説明

ステッピングモータ制御回路及びアナログ電子時計

【課題】直流磁界中でもステッピングモータを正常に回転駆動できるようにすること。
【解決手段】ステッピングモータ102の回転状況を検出する回転検出手段と、前記回転検出手段による検出結果に応じて、駆動エネルギが相互に異なる複数の主駆動パルスP1中のいずれか又は前記各主駆動パルスP1よりも駆動エネルギの大きい補正駆動パルスP2によって前記ステッピングモータを駆動制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、最大駆動エネルギの主駆動パルスP1nmaxによってステッピングモータ102を駆動したときに駆動余力がない場合、最大駆動エネルギの主駆動パルスP1nmax以上の駆動エネルギを有する固定駆動パルスに切り替えて駆動する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ステッピングモータ制御回路及び前記ステッピングモータ制御回路を用いたアナログ電子時計に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ロータ収容孔及びロータの停止位置を決める位置決め部を有するステータと、前記ロータ収容孔内に配設されたロータと、コイルとを有し、前記コイルに交番信号を供給して前記ステータに磁束を発生させることによって前記ロータを回転させると共に、前記位置決め部に対応する位置に前記ロータを停止するようにした2極PM(Permanent Magnet)型ステッピングモータがアナログ電子時計等の電子機器に使用されている。
【0003】
前記2極PM型ステッッピングモータの低消費駆動方式として、通常時の駆動を担う複数種類の主駆動パルスP1と、前記各主駆動パルスよりも駆動エネルギが大きく負荷変動時の駆動を担う補正駆動パルスP2とを備えたステッピングモータの補正駆動方式が実用化されている。主駆動パルスP1として相互に駆動エネルギが異なる複数種類の駆動パルスが予め用意されており、主駆動パルスP1は、ロータの回転/非回転に応じてエネルギを減少/増加させ、できる限り少ないエネルギで駆動するように駆動エネルギのランクがシフトするように構成されている(例えば特許文献1参照)。
【0004】
この補正駆動方式は、(1)主駆動パルスP1をステッピングモータの駆動コイルの一方の極O1に出力し、その直後のロータ振動によってコイルに発生する誘起電圧を検出する。(2)その誘起電圧が任意設定の基準しきい電圧を超えた場合は回転とし、そのエネルギを維持した主駆動パルスP1を駆動用コイルの他方の極O2に出力し、回転している限り一定回数繰り返す。その回数が一定回数(PCD)に達すると、駆動エネルギを1ランク少なくした主駆動パルスP1を他方の極に出力し(ランクダウン)、再度この処理を繰り返す。(3)誘起電圧が基準しきい電圧を超えなかった場合は非回転とし、直ちに駆動エネルギの大きい補正駆動パルスP2を同極に出力し、強制的に回転させる。次回駆動時に、非回転になった主駆動パルスP1より1ランクエネルギが大きい主駆動パルスP1を他極に出力し(ランクアップ)、前記(1)〜(3)を繰り返す。
【0005】
また、特許文献2に記載された発明では、前記ステッピングモータの回転を検出する際に、誘起信号レベルの検出に加え、誘起信号の検出時刻を基準時刻と比較判別する手段を設け、主駆動パルスP11でステッピングモータを回転駆動した後、誘起信号が所定の基準しきい電圧Vcompを下回ると補正駆動パルスP2を出力し、次の主駆動パルスP1は前記主駆動パルスP11よりエネルギの大きい主駆動パルスP12に変更(ランクアップ)して駆動する。主駆動パルスP12で回転したときの検出時刻が基準時間より早いと、主駆動パルスP12から主駆動パルスP11に変更(ランクダウン)することによって、駆動時の負荷に応じた主駆動パルスP1で回転し、消費電力を低減している。
【0006】
また、従来の電子時計では、外部の交流(AC)磁界を検出すると、回転誤検出することなく安定して回転させるために、所定駆動エネルギの固定駆動パルスに設定して駆動するように構成したものがあるが、外部の直流(DC)磁界については対応されておらず、外部直流磁界が存在する場合にステッピングモータの回転異常が発生し、指針の運針異常等が生じるという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特公昭61−15385号公報
【特許文献2】WO2005/119377号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、前記問題点に鑑み成されたもので、消費電力を抑制しつつ、直流磁界中でもステッピングモータを回転誤検出することなく正常に回転駆動できるようにすることを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の視点によれば、ステッピングモータの回転状況を検出する回転検出手段と、前記回転検出手段による検出結果に応じて、駆動エネルギが相互に異なる複数の主駆動パルス中のいずれか又は前記各主駆動パルスよりも駆動エネルギの大きい駆動パルスによって前記ステッピングモータを駆動制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、最大駆動エネルギの主駆動パルスによって前記ステッピングモータを駆動したときに駆動余力がない場合、前記最大駆動エネルギの主駆動パルス以上の駆動エネルギを有する固定駆動パルスに切り替えて駆動することを特徴とするステッピングモータ制御回路が提供される。
【0010】
また、本発明の第2の視点によれば、時刻針を回転駆動するステッピングモータと、前記ステッピングモータを制御するステッピングモータ制御回路とを有するアナログ電子時計において、前記ステッピングモータ制御回路として、請求項1乃至6のいずれか一に記載のステッピングモータ制御回路を用いたことを特徴とするアナログ電子時計が提供される。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係るステッピングモータ制御回路によれば、消費電力を抑制しつつ、直流磁界中でもステッピングモータを正常に回転駆動することが可能になる。
また、本発明に係るアナログ電子時計によれば、消費電力を抑制しつつ、直流磁界中でもステッピングモータを正常に回転駆動することが可能になり、正確な運針を行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施の形態に係るステッピングモータ制御回路及びアナログ電子時計のブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るアナログ電子時計に使用するステッピングモータの構成図である。
【図3】本発明の実施の形態に係るステッピングモータ制御回路及びアナログ電子時計の動作を説明するためのタイミング図である。
【図4】本発明の実施の形態に係るステッピングモータ制御回路及びアナログ電子時計の動作を説明するためのタイミング図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係るステッピングモータ制御回路及びアナログ電子時計の動作を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係るステッピングモータ制御回路及びアナログ電子時計の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、本発明の実施の形態に係るステッピングモータ制御回路を用いたアナログ電子時計のブロック図で、アナログ電子腕時計の例を示している。
図1において、アナログ電子時計は、ステッピングモータ制御回路101、ステッピングモータ制御回路101によって回転制御され時刻針やカレンダ機構(図示せず)等を回転駆動するステッピングモータ102、ステッピングモータ制御回路101やステッピングモータ102等の回路要素に駆動電力を供給する電池等の電源103を備えている。
【0014】
ステッピングモータ制御回路101は、所定周波数の信号を発生する発振回路104、発振回路104で発生した信号を分周して計時の基準となる時計信号を発生する分周回路105、電子時計を構成する各電子回路要素の制御や駆動パルスの変更制御等の制御を行う制御回路106、制御回路106からの制御信号に基づいてステッピングモータ102にモータ回転駆動用の駆動パルスを選択し出力するステッピングモータ駆動パルス回路107、ステッピングモータ102から回転状況を表す誘起信号を所定の検出期間において検出する回転検出回路109、回転検出回路109が所定の基準しきい電圧を超える誘起信号を検出した時刻と検出期間を構成する区間とを比較し前記誘起信号がどの区間で発生したのかを判別する検出時間比較判別回路110、主駆動パルスP1や補正駆動パルスP2、回転検出の情報を記憶する記憶回路108を備えている。
【0015】
回転検出回路109は、前記特許文献1に記載された回転検出回路と同一原理のものであり、所定の検出期間において、ステッピングモータ102駆動直後の自由振動によって発生する誘起信号VRsが所定の基準しきい電圧Vcompを越えたか否かを検出し、基準しきい電圧Vcompを越える誘起信号VRsを検出する毎に検出時間比較判別回路110に通知する。
検出時間比較判別回路110は、回転検出回路109が所定の基準しきい電圧を超える誘起信号を検出した時刻と検出期間を構成する区間とを比較し前記誘起信号がどの区間で発生したのかを判定する。制御回路106は、後述するように、検出時間比較判別回路110が判定した結果得られるVRsパターンに基づいて駆動パルスの切り替え制御(パルス制御)を行う。
【0016】
記憶回路108には、予め当該ステッピングモータ制御回路101に備えられた複数種類のパルスランクの主駆動パルス、補正駆動パルス、固定パルスおよび回転検出の情報が記憶される。
尚、発振回路104及び分周回路105は信号発生手段を構成している。記憶回路108は記憶手段を構成している。回転検出回路109及び検出時間比較判別回路110は回転検出手段を構成している。また、発振回路104、分周回路105、制御回路106、ステッピングモータ駆動パルス回路107、記憶回路108は制御手段を構成している。
【0017】
図2は、本発明の実施の形態に使用するステッピングモータ102の構成図で、アナログ電子時計で一般に用いられている2極PM型ステッピングモータの例を示している。
図2において、ステッピングモータ102は、ロータ収容用貫通孔203を有するステータ201、ロータ収容用貫通孔203に回転可能に配設されたロータ202、ステータ201と接合された磁心208、磁心208に巻回された駆動コイル209を備えている。ステッピングモータ102をアナログ電子時計に用いる場合には、ステータ201及び磁心208はネジ又はカシメ(図示せず)によって地板(図示せず)に固定され、互いに接合される。駆動コイル209は、第1端子OUT1、第2端子OUT2を有している。
【0018】
ロータ202は、2極(S極及びN極)に着磁されている。磁性材料によって形成されたステータ201の外端部には、ロータ収容用貫通孔203を挟んで対向する位置に複数(本実施の形態では2個)の切り欠き部(外ノッチ)206、207が設けられている。各外ノッチ206、207とロータ収容用貫通孔203間には可飽和部210、211が設けられている。
可飽和部210、211は、ロータ202の磁束によっては磁気飽和せず、駆動コイル209が励磁されたときに磁気飽和して磁気抵抗が大きくなるように構成されている。ロータ収容用貫通孔203は、輪郭が円形の貫通孔の対向部分に複数(本実施の形態では2つ)の半月状の切り欠き部(内ノッチ)204、205を一体形成した円孔形状に構成されている。
【0019】
切り欠き部204、205は、ロータ202の停止位置を決めるための位置決め部を構成している。駆動コイル209が励磁されていない状態では、ロータ202は、図2に示すように前記位置決め部に対応する位置、換言すれば、ロータ202の磁極軸Aが、切り欠き部204、205を結ぶ線分と直交するような位置(角度θ0位置)に安定して停止している。ロータ202の回転軸を中心とするXY座標空間を4つの象限(第1象限〜第4象限)に区分している。
【0020】
いま、ステッピングモータ駆動パルス回路107から矩形波の第1極性(例えば、第1端子OUT1側を正極、第2端子OUT2側を負極)の駆動パルスを駆動コイル209の端子OUT1、OUT2間に供給して、図2の矢印方向に電流iを流すと、ステータ201には破線矢印方向に磁束が発生する。これにより、可飽和部210、211が飽和して磁気抵抗が大きくなり、その後、ステータ201に生じた磁極とロータ202の磁極との相互作用によって、ロータ202は図2の矢印方向に180度回転し、磁極軸Aが角度θ1位置で安定的に停止する。尚、ステッピングモータ102を回転駆動することによって通常動作(本実施の形態ではアナログ電子時計であるため運針動作)を行わせるための回転方向(図2では反時計回り方向)を正方向とし、その逆(時計回り方向)を逆方向としている。
【0021】
次に、ステッピングモータ駆動パルス回路107から、前記第1極性とは異なる第2極性(前記駆動とは逆極性となるように、第1端子OUT1側を負極、第2端子OUT2側を正極)の矩形波の駆動パルスを駆動コイル209の端子OUT1、OUT2に供給して、図2の反矢印i方向に電流を流すと、ステータ201には反破線矢印方向に磁束が発生する。これにより、可飽和部210、211が先ず飽和し、その後、ステータ201に生じた磁極とロータ202の磁極との相互作用によって、ロータ202は前記と同一方向(正方向)に180度回転し、磁極軸Aが角度θ0位置で安定的に停止する。
【0022】
以後、このように、駆動コイル209に対して極性の異なる信号(交番信号)を供給することによって、前記動作が繰り返し行われて、ロータ202を180度ずつ矢印方向に連続的に回転させることができるように構成されている。
尚、本実施の形態では、駆動パルスとして、後述するように、相互に駆動エネルギの異なる複数の主駆動パルスP11〜P1nmax、主駆動パルスP1nmax以上の駆動エネルギを有する回転誤検出しない固定駆動パルス、前記固定駆動パルス以上の駆動エネルギを有する補正駆動パルスP2を用いている。主駆動パルスP1の駆動エネルギの大きさ(パルスランク)はP11が最小でP1nmaxが最大である。補正駆動パルスP2は負荷変動によって大きい負荷になった場合でもステッピングモータを強制的に回転させることが可能な駆動エネルギの駆動パルスである。また、前記固定駆動パルスとして前記補正駆動パルスP2を兼用している。
【0023】
図3は、本実施の形態において、主駆動パルスP1によってステッピングモータ102を駆動した場合のタイミング図で、回転状況を表すVRsパターン、ロータ202の回転位置、主駆動パルスP1のパルスランク変更や補正駆動パルスP2による駆動並びに所定回数継続した場合にパルスダウンを行うか否かのパルス制御動作をあわせて示している。
図3において、P1は主駆動パルスP1を表すと共にロータ202が主駆動パルスP1によって回転駆動される区間を表している。a〜dは主駆動パルスP1の駆動停止後の自由振動によるロータ202の回転位置を表す領域である。
【0024】
主駆動パルスP1による駆動直後の所定時間を第1区間T1、第1区間T1よりも後に続く所定時間を第2区間T2、第2区間T2よりも後に続く所定時間を第3区間T3としている。このように、主駆動パルスP1による駆動直後から始まる検出期間T全体を複数の区間(本実施の形態では3つの区間T1〜T3)に区分している。
尚、主駆動パルスP1による駆動終了から検出期間Tの開始までを一定時間に設定しているため、パルスランクが最大の主駆動パルスP1nmax以外の主駆動パルスの場合、主駆動パルスP1と第1区間T1との間に空白時間が形成されるが、パルスランク最大の主駆動パルスP1nmaxのときには主駆動パルスP1と第1区間T1とが連続するように構成されている。
【0025】
ロータ202を中心として、その回転によってロータ202の主磁極Aが位置するXY座標空間を第1象限〜第4象限に区分した場合、第1区間T1〜第3区間T3は次のように表すことができる。即ち、第1区間T1は第2象限においてロータ202の正方向の回転(領域a)を判定する区間、第2区間T2及び第3区間T3は第3象限におけるロータ202の逆方向の回転(領域c)を判定する区間である。
基準しきい電圧Vcompは、ステッピングモータ102の回転状況を判定するためにステッピングモータ102で発生する誘起信号VRsの電圧レベルを判定する基準しきい電圧であり、ステッピングモータ102が回転した場合等のようにロータ202が一定の速い動作を行った場合には誘起信号VRsが基準しきい電圧Vcompを超え、回転しない場合等のようにロータ202が一定の速い動作を行わない場合には誘起信号VRsが基準しきい電圧Vcompを超えないように基準しきい電圧Vcompは設定されている。
【0026】
ステッピングモータ102の回転自由振動によって発生する誘起信号VRsは、例えば通常負荷(通常時に駆動される負荷であり、本実施の形態では、時刻表示用の時刻針(時針、分針、秒針)を駆動するときの負荷)の場合、主駆動パルスP1遮断後のロータ202の回転角が第2象限を過ぎてしまうため、回転検出用基準しきい電圧Vcompを超える誘起信号VRsは第1区間T1に出現せず、第2区間T2以降に出現する。回転余力がある場合はロータ202が速く回転するため第2区間T2に出現し、回転余力がない場合はロータ202が遅く回転するため第3区間に出現する。
また、ロータ202の回転駆動に余力がなくなった場合には、主駆動パルスP1遮断後のロータ回転振動が第2象限の領域(領域a)に出現するとともに、誘起信号VRsが第1区間T1に出現し、回転余力が減少してきた状態を示す。
【0027】
このような特徴を踏まえて、駆動エネルギ余力を正確に判別して適切な駆動パルスによる駆動制御を行うようにパルス制御している。
例えば、図3の余裕回転の状態において、領域aで生じた誘起信号VRsは第1区間T1において発生し、領域cで生じた誘起信号VRsは第2区間T2及び第3区間T3において発生する。尚、領域b、dで生じた誘起信号VRsは第1区間T1及び第2区間T2に跨って発生するが、基準しきい電圧Vcompとは逆極性で発生するので検出はされない。
【0028】
誘起信号VRsのパターン(VRsパターン)は、各区間T1〜T3において誘起信号VRsが基準しきい電圧Vcompを超えたか否かの判定値を組み合わせで表したもので、(第1区間T1の判定値,第2区間T2の判定値,第3区間T3の判定値)と表している。誘起信号VRsが基準しきい電圧Vcompを超える場合を判定値「1」、超えない場合を判定値「0」、判定値が「1」と「0」のどちらでもよい場合を「1/0」と表している。
【0029】
例えば図3において、主駆動パルスP1による駆動結果のVRsパターンが(0,1,1/0)の場合、制御回路106は駆動エネルギに余裕のある回転(余裕回転)と判定して、補正駆動パルスP2による駆動は行わず又、主駆動パルスP1のランクは変更せずに維持する。但し、パターン(0,1,1/0)が連続して所定回数(PCD回数)発生した場合、制御回路106は駆動エネルギに余裕があると判定して、主駆動パルスP1を1ランクダウン(パルスダウン)する。
VRsパターンが(1,1,1/0)の場合、制御回路106は駆動エネルギに余裕のない回転(余裕ない回転)と判定して、補正駆動パルスP2による駆動を行うことなく、主駆動パルスP1は変更せずにランクを維持するようにパルス制御を行う。
【0030】
VRsパターンが(1/0,0,1)の場合、駆動エネルギにまったく余裕のない回転(ぎりぎり回転))と判定して次回駆動時に非回転とならないように前もって早めに、補正駆動パルスP2による駆動を行うことなく、主駆動パルスP1を1ランクアップ(パルスアップ)する。
VRsパターンが(1/0,0,0)の場合、制御回路106はステッピングモータ102が回転していない(非回転)と判定して、補正駆動パルスP2による駆動を行った後、主駆動パルスP1を1ランクアップする。
【0031】
図4は、本実施の形態において、最大駆動エネルギの主駆動パルスP1nmaxで駆動した際の直流磁界Hの影響を説明するためのタイミング図で、回転状況を表すVRsパターンとともに、ロータ202の回転状態、補正駆動パルスP2による駆動、主駆動パルスのランクを維持するか否か並びに所定回数(PCD)継続した場合にパルスダウンを行うか否かのパルス制御動作をあわせて示している。
尚、主駆動パルスP1nmaxによる駆動では駆動エネルギに余裕がない場合、主駆動パルスP1nmax以上の駆動エネルギを有する固定駆動パルスに切り替えて駆動するが、図4の例では、前記固定駆動パルスとして、駆動パルスの種類を増やさないために補正駆動パルスP2を使用している。補正駆動パルスP2よりも駆動エネルギが小さい固定駆動パルスを用いれば省電力化が可能になる。
【0032】
図4には、上から順に、(1)直流磁界Hが存在せず余裕のある駆動エネルギで回転している場合、(2)駆動磁界と逆方向に直流磁界Hが存在し駆動エネルギに余裕がない場合、(3)駆動磁界と同方向に直流弱磁界Hが存在し駆動エネルギに余裕がある場合、(4)前記(3)よりも強い直流中磁界Hが駆動磁界と同方向に存在し駆動エネルギに余裕がある場合、(5)前記(4)よりも強い直流強磁界Hが駆動磁界と同方向に存在し、ロータは回転しているが直流磁界Hによる制動が大きいため基準しきい電圧Vcompを超える誘起信号VRsが検出されない場合(かげりがある場合)を示している。
【0033】
直流磁界Hは、図4に示すように、誘起信号VRsをかげらせたり、その発生時刻をずらすように影響を与える。例えば、直流磁界Hの方向が、駆動によってステータ201に発生する磁界と同方向の場合、誘起信号VRsは直流磁界がない場合と比べて早めに発生するように位置ずれし、駆動によってステータ201に発生する磁界と逆方向の場合には、誘起信号VRsは直流磁界がない場合と比べて遅れて発生するように位置ずれする。
【0034】
制御回路106は、主駆動パルスP1nmaxで駆動したときのVRsパターンが(1/0,1,1/0)以外になった場合(例えば第2区間T2が「0」で第3区間T3が「1」となった場合等)、直流磁界Hの影響によって主駆動パルスP1nmaxでも駆動余裕がなく、正常に回転駆動することができなくなる恐れがあると判定して、主駆動パルスP1nmax以上の一定駆動エネルギの駆動パルス(固定駆動パルス)に変更して駆動する。固定駆動パルスは、主駆動パルスP1nmax以上の一定駆動エネルギの駆動パルスであればよく、本実施の形態では前述したように補正駆動パルスP2を固定駆動パルスとして使用している。
固定駆動パルスによってPCD回数駆動を行った後、主駆動パルスP1nmaxによって余裕のある駆動が可能な場合には主駆動パルスP1nmaxに切り替えて駆動する。
【0035】
図5は、本発明の第1の実施の形態に係るステッピングモータ制御回路及びアナログ電子時計の動作を示すフローチャートで、主として図4に示したような直流磁界Hが存在する場合の処理を示している。
図5中の各記号の意味は次の通りである。即ち、P1は通常の駆動動作時(通常補正駆動時)にステッピングモータ102を駆動する主駆動パルスである。
【0036】
通常補正駆動用の主駆動パルスP1は、後述する駆動パルス選択処理によって主駆動パルスP1中から選択した主駆動パルスである。nは通常補正駆動時の主駆動パルスP1のパルスランクであり、最小駆動エネルギのランク1から最大駆動エネルギのランクnmaxまで複数種類ある。
P2は通常駆動時の補正駆動パルスであり、ステッピングモータ制御回路が予め備えている最大エネルギの主駆動パルスP1nmax以上の駆動エネルギを有している。本実施の形態では、補正駆動パルスP2を固定駆動パルスとしても兼用している。
主駆動パルスP1、補正駆動パルスP2及び固定駆動パルスの情報は、記憶回路108に記憶される。
Nは同一駆動パルスによる駆動の繰り返し回数であり、最小値1から所定値(PCD)までの値をとる。
【0037】
以下、図1〜図5を参照して、本発明の第1の実施の形態に係るステッピングモータ制御回路及びアナログ電子時計の動作を詳細に説明する。
発振回路104は所定周波数の基準クロック信号を発生し、分周回路105が発振回路104で発生した前記信号を分周して計時の基準となる時計信号を制御回路106に出力する。
【0038】
制御回路106は、前記時間信号を計数して計時動作を行うと共に、パルスランクの小さい主駆動パルスP1順にパルス選択処理を行うべく、先ず主駆動パルスP1のランクnを最小ランクの1に設定すると共に駆動パルスの繰り返し回数Nを1に設定し(ステップS501)、最小パルス幅の主駆動パルスP11でステッピングモータ102を回転駆動するように制御信号を出力する(ステップS502、S503)。
【0039】
ステッピングモータ駆動パルス回路107は、制御回路106からの前記制御信号に応答して、主駆動パルスP11によってステッピングモータ102を回転駆動する。ステッピングモータ102は主駆動パルスP11によって回転駆動されて、図示しない時刻針等を回転駆動する。これにより、ステッピングモータ102が正常に回転した場合には、前記時刻針による現在時刻表示等が行われる。
【0040】
回転検出回路109は、基準しきい電圧Vcompを超えるステッピングモータ102の誘起信号VRsを検出する毎に検出時間比較判別回路110へ検出信号を出力する。検出時間比較判別回路110は、回転検出回路109からの検出信号に基づいて、基準しきい電圧Vcompを超える誘起信号VRsが検出された区間T1〜T3を判定して、各区間T1〜T3における判定値「1」又は「0」を制御回路106に通知する。
制御回路106は、検出時間比較判別回路110からの前記判定値に基づいて回転状況を表すVRsパターン(第1区間T1における判定値,第2区間T2における判定値,第3区間T3における判定値)を判定する。
【0041】
制御回路106は、主駆動パルスP11によって駆動した結果、VRsパターンの第1区間T1及び第2区間T2の判定値が「1」の場合、即ち、VRsパターンが(1,1,1/0)の場合(ステップS504、S505)、余裕ない回転と判定して、主駆動パルスP1のランクは変更せずに維持すると共に回数Nを1に設定した後、処理ステップS502に戻る(ステップS506)。
【0042】
制御回路106は、処理ステップS505において第2区間T2における誘起信号VRsが基準しきい電圧Vcompを超えないと判定した場合(区間T1、T2の判定値が(1,0)の場合)、処理ステップS512に移行する。
制御回路106は、処理ステップS504において第1区間T1の判定値が「0」で、処理ステップS507において第2区間T2が「1」の場合、即ち、駆動余力がある場合、パルスランクnが「1」のときは処理ステップS506に移行する(ステップS507、S508)。
【0043】
制御回路106は、処理ステップS508においてパルスランクnが「1」でない場合、繰り返し回数Nに1加算し(ステップS509)、繰り返し回数Nが所定数(PCD回数)になったときには繰り返し回数Nを1にすると共にパルスランクnを1ランク下げた後に処理ステップS502に戻る(ステップS510、S511)。制御回路106は、処理ステップS510において繰り返し回数NがPCD回数になっていないときには直ちに処理ステップS502に戻る。
制御回路106は、処理ステップS507において第2区間T2の判定値が「0」の場合には処理ステップS512に移行する。
【0044】
制御回路106は、処理ステップS512において第3区間T3の判定値が「1」の場合、即ち、駆動エネルギに駆動余力がないと判定した場合、主駆動パルスP1のパルスランクnが最大値nmaxか否かを判定する(ステップS513)。
処理ステップS513は、主駆動パルスP1が最大パルスランクのP1nmaxか否かを判定し、主駆動パルスP1が最大パルスランクのP1nmaxのときには、固定駆動パルスとしての補正駆動パルスP2によって駆動し、繰り返し回数NがPCD回数のとき、VRsパターンによる判定で主駆動パルスP1のランクを可変制御するか固定駆動パルスによる駆動かを決定する処理である。
【0045】
制御回路106は、処理ステップS513において主駆動パルスP1が最大パルスランクのP1nmaxと判定すると、繰り返し回数Nを「1」にリセットし(ステップS514)、固定駆動パルスとして補正駆動パルスP2を選択し(ステップS515)、前記固定駆動パルスによって駆動する(ステップS516)。
次に制御回路106は、繰り返し回数Nに1加算し(ステップS517)、繰り返し回数NがPCD回数になったか否かを判定する(ステップS518)。
【0046】
制御回路106は、処理ステップS518において繰り返し回数NがPCD回数になったと判定すると、固定駆動パルスによる駆動を継続するか、あるいは、主駆動パルスのパルスランクを変更するパルス制御動作に移行するかを判定する。即ち、制御回路106は、処理ステップ518において繰り返し回数NがPCD回数になったと判定した場合、駆動に余力があるか否かの探りを入れるために、固定駆動パルスに代えて最大駆動エネルギの主駆動パルスP1nmaxによって駆動した後、主駆動パルスP1nmaxによる回転が不能な場合に備えて固定駆動パルスとしての補正駆動パルスP2によって駆動する(ステップS519)。
【0047】
制御回路106は、処理ステップS519における主駆動パルスP1nmax駆動時の回転状況を判定し、VRsパターンにおける第2区間T2の判定値が「1」と判定したときには(ステップS520)、駆動エネルギに余力があるためパルス制御動作に移行してもよいと判定して、繰り返し回数Nを1にリセットした後に処理ステップS502に戻って主駆動パルスP1maxによる駆動を開始する(ステップS521)。制御回路106は、処理ステップS520において第2区間T2の判定値が「1」ではないと判定したときには、固定駆動パルスによる駆動が必要と判定して処理ステップS514に戻る。
【0048】
制御回路106は、処理ステップS518において繰り返し回数NがPCD回数に到達していないと判定すると処理ステップS515に戻る。制御回路106は、処理ステップS513において主駆動パルスP1が最大パルスランクのP1nmaxではないと判定すると繰り返し回数Nを「1」にリセットすると共にパルスランクを1ランクアップしてステップS502に戻る(ステップS523)。また、制御回路106は、処理ステップS512において第3区間T3の判定値が「0」の場合、強制的に回転させるための補正駆動パルスP2によって駆動した後、処理ステップS513に移行する(ステップS522)。
【0049】
以上のように、本第1の実施の形態によれば、ステッピングモータ102の回転状況を検出する回転検出手段と、前記回転検出手段による検出結果に応じて、駆動エネルギが相互に異なる複数の主駆動パルスP1中のいずれか又は前記各主駆動パルスP1以上の駆動エネルギを有する駆動パルスによって前記ステッピングモータを駆動制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、最大駆動エネルギの主駆動パルスP1nmaxによってステッピングモータ102を駆動したときに駆動余力がない場合、最大駆動エネルギの主駆動パルスP1nmax以上の駆動エネルギを有する固定駆動パルスに切り替えて駆動するようにしている。
【0050】
したがって、直流磁界Hの影響を受けて第2区間T2が「1」にならない場合には、主駆動パルスP1nmaxでも余裕がないと判定して、より大きいエネルギの固定駆動パルスによって駆動することにより、直流磁界Hが存在する場合でも安定駆動が可能になる。
また、固定駆動パルスによって所定回数安定駆動が行われた場合には、主駆動パルスP1nmaxによって余裕のある駆動が可能なときには駆動パルスを固定駆動パルスから主駆動パルスP1nmaxにランクダウンしてパルス制御動作を開始することにより、駆動動作の安定化及び省電力化を図ることが可能になる。
また、複雑な検出回路を設ける必要はなく、構成が簡単になる。
【0051】
図6は、本発明の第2の実施の形態に係るステッピングモータ制御回路及びアナログ電子時計の動作を示すフローチャートで、図5と同一処理を行う部分には同一符号を付している。
本第2の実施の形態では、両極性の駆動結果を考慮して、固定駆動パルスへの切り替え駆動や固定駆動パルスから主駆動パルスP1nmaxへの切り替え駆動等を制御するようにしており、ブロック図や使用するステッピングモータの構成は図1、図2と同一である。
以下、前記第1の実施の形態と相違する部分について、本第2の実施の形態の動作を説明する。
【0052】
制御回路106は、一方の極性の主駆動パルスP1nmaxによって駆動し(ステップS503)、第3区間T3の判定値が「1」か否かを判定(ステップS512)した後、主駆動パルスP1のパルスランクnが最大値nmaxであると判定すると(ステップS513)、他方の極性の主駆動パルスP1nmaxによって駆動する(ステップS601)。
制御回路106は、VRsパターンにおいて第2区間T2が「1」の場合には処理ステップS514以降の処理を行う。
【0053】
このようにして、一方の極性の主駆動パルスP1nmaxによる駆動では第2区間T2が「0」で第3区間T3が「1」(ステップS507、S512)、他方の極性の主駆動パルスP1nmaxによる駆動では第2区間T2が「1」(ステップS602)のとき、直流磁界Hが存在すると判定して、主駆動パルスP1nmaxを固定駆動パルスとしての補正駆動パルスP2に切り替え駆動する(ステップS515)。
【0054】
制御回路106は、処理ステップS520において一方の極性の主駆動パルスP1nmax駆動時に第2区間T2の判定値が「1」と判定し、他方の極性の主駆動パルスP1nmax駆動時(ステップS605)に第2区間T2の判定値が「1」と判定した場合(ステップS606)、駆動エネルギに余力があるためパルス制御動作に移行してもよいと判定して、繰り返し回数Nを1にリセットした後に処理ステップS502に戻って主駆動パルスP1maxによる駆動を開始する(ステップS521)。
制御回路106は、処理ステップS606において第2区間T2の判定値が「0」と判定した場合には処理ステップS514に戻る。
【0055】
制御回路106は、処理ステップS602において第2区間T2が「0」の場合にはVRsパターンの第3区間T3が「1」か否かを判定する(ステップS603)。制御回路106は、処理ステップS603において第3区間T3が「1」の場合は処理ステップS502に戻り、第3区間T3が「0」の場合は強制的に回転駆動するための補正駆動パルスP2によって駆動して処理ステップS502に戻る(ステップS604)。
【0056】
本第2の実施の形態によれば、前記第1の実施の形態と同様の効果を奏するばかりでなく、特に、双方の極性の主駆動パルスP1nmaxによる駆動結果に基づいて直流磁界Hが存在するか否かを判定し、少なくとも一方の極性が第2区間T2で「1」でない場合には直流磁界Hが存在すると判定して主駆動パルスP1nmaxを固定駆動パルスに切り替え駆動するようにしている。あるいは、両極性の駆動時の回転余裕が相違する場合には直流磁界Hが存在すると判定して主駆動パルスP1nmaxを固定駆動パルスに切り替え駆動するようにしている。
【0057】
このようにして、直流磁界Hの影響を受けていると判定した場合には主駆動パルスP1nmaxでも余裕がないと判定して、より大きいエネルギの固定駆動パルスによって駆動することにより、直流磁界Hが存在する場合でも安定駆動が可能になる。
また、前記各実施の形態に係るアナログ電子時計によれば、直流磁界Hが存在する場合でも、正確な運針を行うことが可能になる。
【0058】
尚、前記各実施の形態では、各主駆動パルスのエネルギを変えるために、矩形波のパルス幅が異なるように構成したが、パルス自体を櫛歯波にし、そのON/OFFデューティを変えたり、パルス電圧を変える等によっても、駆動エネルギを変えることが可能である。
また、ステッピングモータの応用例として電子時計の例で説明したが、モータを使用する電子機器に適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0059】
本発明に係るステッピングモータ制御回路は、ステッピングモータを使用する各種電子機器に適用可能である。
また、本発明に係る電子時計は、カレンダ機能付きアナログ電子時計、クロノグラフ時計をはじめとして各種のアナログ電子時計に適用可能である。
【符号の説明】
【0060】
101・・・ステッピングモータ制御回路
102・・・ステッピングモータ
103・・・電源
104・・・発振回路
105・・・分周回路
106・・・制御回路
107・・・ステッピングモータ駆動パルス回路
108・・・記憶回路
109・・・回転検出回路
110・・・検出時間比較判別回路
201・・・ステータ
202・・・ロータ
203・・・ロータ収容用貫通孔
204、205・・・切り欠き部(内ノッチ)
206、207・・・切り欠き部(外ノッチ)
208・・・磁心
209・・・駆動コイル
210、211・・・可飽和部
OUT1・・・第1端子
OUT2・・・第2端子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステッピングモータの回転状況を検出する回転検出手段と、前記回転検出手段による検出結果に応じて、駆動エネルギが相互に異なる複数の主駆動パルス中のいずれか又は前記各主駆動パルスよりも駆動エネルギの大きい補正駆動パルスによって前記ステッピングモータを駆動制御する制御手段とを備え、
前記制御手段は、最大駆動エネルギの主駆動パルスによって前記ステッピングモータを駆動したときに駆動余力がない場合、前記最大駆動エネルギの主駆動パルス以上の駆動エネルギを有する固定駆動パルスに切り替えて駆動することを特徴とするステッピングモータ制御回路。
【請求項2】
前記回転検出手段は、前記ステッピングモータのロータの回転によって発生する誘起信号を検出し、前記誘起信号が所定の検出期間内において所定の基準しきい電圧を超えたか否かによって、前記ステッピングモータの回転状況を検出し、
前記検出期間を、主駆動パルスによる駆動直後の第1区間、前記第1区間よりも後の第2区間、前記第2区間よりも後の第3区間に区分し、前記第1区間は前記ロータを中心とする第2象限においてロータの正方向の回転を判定する区間、前記第2区間及び第3区間は第3象限におけるロータの逆方向の回転を判定する区間であり、
前記制御手段は、最大駆動エネルギの主駆動パルスによって駆動したときに前記回転検出手段が前記第2区間において基準きしい電圧を超える誘起信号を検出しなかった場合に駆動余力がないと判定して、前記固定駆動パルスに切り替えて駆動することを特徴とする請求項1記載のステッピングモータ制御回路。
【請求項3】
前記制御手段は、極性の異なる最大駆動エネルギの主駆動パルスによって交互に駆動した際、一方の極性に駆動余力がない場合、前記固定駆動パルスに切り替えて駆動することを特徴とする請求項1又は2記載のステッピングモータ制御回路。
【請求項4】
前記制御手段は、極性の異なる最大駆動エネルギの主駆動パルスによって交互に駆動した際、前記回転検出手段が前記基準しきい電圧を超える誘起信号を、一方の極性では前記第2区間おいて検出すると共に他方の極性では前記第3区間において検出した場合、前記固定パルスに切り替えて駆動することを特徴とする請求項3記載のステッピングモータ制御回路。
【請求項5】
前記制御手段は、前記固定駆動パルスによって所定回数連続して駆動した後、前記最大駆動エネルギの主駆動パルスによって回転駆動した結果、回転余裕がある場合には前記固定駆動パルスから前記最大駆動エネルギの主駆動パルスに切り替えて駆動することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一に記載のステッピングモータ制御回路。
【請求項6】
前記固定駆動パルスは前記補正駆動パルスであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一に記載のステッピングモータ制御回路。
【請求項7】
時刻針を回転駆動するステッピングモータと、前記ステッピングモータを制御するステッピングモータ制御回路とを有するアナログ電子時計において、
前記ステッピングモータ制御回路として、請求項1乃至6のいずれか一に記載のステッピングモータ制御回路を用いたことを特徴とするアナログ電子時計。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−75463(P2011−75463A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−228964(P2009−228964)
【出願日】平成21年9月30日(2009.9.30)
【出願人】(000002325)セイコーインスツル株式会社 (3,629)
【Fターム(参考)】