説明

スタッカークレーンの走行制御装置

【課題】四輪のトルク制御を最適化することにより、車輪のスリップを防止し、スムーズに加速や減速をすることができるスタッカークレーンの走行制御装置を提供すること。
【解決手段】走行レール上を走行する移動体の前後左右の車輪をそれぞれ駆動する走行駆動手段と、前後左右の車輪をそれぞれ駆動するトルクを検出するトルク検出手段と、移動体の走行速度を検出する速度検出手段と、速度検出手段により検出される走行速度に基づいて各走行駆動手段を駆動し、移動体の速度制御をする走行制御手段とを備え、走行制御手段が、移動体が加速移動中に、前輪より後輪のトルク配分を大きくする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スタッカークレーンの走行制御装置に関し、特に、前後左右の各車輪への最適なトルク配分により、車輪のスリップを防止し、車輪からの発塵を防止するようにしたスタッカークレーンの走行制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、四輪で走行レール上を走行する移動体、例えば、液晶を製造しているクリーンルーム内のスタッカークレーンには、前輪又は後輪に走行駆動装置が装備され、搬送指令に従ってスタッカークレーンが目的の行き先に移動し、複数枚の液晶を収めたカセットの搬送を行っている。
【0003】
しかしながら、液晶の大型化に伴い該カセット重量が増加し、走行用モータの大型化が必要となるが、該走行モータから車輪に大きな力を伝えるため、個々の部品が大きく、また重量も大きくなるためメンテナンス性を損ねる。
また、駆動輪と従動輪では磨耗の速さが異なったり、加速や減速によっても前輪や後輪の負担が変化し、車輪がスリップしたりするという問題点がある(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2006−159923号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記従来のスタッカークレーンの走行制御装置が有する問題点に鑑み、四輪のトルク制御を最適化することにより、車輪のスリップを防止し、スムーズに加速や減速をすることができるスタッカークレーンの走行制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本第1発明のスタッカークレーンの走行制御装置は、走行レール上を走行する移動体の前後左右の車輪をそれぞれ駆動する走行駆動手段と、前後左右の車輪をそれぞれ駆動するトルクを検出するトルク検出手段と、移動体の走行速度を検出する速度検出手段と、速度検出手段により検出される走行速度に基づいて各走行駆動手段を駆動し、移動体の速度制御をする走行制御手段とを備え、走行制御手段が、移動体が加速移動中に、前輪より後輪のトルク配分を大きくすることを特徴とする。
【0006】
また、同じ目的を達成するため、本第2発明のスタッカークレーンの走行制御装置は、走行レール上を走行する移動体の前後左右の車輪をそれぞれ駆動する走行駆動手段と、前後左右の車輪をそれぞれ駆動するトルクを検出するトルク検出手段と、移動体の走行速度を検出する速度検出手段と、速度検出手段により検出される走行速度に基づいて各走行駆動手段を駆動し、移動体の速度制御をする走行制御手段とを備え、走行制御手段が、移動体が減速移動中に、後輪より前輪のトルク配分を大きくすることを特徴とする。
【0007】
また、同じ目的を達成するため、本第3発明のスタッカークレーンの走行制御装置は、走行レール上を走行する移動体の前後左右の車輪をそれぞれ駆動する走行駆動手段と、前後左右の車輪をそれぞれ駆動するトルクを検出するトルク検出手段と、移動体の走行速度を検出する速度検出手段と、速度検出手段により検出される走行速度に基づいて各走行駆動手段を駆動し、移動体の速度制御をする走行制御手段と、移動体に設けた搬送物積載手段と、搬送物積載手段に設けられ、搬送物の重量を検出する搬送物重量検出手段と、搬送物積載手段に設けられ、搬送物の位置高さを検出する搬送物高さ検出手段とを備え、走行制御手段が、移動体が加速移動中又は減速移動中に、搬送物の高さ位置と重量による移動体の重心変動に基づいて、前輪と後輪のトルク配分を調節することを特徴とする。
【0008】
また、同じ目的を達成するため、本第4発明のスタッカークレーンの走行制御装置は、走行レール上を走行する移動体の前後左右の車輪をそれぞれ駆動する走行駆動手段と、前後左右の車輪をそれぞれ駆動するトルクを検出するトルク検出手段と、移動体の走行速度を検出する速度検出手段と、速度検出手段により検出される走行速度に基づいて各走行駆動手段を駆動し、移動体の速度制御をする走行制御手段と、移動方向に対する移動体の傾き量を検出する移動体傾き検出手段とを備え、走行制御手段が、移動体の傾き量に基づいて左右の車輪のトルク配分を調節し、移動体の傾きを補正することを特徴とする。
【0009】
また、同じ目的を達成するため、本第5発明のスタッカークレーンの走行制御装置は、走行レール上を走行する移動体の前後左右の車輪をそれぞれ駆動する走行駆動手段と、前後左右の車輪をそれぞれ駆動するトルクを検出するトルク検出手段と、移動体の走行速度を検出する速度検出手段と、速度検出手段により検出される走行速度に基づいて各走行駆動手段を駆動し、移動体の速度制御をする走行制御手段と、移動方向に対する移動体の傾き量を検出する移動体傾き検出手段と、移動体に設けた搬送物積載手段と、搬送物積載手段に設けられ、搬送物の重量を検出する搬送物重量検出手段と、搬送物積載手段に設けられ、搬送物の位置高さを検出する搬送物高さ検出手段とを備え、走行制御手段が、移動体が加速移動中又は減速移動中に、搬送物の高さ位置と重量による移動体の重心変動と、移動体の加速度又は減速度の度合いと、移動方向に対する移動体の傾き量とに基づいて、前後左右の各車輪のトルク配分を調節することを特徴とする。
【0010】
この場合において、走行制御手段が、走行速度の積分値である実距離と、実距離を走行したときの各車輪の回転数とから各車輪の直径を測定することができる。
【発明の効果】
【0011】
移動体の重心位置が各車輪の軸中心の高さより高い場合において、各車輪が各走行駆動手段によりそれぞれ加速駆動されると、図6に示すように、移動体の重心を中心に回転力が発生し、移動方向に対し前輪より後輪の方が多くの荷重を支えることとなる。
ここで、車輪の転がり摩擦Pは一般に下記式1で表され、転がり摩擦は荷重に比例する。
本第1発明のスタッカークレーンの走行制御装置によれば、移動体の加速時において、移動方向に対し前輪より後輪のトルクを加速度に比例した配分で大きくすることで、スリップを防止しスムーズな加速をすることが可能となる。
P=f・N/r・・・(1)
f:転がり摩擦係数
N:荷重(垂直抗力)
r:車輪の半径
【0012】
また、移動体の重心位置が各車輪の軸中心の高さより高い場合において、各車輪が各走行駆動手段によりそれぞれ減速駆動されると、図6に示すように、移動体の重心を中心に回転力が発生し、移動方向に対し後輪より前輪が多くの荷重を支えることとなる。
また、車輪の摩擦力は荷重に比例する。
本第2発明のスタッカークレーンの走行制御装置によれば、移動体の減速時において、移動方向に対し後輪より前輪のトルクを減速度に比例した配分で大きくすることで、スリップを防止しスムーズな減速をすることが可能となる。
【0013】
また、搬送物やその積載手段を含めた移動体の重心位置が各車輪の軸中心の高さより高い場合において、各車輪が各走行駆動手段によりそれぞれ加速又は減速駆動されると、図7に示すように、移動体の重心を中心に回転力が発生し前後の車輪の荷重割合が変化する。
スタッカークレーンなどにおいては、移動体が走行中に目的位置への移動時間短縮のため、搬送物の高さ位置を目的高さへ移動させるが、搬送物の高さ位置や搬送物重量によって移動体と搬送物の合成した重心位置が変動することとなる。
本第3発明のスタッカークレーンの走行制御装置によれば、搬送物高さ検出手段と搬送物重量検出手段によって得られる合成した重心位置と加減速度とで演算し、前後の車輪に配分される荷重に合わせた前後の車輪のトルク配分とすることで、スリップを防止しスムーズな加減速をすることが可能となる。
なお、搬送物の高さ位置の検出には、専用の検出器を設ける他、昇降制御装置への指示をもとに演算を行い、搬送物の高さ位置を求めることが可能である。
【0014】
一方、車輪の牽引力は下記式2で表されるが、車輪の磨耗などによって各車輪径にバラツキがある場合に、各走行駆動手段により同一の軸トルクを各車輪に伝達すると、各車輪の牽引力に差が生じ、その結果、図8に示すように、牽引力の小さい方、すなわち、車輪径の大きな方に移動体が傾くこととなる。
また、各走行駆動手段の個体差や電圧誤差などによって、各車輪への軸トルクに差が生じると、各車輪に牽引力の差が発生し、前記と同様に、牽引力の小さな側に走行体が傾くこととなる。
F=T/r・・・(2)
F:牽引力
T:軸トルク
r:車輪の半径
本第4発明のスタッカークレーンの走行制御装置によれば、車輪径の差や、各種電圧の差などによって左右の走行駆動輪のトルクバランスが一致していない場合、移動体が進行方向に対し走行駆動輪の牽引力の小さい方に傾いて走行するが、この移動体の傾き量から前記移動方向に対して左右の車輪のトルク配分(回転量)を調節し、移動体を移動方向に対し傾かないよう制御することから、移動体は自動的に進行方向に真っ直ぐ進むようになり、車輪のすべり磨耗を抑え、スムーズな走行をすることが可能となる。
【0015】
また、本第5発明のスタッカークレーンの走行制御装置によれば、移動体が加速移動中又は減速移動中において、搬送物の高さ位置と重量による移動体の重心変動と、移動体の加速度又は減速度の度合いと、移動方向に対する移動体の傾き量とに基づいて、前後左右の各車輪のトルク配分を調節することから、前後左右の車輪に対し加速、一定速、減速といった動作においても各車輪は最適なトルク配分となり、車輪のスリップや磨耗を抑え、また、移動方向に対する移動体の傾きを補正してスムーズな走行をすることが可能となる。
【0016】
この場合、走行制御手段が、走行速度の積分値である実距離と、実距離を走行したときの各車輪の回転数とから各車輪の直径を測定することにより、各車輪の磨耗量の自動測定ができ車輪の交換時期の予測が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明のスタッカークレーンの走行制御装置の実施の形態を、図面に基づいて説明する。
【実施例1】
【0018】
図1〜図3に、本発明のスタッカークレーンの走行制御装置の一実施例を示す。
液晶、有機EL等の電子部品の製造工場のクリーンルーム等で使用されるスタッカークレーンは、特に限定されるものではないが、例えば、図1に示すように、右前輪、左前輪、右後輪、左後輪とをそれぞれ個別のサーボモータにて駆動する。
そして、この右前輪用、左前輪用、右後輪用、左後輪用サーボモータは、統括制御部1からの運転指令(位置の指令値)と、搬送物の高さ位置と、搬送物の重量と、移動体の傾きとに応じて、走行モータ制御部を介して駆動させ、各車輪の最適なトルク配分を行い、スリップのない走行を可能とする。
【0019】
このクリーンルーム内用スタッカークレーンは、例えば、図1〜図3に示すように、走行台車16を、液晶製造工場などの床面に配設した走行レール15に沿って走行可能とし、ガイドローラ19によって走行案内と走行の傾き量検出を行う。
また、リニアスケール20とリニアスケール検出器21とによって走行位置を検出し、かつ速度及び停止位置を制御できるようにしている。
【0020】
走行台車16の上部には、所要長さのメインマスト17、このメインマストは特に限定されるものではないが、例えば、8〜20m程度の長さを有する柱形等の高いメインマスト17を取り付け、このメインマスト17に昇降体18を取り付けて昇降装置となしている。
昇降体18は、昇降高さと搬送物荷重検出を行い、また、移載装置(図示省略)は昇降体18に接続し、昇降体18と共に昇降する構成としている。
また、スタッカークレーンは、走行台車による走行移動と、昇降装置による昇降移動とによって、目的の棚前で停止し、移載装置によって搬送物を受け取る。
そして、移載装置に搬送物を積載した状態で走行及び昇降し、搬送先の棚前で停止し移載装置にて搬出することによって目的物の搬送を行う。
【0021】
スタッカークレーンの走行制御装置を、図5に示すフロー図により説明する。
統括制御部1による位置指令を、走行モータ制御部2に配設した微分回路22a、22bにて微分することで全体のトルクを算出する。
また、搬送物重量検出12による重量と、搬送物高さ検出13による搬送物の位置高さとから、重心位置演算4にて重心位置を演算し、前輪のトルク割合23にて、該重心位置と、該全体のトルクによる加減速度とから前輪のトルクを算出する。
なお、後輪のトルクは、全体のトルクから前輪のトルクを引いたものとする。
また、傾き検出器14にて得た傾きと、該前輪のトルクから、右側輪のトルク割合24aにて、右前輪のトルクを算出し、左前輪のトルクは、前輪のトルクから右前輪のトルクを引いたものとする。
後輪についても、同様にして各車輪のトルクを決定し、各車輪のトルクを各サーボドライバーに指示し、各サーボドライバーに接続された、前後左右車輪のサーボモータ8、9、10、11を駆動させる。
【0022】
前後左右車輪のサーボモータには回転検出のエンコーダーが内蔵され、各前後左右のサーボドライバーと一対となり、各サーボドライバーヘのトルク指示に合わせたフィードバック制御する。
また、該フィードバック制御とは別に、リニアスケールからの位置信号を移動距離検出部6と移動速度検出部7にて、それぞれ位置や速度を演算し、微分回路22a、22bにフィードバック制御も同時に行う。
【0023】
次に、上記スタッカークレーンの走行制御装置の作用について説明する。
統括制御部1による位置指令を、走行モータ制御部2に配設した微分回路22a、22bにて微分することで全体のトルクを算出し、搬送物重量検出12による重量と、搬送物高さ検出13による搬送物の位置高さから、重心位置演算4にて重心位置を演算する。
また、前輪のトルク割合23にて、該全体のトルクによる加減速度と、該重心位置と、前後輪の荷重割合が算出され、該荷重割合に応じた前輪のトルク(右前輪と左前輪のトルク合計)を算出し、前後輪のトルク割合を制御することから、重量が大きくかかる車輪に、大きなトルクが発生するように制御され、スリップすることなく、スムーズに加減速が行える。
また、傾き検出器14にて得た傾きと、該前輪のトルクから、右側輪のトルク割合24aにて、右前輪のトルクを算出し、前輪の左右のトルク配分を行い、後輪も同様にして左右のトルク配分を行う。
このことから、左右の車輪での牽引力が等しくなるようにトルクが配分され、傾きによるスリップが防止でき、スムーズな加減速が行える。
【0024】
また、リニアスケールからの位置信号を移動距離検出部6にて移動距離を算出し、該移動距離と、前後左右車輪のサーボモータに設けたエンコーダーからの回転信号とに基づいて、車輪直径の演算回路25で各車輪の直径を演算し、統括制御部1へ各車輪の直径データを伝達し、各車輪の磨耗を自動測定することが可能である。
【0025】
以上、本発明のスタッカークレーンの走行制御装置について、実施例に基づいて説明したが、本発明は上記実施例に記載した構成に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができる。
【産業上の利用可能性】
【0026】
本発明のスタッカークレーンの走行制御装置は、走行駆動用モータを4個に分散させ、移動体が加速移動中又は減速移動中において、移動体の重心変動や、移動体の加減速度の度合い、移動方向に対する移動体の傾き量等に基づいて車輪のトルク配分を自動調節することから、前後左右の車輪に対し加速や一定速、減速といった動作においても各車輪は最適なトルク配分となり、車輪のスリップや磨耗を抑え、スムーズな走行を可能にすることができ、例えば、スタッカークレーンの走行制御の用途に好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の走行制御装置を用いたスタッカークレーンの一実施例を示す斜視図である。
【図2】同スタッカークレーンの平面図である。
【図3】同スタッカークレーンの下部を示す正面図である。
【図4】本発明のスタッカークレーンの走行制御装置の一実施例を示す走行制御部のブロック図である。
【図5】同走行制御部の詳細を示すブロック図である。
【図6】スタッカークレーンの加減速時の荷重バランスを示す側面図である。
【図7】スタッカークレーンの重心位置に対する荷重バランスを示す側面図である。
【図8】スタッカークレーンの牽引力バランスによる移動方向に対する傾きを示す平面図である。
【符号の説明】
【0028】
1 統括制御部
2 走行制御部
3 走行モータ制御部
4 重心位置演算部
6 移動距離検出部
7 移動速度演算部
8 右前輪サーボモータ
9 左前輪サーボモータ
10 右後輪サーボモータ
11 左後輪サーボモータ
12 搬送物重量検出
13 搬送物高さ検出
14 傾き検出器
15 走行レール
16 走行台車
17 メインマスト
18 昇降体
19 ガイドローラ
20 リニアスケール
21 リニアスケール検出器
22a 微分回路
22b 微分回路
23 前輪のトルク割合の演算回路
24a 右側輪のトルク割合の演算回路
24b 右側輪のトルク割合の演算回路
25 車輪直径の演算回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行レール上を走行する移動体の前後左右の車輪をそれぞれ駆動する走行駆動手段と、前後左右の車輪をそれぞれ駆動するトルクを検出するトルク検出手段と、移動体の走行速度を検出する速度検出手段と、速度検出手段により検出される走行速度に基づいて各走行駆動手段を駆動し、移動体の速度制御をする走行制御手段とを備え、走行制御手段が、移動体が加速移動中に、前輪より後輪のトルク配分を大きくすることを特徴とするスタッカークレーンの走行制御装置。
【請求項2】
走行レール上を走行する移動体の前後左右の車輪をそれぞれ駆動する走行駆動手段と、前後左右の車輪をそれぞれ駆動するトルクを検出するトルク検出手段と、移動体の走行速度を検出する速度検出手段と、速度検出手段により検出される走行速度に基づいて各走行駆動手段を駆動し、移動体の速度制御をする走行制御手段とを備え、走行制御手段が、移動体が減速移動中に、後輪より前輪のトルク配分を大きくすることを特徴とするスタッカークレーンの走行制御装置。
【請求項3】
走行レール上を走行する移動体の前後左右の車輪をそれぞれ駆動する走行駆動手段と、前後左右の車輪をそれぞれ駆動するトルクを検出するトルク検出手段と、移動体の走行速度を検出する速度検出手段と、速度検出手段により検出される走行速度に基づいて各走行駆動手段を駆動し、移動体の速度制御をする走行制御手段と、移動体に設けた搬送物積載手段と、搬送物積載手段に設けられ、搬送物の重量を検出する搬送物重量検出手段と、搬送物積載手段に設けられ、搬送物の位置高さを検出する搬送物高さ検出手段とを備え、走行制御手段が、移動体が加速移動中又は減速移動中に、搬送物の高さ位置と重量による移動体の重心変動に基づいて、前輪と後輪のトルク配分を調節することを特徴とするスタッカークレーンの走行制御装置。
【請求項4】
走行レール上を走行する移動体の前後左右の車輪をそれぞれ駆動する走行駆動手段と、前後左右の車輪をそれぞれ駆動するトルクを検出するトルク検出手段と、移動体の走行速度を検出する速度検出手段と、速度検出手段により検出される走行速度に基づいて各走行駆動手段を駆動し、移動体の速度制御をする走行制御手段と、移動方向に対する移動体の傾き量を検出する移動体傾き検出手段とを備え、走行制御手段が、移動体の傾き量に基づいて左右の車輪のトルク配分を調節し、移動体の傾きを補正することを特徴とするスタッカークレーンの走行制御装置。
【請求項5】
走行レール上を走行する移動体の前後左右の車輪をそれぞれ駆動する走行駆動手段と、前後左右の車輪をそれぞれ駆動するトルクを検出するトルク検出手段と、移動体の走行速度を検出する速度検出手段と、速度検出手段により検出される走行速度に基づいて各走行駆動手段を駆動し、移動体の速度制御をする走行制御手段と、移動方向に対する移動体の傾き量を検出する移動体傾き検出手段と、移動体に設けた搬送物積載手段と、搬送物積載手段に設けられ、搬送物の重量を検出する搬送物重量検出手段と、搬送物積載手段に設けられ、搬送物の位置高さを検出する搬送物高さ検出手段とを備え、走行制御手段が、移動体が加速移動中又は減速移動中に、搬送物の高さ位置と重量による移動体の重心変動と、移動体の加速度又は減速度の度合いと、移動方向に対する移動体の傾き量とに基づいて、前後左右の各車輪のトルク配分を調節することを特徴とするスタッカークレーンの走行制御装置。
【請求項6】
走行制御手段が、走行速度の積分値である実距離と、実距離を走行したときの各車輪の回転数とから各車輪の直径を測定することを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載のスタッカークレーンの走行制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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