5では、ピッチCxでブロックLB1〜ブロックLBnのように配置される。
【0057】
図9はスクリーンS3に形成される金属反射膜2の配列状態を平面で示した(鑑賞者側から見た)図である。凹凸付スクリーン基材1に形成された金属反射膜2は、図9に示すように、x方向に延びた配列線23に沿って形成されている。金属反射膜2は、x方向のピッチ(即ち、配列線23の水平方向のピッチ)が繰返しピッチAx、y方向のピッチ(即ち、配列線23の垂直方向のピッチ)が繰返しピッチAyで配置されており、y方向に所定の金属反射膜2の数(配列線23の本数)からなるブロックLBがピッチCyで並んでいる。ここで、ブロックLBはx方向に所定の金属反射膜2の数からなるブロックLBとしピッチCxで並んでいてもよい。
【0058】
このように凹面形状5と金属反射膜2とを配置させれば、凹面形状5の配列線4と金属反射膜2の配列線23とのy方向のピッチが異なるため、スクリーンS3の各々のブロックLBの下部では凹面形状5の中心付近に金属反射膜2が形成され、ブロックLBの上部に向かうに従って凹面形状5の上側の部分にずれて金属反射膜2が形成されるようになっている。よって、スクリーンS3に対して、ブロックLBに対応して適切な位置に置かれたプロジェクターからの投写光を映像鑑賞者に向けて反射させやすくし、照明装置などからの外光は映像観賞者側へ進行させにくくすることができる。
【0059】
(スクリーンの製造方法)
図5に記載したスクリーンS3の製造方法について説明する。
本実施形態では、実施形態1と同様に、スクリーン素材8に、転写箔9に形成された金属反射層の保護層12、金属反射層13を転写することで、スクリーンS3が形成される。よって、詳細な説明は省略する。
【0060】
(変形例)
スクリーンS3は凹面形状5が形成されていたが、スクリーンS2のように、凸面形状24が形成されていてもよい。
また、凹面形状5のx方向のピッチと金属反射膜2のx方向のピッチとが異なっていてもよい。
その場合のスクリーンの構造や製造方法は上述したものと同様であるので、詳細な説明は省略する。
【0061】
(実施形態4)
次に、実施形態4に関わるスクリーンS4、およびその製造方法について説明する。上述の実施形態と重複する内容については説明を省略する。
【0062】
(スクリーンの構造)
実施形態4に関わるスクリーンS4の構造は上述の実施形態におけるスクリーンS1〜S3と同様であるので、詳細な説明は省略する。
【0063】
(スクリーンの製造方法)
実施形態4に関わるスクリーンS4の製造方法について説明する。
図10は、実施形態4に関わるスクリーン製造方法における工程の概略図である。
実施形態1ではスクリーン素材8を変形させるために平面型である凸面型16が使用されていたが、本実施形態ではスクリーン素材8を変形させるための型は、凸面を表面に配列した円筒ロール状に湾曲された円筒形の型22である。
【0064】
スクリーン素材8は、ロール状に巻かれており、ロールから提供され搬送経路K1を通り搬送経路K2へと搬送される。
転写箔9は、ロール状に巻かれており、ロールから提供され搬送経路K5を通り搬送経路K2へと搬送される。ここでロールから提供される転写箔9は、転写箔基材10に、印刷法によりあらかじめ金属反射層13などがパターン化されて形成され、連続して製造されている大面積な転写箔9である。
【0065】
搬送経路K2上では、転写箔9に形成された金属反射層13の位置と、円筒形の型22に配列された凸面の位置と、が所定の関係になるように、転写箔9と、円筒形の型22と、の位置が調整される。位置調整は水平(x)方向および垂直(y)方向に対して行われる。位置調整されたスクリーン素材8と転写箔9とを重ね合わせ搬送経路K3に搬送する。
【0066】
搬送経路K3上では、加熱装置21により約180℃に加熱された円筒形の型22と、それに対向して位置するロールと、の間を、スクリーン素材8と転写箔9とが、連続して通過する。
スクリーン素材8と、転写箔9と、が搬送経路K3通過するときに、加熱された円筒形の型22と、ロールと、の間には圧力が加えられ、基材変形工程と、保護膜及び反射膜転写工程と、が同時に行われ連続したシート状のスクリーンS4が形成される。
【0067】
搬送経路K3において形成されたスクリーンS4は、搬送経路K4においてロールに巻き取られる。
スクリーン素材8に金属反射層13などが転写された後の転写箔基材10は、搬送経路K6を通り、図示しないロールに巻き取られる。
【0068】
このように、スクリーン素材8と転写箔9を、円筒形の型22とロールとの間を通し、加熱と加圧とを同時に行うことにより、基材変形工程と保護膜及び反射膜転写工程とを同時に行うことができる。これにより、スクリーンS4を連続して形成することができる。
【0069】
(実施形態5)
次に、実施形態5に関わるスクリーンS5、およびその製造方法について説明する。上述の実施形態と重複する内容については説明を省略する。
【0070】
(スクリーンの構造)
実施形態5に関わるスクリーンS5の構造を、上述の実施形態におけるスクリーンS3(図5参照)と対比して説明する。スクリーンS5には、スクリーンS3と同様に、スクリーン素材8に凹面形状5が形成され、凹面形状5の一部に金属反射膜2が形成され、金属反射膜2の上に保護膜3が形成されている。凹面形状5は、x方向のピッチが繰返しピッチBx、y方向のピッチが繰返しピッチByで配置され、金属反射膜2は、x方向のピッチが繰返しピッチAx、y方向のピッチが繰返しピッチAyで配置されている。
スクリーンS3では、所定の個数の凹面形状5や金属反射膜2によってブロックLBが形成されていた。これに対しスクリーンS5ではブロック分けはされておらず、凹面形状5はスクリーンS5の一方の端から他方の端まで同じピッチで形成されている。また、金属反射膜2および保護膜3もスクリーンS5の一方の端から他方の端まで同じピッチで形成されている。
【0071】
(スクリーンの製造方法)
スクリーンS5の製造方法について説明する。
スクリーンS5の製造方法を、上述の実施形態に関わるスクリーンS4の製造方法と対比して説明する。
【0072】
スクリーンS4の製造方法では、転写箔9と円筒形の型22との位置調整を水平(x)方向および垂直(y)方向の両方で行っていた。これに対して、スクリーンS5の製造方法では、この位置調整を水平(x)方向のみで行う。この状態でスクリーンS4の製造方法と同様にスクリーンS5を製造すると、凹面形状5と金属反射膜2との垂直(y)方向のピッチずれが繰り返し発生する。すると、垂直(y)方向について凹面形状5と金属反射膜2の配列線の一致する部分が、繰り返し連続して形成されることになる。このようにして形成されたスクリーンS5を、凹面形状5と金属反射膜2の配列線の一致する部分を基準にして分割すれば、スクリーンS1と同様のものが得られる。本実施形態の製造方法によれば、連続して効率よく所望のスクリーンが生産できる。
【符号の説明】
【0073】
1…スクリーン基材、2…金属反射膜、3…保護膜、4…凹球面の配列線、5…凹球面、6…プロジェクター、7…下プレス盤、8…スクリーン素材、9…転写箔、10…転写箔基材、11…熱溶融接着層、12…金属反射層の保護層、13…金属反射層、14…接着層、15…上プレス盤、16…凸面型、17…金属反射膜の中心位置、18…凹凸面の中心位置、19…凹凸面のピッチ、20…金属反射面のピッチ、21…加熱装置、22…円筒形型、23…金属反射膜の配列線、24…凸球面、1S…実施形態1のスクリーンの一例、2S…実施形態1のスクリーンの一例、3S…実施形態2のスクリーン、K1…スクリーン素材を搬送する工程の経路、K2…スクリーン素材と転写箔を重ね合わせ搬送する工程の経路、K3…型とロール間で連続して加熱と加圧する工程の経路、K4…スクリーンを巻き取る工程の経路、K5…転写箔の搬送工程の経路、K6…転写箔基材を巻き取る工程の経路、A…プロジェクター投写光進路、B…プロジェクター投写光の反射進路、C…外光進路、D…外光の反射進路。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
投写光を反射させて表示領域に表示を行うスクリーンであって、
スクリーン素材の一方の面に微細形状が形成されたスクリーン基材と、
前記表示領域の前記微細形状の面に、金属反射層が形成された転写箔から転写形成された金属反射膜と、を備え、
前記微細形状は、前記スクリーンの平面内の一方向に沿って繰返しピッチBx、前記一方向と垂直な他方向に沿って繰返しピッチByで形成され、
前記金属反射膜は、前記一方向に沿って繰返しピッチAx、前記他方向に沿って繰返しピッチAyで形成され、
少なくとも前記繰返しピッチAyと前記繰返しピッチByとが異なっていることを特徴とするスクリーン。
【請求項2】
請求項1に記載のスクリーンにおいて、
さらに前記繰返しピッチAxと前記繰返しピッチBxとが異なっていることを特徴とするスクリーン。
【請求項3】
投写光を反射させて表示領域に表示を行うスクリーンであって、
スクリーン素材の一方の面に微細形状が形成されたスクリーン基材と、
前記表示領域の前記微細形状の面に、金属反射層が形成された転写箔から転写形成された金属反射膜と、を備え、
前記微細形状は、前記スクリーンの平面内の一方向に沿って繰返しピッチBx、前記一方向と垂直な他方向に沿って繰返しピッチByで形成され、
前記金属反射膜は、前記一方向に沿って繰返しピッチAx、前記他方向に沿って繰返しピッチAyで形成され、
少なくとも前記繰返しピッチAyと前記繰返しピッチByとは異なっており、
前記金属反射膜は、少なくとも前記他方向に沿って、所定の個数からなるブロックを形成しており、
前記ブロックが前記他方向に沿って並んで配置されていることを特徴とするスクリーン。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載のスクリーンにおいて、
前記金属反射膜を保護する保護膜が、前記金属反射膜の形成面上に形成されていることを特徴とするスクリーン。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載のスクリーンにおいて、
前記金属反射膜は、アルミニウム薄膜であることを特徴とするスクリーン。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載のスクリーンにおいて、
前記スクリーン素材は、硬質塩化ビニル樹脂から成ることを特徴とするスクリーン。
【請求項7】
投写光を反射させて表示を行うスクリーンの製造方法であって、
スクリーン素材の一方の面に、平面型により微細形状を成型しスクリーン基材を形成する基材変形工程と、
前記スクリーン素材の一方の面に、転写箔により少なくとも金属反射膜を転写形成する反射膜転写工程と、
を有し、
前記平面型は、前記微細形状が、前記スクリーンの平面内の一方向に沿って繰返しピッチBx、前記一方向と垂直な他方向に沿って繰返しピッチByで形成されるような形状を有しており、
前記転写箔には、前記金属反射膜が、前記一方向に沿って繰返しピッチAx、前記他方向に沿って繰返しピッチAyで形成されるように、金属反射層が形成されており、
少なくとも前記繰返しピッチAyと前記繰返しピッチByとが異なっていることを特徴とするスクリーンの製造方法。
【請求項8】
投写光を反射させて表示を行うスクリーンの製造方法であって、
スクリーン素材の一方の面に、平面型により微細形状を成型しスクリーン基材を形成する基材変形工程と、
前記スクリーン素材の一方の面に、転写箔により少なくとも金属反射膜を転写形成する反射膜転写工程と、
を有し、
前記平面型は、前記微細形状が、前記スクリーンの平面内の一方向に沿って繰返しピッチBx、前記一方向と垂直な他方向に沿って繰返しピッチByで形成されるような形状を有しており、
前記転写箔には、前記金属反射膜が、前記一方向に沿って繰返しピッチAx、前記他方向に沿って繰返しピッチAyで形成されるように、金属反射層が形成されており、
少なくとも前記繰返しピッチAyと前記繰返しピッチByとが異なっており、
前記転写箔には、さらに、前記金属反射膜が、少なくとも前記他方向に沿って所定の個数からなるブロックを形成するように、金属反射層が形成されていることを特徴とするスクリーンの製造方法。
【請求項9】
請求項7または8に記載のスクリーンの製造方法において、
前記スクリーン素材と前記転写箔をそれぞれ搬送する工程と、
前記スクリーン素材と前記転写箔とを重ね合わせ搬送する工程と、
円筒ロール状に湾曲された円筒形の型と、ロールと、の間で、前記スクリーン素材と前記転写箔とに連続して加熱と加圧を行い、スクリーンを形成する工程と、
前記スクリーンを巻き取る工程と、
を含むことを特徴とするスクリーンの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−114248(P2013−114248A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−263448(P2011−263448)
【出願日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】