説明

ストリップ部がシールされた二重クラッド光ファイバ

その長手方向に沿って、外側導波クラッドおよび保護ジャケットが存在しない部分を有する二重クラッド光ファイバ。その部分において、長さ方向に対向する両端に、第2導波クラッドの面が存在する。その部分に、水を通さないシーラントが塗布されて、第2導波クラッドの上記面を通して水が長手方向の拡散を防止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への言及
本出願は、米国仮特許出願61/295,353(発明の名称:環境上頑丈な光ファイバ保護アセンブリ)に基づく優先権を主張している。当該出願61/295,353は、本件出願人により2010年1月15日に出願されたもので、その内容は言及することにより本件明細書の一部を構成する。
【背景技術】
【0002】
図1は、二重クラッド光ファイバ11の例を示している。一般的に、二重クラッド光ファイバ11は、導波コア10、内側導波クラッド14、外側導波クラッド18、ジャケット22を含んでいる。
導波コア10は、コア屈折率12を有する。導波コア10の周囲の内側導波クラッド14は、内側クラッド屈折率16を有する。内側導波クラッド14の周囲の外側導波クラッド18は、外側クラッド屈折率20を有する。外側導波クラッド18の周囲のジャケット22は、ジャケット屈折率24を有する。ジャケット屈折率24は、一般的に、外側クラッド屈折率20よりも大きい。
【0003】
高出力の光信号を伝達するにおいて、および高出力ファイバ・レーザおよびアンプを製造するにおいて、コア10は、ドープしたシリカとすることができる。内側クラッド14は、石英ガラスあるいはドープした石英ガラスの1または複数の層を有することができる。また、非シリカ材の外側クラッド18は、非常に小さな屈折率20を有することで、光がコア10および内側クラッド14から出て行くことを防止できる。
外側クラッド18は、屈折率の低いポリマーから作ることができる。例えば、シリコン、フッ素化エチレン性シクロオキシ脂肪族置換エチレン性コポリマー、または他の材料である。しかし、フルオロアクリレート光ファイバを用いることが一般的である。フルオロアクリレート光ファイバは、次の事実により特徴付けられる。すなわち、第2の導波クラッド18の材料が、SSCP CO.社が製造する製品番号PC363、PC373、PC375、PC409、あるいは、DSM Desotech社の製品DeSolite(登録商標) DF0007等のフルオロアクリレートである。
あるケースでは、コア10および内側クラッド14が同じ材料で構成され、したがって、同じ屈折率を有していてもよい。完全な例を提供するために、保護ジャケットを屈折率の高いアクリレートで作ってもよい。例えば、DSM Desotech社の製品番号DS−2015、製品番号3471−2−136、あるいは、SSCP CO.社の製品番号UVF−HTS−001である。ジャケットの主な機能は、ファイバの機械的性能を改善することである。
【発明の概要】
【0004】
ある場合には、二重クラッド光ファイバは、長さ方向に沿う一部分において、外側クラッドおよびジャケットが除去されている。例えば図2に示すように、その部分は、ストリップ部26と呼ぶことができる。ストリップ部26では、対応する2つの端部に、外側クラッドの2つの面28、30が露出している。このことは、例えば、継ぎ目やウインドウの箇所において生じる。
例えば図2に示すように、ストリップ部が剥き出しになったままとされる場合もある。他の場合には、例えば図3に示したように、使用に先立って、ストリップ部は、再コート材31を用いて再コートされる。これにより、例えば機械耐性が向上する。再コートは、外側クラッドと同じ材料を用いて行うことが一般的である。
【0005】
その1または複数の部分に沿って外側クラッドおよびジャケットが除去されていて、そこに再コートが施された、あるいは施されていない、ある種のフルオロアクリレート二重クラッド光ファイバは、大きな光学的減衰を示すことを、我々は観察した。
この問題は、科学的な方法で研究された。そして、その後の実験により、外側クラッドのフルオロアクリレートが水にさらされることに起因して減衰が生じる、という仮説が得られた。この仮説を検証するために、我々は、ストリップ部を有する二重光ファイバを、429時間、85°Cおよび相対湿度85%の環境に置いた。図4は、生じた光学的ロスを示している。
【0006】
問題を分析した結果、水は、主として2つの方法でフルオロアクリレートに浸入することが理解された。1つは、ファイバの長さ方向を横切る方向における半径方向の拡散34であり、他の1つは、ファイバの長さ方向に平行な方向における長手方向拡散32である。図5は、これを図式化したものである。
ジャケット(代表的には、水を通さない材料でできている)は、あまりに早い劣化からフルオロアクリレートを顕著に保護する、大きな水バリア効果を与えることが分かった。しかしながら、光ファイバが剥き出しのままである場合には、ストリップ部の両端において、外側クラッドの面が水にさらされ、その結果、長手方向拡散により水が外側クラッド層内に浸入する。
さらに、ストリップ部が、例えば図3に示したように、フルオロアクリレートで再コートされている場合であっても、水は、まず半径方向拡散によってフルオロアクリレート再コート31内に浸入することができ、その後、長手方向拡散によって、フルオロアクリレート再コートから外側クラッド内へと移動することができる。その場合、フルオロアクリレート再コート31および外側クラッドは、水にさらされることによって劣化する。
【0007】
ストリップ部の両端における外側クラッドの2つの面に水がアクセスするのをブロックするような方法でシーラントを塗布することで、外側クラッド内へ水が浸入することを顕著に防止できることが分かった。これにより、光ファイバが多量の水にさらされる環境で使用される場合において、減衰量を顕著に減じることができる。
【0008】
本発明の1局面により、次のような二重クラッド光ファイバが提供される。
すなわち、
導波コアと、
導波コアの周囲に配置され、内側クラッド屈折率を有する、内側導波クラッドと、
内側導波クラッドの周囲に配置され、内側クラッド屈折率よりも低い外側クラッド屈折率を有する、外側導波クラッドと、
上記第2導波クラッドの周囲に配置され、ジャケット屈折率を有する、ジャケットと、を有する二重クラッド光ファイバであって、
当該光ファイバの長手方向に沿って、第2導波クラッドおよびジャケットが存在しない部分を有しており、当該部分は、長手方向に対向する両端において第2導波クラッドの対応する面をそれぞれ有するとともに、当該部分にシーラントを有しており、
上記シーラントは、周囲環境の水が第2導波クラッドの上記面を通して長手方向に拡散することを防止している、二重クラッド光ファイバ。
【0009】
本発明の他の局面により、次のような方法が提供される。
すなわち、
二重クラッド光ファイバを保護する方法であって、

上記二重クラッド光ファイバは、
導波コアと、
導波コアの周囲に配置された内側導波クラッドと、
内側導波クラッドの周囲に配置され、フルオロアクリレートで作られた外側導波クラッドと、
上記第2導波クラッドの周囲に配置されたジャケットと、を有するとともに、
当該光ファイバの長手方向に沿って、第2導波クラッドおよびジャケットが存在しない部分を有しており、当該部分は、長手方向に対向する両端において第2導波クラッドの対応する面をそれぞれ有しており、

当該方法は、水が第2導波クラッドの上記面に影響を及ぼすことを防止するように、上記部分にシーラントを施している、方法。
【0010】
本発明のさらに他の局面により、次のような光ファイバ・パッケージが提供される。
すなわち、
剥き出しになった光ファイバに対する環境上頑丈な光ファイバ・パッケージであって、

上記剥き出しになった光ファイバは、
ドープされたシリカで作られていて、コア屈折率を有するコア領域と、
シリカまたはドープされたシリカの一方で作られた内側クラッド領域と、
屈折率の低い非シリカ材料で作られていて、外側クラッド屈折率を有する外側クラッド領域層と、
保護ジャケット層と、を有しており、

外側クラッド領域層は、保護ジャケット層の存在しない露出部分を有しており、当該露出部分において汚染物質が外側クラッド領域層にアクセス可能となっており、

当該光ファイバ・パッケージは、シーラント屈折率を有するシール層によって少なくとも上記露出部分をカバーするキャップを含んでおり、
上記シーラント屈折率は、外側クラッド屈折率よりも低い、あるいは等しいのいずれか一方であり、
上記シール層は、上記汚染物が外側クラッド領域層に到達するのを防ぐバリア特性を有している、光ファイバ・パッケージ。
【0011】
本明細書において、水という表現は、液状またはガス状のH2Oを意味する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1A】図1A(従来技術)は、二重クラッド光ファイバの一例を示している。
【図1B】図1B(従来技術)は、二重クラッド光ファイバの代表的な屈折率プロファイルを示している。
【図2】図2は、ストリップ部を有する二重クラッド光ファイバの一例を示している。
【図3】図3は、再コートされたストリップ部を有する二重クラッド光ファイバの一例を示している。
【図4】図4は、フルオロアクリレートをコートした光ファイバについて、フルオロアクリレートを水にさらした後における光学的減衰を示すグラフである。
【図5】図5は、外側クラッドへの水の浸入を図式化したものである。
【図6】図6は、シーラントを有する光ファイバの第1例を示しており、シーラントは、再コートの上に施されている。
【図7】図7は、シーラントを有する光ファイバの第2例を示しており、シーラントは、剥き出しになったストリップ部の上に直接施されている。
【図8】図8は、シーラントの第3例を示しており、シーラントは、外側クラッドの露出した面上に直接施されている。
【図9】図9は、剥き出しになったままのストリップ部と、シーラントを施したストリップ部と、について行われたテストの結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
添付図面の全体において、同様の特徴は、同様の参照数字で示されている。
【0014】
図2に示したようなストリップ部は、例えば、継ぎ目において発生する。2つのファイバを接合するために、まずファイバが剥出しにされるが(ストリッピング)、これは、機械的、熱的、あるいは化学的に行うことができる。機械的なストリッピングは、例えばマイクロストリップ・ファイバ・ストリッパを用い、保護ジャケット22および外側クラッド18を除去することで、これを行うことができる。
熱的なストリッピングは、ストリッピング刃が加熱される点、あるいはコーティングがオーブンで加熱される点を除いて、機械的なストリッピングと同様である。化学的なストリッピングは、塩化メチレンまたはアセトンのような化学物質にファイバを浸すことで行われる。レーザや熱風等のストリッピングを行う他の方法も同じように採用することが可能である。
ストリッピングが完了した後、露出したガラスの2つの部分が、例えばイソプロピルアルコールを用いてクリーニングされ、これにより、埃あるいはコーティング/クラッド残留物のような汚れが除去される。
2つのファイバのガラス端部は、例えばYork FK11等のファイバ・クリーバを用いて裂かれる。その後、Fujikura FSM−45F等の標準的な溶解スプライサを用いて2つのファイバが接合される。
例えばウインドウ・ストリップ等の継合せを要しない用途であっても、ストリップ部分(剥き出しになった部分)が含まれる場合が存在する。ウインドウ・ストリップの用途においては、ファイバを裂いて接合する必要は無く、ファイバの一定領域を剥いてウインドウが形成される。例えば、パワー接合の用途においては、一般的に、ストリップ部は剥出しのままである。
【0015】
しかしながら、他の用途において、ストリップ部を再度コーティングすることが好ましい場合がある。それは、例えば機械的耐性を高めるためである。例えばVytran PTR−200等のファイバ再コータを使用して、露出したガラス面が、UV硬化フルオロアクリレートで再コーティングすることができる。
【0016】
上で説明したように、フルオロアクリレート層の光学性能は、水に接することで影響を受ける。これは、層間剥離または結晶化等の現象に起因することがある。
剥き出しになっていないファイバ部分では、保護ジャケットは、重要な環境上の役割を果たすと考えることができる。すなわち、水の浸入を遅くし、フルオロアクリレート層の劣化を減じるバリアを与える。
【0017】
図4は、この劣化を図示している。図4は、代表的なフルオロアクリレート光ファイバが水と接した場合に生じる光学的減衰を示している。結果は、Yb、YbEr、およびErファイバ・レーザの典型的なポンピング波長域で示されている。
図4において、主に2つの劣化要素が見られる。まず、955nmにピークが存在する。これは、フルオロアクリレート層を通して拡散するOHの分子吸収から生じると思われる。さらに、散乱要素が存在するが、これは、フルオロアクリレート層の層間剥離あるいは結晶化に起因すると思われる。
【0018】
図5は、フルオロアクリレート層における2つの主要な水の浸入メカニズムを示している。最初の1つは、保護ジャケットを通した水の半径方向拡散34である。これにより、水は外側クラッドに達する。このメカニズムは極めて遅く、保護ジャケットが良好な状態である場合には、多分無視することができる。
2つめのメカニズムは、長手方向における水の浸入32である。これは、外側クラッド表面が直接、水にさらされることに起因する。この後者の浸入メカニズムは、幾つか例を挙げると、接合ポイント、剥き出しになったウインドウ・ポイント、フルオロアクリレートで再コートされた部分、保護ジャケットが除去された部分、において生じ得る。
この後、水は、化学反応によって外側クラッドを直接攻撃することができる。さらに、毛管現象によってさらに水が浸入することができ、外側クラッドの層間剥離をもたらす場合がある。
【0019】
図6は第1の例示的な実施形態を示している。この場合、露出したガラス40は、その後、UV硬化フルオロアクリレート再コート層42で再コートされる。これは、Vytran PTR−200等のファイバ再コータを用いて行うことができる。
再コート層が水と直接接触している場所においては、シーラント・キャップ44が加えられて、外側クラッドおよび再コート層の中へ水が浸入するのを強く防ぐ。さらに、シーラント・キャップは、85°Cの温度までその光学的および機械的パラメータが著しく下がらないという意味で、耐熱性を有する。さらに、シーラント・キャップは、−40°C〜85°Cの温度範囲において水と接触した場合には、化学的に安定している。
シーラント・キャップとして使用できる材料として、次のものを例示できる。DSM社のDS−2015、3471−2−136、あるいはSSCP CO.社のUVF−HTS−001等のアクリレート。シリコン(例えば、Nusil Lightspan LS−3)。フッ素化エチレン性シクロオキシ脂肪族置換エチレン性コポリマー(例えば、Dupont社から入手可能なテフロンAF)。屈折率が低い光学エポキシ(例えば、AngstromBond EX1128)、その他。
このシーラント材料は、再コート層が硬化した後で塗布される。続いて、再コート層は、シーラント材料で満たすことができるモールド内に配置される。場合によっては、シーラント材料をオーブン内に配置したり、赤外線(IR)ソースを使用することで、硬化を促進することができる。IR Photonics社のICureIRが赤外線ソースの一例である。別例として、例えばDymax 5000−EC硬化系のようなUV光源で硬化する材料もある。
【0020】
図7は別の例示的な実施形態を示している。当該部分は、フルオロアクリレート材料で再コートされてはおらず、より安定的なシーラント・キャップ46で再コートされている。シーラント・キャップ46は、例えば、屈折率が低い光学エポキシ、シリコン、あるいはフッ素化エチレン性シクロオキシ脂肪族置換エチレン性コポリマーの材料からなる。これは、上述したのと同様の方法で行うことができる。この場合、シーラント・キャップの屈折率は、外側クラッド48の屈折率と等しいか、またはそれよりも劣っているべきであり、また、内側クラッド14およびコア10内を伝わる光に対して透明であるべきである。
【0021】
図8はさらに別の例示的な実施形態を示している。ストリップ領域50は、再コートされないままとなっている。そのような場合、外側クラッドは、適切な環境特性を有する低屈折率エポキシ等からなるシーラント・キャップ54を用いてシールすることができ、その一方で、接合ジョイント部あるいはウインドウが露出した状態にあることを確実とすることができる。
注射器を用いて、露出した外側クラッド層にシーラント材料のドロップを塗布することができる。その場合、シーラント材料の屈折率は、外側クラッド52の屈折率に等しいか、またはそれよりも劣っているべきであり、また、内側クラッド14およびコア10内を伝わる光に対して透明であるべきである。
【0022】
すべての実施態様において、シールしたファイバを、その後、封止体の中に置いて、機械的、熱的、あるいは環境的に保護することができる。
【0023】
図9は、125ミクロンの標準的なフルオロアクリレート・ファイバ(5cm剥き出しにしている)について得られたテスト結果を示している。第1のそのようなファイバは、まったく再コートしないままであった。第2のそのようなファイバは、フルオロアクリレートで再コートし、ファイバのジャケットと同タイプのアクリレートからなるシーラント・キャップ層が塗布された。
両方のファイバを、相対的湿度85%で85°Cの実験ルームに、300時間置いた。結果は、再コートしていないファイバについては、0.4dBレベルの減衰を示しているが、シールしたファイバについては、大きな減衰は見られない。
【0024】
以上に説明した実施態様は、例示することだけを意図したものである。したがって、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
導波コアと、
導波コアの周囲に配置され、内側クラッド屈折率を有する、内側導波クラッドと、
内側導波クラッドの周囲に配置され、内側クラッド屈折率よりも低い外側クラッド屈折率を有する、外側導波クラッドと、
上記第2導波クラッドの周囲に配置され、ジャケット屈折率を有する、ジャケットと、を有する二重クラッド光ファイバであって、
当該光ファイバの長手方向に沿って、第2導波クラッドおよびジャケットが存在しない部分を有しており、当該部分は、長手方向に対向する両端において第2導波クラッドの対応する面をそれぞれ有するとともに、当該部分にシーラントを有しており、
上記シーラントは、周囲環境の水が第2導波クラッドの上記面を通して長手方向に拡散することを防止している、二重クラッド光ファイバ。
【請求項2】
上記第2導波クラッドは、フルオロアクリレートのクラッドである、請求項1記載の二重クラッド光ファイバ。
【請求項3】
上記シーラントは、第2導波クラッドの2つの上記面に対して、直接塗布されており、当該面の全体をカバーしている、請求項1または2記載の二重クラッド光ファイバ。
【請求項4】
上記シーラントは、上記部分の全長に渡って延在しており、上記第1導波クラッドの全体をカバーしており、少なくとも外側クラッド屈折率と同じくらい低い屈折率を有している、請求項3記載の二重クラッド光ファイバ。
【請求項5】
第2導波クラッドの2つの上記面、および第1導波クラッドの上記部分における全長に対して、それぞれフルオロアクリレートの再コートが直接塗布され、それら全体をカバーしており、
上記シーラントは、当該再コート上に直接塗布されて、その全体をカバーしている、請求項2記載の二重クラッド光ファイバ。
【請求項6】
上記シーラントは、ジャケットと同じ材料で作られている、請求項5記載の二重クラッド光ファイバ。
【請求項7】
上記シーラントは、PTFE、シリコン、アクリレート、およびエポキシのいずれか1つである、請求項1〜5のいずれか1つに記載の二重クラッド光ファイバ。
【請求項8】
二重クラッド光ファイバを保護する方法であって、

上記二重クラッド光ファイバは、
導波コアと、
導波コアの周囲に配置された内側導波クラッドと、
内側導波クラッドの周囲に配置され、フルオロアクリレートで作られた外側導波クラッドと、
上記第2導波クラッドの周囲に配置されたジャケットと、を有するとともに、
当該光ファイバの長手方向に沿って、第2導波クラッドおよびジャケットが存在しない部分を有しており、当該部分は、長手方向に対向する両端において第2導波クラッドの対応する面をそれぞれ有しており、

当該方法は、水が第2導波クラッドの上記面に影響を及ぼすことを防止するように、上記部分にシーラントを塗布している、方法。
【請求項9】
上記塗布する工程においては、第2導波クラッドの2つの上記面にシーラントが直接塗布され、これらの面の全体をカバーする、請求項8記載の方法。
【請求項10】
上記塗布する工程においては、さらに、上記部分の全長に渡って、内側導波クラッド上にシーラントが直接塗布され、その全体をカバーする、請求項9記載の方法。
【請求項11】
第2導波クラッドの2つの上記面、および第1導波クラッドの上記部分における全長に対して、それぞれフルオロアクリレートの再コート材を用いて、直接再コートし、それら全体をカバーする工程をさらに含んでおり、
上記塗布する工程においては、フルオロアクリレートの再コート材上にシーラントが直接塗布され、その全体をカバーする、請求項8記載の方法。
【請求項12】
剥き出しになった光ファイバに対する環境上頑丈な光ファイバ・パッケージであって、

上記剥き出しになった光ファイバは、
ドープされたシリカで作られていて、コア屈折率を有するコア領域と、
シリカまたはドープされたシリカの一方で作られた内側クラッド領域と、
屈折率の低い非シリカ材料で作られていて、外側クラッド屈折率を有する外側クラッド領域層と、
保護ジャケット層と、を有しており、

外側クラッド領域層は、保護ジャケット層の存在しない露出部分を有しており、当該露出部分において汚染物質が外側クラッド領域層にアクセス可能となっており、

当該光ファイバ・パッケージは、シーラント屈折率を有するシール層によって少なくとも上記露出部分をカバーするキャップを含んでおり、
上記シーラント屈折率は、外側クラッド屈折率よりも低い、あるいは等しいのいずれか一方であり、
上記シール層は、上記汚染物が外側クラッド領域層に到達するのを防ぐバリア特性を有している、光ファイバ・パッケージ。
【請求項13】
上記汚染物が水である、請求項12記載のパッケージ。
【請求項14】
上記露出部分は、光ファイバの剥き出しになったウインドウ部分の端縁における、外側クラッド領域層の端面であり、それにより、外側クラッド領域層および保護ジャケット層のストリップ長さ部分が除去されて、内側クラッド領域を露出させている、請求項12または13記載のパッケージ。
【請求項15】
上記露出部分は、保護ジャケット層が除去された外側クラッド領域層の表面部分である、請求項12または13記載のパッケージ。
【請求項16】
上記シーラントは、水バリア特性を有し、屈折率の低いエポキシである、請求項12〜15のいずれか1つに記載のパッケージ。
【請求項17】
上記シーラントは、シリコンからなる、請求項12〜15のいずれか1つに記載のパッケージ。
【請求項18】
上記シーラントは、フッ素化エチレン性シクロオキシ脂肪族置換エチレン性コポリマーからなる、請求項12〜15のいずれか1つに記載のパッケージ。
【請求項19】
上記キャップは、少なくとも上記露出部分をカバーするクラッド領域層再コート上に設けられている、請求項12〜18のいずれか1つに記載のパッケージ。
【請求項20】
上記コア領域および内側クラッド領域は、単一のドープされたシリカ領域内に設けられている、請求項12〜19のいずれか1つに記載のパッケージ。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2013−517517(P2013−517517A)
【公表日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−548318(P2012−548318)
【出願日】平成23年1月14日(2011.1.14)
【国際出願番号】PCT/CA2011/050015
【国際公開番号】WO2011/085496
【国際公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【出願人】(512186575)コラクティブ・ハイ−テック・インコーポレイテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】CORACTIVE HIGH−TECH INC.
【Fターム(参考)】