説明

スパッタリングターゲットアセンブリを形成するための慣性ボンディング方法及びそれから製造されるアセンブリ

スパッタリングターゲットアセンブリを形成する方法及びそれから製造されるスパッタリングターゲットアセンブリが記載される。この方法は、スパッタリングターゲットをバッキングプレートにはんだ又はろう付け金属又はそれらの組み合わせを用いて結合する工程、及びスパッタリングターゲットをバッキングプレートに結合した後ではんだ又はろう付け金属をリフローさせる工程を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2005年9月28日に出願された、全体が参照によって本明細書に組み込まれる先の米国特許仮出願第60/721,431号の35 U.S.C. §119(e)に基づく優先権を主張する。
【0002】
本発明は、スパッタリングターゲット及びスパッタリングターゲットアセンブリ、並びにそれを製造する方法に関する。本発明はまた、スパッタリングターゲットアセンブリを、好ましくは低温において製造するためのボンディング方法に関する。
【背景技術】
【0003】
スパッター応用分野で、スパッタリングターゲットアセンブリは、普通、スパッタリングターゲットとバッキングプレートを有する。例えば、金属ターゲット又は金属ターゲットブランク(例えば、タンタル、チタン、アルミニウム、銅、コバルト、タングステン、等)が、バッキングプレート、例えば金、アルミニウム、又はそれらの合金から作られるバッキングプレートフランジアセンブリにボンド接合される。ターゲットとバッキングプレートの間の良好な熱的及び電気的な接触を実現するために、これらの部材は普通、はんだ付け、ろう付け、拡散ボンディング、クランピング、及びエポキシセメントなどによって互いに接着される。しかし、高温での方法によってボンド接合されたスパッタリングターゲットアセンブリは使用中にアセンブリが反って、それがスパッタリングターゲットアセンブリの性能に影響することがあり、特にターゲットとバッキングプレートの熱膨張係数に大きな差がある場合に影響が出てくる可能性が大きい。さらに、ボンド接合がはんだ付け、ろう付け、又は拡散ボンディングによって高い温度で行われたときに生ずるターゲット物質とバッキングプレート物質の熱膨張の差は、金属ボディーに非常に高レベルの機械的応力を発生する。この機械的応力は、しばしば、ターゲットアセンブリの曲がりを生じ、ボンドがこわれてターゲットがバッキングプレートからはがれることがある。
【0004】
ボンディングプロセスはまた、重量を増加させ、ターゲットアセンブリのボンドが使用中に切断する危険を生ずる。ボンドが切断する危険性は、この産業においてますます大きなターゲットが使用されるようになっているため、さらに大きくなっている。
【0005】
さらに、従来のいくつかの方法に伴う高温のために、ターゲットの金属で望ましくない結晶粒の成長が生ずる可能性がある。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の1つの特徴は、スパッタリングターゲットアセンブリを形成する方法であって、ターゲットとバッキングプレートの間にフェイルセーフな結合を作ることによって脱結合(デボンディング)の問題を回避できる方法を提供することである。
【0007】
本発明の別の特徴は、スパッタリングターゲットアセンブリを形成する方法であって、ターゲットとバッキングプレートの間の界面の耐熱性をコントロールする方法を提供することである。
【0008】
本発明のさらに別の特徴は、スパッタリングターゲットアセンブリを形成する方法であって、意図していないバッキングプレートのスパッタリングを防止する方法を提供することである。
【0009】
本発明のその他の特徴及び利点は、部分的には以下の説明で示され、部分的にはその説明から明らかになるか、本発明を実施することによって明らかとなるであろう。本発明の目的及びその他の利点は、それらの説明と添付された特許請求の範囲で具体的に指摘される要素及びそれらの組み合わせによって実現されかつ達成されるであろう。
【0010】
それら及びその他の利点を達成するために、本発明はここで記述され実施される本発明の目的に従って、スパッタリングターゲットアセンブリを形成する方法に関する。本方法は、普通は金属であるターゲットとバッキングプレートの間のボンディング方法を提供する。
【0011】
本発明はさらに、はんだ又はろう付け金属による慣性ボンディング、及び、普通は異なる熱膨張係数を有する材料から作られるバッキングプレートとスパッタリングターゲットブランクを含んでスパッタリングターゲットアセンブリを製造する方法に関する。
【0012】
本発明はまた、あるアセンブリ部材における突起と、その突起を受容するようになっている別のアセンブリ部材における溝を整列させてスパッタリングターゲットアセンブリを製造する方法に関する。突起と溝の表面間の摩擦によって生ずる熱で突起が軟化又は変型して溝を埋め、はんだ又はろう付け金属が軟化して流動する。突起が硬化すると、機械的なインタロック及びはんだ又はろう付け金属との金属結合(metallurgical bond)がターゲット及びバッキングプレートとの間で形成される。アセンブリ部材を接合するはんだ又はろう付けの金属結合と合わせて機械的インタロックが形成される。この方法では、結合(ボンド)及び機械的インタロックが形成されると、はんだ又はろう付けの金属のリフローが起こり、好ましくはそれがアセンブリ部材との結合を改良する。
【0013】
ここまでの一般的な説明も以下の詳細な説明も単に例示的なものであり、特許請求の範囲によって定められる本発明のさらに詳しい説明を意図しているものであることを理解されたい。
【0014】
添付の図面は、本出願に含まれてその一部を成すものであり、本発明のいろいろな様態を例示し、その記述と合わせて本発明の原理を説明している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明は、ターゲット部材をバッキング部材に、好ましくは低温で固定する工程を含むボンディングプロセスによってスパッタリングターゲットアセンブリを組み立てる方法に向けられている。この方法は、複数の突起を含むボンディング側を有するアセンブリ部材と、その突起を受け入れるようになっている複数の溝を含むボンディング側を有するアセンブリ部材を、突起と溝が実質的に合わさるように配置する工程、はんだ金属又はろう付け金属又はそれらの合金を突起又は溝を有する一方の部材の少なくとも一部分に配設する工程、少なくとも1つの突起の一部分を少なくとも1つの溝の一部分に摺動可能に接触させる工程、及び少なくとも1つの突起を部分的に変形させて少なくとも部分的に溝を埋め、それによって突起が硬化したときにターゲット部材とバッキング部材をボンディングする工程を含む。はんだ又はろう付け金属は、好ましくはアセンブリ部材の間で層を形成して、好ましくはアセンブリ部材をボンディング(結合)するかもしくはボンディングに寄与する。この方法は、さらに、ボンディング後にはんだ又はろう付け金属をリフローさせる工程を含む。この方法は、その後にはんだ又はろう付け金属を再硬化させてボンディングプロセスを完了する工程を含む。
【0016】
本発明の少なくとも1つの実施形態では、はんだ、ろう付け金属、又はそれらの合金が、接合されるアセンブリ部材の一つ以上の表面に適用される。言い換えると、はんだ、ろう付け金属、又はそれらの合金が、突起を有するアセンブリ部材表面、又は溝を有するアセンブリ部材表面、あるいはそれらの両方に適用される。はんだ、ろう付け金属、又はそれらの合金はアセンブリ部材の間にボンド(結合)を生ずる。はんだ又はろう付け金属は、一つ以上のアセンブリ部材にコーティングなどの形で適用される。コーティングは、平坦な表面、ならびに溝によって作られた凹所を被覆する一様なコーティングであることができ、及び/又は、コーティングは、突起を有するアセンブリ部材に、平坦な表面ならびに突起表面も被覆するように適用することができる。また、コーティングは、溝を有するアセンブリ部材と突起を有するアセンブリ部材の両方に適用することもできる。適用されるコーティングは、好ましくは、アセンブリ部材の表面全体にわたって一様に適用され、それが他方のアセンブリ部材と接触してそれと結合することが好ましいが、これは決定的に重要ではない。表面の一部はコーティングされ、他の部分がコーティングされていなくてもよい。一つ以上の表面にはんだ又はろう付け金属を適用又はコーティングする1つの方法は、ホットプレート上で一方又は両方のアセンブリ部材を加熱し、はんだをアセンブリ部材の表面全体に流動させることである。はんだ又はろう付け金属による表面の濡れは超音波振とう及び/又はフラックスの使用によって高められる。オプションとして、余分のはんだ又はろう付け金属を機械加工などの手段によって除去してはんだ又はろう付け金属の寸法を精密にコントロールできる。確かに、鋳型成形プロセスなどによってはんだ又はろう付け金属を精密に適用することによって、余分のはんだ又はろう付け金属の除去は不要になる。アセンブリ部材は、慣性ボンディングパラメーターを用いて、突起又はリングを溝にはめ込んで、好ましくは少なくとも突起が変形して溝に入る箇所、並びにアセンブリ部材の平坦な表面、すなわち、突起及び溝の間の表面、並びにアセンブリ部材の直径外側で、はんだ又はろう付け金属の接触を実現するのに十分な力を加えるように接合される。
【0017】
好ましくは、上述のようなスパッタリングターゲットアセンブリは二つのアセンブリ部材、すなわち、バッキングプレート部材とスパッタリングターゲット部材を含む。スパッタリングターゲット部材とバッキングプレート部材は、任意のターゲット等級の物質及びバッキングプレート等級の物質であってよい。本発明の方法において結合されるターゲット物質としては、例えばタンタル、ニオブ、コバルト、チタン、銅、アルミニウム、及びそれらの合金、例えば上述の合金があげられるが、それだけに限定されない。バッキングプレート物質の例としては、銅、又は銅合金、タンタル、ニオブ、チタン、アルミニウム、及びそれらの合金、例えばTaW, NbW, TaZr, NbZr, TaNb, NbTa, TaTi, NbTi, TaMo, NbMoなどがあげられるが、それだけに限定されない。スパッタリングターゲット及びバッキングプレートとして用いる物質のタイプについては何も制限がない。バッキング物質及びターゲット物質の厚さは、スパッタリングターゲットを形成するために用いられる適当な任意の厚さであってよい。あるいはまた、バッキングプレート及びターゲットの物質、又はバッキングプレートに結合される他の物質は所望の用途に適当な任意の厚さであってよい。適当なバッキングプレートの厚さ及びターゲット物質の厚さの例としては、約0.25インチ以下から約2インチ以上の厚さのバッキングプレート、及び約0.060インチから約1インチ以上の範囲の厚さのターゲットがあげられるが、それだけに限定されない。本発明では、バッキングプレートにボンド接合されるターゲット物質は、例えば全体が参照によって本明細書に組み込まれる米国特許第6,348,113号に記載されているような従来のターゲットグレードの物質であってよい。スパッタリングターゲットは、また、当業者には普通になっている中間層を有してもよい。さらに、スパッタリングターゲットは、中空陰極マグネトロンのスパッタリングターゲットであってもよく、その他の形態のスパッタリングターゲット、例えば、静止又は回転する永久磁石又は電磁石を組み込んだ平面状マグネトロン・アセンブリであってもよい。純度、組織、及び/又は粒径、及びサイズなどのその他のパラメーターは本発明にとって決定的に重要ではない。本発明は、任意のタイプのスパッタリングターゲットとバッキングプレートでスパッタリングターゲットアセンブリを作る方法を提供する。
【0018】
本発明を実施するのに用いるターゲット部材は、二つの側を含む、すなわち、スパッタリング側とスパッタリング側の反対側のボンディング側である。本発明のバッキング部材は二つの側を含む、すなわち、ボンディング側とボンディング側の反対側のバック側である。本発明のスパッタリングターゲットアセンブリは、ターゲット部材のボンディング側をバッキング部材のボンディング側に固定することで形成される、又は組み立てられる。ターゲット部材のボンディング側とバッキング部材のボンディング側の間の区域として界面が定義される。ボンディング側は、バッキング部材のボンディング側の表面とターゲット部材のボンディング側の表面が実質的に接触している;ボンディング側の表面は実質的に接触していない;又は、ボンディング側の表面の一部の間に中間層が介在する;という形で互いに固定される。中間層はボンディング媒体であってもよい。中間層はまた、箔、プレート、又はブロックの形状であってもよい。中間層の物質の例としては、以下だけに限定されないが、業界において一般的であるジルコニウムなど、又は米国特許第5,863,398号及び同第6,071,389号に見られるチタン、;米国特許第5,693,203号に見られる銅、アルミニウム、銀、ニッケル、及びそれらの合金(例えば、Ni-V)、そして米国特許第6,183,613号に見られるグラファイトであってもよい;なお、これらの各特許は、全体が参照によって本明細書に組み込まれるものとする。
【0019】
ターゲット部材及びバッキング部材は、異なる融点をもった物質から作製することができる。溝は、他方の部材の融点よりも高い融点を有する部材(ターゲット部材又はバッキング部材)のボンディング側に形成することができる。好ましくは、ターゲット部材は、バッキング部材を作る物質の融点よりも高い融点を有する物質から作られる。溝は、機械加工を含む任意に適当な方法で形成してもよい。溝は、延在する溝トラック、チャンネル、又は空洞(キャビティ)が形成されるような長さ方向の寸法を有するように形成できる。好ましくは、溝空洞は、円環状であって、連続した凹みトラックを形成する。ボンディング側に一つ以上の空洞を形成することができる。多数の溝空洞を同心的に配置することができる。
【0020】
溝空洞の開口は、突起を有する部材の突起を受け入れるようになっている。すなわち、溝の開口は突起が開口に入り込めるような十分な寸法と形状を有する。溝の開口の内側で、溝の直径は増加、減少、又は一定にとどまってもよい。溝の内側は、どんな形状及び容積であってもよい。図2は、いろいろな溝デザインの例を示すが、他のデザインも可能である。溝の形は、規則的であっても、不規則であってもよい。溝の断面は、一般に、正方形、長方形、“T”形、“L”形、半円、切頭三角形、尖点形、蝶ネクタイ形等が可能である。インタロック設計が、突起と溝が重なって係合する溝の形から得られ、一般に内側の直径が溝開口の直径よりも大きな溝、並びに他のいろいろなデザイン、例えば“L”形デザインを含む。また、二つ以上の溝空洞を有する部材では、それらの溝空洞の形状は同じであっても異なっていてもよい。また、1つの溝空洞の形がその溝空洞の長さに沿って変化してもよい。溝の深さは、例えば、約0.01インチ以下から0.5インチ以上まで、好ましくは約0.025インチから0.75インチまでのどんな深さであってもよい。
【0021】
突起は、他方の部材が作られる物質の融点よりも低い融点を有する部材のボンディング側に形成することができる。好ましくは、バッキング部材は、ターゲット部材を作る物質の融点よりも低い融点を有する物質から作られる。突起は、機械加工など適当などんな方法によって形成してもよい。突起は、先端と、部材のボンディング側に付着する対向する基端を有する。先端は、その突起が溝を含む部材の対応する溝の開口に入って溝の内側の表面と接触することが可能な形と寸法を有する。突起はどんなサイズ又は形であってもよい。図2は突起のいろいろなデザインを示している;他のデザインも可能である。突起の断面は、一般に長方形、三角形、又は他の適当な形をとることができる。突起はどんな規則的又は不規則な形であってもよい。突起は、円筒体、円錐体、切頭円錐体、立方体、直方体、ピラミッド体、オベリスク体、くさび形体等の形をとることができる。
【0022】
突起は、部材のボンディング側に、他方の部材の対応する溝とかみ合うことができるように配置される。注意すべきは、溝を含む部材が、突起を含む部材の突起の数よりも多数の溝空洞を含むことができる。すなわち、すべての溝が対応する突起を有する必要はない。突起は、所望に応じて間隔をあけることができる。例えば、突起の間隔を一列の中で互いに密にしてほとんど連続なうねに近くなるほどにしてもよい。多数の突起を何列かに配置することができる。好ましくは、突起は円形に配置される。多数の列の溝を用いて、溝を含む部材の溝とかみ合うようにすることができる。好ましくは、多数の列の突起が同心的に配置される。ある列の1つの突起の形と寸法が同じ列の他の突起と異なっていてもよい。同様に、同心的な列の突起が異なる形及び寸法の突起を含んでもよい。基端から先端まで測った突起の高さは0.01インチ以下から0.5インチ以上まで、好ましくは約0.05インチから約0.2インチまでであってよい。突起の断面は、例えば約0.0001平方インチから0.25平方インチまで、どんな断面積であってもよい。好ましくは、突起は銅−クロム又は銅−亜鉛合金から作られる。
【0023】
ろう付け合金又はろう付け金属又ははんだ合金又ははんだ金属が一つ以上の接触表面に、突起の表面及び/又は溝の表面を含めて配置される。はんだは固体でも液体でもよい。好ましくは、ろう付け又ははんだ合金(又は金属)は融点が少なくとも400℃である。ろう付け又ははんだ合金又は金属は、上述したように突起表面と溝表面の間の摩擦で発生する熱によって融解する。ろう付け又ははんだ金属又は合金の存在は、接触表面間のボンドを強化又は可能にする。はんだ又はろう付け物質の例としては、銀、ニオブ、錫、インジウム、亜鉛、鉛、アンチモン、ビスマス、アルミニウム、金、カドミウム、ガリウム、銅、ニッケル、バナジウム、チタン、又はジルコニウム、又はそれらの合金(例えば、Sn-Pb又はSn-Agはんだ)などがあげられるが、それだけに限定されない。はんだ又はろう付け金属はどんな方法で適用してもよいが、好ましくは液体として適用される。例えば、はんだ又はろう付け金属は、厚さが約0.1 mm〜約1 mmの、例えば、約0.5 mmの層を形成するように適用することができる。はんだ又はろう付け金属はフラックスと共に、又はフラックスなしで用いることができる。摩擦ろう付けは、好ましくは、所望のボンドを形成するために摩擦溶接よりも少ないエネルギーしか必要としない。例えば、摩擦ろう付けは、好ましくは、摩擦溶接に比べて同じようなボンドを形成するのに必要なエネルギーが約1〜約90%少ない。
【0024】
バッキング部材とターゲット部材の配置は、各突起がガイドされて入る対応する溝を有するように一方を他方に隣接して整列させる必要がある。突起を対応する溝に摺動可能に接触させるためには、突起を溝に、両方の表面が接触するように導く必要がある。突起の表面と溝の表面を最初に接触させるには、バッキング部材をターゲット部材の方へ動かして、ターゲット部材をバッキング部材の方へ動かして、又はバッキング部材とターゲット部材の両方を互いの方へ動かして、突起の先端を溝の開口を通して導き、少なくともいくつかの突起の表面と少なくともいくつかの溝の表面の間で接触が生ずるまで動かし続けることが必要である。この一例が図1に示されている。
【0025】
突起と溝の表面が接触を維持しながら互いに対して側方へ動かされると、摺動的な接触がなされる。突起と溝の表面の間の相対的な移動は、ターゲット部材を移動させて、バッキング部材を移動させて、又は両方を移動させて実現できる。突起と溝の表面の間の相対的な移動は、バッキング部材とターゲット部材のいろいろな動きを含むことができる。動く方向が周期的に反転する前後運動を用いてもよい、又は好ましくは、運動はターゲット及びバッキング部材の軸のまわりの円運動であってもよい。好ましくは、ターゲット部材が静止している間、バッキング部材がその軸のまわりで回転される。
【0026】
回転速度は変えることができ、かつ逆転させることができる。回転速度は、例えば約1〜10,000rpm以上など、どんな速度であってもよい。例えば、回転速度は、約500rpm以下から約2,000rpm以上まで、好ましくは約1500rpmから約3,000rpmまでであってよい。回転速度は、例えば、約0m/分から約4,000m/分まで、好ましくは約600m/分から約2,000m/分までであってよい。他の回転速度も可能である。部材を結合させるのに十分な慣性回転速度は予め定めることができる。回転数を予め定めることができる。回転の持続時間は予め定めることができる。慣性回転速度から0rpmまで減速させる時間は、約1〜約100秒、例えば、約1,250rpmの回転速度からで約5〜約10秒であってよい。他の減速時間も可能である。上述したようなアセンブリ部材のボンディングは、例えば、約100キロジュール/m2以下から約8,000キロジュール/m2以上まで、例えば、6,000キロジュール/m2から約8,000キロジュール/m2までの回転エネルギーによって達成できる。他の回転エネルギーも可能である。
【0027】
突起は、回転軸に対する個々の突起の区域における角速度の変動を考慮に入れて構成できるということは理解されるであろう。突起の表面と溝の表面の間で最初の接触がなされる前に、さらに突起が溝の開口に入る前にでも、回転が始まる可能性がある。
【0028】
突起と溝の表面に摺動的に接触する間、接合する力又は鍛造する力又は圧力が、ターゲット部材のボンディング側とバッキング部材のボンディング側の間の界面の一般的方向で軸方向に加えられる。力はターゲット部材、バッキング部材、又は両方を介して加えることができる。好ましくは、力はターゲット部材の方向でバッキング部材に加えられる。こうして加えられる接合する力は、一定であっても、変化してもよい。接合する力は、約10キロニュートンから約1,000キロニュートンまでなどのどんな力であっても、又は突起を変形して溝に入れることを十分可能にするどんな大きさであってもよい。必要な力は接触面積及びバッキングプレート物質の流動応力に依存する。例えば、接合圧力は、真鍮バッキングプレート材料の場合、約50メガパスカル以下から約250メガパスカル以上まで、好ましくは約150メガパスカルから約200メガパスカルまでであってよい。他の接合圧力又は力も可能である。
【0029】
突起と溝の表面が接触して生ずる摩擦によって発生する熱が突起を接触点で変形又は軟化させると突起の部分的な変形が起こり、実質的に溝の形を取らせ、突起が硬化したときにターゲット部材とバッキング部材をインタロック、結合、その他で接合する。上述したように突起を溝と接触させたときに生ずる摩擦が、突起の表面と溝の表面を摩擦が起こる領域で高温に加熱する。この局所的な加熱は低融点の物質を軟化させ部分的に変形させる。突起の変形が溝と接触している部分で起こる。好ましくは、突起の変形は突起の先端で起こる。突起の軟化した物質が溝の凹みに流れ込む。突起が変形するにつれて、好ましくは、突起の全体的な長さが短縮して、圧力が界面の方向に加えられる限りバッキング部材とターゲット部材が互いに近づく。所望の量の突起変形が達成されると、ターゲット部材とボンディング部材の間の側方への相対運動が停止する。そのまま冷却すると、突起の変形した部分が溝の内部で硬化し、緊密な物理的結合が生まれ、場合によってはオプションとしての金属結合がターゲット部材とバッキング部材の間に生まれる。はんだ又はろう付け金属が用いられる場合、結合ははんだ又はろう付け金属の層によるものである。
【0030】
上述のように突起を溝と摺動可能に接触させるための好ましい方法は、摩擦溶接機を用いてターゲット部材又はバッキング部材に回転を与え、接合する力を加えることである。任意のタイプの摩擦溶接機を用いることができる、例えば、全体が参照によって本明細書に組み込まれる米国特許第5,342,496号(Stellrecht)に記載されているような摩擦溶接機を用いることができる。スパッタリングターゲット用途では、カバーガスを用いて接合プロセスの間金属を酸化から保護し、アルゴンで空所を埋めてターゲットユーザーを汚染から守ることができる。好ましくは、カバーガスは不活性気体であり、さらに好ましくはアルゴンである。さらに、カバーガスに添加気体を加えて、加熱される領域に格子間硬化剤その他の物質を添加することができる。
【0031】
いろいろな理由によって、突起の形状及び寸法を変化させることができる。例えば、一部の突起が溝と最初に接触し、他の突起はボンディング表面の間の距離が縮まったときに溝の表面と接触することが望ましい場合もある。本発明のオプションとしての別の例では、ロックする結合を形成した後でターゲット部材のボンディング表面の一部分とバッキング部材のボンディング表面の一部分の間にギャップが形成され、突起が溝に断続的に配設されるようになる。そのようなギャップを形成する1つの方法は、例えば、突起の体積を溝の体積よりも大きくして、溝が変形した突起の先端によって実質的に埋められ、基端の一部分が溝開口の外側に残るようにすることである。図3は、本発明のオプションとしてのこの実施形態の一例を示す。ギャップの幅は任意であり、例えば、約0.001インチ以下から0.25インチ以上までである。ギャップの幅は、結合された部材の間でどの点で変化してもよい。いくつかの実施形態では、スパッタリングプロセスの間、ターゲットとバッキングプレートの間の熱伝達又は熱交換を制御できることが望ましい。ターゲットとバッキングプレートの間にギャップを形成することによって両者の間の熱伝達が減少し、スパッタリングプロセスの間ターゲットの温度が高くなる。ターゲットの温度が高くなることで、反応性スパッタリングのための条件を安定させる;放射加熱によって基板温度が高くなる;及びスパッターされる原子の放出軌跡が拡がってデポジットされる膜の一様性が高められる;のような望ましい効果が可能である。
【0032】
上述したように、アセンブリ部材を摺動可能に接触させて突起を溝に機械的に接合させているとき、この接触によって生ずる力と熱がはんだ又はろう付け金属を流動させて二つのアセンブリ部材の表面間にはんだ又はろう付け金属のボンディングを可能にする。こうして、はんだ又はろう付け金属がアセンブリ部材に表面とのボンドを形成する。好ましくは、はんだ又はろう付け金属がアセンブリ部材の表面の間で一様かつ完全であり、アセンブリ部材の間でボンドを形成する。この接合プロセスで、余分のはんだ又はろう付け金属がアセンブリ部材の直径外側から流れ出すことがある。
【0033】
その後、接合されたアセンブリ部材は周辺温度に戻り、溝の中への突起の変形によって形成される機械的結合、並びにはんだ又はろう付け金属によって形成されるボンドによって2つのアセンブリ部材の間にボンドが形成される。この工程の後、はんだ又はろう付け金属のリフロー工程が行われる。リフロー工程は、結合したアセンブリを、はんだ又はろう付け金属の融点より高い温度に(例えば、はんだ又はろう付け金属の融点より1〜50℃高い温度に)加熱することが必要になる。例えば、Sn-Agはんだの場合、融点は約220℃であり、結合したアセンブリを何らかの手段で、例えば赤外線ヒーターで、220℃を超える温度に約数分間、例えば5分間、加熱した後冷却させることができる。このリフロー工程は、はんだ又はろう付け金属を融点に到達させ再流動させる工程であり、結合したアセンブリの縁からさらにはんだ又はろう付け金属を流出させることがある。結合したアセンブリを周辺温度に冷却させたとき、アセンブリ部材の間の結合の質が大きく改善されていることが好ましい。このはんだ又はろう付け金属のリフロー工程の前と後の結合したアセンブリの分析は、赤外線トランジェント・サーモグラフィー画像に見ることができ、このリフロー工程が行われた後の接合したプレートの間の熱伝導がより一様になっていることがはっきりと示されている。すなわち、リフロー工程はアセンブリ部材の間の結合を向上させ、アセンブリ部材の間により一様な結合を生み出す。
【0034】
本発明のオプションとしてのある実施形態では、複数の側面と壁を有する少なくとも1つのセル部材がターゲット部材とバッキング部材のボンディング表面の間の界面近くに形成される。好ましくは、セル部材はスパッタリング侵食が最大のエリアに配置される。2つ以上のセル部材が形成されてもよい。セル部材に気体を満たすことができる。セル部材の気体は不活性気体であってよく、好ましくはアルゴンである。セル部材はどんな形であってもよく、例えば、長方形又は球形である。セル部材の形は規則的であっても不規則であってもよい。多数のセル部材が異なる形であってもよい。セル部材の中の気体の圧力は、約0.1〜10気圧以上であり、好ましくは約1気圧である。セル部材の体積は任意であり、例えば、約0.1立方インチから10立方インチまでである。セルの断面寸法は、約0.01インチx0.1インチから約0.25インチx2インチまで、さらに好ましくは約0.05インチx0.5インチから約0.1インチx1インチまでである。好ましくは、セル部材の少なくとも1つの側面はターゲット部材のボンディング表面の一部分である。図4は、この実施形態の一例を示す。セル部材の一つ以上の壁はターゲット部材の一部によって規定することができる。セル部材の一つ以上の壁はバッキング部材の一部によって規定することができる。セル部材は全くバッキング部材の中に形成できる。セル部材は全くターゲット部材の中に形成できる。セル部材は一般に突起を含む部材の中に二つの突起の間の区域に形成できる。セル部材は一般に溝を含む部材の中に二つの溝の間の区域に形成できる。セル部材は、突起を含む部材、溝を含む部材、又は両方に、ポケットを形成することによって形成できる。セル部材は、ターゲット部材をバッキング部材に接合することによって形成できる。気体はセル部材中にセル部材が形成されるときに導入することができる。気体はセル部材中に、ターゲット部材をバッキング部材に気体の下で接合することによって導入することができる。ターゲット部材とバッキング部材のボンディング側の間にギャップが形成される本発明のある実施形態では、セル部材は好ましくはターゲット部材の中に溝の最も深い部分に近い区域に形成される。
【0035】
セル部材は、ターゲットユーザーがバッキングプレートまでスパッタするのを防止するメカニズムである。セル部材に隣接するターゲットの層が所定の厚さまで侵食されると、セル部材はバーストする。セル部材がバーストすると、スパッタリングプロセスが行われるスパッタリングチャンバに過渡圧力が生じ、圧力モニターはユーザーに対してスパッタリングプロセスを停止する信号を出す。このための圧力モニターの例としては、容量気圧計又はピラニ(Pirani)ゲージなどがある。
【0036】
本発明の前述したバージョンには、健全なボンドが低温で小さなエネルギーで達成されるなどの利点がある。突起と溝のボンド又は接合は、約1x10-8cm3/秒以下(例えば、1x10-5〜1x10-8cm3/秒)という低い漏れ流量によって特徴づけられる実質的に気密なシールを形成する。
【0037】
本出願人は、すべての引用した参照文献の内容全体を本明細書に組み込む。さらに、ある量、濃度、又は他の値、又はパラメーターが、ある範囲、好ましい範囲、又は好ましい上限値と好ましい下限値のリストとして与えられる場合、これは、範囲が別々に開示されたかどうかに関わりなく、範囲の上限又は好ましい上限値と、範囲の下限又は好ましい下限値の任意の対で形成されるすべての範囲を特定して開示していると理解すべきである。本明細書で数値のある範囲を記載した場合、その範囲は、その端点、及び範囲内のすべての整数及び分数を含むものとする。本発明の範囲は、範囲を定めるときに記載された特定の値に限定されるものではない。
【0038】
本発明の他の実施形態は、本明細書及びここで開示された本発明の実施を考察すれば当業者には明らかであろう。本明細書及び実施例は単に例示的なものであると考えるべきであり、本発明の真の範囲と精神は以下の特許請求の範囲とその同等物に示されるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明のスパッタリングターゲットアセンブリを示す切欠図である。
【図2】他の形状及びサイズも可能な、本発明の突起及び溝のいろいろな形状及びサイズを示す切欠図である。
【図3】本発明のスパッタリングターゲットアセンブリであって、組み立てられたターゲットとバッキングプレートの間に形成されるギャップを示す断面図である。
【図4】ターゲットとバッキングプレートのボンディング表面の界面に形成される気体セルを含む本発明のスパッタリングターゲットアセンブリを示す切欠図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッキング部材及びターゲット部材を含むスパッタリングターゲットアセンブリを形成する方法であって、下記の工程:
複数の突起を含むボンディング側を有する部材と、前記突起を受け入れるようになっている複数の溝を含むボンディング側を有する部材とを位置決めし、それによって前記突起と前記溝を実質的にかみ合わせ、それらのボンディング表面によって1つの界面を規定する工程、
はんだ金属又は合金、ろう付け金属又は合金、又はそれらの組み合わせを前記ボンディング側上の少なくとも一方の部材の少なくとも一部分の上に配設する工程、
少なくとも1つの突起の一部分を少なくとも1つの溝の一部分と摺動可能に接触させる工程、
前記少なくとも1つの突起を部分的に変形して前記少なくとも1つの溝を少なくとも部分的に充填し、前記ターゲット部材と前記バッキング部材の間に少なくとも機械的結合を形成し、かつ少なくとも前記突起と前記溝の間にボンドを形成する工程であって、前記溝を有する前記部材は、前記突起を含む金属の融点よりも高い融点を有する金属である工程、及び
前記はんだ金属又は合金、ろう付け金属又は合金、又はそれらの組み合わせを再流動させるリフロー工程を実行し、その後、前記はんだ金属又は合金、ろう付け金属又は合金を硬化させる工程、
を含む、スパッタリングターゲットアセンブリを形成する方法。
【請求項2】
前記突起を有する前記部材は前記ターゲット部材であり、前記溝を有する前記部材は前記バッキング部材である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記突起を有する前記部材は前記バッキング部材であり、前記溝を有する前記部材が前記ターゲット部材である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記溝を有する前記部材は、コバルト、チタン、銅、アルミニウム、タンタル、ニオブ、ニッケル、モリブデン、ジルコニウム、ハフニウム、金、銀、又はそれらの合金を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記溝を有する前記部材はタンタル又はその合金を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記溝を有する前記部材はニオブ又はその合金を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記突起を有する前記部材は、コバルト、チタン、銅、アルミニウム、タンタル、ニオブ、又はそれらの合金を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記突起を有する前記部材は銅−クロム又は銅−亜鉛合金を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記突起が不規則な形である、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記突起は、実質的に円筒体、円錐体、円錐台、立方体、直方体、ピラミッド体、オベリスク体、又はくさび形体、又はそれらの組み合わせである、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記溝は、実質的に正方形、長方形、“T”形、“L”形、半円形、切頭三角形、尖点形、又は蝶ネクタイ形の形状である、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記ボンドは、前記ターゲット部材の該ボンディング側の一部分が前記バッキング部材の該ボンディング側の少なくとも一部分と接触するように形成される、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記ボンドは、前記ターゲット部材の前記ボンディング側の少なくとも一部分と前記バッキング部材の前記ボンディング側の一部分の間にギャップが形成されるように形成される、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
少なくとも1つの溝は、少なくとも1つの他の溝の形状とは異なる形状を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
少なくとも1つの突起は、少なくとも1つの他の突起の形状とは異なる形状を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
少なくとも1つの溝は、少なくとも1つの他の溝の体積とは異なる体積を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
少なくとも1つの突起は、少なくとも1つの他の突起の体積とは異なる体積を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
摺動可能に接触させる前記工程は、前記突起を有する前記部材を、前記溝を有する前記部材に対して、又はその逆に回転させる工程、及び前記突起を有する前記部材、前記溝を有する前記部材、又はそれらの両方の部材に前記界面の方向に力を加える工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記回転は約0〜約2,000メートル/分の回転速度である、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記力は約50メガパスカル〜約250メガパスカルの接合力である、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記機械的結合は約100キロジュール/m2〜約8,000キロジュール/m2の回転エネルギーによって達成される、請求項18に記載の方法。
【請求項22】
前記回転は、約500〜約2000 rpmの回転速度である、請求項18に記載の方法。
【請求項23】
摺動可能に接触させる前記工程は、前記部材を互いに対して回転させる工程、及び前記溝を有する前記部材、前記突起を有する前記部材、又はそれらの両方の部材に前記界面の方向に力を加える工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項24】
前記回転は約0〜約4,000メートル/分の回転速度である、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記力は約50メガパスカル〜約250メガパスカルの接合力である、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
前記機械的結合は約100キロジュール/m2〜約8,000キロジュール/m2の回転エネルギーによって達成される、請求項23に記載の方法。
【請求項27】
前記回転は約500〜約2000rpmの回転速度である、請求項23に記載の方法。
【請求項28】
前記部分を摺動可能に接触させるために摩擦溶接機が用いられる、請求項1に記載の方法。
【請求項29】
前記ボンドはインタロックボンド及び/又は機械的接合を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項30】
前記リフロー工程は、はんだ金属又は合金又はろう付け金属又は合金を該はんだ金属又はろう付け金属の融解を生ずるのに十分な温度の下に置くことによって達成される、請求項1に記載の方法。
【請求項31】
前記はんだ金属又は合金、ろう付け金属又は合金、又はそれらの組み合わせを配設する工程は、前記突起を有する前記部材のボンディング側の少なくとも一部分について行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項32】
前記リフロー工程は、赤外線ヒーターを用いてはんだ金属又は合金、ろう付け金属又は合金を加熱することによって達成される、請求項1に記載の方法。
【請求項33】
前記はんだ金属又は合金、ろう付け金属又は合金又はそれらの組み合わせを配設する工程は、前記溝を有する前記部材の該ボンディング側の少なくとも一部分について行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項34】
前記スパッタリングターゲットアセンブリの形成はカバーガスの下で行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項35】
複数の突起を含むボンディング側を有する部材、及び
複数の溝を含むボンディング側を有する部材であって、前記溝を有する前記部材は、前記突起を含む金属の融点よりも高い融点を有する金属であり、かつ前記部材が少なくとも機械的に結合されて一体化されるように少なくとも1つの溝が少なくとも1つの突起によって実質的に埋められている部材、
を含む、請求項1に記載の方法によって形成されるスパッタリングターゲットアセンブリ。
【請求項36】
前記リフロー工程は、該はんだ金属又は合金、ろう付け金属又は合金を該はんだ金属又はろう付け金属の融点よりも10℃以内で高い温度にすることで達成される、請求項1に記載の方法。
【請求項37】
前記リフロー工程は、該はんだ金属又は合金、ろう付け金属又は合金を該はんだ金属又はろう付け金属の融点よりも50℃以内で高い温度にすることで達成される、請求項1に記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公表番号】特表2009−510264(P2009−510264A)
【公表日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−533591(P2008−533591)
【出願日】平成18年9月26日(2006.9.26)
【国際出願番号】PCT/US2006/037784
【国際公開番号】WO2007/038651
【国際公開日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【出願人】(391010758)キャボット コーポレイション (164)
【氏名又は名称原語表記】CABOT CORPORATION
【Fターム(参考)】