説明

ストロー及びストロー包装体

【課題】包装体を確実に処理でき、包装体によりテーブルや床などを汚すことがなく、また外で飲料を飲む場合に、道路等に包装体を破棄することを防止して環境を保全し、更に、ストロー使用時にストローの外周面が濡れても、包装体によりストローを持つ手の滑り止めを図ることができ、更にまた、包装体もストローと同一の種類のリサイクル処理が可能な材質で形成することにより、両者を分離することなく処理できるストロー及びストロー包装体を提供することを目的とする。
【解決手段】ストロー本体(1)と、このストロー本体を被覆するストロー包装体(2)とを具備し、前記ストロー本体の周面の一部とこのストロー包装体の周面の一部とが部分的に接合されていて、ストロー包装体による被覆を解除した時に、ストロー包装体を接合部(1a)に向けて収縮可能としており、かつ、ストロー本体とストロー包装体とは、同一種類のリサイクル処理が可能な材質で形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ストロー及びストロー包装体の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、飲料用のストローとその包装体は分離可能となっている。このため、喫茶店などの顧客は、しばしば、包装体の始末を忘れ、或いは包装体が風等で床に落ち、テーブルや床等を汚す原因となっていた。更には、飲料をコンビニ等で購入し、外で飲む場合には、ゴミ箱がないと包装体を道等に捨てる者がおり、環境保全上問題である。また、包装体を一方の手に持って飲料を飲もうとしても、飲料容器にストローを入れる等の動作が困難である。
【0003】
また、ストローが樹脂で、包装体が紙などのように、両者の素材が異なると、これらの廃棄物についてそれぞれ別の処理をしなければならない問題がある。
【0004】
更に、例えば冷たい飲料を、ストローを通して飲んでいるときに、ストローの外側が結露して濡れることがある。ストローが濡れると、ストローを持っている手が滑りやすく問題がある。
【0005】
ストロー及びストロー包装体に関しては特許文献1、2があるが、上記の視点でストロー包装体の問題点を検討したものはない。
【特許文献1】特開2003−200935号公報
【特許文献2】特開2004-244105号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、包装体を確実に処理でき、包装体により、テーブルや床、更には道路などを汚すことがないストロー及びストロー包装体を提供することを目的とする。
【0007】
本発明は、ストロー使用時に、包装体により、ストローの外周面が濡れてもストローを持つ手の滑り止めを図ることができるストロー及びストロー包装体を提供することを目的とする。
【0008】
本発明は、ストローと同一種類のリサイクル処理が可能な材質でストロー包装体を形成することにより、両者を分離することなく一体的にリサイクル処理することができるストロー及びストロー包装体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)ストロー本体と、このストロー本体を被覆するストロー包装体とを具備し、
前記ストロー本体の周面の一部とこのストロー包装体の周面の一部とが部分的に接合されていて、ストロー包装体による被覆を解除した時に、ストロー包装体を接合部に向けて収縮可能としており、かつ、
ストロー本体とストロー包装体とは、同一種類のリサイクル処理が可能な材質で形成されていることを特徴とするストロー及びストロー包装体。
【0010】
(2)ストロー本体は、飲料用ストロー本体で、前記ストロー本体の周面とこのストロー包装体との部分的接合個所は、飲料を飲むときにストローを手で押さえる個所であることを特徴とする(1)に記載のストロー及びストロー包装体。
【0011】
(3)ストロー及びストロー包装体は、何れも、生分解性樹脂からなることを特徴とする(1)又は(2)に記載のストロー及びストロー包装体。
【0012】
定義
請求項及び明細書の記載おいて、リサイクル処理は、マテリアルリサイクル、エネルギーリサイクルを含む。マテリアルリサイクルは、再び同一の材質の原料として利用する場合に限らず、生ごみのコンポスト化のように廃棄物とは異なるものに変換して利用する場合、ケミカルリサイクル等を含む。エネルギーリサイクルは、フューエルリサイクル、直接発電、熱利用等を含む。
【0013】
同一種類のリサイクル処理が可能な材質とは、ストロー本体の材質とストロー包装体の材質とが同じ種類のリサイクル処理が可能であることを意味する。例えば、ストロー及びストロー包装体を、何れも、生分解性樹脂で作れば、生ごみのようにコンポスト化するという同じ種類のリサイクル処理が可能となる。
【0014】
ちなみに、プラスチックのリサイクル処理の種類としては、熱を加えて溶融、成形し再度プラスチック製品として利用する、化学的に分解したプラスチックの原料にリサイクル利用する、熱分解により原料のモノマーを回収してリサイクル利用する、熱分解により油やガスを回収してプラスチック原料や燃料等にリサイクル利用する、固形化燃料としてリサイクル利用する、高炉還元剤としてリサイクル利用する、コークス炉化学原料化によりリサイクル利用する、生ごみと同様にコンポスト処理する等が挙げられるが、これに限定されるものではない。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、包装体がストロー本体と接合しているので、包装体をストロー本体と分離することなく一体に廃棄可能なので、分離された包装体でテーブルや床などを汚すことがない。また、飲料を外で飲むときに包装体を道路等に捨てることを防ぎ、環境を保全を図ることができる。
【0016】
また、ストロー使用時に、包装体が接合部分に縮められているので、ストローの外表面が結露等により濡れて滑りやすくなったとしても、ここで、ストローを持つ手の滑り止めを図ることができる。
【0017】
更に、ストローと同一種類のリサイクル処理が可能な材質で包装体を形成しているので、両者を分離することなく一緒のまま廃棄して、同じ種類のリサイクル処理を施すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明に係るストロー本体は、使用前に包装体に被覆され、使用時に包装体の被覆を外して使用されるものであれば、任意のストローの用途に適用できる。従って、飲料用ストローに限らず、飲食以外のストロー、例えば、工業用プラスチックパイプ、細菌検査用プラスチックパイプ、めざし用ストロー、インテリア、装飾用ストロー等も本発明の対象である。
【0019】
その形状は、細長い筒状のものに限らず、径の太い筒状のもの、中間をいくつかに分割し、更に入れ子式にした、いわゆる「伸びるストロー」、中間に蛇腹加工を施して任意の角度に折り曲げ可能とした、いわゆる「フレキシブルストロー」、吸い口側が2又はそれ以上に分岐しているストロー、その他、片先ストロー、スプーンストロー、マドラーストロー等、任意のストローに適用できる。
【0020】
ストロー本体の材質は、ストローに適用されうる材質であれば任意の材質を適用できる。プラスチックに限らず、紙質のもの等も可能である。特に、生分解性樹脂からなるストローは、生ごみと同様にコンポストとして処理できるので、環境にやさしい。
【0021】
ストロー包装体は、収縮可能な柔軟な材料で構成され、材質は、ストロー本体と同質とする。同質とは、上記の定義で規定したとおりてある。
【0022】
ストロー包装体は、ストロー使用時に、接合個所のところに集められて、縮められるので、接合個所はストローの使用を妨げない個所とする。特に、ストローを手に持って使用する場合、接合個所は手に持つ個所又はその近傍がよい。
【0023】
接着方法は、加熱融着、接着剤等があるが、特に限定されるものではない。
【0024】
以下に図面を参照して本発明のストローの使用方法を説明する。
【0025】
ストローの使用前は、例えば、ストロー本体(1)の周面、上端部及び下端部がストロー包装体(2)で被覆されている。また、ストロー本体(1)とストロー包装体(2)の中央部のうち、使用時に手に持つ個所(1a)が接合されている。ストロー使用時に、ストロー包装体(2)の上端部及び下端部を開け、上下端部をそれぞれ接合部(1a)方向に押し縮める。このことにより、ストロー包装体(2)は、ストロー本体(1)との接合部(1a)に蛇腹状に収縮した状態で保持される。この状態で、ストロー本体の下部(飲料用の場合、容器に差し込まれる部分)及び上部(飲料用の場合、口から吸い込む部分)は、ストロー包装体の被覆が外れており、ストローから飲料を吸引することができる。
【0026】
蛇腹状に収縮したストロー包装体(2)は、そこに人の指がかかるので、滑り止めになり、ストローの外表面が結露等により濡れても指が滑ることがなく、飲料をスムーズに吸引することができる。
【0027】
次いで、使用後のストローをゴミ箱などに捨てる場合、ストロー包装体(2)がストロー本体(1)と接合しているので、ストロー包装体を捨て忘れることはない。
【0028】
しかも、ストロー本体(1)とストロー包装体(2)とは、同一の種類のリサイクル可能な材質で形成されているので、ごみの分別時にストロー本体とストロー包装体とを分離することなく、そのまま同じ処理をすることができる(同じカテゴリーの範疇の分別ごみとすることができる)。例えば、ストロー本体とストロー包装体とを生分解性樹脂(例えば、ポリ乳酸を原料とする植物由来の樹脂)から作った場合、使用後に生ごみと同様に処理することができ、また、焼却しても有害物質を発生しない。
【0029】
例えば、ストロー本体がプラスチックの範疇の分別ごみであるのに対し、ストロー包装体は燃えるごみの範疇の分別ごみであると、これらを分離して廃棄しなければならないが、本発明によれば、同じ分別ごみのところに捨てることができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】ストロー包装体に被覆された使用前のストロー本体の説明図。
【図2】ストロー包装体の被覆を解除した使用時のストロー本体の説明図。
【符号の説明】
【0031】
10・・・ストロー本体
10a・・・接合個所
20・・・ストロー包装体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ストロー本体と、このストロー本体を被覆するストロー包装体とを具備し、
前記ストロー本体の周面の一部とこのストロー包装体の周面の一部とが部分的に接合されていて、ストロー包装体による被覆を解除した時に、ストロー包装体を接合部に向けて収縮可能としており、かつ、
ストロー本体とストロー包装体とは、同一種類のリサイクル処理が可能な材質で形成されていることを特徴とするストロー及びストロー包装体。
【請求項2】
ストロー本体は、飲料用ストロー本体で、前記ストロー本体の周面とこのストロー包装体との部分的接合個所は、飲料を飲むときにストローを手で押さえる個所であることを特徴とする請求項1に記載のストロー及びストロー包装体。
【請求項3】
ストロー及びストロー包装体は、何れも、生分解性樹脂からなることを特徴とする請求項1又は2に記載のストロー及びストロー包装体。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−100304(P2010−100304A)
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−272297(P2008−272297)
【出願日】平成20年10月22日(2008.10.22)
【特許番号】特許第4287499号(P4287499)
【特許公報発行日】平成21年7月1日(2009.7.1)
【出願人】(508316900)株式会社 ライトエアー (1)
【Fターム(参考)】