説明

スダチの予措方法及びそれに用いるスダチ用予措装置

【課題】ヤケ果の発生が抑制でき、予措期間の短縮と予措期間の制御とが行えるスダチの予措方法及びそれに用いる予措装置を提供すること。
【解決手段】スダチを収納した通気性のコンテナに対して30℃〜40℃の範囲内に制御されかつ除湿装置を用いて相対湿度が70%未満に乾燥された空気を差圧により連続的に供給する。予措装置は、断熱部材により密閉された空間内に、スダチを収納したコンテナを収容する予措室RDと予措室RD内に差圧により空気を連続的に流通させるための圧力スペースdSと予措室RDから排出される循環空気を一時的に貯留する空調スペースAdSとを配設して構成され、この空調スペースと圧力スペースとの間には差圧発生装置が配設され、また除湿装置と、この除湿装置と同一であってもよい温度制御手段とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収穫されたスダチを冷蔵貯蔵する前処理としてのスダチの予措方法及びそれに用いるスダチ用予措装置に関する。
【背景技術】
【0002】
徳島県の特産品として県下一円で栽培されるスダチは、独特の濃い緑色の柑橘類であり、この独特の濃い緑色を維持することが商品価値を維持する上で必要であるといわれている。8月中旬〜9月中旬に露地栽培により収穫されたスダチの多くは冬期に向けて出荷する目的で冷蔵貯蔵される。
【0003】
このような冷蔵貯蔵は一般に農家単位で行われ、収穫されたスダチは必ず「予措」という処理の後に冷蔵庫等に入れられる。スダチにおける「予措」とは、スダチの表皮を乾燥させる工程であり、予措(表皮乾燥)を行うことによりスダチ表皮の気孔が収縮され、予措が行われたスダチでは呼吸量が抑えられてスダチの貯蔵性が高められる。
【0004】
一般に、冷蔵貯蔵する前のスダチの予措程度(予措率又は予措歩合)は5%以上にする必要があるといわれ、このため栽培農家は収穫したスダチを風通しのよい倉庫などに置くことにより自然予措を行っているが、自然予措には通常1週間程度が必要であり、予措期間の短縮が望まれている。
【0005】
近年、スダチの黄変が10℃〜25℃の温度域で生起し易いことが確認された。これにより、緑色を維持しつつスダチを予措できる条件として、低温度に維持する方法に加えて30℃よりも高い温度(高温域)で予措を行っても果皮が退色しにくいという現象が着目された(非特許文献1)。この非特許文献1によれば、スダチの黄変が起こりにくい理由は、低温(3〜5℃)領域あるいは高温(30℃以上)領域ではクロロフィルの分解が起こりにくいため、果実予措が高温域でも可能となると説明されている。
【0006】
そして、この非特許文献1では、スダチ専用の予措機が開発されていない現状から、市販の二機種の乾燥装置を用いた実証試験により高温予措の可能性を提案している。一方の乾燥装置は、スダチとは異なる他の柑橘類の予措に使用される高温予措機であり、この高温予措機は、ロス内換気装置と温度制御装置を備えている。また、他方の乾燥装置は、柿や梅で使用されている乾燥装置であり、この乾燥装置は強制除湿装置を備えた密閉式通風乾燥機である。いずれの試験装置においても30℃を越える温度設定が可能であり、これにより30℃を越える領域での予措の試験が行われている。
【0007】
いずれの試験装置においても、自然予措では1週間以上必要であった予措期間が1〜3日程度に短縮されると報告され、正常果率も自然予措の場合に比べて増大させることができると説明されている。これにより、高温予措機を用いれば、栽培農家において作業性や省力化に加えて貯蔵性の増大に伴う生産性の向上も期待され、一部農家では柚の予措に開発されたロス内換気装置と温度制御装置を備えた市販の予措機(柚用予措機という。)を用いてスダチの予措が行われている。
【非特許文献1】独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究機構 近畿中国四国農業研究センター 平成14年度研究成果情報、徳島果実研・常緑栽培育種担当、「予措法改善によるスダチの貯蔵性の向上」、[平成18年1月12日検索]、インターネット<http://www.naro.affrc.go.jp/top/seika/2002/kinki/ki271.html>
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、柚用予措機を用いてスダチの予措を行う場合、予措に必要な期間は自然予措に比べて短縮されるが、予措期間が1〜3日程度の範囲内で区々となるという課題があった。予措期間が1〜3日程度の範囲内で区々であると、収穫時期を含めて予措後の選別作業、袋詰め作業、貯蔵作業などの農家の諸作業の計画が安定しないという課題がある。
【0009】
また、冷蔵貯蔵するのに適したスダチの収穫時期は、短期間に集中している。この為、予措期間が区々であると、区々な予措期間に対応できるように充分な能力の予措機が必要となる。加えてこの種の柚用予措機を用いる場合には、予措の進行歩合を絶えず監視する必要があり、予措の進行歩合によっては最適な予措の完了時刻が深夜と予想される場合もある。
【0010】
一方、梅で使用されている強制除湿装置を備えた密封式通風乾燥機は柚用の予措機に比べて予措期間を短縮できるものの、予措に必要な時間は柚用と同様に一定しないという課題点がある。さらに非特許文献1の成果の活用面・留意点3で「冷蔵貯蔵中に低温障害果実や呼吸障害果実で生起するといわれるヤケ果の発生が多く見られる。」と説明されるとおり、梅用の密封式通風乾燥機では、ヤケ果の発生が予想され、スダチ用の予措機として採用することは不適切である。このヤケ果(低温障害果実や呼吸障害果実)が冷蔵貯蔵中に発生すると、冷蔵貯蔵中の適宜の期間において煩雑にヤケ果の発生したスダチを選別して除去する作業が必要となり、農家の作業が煩雑となるばかりか、歩留まりが低下するという課題がある。
【0011】
そこで、この発明の目的は、ヤケ果の発生が抑制でき、予措期間の短縮と予措期間の制御とが行えるスダチの予措方法及びそれに用いる予措装置を提供することを目的とする。
【0012】
また、本発明の目的は、ヤケ果の発生が抑制でき、予措期間の短縮と予措期間の制御とが行える廉価なスダチ用予措装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
全国のスダチの生産量の約90%を占める生産地である徳島地方において、冷蔵貯蔵に適した露地物スダチの収穫時期は8月中旬から9月中旬(特には9月初旬)であるが、この季節は平均相対湿度が70%を超えて高く、かつ、最高気温も30℃を超える日が多く、さらには降水量も年間を通じて最も高い(表1参照。)。それ故、予措により生成した湿潤した循環空気は外気と交換して新鮮な空気を取り入れるという柚用予措機の設計では、高温、多雨、多湿の季節であるスダチの予措に最適な条件を設定できていない可能性があると考えた。
【0014】
また、同様に、梅用の密封式通風乾燥機も柚用に開発されたものでは無いことに起因してか、スダチに転用した場合のヤケ果の発生が認められている。この密封式通風乾燥機を用いる場合のヤケ果発生の理由は定かではないが、この密封式通風乾燥機を用いて梅を乾燥させる場合に必要な乾燥時間は通常数時間でよいのに対して、非特許文献1ではスダチの予措には昼夜に跨る1〜2日間もの乾燥が行われている。
【0015】
また、非特許文献1の成果の活用面・留意点の2及び4において「予措後直ちに低温貯蔵を行うと返って貯蔵性が悪い場合があるので、予措後果実を半日程度静置して室温に戻した後袋詰めを行い、貯蔵温度は8℃〜10℃、その後2週間に0.5℃の割合で低下させて最終的に4℃で管理する。」旨が指摘されている。この点、スダチは温度変化に繊細に反応する可能性が指摘されているようだ。
【0016】
ここで、徳島地方のこの季節では、昼夜の平均気温の差は平均で6〜7℃程度、場合によっては8℃を超えている(表1参照)。数時間の乾燥であれば温度調節装置は不要であると考えられるが、昼夜の長時間に亘るスダチの予措の場合には昼夜で平均気温が6℃〜7℃も変化することから強制除湿装置を内蔵しただけの温度調節装置の無い密封式循環方式では30℃〜40℃の間での精密制御は実質的に困難であり、昼間の高温時では一時的に昇温されて40℃付近又は40℃を越え、スダチ予措に必要な最適条件を設定できていない可能性が考えられた。
【0017】
【表1】

ここで、本発明者等は、柚の予措が30℃を越える高温においても行えるという非特許文献1の知見を基にして、上述の課題点を解決すべくスダチ専用の予措機としての最適設計を試みたところ、30℃〜40℃の範囲内で所望の温度範囲に制御でき、かつ、予措室内の相対湿度を制御できる予措装置を用いれば、ヤケ果の発生が抑制できるスダチの予措が行えることを認めた。また、このような条件設定によれば、予措温度と予措室内の相対湿度を適切に設定することにより、例えば予措率が5%程度以上に予措が行える予措期間を、常に1日程度であって、計画的な作業が行いやすい予措時間、例えば、20時間〜28時間程度に制御することができることを認めた。
【0018】
すなわち第1の発明は、スダチを収納した通気性のコンテナに対して30℃〜40℃の範囲内に制御され、かつ、除湿装置を用いて相対湿度が70%未満に乾燥された空気を差圧により連続的に供給することを特徴とするスダチ予措方法である。
【0019】
本発明においては、外気の温度と無関係に予措室内の温度は実質的に30℃〜40℃の範囲内で所望の設定温度に制御されることが必要である。すなわち、外気の温度に高低差があっても、その外気温度とは無関係に温度制御により予措室内の温度が実質的に所定の温度領域にあることが必要である。ここで、実質的にとは、例えば、予措開始の温度が30℃よりも相当低い場合でも、開始当初の1時間程度経過後には30℃を超えていることを意味し、20〜28時間程度の予措時間が実質的に30℃〜40℃の範囲内の所定の温度で行われていることを意味する。
【0020】
室内温度が30℃未満では、予措時間の十分な短縮を図れない。その一方で40℃を超えて室内温度が上昇すると、ヤケ果などの発生により予措中または冷蔵貯蔵中の歩留まりの低下が見られる。
【0021】
本発明において好ましい室内温度は30℃〜38℃の範囲内、特に好ましくは35℃±1〜2℃の範囲内である。また、予措運転中の平均庫内温度で表現すれば、30℃〜38℃の範囲内、特に好ましくは、35℃±1〜2℃の範囲内で制御するのがよい。
【0022】
また、除湿装置を用いて相対湿度が70%未満に乾燥された空気を差圧により予措室に連続的に供給するとは、実質的に予措室の相対湿度が70%よりも低いことを意味し、予措の開始当初の1時間程度を除いては、予措室内の相対湿度が60%以下、特に好ましくは55%以下で制御されることである。新鮮な外気を取り入れて乾燥させる装置では、これらの条件を設定することは、徳島地方の気象条件から実質的に困難と考えられる。予措運転中の平均相対湿度で好ましい条件を設定すれば、70%以下が必要であり、好ましくは60%以下、特に好ましくは運転時間中の平均相対湿度が55%以下である。
【0023】
このようなスダチの予措方法は、例えば、断熱部材により密閉された空間内に、スダチを収納したコンテナを積み重ねて収容する予措室と該予措室内に差圧により空気を連続的に流通させるために予措室と該予措室内に比べて圧力を高くできる圧力スペースと前記予措室から排出される循環空気を一時的に貯留する空調スペースとを配設し、前記空調スペースに貯留された循環空気を前記圧力スペースに強制的に送給することにより前記予措室と圧力スペースとの間に差圧を発生させる差圧発生装置と、前記空調スペースに貯留された循環空気を取り込んで取り込み空気中に含まれる水分を除去することにより低減された湿度の空気を循環空気中へ戻す除湿装置と、前記除湿装置と同一であってもよい加熱及び/又は冷却装置を用いて予措室内の温度が所定温度となるように制御する制御手段とを備えているスダチ用予措装置を用いることにより行うことができる。
【0024】
また、第2の発明は、断熱部材により密閉された空間内に、スダチを収納したコンテナを積み重ねて収容する予措室と該予措室内に差圧により空気を連続的に流通させるために予措室と該予措室に比べて圧力を高くできる圧力スペースと前記予措室から排出される循環空気を一時的に貯留する空調スペースとを配設し、前記空調スペースに貯留された循環空気を前記圧力スペースに強制的に送給することにより前記予措室と圧力スペースとの間に差圧を発生させる差圧発生装置と、前記空調スペースに貯留された循環空気を取り込んで取り込み空気中に含まれる水分を除去することにより低減された湿度の冷却風を循環空気中へ戻すとともに、除湿により生成した熱を循環空気の一部を取り込んで熱交換により温風として排熱する排熱手段を備えた冷却式除湿装置と、前記排熱手段に接続され、排熱手段から排出される温風を前記空調スペース又は前記圧力スペースへ放出するか、又は予措装置の外部へ放出するかのどちらかに切り替える排熱温風切替装置と、前記排熱温風切替装置により外部へ放出された温風量に相当する外気を取り込む外気取込装置と、庫内温度情報に基づいて、前記排熱温風切替装置の運転を制御して前記庫内温度が所定の温度となるように制御する制御手段と、を備えていることを特徴とするスダチ用予措装置である。
【0025】
この第2の発明においては、冷却式除湿装置が予措装置の内部に配設されている。この冷却式除湿装置は冷却式による除湿の際に熱が発生するが、この発生熱の全てを予措装置の内部に取り込むことで冷却式除湿装置を用いても予措装置の内部を加熱することができる。また、この熱の一部を温風に変換して外部に放出させると、この冷却式除湿装置は室内の温度を低下させる冷房装置として機能する。これにより、廃熱温風切替装置を冷却式除湿装置と接続して温風として外部に放出する熱量を制御することにより、簡単な構成で予措装置の内部を所望の温度に制御することが可能となる。
【0026】
このような冷却式除湿装置として、例えば廉価なスポットエアコンを用いる場合、このスポットエアコンから放熱される放熱量は小さいので予措室内を急激に昇温させることはできないが、スダチの予措の場合には急激な昇温を必要としないので、この冷却式除湿装置としてスポットエアコンを用いることにより、結果としてヤケ果の発生が抑制できるスダチの予措装置を廉価に提供することができる。
【発明の効果】
【0027】
第1の発明に従えば、ヤケ果の発生が抑制でき、予措期間の短縮と予措期間の制御とが行えるスダチの予措方法及びスダチ用予措装置を提供することができる。
【0028】
また、第2の発明に従えば、第1の発明に使用される安価なスダチ用予措装置を提供することができる。
【0029】
これにより、スダチを栽培する農家は計画的なスダチの予措を歩留まりよく経済的に実施することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照しつつ説明する。
【0031】
まず、図1〜図5は、本発明の一実施例に係るスダチの予措装置を説明する図である。
【0032】
ここで、このスダチ用予措装置は、図1〜図4に示すように、ジョイントJ(J,J1,J2)と軽量骨組材としてのフレームFにより解体容易に組み立てられた略方形のフレーム構造体FCにより概略構成されている。ネジなどを使って組み立てたり、また溶接などにより強固に組み立てても、スダチの予措効果としては同等である。
【0033】
ここで、この実施例では、後述する空調スペースAdSを形成するフレームFは後述する予措室RDを形成するフレームFとは二つのジョイントJ1,J2間を切り離すことにより切り離された状態でも独立して立設可能に構成されている。これは、各種設備機器が配設された空調スペースAdSを、内部が空の予措室RDと切り離すことにより、不使用期間の解体、保管を容易にするためのものである。
【0034】
この実施例に係るフレーム構造体FCの床面には、床材YBが敷設され、その他の外周面(外側面と屋根面)には、図5に示すように、空気遮断性の断熱部材SDによりすっぽりと覆われて、概略外部から遮断された密閉式の予措装置10が構成されている。
【0035】
この断熱部材SDとしては、床材YBとともに予措装置10の全体を密封でき、かつ、太陽光などの熱を遮断できる断熱性を有すればどのような素材でもよい。両面がアルミなどの光線反射性素材により構成された断熱性のシート材料は廉価に入手できるので好ましい素材の一例である。またシート材料であれば、図5に示すように、適宜の一側面に開閉可能な出入口12を設けることができたり、組立や解体が容易であるテント式の予措庫として構成することもできる。ここで、この図5においては、出入口12の両側にファスナー部材11を設けることにより出入口12を上方に向けて開閉することにより、内部の予措室RDへのスダチの搬入、搬出が可能とされている。
【0036】
床材YBとしては、予措室RD内に作業者がコンテナに収納されたスダチを搬入するのに十分な強度と、装置内を実質的に密封できればどのような素材であってもよい。この好ましい床材YBとしては、断熱性の素材であり、そのような床材YBとしては、例えば、プラスチックコンパネやプラスチックボードが例示される。このような床材YBは、例えば、その下側がアルミ断熱マットなどの断熱材が積層されていてもよい。
【0037】
フレーム構造体FCの長手方向の中央にはスダチを乾燥させる予措室RDが配設されている。この予措室RDの大きさは特には制限はないが、スダチ収穫用のコンテナが予措室の内部に配列され、積み重ねられた場合に満杯になるように構成されるのがよい。ここで、この最適な実施の形態では、図1の破線で示すように、長手方向に2列、縦8段に積み重ねられ、図4の斜め二重線で示すように、幅方向に2列配列され、全体として8段×4列=32ケースのコンテナが収納可能に構成されている。
【0038】
この予措室RDの上方(予措室の天井面)には差圧シートSSを介して圧力スペースとしてのダクトスペースdSが配設されている。この差圧シートSSは、予措室RDとダクトスペースdSとの空気の直接的な流出入を遮断して予措室RDの上方をダクト用のスペースとするものである。
【0039】
ここで、この差圧シートSSは長手方向のフレームFの両側に締結されて固定されている。この差圧シートSSはダクトスペースdSと予措室RDとの空気の流出入を遮断することができれば特にその材質は限定されないが、例えば、ビニールやテント生地などが廉価で取り扱い性の良好な素材として例示される。空気不透過性のパネル(天井板)などを差圧シートの代用としてもよい。
【0040】
この予措室RDの上流側(図面左側)には空気溜まりスペースASが配設され、予措室の下流側(図面右側)には空調スペースAdSが配設されている。この空気溜まりスペースASはダクトスペースdSに連通されて差圧により予措室への循環空気の送給を安定させるためのものである。
【0041】
空調スペースAdSの天井面にはフレームFに支持されて空気の流出入を遮断する天井板SBが固定され、この天井板SBには、電動式の送風ユニット20が固定されている。この送風ユニット20は、空調スペースAdSの空気をダクトスペースdSに強制的に送給してダクトスペースdSと空調スペースAdSとの間で差圧を発生させる。
【0042】
また、空調スペースAdS内には空調スペースAdS内の循環空気を除湿したり、加温するためのスポットエアコン30が配設されている。
【0043】
このスポットエアコン30は、空気吸込口31から空調スペースAdS内の空気を吸引して、取り込んだ空気を冷却、除湿し、冷気放出口32から空調スペースAdS内へ冷気を放出する。
【0044】
また、このスポットエアコン30では、本体内部で冷気を生成する際に発生する熱(排熱)は、本体の任意の周囲に取り付けられている吸気口から周囲の空気を取り込んで熱交換により排熱口33から温風として排出される。ここで、この発明においては、この排熱口33には電動三路シャッタ50の吸気口が接続されている。
【0045】
この電動三路シャッタ50は、図6に示すように、予措室RD内に設置された温度検出装置40の信号に基づいてオンオフ制御される。オン時に接続される排気口51は、ダクト52を介して末端52aが断熱シートSDの開口から外気に放出されるように構成されている。また、電動三路シャッタ50のオフ時に接続される排気口53は、そのまま空調スペースAdSに放出されるように構成されている。
【0046】
さらに、この実施の形態では、空調スペースAdSの一側面には、内部の圧力が外部の圧力より低下した場合に自動的に外部の空気を取り入れるための風圧式シャッタ60が設けられている。
【0047】
これにより、電動三路シャッタ50がオン時には排熱を温風として外部に放出する。空調スペースAdSの内圧が低下すると風圧式シャッタ60が外気を空調スペースAdSの内部に取り込む。また、電動三路シャッタ50がオフ時には、取り込んだ循環空気を熱交換して温風として空調スペースAdS内に循環するように構成している。これにより、電動三路シャッタ50がオフ時には、予措室RDは外部から遮断された環境で乾燥運転される。
【0048】
また、図5において、符号70は、商用電源に接続された制御盤である。この制御盤70には、各種計器類及びスイッチ類が配設されている。
【0049】
計器類としては、電流計や温度指示調節計等であり、温度支持調節計は、例えば、30℃〜35℃の範囲内での温度調節が可能なように、温度検出装置40からの温度情報をに基づいて排熱温風切替装置としての電動三路シャッタ50のオンオフを制御する。予措室RD内の温度は、ボタン等の操作により予措室RD内の設定温度を上下できるように構成されている。
【0050】
また、スイッチ類としては、送風機やスポットエアコンの起動・停止を行うスイッチ等である。また、送風ユニット20、スポットエアコン30、温度検出装置40、電動三路シャッタ50の運転状況を知らせる運転ランプ等も配設されている。
【0051】
これにより、各調節計及びスイッチの操作に従い予措室RD内の所定位置に配設された温度検出装置40の情報に基づいて電動三路シャッタ50のオンオフ制御が行われ、スダチ用予措装置10の全体のシステムが駆動可能とされる。その制御装置の制御の詳細は、スダチ用予措装置の作用とともに詳述される。
【0052】
次に、以上のように構成されたスダチ用予措装置10の作用について説明する。
[スダチの搬入]
スダチは冷蔵貯蔵に適した時期のスダチを、周囲が通気性の材料により形成された収穫用のコンテナにスダチを収納した状態で収納される。収穫用のコンテナは周囲が通気性素材により形成されているので、そのまま予措室内にほぼ満杯となるように収納されても差圧により収納されたスダチに満遍なく循環空気と接触させることができる。
【0053】
本発明においては、コンテナのままで予措が行えるので、省力化と省スペースが図れる。
[運転]
送風ユニットスイッチや三路シャッタ運転スイッチ等の各個別機器がオン状態で、システム運転スイッチのスイッチを運転(オン)にすることにより、スポットエアコン30が作動して空調スペースAdSに貯留する循環空気の湿度が低減され、また、温度調節がなされる。
【0054】
送風ユニット20の作動により、空調スペースAdS内の湿度が低減され温度調整された循環空気は送風ユニット20によりダクトスペースdSに送給され、生成した差圧により矢印に従って空気溜まりスペースASを介して予措室RDを通過して空調スペースAdSへと循環する。
【0055】
温度調節は、予措室内の温度センサにより行われ、温度センサにより測定された情報が制御装置に入力され、制御装置に入力された温度情報に応じて、電動三路シャッタ50がオンオフされる。
【0056】
制御装置は、温度が所定の温度よりも低い場合には電動三路シャッタ50をオフとし、スポットエアコン30の作動により生成した熱は全て予措装置の内部に放熱されることにより循環空気は昇温される。
【0057】
温度が所定の温度に達している場合には電動三路シャッタ50をオンとし、これにより、空調スペースAdS内の空気の一部はダクト52を介して先端52aから温風を放出させる。これにより、予措装置の全体が外気に比べて負圧となると風圧式シャッタ60が作動して外気を空調スペースに取り入れる。
【0058】
予措室内の温度が設定値よりも低い場合には、電動三路シャッタ50がオフされ、熱交換されて生成した温風は排気口53から空調スペースAdSに送給される。これによりスポットエアコンの駆動により生成した排熱の全てが取り込まれるので、予措室RD内は昇温される。
【0059】
これにより、予措室RD内では、空調スペースで水分が取り除かれた低湿度の所定の温度の温風がコンテナに収納されたスダチの全体に対して側面から差圧により循環して流れるので、全てのスダチに対して、均等に空気を送給させることができる。
【0060】
スダチの予措が進行して、所定の予措歩合(通常5%程度以上)になったところでシステムの運転を停止して予措を完了させる。
【0061】
その後、常法にしたがって、スダチを小袋に袋詰めして冷蔵貯蔵を行うと、ヤケ果の発生が抑制されて、冷蔵貯蔵に適したスダチを得ることができる。予措室の中でそのままの状態で半日程度かけて常温に戻すこともできる。
【0062】
本発明者等の試算によれば、四国地方においてスダチが収穫される8月中旬から9月中旬頃の季節であれば、本発明に係るスダチ用予措装置によりスダチを予措することが可能である。なお、この季節でも昼間に35℃程度以上に気温が上昇したり、夜間に気温が20℃程度に低下することもあるが、大略システムの運転を行える。
[実証試験]
以上説明したテント式予措室RDを備えたスダチ用予措装置の試作機を用いて徳島県名東郡佐那珂内村にて平成17年9月初旬から中旬にスダチ予措の実証試験を行った。
【0063】
用いたフレームFとしては、直径28mmのイレクターパイプを用い、スダチ用予措装置10の概略寸法は、外寸が、高さ2000mm、巾1200mm、長さ2700mmであり、予措室RDは高さ1500mm、巾1200mm、長さ1500mmとした。
【0064】
この予措室RDの上には、ダクトスペースdSを設け、また、予措室RDの上流側には、約580mmの長さの上流側空気溜まりスペースASを予措室RDと一体に組み立てた。
【0065】
一方、予措室RDの下流側に配設する長手方向の長さが略620mmの空調スペースAdSは、予措室RDとは別体として組み立て、予措室RDとをジョイントにより接合することにより、解体時には空調スペースAdSを取り外し可能に構成した。
【0066】
また、この空調スペースAdSに、下記に示す仕様のスポットエアコン、送風ユニット及び三路シャッタなどの設備を取り付けた。また、予措室RDの天井面の差圧シートSSとしてはビニールシートが用いられ、断熱シートSDとしては両面アルミ箔が積層された厚み9mmのテント材が試作機の全面周囲に覆われた。
[設備仕様]
送風ユニット;消費電力:単相100V 175W、風量:60m3/分
冷却式除湿装置(スポットエアコン);消費電力:単相100V880W、除湿能力37L/日(35℃ 相対湿度70%時)
電動三路シャッタ;消費電力:単相100V 3.7W、排熱切替用
制御盤;温度制御機能(調節範囲:30℃〜35℃)
[製造条件]
平成17年9月14日の午後6時に実験開始とし、600×400×180Hのコンテナケースの39ケースに概略均等に収納した収穫直後のスダチ果実の614.62kgが試験に用いられた。
【0067】
このコンテナケース毎予措室内へ積み重ねて収納し、制御盤の設定温度を35℃(±0.5℃)に設定して全システムを作動させて予措を行った。
【0068】
測定条件での外気温度、外気湿度と庫内温度、庫内湿度を測定し図7に示した。1昼夜運転後の翌日の午後6時で実験を終了し、この間の全使用電力は26.1972kWhであった。
【0069】
運転当初、庫内の相対湿度は高かったが、運転開始から30分も経過せずに庫内の相対湿度は55%程度に低下し、その後に相対湿度は安定して最終的に47%程度まで漸減した。これにより、この間の外気の相対湿度が平均75.8%であるのに対して庫内湿度は平均50.5%を確保することができた。
【0070】
一方、運転当初30℃を割っていた庫内温度は運転開始直後には30℃を超え、この間の外気温度が平均23.8℃であるのに対して庫内温度は平均35.4℃を確保することができた。
【0071】
予措終了後のスダチ果実の重量減少が35.62kgであったことにより予措率は5.8%と計算され、5%以上の予措率のスダチを得ることができた。
【0072】
常法によりスダチを冷蔵貯蔵したところ、平成18年1月末現在、ヤケ果の発生は殆ど認められず(又は少なく)、従って歩留まりよくスダチを冷蔵貯蔵できた。
【0073】
なお、今回の実験では、設定値である35℃まで昇温するのに約5〜6時間を要したが、今回の実験開始が夕方であり、外気温度が20℃近辺まで漸次低下したことを考慮すれば、通常の季節で、運転開始時刻を速めることにより庫内温度の設定温度への到達時間を早めることが可能と思われる。
【0074】
また、例えば、600×400×180Hのコンテナケースを縦二列横二列、高さ8段の合計32個が収納できる程度の大きさ(高さ1500mm、巾1200mm、長さ800mm程度)に予措室を設計すれば、スダチ用予措装置の概略寸法としては、外寸で、高さ2000mm、巾1200mm、長さ2000mm程度でよく、全体容積として試験器の75%程度でよい。
【0075】
これにより、試作機と同等の能力のスポットエアコンを用いることにより、概略500kg程度のスダチを収納させても、予措室内を所定の設定温度である35℃までの昇温をスムースに行えることにより、予措時間をさらに短縮させることができ、農家の作業が一層軽減されることが期待される。
(比較例)
この比較例は、他の柑橘類で使用されている一般的な高温予措機として、市販の柚用予措機をスダチの予措に転用する場合の例である。
【0076】
市販の柚用予措機は、断熱性を有するプレハブ庫から大略構成され、この庫内には加温機としての電気容量200V、2kWの電気ヒータと、庫内空気を循環させる庫内空気循環用のファン(有圧換気扇:消費電力100V,175W)と、この庫内空気を目的の経路に循環させるためのビニール製の差圧シートと、庫内の高湿度になった空気を外気と入れ替える熱交換器型換気扇(いわゆる、ロス内換気装置:消費電力100V,40W、風量155m3/h)とを備え、庫内温度は制御装置により20℃〜35℃の範囲内で制御可能である。
【0077】
このような柚用予措機を用い、収穫直後のスダチをコンテナごと庫内に入れて、例えば、庫内温度が30℃となるように設定して実証試験がなされたスダチの生産地である徳島地方で運転を行うと、自然予措に比べてスダチの予措に必要な期間の短縮は行えると予想されるが、外気が高湿度であり、予措に必要な時間の低減効果は実施例とは比べものにならずに長時間を必要となり、かつ、予措に必要な日数も区々となり安定しないと予想される。
【0078】
これは、例えば、表1に示す徳島市の気象データを参考にして想像される。すなわち、この期間は、15日間で平均相対湿度が70%を超える日が10日間を数えるほど多湿である。また、この期間の平均相対湿度は61%〜90%の範囲内で大きく変化している。
【0079】
柚用の予措機は相対湿度も低くかつ気候も安定している柚の収穫期である冬期に使用する目的で開発された装置であるので、多湿でありかつ天候不安定なスダチの収穫時期に使用する必要のあるスダチ用予措装置として転用したのでは、本発明者等が見出した「スダチを収納した通気性のコンテナに対して30℃〜40℃の範囲内に制御され、かつ、除湿装置を用いて相対湿度が70%未満に乾燥された空気を差圧により連続的に供給する」という最適条件に匹敵する条件を設定することが極めて困難であると思われた。
(変形例1)
以上の実施例では、電動三路シャッタから外部へ放出される温風に相当する空気を補うためなどに風圧シャッタ60を用いていたが、この風圧シャッタ60として熱交換型の換気装置、いわゆるロスナイを用いることにより、一層の省エネルギー型の予措装置とすることもできる。
【0080】
その他の作用効果は実施例と大略同等の作用効果を得ることができる。
(変形例2)
以上の実施例では、スポットエアコン30は空調スペースAdSの内部に配設されていたが、スポットエアコン30は、例えば、空調スペースAdSに隣接した屋外に配設してもよい。この場合、スポットエアコン30の吸気吸込口31及び冷気放出口32はダクトなどを介して空調スペースAdSに接続され、電動三路シャッタ50の排気側は、屋内側と屋外側に向けて排出されるように構成される。温度センサによる温度情報が高い場合には、電動三路シャッタ50を介して排出されるスポットエアコン30の排熱を温風として外部に放出させる。温度が低い場合には、電動三路シャッタ50を介して排出される温風を空調スペースAdS内に放出させる。
【0081】
実施例に比べてスポットエアコン30の熱エネルギーの回収量が少なくなり多少エネルギー効率は劣るが、設計条件によっては実施例と同等の作用効果を得ることができる。
(変形例3)
以上の実施例では、スポットエアコンの排熱を利用して電気ヒータ等の他の熱源を用いていないが、他の熱源を用いてもよい。とくに運転初期に予措室RD内の温度が25℃を下回る場合には、他の熱源を利用して予措室RD内を加温してもよい。所定の温度に達成した後は、このスポットエアコン30の排熱利用を他の熱源に優先させて制御できるように構成してもよい。これにより、一層の節電が行える。その他の作用効果は、大略、実施例と同等の作用効果を奏する。
(変形例4)
以上の実施例では、予措室内の空気の流れは左右方向であったが、予措室内の循環空気の流れを上下方向に変えることもできる。
【0082】
この場合は、例えば、空気溜まりスペースを配設し、パンチングメタルなどの通気性であり、かつ、スポットエアコンの排熱を利用して電気ヒータ等の他の熱源を用いていないが、他の熱源を用いてもよい。とくに運転初期に予措室RD内の温度が25℃を下回る場合には、他の熱源を利用して予措室RD内を加温してもよい。所定の温度に達成した後は、このスポットエアコン30の排熱利用を他の熱源に優先させて制御できるように構成してもよい。これにより、一層の節電が行える。その他の作用効果は、大略、実施例と同等の作用効果を奏する。
【0083】
以上、この発明の実施の形態を図面により詳述してきたが、具体的な構成はこの実施の形態に限らず、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があってもこの発明に含まれる。
【0084】
例えば、スポットエアコンは、一体型が廉価であるが、セパレート型であってもよい。また、床置きに限らずに使用することもできる。
【0085】
また、以上の実施例から庫内の湿度の調整は不要であったが、庫内湿度を調整する装置が用いられていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】外周面のテントを取り外した状態のフレーム構造体により本発明に係るスダチ用予措装置10を説明する正面図である。
【図2】図1の左側面図である。
【図3】図1の右側面図である。
【図4】図1の平面図である。
【図5】本発明に係るスダチ用予措装置の外観を示す斜視図である。
【図6】制御盤の各計器の配置を説明する図である。
【図7】実施例に係る外気温度、外気湿度と庫内温度、庫内湿度の制御状況を説明する図である。
【符号の説明】
【0087】
F:フレーム
FC:フレーム構造体
J,J1,J2:ジョイント
RD:予措室
dS:ダクトスペース(圧力スペース)
AS:空気溜まりスペース
AdS:空調スペース
SB:天井板(差圧部材)
SD:断熱部材(断熱シート)
SS:差圧シート
YB:床材
10:スダチ用予措装置
11:ファスナー部材
12:出入口
20:送風ユニット(差圧発生装置)
21:送風ダクト
30:冷却式除湿装置(スポットエアコン)
31:空気吸込口
32:冷気放出口
33:排熱口
40:温度検出装置
50:排熱温風切替装置(電動三路シャッタ)
51:排気口(オン時接続)
52:ダクト
52a:末端
53:排気口(オフ時接続)
60:風圧式シャッタ(外気取込装置)
70:制御盤(制御手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スダチを収納した通気性のコンテナに対して30℃〜40℃の範囲内に制御され、かつ、除湿装置を用いて相対湿度が70%未満に乾燥された空気を差圧により連続的に供給することを特徴とするスダチの予措方法。
【請求項2】
断熱部材により密閉された空間内に、スダチを収納したコンテナを積み重ねて収容する予措室と該予措室内に差圧により空気を連続的に流通させるために予措室と該予措室内に比べて圧力を高くできる圧力スペースと前記予措室から排出される循環空気を一時的に貯留する空調スペースとを配設し、
前記空調スペースに貯留された循環空気を前記圧力スペースに強制的に送給することにより前記予措室と圧力スペースとの間に差圧を発生させる差圧発生装置と、
前記空調スペースに貯留された循環空気を取り込んで取り込み空気中に含まれる水分を除去することにより低減された湿度の空気を循環空気中へ戻す除湿装置と、
前記除湿装置と同一であってもよい加熱及び/又は冷却装置を用いて予措室内の温度が所定温度となるように制御する制御手段と、を備えていることを特徴とするスダチ用予措装置。
【請求項3】
断熱部材により密閉された空間内に、スダチを収納したコンテナを積み重ねて収容する予措室と該予措室内に差圧により空気を連続的に流通させるために予措室と該予措室に比べて圧力を高くできる圧力スペースと前記予措室から排出される循環空気を一時的に貯留する空調スペースとを配設し、
前記空調スペースに貯留された循環空気を前記圧力スペースに強制的に送給することにより前記予措室と圧力スペースとの間に差圧を発生させる差圧発生装置と、
前記空調スペースに貯留された循環空気を取り込んで取り込み空気中に含まれる水分を除去することにより低減された湿度の冷却風を循環空気中へ戻すとともに、除湿により生成した熱を循環空気の一部を取り込んで熱交換により温風として排熱する排熱手段を備えた冷却式除湿装置と、
前記排熱手段に接続され、排熱手段から排出される温風を前記空調スペース又は前記圧力スペースへ放出するか、又は予措装置の外部へ放出するかのどちらかに切り替える排熱温風切替装置と、
前記排熱温風切替装置により外部へ放出された温風量に相当する外気を取り込む外気取込装置と、
庫内温度情報に基づいて、前記排熱温風切替装置の運転を制御して前記庫内温度が所定の温度となるように制御する制御手段と、を備えていることを特徴とするスダチ用予措装置。
【請求項4】
前記スダチ用予措装置は分解組立が可能な軽量骨組材により組み立てられ、
前記下流側スペースは、前記予措室とは切り離して独立に組み立て、分解が可能であることを特徴とする請求項3記載のスダチ用予措装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−209291(P2007−209291A)
【公開日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−34684(P2006−34684)
【出願日】平成18年2月13日(2006.2.13)
【出願人】(000180368)四国電力株式会社 (95)
【出願人】(594073314)四電エナジーサービス株式会社 (5)
【Fターム(参考)】