説明

ストリーム受信装置、ストリーム受信方法、ストリーム送信装置、ストリーム送信方法及びコンピュータプログラム

【課題】ネットワークを通じて3Dストリームが配信され、2D番組と3D番組とが混在する編成形態において、効率的な帯域運用や、受信機側での効率的なチャネル切り替え処理を実現することが可能なストリーム受信装置を提供する。
【解決手段】外部からネットワークを通じてメタデータによって配信される3Dストリームの制御情報を受信する情報受信部と、情報受信部が受信した制御情報を用いて、3Dストリームの配信前に該配信される3Dストリームの確保を予約するストリーム確保部と、ネットワークを通じて配信された3Dストリームをストリーム確保部で予約した結果に基づいて受信するストリーム受信部と、を備える、ストリーム受信装置が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ストリーム受信装置、ストリーム受信方法、ストリーム送信装置、ストリーム送信方法及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
各放送方式の標準化団体において、視聴者に立体的な映像の視聴を提供するための3D放送の標準化が進められている。放送編成形態として想定されるのは、従来の2D型の放送番組(2D番組)と、3D型の放送番組(3D番組)とが混在したものである。なお、ここでは3D型と対比して、従来の放送方式を「2D型放送」と称することにする。
【0003】
3D型の放送番組において、3Dストリームを構成する方式としてMVC(Multi View Coding)がある(例えば特許文献1参照)。MVCでは、単独で2D放送として視聴できる2D型ストリームと、2D型ストリームと同期して処理される、2D型放送を3D型放送として拡張するためのストリームとで構成されている。図11は、MVCでのストリームの構成について示す説明図である。このMVCによれば、3D番組であっても2D番組しか視聴できない従来の受像機においては、2D型ストリームのみを処理すれば通常の2D番組として視聴することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2009−513074号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、図11に示したような編成形態によって3D番組を放送すると、3D型拡張ストリームに割り当てる帯域を加えた帯域を各チャンネルに割り当てる必要がある。2D番組が大勢を占め、3D番組が少ない運用の場合には、3D型拡張ストリームに割り当てる帯域は余分な帯域となり、多くの帯域が無駄になってしまうという問題があった。
【0006】
また、ある時間帯において2D番組と3D番組とが混在している場合に、受信機側で2D番組と3D番組とにまたがってチャネルの切り替え(サッピング)を行うときには、2D番組と3D番組との間のスイッチング処理が頻繁になり、チャネルの切り替え処理に時間がかかってしまい使い勝手が悪くなってしまうという問題があった。この場合に、3D型拡張ストリームをインターネットやLAN(Local Area Network)等のネットワークから取得し、2D型ストリームと同期して処理するためには予めネットワークリソースの予約が必要となり、このリソース予約の時間も加わることでチャネルサッピングの処理時間のオーバーヘッドとなってしまう問題があった。
【0007】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、ネットワークを通じて3Dストリームが配信され、2D番組と3D番組とが混在する編成形態において、効率的な帯域運用や、受信機側での効率的なチャネル切り替え処理を実現することが可能な、新規かつ改良されたストリーム受信装置、ストリーム受信方法、ストリーム送信装置、ストリーム送信方法及びコンピュータプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、外部からネットワークを通じて配信される3Dストリームに関する、メタデータで記述されたストリーム制御情報を受信する情報受信部と、前記情報受信部が受信した前記ストリーム制御情報を用いて、3Dストリームの配信前に該配信される3Dストリームの確保に関する処理を実行してストリームを予約するストリーム確保部と、ネットワークを通じて配信された3Dストリームを前記ストリーム確保部で予約した結果に基づいて受信するストリーム受信部と、を備える、ストリーム受信装置が提供される。
【0009】
前記ストリーム確保部は、外部からマルチキャスト配信される1または2以上の3Dストリームに対して予めマルチキャストへの加入処理を実行して該3Dストリームを確保してもよい。
【0010】
前記ストリーム確保部は、予め1または2以上の3Dストリームが再生される前に、該3Dストリームを予め保存して該3Dストリームを確保してもよい。
【0011】
前記ストリーム確保部は、外部からマルチキャスト配信される1または2以上の3Dストリームに対して、マルチキャストへの加入処理をスケジューリングして該3Dストリームを確保してもよい。
【0012】
前記情報受信部が受信する前記制御情報には、3Dストリームと2Dストリームの混在状況が記述されていてもよい。
【0013】
前記情報受信部が受信する前記制御情報には、3Dストリームの帯域情報が記述されていてもよい。
【0014】
前記情報受信部が受信する前記制御情報には、3Dストリームの配信方式が記述されていてもよい。
【0015】
前記情報受信部が受信する前記制御情報には、3Dストリームのダウンロード可能時間が記述されていてもよい。
【0016】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、外部からネットワークを通じて配信される3Dストリームに関する、メタデータで記述されたストリーム制御情報を受信する情報受信ステップと、前記情報受信ステップで受信した前記ストリーム制御情報を用いて、3Dストリームの配信前に該配信される3Dストリームの確保に関する処理を実行してストリームを予約するストリーム確保ステップと、ネットワークを通じて配信された3Dストリームを前記ストリーム確保ステップで予約した結果に基づいて受信するストリーム受信ステップと、を備える、ストリーム受信方法が提供される。
【0017】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、コンピュータに、外部からネットワークを通じて配信される3Dストリームに関する、メタデータで記述されたストリーム制御情報を受信する情報受信ステップと、前記情報受信ステップで受信した前記ストリーム制御情報を用いて、3Dストリームの配信前に該配信される3Dストリームの確保に関する処理を実行してストリームを予約するストリーム確保ステップと、ネットワークを通じて配信された3Dストリームを前記ストリーム確保ステップで予約した結果に基づいて受信するストリーム受信ステップと、を実行させる、コンピュータプログラムが提供される。
【0018】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、ネットワークを通じて配信する3Dストリームに関するストリーム制御情報をメタデータで記述する情報記述部と、前記情報記述部が記述した前記3Dストリームのストリーム制御情報を該3Dストリームの配信に先立って送信する情報送信部と、前記情報記述部が記述した前記3Dストリームのストリーム制御情報に基づいて、ネットワークを通じて該3Dストリームを配信するストリーム配信部と、を備える、ストリーム送信装置が提供される。
【0019】
前記情報記述部が記述する前記制御情報には、3Dストリームと2Dストリームの混在状況が含まれていてもよい。
【0020】
前記情報記述部が記述する前記制御情報には、3Dストリームの帯域情報が含まれていてもよい。
【0021】
前記情報記述部が記述する前記制御情報には、3Dストリームの配信方式が含まれていてもよい。
【0022】
前記情報記述部が記述する前記制御情報には、3Dストリームのダウンロード可能時間が含まれていてもよい。
【0023】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、ネットワークを通じて配信する3Dストリームに関するストリーム制御情報をメタデータで記述する情報記述ステップと、前記情報記述ステップで記述した前記3Dストリームのストリーム制御情報を該3Dストリームの配信に先立って送信する情報送信ステップと、前記情報記述ステップで記述した前記3Dストリームのストリーム制御情報に基づいて、ネットワークを通じて該3Dストリームを配信するストリーム配信ステップと、を備える、ストリーム送信方法が提供される。
【0024】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、コンピュータに、ネットワークを通じて配信する3Dストリームに関するストリーム制御情報をメタデータで記述する情報記述ステップと、前記情報記述ステップで記述した前記3Dストリームのストリーム制御情報を該3Dストリームの配信に先立って送信する情報送信ステップと、前記情報記述ステップで記述した前記3Dストリームのストリーム制御情報に基づいて、ネットワークを通じて該3Dストリームを配信するストリーム配信ステップと、を実行させる、コンピュータプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0025】
以上説明したように本発明によれば、ネットワークを通じて3Dストリームが配信され、2D番組と3D番組とが混在する編成形態において、効率的な帯域運用や、受信機側での効率的なチャネル切り替え処理を実現することが可能な、新規かつ改良されたストリーム受信装置、ストリーム受信方法、ストリーム送信装置、ストリーム送信方法及びコンピュータプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】ストリームを送信する場合の情報の記述例を示す説明図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るストリーム配信システムの構成について示す説明図である。
【図3】本発明の一実施形態に係るメタデータサーバ21の構成について示す説明図である。
【図4】本発明の一実施形態にかかるメタデータサーバ21に含まれるメタデータ生成部31の構成を示す説明図である。
【図5】本発明の一実施形態にかかるメタデータサーバ21に含まれるメタデータ配信部33の構成を示す説明図である。
【図6】本発明の一実施形態にかかるクライアント100に含まれる、メタデータクライアント102の構成について示す説明図である。
【図7】本発明の一実施形態にかかるサーバ20及びクライアント100の第1の動作例について示す流れ図である。
【図8】本発明の一実施形態にかかるサーバ20及びクライアント100の第2の動作例について示す流れ図である。
【図9】本発明の一実施形態にかかるサーバ20及びクライアント100の第3の動作例について示す流れ図である。
【図10A】SIのSDTやTVAのServiceInformationによるストリームの混在状況の一例を示す説明図である。
【図10B】SIのEITやTVAのScheduleEventを用いて事前スケジューリングを行う様子の一例を示す説明図である。
【図11】MVCでのストリームの構成について示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0028】
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
<1.解決手法の一例>
[1−1.ストリームの基本情報]
[1−2.ストリームの制御情報]
[1−3.クライアント側の動作]
<2.本発明の一実施形態>
[2−1.ストリーム配信システムの構成]
[2−2.メタデータサーバの構成]
[2−3.メタデータクライアントの構成]
[2−4.サーバ及びクライアントの動作例]
[2−4−1.第1の動作例]
[2−4−2.第2の動作例]
[2−4−3.第3の動作例]
<3.まとめ>
【0029】
<1.解決手法の一例>
まず、以下において、上述した課題を解決するための手法の一例を説明し、続いて当該手法を実現するための本発明の一実施形態について説明する。
【0030】
[1−1.ストリームの基本情報]
上述した課題を解決するために、例えば、サーバ側は、SI(DVB−SI:Service Information)や、XMLで記述されたTV−Anytimeメタデータ(TVA)等のストリーム配信サービスをクライアントデバイスに告知するメタデータにおいて、SIのSDT(Service Description Table)やTVAのServiceInformation等のサービス(チャネル)の属性を記述する制御情報に、3Dストリームの伝送に関する各種設定を記述するための要素を定義する手法が考えられる。例えば、サービス(チャネル)の属性を記述する制御情報に、2Dストリームと3Dストリームの混在状況に関する要素を定義して、かかる要素に上記の各情報を記載して、情報をクライアント側に送信する。ストリームの混在状況としては、例えば、通常のサービス(Service)の属性の他に、メインストリームは2Dであるが、ある区間においては3Dとして構成し直すために伴送されるストリームがあることを示す。
【0031】
[1−2.ストリームの制御情報]
また、上述した課題を解決するために、サーバ側は、SIのEIT(Event Information Table)やTVAのScheduleEvent等の、あるサービスのとある時間区間であるイベントの属性を記述する制御情報に、イベントの開始時刻(Start Time)や終了時刻(End Time)等の通常のイベントの属性(Event Attributes)の他に、2Dのストリームと同期して処理されるべき3D拡張ストリームのコーデックの種類(3D Extra−Stream CodecType)、取得アドレス(例えば、マルチキャストアドレス(3D Extra−Stream URL)や、ファイルとして取得可能な場合は、ファイルのアドレス(3D Extra−Stream File−URL))に関する要素を定義して、かかる要素に上記の各情報を記載し、情報をクライアント側へ送信する手法が考えられる。
【0032】
なお、ある3D型拡張ストリームの伴送が必要な区間が、EITやScheduleEventで定義されるイベントの区間と同一でない場合には、例えば、TVAのSegment Information等に、3D型拡張ストリームの伴送が必要な区間に関する要素を定義して、かかる要素を利用してもよい。このTVAのSegment Informationは、番組内の任意の区間の属性の記述に用いるものとする。
【0033】
3D型拡張ストリームをマルチキャストにて伴送する場合には、制御情報には、アドレスの他、Required Transport QoS(必要な帯域/QoSクラス(伝送品質))を定義して、かかる要素を用いて帯域に関する情報を提供する。クライアント側では、このRequired Transport QoSを用いて、予め、伴送される時間帯に渡ってモデムやルータに対して必要なリソースが確保されるよう依頼しておくものとする。
【0034】
3D型拡張ストリームをファイルとして事前に取得する場合には、制御情報には、アドレスのほか、ストレージに格納する場合に必要な容量(RequiredStorageSize)及びダウンロード可能時間帯(DownloadTime−Start/End)を定義して、かかる要素に当該容量や時間帯に関する情報を記述し、情報をクライアント側へ送信するものとする。
【0035】
なお、3D型拡張ストリームをファイルとして事前に取得する場合、ファイルとしてインターネットから取得する場合に加えて、放送波によりダウンロードさせる場合もある。従って、制御情報に記述されるファイル取得先のアドレスとして、http等で始まるURL情報以外に、DVB(Digital Video Broadcasting)等で規定されている放送波のスロットを指定し、当該スロットからファイルを取得するようにしてもよい。
【0036】
[1−3.クライアント側の動作]
クライアント側では、これらの定義された要素に記述された情報に基づいて、あらかじめ3D型拡張ストリームのマルチキャストへの登録(Join)や、ローカルストレージにファイルとしてプリキャッシュしておく。このプリキャッシュには、クライアントデバイスが接続されるLAN上の蓄積デバイスに事前に蓄積しておいて、LAN内でデバイスに対して放送波に同期させながら受信させる場合も含む。
【0037】
図1は、上述したように定義した要素に対し、情報を記述してストリームを送信する場合の情報の記述例を示す説明図である。また図1には、2Dストリームと3D型拡張ストリームとが混在して配信されるサービス、及び2Dストリームのみが配信されるサービスの例も併せて示している。SIのSDTやTVAのServiceInformationにはストリームの混在状況を示す情報が記載され、SIのEITやTVAのScheduleEventには具体的な3D型拡張ストリームに関する情報が記載されている。
【0038】
図1には、SIのEITやTVAのScheduleEventに記載される、具体的な3D型拡張ストリームに関する情報として、3D型ストリームが発生する時間を表したEvent Attributes、3D型ストリームのコーデックの種類を表した3D Extra−Stream CodecType、サーバ側からユニキャストやマルチキャストで配信される場合の、3D型ストリームの場所を表した3D Extra−Stream URL、3D型拡張ストリームをマルチキャストにて伴送する場合における必要な帯域やQoSクラス(伝送品質)を表したRequired Transport QoS、3D型拡張ストリームをファイルとして事前に取得する場合の、3D型ストリームの場所を表した3D Extra−Stream Download−URL、ストレージに格納する場合に必要な容量を表すRequiredStorageSize、ダウンロード可能時間帯を表すDownloadTime−Start/Endが示されている。クライアント側は、これらの情報に基づいてストリームを受信し、処理を実行することで、帯域を効率的に使用し、かつチャネルサッピングを効果的に実行することが可能となる。
【0039】
<2.本発明の一実施形態>
[2−1.ストリーム配信システムの構成]
続いて、上述の本発明の一実施形態に係るストリーム配信システムの構成について説明する。図2は、本発明の一実施形態に係るストリーム配信システムの構成について示す説明図である。以下、図2を用いて本発明の一実施形態に係るストリーム配信システムの構成について説明する。
【0040】
図2に示したように、本発明の一実施形態に係るストリーム配信システム10は、サーバ20と、クライアント100とが、一方向ネットワーク11または双方向ネットワーク12を介して接続されている。ここで、一方向ネットワーク11とは、例えば地上波、衛星放送波、ケーブル等による放送型の配信メディアであり、双方向ネットワーク12とは、例えばインターネット等の双方向通信メディアである。
【0041】
サーバ20は、2D型ストリームや3D型拡張ストリームを伝送したり、ストリームに付随して送信される3D型拡張ストリームに関する情報を伝送したりするものである。本実施形態では、サーバ20は、メタデータサーバ21と、2D/3Dストリームメディアサーバ22と、を含んで構成される。メタデータサーバ21は、ストリームに付随して送信される3D型拡張ストリームに関するメタデータを生成するものである。また2D/3Dストリームメディアサーバ22は、2D型ストリームや3D型拡張ストリームを、一方向ネットワーク11または双方向ネットワーク12を介してクライアント100に伝送するものである。
【0042】
クライアント100は、サーバ20から送信されるストリームやメタデータを受信し、受信したメタデータに基づいてストリームを再生する。クライアント100は、チューナ101と、メタデータクライアント102と、2D/3Dストリームメディアクライアント103と、を含んで構成される。チューナ101は、2D/3Dストリームメディアサーバ22から送信されるストリームを受信して復号するものである。
【0043】
メタデータクライアント102は、メタデータサーバ21から送信される、または2D/3Dストリームメディアサーバ22から送信されるストリームに含まれ、チューナ101から伝送されるメタデータを受信し、受信したメタデータの解析を行う。メタデータクライアント102のメタデータの解析により、2D/3Dストリームメディアクライアント103におけるストリームの再生が制御される。
【0044】
2D/3Dストリームメディアクライアント103は、チューナ101またはホームルータ110が受信したストリームを再生するものである。2D/3Dストリームメディアクライアント103は、メタデータクライアント102によるメタデータの解析結果に基づいて、ストリームの再生を実行する。
【0045】
なお、クライアント100と双方向ネットワーク12との間にはホームルータ110が設置されていてもよい。また、ホームルータ110は、ストリームを予め保持しておく(プリキャッシュしておく)ためのストレージデバイス111を備えていても良い。なお、ストリームをプリキャッシュしておくためのストレージデバイス111は、クライアント100の内部に備えていても良く、クライアント100やホームルータ110とは別に設けられていてもよい。
【0046】
以上、図2を用いて本発明の一実施形態に係るストリーム配信システム10の構成について説明した。次に、本発明の一実施形態に係るメタデータサーバ21の構成について説明する。
【0047】
[2−2.メタデータサーバの構成]
図3は、本発明の一実施形態に係るメタデータサーバ21の構成について示す説明図である。以下、図3を用いて本発明の一実施形態に係るメタデータサーバ21の構成について説明する。
【0048】
図3に示したように、本発明の一実施形態に係るメタデータサーバ21は、メタデータ生成部31と、メタデータサーバデータベース32と、メタデータ配信部33と、を含んで構成される。
【0049】
メタデータ生成部31は、メタデータを生成する。メタデータサーバデータベース32は、メタデータ生成部31により生成されたメタデータを保持する。メタデータ配信部33は、メタデータサーバデータベース32に保持されているメタデータを、一方向ネットワーク11または双方向ネットワーク12を介してクライアント100に伝送する。
【0050】
ここで、メタデータ生成部31の構成についてより詳細に説明する。図4は、本発明の一実施形態にかかるメタデータサーバ21に含まれるメタデータ生成部31の構成を示す説明図である。
【0051】
図4に示したように、メタデータ生成部31は、生成部41と、保持部42と、更新部43と、を含んで構成される。生成部41は、メタデータを生成する。生成部41が生成するメタデータは、上述したようなストリームの混在状況を示す情報や、3D型拡張ストリームに関する情報を含んだものである。保持部42は、生成部41が生成したメタデータを保持する。更新部43は、保持部42に保持されているメタデータを更新する。
【0052】
続いてメタデータ配信部33の構成についてより詳細に説明する。図5は、本発明の一実施形態にかかるメタデータサーバ21に含まれるメタデータ配信部33の構成を示す説明図である。
【0053】
図5に示したように、メタデータサーバ21に含まれるメタデータ配信部33は、生成部51と、圧縮部52と、更新部53と、配信部54と、を含んで構成される。生成部51は、メタデータの配信単位を生成する。圧縮部52は、生成部51により生成された配信単位に含まれるメタデータを圧縮し、データ量を減少させる。更新部53は、配信単位のメタデータを更新する。配信部54は、圧縮された配信単位のメタデータを、一方向ネットワーク11または双方向ネットワーク12を介してクライアント100に伝送する。
【0054】
以上、図3〜図5を用いて本発明の一実施形態に係るメタデータサーバ21の構成について説明した。次に、本発明の一実施形態にかかるクライアント100の構成について説明する。以下の説明では、本発明の一実施形態にかかるクライアント100に含まれる、メタデータクライアント102の構成について詳細に説明する。
【0055】
[2−3.メタデータクライアントの構成]
図6は、本発明の一実施形態にかかるクライアント100に含まれる、メタデータクライアント102の構成について示す説明図である。図6に示したように、本発明の一実施形態にかかるクライアント100に含まれる、メタデータクライアント102は、受信部121と、解凍部122と、保持部123と、制御部124と、を含んで構成される。
【0056】
受信部121は、一方向ネットワーク11または双方向ネットワーク12を介してサーバ20から伝送されてきたメタデータを受信する。解凍部122は、受信部121により受信された圧縮されているメタデータを解凍する。保持部123は、解凍部122により解凍されたメタデータを保持する。制御部124は、保持部123が保持するメタデータの内容に基づいて、2D/3Dストリームメディアクライアント103の動作を制御する。
【0057】
このようにメタデータクライアント102を構成することで、クライアント100は、一方向ネットワーク11または双方向ネットワーク12を介してサーバ20から伝送されてきたメタデータを受信して、2D/3Dストリームメディアクライアント103の動作を制御することができる。
【0058】
以上、図6を用いて、本発明の一実施形態にかかるクライアント100に含まれる、メタデータクライアント102の構成について説明した。次に、本発明の一実施形態にかかるサーバ20及びクライアント100の動作について説明する。
【0059】
[2−4.サーバ及びクライアントの動作例]
[2−4−1.第1の動作例]
図7は、本発明の一実施形態にかかるサーバ20及びクライアント100の第1の動作例について示す流れ図である。以下、図7を用いて本発明の一実施形態にかかるサーバ20及びクライアント100の第1の動作例について説明する。この第1の動作例は、マルチキャストによって3D型拡張ストリームがサーバ20から送信され、複数の3Dストリームをクライアント100でチャネルザッピングする場合について示したものである。
【0060】
まず、3D番組に先立って、サーバ20のメタデータサーバ21から、一方向ネットワーク11または双方向ネットワーク12を介してメタデータを送信する(ステップS101)。メタデータサーバ21から、一方向ネットワーク11または双方向ネットワーク12を介して送信されたメタデータをクライアント100が受信すると、クライアント100では、メタデータクライアント102において受信したメタデータの解析が行われる。ここでは、メタデータクライアント102は、受信したメタデータの、クライアント100のユーザへの提示や、ユーザに対するチャネル選択の催促を実行する(ステップS102)。
【0061】
上記ステップS102において、メタデータクライアント102が、受信したメタデータの、クライアント100のユーザへの提示や、ユーザに対するチャネル選択の催促を実行し、クライアント100のユーザがチャネルを選択すると、メタデータクライアント102は、ユーザが選択したチャネルを受信するように2D/3Dストリームメディアクライアント103へ通知する(ステップS103)。メタデータクライアント102からの通知を受けた2D/3Dストリームメディアクライアント103は、ホームルータ110に対して、ユーザの選択対象を含む3D拡張マルチキャストストリームへの登録と、必要となるQoSの確保(予約)を指示する(ステップS104)。
【0062】
上記ステップS104において、2D/3Dストリームメディアクライアント103からの指示を受けたホームルータ110は、ユーザの選択対象を含む3D拡張マルチキャストストリームへの登録と、必要となるQoSの確保処理の結果を、2D/3Dストリームメディアクライアント103へ通知する(ステップS105)。
【0063】
具体的には、ホームルータ110は、ユーザが選択したチャネルの対象ストリームのアドレス(3D Extra−Stream URL)に対してマルチキャスト参加を行う。マルチキャスト参加の方法としては、例えば、IGMPプロトコルのJoinコマンドの発行であってもよい。また、ネットワークが帯域等QoSの予約機能をサポートしている場合には、Required Transport QoSに基づいて、対象ストリームに必要なネットワーク上の必要な帯域、品質等のネットワークリソース確保を行う。ネットワークリソースの確保の方法としては、例えば、IMS(http://wbb.forum.impressrd.jp/feature/20060720/165を参照)等のプロトコルを用いても良い。ネットワークリソースの確保が滞りなく行われ、ストリームを転送する準備が整った場合には、ホームルータ110は、ネットワークリソースの確保が滞りなく行われ、ストリームの転送準備が整った旨を2D/3Dストリームメディアクライアント103に通知する。
【0064】
その後、2D/3Dストリームメディアサーバ22から、2以上の3D拡張ストリームがマルチキャスト送信される(ステップS106)。そして、2D/3Dストリームメディアクライアント103は、2Dストリーム及び3D拡張ストリームの再生要求をホームルータ110に送る(ステップS107)。ステップS107において、2Dストリーム及び3D拡張ストリームの再生要求を受け取ったホームルータ110は、2D/3Dストリームメディアサーバ22から送信される3D拡張ストリームの内、ユーザが選択したチャネルの対象ストリームを2D/3Dストリームメディアクライアント103に送る(ステップS108)。
【0065】
チューナ101により、一方向ネットワークを介して、2D/3Dストリームメディアサーバ22から送信される2Dストリームの取得が、インターネットを経由して、2D/3Dストリームメディアサーバ22から送信される3D拡張ストリームの取得と同時に行われる。クライアント100は、一方向ネットワークを介して、2D/3Dストリームメディアサーバ22から送信される2Dストリームと、インターネットから取得される3D拡張ストリームとを合わせたコンテンツ再生処理を実行する。
【0066】
上記ステップS105においてホームルータ110がマルチキャスト参加に成功し、かつ、必要なネットワークリソースが確保されたストリームに対応する3Dチャンネルについては、チャネルチェンジが高速に処理可能である。ユーザがリモートコントローラのチャネル選択ボタン等でチャネルを切り替え、メタデータクライアント102が、ユーザが指定したチャネルへの切り替えを2D/3Dストリームメディアクライアント103に通知すると(ステップS109)、2D/3Dストリームメディアクライアント103は、メタデータクライアント102が指定し、上記ステップS107で再生要求を送出したストリームとは別の2Dストリーム及び3D拡張ストリームの再生要求をホームルータ110に送る(ステップS110)。ステップS110において、2Dストリーム及び3D拡張ストリームの再生要求を受け取ったホームルータ110は、2D/3Dストリームメディアサーバ22から送信される3D拡張ストリームの内、ユーザが選択したチャネルの対象ストリームを2D/3Dストリームメディアクライアント103に送る(ステップS111)。
【0067】
このように、この第1の動作例では、あらかじめ3D拡張ストリームのマルチキャストへ登録(Join)しておくことによって、クライアント100におけるチャネル切り替えの高速化を実現することが可能となる。
【0068】
[2−4−2.第2の動作例]
図8は、本発明の一実施形態にかかるサーバ20及びクライアント100の第2の動作例について示す流れ図である。以下、図8を用いて本発明の一実施形態にかかるサーバ20及びクライアント100の第2の動作例について説明する。この第2の動作例は、ローカルストレージに予めストリームをキャッシュする(プリキャッシュする)場合における、クライアント100での複数の3Dストリームのチャネルザッピング処理について示したものである。
【0069】
まず、3D番組に先立って、サーバ20のメタデータサーバ21から、一方向ネットワーク11または双方向ネットワーク12を介してメタデータを送信する(ステップS121)。メタデータサーバ21から、一方向ネットワーク11または双方向ネットワーク12を介して送信されたメタデータをクライアント100が受信すると、クライアント100では、メタデータクライアント102において受信したメタデータの解析が行われる。ここでは、メタデータクライアント102は、受信したメタデータの、クライアント100のユーザへの提示や、ユーザに対するチャネル選択の催促を実行する(ステップS122)。
【0070】
上記ステップS122において、メタデータクライアント102が、受信したメタデータの、クライアント100のユーザへの提示や、ユーザに対するチャネル選択の催促を実行し、クライアント100のユーザがチャネルを選択すると、メタデータクライアント102は、ユーザが選択したチャネルを受信するように2D/3Dストリームメディアクライアント103へ通知する(ステップS123)。メタデータクライアント102からの通知を受けた2D/3Dストリームメディアクライアント103は、ホームルータ110に対して、ユーザの選択対象を含む3D拡張ストリームのプリキャッシュを依頼する(ステップS124)。
【0071】
2D/3Dストリームメディアクライアント103から複数の3D拡張ストリームについてのプリキャッシュ依頼を受け取ったホームルータ110は、対象ストリームのファイルのアドレス情報(3D Extra−Stream Download−URL)を用いて、サーバ20の2D/3Dストリームメディアサーバ22から、指定されたファイルを取得する。ホームルータ110によるファイルの取得は、例えば、HTTPプロトコルやその他の通信プロトコルにより行われても良い。2D/3Dストリームメディアサーバ22は、指定されたファイルをホームルータ110へ送信する(ステップS125)。ホームルータ110は、2D/3Dストリームメディアサーバ22から送信されたファイルをプリキャッシュしておく。ファイルをプリキャッシュしておく場所は、ホームルータ110に備えられたストレージデバイスであってもよく、クライアント100の中に備えられたストレージデバイスであってもよく、またホームルータ110に接続され、クライアント100やホームルータ110とは別に設けられたストレージデバイスであってもよい。以下の説明では、ファイルをプリキャッシュしておく場所は、ホームルータ110に備えられたストレージデバイスであるとして説明する。ホームルータ110によるファイル取得が滞りなく行われ、ストリームを転送する準備が整った場合には、ファイル取得が滞りなく行われ、ストリームを転送する準備が整った旨を2D/3Dストリームメディアクライアント103に通知する(ステップS126)。
【0072】
チューナ101により、一方向ネットワークを介して、2D/3Dストリームメディアサーバ22から送信される2Dストリームの取得が、ホームルータ110によってプリキャッシュされた3D拡張ストリームの取得と同時に行われる。クライアント100は、一方向ネットワークを介して、2D/3Dストリームメディアサーバ22から送信される2Dストリームと、ホームルータ110によってプリキャッシュされた3D拡張ストリームとを合わせたコンテンツ再生処理を実行する。具体的には、2D/3Dストリームメディアクライアント103がホームルータ110に対して、2Dストリーム及び3D拡張ストリームの再生要求を送ると(ステップS127)、ホームルータ110は、プリキャッシュしておいたファイルを2D/3Dストリームメディアクライアント103へ伝送する(ステップS128)。
【0073】
ホームルータ110がプリキャッシュに成功したストリームに対応する3Dチャンネルについては、チャネルの切り替え処理を高速に処理することが可能である。ユーザがリモートコントローラのチャネル選択ボタン等でチャネルを切り替え、メタデータクライアント102が、ユーザが指定したチャネルへの切り替えを2D/3Dストリームメディアクライアント103に通知すると(ステップS129)、2D/3Dストリームメディアクライアント103は、メタデータクライアント102が指定し、上記ステップS127で再生要求を送出したストリームとは別の2Dストリーム及び3D拡張ストリームの再生要求をホームルータ110に送る(ステップS130)。ステップS130において、2Dストリーム及び3D拡張ストリームの再生要求を受け取ったホームルータ110は、2D/3Dストリームメディアサーバ22から送信される3D拡張ストリームの内、ユーザが選択したチャネルに対応する、プリキャッシュしておいたファイルを2D/3Dストリームメディアクライアント103へ伝送する(ステップS131)。
【0074】
このように、この第2の動作例では、あらかじめ3D拡張ストリームのファイルをクライアント側にプリキャッシュしておくことで、クライアント100におけるチャネル切り替えの高速化を実現することが可能となる。
【0075】
[2−4−3.第3の動作例]
図9は、本発明の一実施形態にかかるサーバ20及びクライアント100の第3の動作例について示す流れ図である。以下、図9を用いて本発明の一実施形態にかかるサーバ20及びクライアント100の第3の動作例について説明する。この第3の動作例は、事前にマルチキャストストリーム取得の事前スケジューリングを行っておき、複数の3Dストリームをクライアント100でチャネルザッピングする場合について示したものである。
【0076】
まず、3D番組に先立って、サーバ20のメタデータサーバ21から、一方向ネットワーク11または双方向ネットワーク12を介してメタデータを送信する(ステップS141)。メタデータサーバ21から、一方向ネットワーク11または双方向ネットワーク12を介して送信されたメタデータをクライアント100が受信すると、クライアント100では、受信したメタデータに基づいて、メタデータクライアント102が3D拡張マルチキャストストリームへの登録及び必要QoSの確保(予約)の事前スケジューリングを行うとともに、ホームルータ110に対し、スケジュールに沿った3D拡張マルチキャストストリームへの登録と必要QoSの確保を実行する(ステップS142)。
【0077】
上記ステップS142においては、メタデータサーバ21から提供されるメタデータをもとに、エンドユーザの選択しそうな”3D拡張マルチキャストストリーム取得の事前スケジューリングを行い、そのスケジュールに基づいて、ホームルータ110に対する事前リソースやQoS確保予約を行う。ここで、エンドユーザが選択しそうかそうでないかの判断基準は、例えば、クライアント100の内部に設けられたエンドユーザの嗜好データベース等を利用してもよい。
【0078】
図10A及び図10Bは、3D拡張マルチキャストストリーム取得の事前スケジューリングに基づく、メタデータクライアント102からホームルータ110に対する事前リソース及びQoSの確保予約について示す説明図である。図10Aでは、SIのSDTやTVAのServiceInformationによるストリームの混在状況の一例を示しており、図10Bでは、SIのEITやTVAのScheduleEventを用いて事前スケジューリングを行う様子の一例を示している。
【0079】
図10Aについて説明すると、時刻T1において、Service−3で3D拡張マルチキャストストリームの配信が始まり、時刻T2からT4の間において、Service−1で3D拡張マルチキャストストリームの配信が行われ、時刻T3において、Service−2で3D拡張マルチキャストストリームの配信が始まることを示している。
【0080】
続いて図10Bについて説明する。Service−1では、3D拡張マルチキャストストリームの開始時刻がT2、終了時刻がT4であり、当該ストリームの配信元のURLは“url−3D(1.2)”であり、当該ストリームのQoS(保障速度)は8Mbpsであることを示している。同様に、Service−2では、3D拡張マルチキャストストリームの開始時刻がT3であり、当該ストリームの配信元のURLは“url−3D(2.2)”であり、当該ストリームのQoS(保障速度)は10Mbpsであることを示している。また同様に、Service−3では、3D拡張マルチキャストストリームの開始時刻がT1であり、当該ストリームの配信元のURLは“url−3D(3.2)”であり、当該ストリームのQoS(保障速度)は3Mbpsであることを示している。
【0081】
これらの情報から、メタデータクライアント102は3D拡張マルチキャストストリーム取得の事前スケジューリングを実行する。その結果、図10Bに示した例では、メタデータクライアント102は、時刻T1直前に、3D Extra−Stream URL:“url−3D(3.2)”に登録して、保障速度3Mbpsを確保し、時刻T2直前に、3D Extra−Stream URL:“url−3D(1.2)”に登録して、保障速度8Mbpsを確保し、時刻T3直前に、3D Extra−Stream URL:“url−3D(2.2)”に登録して、保障速度10Mbpsを確保し、時刻T4直後に、3D Extra−Stream URL:“url−3D(1.2)”の登録を解除し、保障速度10Mbpsの確保を解除するように、スケジューリングを実行する。
【0082】
ホームルータ110は、メタデータクライアント102からの3D拡張マルチキャストストリームへの登録と必要QoSの確保をするよう通知を受けると、3D拡張マルチキャストストリームへの登録及び必要QoSの確保処理を実行し、その結果を2D/3Dストリームメディアクライアント103へ通知する(ステップS143)。具体的には、ホームルータ110は、メタデータクライアント102から複数の3D拡張ストリームについてのマルチキャスト登録と必要QoSの確保依頼がなされると、対象ストリームのアドレス(3D Extra−Stream URL)に対してマルチキャスト参加を行う。このマルチキャスト参加は、例えばIGMPプロトコルのJoinコマンドの発行によって実行してもよい。また、ネットワークが帯域等QoSの予約機能をサポートしている場合には、対象ストリームに必要なネットワーク上の必要な帯域、品質等のネットワークリソース確保を行う。対象ストリームに必要なネットワーク上の必要な帯域は、例えばメタデータサーバ21から送信されるメタデータに含まれる、Required Transport QoSの情報に基づいて確保する。また品質等のネットワークリソース確保は、例えば、IMS(http://wbb.forum.impressrd.jp/feature/20060720/165)等のプロトコルにより行ってもよい。ネットワークリソース確保が滞りなく行われ、ストリームを転送する準備が整った場合には、その旨を2D/3Dストリームメディアクライアント103に通知する。
【0083】
その後、メタデータクライアント102は、上記ステップS142での事前スケジューリングに基づいて、2D/3Dストリームメディアクライアント103に対して3D拡張ストリームの選択を指示する(ステップS144)。
【0084】
2D/3Dストリームメディアサーバ22は複数の3D拡張マルチキャストストリームを送信する(ステップS145)。ホームルータ110は、2D/3Dストリームメディアサーバ22から送信されるストリームの内、上記ステップS144で指示された3D拡張ストリームを2D/3Dストリームメディアクライアント103へ送信する(ステップS147)。
【0085】
チューナ101では、一方向ネットワークを介して、2D/3Dストリームメディアサーバ22から送信される2Dストリームの取得が、2D/3Dストリームメディアサーバ22から送信される3D拡張ストリームの取得と共に行われる。2D/3Dストリームメディアクライアント103は、一方向ネットワークを介して2D/3Dストリームメディアサーバ22から送信される2Dストリームと、メタデータクライアント102から選択が指示された3D拡張ストリームとを合わせたコンテンツ再生処理を実行する(ステップS146)。
【0086】
上記ステップS143においてホームルータ110がマルチキャスト参加に成功し、かつ、必要なネットワークリソースが確保されたストリームに対応する3Dチャンネルについては、チャネルチェンジが高速に処理可能である。ユーザがリモートコントローラのチャネル選択ボタン等でチャネルを切り替え、メタデータクライアント102が、ユーザが指定したチャネルへの切り替えを2D/3Dストリームメディアクライアント103に通知すると(ステップS148)、2D/3Dストリームメディアクライアント103は、メタデータクライアント102が指定したストリームとは別の2Dストリーム及び3D拡張ストリームの再生要求をホームルータ110に送る。
【0087】
2Dストリーム及び3D拡張ストリームの再生要求を受け取ったホームルータ110は、2D/3Dストリームメディアサーバ22から送信される3D拡張ストリームの内、ユーザが選択したチャネルの対象ストリームを2D/3Dストリームメディアクライアント103に送る(ステップS150)。2D/3Dストリームメディアクライアント103は、一方向ネットワークを介して2D/3Dストリームメディアサーバ22から送信される2Dストリームと、メタデータクライアント102から選択が指示された3D拡張ストリームとを合わせたコンテンツ再生処理を実行する(ステップS149)。
【0088】
このように、この第3の動作例では、あらかじめ3D拡張ストリーム取得をスケジューリングしておくことで、クライアント100におけるチャネル切り替えの高速化を実現することが可能となる。
【0089】
<3.まとめ>
以上説明したように本発明の一実施形態によれば、サーバ20から、3D拡張ストリームの混在状況及び3D拡張ストリームに関する各種情報を記述したメタデータを送信する。クライアント100側は、サーバ20から送信されてくるメタデータを受信し、メタデータに基づいて予めマルチキャスト参加及びネットワークリソースの確保を行ったり、3Dストリームの再生に必要となるファイルをプリキャッシュしたりしておく。これにより、クライアント100では、3D型放送番組が放送されている場合に、高速なチャネルザッピング処理が可能となる。
【0090】
なお、上述した一連の処理は、ハードウエアにより実行させることもできるし、ソフトウエアにより実行させることもできる。一連の処理をソフトウエアにより実行させる場合には、そのソフトウエアを構成するプログラムが、専用のハードウエアに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどに、プログラム記録媒体からインストールされる。
【0091】
また、通信とは、無線通信および有線通信は勿論、無線通信と有線通信とが混在した通信、即ち、ある区間では無線通信が行われ、他の区間では有線通信が行われるようなものであっても良い。さらに、ある装置から他の装置への通信が有線通信で行われ、他の装置からある装置への通信が無線通信で行われるようなものであっても良い。
【0092】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【産業上の利用可能性】
【0093】
本発明は、ストリーム受信装置、ストリーム受信方法、ストリーム送信装置、ストリーム送信方法及びコンピュータプログラムに適用可能であり、特に3Dストリームの配信や再生を制御するストリーム受信装置、ストリーム受信方法、ストリーム送信装置、ストリーム送信方法及びコンピュータプログラムに適用可能である。
【符号の説明】
【0094】
10 ストリーム配信システム
11 一方向ネットワーク
12 双方向ネットワーク
20 サーバ
21 メタデータサーバ
22 2D/3Dストリームメディアサーバ
31 メタデータ生成部
32 メタデータサーバデータベース
33 メタデータ配信部
41 生成部
42 保持部
43 更新部
51 生成部
52 圧縮部
53 更新部
54 配信部
100 クライアント
101 チューナ
102 メタデータクライアント
103 2D/3Dストリームメディアクライアント
110 ホームルータ
111 ストレージデバイス
121 受信部
122 解凍部
123 保持部
124 制御部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部からネットワークを通じて配信される3Dストリームに関する、メタデータで記述されたストリーム制御情報を受信する情報受信部と、
前記情報受信部が受信した前記ストリーム制御情報を用いて、3Dストリームの配信前に該配信される3Dストリームの確保に関する処理を実行してストリームを予約するストリーム確保部と、
ネットワークを通じて配信された3Dストリームを前記ストリーム確保部で予約した結果に基づいて受信するストリーム受信部と、
を備える、ストリーム受信装置。
【請求項2】
前記ストリーム確保部は、外部からマルチキャスト配信される1または2以上の3Dストリームに対して予めマルチキャストへの加入処理を実行して該3Dストリームを確保する、請求項1に記載のストリーム受信装置。
【請求項3】
前記ストリーム確保部は、予め1または2以上の3Dストリームが再生される前に、該3Dストリームを予め保存して該3Dストリームを確保する、請求項1に記載のストリーム受信装置。
【請求項4】
前記ストリーム確保部は、外部からマルチキャスト配信される1または2以上の3Dストリームに対して、マルチキャストへの加入処理をスケジューリングして該3Dストリームを確保する、請求項1に記載のストリーム受信装置。
【請求項5】
前記情報受信部が受信する前記制御情報には、3Dストリームと2Dストリームの混在状況が記述されている、請求項1に記載のストリーム受信装置。
【請求項6】
前記情報受信部が受信する前記制御情報には、3Dストリームの帯域情報が記述されている、請求項1に記載のストリーム受信装置。
【請求項7】
前記情報受信部が受信する前記制御情報には、3Dストリームの配信方式が記述されている、請求項1に記載のストリーム受信装置。
【請求項8】
前記情報受信部が受信する前記制御情報には、3Dストリームのダウンロード可能時間が記述されている、請求項1に記載のストリーム受信装置。
【請求項9】
外部からネットワークを通じて配信される3Dストリームに関する、メタデータで記述されたストリーム制御情報を受信する情報受信ステップと、
前記情報受信ステップで受信した前記ストリーム制御情報を用いて、3Dストリームの配信前に該配信される3Dストリームの確保に関する処理を実行してストリームを予約するストリーム確保ステップと、
ネットワークを通じて配信された3Dストリームを前記ストリーム確保ステップで予約した結果に基づいて受信するストリーム受信ステップと、
を備える、ストリーム受信方法。
【請求項10】
コンピュータに、
外部からネットワークを通じて配信される3Dストリームに関する、メタデータで記述されたストリーム制御情報を受信する情報受信ステップと、
前記情報受信ステップで受信した前記ストリーム制御情報を用いて、3Dストリームの配信前に該配信される3Dストリームの確保に関する処理を実行してストリームを予約するストリーム確保ステップと、
ネットワークを通じて配信された3Dストリームを前記ストリーム確保ステップで予約した結果に基づいて受信するストリーム受信ステップと、
を実行させる、コンピュータプログラム。
【請求項11】
ネットワークを通じて配信する3Dストリームに関するストリーム制御情報をメタデータで記述する情報記述部と、
前記情報記述部が記述した前記3Dストリームのストリーム制御情報を該3Dストリームの配信に先立って送信する情報送信部と、
前記情報記述部が記述した前記3Dストリームのストリーム制御情報に基づいて、ネットワークを通じて該3Dストリームを配信するストリーム配信部と、
を備える、ストリーム送信装置。
【請求項12】
前記情報記述部が記述する前記制御情報には、3Dストリームと2Dストリームの混在状況が含まれる、請求項11に記載のストリーム送信装置。
【請求項13】
前記情報記述部が記述する前記制御情報には、3Dストリームの帯域情報が含まれる、請求項11に記載のストリーム送信装置。
【請求項14】
前記情報記述部が記述する前記制御情報には、3Dストリームの配信方式が含まれる、請求項11に記載のストリーム送信装置。
【請求項15】
前記情報記述部が記述する前記制御情報には、3Dストリームのダウンロード可能時間が含まれる、請求項11に記載のストリーム送信装置。
【請求項16】
ネットワークを通じて配信する3Dストリームに関するストリーム制御情報をメタデータで記述する情報記述ステップと、
前記情報記述ステップで記述した前記3Dストリームのストリーム制御情報を該3Dストリームの配信に先立って送信する情報送信ステップと、
前記情報記述ステップで記述した前記3Dストリームのストリーム制御情報に基づいて、ネットワークを通じて該3Dストリームを配信するストリーム配信ステップと、
を備える、ストリーム送信方法。
【請求項17】
コンピュータに、
ネットワークを通じて配信する3Dストリームに関するストリーム制御情報をメタデータで記述する情報記述ステップと、
前記情報記述ステップで記述した前記3Dストリームのストリーム制御情報を該3Dストリームの配信に先立って送信する情報送信ステップと、
前記情報記述ステップで記述した前記3Dストリームのストリーム制御情報に基づいて、ネットワークを通じて該3Dストリームを配信するストリーム配信ステップと、
を実行させる、コンピュータプログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−97227(P2011−97227A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−247516(P2009−247516)
【出願日】平成21年10月28日(2009.10.28)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】