説明

スタッドに固定するための締結要素

【課題】改善された位置及び寸法の安定性を達成することができる、シャンクに固定するための改善された締結要素を提供すること。
【解決手段】長手方向軸(19)に沿って延び、スタッド(12)のシャンク(18)を受け入れるように構成されたスタッド・レセプタクル(24)を有する、加工物(14)から突出するスタッド(12)に固定するための締結要素(10)であって、スタッド・レセプタクル(24)は、第1の外周部(26)と第2の外周部(28)とを有し、第1の外周部(26)は、半径方向において、実質的に半径方向に撓み可能ではなく、第2の外周部(28)は、半径方向において弾性撓み可能であるように構成され、スタッド・レセプタクル(24)の中に導入されるスタッド・シャンク(18)が、第2の外周部(28)により、第1の外周部(26)に対して半径方向に押し付けられる締結要素である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、長手方向軸に沿って延び、スタッドのシャンクを受け入れるように構成されたスタッド・レセプタクルを有する、加工物から突出するスタッドに固定するための締結要素に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の締結要素は、特に、プラスチック材料で製造された締結クリップの形態で知られる。例えば、スタッド接合として知られるもの、加工物表面へのスタッドの接着接合、熱可塑性溶接法などにより、スタッドを加工物表面に接合することも知られている。締結クリップは、このように加工物に接合されたスタッドに取り付けられ、一般に、物品を加工物に対して固定する役割を担う。締結要素は、この場合、そのような物品を固定することができる締結部を有することができる。締結される物品は、例えば、電気ケーブル、可撓性の管又は他の細長い物品とすることができる。しかしながら、締結される物品は、トリム要素などのような平坦な物品とすることもできる。
【0003】
スタッドが加工物に接合され、その後、締結要素により物品を加工物に対して固定することができる締結要素がスタッドに固定される、この種の締結システムは、自動車の車体製造の分野において広範に用いられている。
スタッドは、雄ねじが設けられたシャンク部を有することが好ましい。締結要素は次いで、一実施形態においては、スタッドの上にねじ込まれる。
【0004】
代替的に、スタッド・シャンクを導入するために、スタッド・レセプタクルの中に突出する、半径方向に弾性的に撓み可能な対向する締結フィンガを締結要素上に設けることが知られている。スタッド・フィンガは次いで、締結要素が軸方向に押し込まれ、シャンクの雄ねじの巻きの後ろの端位置において係合すると、半径方向に撓む。スタッド・シャンクに対する締結要素のこの種の固定に関連する問題は、締結要素とシャンクとの間の相対位置、及び、スタッド上の締結要素の安定性が、実質的に、半径方向に弾性のある締結フィンガにより定められることである。さらに、締結フィンガの半径方向の弾性を、異なる直径のスタッド・シャンクに適合させることは困難である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これを背景にして、本発明の目的は、改善された位置及び寸法の安定性を達成することができる、シャンクに固定するための改善された締結要素を特定することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的は、冒頭で述べたタイプのシャンクに固定するための締結要素により達成され、ここで、スタッド・レセプタクルは、第1の外周部と第2の外周部とを有し、第1の外周部は、半径方向において、実質的に半径方向に撓み可能ではなく、第2の外周部は、半径方向において弾性撓み可能であるように構成され、これによりスタッド・レセプタクルの中に導入されるスタッドが、第2の外周部により、第1の外周部に対して半径方向に押し付けられる。
【0007】
この方策により、締結要素とスタッドとの間の相対位置をより正確に固定することができる。スタッドは、第2の外周部により、実質的に半径方向に撓み可能ではない第1の外周部に対して押し付けられるため、この相対位置は、一般に、第1の外周部に対するスタッド・シャンクの当接位置により定められる。その結果、半径方向平面における固定を達成することができる。外周部の適切な構成により、軸方向の固定を行うこともできる。
外周部は、実質的にスタッド・シャンクの全長に沿って延びるように、長手方向に構成することができる。しかしながら、外周部がスタッド・シャンクの一部のみに沿って延びるように、外周部を長手方向に構成することも等しく可能である。
【0008】
締結要素は、プラスチックから製造することが好ましい。締結要素は、射出成形により一体部品として製造することが特に好ましい。締結要素は、摺動部なしに製造できることが特に好ましい。
締結要素は、雄ねじを有するスタッド、特に、並目ねじとして知られるものを有するスタッドを受け入れるように構成されることが好ましい。さらに、締結要素をスタッド上に軸方向に押し付けるように、つまり、具体的にはねじ込まずに、締結要素をスタッドに接続することが特に好ましい。
スタッドは、特に、金属から製造することができるが、プラスチックから製造することもできる。
【0009】
上述の目的はまた、本発明による締結要素を有する締結システムと、加工物に接合することができ、かつ、特に雄ねじを有するスタッドとにより、全体的に達成される。
このようにして、目的の全体が達成される。
【0010】
スタッド・レセプタクルは、多角形の断面になるように構成され、少なくとも3つの側部を有し、第1の外周部が側部のうちの少なくとも2つを有し、第2の外周部が側部のうちの少なくとも1つを有することが特に好ましい。
最も単純な場合においては、スタッド・レセプタクルの断面は、実質的に三角形であり、1つの側部により形成される第2の外周部が、スタッド・シャンクを第1の外周部の2つの側部に対して押し付ける。多角形構成のため、スタッド・シャンクは、それぞれの側部と、各点ごと又は線形的にのみ接触することが特に好ましい。この場合、締結要素は、スタッド・シャンクの外周部にわたって分散された3つの接触点又は線の当接により、スタッド・シャンクに対して配置することができる。その結果、相対位置は、機械的な過剰判断なしに、相対位置を明白に確立することができる。
【0011】
この場合、スタッド・レセプタクルの半径方向に撓み可能な側部が、半径方向に弾性撓み可能な横材により形成されることは特に好ましい。
この場合、横材は、スタッドのための仮想円形レセプタクルに対して実質的に接戦方向に延びることができる。横材は、スタッド・シャンクの全長に沿って、長手方向に延びることができる。しかしながら、スタッド・シャンクの長手方向において見られるように、半径方向に弾性撓み可能な横材は、スタッド・シャンク長の相対的に短い部分にのみ沿って延びることが特に好ましい。本実施形態は、締結要素の製造を単純化する。さらに、それにより、半径方向の弾性をより容易に確立することができる。
この場合、横材を湾曲させるように構成することは特に有利である。
【0012】
一般に、横材は、まっすぐに構成することができるが、半径方向に撓みのない位置において、湾曲するように構成されることが好ましい。この場合、湾曲は、連続的に構成することができ、又は、複数の少なくとも2つの直線部分により形成することもできる。換言すれば、横材の湾曲は、2つの横材部分によりV字形状として、又は複数の横材部分により多角形状として構成することもできる。
その結果、半径方向の弾性を特に良好に確立することができる。
この場合、横材は半径方向内方に湾曲させることが特に有利である。
その結果、相対的に薄い横材の場合においても、半径方向の弾性撓みに対して相対的に高い弾性復元力を達成することが可能であり、このことにより、締結要素を、特に良好にスタッド・シャンクに固定することが可能になる。
さらに、全体として、横材は、互いに対して180°より小さい横材角で配向された2つの横材部分を有することが有利である。
【0013】
本実施形態において、横材の湾曲は、結果的に、互いに対して180°より小さい横材角で配向された2つの実質的に直線の横材部分により形成される。横材角は、175°乃至120°の範囲にあることが好ましい。
全体的に好ましいさらに別の実施形態によると、スタッド・レセプタクルの第1の外周部の、弾性撓み可能な側部の両側にある2つの側部は、互いに対して120°より小さい側角で配向される。
【0014】
互いに対してこの側角で配向された2つの側部は、結果的に、V字形状を形成し、この中に、スタッド・シャンクを半径方向に押し付けることができる。
側角は、70°より大きいことが好ましい。
【0015】
さらに、全体的に、半径方向内方に突出する少なくとも1つのノーズ又はチャネルが第1の外周部上及び/又は第2の外周部上に配置されることが有利である。
こうしたノーズ又はチャネルにより、スタッド・シャンクと締結要素が、長手方向において型嵌めを達成することができる。この場合、ノーズは、スタッド・シャンクの並目ねじの巻きに係合することが好ましい。しかしながら、代替的に、ノーズがスタッド・シャンク上の周方向溝に係合することも可能である。
【0016】
さらに別の好ましい実施形態によると、この場合は、長手方向いおいて見られるように、第2の外周部のノーズが、第1の外周部のノーズよりも、スタッド・レセプタクルにおける導入開口部の近くに配置される。
結果として、締結要素とスタッド・シャンクとの間の相対位置を、さらに良好に固定することができる。従って、ノーズは、ピッチに適合されることが好ましい。従って、すべてのノーズが、スタッドからの相対的に高い引き離し力を達成できるように、常にピッチにラッチ止めされることを保証することができる。
【0017】
さらに、締結要素の下側に舌部を設けることが有利であり、この舌部は、加工物及び/又はスタッド・シャンクの表面上に、軸方向に弾性的な方法で支持されるように構成される。その結果、外周部のノーズがスタッド・シャンクにおける半径方向の陥凹部に係合するとき、軸方向における、明確で遊びのない取り付けを達成することができる。
締結部を締結要素上に設けることがさらに好ましく、これにより、例えば、電気ケーブル、パイプライン等の物品を前述の締結部上に固定することが可能になる。しかしながら、締結部は、物品を加工物表面に対して平行な方向に、例えばトリム部品などの形態で、加工物に固定するように構成することもできる。
【0018】
上述した特徴及び以下で説明する特徴は、各々の場合における組み合わせだけではなく、本発明の範囲から逸脱することなく、他の組み合わせ又は単独でも用い得ることは言うまでもない。
本発明の例示的な実施形態が、以下の説明においてより詳細に説明され、図面に示される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明による締結要素の第1の実施形態の概略的な断面図を示す。
【図2】締結要素がスタッド・シャンクに固定された、図1の線II−IIに沿った断面図を示す。
【図3】本発明による締結要素の更に別の実施形態の斜視図を示す。
【図4】図3からの締結要素の平面図を示す。
【図5】図4における線V−Vの断面図を示す。
【図6】図4における線VI−VIに沿った断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1及び図2は、本発明による締結要素の第1の実施形態を概略的に示し、全体が10で示される。
締結要素10は、軸方向に、スタッド12の上に押し込まれるように設計された射出成形プラスチック要素として形成される。スタッド12は、加工物14に固定される。スタッド12は、例えば、スタッド溶接プロセス、スタッド接着結合などにより加工物14の表面に接合されることが好ましい。
【0021】
スタッド12は、加工物14の表面に実質的に平坦になるように接合されたスタッド・フランジ16と、フランジから延び、加工物14の表面から実質的に垂直になるように延びる長手方向軸19上に配向されたスタッド・シャンク18とを有する。
締結要素10は、細長いベース本体20を有し、その外周上には、締結部22が形成されている。締結部22は、この場合には概略的にしか示されず、締結要素10により加工物14に固定される物品のタイプに応じて、幅広い種類の形状を呈することができる。
【0022】
スタッド・レセプタクル24は、ベース本体20上に形成され、同様に長手方向軸19に沿って延びる。スタッド・レセプタクルは、スタッド12のシャンク18を少なくとも部分的に受け入れるように設計される。スタッド・レセプタクル24は、好ましくは180°より大きく、特に220°より大きく、この場合は約250°にわたって周方向に延びる第1の外周部26と、さらにスタッド・レセプタクル24の外周の残りにわたって延びる(この場合は約110°)第2の外周部28とを有する。
【0023】
矢印30で概略的に示されるように、スタッド・レセプタクル24の第2の外周部28は、半径方向に弾性的に撓むように構成される。スタッド・シャンク18がスタッド・レセプタクル24の中に導入され、第2の外周部28が半径方向に撓むと、図1の32に示されるように、第2の外周部28は、撓み方向に対抗して、スタッド・シャンク18に半径方向の弾性復元力を働かせる。
弾性押圧力32により、スタッド・シャンク18は、第1の外周部26から第2の外周部28に向かって半径方向に押され、その結果、半径方向又は半径方向平面に固定される。
【0024】
さらに、スタッド・レセプタクル24は、この場合は、断面が多角形であるように構成されるため、スタッド・レセプタクル24は、プリズム形態を有する。図1及び図2における実施形態においては、スタッド・レセプタクルは、第2の外周部28を形成する第1の側部34を含む。第1の側部34は、この場合、シャンク部18の外周に対してほぼ接線方向に配向された横材36により形成され、半径方向の撓み30の場合、横材36の後ろに半径方向にベース本体20内に設けられたキャビィティ38内に曲がることができる。
【0025】
図2に示されるように、横材36は、実質的に軸方向に連続することができるが、シャンク部18の軸方向長の一部のみに沿って延びることもできる。
スタッド・レセプタクル24は、第1の側部34の両端から互いに向かって延び、第1の側部34の反対側の第4の側部44につながる、第2の側部40と第3の側部42とをさらに含む。第2の側部40及び第3の側部42は、この場合、側角46を囲み、この側角46は、図示される実施形態においては約55°であり、40°乃至120°の範囲にあることが好ましい。第2の側部20及び第3の側部42は互いに直接つながり、第4の側部44は設けられず、スタッド・レセプタクル24の多角形断面が台形ではなく三角形であることも可能である。一般に、スタッド・レセプタクル24は、4より多い側部を有するように構成することができる。
【0026】
押圧力32により、スタッド・シャンク18は、半径方向平面における固定を達成するために、第2の側部40及び第3の側部42に対して押し付けられる。
その内周上では、スタッド・レセプタクル24は、滑らかに構成することができる。スタッド18は、例えば、セルフタッピングねじを有することができ、この場合、締結要素10はスタッド18の上にねじ込まれる。代替的に、スタッド・レセプタクル24は、その内周上に雌ねじを有することができる。この場合も、スタッド12及び締結要素10は、ねじ込みにより接続される。
しかしながら、この場合、第2の側部40上及び第3の側部42上には、各々の場合において、それぞれの側部から半径方向に突出する第1のノーズ48が設けられる。さらに、第2のノーズ50が第1の側部34上に形成される。スタッド・シャンク18は、詳細に示されない並目ねじを有する。
【0027】
本実施形態においては、締結要素10は、スタッド・シャンク18上に軸方向に押し込むことができる。横材36の半径方向の弾性のため、図1の破線により示されるように、この挿入プロセス中、横材36は半径方向に撓むことができる。この場合、ノーズ48、50は、ねじ山を介してシャンク18の外周に載り、最終的には、図2に示される端位置において、シャンク18上のねじ溝内にラッチ止めされる。
本実施形態により、締結要素10はまた、圧力嵌め及び/又は型嵌めにより、スタッド12に軸方向に固定することもできる。
【0028】
図1及び図2の実施形態において、横材36はまた、本質的に湾曲するように構成することもできる。この場合、横材は、半径方向外方又は半径方向内方に湾曲させることができる。湾曲は、連続的な曲げにより確立することができるが、互いに対してある角度で配向された少なくとも2つの横材部により形成することもできる。
図1及び図2の実施形態において、第2のノーズ50は、第1のノーズ48よりも、スタッド・レセプタクル24の詳細には示されていない導入開口部の近くに配置される。しかしながら、第1のノーズ48及び第2のノーズ50は、同じ軸方向高さに配置することもできる。
【0029】
締結要素10は、締結される物品を予め締結要素10に固定した状態で、加工物14に前もって接合されているスタッドに締結することができる。代替的に、ひとたび締結要素10がスタッド12に固定されると、そのような物品を締結要素10に締結することが可能である。
工具を用いて横材36を撓み方向30において撓ませて、スタッド・シャンク18と締結要素10との間の軸方向における圧力嵌め又は型嵌めを解除すると、締結要素10を分解することも可能である。
【0030】
第1の側部34は半径方向に弾性撓み可能であるが、第2の側部40及び第3の側部42は剛性である、すなわち半径方向に弾性撓み可能ではない。
横材36の半径方向の可撓性のため、締結レセプタクル24は、異なる直径を有するスタッド・シャンク18を受け入れることができる。
【0031】
締結要素10は、プラスチック製であり、具体的には、射出成形プロセスで製造されることが好ましい。特定の構成のため、締結要素10は、摺動部なしに製造することができる。図1及び図2に概略的に示されるスタッド・レセプタクルは、例えば、ケーブル、パイプ等の細長い物品を固定するために、異なる種類の締結要素10と組み合わせることができる。代替的に、ベース本体20上に他の種類の締結部22を実現することもできる。一般に、そのような締結要素10を用いて、加工物14の表面に対して平行に嵌められる、トリム要素などを固定することも考えることができる。
【0032】
図3乃至図6は、図1及び図2に示される締結要素10の構造及び機能の点で概ね対応する締結要素10’の更に別の実施形態を示す。従って、同一の要素は、同じ参照符号により示される。以下の文においては、主として、その違いが説明される。
図3乃至図6に示される締結要素10’は、ベース本体の一方の側部上に、一例として、細長い物品52を固定するように構成された締結部22を有する。この場合、図5の53に示されるように、締結部22は、例えば、ケーブルタイなどを通すための切り欠き部を含む。
【0033】
ベース本体20の上端部には、スタッド・レセプタクル24を横切って横断方向に延び、導入されるスタッド・シャンク18のための停止部を形成する、停止横材54が形成される。
ベース本体20の下側には、スタッド・レセプタクル24の一方の側上に配置され、軸方向に弾性的に撓むように構成された、第1の舌部56が設けられる。スタッド・レセプタクル24の反対側には、同じように軸方向に弾性撓み可能である少なくとも1つの第2の舌部58が設けられる。
【0034】
図示されていない最終取り付け位置において、舌部56、58は、加工物14の表面上に載っており、スタッド・シャンク18のねじ溝におけるノーズ48、50の係合が張力下に置かれることを保証する。
さらに、横材36は、シャンクの全長に沿って軸方向に延びない横材により形成される。この場合、横材36は、互いに対して横材角64で配向された、第1の横材部60及び第2の横材部62により形成されるので、横材36は湾曲するように構成される。横材角は、180°より小さく、好ましくは90°より大きく、特に120°より大きい。
【0035】
横材部60、62は、この場合、横材36が全体として半径方向内方に湾曲するように配向される。
その結果、横材36が半径方向に僅かにしか撓まない場合でも、相対的に大きい弾性押圧力32を実現することができる。
【0036】
製造を単純にし、材料が大量に蓄積するのを回避するために、ベース本体20は、スタッド・レセプタクル24に対して平行に延び、かつ、それぞれ第2の側部40及び第3の側部42の外側に半径方向に配置される2つの軸方向陥凹部66、68を有するように構成される。しかしながら、これにより第2の側部40及び第3の側部42を形成する長手方向壁が半径方向に相対的に厚く構成されるので、これらは、実質的に半径方向に弾性的に撓むことはない。
さらに、図6は、スタッド・レセプタクル24における導入開口部を70で概略的に示す。
【符号の説明】
【0037】
10、10’:締結要素
12:スタッド
14:加工物
16:スタッド・フランジ
18:スタッド・シャンク
19:長手方向軸
20:ベース本体
22:締結部
24:スタッド・レセプタクル
26:第1の外周部
28:第2の外周部
30:撓み方向
32:弾性押圧力
34:第1の側部
36:横材
38:キャビティ
40:第2の側部
42:第3の側部
44:第24の側部
46:側角
48:第1のノーズ
50:第2のノーズ
52:細長い物品
53:切り欠き部
54:停止横材
56:第1の舌部
58:第2の舌部
60、62:横材部
64:横材角
66、68:軸方向陥凹部
70:導入開口部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向軸(19)に沿って延び、スタッド(12)のシャンク(18)を受け入れるように構成されたスタッド・レセプタクル(24)を有する、加工物(14)から突出する前記スタッド(12)に固定するための締結要素(10)であって、前記スタッド・レセプタクル(24)は、第1の外周部(26)と第2の外周部(28)とを有し、前記第1の外周部(26)は、半径方向において、実質的に半径方向に撓み可能ではなく、前記第2の外周部(28)は、半径方向において弾性的に撓み可能であるように構成され、前記スタッド・レセプタクル(24)の中に導入されるスタッド・シャンク(18)が、前記第2の外周部(28)により、前記第1の外周部(26)に対して半径方向に押し付けられることを特徴とする締結要素(10)。
【請求項2】
前記スタッド・レセプタクル(24)は、多角形の多角形になるように構成され、少なくとも3つの側部(34、40、42)を有し、前記第1の外周部(26)が前記側部のうち少なくとも2つ(40、42)を有し、前記第2の外周部(28)が前記側部のうち少なくとも1つ(34)を有することを特徴とする、請求項1に記載の締結要素。
【請求項3】
前記スタッド・レセプタクル(24)の前記半径方向に撓み可能な側部(34)は、半径方向に弾性撓み可能な横材(36)により形成されることを特徴とする、請求項2に記載の締結要素。
【請求項4】
前記横材(36)は湾曲するように構成されることを特徴とする、請求項3に記載の締結要素。
【請求項5】
前記横材(36)は半径方向内方に湾曲されることを特徴とする、請求項4に記載の締結要素。
【請求項6】
前記横材(36)は、互いに対して180°より小さい横材角(64)で配向された2つの横材部を有することを特徴とする、請求項3〜請求項5のいずれかに記載の締結要素。
【請求項7】
前記スタッド・レセプタクル(24)の前記第1の外周部(26)の、前記弾性的に撓み可能な側部(34)の両側にある前記2つの側部(40、42)は、互いに対して120°より小さい側角(46)で配向されることを特徴とする、請求項2〜請求項6のいずれかに記載の締結要素。
【請求項8】
半径方向内方に突出する少なくとも1つのノーズ(48、50)が、前記第1の外周部(26)上及び/又は第2の外周部(28)上に配置されることを特徴とする、請求項1〜請求項7のいずれかに記載の締結要素。
【請求項9】
前記第2の外周部(28)の前記ノーズ(50)は、前記第1の外周部(26)の前記ノーズ(48)よりも、長手方向において、前記スタッド・レセプタクル(24)の導入開口部(70)の近くに配置されることを特徴とする、請求項8に記載の締結要素。
【請求項10】
物品(52)を固定することができる締結部(22)を有することを特徴とする、請求項1〜請求項9のいずれかに記載の締結要素。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−24422(P2013−24422A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−156328(P2012−156328)
【出願日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【出願人】(504075577)ニューフレイ リミテッド ライアビリティ カンパニー (117)
【Fターム(参考)】