説明

スタッカークレーン

【課題】下部枠体の低廉化を図ることができるスタッカークレーンを提供する。
【解決手段】走行レールに沿って走行自在な走行輪9、11を前後両端部に備えた下部枠体3が、走行輪9、11を支持する前後の車輪支持枠23、24を連結枠25にて接続して構成され、前方側の支柱5Fが、その下端面が前方側の車輪支持枠23の下端部に形成した載置部23aにて受け止められた状態で、かつ、その側面部が前方側の車輪支持枠23に連結支持された状態で設けられ、後方側の支柱5Rが、その下端面が後方側の車輪支持枠24の下端部に形成した載置部24aにて受け止められた状態で、且つ、その側面部が後方側の車輪支持枠24に連結支持された状態で設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、走行レールに沿って走行自在な走行輪を前後両端部に備えた下部枠体と、その下部枠体の前後両端部の夫々から立設される前後の支柱と、その前後の支柱の上端部同士を接続する上部枠体と、前記前後の支柱にて昇降自在に案内される昇降台とを備えたスタッカークレーンに関する。
【背景技術】
【0002】
かかるスタッカークレーンは、物品を収納する収納部が縦横に設けられた物品収納棚の前面側に沿って走行するように設置されて、物品収納棚の収納部に物品を収納する作業や収納部に収納した物品を取出す作業を行うことになる。
そして、かかるスタッカークレーンの第1の従来例として、下部枠体が、走行輪を支持する前後の車輪支持枠を連結枠にて接続して構成され、下部枠体から立設される前後の支柱が、その下端部を連結枠に載置支持された状態で設けられるものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、スタッカークレーンの第2の従来例として、下部枠体が、走行輪を支持する前後の車輪支持枠を連結枠にて接続して構成され、下部枠体から立設される前後の支柱が、その下端部を前後の車輪支持枠の上面部に載置された状態で設けられ、前後の車輪支持枠の夫々の側面部に、昇降台を案内する延長案内レールが、前後の支柱における昇降台の案内部に連なる状態で設けられたものがある(例えば、特許文献2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−237909号公報
【特許文献2】特開2006−76715号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
第1の従来例のスタッカークレーンにおいては、前後の支柱が、その下端部を連結枠に載置支持された状態で設けられるものであるから、走行輪を支持する前後の車輪支持枠を接続する連結枠には、前後の支柱、上部枠体、及び、昇降台の重量や、昇降台に保持される物品の重量が作用することになる。
したがって、連結枠には大きな重量が作用することになるため、十分な強度を備えるように連結枠を構成する必要があることに起因して、連結枠が高価になること等により、下部枠体の低廉化を図り難いものであった。
【0006】
第2の従来例のスタッカークレーンにおいては、前後の支柱が、その下端部を前後の車輪支持枠の上面部に載置された状態で設けられものであるから、前後の支柱、上部枠体、及び、昇降台の重量や、昇降台に保持される物品の重量が、前後の車輪支持枠に作用することになる。
したがって、走行輪を支持する前後の車輪支持枠を接続する連結枠には、大きな重量が作用しないため、連結枠に備えさせる強度が小さくて済むこと起因して、連結枠の低廉化を図ることができるものとなる。
【0007】
しかしながら、第2の従来例のスタッカークレーンにおいては、前後の車輪支持枠の夫々の側面部に、昇降台を案内する延長案内レールを、前後の支柱における昇降台の案内部に連なる状態で設ける必要があり、このように延長案内レールを設置して昇降台を案内するため、昇降台の案内構成が複雑化することに起因して、この第2の従来例のスタッカークレーンも、下部枠体の低廉化を図り難いものであった。
【0008】
本発明は、上記実情に鑑みて為されたものであって、その目的は、下部枠体の低廉化を図ることができるスタッカークレーンを提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のスタッカークレーンは、走行レールに沿って走行自在な走行輪を前後両端部に備えた下部枠体と、その下部枠体の前後両端部の夫々から立設される前後の支柱と、その前後の支柱の上端部同士を接続する上部枠体と、前記前後の支柱にて昇降自在に案内される昇降台とを備えたものであって、その第1特徴構成は、
前記下部枠体が、前記走行輪を支持する前後の車輪支持枠を連結枠にて接続して構成され、
前記前後の車輪支持枠のうちの前方側の車輪支持枠の下端部に、前記前後の支柱のうちの前方側の支柱の下端面を受け止め載置する載置部が形成され、かつ、前記前後の車輪支持枠のうちの後方側の車輪支持枠の下端部に、前記前後の支柱のうちの後方側の支柱の下端面を受け止め載置する載置部が形成され、
前記前方側の支柱が、その下端面が前記前方側の車輪支持枠の前記載置部にて受け止められた状態で、かつ、その側面部が前記前方側の車輪支持枠に連結支持された状態で設けられ、
前記後方側の支柱が、その下端面が前記後方側の車輪支持枠の前記載置部にて受け止められた状態で、且つ、その側面部が前記後方側の車輪支持枠に連結支持された状態で設けられている点を特徴とする。
【0010】
すなわち、前方側の支柱が、その下端面が前方側の車輪支持枠の載置部にて受け止められた状態で設けられ、また、後方側の支柱が、その下端面が後方側の車輪支持枠の載置部にて受け止められた状態で設けられるものであるから、前後の支柱、上部枠体、及び、昇降台の重量や、昇降台に保持される物品の重量を、前後の車輪支持枠にて受け止めることになるため、走行輪を支持する前後の車輪支持枠を接続する連結枠に、大きな重量が作用することを抑制することができる。
【0011】
そして、前方側の支柱の側面部が、前方側の車輪支持枠に連結支持され、後方側の支柱の側面部が後方側の車輪支持枠に連結支持されるものであるから、前方側の支柱の下端面が前方側の車輪支持枠の載置部にて受け止められる状態、及び、後方側の支柱の下端面が後方側の車輪支持枠の載置部にて受け止められる状態を的確に維持できるため、前方側の車輪支持枠の下端部に装備する載置部や、後方側の車輪支持枠の下端部に装備する載置部を小型化しても、前方側や後方側の支柱の下端面を前後の車輪支持枠の載置部にて適切に受け止め支持することができるのである。
【0012】
また、前方側の支柱の下端面を受け止め載置する載置部が、前方側の車輪支持枠の下端部に形成され、かつ、後方側の支柱の下端面を受け止め載置する載置部が、後方側の車輪支持枠の下端部に形成されるものであるから、前方側の支柱や後方側の支柱を昇降台の昇降範囲に全体に亘って位置させることができるため、昇降台を、その昇降範囲の全範囲に亘って前後の支柱にて案内することができるものとなる。
【0013】
したがって、前後の車輪支持枠に形成された載置部にて、前後の支柱の下端面を受け止めることによって、走行輪を支持する前後の車輪支持枠を接続する連結枠に、大きな重量が作用することを抑制できるため、連結枠の低廉化を図ることができ、しかも、前後の車輪支持枠に形成する載置部を小型なものに済ませることができるため、載置部を形成することによって、前後の車輪支持枠が高価になることを回避することができ、さらには、昇降範囲の全範囲に亘って、昇降台を前後の支柱にて案内することができるため、昇降台の案内構成が複雑化することを抑制できるのである。
【0014】
要するに、本願発明の第1特徴構成によれば、前後の支柱、上部枠体、昇降台、及び、昇降台に保持される物品の重量を的確に支持し、且つ、昇降台を昇降範囲の全範囲に亘って適切に案内することができるようにしながらも、下部枠体の低廉化を図ることができるスタッカークレーンを提供できる。
【0015】
本発明のスタッカークレーンの第2特徴構成は、上記第1特徴構成に加えて、
前記連結枠に、前記前方側の支柱の下端面のうちの前記前方側の車輪支持枠の前記載置部にて受け止められる部分とは異なる部分を受け止め載置する前方支柱用載置体、及び、前記後方側の支柱の下端面のうちの前記後方側の車輪支持枠の前記載置部にて受け止められる部分とは異なる部分を受け止め載置する後方支柱用載置体が設けられている点を特徴とする。
【0016】
すなわち、前後の支柱の下端面が、前後の車輪支持枠に形成した載置部に受け止められることに加えて、前後の支柱の下端面のうちの載置部にて受け止められる部分とは異なる部分が、連結枠に設けられた前方支柱用載置体及び後方支柱用載置体にて受け止められることになる。
【0017】
つまり、前方側の支柱の下端面や後方側の支柱の下端面が、前後の車輪支持枠に形成した載置部と、連結枠に設けられた前方支柱用載置体及び後方支柱用載置体とによって、受け止められることになる。
【0018】
したがって、前方側の車輪支持枠に形成した載置部と、連結枠に設けられた前方支柱用載置体とによって、前方側の支柱の下端面における異なる部分を受け止めることにより、前方側の支柱が傾くことを抑制するように、前方側の支柱の下端面を受け止めることができ、また、後方側の車輪支持枠に形成した載置部と、連結枠に設けられた後方支柱用載置体とによって、後方側の支柱の下端面における異なる部分を受け止めることにより、後方側の支柱が傾くことを抑制するように、後方側の支柱の下端面を受け止めることができるのであり、前後の支柱を適正姿勢に維持し易いものとなるのである。
【0019】
ちなみに、例えば、前後の支柱が角軸状に形成される場合において、その下端面における一辺部分を車輪支持枠に形成した載置部にて受け止め、その載置部にて受け止められる一辺部分に隣接する一辺部分を前方支柱用載置体や後方支柱用載置体にて受け止めるようにすれば、前後の支柱の前後や左右の傾きを適切に抑制し易いものとなるのである。
【0020】
要するに、本発明の第2特徴構成によれば、上記第1特徴構成による作用効果に加えて、前方側や後方側の支柱を傾き難い状態で受け止めることができるスタッカークレーンを提供できる。
【0021】
本発明のスタッカークレーンの第3特徴構成は、上記第1又は第2特徴構成に加えて、
前記連結枠に、前記前方側の支柱の側面部のうちの前記前方側の車輪支持枠に連結支持される部分とは異なる部分に連結される前方支柱用支持体、及び、前記後方側の支柱の側面部のうちの前記後方側の車輪支持枠に連結支持される部分とは異なる部分に連結される後方支柱用支持体が設けられている点を特徴とする。
【0022】
すなわち、前後の支柱の側面部が、前後の車輪支持枠に連結されることに加えて、前後の支柱の側面部のうちの前後の車輪支持枠に連結される部分とは異なる部分が、連結枠に設けた前方支柱用支持体及び後方支柱用支持体に連結されることになる。
【0023】
つまり、前方側の支柱の側面部及び後方側の支柱の側面部が、前方側の車輪支持枠及び後方側の車輪支持枠と、連結枠に設けた前方支柱用支持体及び後方支柱用支持体に連結されることになる。
【0024】
したがって、前方側の支柱の側面部や後方側の支柱の側面部が、前方側の車輪支持枠及び後方側の車輪支持枠と、連結枠に設けた前方支柱用支持体及び後方支柱用支持体とによって、異なる部分が支持されることになるので、前方側の支柱や後方側の支柱がその長手方向に沿う軸心周りで回転することや、前方側の支柱や後方側の支柱が傾くことを適切に抑制できるのであり、前後の支柱を適正姿勢に維持することが可能となる。
【0025】
ちなみに、例えば、前後の支柱が角軸状に形成される場合において、その4つの側面部における一面部分を前方側や後方側の車輪支持枠に連結し、その一面部分に隣接する一面部分を前方支柱用支持体や後方支柱用支持体に連結するようにすれば、前後の支柱がその長手方向に沿う軸心周りで回転することや、前後の支柱が前後や左右の傾くことを適切に抑制し易いものとなる。
【0026】
要するに、本発明の第3特徴構成によれば、前方側の支柱や後方側の支柱がその長手方向に沿う軸心周りで回転することや、前方側の支柱や後方側の支柱が傾くことを適切に抑制できるスタッカークレーンを提供できる。
【0027】
本発明のスタッカークレーンの第4特徴構成は、上記第1〜第3特徴構成のいずれかに加えて、
前記前方側の支柱が、前記前方側の車輪支持枠の後方側箇所に配置され、
前記後方側の支柱が、前記後方側の車輪支持枠の前方側箇所に配置されている点を特徴とする。
【0028】
すなわち、前方側の車輪支持枠の後方側箇所に、前方側の支柱が位置し、後方側車輪支持枠の前方側箇所に、後方側の支柱が位置することになるから、前方側の走行輪と前方側の支柱とが、車体前後方向に沿って並び、後方側の走行輪と後方方側の支柱とが、車体前後方向に沿って並ぶ状態となるため、前方側の支柱を介して前方側の車輪支持枠に作用する荷重を、前方側の車輪にて適切に支持し、かつ、後方側の支柱を介して後方側の車輪支持枠に作用する荷重を、後方側の車輪にて適切に支持することができる。
【0029】
つまり、前後の支柱、上部枠体、昇降台、及び、昇降台に保持される物品の重量を、前後の走行輪にて、バランス良く支持して、下部枠体が前後や左右に傾き難いようにすることができ、結果的に、前後の支柱の姿勢の安定化を図ることができる。
【0030】
要するに、本発明の第4特徴構成によれば、第1〜第3特徴構成のいずれかによる作用効果に加えて、前後の支柱の姿勢の安定化を図ることができるスタッカークレーンを提供できる。
【0031】
本発明のスタッカークレーンの第5特徴構成は、上記第1〜第4特徴構成のいずれかに加えて、
前記連結枠が、前記前後の車輪支持枠の横一側箇所に配設されている点を特徴とする。
【0032】
すなわち、前後の車輪支持枠の横一側箇所に、連結枠が配設されるものであるから、前後の車輪支持枠の左右の両横側箇所に、連結枠を配設するのに較べて、下部枠体の簡素化を図ることができる。
【0033】
つまり、前後の支柱、上部枠体、昇降台、及び、昇降台に保持される物品の重量が前後の車輪支持枠に作用するため、連結枠には大きな荷重が作用しない点に着目して、前後の車輪支持枠の横一側箇所に、連結枠を配設するという構成を採用することにより、下部枠体の一層の低廉化を図ることができるのである。
【0034】
要するに、本発明の第5特徴構成によれば、第1〜第4特徴構成のいずれかによる作用効果に加えて、下部枠体の一層の低廉化を図ることができるスタッカークレーンを提供できる。
【0035】
本発明のスタッカークレーンの第6特徴構成は、第1〜第5特徴構成のいずれかに加えて、
前記下部枠体の前後両端部に備えられる前記走行輪のうちの一方が、駆動車輪で、他方が、遊転車輪であり、
前記遊転車輪が、それを支持する前記車輪支持枠に、上下位置調節自在に装備されている点を特徴とする。
【0036】
すなわち、下部枠体の前後両端部に備えられる走行輪のうちの一方を、駆動車輪とし、他方を、遊転車輪として、前後の走行輪を駆動車輪とする場合に較べて、構成の簡素化を図るようにする。
そして、駆動用電動モータ等の駆動手段が連係されていない遊転車輪を、それを支持する車輪支持枠に対して、上下位置調節自在に装備して、その遊転車輪の上下位置調節により、下部枠体の前後方向での傾きを調整できるようにする。
【0037】
つまり、前後の支柱及び上部枠体を下部枠体に組付けた状態において、組付け誤差等の製作誤差により、前後の支柱が前後に傾いた状態になる虞があるが、そのような場合においては、車輪支持枠に対する遊転車輪の上下位置を調節することにより、前後の支柱が前後に傾かない適正姿勢となる状態に調整できる。
【0038】
そして、遊転車輪は、駆動用電動モータ等の駆動手段が連係されていないが故に、車輪支持枠に対して遊転車輪を上下位置調節自在に装備することが、容易に行えるため、遊転車輪を上下位置調節自在に装備するようにしても、下部枠体の複雑化を抑制できる。
つまり、駆動用電動モータ等の駆動手段が連係されている駆動車輪を、車輪支持枠に対して上下位置調節自在に装備しようとすると、例えば、駆動用電動モータ等の駆動手段が駆動車輪と一体的に装備されている場合において、駆動手段に対する制御用電線を駆動車輪の上下位置の変化を許容するように配設する必要がある等、駆動手段に対して特別な措置を行う必要があり、構成が煩雑になるのである。
【0039】
要するに、本発明の第6特徴構成によれば、第1〜第5特徴構成のいずれかによる作用効果に加えて、下部枠体の複雑化を抑制しながら、前後の支柱を前後に傾かない適正姿勢となる状態に調整できるスタッカークレーンを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】自動倉庫の正面図
【図2】同倉庫の概略平面図
【図3】スタッカークレーンの側面図
【図4】スタッカークレーンの横断平面図
【図5】下部枠体の斜視図
【図6】同枠体の斜視図
【図7】同枠体の斜視図
【図8】同枠体の分解斜視図
【図9】下部枠体における前側の支柱の取付け部を示す斜視図
【図10】下部枠体における後側の支柱の取付け部を示す斜視図
【図11】下部枠体の一部省略側面図
【図12】遊転車輪の装着部の一部分解斜視図
【図13】上部枠体の斜視図
【図14】上部枠体の分解斜視図
【図15】上部枠体の縦断面図
【図16】昇降台の被案内構成を示す斜視図
【発明を実施するための形態】
【0041】
本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1及び図2に示すように、バケット状の容器等の物品Pを収納する複数の収納部1を縦横に並べて備える左右一対の物品収納棚Bが設けられ、それら一対の物品収納棚Bの間の作業通路Eを移動するスタッカークレーンAが設けられ、物品収納棚Bへ収納する物品Pを外部から搬入する物品入庫部Da、及び、物品収納棚Bから取り出された物品Pを外部に搬出するための物品出庫部Dbが、一対の物品収納棚Bの夫々の横側部に隣接する箇所に振り分け設置され、そして、スタッカークレーンAによって、収納部1に収納された物品Pを物品出庫部Dbに取り出す出庫作業及び物品入庫部Daに搬入された物品Pを収納部1に収納する入庫作業を行う自動倉庫が構成されている。
【0042】
ちなみに、物品入庫部Da及び物品出庫部Dbは、例えば、物品Pを載置搬送する搬送コンベヤにて構成され、そして、例示はしないが、物品入庫部Da及び物品出庫部DbにおけるスタッカークレーンAとの間での物品授受箇所には、物品Pを昇降させる物品昇降部が装備されて、後述する物品移載用のフォーク装置Fが物品Pの下方に突入する空間を形成するように構成されている。
【0043】
図3及び図4に示すように、スタッカークレーンAは、上述の作業通路Eに沿って床面上に設置された単一の走行レール2に沿って走行する下部枠体3と、その下部枠体3の走行方向の前後端部箇所に立設されて、昇降台4を昇降自在に案内する前後一対の支柱5F、5Rと、それら支柱5F、5Rの上端部同士を連結する上部枠体6とを備え、且つ、前後一対の支柱5F、5Rの上端側部分の夫々に、作業通路Eの天井側に設置されたガイドレール7の横側面に接当する左右一対のガイドローラ8f、8r(図13参照)が装備されている。
したがって、スタッカークレーンAは、走行レール2とガイドレール7にて案内される状態で作業通路E走行して、上述の入庫作業や出庫作業を行うように構成されている。
【0044】
下部枠体3は、図5〜図8にも示すように、その前後方向の一端側に、走行レール2の上面に載置される走行輪としての駆動車輪9と走行レール2の横側面に接当する左右一対のガイド輪10を備え、かつ、その前後方向の他端側に、走行レール2の上面に載置される走行輪としての遊転車輪11と走行レール2の横側面に接当する左右一対のガイド輪12を備えて、走行レール2に沿って走行するように構成されている。
【0045】
ちなみに、以下の説明においては、駆動車輪9が位置する側がスタッカークレーンAの前方側であり、遊転車輪11が位置する側がスタッカークレーンAの後方側であるとして説明する。
したがって、上述した前後一対の支柱5F、5Rは、前方側の支柱5Fが、駆動車輪9の存在側に配設され、後方側の支柱5Rが、遊転車輪11の存在側に配設されることになる。
尚、以下の記載においては、スタッカークレーンAの前後方向を、車体前後方向と簡略して記載し、また、スタッカークレーンAの横幅方向を、車体横幅方向と簡略して記載する。
【0046】
図3、図4及び図16に示すように、昇降台4は、その前後両端部の夫々に昇降用索状体としての昇降用ワイヤ13A、13Bが連結されて吊下げ支持されており、昇降台4には、上述のフォーク装置Fが、車体前後方向に並べて2台設けられている。
この2台のフォーク装置Fの設置間隔は、図2に示すように、物品収納棚Bにおける収納部1が、車体前後方向に相当する棚横幅方向に並ぶ間隔と同じであり、2台のフォーク装置Fによって、棚横幅方向に並ぶ2つの収納部1に対して同時に移載作業を行えるようになっている。
【0047】
図3及び図16に示すように、昇降台4を吊り下げ支持する一対の昇降用ワイヤ13A、13Bのうち、昇降台4の車体前方側箇所に連結される昇降用ワイヤ13Aは、昇降台4から上方に向けて伸びたのちに、上部枠体6の車体前方側部分に取付けた第1案内体14及び前方側の支柱5Fの上端部に取付けた第2案内体15にて、下方に向かうように案内されて、前方側の支柱5Fの下端側部分の前方側箇所に配設される巻取りドラム16(図5参照)に巻き取られるようになっている。
【0048】
また、昇降台4を吊り下げ支持する1対の昇降用ワイヤ13A、13Bのうち、昇降台4の車体後方側箇所に連結される昇降用ワイヤ13Bは、昇降台4から上方に向けて伸びたのちに、先ず、上部枠体6の車体後方側部分に取付けた第3案内体17にて車体前方側に向かうように案内され、次に、前方側の支柱5Fの上端部に取付けた第4案内体18にて、下方に向かうように案内されて、上述した巻取りドラム16に巻き取られるようになっている。
【0049】
したがって、巻取りドラム16が昇降用電動モータ16Aにて正逆に駆動回転されて、昇降用ワイヤ13A、13Bの巻取りドラム16からの繰り出しや巻取りドラム16への巻き取りが行われることにより、昇降台4が昇降されるように構成されている。
【0050】
図3、図4及び図16に示すように、昇降台4の車体前方側の端部には、前方側の支柱5Fの両横側面に接当する横位置規制用輪体19、及び、前方側の支柱5Fの車体後方側に相当する面に接当する前後位置規制用輪体20が設けられている。
また、昇降台4の車体後方側の端部には、後方側の支柱5Rの両横側面に接当する横位置規制用輪体21、及び、後方側の支柱5Rの車体前方側に相当する面に接当する前後位置規制用輪体22が設けられている。
したがって、昇降台4は、車体横幅方向や車体前後方向での位置が規制されるように、前後の支柱5R、5Bにて案内される状態で、前後の支柱5R、5Bに沿って昇降されるように構成されている。
【0051】
ちなみに、前方側や後方側の支柱5F、5Rは、図4及び図14に示すように、角軸状、具体的には角筒状に形成され、そして、側面部には、入口部より奥側部が幅広となる凹入溝Uが支柱長手方向に沿って形成され、この凹入溝Uを用いて、後述の如く、他部材との連結が行われるように構成されている。
つまり、ネジ孔が形成された連結用プレート(タッププレート)が、凹入溝Uに挿入され、この連結用プレートに螺合するボルトにより、支柱5F、5Rと他部材とを連結するように構成されている。
【0052】
図5〜図8に示すように、下部枠体3は、駆動車輪9及びその駆動車輪9を正逆に駆動する車輪駆動モータ9Aを支持する駆動車輪支持枠23と、遊転車輪11を支持する遊転車輪支持枠24と、それら駆動車輪支持枠23と遊転車輪支持枠24とに亘って架設される連結枠25とを備える状態に構成されている。
尚、駆動車輪支持枠23には、上述したガイド輪10が支持され、また、遊転車輪支持枠24には、上述したガイド輪12が支持されている。
ちなみに、本実施形態においては、駆動車輪支持枠23と遊転車輪支持枠24とが、前方側や後方側の車輪支持枠に相当することになる。
【0053】
図8に示すように、駆動車輪支持枠23は、平面視コの字状に形成されて、その車体前方側の左右一対の端面に、駆動車輪9を回転自在に支持する左右一対の軸受ユニット26がボルト固定されている。
尚、駆動車輪9が、駆動車輪支持枠23の左右の枠部分の間に、その車体後方側部分が入り込む状態に装備されている。
【0054】
図9及び図11に示すように、駆動車輪支持枠23の車体後方側の側面部の下端部には、前方側の支柱5Fの下端を載置する鍔状の載置部23aが形成され、その載置部23aに載置された前方側の支柱5Fが、駆動車輪支持枠23の上端部に形成したボルト挿通孔23bを通して装着されるボルトによって、駆動車輪支持枠23に連結されている。
ちなみに、駆動車輪支持枠23に前方側の支柱5Fをボルト連結する際には、上述した連結プレート(タッププレート)を支柱5Fの凹入溝Uを挿入して、ボルト挿通孔23bを挿通させたボルトを連結プレート(タッププレート)に螺合させることになる。
【0055】
図6及び図12に示すように、遊転車輪支持枠24は、平面視コの字状に形成されて、その車体後方側の左右一対の端面に、遊転車輪11を回転自在に支持する左右一対の軸受ユニット27がボルト固定されている。
尚、遊転車輪11が、遊転車輪支持枠24の左右の枠部分の間に、その車体前方側部分を入り込む状態で装備されている。
【0056】
図10及び図11に示すように、遊転車輪支持枠24の車体前方側の側面の下端部には、後方側の支柱5Rの下端を載置する鍔状の載置部24aが形成され、その載置部24aに載置された後方側の支柱5Rが、遊転車輪支持枠24の上端部に形成したボルト挿通孔24bを通して装着されるボルトによって、遊転車輪支持枠24にボルト連結されている。
ちなみに、遊転車輪支持枠24と後方側の支柱5Rとのボルト連結は、駆動車輪支持枠23と前方側の支柱5Fとのボルト連結と同様に行われることになる。
【0057】
図12に示すように、遊転車輪11の左右一対の軸受ユニット27の夫々を遊転車輪支持枠24に固定するボルト28を挿通させるために遊転車輪支持枠24に形成された挿通孔29が、上下方向に沿う長孔状に形成され、遊転車輪11の軸受ユニット27の遊転車輪支持枠24に対する上方移動を受け止めする位置規制用ボルト30が、遊転車輪支持枠24に螺合される状態で設けられている。
したがって、位置規制用ボルト30の正逆の回転調整によって、遊転車輪11の軸受ユニット27の遊転車輪支持枠24に対する上下位置を調整できることになり、この調整により、下部枠体3、つまりスタッカークレーンAの車体前後方向での傾きを調節できるようになっている。
【0058】
下部枠体3を構成する連結枠25は、図5〜図8に示すように、駆動車輪支持枠23及び遊転車輪支持枠24における車体横幅方向の片側箇所、つまり右側箇所に配設されている。
そして、連結枠25は、駆動車輪支持枠23の側面部への取付け部25a(図5参照)及び遊転車輪支持枠24の側面部への取付け部25b(図6参照)を、前後方向に延びる主体枠部分25Aの前後両端部に備えている。
【0059】
すなわち、主体枠部分25Aの前後両端の夫々に、平面視形状L字状の副枠部分25F、25Rが、主体枠部分25Aから上方に立設する状態で溶接により取付けられ、上述の取付け部25a、25bを形成するL字状に屈曲された舌片が、副枠部分25F、25Rに溶接されている。
主体枠部分25Aは、断面形状がC字状の型鋼を用いて構成され、その内部には、電線類を収納できるようになっている。尚、例示図においては、主体枠部分25Aの側部の開口を閉じるカバー体が装着されている。
【0060】
ちなみに、前方側の副枠部分25F及び後方側の副枠部分25Rには、下部枠体3を浮上状態で支持する冶具を取付けるための冶具取付け部Tf、Trが一体的に形成されている。
つまり、スタッカークレーンAは、下部枠体3、前後の支柱5F、5R、上部枠体6、及び、昇降台4に分解された状態で、製造箇所から設置箇所に搬送さて、設置箇所にて組み付けられることになるが、下部枠体3を床面から浮上させた状態で支持する冶具が、下部枠体3に装着できるように構成されている。
【0061】
図7及び図9に示すように、前方側の副枠部分25Fにおける主体枠部分25Aよりも車体内方側に位置する部分の下端部に、前方側の支柱5Fの下端面のうちの前方側の車輪支持枠23の載置部23aにて受け止められる前側の辺部分とは異なる右横側の辺部分を受け止め載置する前方支柱用載置体31Fが、載置体形成用の角軸材を副枠部分25Fに溶接して形成する状態で設けられている。
【0062】
また、図7及び図10に示すように、後方側の副枠部分25Rにおける主体枠部分25Aよりも車体内方側に位置する部分の下端部に、後方側の支柱5Rの下端面のうちの後方側の車輪支持枠24の載置部24aにて受け止められる後方側の辺部分とは異なる右横側の辺部分を受け止め載置する後方支柱用載置体31Rが、載置体形成用の角軸材を副枠部分25Rに溶接して形成する状態で設けられている。
【0063】
図9に示すように、前方側の副枠部分25Fの主体枠部分25Aよりも車体内方側に位置する部分に、ボルト挿通孔Fbが形成されて、この部分が、前方側の支柱5Fの側面部のうちの車体内面側の側面部にボルト連結されている。
つまり、本実施形態においては、前方側の副枠部分25Fが、前方側の支柱5Fの側面部のうちの前方側の車輪支持枠23に連結支持される前側面部分とは異なる右側面部分に連結される前方支柱用支持体として機能するようになっている。
【0064】
図10に示すように、後方側の副枠部分25Rの主体枠部分25Aよりも車体内方側に位置する部分に、ボルト挿通孔Rbが形成されて、後方側の支柱5Rの側面部のうちの車体内面側の側面部にボルト連結されている。
つまり、本実施形態においては、後方側の副枠部分25Rが、後方側の支柱5Rの側面部のうちの後方側の車輪支持枠24に連結支持される後側面部分とは異なる右側面部分に連結される後方支柱用支持体として機能するようになっている。
【0065】
図9に示すように、駆動車輪支持枠23の左端部には、前方側の支柱5Fの左側面部にボルト連結するL字状の連結片23Aが、ボルト連結されている。
また、図10に示すように、遊転車輪支持枠24の左端部には、後方側の支柱5Rの左側面部にボルト連結するL字状の連結片24Aが、ボルト連結されている。
【0066】
したがって、図11に示すように、前方側の支柱5Fは、駆動車輪支持枠23の載置部23a及び前方支柱用載置体31Fにて下端部が受け止め支持された状態で、駆動車輪支持枠23、前方側の副枠部分25F、及び、連結片23Aに対してボルト連結されることにより、下部枠体3に支持されるようになっている。
【0067】
また、図11に示すように、後方側の支柱5Rは、遊転車輪支持枠24の載置部24a及び後方支柱用載置体31Rにて下端部が受け止め支持された状態で、遊転車輪支持枠24、後方側の副枠部分25R、及び、連結片24Aに対してボルト連結されることにより、下部枠体3に支持されるようになっている。
【0068】
図6及び図8に示すように、前方側の副枠部分25Fにおける上端側部分に、巻取りドラム16及び昇降用電動モータ16Aを備える昇降台昇降駆動用の昇降駆動装置Gを取付ける取付け枠32が、副枠部分25Fに溶接される状態で設けられている。尚、取付け枠32と副枠部分25Fとの間には、上下の補強体32aが設けられている。
そして、昇降駆動装置Gが、前方側の車輪支持枠23の上方箇所に、取付け枠32にボルト連結される状態で取付けられている。
【0069】
図6〜図8に示すように、昇降駆動装置Gの上方に、支持枠33に載置支持された状態で制御ボックスHが設けられている。この制御ボックスHの内部には、駆動車輪9を駆動する車輪駆動モータ9Aの作動や、巻取りドラム16を駆動する昇降用電動モータ16Aの作動等を制御する制御装置が収納されている。
【0070】
制御ボックスHの支持枠33は、上下方向に伸びる下枠部分33aと、その下枠部分33aの上端から後方に延びる上枠部分33bとからなり、制御ボックスHが、図7に示すように、上枠部分33bに載置された状態で、かつ、図3に示すように、その上端部が前方側の支柱5Fに連結支持された状態で支持されている。
そして、下枠部分33aの下端部が、前方側の車輪支持枠23の上端部にボルト連結され、かつ、下枠部分33aの上下中間部や上端部が、前方側の支柱5Fにボルト連結されている。さらに、下枠部分33aの車体横幅方向の右側の端縁部が、前方側の副枠部分25Fにボルト連結されている。
【0071】
図13〜図15に示すように、スタッカークレーンAにおける上部枠体6が、前後の支柱5F、5Rに各別に接続される左右の枠部分6L、6Rにて構成されている。
左右の枠部分6L、6Rは、同様に構成されるものであって、側面視形状が逆U字状の主体部分6aの内面に、長尺状の補強部分6bを溶接接続して構成されたものであり、主体部分の6aの前後両端部が、前方側の支柱5Fや後方側の支柱5Rに対するボルト連結部Fj、Rjに形成されている。
【0072】
つまり、左右の枠部分6L、6Rが、その主体部分の6aの前後両端部のボルト連結部Fj、Rjを前方側の支柱5Fや後方側の支柱5Rの横外側面に当て付けた状態で、前方側の支柱5Fや後方側の支柱5Rにボルト連結されている。
尚、主体部分の6aの両端部のボルト連結部Fj、Rjを前方側の支柱5Fや後方側の支柱5Rにボルト連結する際には、上述した連結プレートを支柱5F、5Rの凹入溝Uに挿入して、その連結プレートにボルトを螺合させることになる。
【0073】
左右の枠部分6L、6Rにおける補強部分6bは、図15に示すように、車体前後方向視にて、主体部分6aの内面に当て付けられる上下方向に沿う板部分、その板部分の下端から内方側に向けて水平方向に沿って延びる水平板部分、及び、その水平板部分の端部から下方に向けて延びる延長板部分を備える2段屈曲状に形成されている。
また、図14に示すように、補強部分6bの前後両端側部における横幅方向内方側部分が、切欠き形成されている。つまり、補強部分6bにおける延長板部分の前後両端の端縁部Kが、補強部分6bにおける水平部分の前後両端よりも内方側に位置するようになっている。
【0074】
そして、主体部分の6aの両端部のボルト連結部Fj、Rjを前方側の支柱5Fや後方側の支柱5Rにボルト連結する際に、補強部分6bの水平板部分が、前方側の支柱5Fや後方側の支柱5Rの上端面に接当することにより、左右の枠部分6L、6Rの前方側の支柱5Fや後方側の支柱5Rに対する上下位置を規制するようになっている。
また、主体部分の6aの両端部のボルト連結部Fj、Rjを前方側の支柱5Fや後方側の支柱5Rにボルト連結する際に、補強部分6bにおける延長板部分の前後両端の端縁部Kが、前方側の支柱5Fや後方側の支柱5Rの外周面に接当することにより、左右の枠部分6L、6Rの前方側の支柱5Fや後方側の支柱5Rに対する車体前後方向での位置を規制するようになっている。
【0075】
ちなみに、本実施形態においては、昇降台4を吊り下げ支持する1対の昇降用ワイヤ13A、13Bのうちの、昇降台4の車体前方側箇所に連結される昇降用ワイヤ13Aを案内する上述した第1案内体14を回転自在に支持する第1支持体34が、上部枠体6における右側の枠部分6Rの前方側のボルト連結部Fjの外面に当て付ける状態で、前方側の支柱5Fにボルト連結されている。
【0076】
また、昇降台4を吊り下げ支持する一対の昇降用ワイヤ13A、13Bのうちの、昇降台4の車体後方側箇所に連結される昇降用ワイヤ13Bを案内する上述した第3案内体17を回転自在に支持する第2支持体35が、上部枠体6における左側の枠部分6Lの後方側のボルト連結部Rjの外面に当て付ける状態で、後方側の支柱5Rにボルト連結されている。
【0077】
また、第1案内体14にて案内される昇降用ワイヤ13Aを下方に向かうように案内する第2案内体15、及び、第3案内体17にて案内される昇降用ワイヤ13Bを下方に向かうように案内する第4案内体18が、共用の第3支持体36に支持され、この第3支持体36が、前方側の支柱5Fの前面側にボルト連結されるようになっている。
【0078】
さらに、第3支持体36には、天井側のガイドレール7に接当する前後のガイドローラ8f、8rのうちの、前方側の左右のガイドローラ8fが支持されるようになっている。
ちなみに、天井側のガイドレール7に接当する前後のガイドローラ8f、8rのうちの、後方側の左右のガイドローラ8rは、後方側の支柱5Rにボルト連結される第4支持体37に支持されている。
【0079】
〔別実施形態〕
次に、別実施形態を列記する。
(1)上記実施形態では、前後の支柱の下端面が、車輪支持枠としての駆動車輪支持枠や遊転車輪支持枠の鍔部に加えて、下部枠体に設けた支柱載置体にも載置される場合を例示したが、この支柱載置体を省略する形態で実施してもよい。
【0080】
(2)上記実施形態では、走行輪として、駆動車輪と遊転車輪とが備えられる場合を例示したが、下部枠体の前後に、駆動車輪を装備する形態で実施してもよい。
【0081】
(3)上記実施形態では、連結枠が、前後の車輪支持枠の横一側箇所に配置される場合を例示したが、前後の車輪支持枠の左右両側箇所に、連結枠を配置する形態で実施してもよい。
【0082】
(4)上記実施形態では、前後支柱の長さが数十メートル等、前後支柱の長さが長く形成されるスタッカークレーンを例示したが、前後支柱の長さを数メートル等、前後支柱の長さが短く形成されるスタッカークレーンに対しても、本発明は適用できるものである。
【符号の説明】
【0083】
2 走行レール
3 下部枠体
4 昇降台
5F、5R 支柱
6 上部枠体
9 走行輪(駆動車輪)
11 走行輪(遊転車輪)
23、24 車輪支持枠
23a 載置部
24a 載置部
25 連結枠
25F 前方支柱用支持体
25R 後方支柱用支持体
31F 前方支柱用載置体
31R 後方支柱用載置体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行レールに沿って走行自在な走行輪を前後両端部に備えた下部枠体と、その下部枠体の前後両端部の夫々から立設される前後の支柱と、その前後の支柱の上端部同士を接続する上部枠体と、前記前後の支柱にて昇降自在に案内される昇降台とを備えたスタッカークレーンであって、
前記下部枠体が、前記走行輪を支持する前後の車輪支持枠を連結枠にて接続して構成され、
前記前後の車輪支持枠のうちの前方側の車輪支持枠の下端部に、前記前後の支柱のうちの前方側の支柱の下端面を受け止め載置する載置部が形成され、かつ、前記前後の車輪支持枠のうちの後方側の車輪支持枠の下端部に、前記前後の支柱のうちの後方側の支柱の下端面を受け止め載置する載置部が形成され、
前記前方側の支柱が、その下端面が前記前方側の車輪支持枠の前記載置部にて受け止められた状態で、かつ、その側面部が前記前方側の車輪支持枠に連結支持された状態で設けられ、
前記後方側の支柱が、その下端面が前記後方側の車輪支持枠の前記載置部にて受け止められた状態で、且つ、その側面部が前記後方側の車輪支持枠に連結支持された状態で設けられているスタッカークレーン。
【請求項2】
前記連結枠に、前記前方側の支柱の下端面のうちの前記前方側の車輪支持枠の前記載置部にて受け止められる部分とは異なる部分を受け止め載置する前方支柱用載置体、及び、前記後方側の支柱の下端面のうちの前記後方側の車輪支持枠の前記載置部にて受け止められる部分とは異なる部分を受け止め載置する後方支柱用載置体が設けられている請求項1記載のスタッカークレーン。
【請求項3】
前記連結枠に、前記前方側の支柱の側面部のうちの前記前方側の車輪支持枠に連結支持される部分とは異なる部分に連結される前方支柱用支持体、及び、前記後方側の支柱の側面部のうちの前記後方側の車輪支持枠に連結支持される部分とは異なる部分に連結される後方支柱用支持体が設けられている請求項1又は2記載のスタッカークレーン。
【請求項4】
前記前方側の支柱が、前記前方側の車輪支持枠の後方側箇所に配置され、
前記後方側の支柱が、前記後方側の車輪支持枠の前方側箇所に配置されている請求項1〜3のいずれか1項に記載のスタッカークレーン。
【請求項5】
前記連結枠が、前記前後の車輪支持枠の横一側箇所に配設されている請求項1〜4のいずれか1項に記載のスタッカークレーン。
【請求項6】
前記下部枠体の前後両端部に備えられる前記走行輪のうちの一方が、駆動車輪で、他方が、遊転車輪であり、
前記遊転車輪が、それを支持する前記車輪支持枠に、上下位置調節自在に装備されている請求項1〜5のいずれか1項に記載のスタッカークレーン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−126534(P2012−126534A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−280641(P2010−280641)
【出願日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【出願人】(000003643)株式会社ダイフク (1,209)
【Fターム(参考)】