説明

スケジューラ・システム及びその方法

QAPがフレームのダウンストリーム送信と、アップストリームおよびサイドストリームのトラフィックのポーリングの認可とを連続的に行うことを可能にする、MACフレームに基づく方法およびシステムを開示する。発明したスケジューリング方法は、必須TSPECパラメータの最小セットを用いてスケジュールを生成する。これにより、無線ローカル・エリア・ネットワーク(WLAN)における性能要件を最小限にすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に通信システムに関し、より詳細には、本発明は、アップストリームおよびサイドストリームの少なくとも一方のトラフィックに対するポーリングの認可とフレームのダウンストリーム送信を効率的に行うためのスケジューラおよび関連方法に関する。
【背景技術】
【0002】
スケジューリングは、複数のユーザが共通リソースを共用するデータ・ネットワークのサービス品質(QoS)を実現するうえで不可欠である。これは特に、無線リンクの場合に当てはまる。すなわち、無線リソースの不足および無線品質の時間変動性のため、無線リンクの時間変動性は、無線データ・サービスのスケジューリング・ポリシーを設計するうえで重大な課題をもたらす。現在、ほとんどのスケジューリング・ポリシーは、キューの長さ、または着信レート、または伝送媒体アクセス制御(MAC)フレーム中のタイム・スタンプに依存し、チャネル容量は考慮していない。すべてのユーザにとってのチャネル容量が有線システム並みに一定であれば、それでも十分であろう。しかし、無線ネットワークの状況においては、そうした方式の欠点は、チャネル容量(すなわち、チャネル状態および絶えず変動する伝送レート)を考慮しないために、無線リソースを十分に利用しきれないことである。
【0003】
現在、802.11 MACにおいて、「ベスト・エフォート」モデルと呼ぶ、簡略化されたモデルが提案されている。この簡略化された方式では、異なる用途とフレームを区別せずに、すべてのフレームが同じレベルのサービスを受ける。このモデルによれば、可能な限り早くフレームを転送しようと試みられるが、サービス品質(QoS)実現に関して量的な約束はされない。しかし、サービス品質MACである802.11eの出現により、様々なストリームのQoS要件を保証するためにスケジューラが必要とされている。
【0004】
そこで、IEEE 802.11e/D4.0.標準草案の上に組み込むことができ、QoSアクセス・ポイント(QAP)がストリームおよびスケジュールのQoS要件を適宜考慮することを可能にするスケジューリング・ポリシーが必要である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、無線ローカル・エリア・ネットワーク(WLAN)に用いて、QAPがフレームのダウンストリーム送信と、アップストリームおよびサイドストリームのトラフィックに対するポーリングの認可とを連続的に行うことを可能にするスケジューリング方法を対象とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によれば、少なくとも1つのアクセス・ポイント(QAP)と少なくとも1つの局(WSTA)とを有する無線通信ネットワークにおけるデータ・ストリームの送信をスケジュールするスケジューリング方法を提供する。この方法は、QAPが少なくとも1つのWSTAから、少なくとも1つの送信用データ・ストリームの送信要求を受信し、QAPがそのデータ・ストリームの送信要求を認可し、WSTAが、そのデータ・ストリームの特性を定義するパラメータ・セットからなるMACフレームを送信し、QAPが、少なくとも1つのWSTAにサービスを提供するためのスケジュール・アルゴリズムに従ってサービス時刻および送信時刻を計算することによって達成される。このスケジュール・アルゴリズムは、計算されたサービス時刻および送信時刻で、少なくとも1つのデータ・ストリームの送信をスケジュールするよう動作し、MACフレームのパラメータには、平均データ・レート(ρ)、公称MSDUサイズ(L)、最大サービス間隔または遅延の上限(D)、伝送レート(R)、最大MSDUサイズ(M)が含まれる。
【0007】
本発明の別の態様によれば、少なくとも1つのアクセス・ポイント(QAP)と少なくとも1つの局(WSTA)とを含む無線通信ネットワークにおけるデータ・ストリームの送信をスケジュールするシステムを提供する。このシステムは、少なくとも1つのWSTAから少なくとも1つのデータ・ストリームが、少なくとも1つのデータ・ストリームの特性を定義するパラメータ・セットからなるMACフレームに基づいて生成されているかどうかを、QAPにおいて判断する手段と、スケジュール・アルゴリズムに従って、少なくとも1つのWSTAにサービスを提供するためのサービス時刻および送信時刻を、QAPにおいて計算する手段と、計算したサービス時刻および送信時刻でWSTAが少なくとも1つのデータ・ストリームを送信する手段とを含む。サービス時刻および送信時刻を計算する手段はさらに、サービス間隔(SI)および前記SIに対するTXOP継続時間を決定する手段を含み、SIは、SIより低い数を選択することによって決定され、ビーコン間隔の約数である。
【0008】
このあとの詳細な説明を、以下に示す添付図面と併せて参照することにより、本発明の方法および装置をより完全に理解されよう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下の説明では、本発明の完全な理解が得られるように、限定ではなく説明のために、特定の構成、インターフェース、技法などの具体的な詳細を示した。説明を簡潔かつ明確にするために、よく知られた装置、回路、および方法の詳細な説明を省略して、本発明の説明が不要な詳細によって不明瞭にならないようにした。
【0010】
発明した方法は、無線ローカル・エリア・ネットワーク(WLAN)でのアップストリーム、ダウンストリーム、およびサイドストリームのスケジューリングの性能要件を最小限にするスケジューリング・アルゴリズムである。この方法は、QBSSネットワークにおいて、アクセス・ポイント(QAP)によって実施されることを想定している。
【0011】
図1は、本発明の実施形態が適用される代表的なネットワーク100を例示したものである。図1に示すQBSSネットワーク100は、固定ネットワーク111に結合されたQAP103と、複数の局(WSTA〜WSTA)110、112、114とを含む。QAP103の主要機能の1つは、データ・パケットの送信を促進することである。データ・パケットには、「U」というラベルで示した「アップストリーム」パケット(すなわち、WSTA110〜114からQAP103の方向に送信されるパケット)、「D」というラベルで示した「ダウンストリーム」パケット(すなわち、QAP103からWSTA110〜114の方向に送信されるパケット)、「S」というラベルで示した「サイドストリーム」パケット(すなわち、WSTA110〜114の1つから別のWSTAに送信されるパケット)などがある。図1には、例示のために、限られた数のWSTAしか示していないが、WLANは、はるかに多数のWSTA同士の同時通信をサポートできることを理解されたい。したがって、図面におけるWSTAの数は、本発明の範囲を限定するものではない。
【0012】
図2は、図1のQAP103の機能要素のブロック図である。QAP103はスケジューラ105を含み、スケジューラ105は、第1に、QAP103がWSTAに対してアップストリーム、サイドストリーム、およびダウンリンク・トラフィックの少なくとも一つに関するサービスを提供しなければならない時点を決定し、第2に、WSTA110〜114の事前ネゴシエート済みデータ・レートおよび他のQoS要件を満たすように、トラフィックを送信したいWSTA110〜114のそれぞれにサービスを提供するサービス提供時間(TXOP)を決定する。QAP103はさらに、WSTA110〜114からのトラフィックをQBSSにおいて許可できるかどうか、およびそのQoS要件を満たすことができるかどうかを、利用可能な帯域幅に応じて決定する許可制御ユニット107を含む。
【0013】
本発明は、パラメータ化されたQoSトラフィックをスケジュールすることだけを対象としている。IEEE 802.11標準で定義されるように、パラメータ化されたトラフィックは、各フレームのMACヘッダにある16ビットQoS制御フィールドの一部として含まれる8〜15の範囲の優先度値によって識別される。優先度値8〜15は、トラフィック・ストリーム識別子(TSID)として解釈される。パラメータ化されたトラフィックとしては、例えば、ビデオ電話、低コストのビデオ会議、イメージング、高精細度テレビジョン(HDTV)、ストリーミング・オーディオ、および/またはストリーミング・ビデオなどがある。これらの用途のそれぞれが、それぞれの帯域幅要件に応じて異なる要求を無線通信ネットワーク100に対して行う可能性がある。つまり、上記の用途のいくつかは、他の用途より多数のビットを必要とする(例えば、HDTVビデオ・ストリームは24Mbpsである)。一般に、実時間用途のほとんどは、多数のビットを必要とするため、通信ネットワーク100に対して高い要求を行う。その他の用途(例えば、通常は128Kbpsで送信されるステレオ・オーディオなど)は、それほどビットを必要としないので、ネットワーク100のリソースに対する要求が低くなる。したがって、ネットワーク100が処理する、これらの様々に異なるネットワーク要求を効率的にスケジュールするメカニズムが必要である。
【0014】
QAP103においてスケジューリングを効率的に実施するために、スケジューラ105は、次の2つのプロセスを制御しなければならない。(1)WSTA110〜114が送信しようとするアップストリームまたはサイドストリームのストリームがあるかどうかを調べるプロセスと、(2)QAP103を介して固定ネットワーク111からWSTA 110〜114にダウンストリーム送信するように要求されたデータがあるかどうかを調べるプロセスである。(1)のプロセスは、QAP103においてスケジューラ105が実施するポーリング操作によって達成される。スケジューラ105は、このポーリング操作で、どのWSTAが、QAP103にアップストリーム送信すべきトラフィック・ストリーム、または他のWSTA110〜114にサイドストリーム送信すべきトラフィック・ストリームを持っているかを調べる。
【0015】
1つまたは複数のWSTA110〜114が送信または受信すべきトラフィック・ストリームを持っていることをスケジューラ105がつきとめると、QAP103と、データをアップストリーム送信またはサイドストリーム送信しようとする1つまたは複数のWSTA110〜114との間でネゴシエーション・セッションが実施される。
【0016】
ネゴシエーション・セッションの一環として、QAP103内の許可制御ユニット107が、要求元のWSTAに許可を与えるために許可プロトコルを呼び出す。1つのWSTAに許可が与えられると、許可を与えられた要求元のWSTAがネゴシエーション処理を進め、送信するトラフィック・ストリームに関連する、データ・レートおよび他のトラフィックQoS特性を含む特定パラメータをQAP103に通知する。これらのパラメータがQAP103で受信されると、QAP103に関連付けられたスケジューラ105が、各トラフィック・ストリーム(すなわち、要求元のWSTA)のパラメータ・データを収集し、事前ネゴシエート済みのデータ・レートおよび他のQoS要件を満たすようにデータをアップストリーム送信、ダウンストリーム送信、またはサイドストリーム送信することを要求している各WSTAにサービスを提供する時点を前もって計算する。
【0017】
以下、本発明の実施形態を、スケジューラの動作ステップと関連付けて詳細に説明する。
【0018】
動作中は、各WSTAが、MACフレーム(またはトラフィック仕様(TSPEC)フレーム)を送信する。これには、QAPがQoS機能の適切な動作のために必要とする情報が含まれる。IEEE 802.11eで説明されているTSPECフレームのフォーマットを図3に示す。図に示すように、TSPECは、パラメータ化されたQoSトラフィック転送をサポートするためにQAPおよび非QAPのWSTAが使用する、トラフィック・ストリームの特性およびQoS期待値を定義するパラメータ・セットを含む。本発明のスケジューリング方法の重要な特徴は、発明した、簡略化されたスケジューリング方法が、必須TSPECパラメータの最小限の集合を用いてスケジュールを生成する点である。
【0019】
図3では、スケジューラ105が、TXOP継続時間およびサービス間隔を生成するために、本発明で示されるTSPECパラメータの必須セット、すなわち、(1)平均データ・レート(ρ)、(2)公称MSDUサイズ(L)、および(3)最大サービス間隔または遅延の上限(D)を用いる。スケジューラ105はさらに、TXOP継続時間およびサービス間隔を生成するために利用可能な他のパラメータ、すなわち、(i)最小PHYレート(R)、(ii)最大サイズM=2304バイトのMSDU、および(iii)時間単位のオーバーヘッド(O)も用いる。好ましい実施形態では、ストリームのスケジュールを、2つのステップで計算する。第1のステップは、スケジュールされたサービス間隔(SI)の計算である。第2のステップでは、ストリームについて、所与のSIでのTXOP継続時間を計算する。
【0020】
送信する権利の、WSTAへの割り振りの基本単位がTXOPであることに留意されたい。各TXOPは、(先行フレームの終了時点を基準とする)暗黙的な開始時刻と、定義済みの最大長さとによって定義される。したがって、TXOPは、1つの局からの送信にかかる全時間、またはデータ・ストリームを送信したい各WSTA110〜114をポーリングするポーリング時間である。
【0021】
許可制御プロセス
まず、QAPが、特定WSTA向けのストリームの送信を許可できるかどうかを決定する必要がある。これに関して、最大サービス間隔または遅延(D)の間に着信するフレームの数(N)を、次のように計算する。
=Dρ/L
【0022】
次に、Dの間にこのストリームに割り振られるTXOPを、次のように計算する。
TXOP=N/R+O
ここで、Oは時間単位内のオーバーヘッドを表す。
【0023】
上記データを用いて、特定ストリームが許可されるかどうかを判断する。次の式が満たされれば、QAPがストリームを許可する。満たされない場合は、QAPが拒否する。
【数1】

i+1は、新しく着信したストリームを表す。加算の添え字は、既に許可され、QAPからサービスを受けているストリームを表す。
【0024】
ストリームが許可された場合、スケジューラ105は、次のように、SIおよびTXOP継続時間の計算に進む。
【0025】
サービス間隔(SI)の計算
スケジュールされたサービス間隔の計算を、次のように行う。まず、スケジューラが、許可されたすべてのストリームについて、すべての最大サービス間隔(または遅延の上限)の最小値を計算する。ここで、この最小値を「m」とする。次にスケジューラは、ビーコン間隔の約数である、「m」より小さな数を選択する。この値が、ストリームを許可されたすべてのWSTAに対する、スケジュールされたサービス間隔になる。例えば、最大サービス間隔=60、65、70msの3つのストリームがあって、ビーコン間隔が100msであれば、サービス間隔(SI)=50msを選択する。
【0026】
TXOP継続時間の計算
許可されたストリームのTXOP継続時間を計算する場合にスケジューラ105が用いるパラメータは、ネゴシエート済みTSPECからの平均データ・レート(ρ)および公称MSDUサイズ(L)、さきほど計算した、スケジュールされたサービス間隔(SI)、物理伝送レート(R)、最大MSDUのサイズ(すなわち、2304バイト(M))、および時間単位内のオーバーヘッド(O)である。物理伝送レートとして、TSPECでネゴシエートされた最小PHYレートを用いることができることに留意されたい。AddTS応答フレーム内で最小PHYレートが明言されていない場合、スケジューラは、観察されたPHYレートをRとして用いることができる。この実施形態では、時間単位のオーバーヘッドは、フレーム間スペース、ACK、およびCF−Pollを含むものとしている。この例では、説明を簡潔にするために、オーバーヘッド計算の詳細を省略している。
【0027】
次に、TXOP継続時間を次のように計算する。まず、スケジューラが、SIの間に平均データ・レートで着信したMSDUの数を計算する。この数Nを次式で計算する。
【数2】

【0028】
次にスケジューラは、TXOP継続時間を、次式のように、(1)RでNフレームを送信するまでの時間と(2)Rで1つの最大サイズMSDUを送信するまでの時間の大きいほう(+オーバーヘッド)として計算する。
【数3】

【0029】
一例を図4に示す。QSTA「i」からのストリームが許可されている。ビーコン間隔は100msであり、ストリームの最大サービス間隔は60msである。スケジューラは、前述のステップを用いて、スケジュールされたサービス間隔(SI)を50msと計算する。
【0030】
許可されたストリームの最大サービス間隔が現在のSIより小さい間、同じプロセスを連続的に繰り返す。一例を図5に示す。
【0031】
現在のSIより小さい最大サービス間隔で新しいストリームが許可された場合、スケジューラは、現在のSIを、新しく許可されたストリームの最大サービス間隔より小さい数に変更する必要がある。したがって、現在許可されているストリームのTXOP継続時間も、新しいSIで計算し直す必要がある。
【0032】
ストリームがドロップされた場合、スケジューラは、空いた時間を使用して競合を再開することができる。スケジューラはまた、ドロップされたQSTAの後に続くQSTAのTXOPを移動して、使用されなかった時間を使用することも選択できる。QSTAのストリームが除去された場合の例を図6に示す。ただし、この最後の選択肢の場合は、すべてのQSTAに対して新しいスケジュールを宣言することが必要となろう。
【0033】
以上、WLANにおいてTSPECパラメータの最小セットを用いてスケジューラを作成する方法の好ましい実施形態を説明してきたが、当業者であれば、本システムの明白な利点が達成されていることは明らかであろう。これまでの説明は、本発明の例示的実施態様としてのみ解釈されるべきである。当業者であれば、本発明の基本原理または範囲から逸脱することなく、本実施形態と同様の機能性を提供する代替機構を容易に思いつくことができよう。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の実施形態の適用される無線通信システムの構成を示す図である。
【図2】本発明の一実施形態によるQAPのブロック図である。
【図3】特性を定義するパラメータ・セットとトラフィック・ストリームのQoS期待値とを含むトラフィック仕様(TSPEC)要素のフォーマットを示す図である。
【図4】本発明の一実施形態によるポーリング手続きを説明するタイミング図である。
【図5】本発明の一実施形態によるポーリング手続きを説明するタイミング図である。
【図6】本発明の一実施形態によるポーリング手続きを説明するタイミング図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのアクセス・ポイントと少なくとも1つの局とを有する無線通信ネットワークにおいてデータ・ストリームの送信をスケジュールする方法であって、
前記アクセス・ポイントが、少なくとも1つの局から、少なくとも1つの送信用データ・ストリームの送信要求を受信するステップと、
前記アクセス・ポイントが、前記少なくとも1つのデータ・ストリームの前記送信要求を認可するステップと、
前記少なくとも1つの局が、前記少なくとも1つのデータ・ストリームの特性を定義するパラメータ・セットからなるMACフレームを送信するステップと、
前記アクセス・ポイントが、前記少なくとも1つの局にサービスを提供するためのスケジュール・アルゴリズムに従ってサービス時刻および送信時刻を計算するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記スケジュール・アルゴリズムは、前記計算されたサービス時刻および送信時刻で、前記少なくとも1つのデータ・ストリームの送信をスケジュールするよう動作することを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記少なくとも1つのデータ・ストリームの送信のために前記少なくとも1つの局に割り振られた、前記計算されたサービス時刻および送信時刻で、前記アクセス・ポイントにおいて、ポーリング・フレームまたはダウンリンク・フレームを生成するステップをさらに含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記少なくとも1つのデータ・ストリームは、パラメータ化されたトラフィック・ストリームであることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記MACフレームのパラメータは、平均データ・レート(ρ)、公称MSDUサイズ(L)、および最大サービス間隔または遅延の上限(D)を含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記サービス時刻および送信時刻を計算するステップは、サービス間隔(SI)を決定するステップと、前記サービス間隔に対するTXOP継続時間を決定するステップとを含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項7】
前記サービス間隔を決定するステップは、
前記最大サービス間隔より小さい数を選択するステップと、
前記計算されたサービス間隔より小さく、ビーコン間隔の約数である数を選択するステップとを含むことを特徴とする請求項6記載の方法。
【請求項8】
前記TXOPを決定するステップは、追加パラメータとして、伝送レート(R)、最大MSDUのサイズ(M)、および時間単位内のオーバーヘッド(O)を用いることを特徴とする請求項6記載の方法。
【請求項9】
前記TXOP継続時間を決定するステップは、
前記サービス間隔の間に前記平均データ・レート(ρ)で着信したMSDUの数(N)を、次式
【数1】

に従って計算するステップと、
前記TXOP継続時間を、次式
【数2】

に従って、(i)前記伝送レート(R)でMSDUの数のフレーム(Nフレーム)を送信するまでの時間、(ii)前記Rで1つの最大サイズMSDUを送信するまでの時間、および(iii)時間単位内のオーバーヘッド(O)のうちの最大のものとして計算するステップとを含むことを特徴とする請求項6記載の方法。
【請求項10】
前記サービス時刻および送信時刻を計算するステップは、以下の許可制御条件
【数3】

TXOP=N/R+OおよびN=Dρ/L
が満たされた場合に、実行され、上式で、Rが伝送レートを表し、Nが、Dの間に着信したフレームの数を表し、Oが時間単位内のオーバーヘッドを表すことを特徴とする請求項5記載の方法。
【請求項11】
少なくとも1つのアクセス・ポイントと少なくとも1つの局とを有する無線通信ネットワークにおいてデータ・ストリームの送信をスケジュールする方法であって、
前記少なくとも1つの局から少なくとも1つのデータ・ストリームが、前記少なくとも1つのアップストリーム、サイドストリーム、またはダウンストリームのトラフィック・ストリームの特性を定義するパラメータ・セットからなるMACフレームに基づいて生成されているかどうかを、前記アクセス・ポイントにおいて判断するステップと、
スケジュール・アルゴリズムに従って、前記少なくとも1つの局にサービスを提供するためのサービス時刻および送信時刻を、前記アクセス・ポイントにおいて計算するステップと、
前記計算したサービス時刻および送信時刻で、前記少なくとも1つの局が前記少なくとも1つのデータ・ストリームを送信するステップと
を含むことを特徴とする方法。
【請求項12】
前記少なくとも1つのデータ・ストリームは、パラメータ化されたトラフィック・ストリームであることを特徴とする請求項11記載の方法。
【請求項13】
前記MACフレームのパラメータは、平均データ・レート(ρ)、公称MSDUサイズ(L)、および最大サービス間隔または遅延の上限(D)を含むことを特徴とする請求項11記載の方法。
【請求項14】
前記サービス時刻および送信時刻を計算するステップは、サービス間隔(SI)を決定するステップと、前記サービス間隔に対するTXOP継続時間を決定するステップとを含むことを特徴とする請求項11記載の方法。
【請求項15】
前記サービス間隔を決定するステップは、
前記最大サービス間隔より小さい数を選択するステップと、
前記計算されたサービス間隔より小さく、ビーコン間隔の約数である数を選択するステップとを含むことを特徴とする請求項14記載の方法。
【請求項16】
前記TXOPを決定するステップは、追加パラメータとして、伝送レート(R)、最大MSDUのサイズ(M)、および時間単位内のオーバーヘッド(O)を用いることを特徴とする請求項14記載の方法。
【請求項17】
前記TXOP継続時間を決定するステップは、
前記サービス間隔の間に前記平均データ・レート(ρ)で着信したMSDUの数(N)を、次式
【数4】

に従って計算するステップと、
前記TXOP継続時間を、次式
【数5】

に従って、(i)前記伝送レート(R)でMSDUの数のフレーム(Nフレーム)を送信するまでの時間、(ii)前記Rで1つの最大サイズMSDUを送信するまでの時間、および(iii)時間単位内のオーバーヘッド(O)のうちの最大のものとして計算するステップとを含むことを特徴とする請求項14記載の方法。
【請求項18】
アクセス・ポイントから少なくとも1つの局へのダウンストリーム・トラフィックの送信を同時に行いながら、アップストリームおよび/またはサイドストリームのトラフィックに対するポーリングの認可を連続的に行うシステムであって、
コンピュータ可読なコードを格納するメモリと、
前記メモリに作用的に接続されたプロセッサとを備え、前記プロセッサは、
(1)前記アクセス・ポイントが、少なくとも1つの局から、少なくとも1つの送信用データ・ストリームの送信要求を受信し、
(2)前記局またはアクセス・ポイントが前記少なくとも1つのデータ・ストリームの前記送信要求を認可し、
(3)前記少なくとも1つの局が、前記少なくとも1つのデータ・ストリームの特性を定義するパラメータ・セットからなるMACフレームを送信し、
(4)前記アクセス・ポイントが、前記少なくとも1つの局にサービスを提供するためのスケジュール・アルゴリズムに従ってサービス時刻および送信時刻を計算するように構成されたことを特徴とするシステム。
【請求項19】
前記MACフレームのパラメータが、平均データ・レート(ρ)、公称MSDUサイズ(L)、および最大サービス間隔または遅延の上限(D)を含むことを特徴とする請求項18記載のシステム。
【請求項20】
少なくとも1つのアクセス・ポイントと少なくとも1つの局とを有する無線通信ネットワークにおいてデータ・ストリームの送信をスケジュールするシステムであって、
前記少なくとも1つの局から少なくとも1つのデータ・ストリームが、前記少なくとも1つのデータ・ストリームの特性を定義するパラメータ・セットからなるMACフレームに基づいて生成されているかどうかを、前記アクセス・ポイントにおいて判断する手段と、
スケジュール・アルゴリズムに従って、前記少なくとも1つの局にサービスを提供するためのサービス時刻および送信時刻を、前記アクセス・ポイントにおいて計算する手段と、
前記計算したサービス時刻および送信時刻で、前記少なくとも1つの局が前記少なくとも1つのデータ・ストリームを送信する手段と、
を備えたことを特徴とするシステム。
【請求項21】
前記MACフレームのパラメータは、平均データ・レート(ρ)、公称MSDUサイズ(L)、および最大サービス間隔または遅延の上限(D)を含むことを特徴とする請求項20記載のシステム。
【請求項22】
前記サービス時刻および送信時刻を計算する手段は、サービス間隔(SI)を決定する手段と、前記サービス間隔に対するTXOP継続時間を決定する手段とをさらに備えたことを特徴とする請求項20記載のシステム。
【請求項23】
前記サービス間隔を決定する手段は、
前記最大サービス間隔より小さい数を選択する手段と、
前記計算されたサービス間隔より小さく、ビーコン間隔の約数である数を選択する手段とを含むことを特徴とする請求項22記載のシステム。
【請求項24】
前記TXOPを決定する手段が、追加パラメータとして、伝送レート(R)、最大MSDUのサイズ(M)、および時間単位内のオーバーヘッド(O)を用いることを特徴とする請求項22記載のシステム。
【請求項25】
前記TXOP継続時間は、
次式
【数6】

に従って、前記サービス間隔の間に前記平均データ・レート(ρ)で着信したMSDUの数(N)を計算し、
次式
【数7】

に従って、前記TXOPi継続時間を、前記伝送レート(R)でMSDUの数のフレーム(Nフレーム)を送信するまでの時間、前記Rで1つの最大サイズMSDUを送信するまでの時間、時間単位内のオーバーヘッド(O)のうちの最大のものとして計算することによって決定されることを特徴とする請求項24記載のシステム。
【請求項26】
前記サービス時刻および送信時刻を計算する手段は、次の許可制御条件
【数8】

TXOP=N/R+OおよびN=Dρ/L
が満たされた場合に、実施され、上式で、Rが伝送レートを表し、Nが、Dの間に着信したフレームの数を表し、Oが時間単位内のオーバーヘッドを表すことを特徴とする請求項21記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2006−503519(P2006−503519A)
【公表日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−501328(P2005−501328)
【出願日】平成15年10月10日(2003.10.10)
【国際出願番号】PCT/IB2003/004567
【国際公開番号】WO2004/036838
【国際公開日】平成16年4月29日(2004.4.29)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips Electronics N.V.
【住所又は居所原語表記】Groenewoudseweg 1,5621 BA Eindhoven, The Netherlands
【Fターム(参考)】