説明

スナック食品の製造方法及びそれにより製造される製品

【課題】 食品片に酵素及び/又はカチオン処理及び/又は特有の調理及び/又は乾燥技術を施し、従来の脂肪分の高い製品の食感(テクスチャー)、風味、及びその他の特徴を有するスナック食品を提供する。
【解決手段】
低脂肪又は無脂肪スナック食品の製造方法、及び当該方法により製造される製品であって、食品片は酵素及び/又はカチオン処理及び/又は特有の調理及び/又は乾燥技術を施され、従来の脂肪分の高い製品の食感、風味、及びその他の特徴を有するスナック食品を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2005年10月4日に出願された米国仮特許出願第60/723,880号及び2006年7月28日に出願された米国仮特許出願第60/820,743号への優先権を主張し、これら全体を参照として本明細書に組み入れる。
【背景技術】
【0002】
本発明は、一般に低脂肪、無脂肪、又は脂肪分の高いスナック食品の製造方法、及び当該方法により製造される製品に関し、食品片に酵素及び/又はカチオン処理及び/又は特有の調理及び/又は乾燥技術を施し、従来の脂肪分の高い製品の食感(テクスチャー)、風味、及びその他の特徴を有するスナック食品を提供する。
【0003】
スナック食品は、通常スライスされた食品片の水分含量を非常に低レベルに減少させ、脂肪含有量を飛躍的に増加させるように、スライスされた野菜片を熱い油で揚げることにより製造される。かかる製品は、一般に感覚刺激性の望ましさを著しく増大させる独特のパリパリ感(crispness)を有している。従来の方法で製造されたフライドポテト又はアップルチップスは、一般に約30重量%〜約40重量%の脂肪を含有しており、これは一部の人が不健康であると考える割合である。従って、もしこれらの種類の製品が低脂肪食品に広く置き換われば、その消費量はやがて飛躍的となる。前記のような製品が市場で受け入れられている一方、脂肪摂取量を低減したいという消費者の望みが、この受け入れを制限している。
【0004】
さらに、一般に用いられている従来の方法では、これら食品を高温で揚げることが必要であり、潜在的に有害な副産物の生成をもたらす可能性がある。近年のかかる副産物の報告が、揚げた及び焼いた食品に対する、特に高い脂肪及び炭水化物を含む食品に対する全体的な懸念を引き起こしている。一般に脂肪及び炭水化物を多く含む食品の褐変(browning)の程度に比例するアクリルアミドの生成の報告は、食品業界に深刻な懸念、即ち、この特殊な加工副産物が有害である可能性があるという懸念を巻き起こした。
【0005】
これらの懸念のいくつかに対処するために、かかるスナック食品中の脂肪の量を低減し、またごく最近では、アクリルアミド等などの潜在的有害物質の形成を最小限にする方法を発見する努力がなされている。
【0006】
近年、実質的に消化されず、その結果人体に吸収されない合成油/脂肪、例えば、オレストラ(OLESTRA)(商標)を用いた「軽い」チップスが製造されている。ただ胃腸に対する有害な副作用に関する数件の報告により知られる異臭、及び、前記脂肪代用品には軟便及び腹部の痙攣並びに/又は一部の栄養素の吸収阻害など胃腸の副作用を引き起こす可能性がある、という情報を提供する警告ラベルをかかる製品に付けるようにとのFDAの要求のため、これらの製品の受け入れは限られている。
【0007】
ポテトチップスおよびアップルチップスのような製品が、通常従来の揚げ方法を用いて製造さている一方、その他の栄養的に良い野菜及び果物、例えば、人参、スクワッシュ、パースニップ(parsnip)、ユッカ(yucca)、洋梨等で製造されるスナック食品は、適切な加工方法がないため、実質的には成功裏に市場に参入していない。
【0008】
ポテトチップスのようなスナック食品の脂肪量を低減するための数多くの試みが過去になされてきた。
【0009】
ローン(Roan)(米国特許第4,058,631号)は、生の食品をαアミラーゼなどの酵素の水溶液で、酵素が食品の表面に浸透しコーティングするのに十分な期間処理し、その後食品をたっぷりの油で揚げる、揚げ物の製造方法を開示している。Roanは、揚げる前に、生の及びでんぷん質の食品の表面をαアミラーゼの水溶液でコーティングすると、酵素処理を行なわない場合よりも、揚げている間の脂肪の吸収が少なく、揚げ物の風味が向上すると指摘している。
【0010】
ドレハー(Dreher)ら(米国特許第4,756,916号)は、ジャガイモのスライスを水溶液で洗い、洗ったスライスに油を塗布し、スライスを油でコーティングすることを含む、少ない油で作るポテトチップスの製造方法を開示している。油でコーティングされたスライスを、エンドレスのベルトコンベア上に一層にして置き、温度約160°F〜212°Fでブランチし、次に、少なくとも約390°Fであるが油の発煙点より低い高温で焼いてスライスの水分含量を約10重量%〜20重量%に低減することで、スライスを部分的に乾燥させる。部分的に乾燥したスライスを、続いて約290°F〜320°Fの低温でさらに焼き、スライスの水分含量を約2重量%に減らして乾燥を終了し、油含有量が約10重量%〜25重量%の製品を製造する。
【0011】
ロイファ(Raufer)(米国特許第5,292,540号)は、皮から異物を除去するためにジャガイモを洗う工程、ジャガイモを薄いスライスにカットする工程、約250°F〜500°Fの範囲の温度で約6分〜12分の間前記スライスされたジャガイモを焼く工程、及び約2分〜7分間電子レンジでスライスされたジャガイモを加熱する工程を含む、ポテトチップスの製造方法を開示している。
【0012】
ヤマシタ(米国特許第5,312,631号)は、乾燥及び調理の工程中に、農産物のカット片が互いに密着してしまうのを防止する方法を開示しており、該方法は、カットした片を、でんぷん分解酵素又は酸性又はアルカリ性水溶液で洗う方法、又はそれらに浸漬する工程を含んでいる。酵素処理の前にカットした片をブランチする。
【0013】
ジャスマン(Zussman)(米国特許第5,370,898号)は、オイルベースの調理を含まない、食品のチップス製品の調理方法を開示している。食品のスライスを水で洗って抽出可能な表面のでんぷんを除去し、多層にてオーブンへ移し、熱風又はスチームの流動床の中で焼く。焼く過程は多段階過程であり、個々の食品片が分離していることを確実にするために、食品片は、第1の領域で数分間高圧にさらされる。次に、第2の領域で第2の期間圧力を下げる。同様に、第3の領域で所定の期間圧力を下げ、食品の調理を終了する。その後、チップスを空気乾燥するか、乾燥機で仕上げる。
【0014】
ルイス(Lewis)ら(米国特許第5,441,758号)は、ジャガイモを薄切りにしてスライス又はストロー状に形成する工程、スライスしたジャガイモをブランチする工程、及び後のプロセスの間にスライス下ジャガイモが互いに密着するのを防ぐために、ブランチの間又は後に高温のアミラーゼ酵素で処理する工程、を含むプロセスによる、低脂肪または無脂肪のポテトチップス又はポテトストローの製法を開示している。スライスされたジャガイモは、その後水分含量が12%〜30%になるまで脱水され、次に140℃〜220℃の温度で水分量が約2%になるまでトーストされる。プロセスの間酵素の効果を保ち、ブランチング工程によって酵素が不活性化しないように、高温アミラーゼ酵素を使用することが必要である。
【0015】
ペテル(Petelle)ら(米国特許第5,470,600号)は、最初にスリー・ゾーン・プライマリー・オーブン(three zone primary oven)でジャガイモのスライスを調理し、スライスされたジャガイモを第1回目の放射加熱に供し、次に2回連続して強制空気加熱してスライスされたジャガイモの水分含量を最終含水率まで低減することによる、無脂肪ポテトチップスの製造方法を開示している。ペテルらは、3つのゾーンのそれぞれの時間を個別に制御し、約15重量%の最終含水率になるようにプライマリー・オーブンの中にあるスライスされたジャガイモの上部及び底部表面に空気を同時に送り、周波数約15mhzで波長約65.8フィートを使用して、約7重量%の最終含水率になるように、スライスを誘電加熱器の中に置く時間を個別に制御し、最後の2段階(強制空気段階及び誘電加熱段階)で、スライスが成功裏に、次第に積み重なることを可能とすることをさらに開示している。
【0016】
ベンソン(Benson)ら(米国特許第5,603,973号)は、油を使わずにポテトチップスを製造する方法を開示している。ジャガイモを丸ごと個々のスライス片にカットし、それらを洗ってでんぷんまたは異物をスライスされたジャガイモの表面から取り除く。スライスされたジャガイモを一層に並べ、勢いのよい空気及び吸引にさらすことによりスライスの表面から水分を取り除く。或いは、スライスされたジャガイモを予熱するために約130°Fのお湯で洗ってもよい。スライスされたジャガイモを加熱したコンベアに移して赤外線領域に入れ、25秒未満の短時間、高強度の赤外線エネルギーにさらし、ブランチングし、自然発生的な有害な酵素作用を抑える。次の工程では、乾燥した空気を上下からスライスされたジャガイモに当てて水分含量を35重量%以下に低減させ、多層の束に積み重ね、移動する空気の中で、約0.5%〜2%のレベルの水分含量が得られるまで乾燥する。
【0017】
ヴィーダーサッツ(Wiedersatz)(米国特許第5,858,431号)は、生の食品のスライスを用意し、表面の水分を除去するために高強度のエアーナイフ装置にかけ、次に、異なる所定の条件下で作動する複数のデュアルゾーン温風流動床衝突加熱式オーブンを含む温風流動床衝突加熱式オーブンに入れる。好ましい実施形態では、スライスされた食品は2つのデュアルゾーン温風流動床衝突加熱式オーブンに入れる。第1のオーブンでは、スライス食品を、1分間に2.5フィート〜3.0フィートの速さでオーブンを通過させるベルトコンベアを有し、500°F〜525°F(ゾーン1)及び450°F〜500°F(ゾーン2)で作動する。第2のオーブンは、1秒間に1.5フィート〜2.0フィートの速さで駆動するベルトコンベアを有し、350°F〜400°F(ゾーン1)及び300°F〜350°F(ゾーン2)で作動する。好ましい実施形態の第1の衝突加熱式オーブンは、各スライス食品の水分の約50%〜60%を取り除き、好ましい実施形態の第2の衝突加熱式オーブンは、残りの水分の約20%〜30%を取り除く。続いてスライス食品に油及び/又は調味料を適用してもよい。次に、チップスを焦がすことなく、混入した水分(entrained moisture)を除去する電子レンジ及び温風乾燥機にスライス食品を通過させる。
【0018】
シュー(Xu)ら(米国特許公開公報第2002/0004085)は、ジャガイモからの食用製品を製造する方法を開示しており、(a)アミログルコシダーゼ、ブドウ糖酸化酵素、ラッカーゼ、リパーゼ、マルトジェニック・アミラーゼ、ペクチナーゼ、ペントサナーゼ(pentosanase)、プロテアーゼ、及びトランスグルタミナーゼから成る群から選択される1以上の外因性酵素の有効量でジャガイモ材料を処理する工程、及び(b)酵素処理したジャガイモ材料をジャガイモ製品の製造のために加工する工程、を含んでいる。ある実施形態では、ジャガイモ材料のブランチングは酵素処理の前に行ってもよい。加工工程は、油で揚げること又は焼くことを含んでもよい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0019】
【特許文献1】米国特許第4,058,631号明細書
【特許文献2】米国特許第4,756,916号明細書
【特許文献3】米国特許第5,292,540号明細書
【特許文献4】米国特許第5,312,631号明細書
【特許文献5】米国特許第5,370,898号明細書
【特許文献6】米国特許第5,441,758号明細書
【特許文献7】米国特許第5,470,600号明細書
【特許文献8】米国特許第5,603,973号明細書
【特許文献9】米国特許第5,858,431号明細書
【特許文献10】米国特許公開公報第2002/0004085号
【特許文献11】米国特許第3,600,193号明細書
【特許文献12】米国特許第3,922,370号明細書
【特許文献13】米国特許第3,348,950号明細書
【特許文献14】米国特許第7,056,544号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
スナック及びチップスの加工が非常に進歩しているにもかかわらず、これら製品、および製造方法の改善への必要性がなお存在している。それらの必要性は、パリパリ感(crispness)、口当たり感及び風味の特徴を改善し、脂肪含有量を削減し、潜在的に有害な副産物の生成をもたらす可能性のある条件への露出を最小限にすることを含む栄養的側面の全体的な改善によって特徴付けられる。これら特徴の全ては、実行可能、有効、及び管理可能なプロセスの結果得られ、及び適切で燃料効率の良い生産環境において、商品化に必要なレベルの生産高での生産へと現実的及び経済的に拡張可能であるプロセスの結果として得られる。さらに、脂肪分の高い及び一部脂肪分を減らしたスナック食品の製造に伝統的に用いられてきた、大量の油で揚げる従来のプロセスを排除し、所定の量を提供するためにかかる製品の脂肪の量を制御することへの必要性も存在している。さらに、特定の果物、野菜、ナッツ、穀物等から作られるスナック食品、又は、以前は製造が実現可能ではなかった、現在入手可能な数々のスナック食品のより健康的なバージョン、及びそれらの製造方法の必要性がなお存在している。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明の第1の実施形態はスナック食品の製造方法に関し、
(a)複数のカットされた又は形成された食品片を提供する工程、
(b)食品片の表面をコーティングするために1以上の酵素を含む溶液に食品片を浸ける工程、
(c)その後、食品片の表面のあらゆる酵素を不活性化するのに十分な時間、複数の食品片をブランチングする工程であって、ブランチング工程後に食品片が初期水分量を有する工程、及び
(d)初期水分量を、約0.5重量%〜約10重量%である最終水分量まで低減する工程、を含む。
【0022】
本発明の第2の実施形態はスナック食品の製造方法に関し、
(a)複数のカットされた又は形成された食品片を提供する工程、
(b)食品片の表面をコーティングするために1以上のカチオンを含む溶液に食品片を浸ける工程、
(c)その後、食品片の表面のあらゆる酵素を不活性化するのに十分な時間、複数の食品片をブランチングする工程であって、ブランチング工程後に食品片が初期水分量を有する工程、及び
(d)初期水分量を、約0.5重量%〜約10重量%である最終水分量まで低減する工程、を含む。
【0023】
本発明の第3の実施形態はスナック食品の製造方法に関し、
(a)複数のカットされた又は形成された食品片を提供する工程、
(b)食品片の表面のあらゆる酵素を不活性化するのに十分な時間、複数の食品片をブランチングする工程であって、食品片がブランチング工程後に初期水分量を有する工程、及び
(c)食品片が、初期水分量を約10重量%〜80重量%である中間水分量に低減させる第1回目の水分量低減手順にさらされることにより、初期水分量を、約0.5重量%〜10重量%である最終水分量まで低減する工程であって、その後食品片は、中間水分量を最終水分量に低減させる第2回目の水分量低減手順にさらされる、工程、を含む。第2回目の水分量低減手順は、その他の実行可能な手順の中で、食品片を油又は油代用品で揚げることを含んでもよい。
【0024】
本発明の第4の実施形態は、カットされた又は形成された食品片を含むスナック食品の製造方法に関し、各食品片は、1重量%未満〜約35重量%の所定の脂肪含有量、12N以下の平均破砕力、及び約3.5N/mm以上の平均ヤング係数を有する。
【0025】
本発明の第5の実施形態はスナック食品の製造方法に関し、
(a)複数のカットされた又は形成された食品片を提供する工程、
(b)複数の食品片をブランチングする工程であって、ブランチング工程後に食品片が初期水分量を有する工程、及び
(c)食品片を1つの工程又は複数の工程において乾燥させることにより、初期水分量を約0.5重量%〜10重量%である最終水分量まで低減する工程であり、少なくとも1つの工程が回転式乾燥機、流動床乾燥機、振動流動床乾燥機等、又はこれらの組み合わせで、食品片が均一及び一定に熱にさらされることを可能にするために温度、空気流、および食品片の動きを制御しながら実施される、工程、を含む。
【0026】
本発明の第6の実施形態はスナック食品の製造方法に関し、
(a)複数のカットされた又は形成された食品片を提供する工程、
(b)複数の食品片をブランチングする工程であって、ブランチング工程後に食品片が初期水分量を有する工程、及び
(c)食品片が均一及び一定に熱にさらされることを可能にするために温度、空気流、および食品片の動きを制御しながら、初期水分量を約10重量%〜80重量%である中間水分量まで低減させる工程、及び、その後食品片は、中間水分量を最終水分量に低減させる第2回目の水分量低減手順にさらされる工程、を含む。
【0027】
本発明の第7の実施形態はスナック食品の製造方法に関し、
(a)複数のカットされた又は形成された食品片を提供する工程、
(b)その後、食品片の表面のあらゆる酵素を不活性化するのに十分な時間、複数の食品片をブランチングする工程であって、ブランチング工程後に食品片が初期水分量を有する工程、及び
(c)本明細書の実施形態のいずれかにしたがって、(i)酵素又はカチオンを含む溶液の適用なしに、又は(ii)食品片を、1以上の酵素及び1以上のカチオンの少なくとも組み合わせを含む溶液に、食品片の表面をコーティングするための実行可能な方法で浸すことにより、初期水分量を約0.5重量%〜10重量%である最終水分量まで低減させる工程、を含む。
【0028】
真空乾燥機、真空ベルト乾燥機等を使用する、揚げる工程及び/又は乾燥工程を、低減工程、好ましくは最終乾燥工程として実施形態のいずれかに挿入することが可能である。
【0029】
本発明の第8の実施形態は、これまで実現可能ではなかった、野菜、果物、ナッツ、穀物、及びその他の消費可能な材料、並びにそれらの任意の組み合わせから製造されるスナック食品、およびそれらの製造方法に関し、かかるスナック食品の市販品の製造、又はそれらの健康的なバージョンの製造である。
【0030】
本発明の好ましい実施形態の説明及び記載がある説明的内容により、本発明の更なる特徴を理解することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
好ましい実施形態において、本発明は、複数のカット及び形成された食品片を提供するための方法で加工された、スナック食品を提供し、当該複数のカット及び形成された食品片は、当該食品片を油で揚げる(典型的には300°Fより高い温度)工程を含むプロセスにより製造される従来の製品の味、食感及び/又は外観を有する。好ましくは、本発明に従って製造されるスナック食品は、次の特徴の少なくとも一つ、好ましくは少なくとも3つ、好ましくは少なくとも5つを有する:パリパリした(crispy)食感;約0.5重量%未満の脂肪含有量;約0.5重量%超過の水分含量;水分の脂肪に対する重量百分率の割合が少なくとも約12;並びに食品片が約12N以内で破断し及び約3.5N/mm以上の平均ヤング係数を有する。
【0032】
さらなる好ましい実施形態において、本発明は、スナック食品、及び複数のカットされた又は形成された食品片を提供するための方法で加工された当該スナック食品の製造方法及び/又は調理方法を提供し、当該複数のカット及び形成された食品片は、(i)新しい及び/又は独自の風味、食感及び/又は外観を有し、又は(ii)脂肪が少なく及び/又は現在入手可能な製品のより健康的なバージョンであると考えられ、(iii)野菜、果物、穀類、ナッツ、マメ科植物、又はその他の消費材料及びこれらの組合せから製造される。かかる製品の製造は、適切な製造及び/又は調理方法がなかったためこれまで実現可能でなかった。
【0033】
本発明によれば、油又は油代用品などの脂肪との接触量を排除する、任意で最小限に抑える、及び/又は制御するという条件、及び潜在的に有害な副産物を生成する可能性を制限するという条件のもと、原材料の一定の望ましい処理及びそれに続く調理を通して、高脂肪スナックの所望の高品質、風味、外観、及び消費者受容性を維持することが見いだされた。さらに、既知の従来の揚げ方法とは異なり、製造プロセスの間に、「完全に制御された環境」において所定量の脂肪を食品片に注ぐこともできる。本発明の製品に注がれる所望の量の脂肪を正確な量に制御することが可能であることに加え、本発明は、熱い油又は油代用品のプール(pool)の使用、並びに製造プロセスで使用する関連脂肪(related fat)の保持、除去(filtering out)、及び(ほとんどの場合で)少なくとも処理(disposing)する必要性を完全に排除する。さらに、本発明はまた、関連の低脂肪スナック食品の製造においてディファッター(defatter)を使用する必要性も排除する。
【0034】
用語「食品片(food pieces)」は実質的にあらゆる食品を含むことを意図する。好ましくは、食品片は、それらの原料の状態から直接形成又は再形成することが可能な、カットされた又は形成された食品片として提供され得る。これら食品は、ジャガイモ、ビート、かぼちゃ、スクワッシュ(squash)、トマト、キノコ、ズッキーニ、人参、ナス、りんご、洋梨、バナナ、ベリー類、穀物、豆、ナッツ、種、スウェーデンカブ(rutabaga)、プランチーノ(plantain)、タロイモ、オクラ、玉ネギ、パースニップ(parsnip)、ヤムイモ、サツマイモ、ユッカ(yucca)、パパイア、マンゴ、パイナップル等を含む。これら食品は、裏ごしされた、スライスされた、さいの目に切られた、機械にかけて成型された(milled)、すりつぶされた(grinded)、粉末にされた、又は粉砕された果物類、野菜類、豆科植物、穀物、ナッツ、豆、種等を含み、例えば、豆、米、トウモロコシ、小麦等などの生産物を含む。上記生産物及び材料を、単独又は組み合わせて処理し、準備された生地又は混合物等の押し出し成型又はシーティングを介して食品成分のシート、スライス、又は一片を形成することが可能である。こうして形成された生地又は混合物は、次に、あらゆる所望の形状に押し出し成型又はカットされる。粉又は生地を本プロセスに好適な形状に処理するためのこの基本手順には多くのバリエーションが存在する。例えば、米国特許第3,600,193号(トウモロコシ粉と香辛料との混合)、同第3,922,370号(水、米及び米粉の混合(mixing water, rice and rice flour))、及び同第3,348,950号(トウモロコシ、ショ糖、水、及びコーングリットの混合(mixing corn, sucrose, water, and corn grits))を参照して本発明に適用できる。一般に、本発明のプロセスは、従来は揚げていた全ての食物、又は揚げるというプロセスを許容できない食物と共に適用することが可能である。食物の形態には、例えば、スティック、細長い一片(strip)、スライス、チップス、クリンクルカット(crinkle cut)、格子状(waffle)、フレーク等が挙げられる。フレークされた製品はそれら自身のバー又はシリアルとしてもよく、又はグラノーラ、グラノーラ・バーの材料として使用し、或いはヨーグルト、シリアル、トレイル・ミックス(trail mix)、スナック・ミックス等に加えてもよい。
【0035】
例えば、コーン・トルティーヤ製品又はビーンチップスは、最初に水とトウモロコシ又は豆の粉、或いは調理したトウモロコシ又は豆から調合品を形成し、従来のトルティーヤ・オーブンで調理することにより作る。トルティーヤ又はビーン・ストリップ(bean strip)又はビーン・ラウンド(bean round)を、本発明の方法により処理及び加工し、油又は油代用品で揚げずに、パリッとした食感及び揚げ物の風味を有する無脂肪又は低脂肪のスナック製品を製造することができる。一般に、本発明のプロセスは、パリッとした食感及び従来の揚げ物の風味を得るために、従来油で揚げていた全てのスナック食品と共に用いることができる。
【0036】
別の実施形態では、本明細書に記載されたシート状の又は押し出し成型された生地又は混合物は、ジャガイモ混合物又はその他のデンプン物質単独、或いは他の材料との組み合わせから作ることもでき、本発明の教示に従えば、油を使用せずにパリッとした最終製品に加工することが可能である。
【0037】
好ましい食品片は、スライスした時に露出し、切片を曲げた時にもろさ(fracturability)を示す、一般に固体の内部マトリクスを有する果物及び/又は野菜から得る。好ましい実施形態では、食品片は通常ポテトチップスを製造するのに使用されるようなジャガイモから得る。好ましい実施形態において、食品片はジャガイモの基体(potato substrate)を含む。ジャガイモの基体は、単に農場で生育された様々な品種のジャガイモ(例えば、生のジャガイモ)であってもよい。かかる品種には、ビンチ(Bintje)、ラセット・バーバンク(Russet Burbank)、ユーコンゴールド(Yukon Gold)、ケネベック(Kennebec)、ノーチップ(Norchip)、アトランティック(Atrantic)、シェポディー(Shepody)、セバゴ(Sebago)、レッド・ポンティアック(Red Pontiac)、レッド・ウェルバ(Red Warba)、アイリッシュ・カブラー(Irish Cobbler)“BC”、ノーゴールド・ラセット(Norgold Tusset)“BC”、ノーランド(Norland)、アトランティック(Atrantic)、ホワイト・ローズ(White Rose)、スペリアー(Superior)、センテニアル・ラセット(Centennial Russet)、ケズウィック(Keswick)“NB1”、グリーンマウンテン(Green Mountain)、ラ・ソーダ(La Soda)、レッド・ラ・ルージュ(Red La rouge)、レッド・ノールラン(Red Nordland)、レッド・ブリス(Red Bliss)、イエロー・フィンランド(Yellow finnish)、ルビー・クレスント(Ruby Crescent)、及びオーストラリア・クレスント(Australian Crescent)、ロシアン・ブルー(Russian Blue)、ペルーヴィアン・ブルー(Peruvian blue)、スペリアー(Superior)、カタディン(Katahdin)、並びにサツマイモの品種、例えば、ボールガール(Beauregard)、ジュエル(Jewel)、ネマゴールド(Nemagold)、センテニアル(Centennial)、エクセル(Excel)、リーガル(Regal)、サウザン・ディライト(Southern Delite)、エルナンデス(Hernandez)、バーダマン(Vardaman)、トラビス(Travis)、ホワイト・ディライト(White Delight)、スモア(Sumor)、ナンシー・ホール(Nancy Hall)、ピカディタ(Picadita)、カンペオン(Campeon)、スターリーフ(Star Leaf)/ボニアート(Boniato)、日本産紫イモ、中国産紫イモ及び沖縄の紫イモ等、が含まれるがこれらに限定されない。
【0038】
本発明の第1及び/又は第2の実施形態は、スナック食品を製造するための方法を提供するもので、該方法は、
(a)複数のカットされた又は形成された食品片を提供する工程、
(b)食品片の表面をコーティングするために1以上の酵素及び/又は1以上のカチオンを含む溶液に食品片を浸ける工程、
(c)その後、食品片の表面のあらゆる酵素を不活性化するのに十分な時間、複数の食品片をブランチングする工程であって、ブランチング工程後に食品片が初期水分量を有する工程、及び
(d)初期水分量を、約0.2重量%〜約10重量%である最終水分量まで低減する工程、を含む。
さらなる実施形態によると、最終水分量は好ましくは約0.5重量%〜約5.0重量%である。
【0039】
約10重量%〜約80重量%、好ましくは約10重量%〜約50重量%、より好ましくは約15重量%〜約35重量%の中間水分量が本発明の多くの実施形態で達成可能である。その後食品片は第2回目の水分量を低減させる工程にさらされ、これにより中間水分量が最終水分量へと低減される。中間及び最終乾燥工程は、さらに下位の工程に細かく分ける、或いは別の方法として一つの工程に組み合わせることが可能である。
【0040】
本発明により使用するのに好適な酵素、酵素の形態、商業的入手性等は、それぞれ以下の文献を参照することにより本明細書に組み込まれる。即ち、米国特許第4,058,631号、同第5,312,631号、及び同第7,056,544号に列挙された1以上の酵素から選択される。好ましくは、酵素は、米国特許第5,441,758号に記載されている高温アミラーゼなどの高温酵素以外である。しかしながら、一定の環境下ではかかる酵素を本発明に従って使用することもでき、本明細書では高温酵素の使用の排他的権利を主張しない。本発明による好ましい酵素は、アミラーゼ、セルロース、インベルターゼ、ペクチナーゼ、及びアミログルコシダーゼを含み、アミラーゼが最も好ましい。好ましくは1以上の酵素が約0.1重量%〜約5重量%の濃度で溶液中に存在する。
【0041】
本発明によると、酵素溶液は1以上のカチオンをさらに含んでもよく、酵素なしでカチオンを溶液中に提供することが可能である。用語「カチオン生成化合物」は、周囲温度又は加熱するかのいずれかにおけるカチオンとアニオンの分離を介して、溶液中にカチオンが生成される化合物を含むことを意図する。本発明における好適なカチオン生成化合物には、これらに限定されないが、リチウム、ナトリウム、及び/又はカリウム塩などのアルカリ金属塩;マグネシウム及び/又はカルシウム塩のようなアルカリ土類金属塩;アルミニウム化合物;及び窒素、リン、及び/又はビスマス化合物(例えば、アンモニウム)などの第VA族金属化合物が挙げられる。この化合物一式においてより好ましいのはカルシウム塩、マグネシウム塩、カリウム塩、アルミニウム化合物、及び窒素化合物であり、カルシウム塩が最も好ましい。好ましくは、1以上のカチオンが約0.1重量%〜約5重量%、より好ましくは約0.2重量%〜約2.5重量%の濃度で溶液中に存在する。
【0042】
食品片を、上記のような任意でカチオンを含む酵素溶液、又は酵素を有さないカチオン溶液に浸すことにより、様々な改善された特徴がスナック食品に付与される。用語「改善された特徴(improved property)」は、本明細書において、かかる溶液で処理されていない食品片のスナック食品に比べて、1以上の酵素及び/またはカチオンの作用によって変化する、スナック食品のあらゆる特徴として定義される。改善された特徴としては、パリパリ感の増加、粘性の減少、原材料及び/又はブランチング材料の硬度の増加、酵素反応及び/又はメイラード反応による焦げ目の減少、明度の向上(増加?) 、色の残留の増加、着色強化の増加、退色の減少、硬さの増加、ゴツゴツした又はなめらかな外観の増強、改善された風味、及び脂肪含有量の削減、が挙げられるが、これらに限定されない。これらの用語の多くは米国特許第7,056,544号により十分に定義されており、当該特許はその記載を参照することにより本明細書に組み込まれる。その他の用語は、当業者には明らかであろう慣例的意味に従って定義される。
【0043】
パリパリ感及び/又は硬度は規則的な方法で増加させることができるので、例えば、特定の加工目標を達成するため、又は特定の最終スナック食品を製造するために特定のパリパリ感及び硬度が要求される場合には、1以上の酵素及び/又はカチオンへさらす量を変化させることによりパリパリ感及び硬度を制御することが可能であることは理解されよう。
【0044】
改善された特徴は、本発明の方法によって調理されたスナック食品と、従来の方法によって調理されたスナック食品を比較することにより測定が可能である。本発明の方法により得られる前記の改善された特徴を測定する技術を本明細書で説明する。感覚刺激性の特徴は食品業界において確立された技法を用いて評価することができ、例えば、感覚刺激性評価装置(sensor evaluator)の訓練パネル(trained panel)の使用を含めることができる。その他の方法には、食感解析及び本明細書の以下で開示するような比較が含まれ得る。
【0045】
好ましくは、食品片を酵素溶液(カチオンを含む又は含まない)、又はカチオン溶液に、約0.5分〜約45分浸し、より好ましくは約0.5分〜約15分、最も好ましくは約0.5分〜約5分間浸す。
【0046】
代替的な実施形態では、ビタミンA、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンD、チアミン、リボフラビン、ナイアシン、葉酸、リン、マグネシウム、銅、カルシウム、亜鉛、鉄等のビタミン及びミネラルを含むその他の栄養素を、かかるビタミン及びミネラルを酵素処理、カチオン処理及び/又はブランチングプロセスにおいて、又は追加の工程において食品片に注入するか、或いは所望のビタミン及び/又はミネラルを含んだ化合物を調理前の又は調理後の食品片にスプレーするかのいずれかによって、本発明の製品に加えることが可能である。この方法によれば製品は栄養的に強化され、よりヘルシーなスナック食品を製造する機会を提供する。別の実施形態では、塩(NaCl)、砂糖、ハーブ抽出物、果物抽出物、野菜抽出物等、又はこれらの組み合わせなどの調味料及び香辛料のブレンドは、カットされた食品片を、塩、砂糖、ハーブ、果物、野菜等のそれぞれに浸す又は漬けることにより、スナック食品に注入することが可能である。これによりブランチング水で及び/又はカットした食品片に風味を注入するブランチング工程に続く又はブランチング工程の前に別工程を設けることにより、これら風味成分を、スナック食品に注入することが可能である。或いは、水溶性又はそうでない濃縮された風味抽出物にカットした食品片を漬けてもよい。さらに別の実施形態では、本発明のスナック食品をチョコレート、カラメル、シロップ、及び果物又は野菜から製造したコーティング又は任意のその他の同様のカバーリングでコーテシングし、それにより脂肪を含まない、或いは低脂肪又は高脂肪の、異なる新規のグルメ志向のスナックを創作することが可能である。
【0047】
所望であれば、あらゆる所定量の消化されやすい及び/又は合成脂肪、例えば、油又は油代用品など、を調理前に生地又は混合物に加える及び/又はブレンドする及び混合してもよく、或いはこれらを、事前調理工程の前、間、又は後に、食品片にスプレーするなどの任意のプロセスにおいて塗布することが可能である。好ましくは、油はキャノーラ油、ひまわり油、又はベニバナ油のような脂肪酸を含有していない調理油であり、食品片にスプレーする、又は食品片に油をさっと漬ける、或いはその他の実施可能な方法によって、野菜片に塗布してもよい。その他の実施可能な方法には、ブランチング水に塗布すること、又は食品片がトレイ又はベルトコンベアに配置される前及び/又は配置された後に、ベルト又はトレイの上にスプレーすることなどが挙げられる。油を使用するその他の実施形態では、あらゆる食品用油又は油代用品を使用可能であるが、好ましい油としては、未精製油、及び発煙点が低い油であり、好ましくはエクストラバージン・オリーブ油、大麻種子油、くるみ油、ごま油、アマニ油、ココナッツ油、未精製キャノーラ油、半精製キャノーラ油、未精製ピーナッツ油、ベニバナ油、ひまわり油、高オレイン酸のひまわり油、未精製コーン油、大豆油、未精製大豆油、未精製ごま油、香りの注入された油(flavor infused oil)、乳化された植物性ショートニング等、OLESTRA(商標)等のような合成油である。SMART BALANCE(商標)、ENOVA(商標)等のような健康によい効果をもたらす代替油を、単独又は上述したようなその他の自然油又は合成油と組み合わせてのいずれかで使用することができる。
【0048】
食品片の準備:食品片を、食品の材料の一つ又は組み合わせからカットする、成型する、又は形成する。生野菜又は生の植物性素材の場合、食品片を好ましくは洗い、任意で皮をむいてカットする。ジャガイモなどの好ましい野菜、野菜、果物、又はその他の食品は、好ましくは、チップス、スティック、シューストリング、波型のチップス、クリンクルカットのチップス、格子柄のチップス、ストレートカットのチップス、及びスティック等に好ましい寸法及び形状のスライス、スティック、又は細長い一片にカットする。カット、成型又は形成後、準備した食品片を、好ましくは水などの水溶液と接触させて遊離したでんぷんを除去する。遊離したでんぷんを除去することは使用を最適化して酵素の量を低減するのに最適であり、加えて遊離したでんぷんはチップスを乾燥させた後に粉っぽい外観を残す場合がある。
【0049】
酵素及び/又はカチオン処理:準備した食品片を酵素溶液又はカチオン溶液、より好ましくは酵素とカチオンの溶液に浸してもよい。酵素処理を行なう場合は、本明細書で定義した1以上の改善された特徴をもたらす及び/又は次の利点の少なくとも一つを提供する量で酵素を使用する:パリパリ感の増加、粘性の減少、及び最終製品の色の改善。理論に束縛されることなく、任意のカチオンは酵素の働きを促進して溶液に浸す時間を削減し、さらにカットされた食品片をより強く強固にし、それにより加工が簡単になると考えられている。さらに、カチオンは酵素的褐変も減少し、同時にスナック食品の栄養的側面に寄与することが可能である。
【0050】
スナック食品の特定の特徴(1又は複数)を改善するための、所与の酵素又はカチオンへの適切な浸漬は、当該酵素又はカチオンによって決まる。当業者は当該技術分野で既知の方法に基づいて酵素又はカチオンへの好適な浸漬を決定し得る。酵素処理とカチオン処理の両方を行なう場合は、酵素溶液に続いてカチオン溶液を使用して、又はカチオン溶液に続いて酵素溶液を使用して処理を別個に行ない得るが、好ましくは一種類の溶液を用いて好ましくは処理を同時に行なう。塩及び/又は風味成分をいずれかの溶液に加えることも可能である。
【0051】
本発明で使用する酵素は当該使用に好適であればいかなる形態、例えば、乾燥粉末、凝集粉、又は粒状体、特に非発塵性の粒状体、液体、特に安定化液、又は保護酵素の形状でよい。粒状体及び凝集粉は従来の方法、例えば、酵素を流動層造粒機の中のキャリア上にスプレーすることによって用意することができる。キャリアは好適な粒径を有する粒子コアからなってもよい。キャリアは可溶性又は不溶性、例えば、塩(例えば、NaCl又は硫酸ナトリウム)、砂糖(例えば、スクロース又はラクトース)、糖アルコール(例えば、ソルビトール)、でんぷん、米、トウモロコシ粉、又は大豆であってよい。酵素は徐放製剤に含まれていてもよい。徐放製剤の調製方法は当該技術分野で既知である。液体酵素製剤は、例えば、栄養的に許容可能な安定剤、例えば、砂糖、糖アルコール又は別のポリオール、及び/又は乳酸、或いは確立された方法によるその他の有機酸、を添加することにより安定化させることができる。
【0052】
好ましい実施形態において、酵素及び/又はカチオン処理はブランチングの前に実施する。代替的な実施形態では、酵素及び/又はカチオン処理はブランチングと同時に、又はブランチングの後の追加処理として実施する。食品材料の組み合わせ又は生地から製造されるシート状の製品などの、特定の形状をした食品片の場合には、形成された食品片がかかる製品の製造において慣例的な最初の焼き工程が終わった後に酵素及び/又はカチオン処理を実施することができる。
【0053】
ブランチング:本発明のいくつかの実施形態は、食品片をブランチする工程を含んでいる。好ましくは、次のいずれかを達成するのに十分な期間、食品片をブランチする:1)小片の表面に自然発生する酵素を不活性化する及び/又は上記の酵素処理中に添加されたあらゆる酵素を不活性化する;2)自然発生するでんぷんの少なくとも一部をゼラチン化する;3)メイラード褐変反応及びアクリルアミドの形成の可能性を減少させるために過剰な遊離糖類を除去する;及び4)食感及び風味を改善する。典型的には、約0.5重量%〜約8重量%、より好ましくは約2重量%〜約5重量%、最も好ましくは約3重量%の1以上のカチオンを好ましくは含有する水溶液に浸すことにより、食品片が好ましくはブランチされる。好ましい実施形態では、カチオンはNaCl、KCl、MgCl、及びCaClから選択される。ブランチングは、好ましくは約60℃〜約120℃、より好ましくは約70℃〜約100℃の温度で実施される。別の実施形態では、ブランチングは、所望のブランチングの量によって、好ましくは約15秒〜約10分、より好ましくは約40秒〜約3分の間、蒸気(周囲圧力以上)に曝すことによって実施される。或いは、電子レンジ、オーム加熱、超高温の蒸気、赤外線加熱等などの既知で任意のブランチング方法を本発明に従って使用することが可能である。
【0054】
必要であれば、次に、好ましくは食品片の水気を切る又は食品片をエアカーテンの下に送って過剰な水分を除去する。別の実施形態では、過剰な水分を除去するいずれかの既知の方法を用いることができる。ブランチングの前、間、又は後に塩を添加することが可能である。食品に使用するのに好適な任意の塩が使用可能であるが、NaCl、KCl、MgCl、CaCl等が好ましい。
【0055】
食品材料の組み合わせ又は生地から作られたシート状の製品など、特定の形状の食品片の場合は、ブランチング工程を適用しない及び/又はブランチング工程が必要ではない場合がある。
【0056】
水分量の低減:食品片中の水分は、約0.5重量%〜約10重量%、好ましくは約0.5重量%〜約5重量%の最終水分量まで低減させるのが好ましい。この水分の低減は多くの異なる方法により達成することが可能である。
【0057】
本発明の一実施形態では、水分の低減工程は、強制空気対流式オーブン(forced air convection oven)、流動床乾燥機/オーブン、振動流動床乾燥機/オーブン、衝突加熱式乾燥機/オーブン、パルス流動床乾燥機/オーブン(例えば、エアロパルス乾燥機)、回転式乾燥機/オーブン、回転式ドラム乾燥機/オーブン、回転スパイラルドラム式乾燥機/オーブン、棚型オーブン(tray oven)、静置(stationary)乾燥機/オーブン、スパイラルロースター(spiral roaster)/乾燥機(例えば、FMC Spiral Roto-Louvre Roaster/Dryersなど)、マイクロウェーヴ乾燥機/オーブン、赤外線乾燥機/オーブン、超高温エアレス乾燥機(super heat airless driers)、真空乾燥機、真空ベルト乾燥機、及びオーム乾燥機(ohmic dryers)、又は任意の同様の乾燥/調理器から成る群から個別に選択される1以上の乾燥機又はオーブンで食品片を調理することを含む。
【0058】
一実施形態において、食品片は、約160°F〜約400°F、より好ましくは約275°F〜約325°Fの温度で約0.5分〜約40分間調理される。
【0059】
本発明の別の実施形態では、水分低減は、食品片を第1の期間の間、第1の温度に至らしめ、その後第2の期間の間、第2の温度に至らしめる工程を含む。好ましくは、第1の期間の間第1の温度、例えば約0.5分〜約40分の間、これらに限定されないが、約160°F〜400°F、好ましくは約275°F〜375°Fの間の温度に食品片を至らしめ、初期水分量を約10重量%〜約80重量%の中間水分量まで低減し、第2の期間の間第2の温度、例えば約4分〜約35分の間、好ましくは約5分〜約12分、より好ましくは約6分〜約11分の間、これらに限定されないが、約160°F〜約375°F、好ましくは約275°F〜約350°Fの間、より好ましくは約300°F〜約325°Fの間の温度に食品片を至らしめ、中間水分量を約0.5%〜約10%の最終水分量まで低減する。好ましい実施形態において、第2の温度は第1の温度より低い。
【0060】
その他の好ましい実施形態では、本プロセスの第1段階は、食品片を回転式乾燥機、回転式ドラム乾燥機、回転式スパイラルドラム乾燥機、流動床乾燥機/オーブン、又は振動流動床乾燥機/オーブンで乾燥して、初期水分の最大約30重量%まで、好ましくは最大50重量%まで、最も好ましくは最大約90重量%までを除去し、その後第2段階で水分量を最終水分量である約0.5%〜約10%まで低減する。好ましくは、乾燥工程は、温度約160°F〜約400°F、より好ましくは約275°F〜350°F、さらにより好ましくは約300°F〜約325°Fで、約2分〜約40分、より好ましくは約5分〜約25分、さらにより好ましくは約6分〜約18分の間行なう。
【0061】
さらにその他の好ましい実施形態では、約0.5%〜約10%である最終水分量への水分量の低減を、回転式乾燥機、回転式ドラム乾燥機、回転式スパイラルドラム乾燥機、流動床乾燥機/オーブン、又は振動流動床乾燥機/オーブンだけを使用して、1以上の乾燥工程で達成する。この実施形態では追加の調理手順は使用しない。一般に、1以上の段階にわたって、上に示したのと同じ温度と時間の条件をかかる実施形態で使用することができる。
【0062】
本発明の別の実施形態では、スパイラルロースター/乾燥機を使用して乾燥/調理する。内らせんが容器内の乾燥時間の正確な制御を可能にすること以外は、この方法の乾燥原理及び製品挙動は回転式オーブン及び回転ドラム式乾燥機に非常に酷似している。通常、スパイラルロースター/乾燥機において、スパイラルフライト(spiral flights)の間の製品床(product bed)に入る乾燥した空気は、多孔板又はフライトを包み込むスクリーンを通る。この方法の使用と容器内の乾燥時間の正確な制御を組み合わせることにより、高品質の製品、プロセスの有効性及び追加プロセスの効率の良さ、及びこれまで経験又は予想しなかった生産量をもたらす結果となる。
【0063】
この段階のいずれかの間に、食品片は、一分間に約200フィート(約61メートル)〜15,000フィート(約4572メートル)の気流速度で空気にさらされる。本発明のさらに別の実施形態によると、用意される食品片及び/又は使用される装置によって、さらに低い気流速度を用いてもよい。気流速度を選択的に増加及び/又は減少させることによりプロセスをさらに制御し、温度及び空気流への製品の暴露を制御して最終製品の品質を最適化する。連続的な温度及び気流の調節により、製品が目標の水分含量に達するまで製品温度を褐色化及びカラメル化反応を引き起こす温度より低く効果的に維持する、制御された乾燥プロセスが可能となる。温度及び気流速度の異なるゾーンを操作することにより、食感、色、及び風味、並びにプロセスの経済効率の最適化が可能となる。
【0064】
例えば、任意の類似の種類の回転式乾燥機又は乾燥ドラム式乾燥機、“気流乾燥機”、エアレス又は超高温スチーム乾燥機等のその他の装置、例えば、Applied Chemical Technologies、Carrier Vibrating, Inc.、The Dupps Company等から入手可能な装置を乾燥機の変わりに用いてもよい。或いは、マイクロウェーヴ、赤外線、衝突加熱、振動衝突加熱、棚方オーブン、従来のオーブン、静置オーブン、流動床又は振動流動床乾燥、真空乾燥、真空ベルト乾燥等を、カットされた食品片の部分的な又は完全な脱水のプロセスに用いることが可能であり、それぞれが異なる効率及び生産量をもたらす。Lyco Companyから入手可能なブランチャーのようなスチーム・ブランチャーを、単独で又は上記の装置との組み合わせで使用することにより、部分的な又は完全な脱水のプロセスに多くの更なる選択肢がもたらされる。適用可能である場合、本発明の様々な実施形態に関連して本明細書中に記載された上記の装置のあらゆるバージョン、例えば、バッチ又は連続処理装置、静置又は振動装置設計等などを使用することが可能である。
【0065】
オートメーション式での適切な乾燥条件を確実なものとするために、Drying Technologies, Inc.から入手可能な装置(即ち、DTI500、DTI5000)等のような水分k感知装置を回転式乾燥機等の内側に設置することができる。
【0066】
好ましい実施形態において、部分的に乾燥した食品片は、次に、ベルトコンベア又は任意のその他の運搬装置又は方法を介して、衝突加熱式オーブン、流動床乾燥機/オーブン、振動流動床乾燥機/オーブン、真空ベルト乾燥機/オーブン、又はその他同様の装置へと運ばれる。水分低減後、得られたスナック食品は、続いて、周囲温度又は引き下げられた温度のいずれかで冷まされ、任意で味付け及び/又は所望によりコーティングされて流通及び消費のために梱包することができる。
【0067】
食品業界で広く知られている調味料のブレンドを付着させるための粘性のある表面を作るのに使用される、好ましくは粘剤、でんぷん、タンパク質などの接着剤を用いて、任意の調味料のブレンドを製品に塗布することが可能である。
【0068】
食物を揚げたときに見られるような典型的な外観と同様のブリスター効果を製品表面に得るために、好ましくは水分除去のほぼ半ばを過ぎた後で、食品片を少なくとも265°Fで調理する。次に、食品片を、高速気流(例えば、約500フィート〜約15,000フィート/分の気流速度)を伴う約310°Fの温度で調理して約2%〜5%の最終水分含有量を達成する。真空乾燥機のような特定の種類の装置を使用する場合、上に示した温度より低い温度で最終的な乾燥を行なう。
【0069】
水分低減が完了した後に、熱い製品を取り入れて、空気を排出し、熱を引き出して最後の水分を除去する際に冷却する「平衡器」システムに食品片を通すことにより、プロセスの効率をさらに向上させることができる。
【0070】
本発明はまた、本明細書に記載されているあらゆる方法によって水分量を中間水分量まで低減し、湿気のある製品を常温、冷蔵又は冷凍条件で冷却及び保存し、続いて製品を揚げる、乾燥する、又は焼いて最終水分量を得ることも意図している。或いは、揚げる工程が、水分量を中間水分量に低減する工程の直後に続く。
【0071】
さらに、本発明は、本発明にしたがって準備したスナック食品のいずれかを、業務又は小売環境で、或いは家庭でのいずれかにおいてさっと揚げる(flash frying)又は焼くことを意図している。
本発明はまた、本明細書に記載された方法のいずれかによって製造されるスナック食品を含む。
本発明のその他の態様及び利点は以下の具体例及び比較例を十分検討する際に理解されるであろう。
【実施例】
【0072】
実施例1:ポテトチップス:約2,333グラムのジャガイモ(品種:ユーコンゴールド)を洗い、次に平均スライス厚さ1.90mmにスライスし、約2,288グラムのスライスされたポテトを得た。スライスポテトを冷水(18℃/65°F)で15秒間すすぎ、水気を切った。水気を切ったポテトスライスを、0.5%のアミラーゼ(American Labs, Inc. Fungal Amylase-100,000 SKB/gram Lot ALl00517-04)及び1%の含水塩化カルシウム(DSM food Specialitiesから入手の32%塩化カルシウム水溶液)の溶液に入れ、3分保持してから水気を切った。水気を切った後、処理されたポテトスライスを、3%の塩(NaCl)(Cargill Top Flow Salt)を含有する93℃(200°F)の水に1分間ブランチした。ブランチしたポテトスライスを冷水に約15秒浸して調理を止め、次に水気を切った。続いてポテトスライスを、140℃/285°F及びベルトタイム(belt time)を13.25分に設定した衝突加熱式オーブン(Impinger(登録商標)I、モデルNo.1240、Food Service Products, Inc. (Fort Wayne, IN)より入手)のベルトコンベアに直接定置した。乾燥の後、ポテトチップスを完全に冷まし、続いて防湿袋に入れて密封した。全収率は467グラムのポテトチップスであった。得られたチップスを視覚的に観察し、明るい黄金色、良好なポテトチップの風味、及びパリッとした軽い食感を有していると判定した。
【0073】
対流式オーブン法を用いてサンプルの湿度を分析した;制御された条件下(100℃で24時間)で、粉末にしたサンプルを対流式オーブン中で加熱(4グラム、3回実施)した結果失った重量を測定した。失った重量のパーセントはサンプル中の水分のパーセントであると報告された。この実施例では、最終水分含有量は4.42%であった。
サンプルの脂肪を、僅かなばらつきを伴うF.I.Shahiiのクロロホルム抽出法(以下に記述のリファレンスを参照のこと)を用いて分析した。
【0074】
抽出前にサンプルをミキサーで粉砕する。
1.クロロホルム:メタノールの割合が2:1の溶液を用意する。
2.粉砕したサンプル10gを測ってフラスコに入れる;2:1のクロロホルム/メタノール溶液50mlを加える。
3.カバーをして1時間攪拌する。
4.ろ紙を通して清潔なフラスコに流し込む。
5.最初のフラスコをすすぎ、残った固形物を少量の2:1のクロロホルム:メタノール溶液の入った新しいフラスコに入れる。
6.30ml〜35mlの蒸留水を加えて混合する。
7.4℃で一晩放置する。
8.水流吸引器及びガラスピペットを用いて、水とメタノールを含む一定の(settled)最上層を除去する。
9.新しい丸底フラスコの重量を計測して記録する。
10.残った溶液をろ紙を通して新しいフラスコに流し込み、残ったクロロホルム(及び脂肪)の層を硫酸ナトリウム上に移し、残った水を除去する。追加のクロロホルムを用いて全ての脂肪を洗浄してフラスコに入れる。
11.50℃/80rpmのエバポレータ(rotovap)を用いて、残ったクロロホルムを(蒸発させて)除去する。
12.化学排気タンク(chemical fume hood)内にフラスコを一晩定置し、全ての残ったクロロホルムを完全に蒸発させる。
13.乾燥が完了した後のフラスコの重量を計測し、記録して脂肪の量を決定する。
【0075】
結果は、サンプルには平均約0.30%の脂肪が含まれていたことを示した。乾燥後のデジタルキャリパーを用いて10個のチップスの厚さを測定することにより、サンプルのチップスの平均最終厚さは、1.38mmとなった。
【0076】
「クロロホルム法」は、「Extraction and Measurement of total Lipids?」(F.I. Shahii, Current Protocols in Food Analytical Chemistry, John Wiley and Sons, 2003, pp D1.1.4.)に開示されている方法に基づいている。
【0077】
「水分測定法」は、「Gravimetric Determination of Water by Drying and Weighing: Measuring Moisture Using a Convenction Oven 」( R.P. Ruis, Current Protocols in Food Analytical Chemistry, John Wiley and Sons, 2003, pp A1.1.1)に開示されている方法に基づいている。
【0078】
ポテトチップスの食感は、直径0.25”のボールプローブ及びチップス/クラッカー固定具を使用し、TA.XT2テクスチャー・アナライザーを用いて評価した。個々のチップスをプレートの円筒状開口部の直径18mmの開口部に設置し、ボールプローブで穴を開けた。ボールプローブは4.0mm/秒で10グラムの力が検出されるまで移動した。次にボールプローブを1.0mm/秒の速度でチップスに穴を開けた。プローブを10.0でmm/秒で引き抜いた。25個のサンプルのチップスを各試験に使用した。試験したチップスの分析の結果、平均ピーク力は375重量グラムであり、これは、Lay(登録商標)のライトチップス(Light Chips)(オレストラ(OLESTRA)(商標))の325.59重量グラム、及び低脂肪ケトルチップス(Law Fat KETTLE KRISPS)(商標)の416.06重量グラムとほぼ同じである。Lay(登録商標)クラッシクは254.23重量グラムでわずかに低かった。
【0079】
テスト1:チップスの特性の比較:実施例1で説明したプロセスで用意した、本発明のポテトチップスのサンプルを、現在販売されている人気のあるチップスと比較した。
【0080】
【表1】

【0081】
テスト2:マルチピクノメータを使用したポテトチップスの密度測定。マルチピクノメータ(Quantachrome製、モデルMVP−D160−E)は、体積を決定するのに流体置換の技術を採用している。この機器で使用される流体はヘリウムである。既知量のヘリウムが既知の基準体積からチップスを包含しているサンプルセルへ流れ込むことができるときの、圧力差を測定することにより、ポテトチップスの体積を決定した。体積を測定する前にサンプルの重量を測った。測定セルにはめ込むことができるように各チップスを2〜4片に割った。次の式を使って密度を計算した。
【0082】
【数1】

【0083】
【表2】

【0084】
実施例2:標準的な無脂肪ポテトスティック(Potato Stick):ラセット・バーバンク種のジャガイモの皮をむいて長い千切りにし約2mmの高さと幅にした。これらの540グラムをスライスした後、生のポテトスティックを65°Fの流水で15秒すすいだ。次にすすぎ終わったスティックを、500グラムの水(43℃/110°F)、5グラムのバクテリアアミラーゼ(ロット番号ALI05175−04、American laboratories, Inc.)、5グラムの塩化カルシウム溶液(DSM food Specialitiesから入手の32%塩化カルシウム水溶液)を含む溶液中で3分間保持した。酵素で処理したポテトスティックの水気を切り、3%のカーギル(Cargill)海塩を含む87℃/190°Fの水(3000gの冷水プラス90gの塩)で1分30秒間ブランチしてから水気を切った。ブランチしたポテトスティックを、穴を開けたアルミのトレイに直接置き、140℃/285°Fに設定した衝突加熱式オーブン(Impinger(登録商標)I、モデルNo.1240、Lincoln Food Service Products, Inc. (Fort Wayne, IN)より入手)に入れた。オーブンのベルトの速度を24分に設定した。5分ごとにトレイを揺すってポテトの細片をかき混ぜて均一に乾燥するようにした。この処理により、約103グラムの無脂肪ポテトスティックを得、次に、これを冷まして包装した。訓練を受けた感覚のプロ(sensory professionals)が無脂肪ポテトスティックを判定したところ、良好な調理したジャガイモの風味、黄金色、及びパリッとした軽い食感を有していることが認められた。
【0085】
実施例3:大きいサイズの膨らんだポテトストリップス(Potato Strips):ジャガイモ(品種:ユーコンゴールド)の皮をむき、約2mmの厚さにスライスした。次に、これらスライスを約6mm幅の細長い小片(Strip、以下ストリップと言う))にカットした。約750グラムのこれら生のジャガイモのストリップを65°Fの流水で15秒すすいだ。次にすすぎ終わったストリップを、500グラムの水(43℃/110°F)、5グラムのバクテリアアミラーゼ(ロット番号ALI05175−04、American laboratories, Inc.)、5グラムの塩化カルシウム(DSM food Specialitiesから入手の32%塩化カルシウム水溶液)を含む溶液中で3分間保持した。酵素で処理したジャガイモのストリップの水気を切り、3%のカーギル海塩を含む87℃/190°Fの水(3000gの水プラス90gの塩)で1分30秒間ブランチしてから水気を切った。ブランチしたジャガイモのストリップを、穴を開けたアルミニウムのトレイの上に直接置き、135℃/275°Fに設定した衝突加熱式オーブン(Impinger(登録商標)I、モデルNo.1240、Food Service Products, Inc. (Fort Wayne, IN)より入手)に入れた。オーブンのベルトの速度を27分に設定した。5分ごとにトレイを揺すってジャガイモのストリップをかき混ぜて均一に乾燥するようにした。この処理により、軽い食感を有する約129グラムの、脂肪を含まない、約90%がほぼ円筒状に膨れ、クリスピーなフレンチフライの外観を有するポテトスストリップを得た。訓練を受けた感覚のプロが無脂肪ポテトストリップを判定したところ、非常に濃厚なバターの風味、パリッとした軽い食感、及び食欲をそそる外観を有していると判定された。
【0086】
実施例4:人参チップス:人参の皮をむいて約2mmの厚さにスライスした。約500グラムのこれら人参スライスを65°Fの流水で15秒すすいだ。次に、すすぎ終わった人参スライスを500グラムの水(43℃/110°F)、5グラムのバクテリアアミラーゼ(ロット番号ALI05175−04、American laboratories, Inc.)、5グラムの塩化カルシウム溶液(DSM food Specialitiesから入手の32%塩化カルシウム水溶液)を含む溶液中で3分間保持した。酵素で処理した人参スライスの水気を切り、2%のカーギル海塩を含む87℃/190°Fの水(2000gの水プラス40gの塩)で1分15秒間ブランチしてから水気を切った。ブランチした人参スライスを135℃/275°Fに設定した衝突加熱式オーブン(Impinger(登録商標)I、モデルNo.1240、Lincoln Food Service Products, Inc. (Fort Wayne, IN)より入手)のベルト上に直接置いた。オーブンのベルトの速度を15分に設定した。この処理により、軽い食感、明るいオレンジ色、及び好ましい甘い人参の風味を有する約120グラムの無脂肪人参チップスを得た。
【0087】
実施例5:無脂肪ビーツチップス:新鮮なレッドビーツの皮をむいて約1.6mmの厚さにスライスした。約590グラムのこれらビーツスライスを65°Fの流水で15秒すすいだ。次に、すすぎ終わったビーツスライスを500グラムの水(43℃/110°F)、5グラムのバクテリアアミラーゼ(ロット番号ALI05175−04、American laboratories, Inc.)、5グラムの塩化カルシウム(DSM food Specialitiesから入手の32%塩化カルシウム水溶液)を含む溶液中で3分間保持した。酵素で処理したビーツスライスの水気を切り、2%のカーギル海塩を含む87℃/190°Fの水(2000gの水プラス40gの塩)で1分15秒間ブランチしてから水気を切った。ブランチしたビーツスライスを135℃/275°Fに設定した衝突加熱式オーブン(Impinger(登録商標)I、モデルNo.1240、Lincoln Food Service Products, Inc. (Fort Wayne, IN)より入手)のベルト上に直接置いた。オーブンのベルトの速度を15分に設定した。この処理により、軽くてパリッとした食感、暗いビートの赤色、及び好ましいビートの風味を有する約130グラムの無脂肪ビーツチップスを得た。
【0088】
実施例6:無脂肪パースニップチップス:新鮮なパースニップの根の皮をむいて約1.6mmの厚さにスライスした。約500グラムのこれらパースニップスライスを65°Fの流水で15秒すすいだ。次に、すすぎ終わったパースニップスライスを500グラムの水(43℃/110°F)、5グラムのバクテリアアミラーゼ(ロット番号ALI05175−04、American laboratories, Inc.)、5グラムの塩化カルシウム(DSM food Specialitiesから入手の32%塩化カルシウム水溶液)を含む溶液中で3分間保持した。酵素で処理したパースニップスライスの水気を切り、2%のカーギル海塩を含む87℃/190°Fの水(2000gの水プラス40gの塩)で1分15秒間ブランチしてから水気を切った。ブランチしたパースニップスライスを135℃/275°Fに設定した衝突加熱式オーブン(Impinger(登録商標)I、モデルNo.1240、Lincoln Food Service Products, Inc. (Fort Wayne, IN)より入手)のベルト上に直接置いた。オーブンのベルトの速度を13分に設定した。この処理により、軽くパリッとした食感、クリーム色の黄褐色、及び好ましいパースニップの風味を有する約120グラムの無脂肪パースニップチップスを得た。
【0089】
実施例7:無脂肪ユッカの根(マニアック(Maniac)又はキャッサバ(Cassava))のチップス: 新鮮なユッカの根の皮をむいて約1.6mmの厚さにスライスした。約1000グラムのこれらユッカの根のスライスを65°Fの流水で15秒すすいだ。次に、すすぎ終わったユッカの根のスライスを750グラムの水(43℃/110°F)、7.5グラムのバクテリアアミラーゼ(ロット番号ALI05175−04、American laboratories, Inc.)、7.5グラムの塩化カルシウム(DSM food Specialitiesから入手の32%塩化カルシウム水溶液)を含む溶液中で3分間保持した。酵素で処理したユッカの根のスライスの水気を切り、2%のカーギル海塩を含む87℃/190°Fの水(2000gの水プラス40gの塩)で1分15秒間ブランチしてから水気を切った。ブランチしたユッカの根のスライスを2分間アップルジュースの中に定置し、続いて水気を切り、135℃/275°Fに設定した衝突加熱式オーブン(Impinger(登録商標)I、モデルNo.1240、Lincoln Food Service Products, Inc. (Fort Wayne, IN)より入手)のベルト上に直接置いた。オーブンのベルトの速度を14分に設定した。この処理により、軽くパリッとした食感、非常に白い色、及び好ましいわずかに甘い風味を有する約200グラムの無脂肪ユッカの根のチップスを得た。
【0090】
実施例8:無脂肪パイナップルチップス:新鮮なパイナップルの芯を取り、芯を取り除いた部分を約1.6mmの厚さにスライスした。約500グラムのこれらパイナップルのスライスを65°Fの流水で15秒すすいだ。次に、すすぎ終わったパイナップルのスライスを500グラムの水(43℃/110°F)、5グラムのバクテリアアミラーゼ(ロット番号ALI05175−04、American laboratories, Inc.)、5グラムの塩化カルシウム(DSM food Specialitiesから入手の32%塩化カルシウム水溶液)を含む溶液中で3分間保持した。酵素で処理したパイナップルのスライスの水気を切り、2%のカーギル海塩を含む87℃/190°Fの水(2000gの水プラス40gの塩)で1分15秒間ブランチしてから水気を切った。ブランチしたパイナップルのスライスを140℃/285°Fに設定した衝突加熱式オーブン(Impinger(登録商標)I、モデルNo.1240、Lincoln Food Service Products, Inc. (Fort Wayne, IN)より入手)のベルト上に直接置いた。オーブンのベルトの速度を22分に設定した。この処理により、軽くパリッとした食感、明るい黄色、及び好ましい調理したパイナップルの風味を有する約128グラムの無脂肪パイナップルチップスを得た。
【0091】
実施例9:無脂肪アップルチップス:新鮮なフジりんごを洗い、次に約2.0mmの厚さにスライスした。約900グラムのこれらアップルスライスを65°Fの流水で15秒すすぎ、次に、酵素的褐変を防止するために1%のクエン酸溶液の中に定置した。続いて、アップルスライスを500グラムの水(43℃/110°F)、5グラムのバクテリアアミラーゼ(ロット番号ALI05175−04、American laboratories, Inc.)、5グラムの塩化カルシウム(DSM food Specialitiesから入手の32%塩化カルシウム水溶液)を含む溶液中で3分間保持した。酵素で処理したアップルスライスの水気を切り、2%のカーギル海塩、2%の塩化カルシウム溶液(2000gの水プラス40gの塩および40gの塩化カルシウム溶液)を含む87℃/190°Fの水で1分15秒間ブランチしてから水気を切った。ブランチしたアップルスライスを140℃/285°Fに設定した衝突加熱式オーブン(Impinger(登録商標)I、モデルNo.1240、Lincoln Food Service Products, Inc. (Fort Wayne, IN)より入手)のベルト上に直接置いた。オーブンのベルトの速度を14分に設定した。この処理により、軽くパリッとした食感、明るい黄褐色、及び好ましい調理したアップルの風味を有する約220グラムの無脂肪アップルチップスを得た。
【0092】
実施例10:無脂肪洋梨チップス:新鮮なダンジョウ(d'Anjou)洋梨を洗浄してから約2.0mmの厚さにスライスした。約850グラムのこれら洋梨のスライスを65°Fの流水で15秒すすぎ、続いて、酵素的褐変を防止するために1%のクエン酸溶液の中に定置した。続いて、洋梨のスライスを500グラムの水(43℃/110°F)、5グラムのバクテリアアミラーゼ(ロット番号ALI05175−04、American laboratories, Inc.)、5グラムの塩化カルシウム(DSM food Specialitiesから入手の32%塩化カルシウム水溶液)を含む溶液中で3分間保持した。酵素で処理した洋梨のスライスの水気を切り、2%のカーギル海塩、2%の塩化カルシウム溶液(2000gの水プラス40gの塩および40gの塩化カルシウム溶液)を含む87℃/190°Fの水で1分15秒間ブランチしてから水気を切った。ブランチした洋梨のスライスを140℃/285°Fに設定した衝突加熱式オーブン(Impinger(登録商標)I、モデルNo.1240、Lincoln Food Service Products, Inc. (Fort Wayne, IN)より入手)のベルト上に直接置いた。オーブンのベルトの速度を15分に設定した。この処理により、軽くパリッとした食感、明るい黄褐色、及び好ましい調理した洋梨の風味を有する約220グラムの無脂肪洋梨チップスを得た。
【0093】
実施例11:無脂肪紫サツマイモのチップス:紫サツマイモの皮をむいて約1.8mmの厚さにスライスした。スライスの後、約1000グラムのこれら生のサツマイモのスライスを65°Fの流水で15秒すすいだ。次に、すすぎ終わったサツマイモのスライスを2%のカーギル海塩を含む87℃/190°Fの水(2000gの冷水プラス40gの塩)で1分30秒間ブランチしてから水気を切った。ブランチしたサツマイモのスライスを140℃/285°Fに設定した衝突加熱式オーブン(Impinger(登録商標)I、モデルNo.1240、Lincoln Food Service Products, Inc. (Fort Wayne, IN)より入手)のチェーンベルト上に直接置いた。オーブンのベルトの速度を14分に設定した。この処理により、約225グラムのサツマイモのチップスを得、これを冷まして包装した。訓練を受けた感覚のプロが紫サツマイモのスライスを判定したところ、非常に好ましい甘い風味、新規な濃い紫色、及び軽いパリッとした食感を有することが認められた。
【0094】
実施例12:無脂肪ラディッシュのチップス:新鮮な赤いテーブル・ラディッシュ(red table radish)を約1.75mmの厚さにカットした。約500グラムのこれらラディッシュスライスを65°Fの流水で15秒すすいだ。次に、すすぎ終わったラディッシュスライスを500グラムの水(43℃/110°F)、5グラムのバクテリアアミラーゼ(ロット番号ALI05175−04、American laboratories, Inc.)、5グラムの塩化カルシウム(DSM food Specialitiesから入手の32%塩化カルシウム水溶液)を含む溶液中で3分間保持した。酵素で処理したラディッシュスライスの水気を切り、2%のカーギル海塩を含む87℃/190°Fの水(2000gの水プラス40gの塩)で45秒間ブランチしてから水気を切った。ブランチしたラディッシュスライスを135℃/275°Fに設定した衝突加熱式オーブン(Impinger(登録商標)I、モデルNo.1240、Lincoln Food Service Products, Inc. (Fort Wayne, IN)より入手)のベルト上に直接置いた。オーブンのベルトの速度を11.5分に設定した。この処理により、軽いパリッとした食感、クリーム色の黄褐色、及び渋いラディッシュの風味を有する約109グラムの無脂肪ラディッシュチップスを得た。
【0095】
実施例13:無脂肪タロイモチップス:新鮮なタロイモの根の皮をむき、約1.6mmの厚さにスライスした。約1000グラムのこれらタロイモのスライスを65°Fの流水で15秒すすいだ。次に、すすぎ終わったタロイモのスライスを750グラムの水(43℃/110°F)、7.5グラムのバクテリアアミラーゼ(ロット番号ALI05175−04、American laboratories, Inc.)、5グラムの塩化カルシウム(DSM food Specialitiesから入手の32%塩化カルシウム水溶液)を含む溶液中で3分間保持した。酵素で処理したタロイモのスライスの水気を切り、2%のカーギル海塩を含む87℃/190°Fの水(2000gの水プラス40gの塩)で1分間ブランチしてから水気を切った。ブランチしたタロイモのスライスを135℃/275°Fに設定した衝突加熱式オーブン(Impinger(登録商標)I、モデルNo.1240、Lincoln Food Service Products, Inc. (Fort Wayne, IN)より入手)のベルト上に直接置いた。オーブンのベルトの速度を12分に設定した。この処理により、軽いパリッとした食感、タロの根に特有の自然なピンク/赤の斑点を保持しているクリーム色の黄褐色を有する約255グラムの無脂肪タロイモチップスを得た。風味は非常にまろやかであり、わずかに甘くて好ましいものであった。
【0096】
実施例14:無脂肪カボチャのチップス:小さくて新鮮なカボチャ(直径約10インチ)を四分の一にカットし、種を除き、果肉を約1.8mmの厚さにスライスした。約1000グラムのこれら生のカボチャのスライスを65°Fの流水で15秒すすいだ。次に、すすぎ終わったカボチャのスライスを750グラムの水(43℃/110°F)、7.5グラムのバクテリアアミラーゼ(ロット番号ALI05175−04、American laboratories, Inc.)、5グラムの塩化カルシウム(DSM food Specialitiesから入手の32%塩化カルシウム水溶液)を含む溶液中で3分間保持した。酵素で処理したカボチャのスライスの水気を切り、2%のカーギル海塩を含む87℃/190°Fの水(2000gの水プラス40gの塩)で30秒間ブランチしてから水気を切った。ブランチしたカボチャのスライスを135℃/275°Fに設定した衝突加熱式オーブン(Impinger(登録商標)I、モデルNo.1240、Lincoln Food Service Products, Inc. (Fort Wayne, IN)より入手)のベルト上に直接置いた。オーブンのベルトの速度を11分に設定した。この処理により、軽いパリッとした食感、オレンジ/黄褐色、及び非常にまろやかで良好な風味を有する約246グラムの無脂肪カボチャチップスを得た。
【0097】
実施例15:無脂肪スウェーデンカブのチップス:新鮮なスウェーデンカブの皮をむいて約1.6mmの厚さにスライスした。約500グラムのこれらスウェーデンカブのスライスを65°Fの流水で15秒すすいだ。次に、すすぎ終わったスウェーデンカブのスライスを500グラムの水(43℃/110°F)、5グラムのバクテリアアミラーゼ(ロット番号ALI05175−04、American laboratories, Inc.)、5グラムの塩化カルシウム(DSM food Specialitiesから入手の32%塩化カルシウム水溶液)を含む溶液中で3分間保持した。酵素で処理したスウェーデンカブのスライスの水気を切り、2%のカーギル海塩を含む87℃/190°Fの水(2000gの水プラス40gの塩)で1分10秒間ブランチしてから水気を切った。ブランチしたスウェーデンカブのスライスを135℃/275°Fに設定した衝突加熱式オーブン(Impinger(登録商標)I、モデルNo.1240、Lincoln Food Service Products, Inc. (Fort Wayne, IN)より入手)のベルト上に直接置いた。オーブンのベルトの速度を12.5分に設定した。この処理により、軽いパリッとした食感、明るい黄褐色、及び典型的な料理されたスウェーデンカブの風味を有する約134グラムの無脂肪スウェーデンカブのチップスを得た。
【0098】
実施例16:無脂肪ズッキーニのチップス:数個の小さくて新鮮なズッキーニ(直径約2.5インチ及び長さ約8インチ)の皮をむき、芯(直径約0.5インチ)を取り除き、次に、下処理したズッキーニをセレーション刃の付いたスライサー(キッチンマンドリン(kitchen mandolin))を使って約2mmの厚さにスライスした。約1000グラムのこれら生のズッキーニのスライスを65°Fの流水で15秒すすいだ。次に、すすぎ終わったズッキーニのスライスを750グラムの水(43℃/110°F)、15グラムの乾燥酵素製剤(ロット番号SI9700、Multizyme II, Enzyme Development Corp. New York, NY)、10グラムの塩化カルシウム(DSM food Specialitiesから入手の32%塩化カルシウム水溶液)を含む溶液中で3分間保持した。酵素で処理したズッキーニのスライスの水気を切り、2%のカーギル海塩を含む87℃/190°Fの水(2000gの水プラス40gの塩)で45秒間ブランチしてから水気を切った。ブランチしたズッキーニのスライスを135℃/275°Fに設定した衝突加熱式オーブン(Impinger(登録商標)I、モデルNo.1240、Lincoln Food Service Products, Inc. (Fort Wayne, IN)より入手)のベルト上に直接置いた。オーブンのベルトの速度を18分に設定した。この処理により、軽いパリッとした食感、明るい黄色/黄褐色、及び非常にまろやかで良好な風味を有する約96グラムの無脂肪ズッキーニのチップスを得た。
【0099】
実施例17:無脂肪マッシュルームのチップス:数個の小さくて新鮮なマッシュルーム(かさの直径約2.5インチ〜3インチ)をスライサー(キッチンマンドリン)を使って約2.4mmの厚さにスライスした。約500グラムのこれら生のマッシュルームのスライスを65°Fの流水で15秒すすいだ。次に、すすぎ終わったマッシュルームのスライスを750グラムの水(43℃/110°F)、15グラムの乾燥酵素製剤(ロット番号SI9700、Multizyme II, Enzyme Development Corp. New York, NY)、10グラムの塩化カルシウム(DSM food Specialitiesから入手の32%塩化カルシウム水溶液)を含む溶液中で3分間保持した。酵素で処理したマッシュルームのスライスの水気を切り、2%のカーギル海塩を含む87℃/190°Fの水(2000gの水プラス40gの塩)で45秒間ブランチしてから水気を切った。ブランチしたマッシュルームのスライスをスクリーンシートの上に置き、135℃/275°Fに設定した衝突加熱式オーブン(Impinger(登録商標)I、モデルNo.1240、Lincoln Food Service Products, Inc. (Fort Wayne, IN)より入手)の中に配置した。オーブンのベルトの速度を22分に設定した。この処理により、軽いパリッとした食感、黄褐色、及び非常にまろやかで良好なピリッとした調理されたマッシュルームの風味を有する約64グラムの無脂肪マッシュルームのチップスを得た。
【0100】
実施例18:無脂肪インゲン(Green Bean)のスティック:新鮮なインゲン(品種:Blue Lake)をすすぎ、端部を取り除き、次に、約1000グラムのこれら生のインゲンを65°Fの流水で15秒すすいだ。次に、すすぎ終わったインゲンの鞘を750グラムの水(43℃/110°F)、15グラムの乾燥酵素製剤(ロット番号SI9700、Multizyme II, Enzyme Development Corp. New York, NY)、10グラムの塩化カルシウム(DSM food Specialitiesから入手の32%塩化カルシウム水溶液)を含む溶液中で3分間保持した。酵素で処理したインゲンの鞘の水気を切り、2%のカーギル海塩を含む87℃/190°Fの水(2000gの水プラス40gの塩)で4分間ブランチしてから水気を切った。ブランチしたインゲン豆の鞘を135℃/275°Fに設定した衝突加熱式オーブン(Impinger(登録商標)I、モデルNo.1240、Lincoln Food Service Products, Inc. (Fort Wayne, IN)より入手)のベルト上のスクリーンシートの上に置いた。オーブンのベルトの速度を28分に設定した。この処理により、軽いパリッとした食感、色は緑と茶色、及び非常にまろやかなで良好な風味を有する約172グラムの無脂肪インゲンのスナックスティックを得た。
【0101】
実施例19:レギュラー無脂肪ポテトチップス、下準備したスライスを1週間の間冷却状態に保持した後乾燥/調理する:チップ加工用ジャガイモ(品種:Atlantic)の皮をむき、C2刃を有するDito Dean野菜スライサーを用いてスライスし、厚さ約1.6mmのスライスを得た。スライスした後、1000グラムのこれら未加工のジャガイモのスライスを65°Fの流水で15秒すすいだ。次に、すすぎ終わったスライスを1000グラムの水(43℃/110°F)、10グラムのバクテリアアミラーゼ(ロット番号ALI05175−04、American laboratories, Inc.)、10グラムの塩化カルシウム溶液(DSM food Specialitiesから入手の32%塩化カルシウム水溶液)を含む溶液中で3分間保持した。酵素で処理したジャガイモのスライスの水気を切り、2%のカーギル海塩を含む87℃/190°Fの水(2000gの水プラス40gの塩)で1分間ブランチしてから水気を切った。ブランチしたジャガイモのスライスを氷水で冷却し、水気を切り、3℃/38°Fのクーラーの中でプラスチックバッグに入れて7日間保存した。サンプルをクーラーから取り出し、一層の金属スクリーンの上に定置し、176℃/350°Fに設定した工業用エアーフォース(Air force)(登録商標)衝突加熱式オーブン(Heat and Control Company, Hayward CA94545)で3.5分処理した。次に、部分的に乾燥したジャガイモのスライスを積み重ねて1インチの床厚さを作り、148℃/300°Fに設定した第2のエアーフォース(登録商標)衝突加熱式オーブン(Heat and Control Company, Hayward CA94545)でさらに3.5分処理した。この処理により、約200グラムの無脂肪ポテトチップスを得、これを冷まして包装した。訓練を受けた感覚のプロがポテトチップを判定したところ、良好な調理したジャガイモの風味、色は黄金色、及びパリッとした軽い食感を有していることが認められた。下準備されたスライスを7日間保留したことは食感又は最終製品の風味に影響しなかった。
【0102】
実施例20:新規なサツマイモのシリアル−通常のサツマイモフレーク:新規なサツマイモのシリアル−通常のサツマイモの皮をむき、厚さ約0.75インチ〜1インチの細長い細片にスライスし、次に細片を約2mmの厚さの小さなフレークにスライスした。スライスした後、1000グラムのこれら生のサツマイモのフレークを65°Fの流水で15秒すすいだ。次に、すすぎ終わったフレークを、1%のカーギル海塩および0.5%の塩化カルシウム溶液(DSM food Specialitiesから入手の32%塩化カルシウム水溶液)を含むを含む87℃/190°Fの水(5000gの冷水プラス50gの塩、25gの塩化カルシウム)で1分間ブランチしてから水気を切った。ブランチしたサツマイモのフレークをアルミニウムのスクリーンの上に直接置き、140℃/285°Fに設定した衝突加熱式オーブン(Impinger(登録商標)I、モデルNo.1240、Food Service Products, Inc. (Fort Wayne, IN)より入手)に入れた。オーブンのベルトの速度を17分に設定した。5分ごとにスクリーンを揺すってサツマイモのフレークをかき混ぜて均一に乾燥するようにした。この処理により、約284グラムの無脂肪のサツマイモのフレークを得、これを冷まして包装した。訓練を受けた感覚のプロがサツマイモのフレークを判定したところ、良好な甘いナッツのような風味、キツネ色、及び穀物ベースのシリアルのようにボウルに入れた牛乳と共に食したときに、軽いパリッとした食感を有していることが認められた。製品はボウルの中で7分〜8分間パリッとした食感を保った。
【0103】
実施例21:初期乾燥を赤外線ヒーターで行い、次に衝突加熱中で最終乾燥させることにより製造したレギュラー無脂肪ポテトチップス:チップ加工用ジャガイモ(品種:Atrantic)の皮をむき、C2刃を有するDito Dean野菜スライサーを用いてスライスし、厚さ約1.6mmのスライスを得た。スライスした後、1000グラムのこれら生のジャガイモのスライスを65°Fの流水で15秒すすいだ。次に、すすぎ終わったスライスを1000グラムの水(43℃/110°F)、10グラムのバクテリアアミラーゼ(ロット番号ALI05175−04、American laboratories, Inc.)、10グラムの塩化カルシウム溶液(DSM food Specialitiesから入手の32%塩化カルシウム水溶液)を含む溶液中で3分間保持した。酵素で処理したジャガイモのスライスの水気を切り、2%のカーギル海塩を含む87℃/190°Fの水(3000gの冷水プラス60gの塩)で1分間ブランチしてから水気を切った。ブランチしたジャガイモのスライスをコンベアに置き、30秒間赤外線ヒーターの下を通過させた。次に、部分的に乾燥したスライスを直ちに、176℃/350°Fに設定した工業用エアーフォース(Air force)(登録商標)衝突加熱式オーブン(Heat and Control Company, Hayward CA94545)に3分間入れた。次に、部分的に乾燥したジャガイモのスライスを積み重ねて1インチの床厚さを作り、148℃/300°Fに設定した第2のエアーフォース(登録商標)衝突加熱式オーブン(Heat and Control Company, Hayward CA94545)でさらに3分処理した。この処理により約200グラムの無脂肪ポテトチップスを得、これを冷まして包装した。訓練を受けた感覚のプロがポテトチップを判定したところ、良好な調理したジャガイモの風味、色は黄金色、及び軽くパリッとした食感を有していることが認められた。
【0104】
実施例22:初期乾燥を電子レンジで行い、それから衝突加熱式オーブンで最終乾燥させることにより製造されたレギュラー無脂肪ポテトチップス:チップ加工用ジャガイモ(品種:Atrantic)の皮をむき、C2刃を有するDito Dean野菜スライサーを用いてスライスし、厚さ約1.60mmのスライスを得た。スライスした後、1000グラムのこれら生のジャガイモのスライスを65°Fの流水で15秒すすいだ。次に、すすぎ終わったスライスを1000グラムの水(43℃/110°F)、10グラムのバクテリアアミラーゼ(ロット番号ALI05175−04、American laboratories, Inc.)、10グラムの塩化カルシウム溶液(DSM food Specialitiesから入手の32%塩化カルシウム水溶液)を含む溶液中で3分間保持した。酵素で処理したジャガイモのスライスの水気を切り、2%のカーギル海塩を含む87℃/190°Fの水(3000gの冷水プラス60gの塩)で1分間ブランチしてから水気を切った。ブランチしたジャガイモのスライスをプラスチックの平円板に置き、最大出力の電子レンジ(Amana Radar Range, Model No. RS415T, 1500 Watts, Amana Appliances (Amana, IA)製)に1分間入れた。次に、部分的に乾燥したスライスを直ちに、176℃/350°Fに設定した工業用エアーフォース(Air force)(登録商標)衝突加熱式オーブン(Heat and Control Company, Hayward CA94545)に1.5分間入れた。ジャガイモのスライスを積み重ねて1インチの床厚さを作り、次に148℃/300°Fに設定した第2のエアーフォース(登録商標)衝突加熱式オーブン(Heat and Control Company, Hayward CA94545)でさらに1.5分処理した。この処理により約200グラムの無脂肪ポテトチップスを得、これを冷まして包装した。訓練を受けた感覚のプロがポテトチップを判定したところ、良好な調理したジャガイモの風味、黄金色、及び軽くパリッとした食感を有していることが認められた。
【0105】
実施例23:浸漬ブランチに替えてスチームブランチ、リンカーン衝突加熱式(Lincoln Impingement)仕上げにより製造された、Lサイズの膨らんだポテトストリップ(Puffed Potato Strip):ジャガイモ(品種:ユーコンゴールド)の皮をむき、約2mm厚さにスライスした。これらのスライスを、次に、幅約6mm、長さ6ccのストリップにカットした。約750グラムの生のポテトのストリップを65°Fの流水で15秒すすいだ。次にすすぎ終わったストリップを、500グラムの水(43℃/110°F)、5グラムのバクテリアアミラーゼ(ロット番号ALI05175−04、American laboratories, Inc.)、5グラムの塩化カルシウム(DSM food Specialitiesから入手の32%塩化カルシウム水溶液)を含む溶液中で3分間保持した。酵素で処理したポテトストリップの水気を切り、M−6デキシー(M-6 Dixie)ベジタブルブランチャー/クーラー(Dixie Canning Company, Athens Georgia, 30603)のスチームを用いて30秒間ブランチした。熱いスチームでブランチしたポテトを、穴を開けたアルミのトレイに直接置き、135℃/275°Fに設定した衝突加熱式オーブン(Impinger(登録商標)I、モデルNo.1240、Lincoln Food Service Products, Inc. (Fort Wayne, IN)より入手)に入れた。オーブンのベルトの速度を27分に設定した。5分ごとにトレイを揺すってポテトのストリップをかき混ぜて均一に乾燥するようにした。この処理により、軽い食感を有する約129グラムの、脂肪を含まない、約90%がほぼ円筒状に膨れ、クリスピーなフレンチフライの外観を有するポテトスストリップを得た。脂肪を含まないポテトストリップの訓練を受けた感覚のプロが判定したところ、非常に濃厚なバターの風味、パリッとした軽い食感、及び食欲をそそる外観を有していると判定された。
【0106】
実施例24:初期乾燥を衝突加熱式オーブンで行い、次にパルス流動床乾燥機で最終乾燥を行なったレギュラー無脂肪ポテトチップス:チップ加工用ジャガイモ(品種:Atrantic)の皮をむき、C2刃を有するDito Dean野菜スライサーを用いてスライスし、厚さ約1.60mmのスライスを得た。スライスした後、1000グラムのこれら生のジャガイモのスライスを65°Fの流水で15秒すすいだ。次に、すすぎ終わったスライスを1000グラムの水(43℃/110°F)、10グラムのバクテリアアミラーゼ(ロット番号ALI05175−04、American laboratories, Inc.)、10グラムの塩化カルシウム溶液(DSM food Specialitiesから入手の32%塩化カルシウム水溶液)を含む溶液中で3分間保持した。酵素で処理したジャガイモのスライスの水気を切り、2%のカーギル海塩を含む87℃/190°Fの水(3000gの冷水プラス60gの塩)で1分間ブランチしてから水気を切った。ブランチしたジャガイモのスライスを176℃/350°Fに設定した衝突加熱式オーブンのベルト上に直接置き、1分間乾燥させて水分含量を50%に低減させ、次にチップスを積み重ねて3インチの床厚さを作り、続いて、148℃/300°Fに設定した工業用エアロパルス(Aeropulse)(登録商標)パルスエアー流動床プロセッサー(Aeroglide Corporation, Raleigh, NC27626)に5分間入れた。この処理により約200グラムの無脂肪ポテトチップスを得、これを冷まして包装した。訓練を受けた感覚のプロがポテトチップを判定したところ、良好な調理したジャガイモの風味、黄金色、及び軽くパリッとした食感を有していることが認められた。
【0107】
実施例25:ウェーブのかかった又は波状の無脂肪ポテトチップス:ジャガイモ(品種:Atrantic)の皮をむき、波型をつける刃(mandolin corrugated blade)の上でスライスし、現在「ウエイビー(wave)」又は「波状(Ripple)」チップスという名前で販売されているポテトチップスに、外観、形状、及び厚さの酷似した、最も厚い場所で約2mm、最も薄い場所で約1.65mmのスライスを形成した。スライスの後、500グラムのこれら生のジャガイモのスライスを65°Fの流水で15秒すすいだ。次に、すすぎ終わったジャガイモのスライスを500グラムの水(43℃/110°F)、5グラムのバクテリアアミラーゼ(ロット番号ALI05175−04、American laboratories, Inc.)、50グラムの塩化カルシウム溶液(DSM food Specialitiesから入手の32%塩化カルシウム水溶液)を含む溶液中で3分間保持した。酵素で処理したポテトのスライスの水気を切り、M−6デキシー(M-6 Dixie)ベジタブルブランチャー/クーラー(Dixie Canning Company, Athens Georgia, 30603)のスチームを用いて、大気条件下で30秒間スライスを直接蒸気に当ててブランチした。ブランチしたジャガイモのスライスを140℃/285°Fに設定した衝突加熱式オーブン(Impinger(登録商標)I、モデルNo.1240、Lincoln Food Service Products, Inc. (Fort Wayne, IN)より入手)に直接置いて中に入れた。オーブンのベルトの速度を24分に設定した。この処理により、約110グラムの無脂肪ポテトチップスを得た。これを冷まして包装した。訓練を受けた感覚のプロがポテトチップスを判定したところ、良好な調理したジャガイモの風味、黄金色、及び軽くパリッとした食感を有していることが認められた。
【0108】
実施例26:膨らんだポテトチップス:ジャガイモ(品種:ユーコンゴールド)の皮をむき、約2mm厚さにスライスした。生のポテトストリップ約750グラムを65°Fの流水で15秒すすいだ。次にすすぎ終わったスライスを、500グラムの水(43℃/110°F)、5グラムのバクテリアアミラーゼ(ロット番号ALI05175−04、American laboratories, Inc.)、5グラムの塩化カルシウム(DSM food Specialitiesから入手の32%塩化カルシウム水溶液)を含む溶液中で3分間保持した。酵素で処理したジャガイモのスライスの水気を切り、2.5%のカーギル海塩を含む87℃/190°Fの水(3000gの冷水プラス75gの塩)に1分30秒間ブランチしてから水気を切った。ブランチしたジャガイモのスライスをワイヤーベルトの上に直接置き、140℃/285°Fに設定した衝突加熱式オーブン(Impinger(登録商標)I、モデルNo.1240、Lincoln Food Service Products, Inc. (Fort Wayne, IN)より入手)を通過させた。オーブンのベルトの速度は初期通過の際には9分に設定し、次に再度ジャガイモのスライスを6分間通過させた。この処理により約135グラムの軽い食感を有する無脂肪ポテトチップスを得、チップスの約90%が枕のような外観及び中空を有する厚みのある形状に膨らんだ。これら膨らんだ無脂肪のポテトチップスを、訓練を受けた感覚のプロが判定したところ、非常に濃厚なバターの風味、パリッとした軽い食感、及び食欲をそそる外観を有していると判定された。
【0109】
実施例27:無脂肪サツマイモチップス:有機日本サツマイモの皮をむき、厚さ約1.8mmにスライスした。1000グラムのこれら生のサツマイモのスライスを65°Fの流水で15秒すすいだ。次に、すすぎ終わったスライスを、2%のカーギル海塩を含む87℃/190°Fの水(2000gの水プラス40gの塩)に1分30秒間ブランチしてから水気を切った。ブランチしたスライスを140℃/285°Fに設定した衝突加熱式オーブン(Impinger(登録商標)I、モデルNo.1240、Lincoln Food Service Products, Inc. (Fort Wayne, IN)より入手)のチェーンベルト上に直接置いた。オーブンのベルトの速度を14分に設定した。この処理により、約230グラムのサツマイモのチップスを得、これを冷まして包装した。訓練を受けた感覚のプロがサツマイモのチップスを判定したところ、非常に好ましい甘い風味、明るいオレンジ色、及び軽いパリッとした食感を有することが認められた。
【0110】
実施例28:調理プロセスの第1工程として回転式乾燥機又は回転ドラム式乾燥機の使用:チップス用ジャガイモを洗い、皮をむき、約1.55mmの厚さにスライスし、続いて洗い、バクテリアアミラーゼ(ロット番号ALI05175−04、American laboratories, Inc.)、及び塩化カルシウム溶液(DSM food Specialitiesから入手の32%塩化カルシウム水溶液)を含む溶液に浸した。次に、酵素で処理したジャガイモのスライスの水気を切り、2%のカーギル海塩を含む87℃/190°Fの水でブランチしてから水気を切った。ブランチしたジャガイモのスライスを冷やして保存した。スライスしたジャガイモのいくつかのサンプルを、脱水工程の前後に、Denver Equipment Companyから入手可能なオムニマーク(Omni Mark)湿度計で試験した。湿度計は、ブランチング工程後で乾燥直前の生の酵素処理されたジャガイモのスライスが80%〜85%の水分量を有していることを示した。
【0111】
次に、スライスしたジャガイモを、スプレイ・ダイナミックス(Spray Dynamics)社の回転ドラム式乾燥機の中にバルク形態で配置し、温度約300°Fで約10分間、大量に部分的に脱水した。部分的に脱水したスライスを、次に、回転式乾燥機から取り出し、品質、色、食感、破損、におい、及び風味について視覚的に試験した。驚くべきことに、全てのスライスが優れた食感、色、風味、においを有し、さらに驚くべきことに、あるとしても最小量の破損、くっつき、又はいかなるその他の目に見える損傷すら認められなかった。乾燥は均一であり、スライス全ては類似の色を有し、脱水の程度に差はなかった。
【0112】
温度を約275°F〜約350°Fの範囲、及び期間は短くて約5分及び長くて約14分として試験を何回か繰り返した。視覚的結果は第1回目の試験と同様に全て驚くほど良好であり、試験によって差は出なかった。
【0113】
約5分〜約14分の間の異なる長さの脱水工程後の、スナック食品のスライスの水分含量は約40%〜約70%の範囲であった。
【0114】
本発明の教示の有効性をさらに試験するために、Spray Dynamics社から入手可能な回転ドラム式乾燥機を使用して追加試験を行なった。酵素処理していないジャガイモのスライスを上記と同様のやり方でドラム式乾燥機に置き、300°Fで最高約12分部分的に脱水した。脱水工程後に、スライスは商業的に望ましくないと思われる色、食感、品質、風味、及び臭気を有していたので、プロセスは一貫して好ましくない結果となった。乾燥は一定ではなかった。一部のスライスは乾燥しきって脱水ジャガイモと同様の及び/又は脱水ジャガイモのような硬い密度となった。しかしながら、その他のスライスは、完全に又は部分的に湿っており、或いは全体又は端部周辺が焦げてさえいた。酵素処理はおそらく、スライスされた食品の表面の糖を分解するので、高レベルのでんぷんを含む食品は酵素処理を用いることによりかなり改良されると考えられる。
【0115】
本発明の教示にしたがって加工された、前処理され脱水されたジャガイモのスライスを、従来のたっぷりの油で揚げたポテトチップスと同じ食感、パリパリ感、色、味、及び口ざわりのポテトチップを製造するために使用した。約300°Fの温度で約8分間調理された、水分が約51%の前処理したジャガイモのスライス(前処理され脱水されたジャガイモのスライス)を、次の試験で使用した。
【0116】
実施例28A:約5,000グラムの前処理及び脱水されたジャガイモのスライスを、Witte Companyから入手可能な流動床乾燥機の開放式(opening)ベルトコンベアの上にまき、さらに約325°Fで約6分間十分に加熱した。気流速度は約300cfm〜約350cfmであった。前処理され脱水され調理されたジャガイモのスライスは、次に、放置して周囲温度(80°F)まで冷ました。得られたポテトチップスは、従来の揚げたチップスに似た空洞部分/水泡形成を有し、従来のたっぷりの油で揚げる方法で製造された、対象物であるポテトチップスと完全に同一程度又はそれよりも良い優れた食感、口ざわり、味、色、及びパリパリ感を有していた。試験により約1,990グラムの無脂肪ポテトチップスを得た。
【0117】
実施例28B:約1,500グラムの前処理及び脱水されたジャガイモのスライスを、工業用エアーフォース(Air force)(登録商標)衝突加熱式オーブン(Heat and Control Company, Hayward CA94545)のベルトコンベア上の多層構造の中に置き、1インチの床厚さを作る、続いて148℃/300°Fで5.5分間加工処理した。この処理により、約660グラムの無脂肪ポテトチップスを得、これを冷まして包装した。訓練を受けた感覚のプロがポテトチップスを判定したところ、良好な調理したジャガイモの風味、黄金色、及び軽くパリッとした食感を有していることが認められた。
【0118】
実施例28C:約2,000グラムの前処理され脱水されたジャガイモのスライスを、さらに、148℃/300°Fに設定した工業用エアロパルス(Aeropulse)(登録商標)パルスエアー流動床プロセッサー(Aeroglide Corporation, Raleigh, NC27626)を使用して、多層型の中で5分間加工処理した。この処理により約830グラムの無脂肪ポテトチップスを得、これを冷まして包装した。訓練を受けた感覚のプロがポテトチップを判定したところ、良好な調理したジャガイモの風味、黄金色、及び軽くパリッとした食感を有していることが認められた。
【0119】
実施例28D:約1,000グラムの前処理及び脱水されたジャガイモのスライスを、対流式オーブン(Model # 6203, Lincoln Steam's Oven, Lincoln food Service Products, Fort Wayne, IN)を使用してさらに加工処理した。ジャガイモのスライスを穴の開いたトレイに置き、148℃/300°Fで12分間、製品が完全に乾燥するまでオーブン内で調理した。その試験により約400グラムの最終無脂肪ポテトチップスを得た。訓練を受けた感覚のプロがポテトチップを判定したところ、良好な調理したジャガイモの風味、黄金色、及び軽くパリッとした食感を有していることが認められた。
【0120】
実施例28E:約2,000グラムの前処理され脱水されたジャガイモのスライスを、静置トレイ乾燥機(National Dryer Machinery Company, Philadelphia, PA)を使用してさらに加工処理した。ジャガイモのスライスを約3/4インチの深さに置き、148℃/300°Fで16分間乾燥させた。その試験により約810グラムの無脂肪ポテトチップスを得た。訓練を受けた感覚のプロがポテトチップを判定したところ、明るい黄金色、素晴らしいポテトチプスの風味及び軽くパリッとした食感を有していることが認められた。
【0121】
実施例29:初期乾燥に衝突加熱式オーブン、次に最終乾燥に振動流動床乾燥機を使用したレギュラー無脂肪ポテトチップス:チップス用ジャガイモ(品種:Snowden)を洗い、C3刃を有するDito Dean野菜スライサーを用いてスライスし、厚さ約1.6mmのスライスを得た。スライスの後、3.95ポンド(約1791,7グラム)の生のポテトのスライスを65°Fの流水で15秒すすいだ。次に、すすぎ終わったスライスを3000グラムの水(43℃/110°F)、30グラムのバクテリアアミラーゼ(ロット番号ALI05175−04、American laboratories, Inc.)、30グラムの塩化カルシウム溶液(DSM food Specialitiesから入手の32%塩化カルシウム水溶液)を含む溶液中で3分間保持した。酵素で処理したジャガイモのスライスの水気を切り、M−6デキシー(M-6 Dixie)ベジタブルブランチャー/クーラー(Dixie Canning Company, Athens Georgia, 30603)のスチームを用いて40秒間ブランチした。ブランチしたジャガイモのスライスを176℃/350°Fに設定した衝突加熱式オーブンのベルト上に直接置き、水分含有量を36%に低減するために5分間乾燥させた。次に、チップスを2インチの床厚さを作るために積み重ね、実験用モデル(lab model)振動流動床プロセッサー(Carrier Vibrating Equipment, Inc., Louisville, KY 40213)の中にドリル穴タイプ(drilled hole type)のプレートを使用して置き、160℃/320°Fで2分間乾燥/調理した。この処理により約1ポンドの無脂肪ポテトチップスを得、これを冷まして包装した。訓練を受けた感覚のプロがポテトチップを判定したところ、良好な調理したジャガイモの風味、黄金色、及び軽くパリッとした食感を有していることが認められた。
【0122】
実施例30:無脂肪サツマイモチップスをスチームブランチし、次に全乾燥工程に振動流動床乾燥機を使用した:一般的な品種のサツマイモを洗い、C3刃を有するDito Dean野菜スライサーを用いてスライスし、厚さ約1.8mmのスライスを得た。スライスの後、3.0ポンドの生のサツマイモのスライスを65°Fの流水で15秒すすいだ。次に、すすぎ終わったスライスの水気を切り、M−6デキシー(M-6 Dixie)ベジタブルブランチャー/クーラー(Dixie Canning Company, Athens Georgia, 30603)のスチームを用いて50秒間ブランチした。ブランチしたサツマイモのスライスを冷水で3分間すすぎ、水気を切り、それからプラスチックバッグに入れてクーラーの中で一晩保存した。ブランチしたサツマイモのスライスを、実験用2インチの床厚さに重ね、実験用モデル(lab model)振動流動床プロセッサー(Carrier Vibrating Equipment, Inc., Louisville, KY 40213)の中にドリル穴タイプ(drilled hole type)のプレートを使用して置き、176℃/350°Fで4分間乾燥/調理した。プロセッサーの温度を160℃/320°Fに下げ、さらに2分間製品を調理した後、更なる2分間の最終乾燥/調理時間のためにプロセッサーの温度を148℃/300°Fに下げた。連続的に温度を下げることで、制御された乾燥プロセスが可能となり、製品の褐色化を防ぐために気化冷却を行なわない場合は、乾燥の最終段階で製品の温度を148℃/300°Fより低く維持し、製品に存在する天然糖のカラメル化反応を制御する。この制御プロセスにより約0.75の無脂肪サツマイモチップスを得、これを冷まして包装した。訓練を受けた感覚のプロがサツマイモチップスを判定したところ、非常に良好な甘い風味、明るいオレンジ色、及び軽くパリッとした食感を有していることが認められた。
【0123】
上記プロセスを何度も繰り返し、さらにサツマイモを塩化カルシウム、アミラーゼ酵素、及びこの二つの組み合わせで処理した結果、素晴らしい色、食感、及び味を有する望み通りの製品を得た。
【0124】
さらに、洋梨、りんご、カボチャ(squash)、及び黄色、オレンジ、白、及び紫人参を含む様々な人参を上記と同様の方法で加工し、全て素晴らしい味、色、及び食感を有する優れた製品が得られた。
【0125】
実施例31:無脂肪ポテトスティックの製造にスチームブランチ、次に全乾燥工程に振動流動床乾燥機を使用:ジャガイモ(一般的なRusset)を洗い、皮をむき、AS−4刃を有するDito Dean野菜スライサーを用いてスライスし、2.0mm平方および平均長さ8cmの千切り又はスティック形状を得た。スライスの後、2.80ポンドの生のポテトスティックを65°Fの流水で15秒すすいだ。次に、すすいだポテトスティックの水気を切り、3000グラムの水(43℃/110°F)、30グラムのバクテリアアミラーゼ(ロット番号ALI05175−04、American laboratories, Inc.)、30グラムの塩化カルシウム溶液(DSM food Specialitiesから入手の32%塩化カルシウム水溶液)を含む溶液中で3分間保持した。酵素で処理したポテトスティックの水気を切り、M−6デキシー(M-6 Dixie)ベジタブルブランチャー/クーラー(Dixie Canning Company, Athens Georgia, 30603)のスチームを用いて55秒間ブランチした。ブランチしたジャガイモのスティックを冷水のスプレーで3分間すすぎ、水気を切り、次に、ポテトスティックを1000グラムの水、75グラムのトマトジュース、10グラムのレモンジュース、10グラムの人参ジュース、10グラムの塩を含む溶液に漬けこんで、一晩クーラーの中に置いた。翌日、漬け込んだポテトスティックの水分を切り、ドリル穴タイプのプレートを備える実験用モデル(lab model)振動流動床プロセッサー(Carrier Vibrating Equipment, Inc., Louisville, KY 40213)の中に、2インチの床厚さになるよう積み重ね、160℃/320°Fで6分間乾燥/調理した。続いて、プロセッサーの温度を148℃/300°Fに下げてさらに2分間調理し、その後プロセッサーの温度を140℃/285°Fに下げて、最終の乾燥時間としてさらに2分間調理した。順次的に温度を下げることにより乾燥プロセスを制御することが可能となり、製品中の天然糖による製品の褐色化及びカラメル化反応を防止するために蒸発冷却を行なわない場合には、乾燥の最終段階で製品の温度を148℃/300°Fより低く維持する。この制御プロセスにより約0.60の無脂肪ポテトスティックを得、これを冷まして包装した。得られた製品は色が非常に明るい黄金色であり、良好でわずかに塩の効いたバターのようなポテトの風味を有し、優れたパリッとした軽い食感を有していた。
【0126】
実施例32:最終調理に振動流動床乾燥機を使用する無脂肪トルティーヤチップス:市販の直径6インチのホワイトコーン・トルティーヤを地元の食品店で購入し、各トルティーヤを8個のくさび型(wedge)又は三角形にカットした。約500グラムのこれらトルティーヤ片を、3000グラムの水(43℃/110°F)、30グラムのバクテリアアミラーゼ(ロット番号ALI05175−04、American laboratories, Inc.)、30グラムの塩化カルシウム溶液(DSM food Specialitiesから入手の32%塩化カルシウム水溶液)を含む溶液中で3分間保持した。酵素処理したトルティーヤ片の水気を切り、11/2インチの床厚さになるよう積み重ね、ドリル穴タイプのプレートを有する実験用モデル(lab model)振動流動床プロセッサー(Carrier Vibrating Equipment, Inc., Louisville, KY 40213)の中に置き、160℃/320°Fで7間乾燥/調理した。
この処理により約200グラムのトルティーヤチップスを得、これを冷まして包装した。訓練を受けた感覚のプロがトルティーヤチップスを判定したところ、良好な調理したトルティーヤの風味、非常に明るい黄金色、滑らかな外観及び軽くパリッとした食感を有していることが認められた。同様の方法で製造したが酵素処理を行なっていないサンプルと比較して、本発明のやり方を用いて加工されたサンプルの食感は非常に軽く、軽いクランチ感とパリパリ感を示した。酵素処理をせずにただの水に3分間保持したサンプルは、本発明の方法を用いて製造したものに比べて硬くてパリパリ感が少なかった。
【0127】
実施例33:パリパリ感の試験:野菜のスナックチップスはそのパリパリ感とクランチ感で好まれており、これらは従来の揚げたチップスに特有の特徴である。パリパリ感とクランチ感は、チップスの破断に必要な力、並びに破損の前の剛性、を記録する機器を用いて定量化することが可能である。抵抗性増進と、増加するたわみ及び変形に対する割合はヤング係数(弾性係数とも呼ばれる)である。ヴィッカース(Vickers)とクリステンセン(Christensen)は、計器測定の中で、ヤング係数が食品のパリパリ感に最も高い関連性を有していることを見い出した(Vickers, Z.M. and Christensen, C.M. 1980. Relationship between sensory crispness and other sensory and instrumental parameters. Journal of Texture Studies 11:291-307)。これらの著者は、パリパリ感は、砕ける際の音の大きさに非常に密接に関連しているため、チップスが破断するときの音を記録することも有用である、と示している。スナック食品の音が重要であることは、食物の音の快さが‘クリスプ(パリパリ感)’および‘クランチ’と大いに相互関連しているというヴィッカース(Vickers, Z.M. 1983. Pleasantness of Food Sounds. Journal of Food Science 48: 783-786.)の観察によって強調されている。
【0128】
したがって、クリスプ及びクランチであると感知されるためには、スナック食品は適当な剛性を有し(ヤング係数に反映されるように)、破断の際に少なくとも一定レベルの音が出る必要がある。同時に、スナック食品は、口が痛くなる又は怪我をするような大きな力を必要とすべきではない。パリパリ感(クリスプ)を評価するために、TA−101チップリグ(Chip Rig)及び5kgのロードセルを取り付けたTA.XTプラステクスチャー・アナライザー(Texture Analyzer)(Stable Microsystems, Godalming, U.K.)の上にサンプルを砕いて乗せた。TA−101リグは直径2cm×高さ2cmのパイプを備えており、これがチップスを水平に保つ。5g抵抗まで1mm/秒で下降する5mmのボールを感知し、30mmまで継続し、抵抗力がチップの曲がり及び破砕として記録される。破砕の際に出る音を記録するために、Stable Microsystems社のオーディオ・エンベロープ・ディテクター(Audio envelope Detector)を使用した。
【0129】
各種スナック製品のクリスプ感/クランチ感を説明するために、それぞれのサンプルを、必要とされる力と、チップスを破砕することによって起こる音響レベルを測定するために分析した。分析方法は下の表3に記載されているチップスの試験用サンプルで構成され、A〜Mでラベル表示されている。サンプルA、B、C、D、L及びMはそれぞれ、実施例28、24、25、26、27、及び5に記載のように、本発明に従って製造され、小売のサンプルであるE、F、G、H、I、J、及びKはLincoln, Nebraskaの地元の食料品店で購入した。各チップスは各サンプルから選択されて、表3、4、5、及び6に示されるデータを得るために一貫した方法で分析した。
【0130】
約25のチップスの各サンプルから、9つのチップスが試験用に選択された。チップスの厚さ及び膨れかたが多様であるので、より均一なチップスを選択した。選択された9つのチップスを破砕し、プローブが、1mm/秒の均一な速さでチップスに向かって移動する間に各チップスを壊す際の各チップスを破砕するのに必要な力の測定を行なった。指数ソフトを使用して、距離(mm)に対する力(ニュートン)のプロットを作成し、(1)上記したヤング係数である初期傾斜、(2)チップスを破砕するのに必要なピーク力、及び(3)チップスの破砕時のピーク音量、を決定した。エクセル表計算ソフトを使用して、平均、標準偏差、及び変動係数を計算した。この客観テストの前に、サンプルA、B、C、D、L、及びMを全て試験し、好都合にクリスプ及びクランチであることが認められ、サンプルE〜Kはオリジナルパッケージに記載された品質保持期限内であることが判定された。
【0131】
プローブが移動する距離(mm)に対する力(N)をプロットしているグラフを各力測定用に発生させた。これらプロットのそれぞれは、破砕の直前のプローブからの圧力によってチップスが曲がったときに加わった力への抵抗の一連の増加を示している。プローブは毎秒1mm(1mm/秒)の一定速度でチップスに向かって移動する。各ケースにおいて、加えられた力への抵抗の増加に続いて、チップスが壊れたとき、かかる力への抵抗の急激な下降が起こる。ほとんどのケースで、一連の破砕においてチップスに裂け目が入って壊れる。しかしながら、チップスを破砕するのに必要なピーク力を決定するためには最初の裂け目に焦点が当てられる。このように引き起こされたピークはチップスの食感特性、即ち、壊れる前にチップスがどれくらい曲げに抵抗するか、壊れる前にどの程度まで曲がるのか、及びどの距離及び力で破壊されるのか、を示している。これらの量によって、破断の特徴、並びにパリパリ感及び歯切れのよさの特徴を識別する。チップスは、変形及び応力の急激な消失によって振動するようにセットしてあるので、(力のピークの後の)抵抗の急激な消失は、録音された音事象(sound event)に付随して起こる。上で述べたように、典型的なグラフは、2〜4の大きな力のピーク、及び対応する数の音のピークを有する。各ピークの前の勾配は、歯切れのよさの妥当な推定である前述のヤング係数を推定する。試験したサンプルは全てパリパリ感を有しているので、3.5N/mmを超える平均ヤング係数を有する全てのチップスは明らかにパリッとしている。本発明によると、約3.5のヤング係数を有するスナック食品を製造することが好ましく、より好ましくは約4.0、さらに好ましくは4.5、さらにより好ましくは約5.0N/mmである。スナック食品が、歯切れがよいが製品を食べるのに痛いような力を必要としないように、チップスに加えられる力が約12Nで破砕する、好ましくは約10、より好ましくは約9Nで破砕するスナック食品が好ましい。
【0132】
試験の結果を次の表3〜6に示す。次の表5に記載する音響レベルは、その値が相対数であるので単位を有さない。
【0133】
【表3】

【0134】
【表4】

【0135】
【表5】

【0136】
【表6】

【0137】
本発明をその特定の実施形態と共に説明したが、以上の説明に鑑みて多くの別の手段、変形、及び変更が、当業者には明白であることは明らかである。したがって、全ての別の手段、変形、及び変更を添付の特許請求の範囲に含むことを意図している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スナック食品の製造方法であって、
(a)複数のカットされた又は形成された食品片を提供する工程、
(b)食品片の表面をコーティングするために1以上の酵素を含む溶液に食品片を浸ける工程、
(c)その後、食品片の表面のあらゆる酵素を不活性化するのに十分な時間、複数の食品片をブランチングする工程であって、ブランチング工程後に食品片が初期水分量を有する工程、及び
(d)初期水分量を、約0.5重量%〜約10重量%である最終水分量まで低減する工程、を含む方法。
【請求項2】
溶液が1以上のカチオンをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
1以上のカチオンが、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、及び第VA族金属化合物から成る群から個別に選択される要素から生成される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
1以上のカチオンが、カルシウム塩、マグネシウム塩、カリウム塩、アルミニウム化合物、及び窒素化合物から成る群から個別に選択される要素から生成される、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
1以上のカチオンが約0.1重量%〜約5重量%濃度で溶液中に存在する、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
提供工程(a)の後に、食品片を水溶液と接触させて遊離したでんぷんを食品片の表面から除去する工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
1以上の酵素が、アミラーゼ、セルロース、インベルターゼ、ペクチナーゼ、及びアミログルコシダーゼから成る群から個別に選択される要素を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
1以上の酵素が約0.1重量%〜約5重量%の濃度で溶液中に存在する、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
食品片が約0.5分〜約30分間溶液に浸される、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
低減工程(d)が、強制空気対流式オーブン、流動床乾燥機/オーブン、振動流動床乾燥機/オーブン、衝突加熱式乾燥機/オーブン、パルス流動床乾燥機/オーブン、回転式乾燥機/オーブン、回転ドラム式乾燥機/オーブン、回転スパイラルドラム式乾燥機/オーブン、棚型オーブン、静置乾燥機/オーブン、スパイラルロースター/乾燥機、マイクロウェーヴ乾燥機/オーブン、赤外線乾燥機/オーブン、超高温エアレス乾燥機、真空乾燥機、真空ベルト乾燥機/オーブン、オーム乾燥機から成る群から個別に選択される1以上の乾燥機又はオーブンで食品片を調理する工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
低減工程(d)が、食品片を約160°F〜約400°Fの温度で約0.5分〜約40分間調理する工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
低減工程(d)が、食品片を第1の期間中第1の温度に至らしめ、その後食品片を第2の期間中第2の温度に至らしめる工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
食品片を第1の期間の間第1の温度に至らしめる工程が、初期水分量を、約10重量%〜約80重量%である中間水分量に低減させる、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
食品片を第2の期間中第2の温度に至らしめる工程が、中間水分量を最終水分量に低減させる、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
第2の温度が第1の温度より低い、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
食品片を第1の期間中第1の温度に至らしめる工程が、食品片を、回転式乾燥機、回転ドラム式乾燥機、回転スパイラルドラム式乾燥機、流動床乾燥機/オーブン、又は振動流動床乾燥機/オーブンで乾燥させて、初期水分の最高で約90重量%までを除去することを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
食品片を、約160°F〜約400°Fの温度で約2分〜約40分間乾燥させる、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
食品片を第1の期間中第1の温度に至らしめる工程が、食品片を約160°F〜約400°Fの温度で約0.5分〜約40分間調理する工程を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項19】
食品片を第2の期間中第2の温度に至らしめる工程が、食品片を約160°F〜約375°Fの温度で約4分〜約35分間調理する工程を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項20】
最終水分量を約0.5重量%〜約5重量%まで低減させる、請求項1に記載の方法。
【請求項21】
ブランチング工程(c)が1以上のカチオンの存在下で行なわれる、請求項1に記載の方法。
【請求項22】
1以上のカチオンが、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、及び第VA族金属化合物から成る群から個別に選択される要素から生成される、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
1以上のカチオンが、カルシウム塩、マグネシウム塩、カリウム塩、アルミニウム化合物、及び窒素化合物から成る群から個別に選択される要素から生成される、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
食品片に所定量の可消化の及び/又は合成の脂肪を塗布する工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項25】
低減工程(d)が、食品片を一分間に約200フィート〜15,000フィートの気流速度で空気にさらす工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項26】
請求項1に記載の方法で製造されるスナック食品。
【請求項27】
スナック食品の製造方法であって、
(a)複数のカットされた又は形成された食品片を提供する工程、
(b)食品片の表面のあらゆる酵素を不活性化するのに十分な時間、複数の食品片をブランチングする工程であって、食品片がブランチング工程の後に初期水分量を有する工程、及び
(c)食品片が、初期水分量を約10重量%〜80重量%である中間水分量に低減させる第1回目の水分量低減手順にさらされることにより、初期水分量を、約0.5重量%〜10重量%である最終水分量まで低減する工程、及び、その後食品片が、中間水分量を最終水分量に低減させる第2回目の水分量低減手順にさらされる工程、
を含む方法。
【請求項28】
第1回目の水分量低減手順が、(1)食品片を約160°F〜約400°Fの温度で約0.5分〜約40分間調理する工程、及び(2)食品片を、回転式乾燥機、回転ドラム式乾燥機、回転スパイラルドラム式乾燥機、流動床乾燥機/オーブン、又は振動流動床乾燥機/オーブン、真空乾燥機/オーブン、又は真空ベルト乾燥機/オーブンで、約160°F〜約400°Fの温度で約2分〜約40分間乾燥する工程、から成る群から選択される工程を含む、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
第2回目の水分量低減手順が、食品片を、約160°F〜約375°Fの範囲内の第1回目の水分量低減手順で用いた温度より低い温度で、約4分〜約35分間調理する工程を含む、請求項27に記載の方法。
【請求項30】
第1回目の水分量低減手順及び第2回目の水分量低減手順の少なくとも一方が、強制空気対流式オーブン、流動床乾燥機/オーブン、振動流動床乾燥機/オーブン、衝突加熱式乾燥機/オーブン、パルス流動床乾燥機/オーブン、回転式乾燥機/オーブン、回転ドラム式乾燥機/オーブン、回転スパイラルドラム式乾燥機/オーブン、棚型オーブン、静置乾燥機/オーブン、スパイラルロースター/乾燥機、マイクロウェーヴ乾燥機/オーブン、赤外線乾燥機/オーブン、超高温エアレス乾燥機、真空乾燥機、真空ベルト乾燥機/オーブン、オーム乾燥機から成る群から個別に選択される1以上の乾燥機又はオーブンを用いる、請求項27に記載の方法。
【請求項31】
請求項27に記載の方法で製造されるスナック食品。
【請求項32】
スナック食品の製造方法であって、
(a)複数のカットされた又は形成された食品片を提供する工程、
(b)食品片の表面をコーティングするために1以上のカチオンを含む溶液に食品片を浸ける工程、
(c)その後、食品片の表面のあらゆる酵素を不活性化するのに十分な時間、複数の食品片をブランチングする工程であって、ブランチング工程後に食品片が初期水分量を有する工程、及び
(d)初期水分量を、約0.5重量%〜約10重量%である最終水分量まで低減する工程、を含む方法。
【請求項33】
1以上のカチオンが、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、及び第VA族金属化合物から成る群から個別に選択される要素から生成される、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
1以上のカチオンが、カルシウム塩、マグネシウム塩、カリウム塩、アルミニウム化合物、及び窒素化合物から成る群から個別に選択される要素から生成される、請求項32に記載の方法。
【請求項35】
1以上のカチオンが約0.1重量%〜約5重量%濃度で溶液中に存在する、請求項32に記載の方法。
【請求項36】
請求項32に記載の方法で製造されるスナック食品。
【請求項37】
カットされた又は形成された食品片を含むスナック食品であって、食品片のそれぞれが、1重量%未満〜約35重量%の所定の脂肪含有量、12N以下の平均破砕力、及び約3.5N/mm以上の平均ヤング係数を有する、スナック食品。
【請求項38】
スナック食品の製造方法であって、
(a)複数のカットされた又は形成された食品片を提供する工程、
(b)複数の食品片をブランチングする工程であって、ブランチング工程後に食品片が初期水分量を有する工程、及び
(c)食品片を1つの工程又は複数の工程において乾燥させることにより、初期水分量を約0.5重量%〜10重量%である最終水分量まで低減する工程であり、少なくとも1つの工程が回転式乾燥機、流動床乾燥機、振動流動床乾燥機等、又はこれらの組み合わせで、食品片が均一及び一定に熱にさらされることを可能にするために温度、空気流、および食品片の動きを制御しながら実施される工程、
を含む方法。
【請求項39】
スナック食品の製造方法であって、
(a)複数のカットされた又は形成された食品片を提供する工程、
(b)複数の食品片をブランチングする工程であって、ブランチング工程後に食品片が初期水分量を有する工程、及び
(c)食品片が均一及び一定に熱にさらされることを可能にするために温度、空気流、および食品片の動きを制御しながら、初期水分量を約10重量%〜80重量%である最終水分量まで低減させる工程、及びその後、食品片を、真空乾燥機または真空ベルト乾燥機を使用する第2回目の水分量低減手順にさらして中間水分量を最終水分量に低減させる工程、
を含む方法。
【請求項40】
スナック食品の製造方法であって、
(a)複数のカットされた又は形成された食品片を提供する工程、
(b)食品片の表面をコーティングするために1以上の酵素を含む溶液に食品片を浸ける工程、
(c)その後、食品片の表面のあらゆる酵素を不活性化するのに十分な時間、複数の食品片をブランチングする工程であって、ブランチング工程後に食品片が初期水分量を有する工程、及び
(d)初期水分量を、約0.5重量%〜約10重量%である最終水分量まで低減する工程であって、低減工程が食品片を油又は油代用品で揚げることを含む工程、
を含む方法。
【請求項41】
スナック食品の製造方法であって、
(a)複数のカットされた又は形成された食品片を提供する工程、
(b)食品片の表面のあらゆる酵素を不活性化するのに十分な時間複数の食品片をブランチングする工程であって、ブランチング工程後に食品片が初期水分量を有する工程、及び
(c)食品片が、初期水分量を約10重量%〜80重量%である中間水分量に低減させる第1回目の水分量低減手順にさらされることにより、初期水分量を、約0.5重量%〜10重量%である最終水分量まで低減する工程、及び、その後食品片が、中間水分量を最終水分量に低減させる第2回目の水分量低減手順にさらされる工程であって、低減工程が食品片を油又は油代用品で揚げることを含む工程、
を含む方法。
【請求項42】
スナック食品の製造方法であって、
(a)複数のカットされた又は形成された食品片を提供する工程、
(b)食品片の表面をコーティングするために1以上のカチオンを含む溶液に食品片を浸ける工程、
(c)その後、食品片の表面のあらゆる酵素を不活性化するのに十分な時間、複数の食品片をブランチングする工程であって、ブランチング工程後に食品片が初期水分量を有する工程、及び
(d)初期水分量を、約0.5重量%〜約10重量%である最終水分量まで低減する工程であって、低減工程が食品片を油又は油代用品で揚げることを含む工程、
を含む方法。
【請求項43】
スナック食品の製造方法であって、
(a)複数のカットされた又は形成された食品片を提供する工程、
(b)食品片の表面のあらゆる酵素を不活性化するのに十分な時間、複数の食品片をブランチングする工程であって、ブランチング工程後に食品片が初期水分量を有する工程、及び
(c)食品片を、初期水分量を約10重量%〜約80重量%である中間水分量に低減させる第1回目の水分量低減手順にさらす工程、
(d)その後、食品片を常温で、冷蔵又は冷凍条件で冷却及び保存する工程、
(e)その後、食品片を、中間水分量を、約0.5重量%〜約10重量%である最終水分量まで低減する第2回目の水分量低減手順にさらす工程、
を含む方法。
【請求項44】
スナック食品の製造方法であって、
(a)複数のカットされた又は形成された食品片を提供する工程、
(b)食品片の表面をコーティングするために1以上の酵素及び/又は1以上のカチオンを含む溶液に食品片を浸ける工程、
(c)その後、食品片の表面のあらゆる酵素を不活性化するのに十分な時間、複数の食品片をブランチングする工程であって、ブランチング工程後に食品片が初期水分量を有する工程、
(d)食品片を、初期水分量を約10重量%〜約80重量%である中間水分量に低減させる第1回目の水分量低減手順にさらす工程、
(e)その後、食品片を常温で、冷蔵又は冷凍条件で冷却及び保存する工程、及び
(f)その後、食品片を、中間水分量を、約0.5重量%〜約10重量%である最終水分量まで低減する第2回目の水分量低減手順にさらす工程、
を含む方法。

【公開番号】特開2011−229543(P2011−229543A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−180840(P2011−180840)
【出願日】平成23年8月22日(2011.8.22)
【分割の表示】特願2008−534680(P2008−534680)の分割
【原出願日】平成18年10月4日(2006.10.4)
【出願人】(503261362)
【氏名又は名称原語表記】ASHOURIAN,Jamshid
【Fターム(参考)】