スタッカクレーン
【課題】上側に敷設されたレールに対して当接及び離間可能な当接部を備えるスタッカクレーンにおいて、当接部を移動するための駆動部が必要とする駆動力を低減させる。
【解決手段】上側のレールを挟んで配置されると共にレールに対して当接可能な一対の当接部72a,72bと、当接部72a,72b間の距離を、少なくとも昇降部に対する荷物の受け渡し時において当接部72a,72bの少なくともいずれか一方がレールに当接する第1の距離と該第1の距離よりも長い第2の距離とに設定可能なトグル機構80と、当接部72a,72bがレールから受ける反力の方向と異なる方向から駆動力を作用させることによってトグル機構80を駆動する駆動部71とを備える。
【解決手段】上側のレールを挟んで配置されると共にレールに対して当接可能な一対の当接部72a,72bと、当接部72a,72b間の距離を、少なくとも昇降部に対する荷物の受け渡し時において当接部72a,72bの少なくともいずれか一方がレールに当接する第1の距離と該第1の距離よりも長い第2の距離とに設定可能なトグル機構80と、当接部72a,72bがレールから受ける反力の方向と異なる方向から駆動力を作用させることによってトグル機構80を駆動する駆動部71とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、上下に敷設されたレールに沿って走行可能なスタッカレーンに関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、上下方向並びに横方向に並列する複数の収納棚にて荷物を保管する自動倉庫では、スタッカクレーンを用いて荷物の搬送が行われている。このスタッカクレーンは、荷物の収納棚に沿って設けられたレール上を走行するとともに、昇降ワイヤを介して吊上げられたケージを駆動装置で昇降させることで任意の収納棚との間にて荷物の受け渡しを行うことができる。
【0003】
このようなスタッカクレーンにおいては、荷物の受け渡しの際におけるスタッカクレーンの転倒を防止するために、スタッカクレーンの上方に敷設されたレール(上側のレール)を狭持するガイドローラを備えている。このようなガイドローラに支えされることによって、スタッカクレーンと収納棚との間にて円滑に荷物の受け渡しを行うことが可能となる。
【0004】
ところで、近年においては、スタッカクレーンをクリーン度の高い空間にて用いることが提案されている。このようなクリーン度の高い空間においては、スタッカクレーンの動作による発塵を抑制する必要がある。このため、特許文献1には、ガイドローラをレールから離間するように移動可能とする駆動部を備え、スタッカクレーンの走行時にはガイドローラをレールから離間させ、スタッカクレーンの停止時にのみガイドローラをレールに当接させるスタッカクレーンが提案されている。
【特許文献1】特開平6−144515号公報
【特許文献2】特開平7−228308号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ガイドローラは、スタッカクレーンの転倒を防止するためのものであるため、スタッカクレーンの荷物の受け渡しの際に大きな荷重を受ける。このような荷重がガイドローラに作用した場合に、万一ガイドローラがレールから離間する方向に移動してしまった場合には、スタッカクレーンの姿勢が不安定となってしまう。このため、特許文献1に示されるスタッカクレーンにおいては、荷物の受け渡しの際に作用する荷重に耐えられるような駆動力を有する駆動部を設置する必要があった。
したがって、大型(大出力)の駆動部を設置する必要が生じ、スタッカクレーンの大型化及び製造コストの増加を招くこととなる。
【0006】
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、上側に敷設されたレールに対して当接及び離間可能な当接部を備えるスタッカクレーンにおいて、当接部を移動するための駆動部が必要とする駆動力を低減させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明においては、多段配置された収納棚に沿って上下に設けられたレールに沿って走行するとともに、荷物を収容する昇降部を昇降させることで各収納棚との間で荷物を搬送するスタッカクレーンであって、上記レールのうち上側のレールを挟んで配置されると共に当該レールに対して当接可能な一対の当接部と、上記当接部間の距離を、少なくとも上記昇降部に対する荷物の受け渡し時において上記当接部の少なくともいずれか一方が上記上側のレールに当接する第1の距離と該第1の距離よりも長い第2の距離とに設定可能なトグル機構と、上記当接部が上記レールから受ける反力の方向と異なる方向から駆動力を作用させることによって上記トグル機構を駆動する駆動部とを備えることを特徴とする。
【0008】
まず、トグル機構とは、駆動部によって所定方向に移動される移動箇所が特定の点(死点)を境にして一方側に位置している場合と、他方側に位置している場合とで異なる姿勢(第1の姿勢と第2の姿勢)となる機構であり、上記移動箇所が死点を通過する際にのみ駆動源からの駆動力を必要とする機構である。このような、トグル機構は、外部から力を加えられた場合において、当該力の作用方向が上記移動箇所を移動させる方向でない場合には、外部から加えられた力を駆動源に伝達することはない。
そして、本発明では、当接部がレールから受ける反力の方向と異なる方向から駆動力が作用されることによって駆動するトグル機構によって、一対の当接部間の距離が第1の距離と該第1の距離よりも長い第2の距離とに設定可能とされている。すなわち、トグル機構が駆動され、第1の姿勢の場合に当接部間の距離が第1の距離とされ、トグル機構が第2の姿勢の場合に当接部間の距離が第2の距離とされる。
【0009】
また、本発明においては、上記第1の距離は、上記上側のレールの幅よりも長いという構成を採用する。
【0010】
また、本発明においては、上記当接部は、緩衝材からなるという構成を採用する。
【0011】
また、本発明においては、上記当接部は、ガイドローラであるという構成を採用する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、当接部がレールから受ける反力の方向と異なる方向から駆動力が作用されることによって駆動するトグル機構によって、一対の当接部間の距離が第1の距離と該第1の距離よりも長い第2の距離とに設定可能とされている。
ここで、当接部間の距離が第1の距離の場合には、荷物の受け渡しの際に当接部がレールと当接しスタッカクレーンの転倒が防止される。ここで、当接部はレールから反力を受けることとなり、トグル機構にも同様の反力が作用する。しかしながら、トグル機構を駆動するために作用させる駆動力の方向は、当接部がレールから受ける反力と異なる方向である。このため、当接部がレールから受ける反力が駆動部に伝達されることはない。
よって、駆動部は、当接部がレールから受ける反力に耐える必要がなく、トグル機構を姿勢変化させるための力のみを出力できれば良い。このため本発明のスタッカクレーンにおいては、従来のスタッカクレーンと比較して、極めて出力の小さいものを用いることが可能となる。
このように、本発明によれば、上側に敷設されたレールに対して当接及び離間可能な当接部を備えるスタッカクレーンにおいて、当接部を移動するための駆動部が必要とする駆動力を低減させることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面を参照して、本発明に係るスタッカクレーンの一実施形態について説明する。なお、以下の図面において、各部材を認識可能な大きさとするために、各部材の縮尺を適宜変更している。
【0014】
(第1実施形態)
図1は、本実施形態のスタッカクレーンCを備える自動倉庫Sの平面図である。また、図2は、自動倉庫Sの側面図である。
これらの図に示すように、自動倉庫Sは、スタッカクレーンCと、該スタッカクレーンCの軌道であるレールRを挟んで対向配置されるラックT1,T2とを備えており、ラックT1,T2にスタッカクレーンCによって荷物を搬送して保管するものである。また、自動倉庫Sは、荷物を入庫するための入庫用コンベヤ(不図示)と荷物を出庫するための出庫用コンベヤ(不図示)とを備えており、スタッカクレーンCによって、入庫用コンベヤ及び出庫用コンベヤとの間にて荷物の受け渡しを行うことが可能とされている。
なお、本実施形態において、荷物はガラス基板を複数収納したカセットXであり、ラックT1,T2及びスタッカクレーンCは、例えばクリーン度10レベルのクリーンルームCL1内に設置されている。
【0015】
ラックT1,T2は、水平方向に及び上下方向に複数配列された収納棚Tによって構成されており、各収納棚TにカセットXを保管可能とされている。すなわち、ラックT1,T2は、多段配置された収納棚Tによって構成されている。また、ラックT1,T2は、互いに対向する側がカセットXの出入口として構成されている。
なお、以下の説明において、収納棚Tの水平方向の配列方向をX方向とし、X方向と直交する水平方向をY方向、X−Y面と直交する垂直方向をZ方向として説明する場合がある。
【0016】
レールRは、X方向に延在して、すなわちラックT1,T2に沿って敷設されており、クリーンルームCL1の床に所定間隔で平行に敷設されるレールR1,R2と、クリーンルームCL1の天井に敷設されるレールR3(上側のレール)とによって構成されている。すなわち、本実施形態のスタッカクレーンCが備えられる自動倉庫Sにおいては、レールRが上下設けられている。
【0017】
スタッカクレーンCは、レールR1,R2に下方から支持されるとともに、レールR1,R2上において回転可能とされる4つの車輪1を備えている。そして、スタッカクレーンC全体は、4つの車輪1によってレールR1,R2上を走行可能に支持されている。すなわち、スタッカクレーンCにおいては、4つの車輪1に支持されることによって立っていることが可能とされており、また、4つの車輪1が同期して回転することによって車輪1の回転方向に走行可能とされている。
なお、各車輪1に対してモータ2が接続されており、モータ2の駆動によって車輪1が回転される。また、車輪1のうちレールR2上を回転する車輪1aには、レールR2の両側面に当接されるガイドローラ1bが設置されており、該ガイドローラ1bによって車輪1aがレールR2上をガイドされる。
また、スタッカクレーンCは、昇降されるケージ40(昇降部)を備えており、ケージ40上に設置された移載装置100(例えば、フォーク装置)によって、ケージ40と収納棚Tとの間、ケージ40と入庫用コンベヤとの間及びケージ40と出庫用コンベヤとの間にてカセットXの受け渡しを行う。
【0018】
続いて、図3〜図8を参照して、スタッカクレーンCの詳細について説明する。
図3は、スタッカクレーンCの斜視図である。また、図4はスタッカクレーンCの正面図である。なお、図3及び図4においては、図面の視認性を向上させるために、スタッカクレーンCが備える車輪1、モータ2、ガイドローラ1b及び移載装置100の図示を省略している。
これらの図に示すように、スタッカクレーンCは、下部フレーム10(マスト支持フレーム)と、マスト20と、上部フレーム30と、ケージ40と、駆動装置50と、制御装置60とを備えている。
【0019】
下部フレーム10は、上記車輪1が回転自在に設置される車輪取り付け部11を有する土台とされるものであり、X方向に延在するとともに平行に配置される2つのメインフレーム12と、2つのメインフレームの端部同士を接続する2つのサイドフレーム13とを備えている。
【0020】
マスト20は、下部フレーム10に対して立設されるものであり、下部フレーム10の一方のサイドフレーム13aに立設されるマスト20aと、下部フレームの他方のサイドフレーム13bに立設されるマスト20bとによって構成されている。
また、マスト20は、下部フレーム10の下側にまで突出して延在されている。すなわち、マスト20は、下部フレーム10より、レールR1,R2が敷設される敷設面(クリーンルームCL1の床面)寄りにまで延在されている。
なお、マスト20aとマスト20bとは、X方向に配列されている。すなわち、マスト20aとマスト20bとは、Y方向において同一位置に立設されている。
このマスト20は、角柱形状を有しており、各側面がX方向あるいはY方向と平行となるように立設されている。
【0021】
上部フレーム30は、マスト20aの上端部とマスト20bの上端部とを接続するものであり、X方向に延在して配置されている。
この上部フレーム30の略中央部には、ケージ40と収納棚Tとの間にてカセットXの受け渡しを行う際に、スタッカクレーンCのY方向への転倒を防止するための転倒防止機構70が設置されている。
【0022】
図5及び図6は、転倒防止機構70の正面図である。図5が、転倒防止機構70の後述する当接部72aと当接部72bとが近づいている状態を示す図であり、図6が、転倒防止機構70の後述する当接部72aと当接部72bとが離れている状態を示す図である。
これらの図に示すように、転倒防止機構70は、トグル機構80と、電動シリンダ(駆動部)71と、当接部72とを備えている。
【0023】
トグル機構80は、後述のクランプレバー81a及び後述のクランプレバー81bを連結するとともに電動シリンダ71によって上下動される連結部82(移動箇所)と、連結部82の上下動によって先端部81a1,81b1がY方向に移動される2つのクランプレバー81(81a,81b)とを備えている。
【0024】
クランプレバー81のうち、レールR1側(+Y方向側)に先端部81a1が位置するクランプレバー81aは、図5に示すように、連結部82の基準位置P1が図1に示す死点Pよりも下降している場合において先端部81a1がレールR2側(−Y方向側)に位置され、図6に示すように、連結部82の基準位置P1が死点Pよりも上昇している場合において先端部81a1がレールR1側(+Y方向側)に位置される。
【0025】
また、クランプレバー81のうち、レールR2側(−Y方向側)に先端部81b1が位置するクランプレバー81bは、図5に示すように、連結部82の基準位置P1が死点Pよりも下降している場合において先端部81b1がレールR1側(+Y方向側)に位置され、図6に示すように、連結部82の基準位置P1が死点Pよりも上昇している場合において先端部81b1がレールR2側(−Y方向側)に位置される。
【0026】
トグル機構80は、上述のように電動シリンダ71によって連結部82が移動され、連結部82が死点を境にして下方(一方側)に位置している場合と、上方(他方側)に位置している場合とで異なる姿勢(第1の姿勢と第2の姿勢)となる機構であり、上記移動箇所が死点を通過する際にのみ電動シリンダ71からの駆動力を必要とする機構である。つまり、トグル機構80は、外部から力を加えられた場合において、当該力の作用方向が連結部82を移動させる方向(Z方向)でない場合には、外部から加えられた力を電動シリンダ71に伝達することはない。
【0027】
電動シリンダ71は、上部フレーム30内部に設置されており、トグル機構80の連結部82と接続されている。この電動シリンダ71は、制御装置60の制御の下、トグル機構80の連結部82を上下動させる。
【0028】
当接部72は、レールR3と当接可能とされるものであり、クランプレバー81aの先端部81a1に設置される当接部72aと、クランプレバー81bの先端部81b1に設置される当接部72bとによって構成されている。これらの当接部72a,72bは、レールR3を挟み込むようにしてレールR3の側方に配置されている。
そして、本実施形態のスタッカクレーンCにおいては、これらの当接部72a,72bは、ゴム等の緩衝材によって形成されている。
【0029】
このような転倒防止機構70において、電動シリンダ71の駆動によって連結部82の基準位置P1が死点Pより下降した場合には、図5に示すように、クランプレバー81aの先端部81a1とクランプレバー81bの先端部81b1との間隔が狭くなるように各クランプレバー81が姿勢変形する(第1の姿勢)。この結果、当接部72aと当接部72bとの間の距離が、第1の距離L1に設定される。
なお、第1の距離L1は、レールR3の幅よりも長く、かつ、移載装置100に対するカセットXの受け渡しの際においてスタッカクレーンCが偏心した場合に、いずれかの当接部72a,72bがレールR3に当接される長さである。
例えば、移載装置100に対して+Y方向においてカセットXの受け渡しを行う場合には、スタッカクレーンCが+Y方向に偏心するため、図7に示すように、当接部72bがレールR3と当接する。一方、移載装置100に対して−Y方向においてカセットXの受け渡しを行う場合は、スタッカクレーンCが−Y方向に偏心するため、図8に示すように、当接部72aがレールR3と当接する。
このようにカセットXの受け渡しの際に、いずれかの当接部72a,72bがレールR3と当接されることによって、スタッカクレーンCの転倒が防止される。
【0030】
また、電動シリンダ71の駆動によって連結部82の基準位置P1が死点Pより上昇した場合には、図6に示すように、クランプレバー81aの先端部81a1とクランプレバー81bの先端部81b1との間隔が広くなるように、各クランプレバー81が姿勢変形する(第2の姿勢)。この結果、当接部72aと当接部72bとの間の距離が、第2の距離L2に設定される。
この第2の距離L2は、上記第1の距離L1よりも広い距離であり、スタッカクレーンCの組立て精度、レールR3の敷設精度を考慮して、スタッカクレーンCの走行中に当接部72a,72bがレールRと接触しない距離とされる。さらに第2の距離L2は、ガイドローラ1bとレールR2との間に存在する隙間によってスタッカクレーンが走行中にY軸方向にわずかにずれることにより、当接部72と上部レールR3が接触しないように設定されている。
【0031】
図3及び図4に戻り、ケージ40は、X方向に延在する2つのメインフレーム41を有している。メインフレーム41同士は、補強部材42によって接続されている。メインフレーム41の両端部の各々に対してはサイドフレーム43が接続されている。
サイドフレーム43は、Z方向に立設される略三角形形状を有しており、その底辺部にて2つのメインフレーム41を接続している。また、サイドフレーム43は、底辺部及び頂部からマスト20方向に突出するガイド部44を備えている。
ガイド部44には、マスト20の側面を摺動面とするガイドローラが複数設置されている。これらのサイドローラ46及びガイドローラ47にガイドされることによってサイドフレーム43、さらにはケージ40がマスト20に沿って、上下方向(Z方向)に移動可能とされている。
また、サイドフレーム43の頂部から突出するガイド部44には、後述する駆動装置50が備える昇降ワイヤ51が接続される接続部48が設置されている。
【0032】
駆動装置50は、昇降ワイヤ51と、ドラム52と、モータ53と、減速器54とを備えている。
昇降ワイヤ51は、ケージ40のサイドフレーム43が備えるガイド部44の接続部48に一端が接続されるとともに、ドラム52に他端が巻回されている。また、昇降ワイヤ51としては、マスト20a側に位置するサイドフレーム43のガイド部44に接続される昇降ワイヤ51aと、マスト20b側に位置するサイドフレーム43のガイド部44に接続される昇降ワイヤ51bとが存在するが、いずれの昇降ワイヤ51a,51bも他端がドラム52に巻回されている。
なお、マスト20aの頂部及びマスト20bの頂部には、昇降ワイヤ51を案内するためのシーブ55が設置されている。マスト20aの頂部に設置されたシーブ55aは、X−Z平面内にて回転自在とされており、昇降ワイヤ51aをマスト20a側のサイドフレーム43に案内するとともに、昇降ワイヤ51bをマスト20bの頂部に設置されたシーブ55bに案内するものである。マスト20bの頂部に設置されたシーブ55bは、X−Z平面内にて回転自在とされており、昇降ワイヤ51bをマスト20b側のサイドフレーム43に案内するものである。
【0033】
ドラム52は、下部フレーム10のサイドフレーム13a上に、Y方向を向く回転軸を中心として回転可能に設置されている。
モータ53は、減速器54を介してドラム52と接続されており、減速器54を介してドラム52を回転する。なお、モータ53及び減速器54は、ドラム52の両端に各々設置されている。
【0034】
制御装置60は、スタッカクレーンC全体の動作を制御するものであり、下部フレーム10のサイドフレーム13b上に設置されている。
そして、本実施形態のスタッカクレーンCにおいては、制御装置60は、車輪1の回転が停止されている場合に転倒防止機構70の当接部72a,72b間の距離が第1の距離L1となるように、車輪1が回転されている場合に転倒防止機構70の当接部72a,72b間の距離が第2の距離L2となるように電動シリンダ71を制御する。
なお、制御装置60は、ケーブル61を介してスタッカクレーンCの駆動装置50や移載装置100を制御し、さらに自動倉庫S全体の制御を行う外部の制御装置と電気的に接続されている。
【0035】
このようなスタッカクレーンCにおいては、モータ53を制御してドラム52の回転量を調整することによって昇降ワイヤ51の巻回量を変化させ、これによって昇降ワイヤ51に接続されたケージ40のサイドフレーム43の高さが調整される。すなわち、駆動装置50の駆動によって、ケージ40の高さが制御される。そして、スタッカクレーンCの走行位置及びケージ40の高さが調整されることによって、ケージ40に搭載された移載装置100によってカセットXの受け渡しが行われる。
【0036】
ここで、本実施形態のスタッカクレーンCにおいて制御装置60は、車輪1の回転が停止されている場合に、転倒防止機構70の当接部72a,72b間の距離が第1の距離L1となるように電動シリンダ71を制御する。具体的には、制御装置60は、電動シリンダ71を連結部82の基準位置P1が死点Pより下降するように駆動する。この結果、クランプレバー81が、図5に示すように、クランプレバー81aの先端部81a1とクランプレバー81bの先端部81b1との間隔が狭くなるような姿勢となり、当接部72aと当接部72bとの間の距離が、第1の距離L1に設定される。
【0037】
このように当接部72aと当接部72bとの間の距離が、第1の距離L1に設定された状態にてカセットXの受け渡しが行われると、図7あるいは図8に示すように、いずれかの当接部72a,72bがレールR3と当接されることによってスタッカクレーンCの転倒が防止される。
そして、当接部72aあるいは当接部72bがレールR3に当接する場合には、当該当接する当接部72a,72bはY方向に反力を受け、トグル機構80にも同様の反力が作用する。トグル機構80を駆動するために作用させる駆動力の方向(すなわち、電動シリンダ71の駆動力方向)は、Z方向であり、すなわち、連結部82の移動方向もZ方向である。つまり、当接部72a,72bが受ける反力と連結部82の移動方向とが直交する方向である。このため、当接部72a,72bが受ける反力が電動シリンダ71に伝達されることはない。
【0038】
また、本実施形態のスタッカクレーンCにおいて制御装置60は、車輪1が回転される場合に、転倒防止機構70の当接部72a,72b間の距離が第2の距離L2となるように電動シリンダ71を制御する。具体的には、制御装置60は、電動シリンダ71を連結部82の基準位置P1が死点Pより上昇するように駆動する。この結果、クランプレバー81が、図6に示すように、クランプレバー81aの先端部81a1とクランプレバー81bの先端部81b1との間隔が広くなるような姿勢となり、当接部72aと当接部72bとの間の距離が、第2の距離L2に設定される。
【0039】
このように当接部72aと当接部72bとの間の距離が、第2の距離L2に設定された状態では、スタッカクレーンCの走行によって当接部72a,72bがレールR3と接触することが防止される。
このため、従来のスタッカクレーンをクリーン度の高い空間に適用する場合に問題とされていた、ガイドローラと該ガイドローラに狭持されるレールとが摺動することによる粉塵の発生を防止することが可能となる。
【0040】
このような本実施形態のスタッカクレーンCによれば、トグル機構80によって、カセットXの受け渡しの際に、当接部72a,72bが受ける反力が電動シリンダ71に伝達されることはない。
よって、電動シリンダ71は、当接部72a,72bがレールR3から受ける反力に耐える必要がなく、トグル機構80を姿勢変化させるための力(駆動力)のみを出力できれば良い。このため本実施形態のスタッカクレーンCにおいては、従来のスタッカクレーンと比較して、極めて出力の小さい電動シリンダ71を用いることが可能となる。
このように、本実施形態のスタッカクレーンCによれば、当接部72a,72bを移動するための電動シリンダ71が必要とする駆動力を低減させることが可能となる。したがって、小型の電動シリンダを用いることができ、スタッカクレーンの小型化及び装置コストの削減を図ることが可能となる。
【0041】
また、本実施形態のスタッカクレーンCにおいては、当接部72a,72b間の距離が狭い場合である第1の距離L1であっても、レールR3の幅よりも長い。すなわち、距離が長い第2の距離L2から第1の距離L1に、当接部72a,72b間の距離を変更する場合に、当接部72a,72bとレールR3とが当接されることがない。
仮に、第2の距離L2から第1の距離L1に変更する場合において、当接部72a,72bがレールR3を把持する場合には、当接部72a,72bがレールR3に当接した状態からさらに連結部82の基準位置P1が死点Pを越えるように駆動力を作用させる必要生じ、大きな駆動力が必要となる。
このため、本実施形態のスタッカクレーンCによれば、当接部72a,72b間の距離を長い状態から短い状態に変更する場合に必要となる駆動力を減少させることができ、より駆動力の小さな電動シリンダを採用することが可能となる。
【0042】
また、本実施形態のスタッカクレーンCにおいては、当接部72a,72bが緩衝材によって形成されている。
このため、当接部72a,72bがレールR3と当接している間におけるスタッカクレーンCの微小な動きによって、当接部72a,72bとレールR3とが摺動することを抑制し、より粉塵の発生を抑制することが可能となる。
【0043】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、本第2実施形態の説明において、上記第1実施形態と同様の部分については、その説明を省略あるいは簡略化する。
【0044】
図9及び図10は、本実施形態のスタッカクレーンが備える転倒防止機構90の正面図である。図9が、転倒防止機構90の当接部72aと当接部72bとが近づいている状態を示す図であり、図10が、転倒防止機構70の当接部72aと当接部72bとが離れている状態を示す図である。
これらの図に示すように、本実施形態のスタッカクレーンCにおいては、上記実施形態における当接部72aとしてガイドローラ72a1が設置され、当接部72bとしてガイドローラ72b1が設置されている。
【0045】
このような構成を有する本実施形態のスタッカクレーンによれば、上記第1実施形態のスタッカクレーンCと同様の効果を奏することができるとともに、緊急時に当接部72a,72bがレールR3に当接された状態であってもスタッカクレーンを走行させることが可能となる。
【0046】
以上、図面を参照しながら本発明に係るスタッカクレーンの好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されないことは言うまでもない。上述した実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0047】
例えば、上記実施形態においては、駆動部として電動シリンダ71を備える構成について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、駆動部としてエアシリンダやラックアンドピニオン等を用いることもできる。
このように本発明のスタッカクレーンによれば、出力の小さな駆動部を用いることができるため、駆動部の選択の自由度が高くなる。
【0048】
例えば、上記実施形態においては、転倒防止機構70(90)を1つのみ備える構成について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、複数の転倒防止機構70(90)を備える構成であっても良い。
【0049】
また、上記実施形態においては、スタッカクレーンCの搬送対象物である荷物がガラス基板を収納するカセットである構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の第1実施形態であるスタッカクレーンを備える自動倉庫の平面図である。
【図2】本発明の第1実施形態であるスタッカクレーンを備える自動倉庫の側面図である。
【図3】本発明の第1実施形態であるスタッカクレーンの斜視図である。
【図4】本発明の第1実施形態であるスタッカクレーンの正面図である。
【図5】本発明の第1実施形態であるスタッカクレーンの転倒防止機構の正面図である。
【図6】本発明の第1実施形態であるスタッカクレーンの転倒防止機構の正面図である。
【図7】本発明の第1実施形態であるスタッカクレーンの動作を説明するための説明図である。
【図8】本発明の第1実施形態であるスタッカクレーンの動作を説明するための説明図である。
【図9】本発明の第2実施形態であるスタッカクレーンの転倒防止機構の正面図である。
【図10】本発明の第2実施形態であるスタッカクレーンの転倒防止機構の正面図である。
【符号の説明】
【0051】
T……収納棚、R(R1〜R3)……レール、C……スタッカクレーン、X……カセット(荷物)、P……死点、P1……基準点、72(72a〜72b)……当接部、72a1,72b1……ガイドローラ、40……ケージ(昇降部)、70,90……転倒防止機構、80……トグル機構、71……電動シリンダ(駆動部)、L1……第1の距離、L2……第2の距離
【技術分野】
【0001】
本発明は、上下に敷設されたレールに沿って走行可能なスタッカレーンに関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、上下方向並びに横方向に並列する複数の収納棚にて荷物を保管する自動倉庫では、スタッカクレーンを用いて荷物の搬送が行われている。このスタッカクレーンは、荷物の収納棚に沿って設けられたレール上を走行するとともに、昇降ワイヤを介して吊上げられたケージを駆動装置で昇降させることで任意の収納棚との間にて荷物の受け渡しを行うことができる。
【0003】
このようなスタッカクレーンにおいては、荷物の受け渡しの際におけるスタッカクレーンの転倒を防止するために、スタッカクレーンの上方に敷設されたレール(上側のレール)を狭持するガイドローラを備えている。このようなガイドローラに支えされることによって、スタッカクレーンと収納棚との間にて円滑に荷物の受け渡しを行うことが可能となる。
【0004】
ところで、近年においては、スタッカクレーンをクリーン度の高い空間にて用いることが提案されている。このようなクリーン度の高い空間においては、スタッカクレーンの動作による発塵を抑制する必要がある。このため、特許文献1には、ガイドローラをレールから離間するように移動可能とする駆動部を備え、スタッカクレーンの走行時にはガイドローラをレールから離間させ、スタッカクレーンの停止時にのみガイドローラをレールに当接させるスタッカクレーンが提案されている。
【特許文献1】特開平6−144515号公報
【特許文献2】特開平7−228308号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ガイドローラは、スタッカクレーンの転倒を防止するためのものであるため、スタッカクレーンの荷物の受け渡しの際に大きな荷重を受ける。このような荷重がガイドローラに作用した場合に、万一ガイドローラがレールから離間する方向に移動してしまった場合には、スタッカクレーンの姿勢が不安定となってしまう。このため、特許文献1に示されるスタッカクレーンにおいては、荷物の受け渡しの際に作用する荷重に耐えられるような駆動力を有する駆動部を設置する必要があった。
したがって、大型(大出力)の駆動部を設置する必要が生じ、スタッカクレーンの大型化及び製造コストの増加を招くこととなる。
【0006】
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、上側に敷設されたレールに対して当接及び離間可能な当接部を備えるスタッカクレーンにおいて、当接部を移動するための駆動部が必要とする駆動力を低減させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明においては、多段配置された収納棚に沿って上下に設けられたレールに沿って走行するとともに、荷物を収容する昇降部を昇降させることで各収納棚との間で荷物を搬送するスタッカクレーンであって、上記レールのうち上側のレールを挟んで配置されると共に当該レールに対して当接可能な一対の当接部と、上記当接部間の距離を、少なくとも上記昇降部に対する荷物の受け渡し時において上記当接部の少なくともいずれか一方が上記上側のレールに当接する第1の距離と該第1の距離よりも長い第2の距離とに設定可能なトグル機構と、上記当接部が上記レールから受ける反力の方向と異なる方向から駆動力を作用させることによって上記トグル機構を駆動する駆動部とを備えることを特徴とする。
【0008】
まず、トグル機構とは、駆動部によって所定方向に移動される移動箇所が特定の点(死点)を境にして一方側に位置している場合と、他方側に位置している場合とで異なる姿勢(第1の姿勢と第2の姿勢)となる機構であり、上記移動箇所が死点を通過する際にのみ駆動源からの駆動力を必要とする機構である。このような、トグル機構は、外部から力を加えられた場合において、当該力の作用方向が上記移動箇所を移動させる方向でない場合には、外部から加えられた力を駆動源に伝達することはない。
そして、本発明では、当接部がレールから受ける反力の方向と異なる方向から駆動力が作用されることによって駆動するトグル機構によって、一対の当接部間の距離が第1の距離と該第1の距離よりも長い第2の距離とに設定可能とされている。すなわち、トグル機構が駆動され、第1の姿勢の場合に当接部間の距離が第1の距離とされ、トグル機構が第2の姿勢の場合に当接部間の距離が第2の距離とされる。
【0009】
また、本発明においては、上記第1の距離は、上記上側のレールの幅よりも長いという構成を採用する。
【0010】
また、本発明においては、上記当接部は、緩衝材からなるという構成を採用する。
【0011】
また、本発明においては、上記当接部は、ガイドローラであるという構成を採用する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、当接部がレールから受ける反力の方向と異なる方向から駆動力が作用されることによって駆動するトグル機構によって、一対の当接部間の距離が第1の距離と該第1の距離よりも長い第2の距離とに設定可能とされている。
ここで、当接部間の距離が第1の距離の場合には、荷物の受け渡しの際に当接部がレールと当接しスタッカクレーンの転倒が防止される。ここで、当接部はレールから反力を受けることとなり、トグル機構にも同様の反力が作用する。しかしながら、トグル機構を駆動するために作用させる駆動力の方向は、当接部がレールから受ける反力と異なる方向である。このため、当接部がレールから受ける反力が駆動部に伝達されることはない。
よって、駆動部は、当接部がレールから受ける反力に耐える必要がなく、トグル機構を姿勢変化させるための力のみを出力できれば良い。このため本発明のスタッカクレーンにおいては、従来のスタッカクレーンと比較して、極めて出力の小さいものを用いることが可能となる。
このように、本発明によれば、上側に敷設されたレールに対して当接及び離間可能な当接部を備えるスタッカクレーンにおいて、当接部を移動するための駆動部が必要とする駆動力を低減させることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面を参照して、本発明に係るスタッカクレーンの一実施形態について説明する。なお、以下の図面において、各部材を認識可能な大きさとするために、各部材の縮尺を適宜変更している。
【0014】
(第1実施形態)
図1は、本実施形態のスタッカクレーンCを備える自動倉庫Sの平面図である。また、図2は、自動倉庫Sの側面図である。
これらの図に示すように、自動倉庫Sは、スタッカクレーンCと、該スタッカクレーンCの軌道であるレールRを挟んで対向配置されるラックT1,T2とを備えており、ラックT1,T2にスタッカクレーンCによって荷物を搬送して保管するものである。また、自動倉庫Sは、荷物を入庫するための入庫用コンベヤ(不図示)と荷物を出庫するための出庫用コンベヤ(不図示)とを備えており、スタッカクレーンCによって、入庫用コンベヤ及び出庫用コンベヤとの間にて荷物の受け渡しを行うことが可能とされている。
なお、本実施形態において、荷物はガラス基板を複数収納したカセットXであり、ラックT1,T2及びスタッカクレーンCは、例えばクリーン度10レベルのクリーンルームCL1内に設置されている。
【0015】
ラックT1,T2は、水平方向に及び上下方向に複数配列された収納棚Tによって構成されており、各収納棚TにカセットXを保管可能とされている。すなわち、ラックT1,T2は、多段配置された収納棚Tによって構成されている。また、ラックT1,T2は、互いに対向する側がカセットXの出入口として構成されている。
なお、以下の説明において、収納棚Tの水平方向の配列方向をX方向とし、X方向と直交する水平方向をY方向、X−Y面と直交する垂直方向をZ方向として説明する場合がある。
【0016】
レールRは、X方向に延在して、すなわちラックT1,T2に沿って敷設されており、クリーンルームCL1の床に所定間隔で平行に敷設されるレールR1,R2と、クリーンルームCL1の天井に敷設されるレールR3(上側のレール)とによって構成されている。すなわち、本実施形態のスタッカクレーンCが備えられる自動倉庫Sにおいては、レールRが上下設けられている。
【0017】
スタッカクレーンCは、レールR1,R2に下方から支持されるとともに、レールR1,R2上において回転可能とされる4つの車輪1を備えている。そして、スタッカクレーンC全体は、4つの車輪1によってレールR1,R2上を走行可能に支持されている。すなわち、スタッカクレーンCにおいては、4つの車輪1に支持されることによって立っていることが可能とされており、また、4つの車輪1が同期して回転することによって車輪1の回転方向に走行可能とされている。
なお、各車輪1に対してモータ2が接続されており、モータ2の駆動によって車輪1が回転される。また、車輪1のうちレールR2上を回転する車輪1aには、レールR2の両側面に当接されるガイドローラ1bが設置されており、該ガイドローラ1bによって車輪1aがレールR2上をガイドされる。
また、スタッカクレーンCは、昇降されるケージ40(昇降部)を備えており、ケージ40上に設置された移載装置100(例えば、フォーク装置)によって、ケージ40と収納棚Tとの間、ケージ40と入庫用コンベヤとの間及びケージ40と出庫用コンベヤとの間にてカセットXの受け渡しを行う。
【0018】
続いて、図3〜図8を参照して、スタッカクレーンCの詳細について説明する。
図3は、スタッカクレーンCの斜視図である。また、図4はスタッカクレーンCの正面図である。なお、図3及び図4においては、図面の視認性を向上させるために、スタッカクレーンCが備える車輪1、モータ2、ガイドローラ1b及び移載装置100の図示を省略している。
これらの図に示すように、スタッカクレーンCは、下部フレーム10(マスト支持フレーム)と、マスト20と、上部フレーム30と、ケージ40と、駆動装置50と、制御装置60とを備えている。
【0019】
下部フレーム10は、上記車輪1が回転自在に設置される車輪取り付け部11を有する土台とされるものであり、X方向に延在するとともに平行に配置される2つのメインフレーム12と、2つのメインフレームの端部同士を接続する2つのサイドフレーム13とを備えている。
【0020】
マスト20は、下部フレーム10に対して立設されるものであり、下部フレーム10の一方のサイドフレーム13aに立設されるマスト20aと、下部フレームの他方のサイドフレーム13bに立設されるマスト20bとによって構成されている。
また、マスト20は、下部フレーム10の下側にまで突出して延在されている。すなわち、マスト20は、下部フレーム10より、レールR1,R2が敷設される敷設面(クリーンルームCL1の床面)寄りにまで延在されている。
なお、マスト20aとマスト20bとは、X方向に配列されている。すなわち、マスト20aとマスト20bとは、Y方向において同一位置に立設されている。
このマスト20は、角柱形状を有しており、各側面がX方向あるいはY方向と平行となるように立設されている。
【0021】
上部フレーム30は、マスト20aの上端部とマスト20bの上端部とを接続するものであり、X方向に延在して配置されている。
この上部フレーム30の略中央部には、ケージ40と収納棚Tとの間にてカセットXの受け渡しを行う際に、スタッカクレーンCのY方向への転倒を防止するための転倒防止機構70が設置されている。
【0022】
図5及び図6は、転倒防止機構70の正面図である。図5が、転倒防止機構70の後述する当接部72aと当接部72bとが近づいている状態を示す図であり、図6が、転倒防止機構70の後述する当接部72aと当接部72bとが離れている状態を示す図である。
これらの図に示すように、転倒防止機構70は、トグル機構80と、電動シリンダ(駆動部)71と、当接部72とを備えている。
【0023】
トグル機構80は、後述のクランプレバー81a及び後述のクランプレバー81bを連結するとともに電動シリンダ71によって上下動される連結部82(移動箇所)と、連結部82の上下動によって先端部81a1,81b1がY方向に移動される2つのクランプレバー81(81a,81b)とを備えている。
【0024】
クランプレバー81のうち、レールR1側(+Y方向側)に先端部81a1が位置するクランプレバー81aは、図5に示すように、連結部82の基準位置P1が図1に示す死点Pよりも下降している場合において先端部81a1がレールR2側(−Y方向側)に位置され、図6に示すように、連結部82の基準位置P1が死点Pよりも上昇している場合において先端部81a1がレールR1側(+Y方向側)に位置される。
【0025】
また、クランプレバー81のうち、レールR2側(−Y方向側)に先端部81b1が位置するクランプレバー81bは、図5に示すように、連結部82の基準位置P1が死点Pよりも下降している場合において先端部81b1がレールR1側(+Y方向側)に位置され、図6に示すように、連結部82の基準位置P1が死点Pよりも上昇している場合において先端部81b1がレールR2側(−Y方向側)に位置される。
【0026】
トグル機構80は、上述のように電動シリンダ71によって連結部82が移動され、連結部82が死点を境にして下方(一方側)に位置している場合と、上方(他方側)に位置している場合とで異なる姿勢(第1の姿勢と第2の姿勢)となる機構であり、上記移動箇所が死点を通過する際にのみ電動シリンダ71からの駆動力を必要とする機構である。つまり、トグル機構80は、外部から力を加えられた場合において、当該力の作用方向が連結部82を移動させる方向(Z方向)でない場合には、外部から加えられた力を電動シリンダ71に伝達することはない。
【0027】
電動シリンダ71は、上部フレーム30内部に設置されており、トグル機構80の連結部82と接続されている。この電動シリンダ71は、制御装置60の制御の下、トグル機構80の連結部82を上下動させる。
【0028】
当接部72は、レールR3と当接可能とされるものであり、クランプレバー81aの先端部81a1に設置される当接部72aと、クランプレバー81bの先端部81b1に設置される当接部72bとによって構成されている。これらの当接部72a,72bは、レールR3を挟み込むようにしてレールR3の側方に配置されている。
そして、本実施形態のスタッカクレーンCにおいては、これらの当接部72a,72bは、ゴム等の緩衝材によって形成されている。
【0029】
このような転倒防止機構70において、電動シリンダ71の駆動によって連結部82の基準位置P1が死点Pより下降した場合には、図5に示すように、クランプレバー81aの先端部81a1とクランプレバー81bの先端部81b1との間隔が狭くなるように各クランプレバー81が姿勢変形する(第1の姿勢)。この結果、当接部72aと当接部72bとの間の距離が、第1の距離L1に設定される。
なお、第1の距離L1は、レールR3の幅よりも長く、かつ、移載装置100に対するカセットXの受け渡しの際においてスタッカクレーンCが偏心した場合に、いずれかの当接部72a,72bがレールR3に当接される長さである。
例えば、移載装置100に対して+Y方向においてカセットXの受け渡しを行う場合には、スタッカクレーンCが+Y方向に偏心するため、図7に示すように、当接部72bがレールR3と当接する。一方、移載装置100に対して−Y方向においてカセットXの受け渡しを行う場合は、スタッカクレーンCが−Y方向に偏心するため、図8に示すように、当接部72aがレールR3と当接する。
このようにカセットXの受け渡しの際に、いずれかの当接部72a,72bがレールR3と当接されることによって、スタッカクレーンCの転倒が防止される。
【0030】
また、電動シリンダ71の駆動によって連結部82の基準位置P1が死点Pより上昇した場合には、図6に示すように、クランプレバー81aの先端部81a1とクランプレバー81bの先端部81b1との間隔が広くなるように、各クランプレバー81が姿勢変形する(第2の姿勢)。この結果、当接部72aと当接部72bとの間の距離が、第2の距離L2に設定される。
この第2の距離L2は、上記第1の距離L1よりも広い距離であり、スタッカクレーンCの組立て精度、レールR3の敷設精度を考慮して、スタッカクレーンCの走行中に当接部72a,72bがレールRと接触しない距離とされる。さらに第2の距離L2は、ガイドローラ1bとレールR2との間に存在する隙間によってスタッカクレーンが走行中にY軸方向にわずかにずれることにより、当接部72と上部レールR3が接触しないように設定されている。
【0031】
図3及び図4に戻り、ケージ40は、X方向に延在する2つのメインフレーム41を有している。メインフレーム41同士は、補強部材42によって接続されている。メインフレーム41の両端部の各々に対してはサイドフレーム43が接続されている。
サイドフレーム43は、Z方向に立設される略三角形形状を有しており、その底辺部にて2つのメインフレーム41を接続している。また、サイドフレーム43は、底辺部及び頂部からマスト20方向に突出するガイド部44を備えている。
ガイド部44には、マスト20の側面を摺動面とするガイドローラが複数設置されている。これらのサイドローラ46及びガイドローラ47にガイドされることによってサイドフレーム43、さらにはケージ40がマスト20に沿って、上下方向(Z方向)に移動可能とされている。
また、サイドフレーム43の頂部から突出するガイド部44には、後述する駆動装置50が備える昇降ワイヤ51が接続される接続部48が設置されている。
【0032】
駆動装置50は、昇降ワイヤ51と、ドラム52と、モータ53と、減速器54とを備えている。
昇降ワイヤ51は、ケージ40のサイドフレーム43が備えるガイド部44の接続部48に一端が接続されるとともに、ドラム52に他端が巻回されている。また、昇降ワイヤ51としては、マスト20a側に位置するサイドフレーム43のガイド部44に接続される昇降ワイヤ51aと、マスト20b側に位置するサイドフレーム43のガイド部44に接続される昇降ワイヤ51bとが存在するが、いずれの昇降ワイヤ51a,51bも他端がドラム52に巻回されている。
なお、マスト20aの頂部及びマスト20bの頂部には、昇降ワイヤ51を案内するためのシーブ55が設置されている。マスト20aの頂部に設置されたシーブ55aは、X−Z平面内にて回転自在とされており、昇降ワイヤ51aをマスト20a側のサイドフレーム43に案内するとともに、昇降ワイヤ51bをマスト20bの頂部に設置されたシーブ55bに案内するものである。マスト20bの頂部に設置されたシーブ55bは、X−Z平面内にて回転自在とされており、昇降ワイヤ51bをマスト20b側のサイドフレーム43に案内するものである。
【0033】
ドラム52は、下部フレーム10のサイドフレーム13a上に、Y方向を向く回転軸を中心として回転可能に設置されている。
モータ53は、減速器54を介してドラム52と接続されており、減速器54を介してドラム52を回転する。なお、モータ53及び減速器54は、ドラム52の両端に各々設置されている。
【0034】
制御装置60は、スタッカクレーンC全体の動作を制御するものであり、下部フレーム10のサイドフレーム13b上に設置されている。
そして、本実施形態のスタッカクレーンCにおいては、制御装置60は、車輪1の回転が停止されている場合に転倒防止機構70の当接部72a,72b間の距離が第1の距離L1となるように、車輪1が回転されている場合に転倒防止機構70の当接部72a,72b間の距離が第2の距離L2となるように電動シリンダ71を制御する。
なお、制御装置60は、ケーブル61を介してスタッカクレーンCの駆動装置50や移載装置100を制御し、さらに自動倉庫S全体の制御を行う外部の制御装置と電気的に接続されている。
【0035】
このようなスタッカクレーンCにおいては、モータ53を制御してドラム52の回転量を調整することによって昇降ワイヤ51の巻回量を変化させ、これによって昇降ワイヤ51に接続されたケージ40のサイドフレーム43の高さが調整される。すなわち、駆動装置50の駆動によって、ケージ40の高さが制御される。そして、スタッカクレーンCの走行位置及びケージ40の高さが調整されることによって、ケージ40に搭載された移載装置100によってカセットXの受け渡しが行われる。
【0036】
ここで、本実施形態のスタッカクレーンCにおいて制御装置60は、車輪1の回転が停止されている場合に、転倒防止機構70の当接部72a,72b間の距離が第1の距離L1となるように電動シリンダ71を制御する。具体的には、制御装置60は、電動シリンダ71を連結部82の基準位置P1が死点Pより下降するように駆動する。この結果、クランプレバー81が、図5に示すように、クランプレバー81aの先端部81a1とクランプレバー81bの先端部81b1との間隔が狭くなるような姿勢となり、当接部72aと当接部72bとの間の距離が、第1の距離L1に設定される。
【0037】
このように当接部72aと当接部72bとの間の距離が、第1の距離L1に設定された状態にてカセットXの受け渡しが行われると、図7あるいは図8に示すように、いずれかの当接部72a,72bがレールR3と当接されることによってスタッカクレーンCの転倒が防止される。
そして、当接部72aあるいは当接部72bがレールR3に当接する場合には、当該当接する当接部72a,72bはY方向に反力を受け、トグル機構80にも同様の反力が作用する。トグル機構80を駆動するために作用させる駆動力の方向(すなわち、電動シリンダ71の駆動力方向)は、Z方向であり、すなわち、連結部82の移動方向もZ方向である。つまり、当接部72a,72bが受ける反力と連結部82の移動方向とが直交する方向である。このため、当接部72a,72bが受ける反力が電動シリンダ71に伝達されることはない。
【0038】
また、本実施形態のスタッカクレーンCにおいて制御装置60は、車輪1が回転される場合に、転倒防止機構70の当接部72a,72b間の距離が第2の距離L2となるように電動シリンダ71を制御する。具体的には、制御装置60は、電動シリンダ71を連結部82の基準位置P1が死点Pより上昇するように駆動する。この結果、クランプレバー81が、図6に示すように、クランプレバー81aの先端部81a1とクランプレバー81bの先端部81b1との間隔が広くなるような姿勢となり、当接部72aと当接部72bとの間の距離が、第2の距離L2に設定される。
【0039】
このように当接部72aと当接部72bとの間の距離が、第2の距離L2に設定された状態では、スタッカクレーンCの走行によって当接部72a,72bがレールR3と接触することが防止される。
このため、従来のスタッカクレーンをクリーン度の高い空間に適用する場合に問題とされていた、ガイドローラと該ガイドローラに狭持されるレールとが摺動することによる粉塵の発生を防止することが可能となる。
【0040】
このような本実施形態のスタッカクレーンCによれば、トグル機構80によって、カセットXの受け渡しの際に、当接部72a,72bが受ける反力が電動シリンダ71に伝達されることはない。
よって、電動シリンダ71は、当接部72a,72bがレールR3から受ける反力に耐える必要がなく、トグル機構80を姿勢変化させるための力(駆動力)のみを出力できれば良い。このため本実施形態のスタッカクレーンCにおいては、従来のスタッカクレーンと比較して、極めて出力の小さい電動シリンダ71を用いることが可能となる。
このように、本実施形態のスタッカクレーンCによれば、当接部72a,72bを移動するための電動シリンダ71が必要とする駆動力を低減させることが可能となる。したがって、小型の電動シリンダを用いることができ、スタッカクレーンの小型化及び装置コストの削減を図ることが可能となる。
【0041】
また、本実施形態のスタッカクレーンCにおいては、当接部72a,72b間の距離が狭い場合である第1の距離L1であっても、レールR3の幅よりも長い。すなわち、距離が長い第2の距離L2から第1の距離L1に、当接部72a,72b間の距離を変更する場合に、当接部72a,72bとレールR3とが当接されることがない。
仮に、第2の距離L2から第1の距離L1に変更する場合において、当接部72a,72bがレールR3を把持する場合には、当接部72a,72bがレールR3に当接した状態からさらに連結部82の基準位置P1が死点Pを越えるように駆動力を作用させる必要生じ、大きな駆動力が必要となる。
このため、本実施形態のスタッカクレーンCによれば、当接部72a,72b間の距離を長い状態から短い状態に変更する場合に必要となる駆動力を減少させることができ、より駆動力の小さな電動シリンダを採用することが可能となる。
【0042】
また、本実施形態のスタッカクレーンCにおいては、当接部72a,72bが緩衝材によって形成されている。
このため、当接部72a,72bがレールR3と当接している間におけるスタッカクレーンCの微小な動きによって、当接部72a,72bとレールR3とが摺動することを抑制し、より粉塵の発生を抑制することが可能となる。
【0043】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、本第2実施形態の説明において、上記第1実施形態と同様の部分については、その説明を省略あるいは簡略化する。
【0044】
図9及び図10は、本実施形態のスタッカクレーンが備える転倒防止機構90の正面図である。図9が、転倒防止機構90の当接部72aと当接部72bとが近づいている状態を示す図であり、図10が、転倒防止機構70の当接部72aと当接部72bとが離れている状態を示す図である。
これらの図に示すように、本実施形態のスタッカクレーンCにおいては、上記実施形態における当接部72aとしてガイドローラ72a1が設置され、当接部72bとしてガイドローラ72b1が設置されている。
【0045】
このような構成を有する本実施形態のスタッカクレーンによれば、上記第1実施形態のスタッカクレーンCと同様の効果を奏することができるとともに、緊急時に当接部72a,72bがレールR3に当接された状態であってもスタッカクレーンを走行させることが可能となる。
【0046】
以上、図面を参照しながら本発明に係るスタッカクレーンの好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されないことは言うまでもない。上述した実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0047】
例えば、上記実施形態においては、駆動部として電動シリンダ71を備える構成について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、駆動部としてエアシリンダやラックアンドピニオン等を用いることもできる。
このように本発明のスタッカクレーンによれば、出力の小さな駆動部を用いることができるため、駆動部の選択の自由度が高くなる。
【0048】
例えば、上記実施形態においては、転倒防止機構70(90)を1つのみ備える構成について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、複数の転倒防止機構70(90)を備える構成であっても良い。
【0049】
また、上記実施形態においては、スタッカクレーンCの搬送対象物である荷物がガラス基板を収納するカセットである構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の第1実施形態であるスタッカクレーンを備える自動倉庫の平面図である。
【図2】本発明の第1実施形態であるスタッカクレーンを備える自動倉庫の側面図である。
【図3】本発明の第1実施形態であるスタッカクレーンの斜視図である。
【図4】本発明の第1実施形態であるスタッカクレーンの正面図である。
【図5】本発明の第1実施形態であるスタッカクレーンの転倒防止機構の正面図である。
【図6】本発明の第1実施形態であるスタッカクレーンの転倒防止機構の正面図である。
【図7】本発明の第1実施形態であるスタッカクレーンの動作を説明するための説明図である。
【図8】本発明の第1実施形態であるスタッカクレーンの動作を説明するための説明図である。
【図9】本発明の第2実施形態であるスタッカクレーンの転倒防止機構の正面図である。
【図10】本発明の第2実施形態であるスタッカクレーンの転倒防止機構の正面図である。
【符号の説明】
【0051】
T……収納棚、R(R1〜R3)……レール、C……スタッカクレーン、X……カセット(荷物)、P……死点、P1……基準点、72(72a〜72b)……当接部、72a1,72b1……ガイドローラ、40……ケージ(昇降部)、70,90……転倒防止機構、80……トグル機構、71……電動シリンダ(駆動部)、L1……第1の距離、L2……第2の距離
【特許請求の範囲】
【請求項1】
多段配置された収納棚に沿って上下に設けられたレールに沿って走行するとともに、荷物を収容する昇降部を昇降させることで各収納棚との間で荷物を搬送するスタッカクレーンであって、
前記レールのうち上側のレールを挟んで配置されると共に当該レールに対して当接可能な一対の当接部と、
前記当接部間の距離を、少なくとも前記昇降部に対する荷物の受け渡し時において前記当接部の少なくともいずれか一方が前記上側のレールに当接する第1の距離と該第1の距離よりも長い第2の距離とに設定可能なトグル機構と、
前記当接部が前記レールから受ける反力の方向と異なる方向から駆動力を作用させることによって前記トグル機構を駆動する駆動部と
を備えることを特徴とするスタッカクレーン。
【請求項2】
前記第1の距離は、前記上側のレールの幅よりも長いことを特徴とする請求項1記載のスタッカクレーン。
【請求項3】
前記当接部は、緩衝材からなることを特徴とする請求項1または2記載のスタッカクレーン。
【請求項4】
前記当接部は、ガイドローラであることを特徴とする請求項3記載のスタッカクレーン。
【請求項1】
多段配置された収納棚に沿って上下に設けられたレールに沿って走行するとともに、荷物を収容する昇降部を昇降させることで各収納棚との間で荷物を搬送するスタッカクレーンであって、
前記レールのうち上側のレールを挟んで配置されると共に当該レールに対して当接可能な一対の当接部と、
前記当接部間の距離を、少なくとも前記昇降部に対する荷物の受け渡し時において前記当接部の少なくともいずれか一方が前記上側のレールに当接する第1の距離と該第1の距離よりも長い第2の距離とに設定可能なトグル機構と、
前記当接部が前記レールから受ける反力の方向と異なる方向から駆動力を作用させることによって前記トグル機構を駆動する駆動部と
を備えることを特徴とするスタッカクレーン。
【請求項2】
前記第1の距離は、前記上側のレールの幅よりも長いことを特徴とする請求項1記載のスタッカクレーン。
【請求項3】
前記当接部は、緩衝材からなることを特徴とする請求項1または2記載のスタッカクレーン。
【請求項4】
前記当接部は、ガイドローラであることを特徴とする請求項3記載のスタッカクレーン。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2009−1405(P2009−1405A)
【公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−165999(P2007−165999)
【出願日】平成19年6月25日(2007.6.25)
【出願人】(000000099)株式会社IHI (5,014)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年6月25日(2007.6.25)
【出願人】(000000099)株式会社IHI (5,014)
【Fターム(参考)】
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