説明

スピロベンゾピラン化合物

【課題】 不整脈治療剤の提供。
【解決手段】 式(I)
【化1】


〔式中、XはNHなどを意味し、Yは結合、SO又はSO2を意味し、ZはC1−4アルキル基又はフェニル基などを意味し、Wは水素原子、水酸基、C1−6アルコキシ基、ハロゲン原子、C1−4アルキル基又はC1−6アルキルスルホニルアミノ基を意味し、R及びRは一緒になって=Oなどを意味するか、又は結合する炭素原子と一緒になってシクロアルキル基若しくはピラン、ピペリジン等のヘテロシクリル基などを意味し、Rは水酸基などを意味し、mは0〜4の整数であり、nは0〜4の整数であり、Vは単結合、CRR、NR、O、S、SO又はSOなどを意味し、Rは水素原子又はC1−6アルキル基を意味し、Rは水素原子、C1−6アルキル基、C3−8シクロアルキル基、C3−8シクロアルケニル基、C6−14アリール基又はC2−9ヘテロアリール基などを意味する。〕であるベンゾピラン化合物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、不応期延長作用を有するベンゾピラン化合物に関するものであり、ヒトを含む哺乳動物に対する不整脈の治療に用いられるものである。
【背景技術】
【0002】
ベンゾピラン誘導体としてはクロマカリムに代表される4-アシルアミノベンゾピラン誘導体が知られている(例えば、特許文献1参照。)。これらクロマカリムに代表される4-アシルアミノベンゾピラン誘導体はATP感受性K+チャンネルを開口し、高血圧や喘息の治療に有効であることが知られているが、不応期延長作用に基づく不整脈の治療に関しては言及されていない。
また、不応期延長作用を有するベンゾピラン化合物として、2位が無置換であるか又は独立した置換基でモノ又はジ置換されたベンゾピラン化合物等が報告されている(例えば、特許文献2参照)。しかし、本願記載化合物について具体的な記述はない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭58-67683号公報
【特許文献2】国際公開第2005/080368号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、不応期延長作用を主たる機序とする従来の抗不整脈薬(例えばVaughan Williamsによる抗不整脈薬分類の1群薬や、3群に属するd−ソタロール、ドフェチライドなど)は、不応期延長作用と関連のある心室筋活動電位の延長に基づくtorsades de pointes等の突然死を誘発しうる極めて危険な不整脈誘発作用が治療上の課題になっており、より副作用の少ない薬剤が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、心室筋よりも心房筋に選択的な不応期延長作用を有する化合物を鋭意探索した結果、驚くべきことに式(I)で表される化合物に、心室筋の不応期および活動電位に影響することなく心房筋に選択的な不応期延長作用があることを見いだし、本発明を完成した。
本発明は、
1. 式(I)
【化1】


〔式中、
Xは、NR(Rは、水素原子又はC1−4アルキル基を意味する。)を意味し、
Yは、結合、SO又はSO2を意味し、
Zは、C1−4アルキル基(該C1−4アルキル基は、1〜5個のハロゲン原子又はフェニル基(該フェニル基は、C1−4アルキル基で任意に置換されていてもよい。)で任意に置換されていてもよい。)又はフェニル基(該フェニル基は、C1−4アルキル基で任意に置換されていてもよい。)を意味し、
Wは、水素原子、水酸基、C1−6アルコキシ基(C1−6アルコキシ基は、ハロゲン原子で任意に置換されていてもよい。)、ハロゲン原子、C1−4アルキル基又はC1−6アルキルスルホニルアミノ基を意味し、
R及びRは一緒になって、=O、=S、若しくは=NR(Rは水素原子、C1−6アルキル基(該アルキル基はハロゲン原子、水酸基又はC1−6アルコキシ基(該アルコキシ基はハロゲン原子で任意に置換されていてもよい。)で任意に置換されていてもよい。)、水酸基、C1−6アルコキシ基(該アルコキシ基はハロゲン原子で任意に置換されていてもよい。)、C6−14アリール基、C2−9ヘテロアリール基(該アリール基及びヘテロアリール基は何れもo個のR10(R10はハロゲン原子、水酸基、C1−6アルキル基(該アルキル基はハロゲン原子、水酸基又はC1−6アルコキシ基(該アルコキシ基はハロゲン原子で任意に置換されていてもよい。)で任意に置換されていてもよい。)、C1−6アルコキシ基(該アルコキシ基はハロゲン原子で任意に置換されていてもよい。)、ニトロ基、シアノ基、ホルミル基、ホルムアミド基、スルホニルアミノ基、スルホニル基、アミノ基、C1−6アルキルアミノ基、ジC1−6アルキルアミノ基、C1−6アルキルカルボニルアミノ基、C1−6アルキルスルホニルアミノ基、アミノカルボニル基、C1−6アルキルアミノカルボニル基、ジC1−6アルキルアミノカルボニル基、C1−6アルキルカルボニル基、C1−6アルコキシカルボニル基、アミノスルホニル基、C1−6アルキルスルホニル基、カルボキシル基又はC6−14アリールカルボニル基を意味する。)により任意に置換されていてもよく、oは1〜3の整数を表し、oが2又は3の場合、R10は同じでも異なっていてもよい。)を意味する。)を意味するか、又は結合する炭素原子と一緒になって、
【化2】


(式中、
jは0〜7の整数を表し、
kは0〜7の整数を表し、
Gは、単結合、CRR(R及びRはそれぞれ独立して、水素原子、C1−6アルキル基(該アルキル基は、ハロゲン原子、水酸基、C1−6アルコキシ基(該アルコキシ基はハロゲン原子で任意に置換されていてもよい。)、C6−14アリール基、C2−9ヘテロアリール基(該アリール基及びヘテロアリール基は何れもo個のR10(R10及びoは、前記と同様の意味を表す。)により任意に置換されていてもよい)、C1−6アルキルカルボニルオキシ基、ニトロ基、シアノ基、ホルミル基、ホルムアミド基、アミノ基、C1−6アルキルアミノ基、ジC1−6アルキルアミノ基、C1−6アルキルカルボニルアミノ基、C1−6アルキルスルホニルアミノ基、アミノカルボニル基、C1−6アルキルアミノカルボニル基、ジC1−6アルキルアミノカルボニル基、C1−6アルキルカルボニル基、C1−6アルコキシカルボニル基、アミノスルホニル基、C1−6アルキルスルホニル基、カルボキシル基又はスルホニル基で任意に置換されていてもよい。)、C6−14アリール基、C2−9ヘテロアリール基(該アリール基及びヘテロアリール基は何れもo個のR10(R10及びoは、前記と同様の意味を表す。)により任意に置換されていてもよい。)、水酸基、C1−6アルコキシ基(該アルコキシ基はハロゲン原子で任意に置換されていてもよい。)、ニトロ基、シアノ基、ホルミル基、ホルムアミド基、スルホニルアミノ基、スルホニル基、アミノ基、C1−6アルキルアミノ基、ジC1−6アルキルアミノ基、C1−6アルキルカルボニルアミノ基、C1−6アルキルスルホニルアミノ基、アミノカルボニル基、C1−6アルキルアミノカルボニル基、ジC1−6アルキルアミノカルボニル基、C1−6アルキルカルボニル基、C1−6アルコキシカルボニル基、アミノスルホニル基、C1−6アルキルスルホニル基、カルボキシル基、C6−14アリールカルボニル基若しくはC2−9ヘテロアリールカルボニル基(該アリールカルボニル基及びヘテロアリールカルボニル基は何れもo個のR10(R10及びoは、前記と同様の意味を表す。)により任意に置換されていてもよい。)を意味するか又はR及びRが一緒になって=O又は=Sを意味する。)、NR11(R11は水素原子、C1−6アルキル基(該アルキル基は、ハロゲン原子、C1−6アルコキシ基(該アルコキシ基はハロゲン原子で任意に置換されていてもよい。)、水酸基、C6−14アリール基、C2−9ヘテロアリール基(該アリール基及びヘテロアリール基は何れもo個のR10(R10及びoは、前記と同様の意味を表す。)により任意に置換されていてもよい。)、C1−6アルキルアミノカルボニル基、ジC1−6アルキルアミノカルボニル基、C1−6アルキルカルボニル基、C3−8シクロアルキルカルボニル基、C1−6アルコキシカルボニル基、C1−6アルキルスルホニル基、カルボキシル基、C6−14アリールカルボニル基又はC2−9ヘテロアリールカルボニル基で任意に置換されていてもよい。)、C1−6アルキルアミノカルボニル基、ジC1−6アルキルアミノカルボニル基、C1−6アルキルカルボニル基、C3−8シクロアルキルカルボニル基、C1−6アルコキシカルボニル基、C1−6アルキルスルホニル基、C6−14アリールスルホニル基、又はC2−9ヘテロアリールスルホニル基(該アリールスルホニル基及びヘテロアリールスルホニル基は何れもo個のR10(R10及びoは、前記と同様の意味を表す。)により任意に置換されていてもよい。)、カルボキシル基、C6−14アリールカルボニル基又はC2−9ヘテロアリールカルボニル基(該アリールカルボニル基及びヘテロアリールカルボニル基は何れもo個のR10(R10及びoは、前記と同様の意味を表す。)により任意に置換されていてもよい。)を意味する。)、O、S、SO又はSOを意味する。)
を意味し、
Rは、水素原子、水酸基又はメトキシ基を意味し、
mは、0〜4の整数であり、
nは、0〜4の整数であり、
Vは、単結合、CR12R13(R12はRと同様の意味を表し、R13はRと同様の意味を表す。)、NR14(R14はR11と同様の意味を表す。)、O、S、SO又はSOを意味し、
Rは、水素原子又はC1−6アルキル基(該C1−6アルキル基は、ハロゲン原子、C1−6アルコキシ基(該C1−6アルコキシ基は、ハロゲン原子で任意に置換されていてもよい。)又は水酸基で任意に置換されていてもよい。)を意味し、
Rは、水素原子、C1−6アルキル基(該C1−6アルキル基は、ハロゲン原子、C1−6アルコキシ基(該C1−6アルコキシ基は、ハロゲン原子で任意に置換されていてもよい。)、アミノ基、カルボキシル基又は水酸基で任意に置換されていてもよい。)、C3−8シクロアルキル基、C3−8シクロアルケニル基(該C3−8シクロアルキル基及びC3−8シクロアルケニル基は、ハロゲン原子、C1−6アルキル基(該C1−6アルキル基は、ハロゲン原子、C1−6アルコキシ基(該C1−6アルコキシ基は、ハロゲン原子で任意に置換されていてもよい。)、アミノ基、カルボキシル基又は水酸基で任意に置換されていてもよい。)、C1−6アルコキシ基(該C1−6アルコキシ基は、ハロゲン原子で任意に置換されていてもよい。)、アミノ基、カルボキシル基又は水酸基で任意に置換されていてもよい。)、C6−14アリール基又はC2−9ヘテロアリール基(該C6−14アリール基及びC2−9ヘテロアリール基は、何れもp個のR15(R15は、ハロゲン原子、水酸基、C1−6アルキル基(該C1−6アルキル基は、ハロゲン原子、水酸基又はC1−6アルコキシ基(該C1−6アルコキシ基は、ハロゲン原子で任意に置換されていてもよい。)で任意に置換されていてもよい。)、C1−6アルコキシ基(該C1−6アルコキシ基は、ハロゲン原子で任意に置換されていてもよい。)、ニトロ基、シアノ基、ホルミル基、ホルムアミド基、スルホニルアミノ基、スルホニル基、アミノ基、C1−6アルキルアミノ基、ジC1−6アルキルアミノ基、C1−6アルキルカルボニルアミノ基、C1−6アルキルスルホニルアミノ基、アミノカルボニル基、C1−6アルキルアミノカルボニル基、ジC1−6アルキルアミノカルボニル基、C1−6アルキルカルボニル基、C1−6アルコキシカルボニル基、アミノスルホニル基、C1−6アルキルスルホニル基、カルボキシル基、C6−14アリールカルボニル基、ウレイド基、C1−6アルキルウレイレン基、C6−14アリールC1−6アルキルアミノ基、C1−6アルコキシカルボニルアミノ基、C6−14アリールオキシ基又はC6−14アリールカルボニルアミノ基を意味する。)により任意に置換されていてもよく、pは1〜3の整数を表し、pが2又は3の場合、R15は同じでも異なっていてもよい。)を意味する。〕であるベンゾピラン化合物又はその医薬的に許容される塩。
2. Rが水酸基であり、Vが単結合である1.記載のベンゾピラン化合物又はその医薬的に許容される塩。
3. Rが水酸基であり、VがCRRである1.記載のベンゾピラン化合物又はその医薬的に許容される塩。
4. Rが水酸基であり、VがNRである1.記載のベンゾピラン化合物又はその医薬的に許容される塩。
5. RがC1−6アルキル基、C3−8シクロアルキル基又はC6−14アリール基である2.記載のベンゾピラン化合物。
6. RがC1−6アルキル基、C3−8シクロアルキル基又はC6−14アリール基である3.記載のベンゾピラン化合物。
7. RがC1−6アルキル基、C3−8シクロアルキル基又はC6−14アリール基である4.記載のベンゾピラン化合物。
8. Wが水素原子、水酸基、メトキシ基、塩素原子、臭素原子、メチル基、エチル基又はメタンスルホニルアミノ基である5.記載のベンゾピラン化合物。
9. Wが水素原子、水酸基、メトキシ基、塩素原子、臭素原子、メチル基、エチル基又はメタンスルホニルアミノ基である6.記載のベンゾピラン化合物。
10. RがC1−6アルキル基又はC6−14アリール基であり、Rが水素原子又はメチル基であり、YがSO2であり、ZがC1−4アルキル基である8.記載のベンゾピラン化合物。
11. RがC1−6アルキル基又はC6−14アリール基であり、Rが水素原子又はメチル基であり、Yが結合であり、ZがC1−4アルキル基である8.記載のベンゾピラン化合物。
12. R及びRが一緒になって=Oを意味するか、又は結合する炭素原子と一緒になって、
【化3】


(式中、
jは0〜4の整数を表し、
kは0〜4の整数を表し、
Gは、単結合、CRR(R及びRはそれぞれ独立して、水素原子、C1−6アルキル基(該アルキル基は、ハロゲン原子、水酸基、C1−6アルコキシ基(該アルコキシ基はハロゲン原子で任意に置換されていてもよい。)、C6−14アリール基、C2−9ヘテロアリール基(該アリール基及びヘテロアリール基は何れもo個のR10(R10及びoは、前記と同様の意味を表す。)により任意に置換されていてもよい)、C1−6アルキルカルボニルオキシ基、ニトロ基、シアノ基、ホルミル基、ホルムアミド基、アミノ基、C1−6アルキルアミノ基、ジC1−6アルキルアミノ基、C1−6アルキルカルボニルアミノ基、C1−6アルキルスルホニルアミノ基、アミノカルボニル基、C1−6アルキルアミノカルボニル基、ジC1−6アルキルアミノカルボニル基、C1−6アルキルカルボニル基、C1−6アルコキシカルボニル基、アミノスルホニル基、C1−6アルキルスルホニル基、カルボキシル基又はスルホニル基で任意に置換されていてもよい。)、C6−14アリール基、C2−9ヘテロアリール基(該アリール基及びヘテロアリール基は何れもo個のR10(R10及びoは、前記と同様の意味を表す。)により任意に置換されていてもよい。)、水酸基、C1−6アルコキシ基(該アルコキシ基はハロゲン原子で任意に置換されていてもよい。)、ニトロ基、シアノ基、ホルミル基、ホルムアミド基、スルホニルアミノ基、スルホニル基、アミノ基、C1−6アルキルアミノ基、ジC1−6アルキルアミノ基、C1−6アルキルカルボニルアミノ基、C1−6アルキルスルホニルアミノ基、アミノカルボニル基、C1−6アルキルアミノカルボニル基、ジC1−6アルキルアミノカルボニル基、C1−6アルキルカルボニル基、C1−6アルコキシカルボニル基、アミノスルホニル基、C1−6アルキルスルホニル基、カルボキシル基、C6−14アリールカルボニル基若しくはC2−9ヘテロアリールカルボニル基(該アリールカルボニル基及びヘテロアリールカルボニル基は何れもo個のR10(R10及びoは、前記と同様の意味を表す。)により任意に置換されていてもよい。)を意味するか又はR及びRが一緒になって=O又は=Sを意味する。)、NR11(R11は水素原子、C1−6アルキル基(該アルキル基は、ハロゲン原子、C1−6アルコキシ基(該アルコキシ基はハロゲン原子で任意に置換されていてもよい。)、水酸基、C6−14アリール基、C2−9ヘテロアリール基(該アリール基及びヘテロアリール基は何れもo個のR10(R10及びoは、前記と同様の意味を表す。)により任意に置換されていてもよい。)、C1−6アルキルアミノカルボニル基、ジC1−6アルキルアミノカルボニル基、C1−6アルキルカルボニル基、C3−8シクロアルキルカルボニル基、C1−6アルコキシカルボニル基、C1−6アルキルスルホニル基、カルボキシル基、C6−14アリールカルボニル基又はC2−9ヘテロアリールカルボニル基で任意に置換されていてもよい。)、C1−6アルキルアミノカルボニル基、ジC1−6アルキルアミノカルボニル基、C1−6アルキルカルボニル基、C3−8シクロアルキルカルボニル基、C1−6アルコキシカルボニル基、C1−6アルキルスルホニル基、C6−14アリールスルホニル基、又はC2−9ヘテロアリールスルホニル基(該アリールスルホニル基及びヘテロアリールスルホニル基は何れもo個のR10(R10及びoは、前記と同様の意味を表す。)により任意に置換されていてもよい。)、カルボキシル基、C6−14アリールカルボニル基又はC2−9ヘテロアリールカルボニル基(該アリールカルボニル基及びヘテロアリールカルボニル基は何れもo個のR10(R10及びoは、前記と同様の意味を表す。)により任意に置換されていてもよい。)を意味する。)、O、S、SO又はSOを意味する。)で表される2.〜11.記載のベンゾピラン化合物又はその医薬的に許容される塩。
13. R及びRが一緒になって=Oを意味するか、又は結合する炭素原子と一緒になって、
【化4】


(式中、
jは1〜4の整数を表し、kは1〜4の整数を表し、jおよびkは、j+k=4〜6を満たす整数から選択され、
Gは、単結合、CRR(Rは水酸基、C1−6アルコキシ基(該アルコキシ基はハロゲン原子で任意に置換されていてもよい。)、アミノ基、C1−6アルキルアミノ基、ジC1−6アルキルアミノ基、アミノカルボニル基、C1−6アルキルアミノカルボニル基、ジC1−6アルキルアミノカルボニル基、C1−6アルキルカルボニル基、C1−6アルコキシカルボニル基、アミノスルホニル基、若しくはカルボキシル基を意味し、Rは水素原子を意味するか又はR及びRが一緒になって=O又は=Sを意味する。)、NR11(R11は水素原子、C1−6アルキル基(該アルキル基は、ハロゲン原子、C1−6アルコキシ基(該アルコキシ基はハロゲン原子で任意に置換されていてもよい。)、水酸基、C6−14アリール基、またはC2−9ヘテロアリール基(該アリール基及びヘテロアリール基は何れもo個のR10(R10及びoは、前記と同様の意味を表す。)により任意に置換されていてもよい。)で任意に置換されていてもよい。)、C1−6アルキルアミノカルボニル基、ジC1−6アルキルアミノカルボニル基、C1−6アルキルカルボニル基、C1−6アルコキシカルボニル基、C1−6アルキルスルホニル基、C6−14アリールスルホニル基、C2−9ヘテロアリールスルホニル基(該アリールスルホニル基及びヘテロアリールスルホニル基は何れもo個のR10(R10及びoは、前記と同様の意味を表す。)により任意に置換されていてもよい。)、C6−14アリールカルボニル基又はC2−9ヘテロアリールカルボニル基(該アリールカルボニル基及びヘテロアリールカルボニル基は何れもo個のR10(R10及びoは、前記と同様の意味を表す。)により任意に置換されていてもよい。)を意味する。)、O、S、SO又はSOを意味する。)で表される2.〜11.記載のベンゾピラン化合物又はその医薬的に許容される塩。
14. R及びRが一緒になって=Oを示すか、又は結合する炭素原子と一緒になって、
【化5】

である2.〜11.記載のベンゾピラン化合物又はその医薬的に許容される塩。
15. R及びRが結合する炭素原子と一緒になって、シクロペンチル基又はシクロヘキシル基である2.〜11.記載のベンゾピラン化合物又はその医薬的に許容される塩。
16. 1.〜15.の何れかに記載のベンゾピラン化合物又はその医薬的に許容され得る塩を有効成分として含有することを特徴とする医薬。
17. 1.〜15.の何れかに記載のベンゾピラン化合物又はその医薬的に許容され得る塩を有効成分として含有することを特徴とする不整脈治療薬。
に関するものである。
本発明化合物は、強い不応期延長作用を有し、不整脈治療薬として用いることができる。
【発明を実施するための形態】
【0006】
次に、本発明化合物(I)の各置換基を具体的に説明する。
なお、本明細書中「n」はノルマルを、「i」はイソを、「s」はセカンダリーを、「t」はターシャリーを、「c」はシクロを、「o」はオルトを、「m」はメタを、「p」はパラを、「Me」はメチルを、「Et」はエチルを、「Pr」はプロピルを、「Ms」はメタンスルホニルを、「Ts」はパラトルエンスルホニルを、「Tf」はトリフルオロメタンスルホニルを、「Ph」はフェニルを、「Ac」はアセチルを意味する。
C1−3アルキル基としては、メチル、エチル、n-プロピル及びi-プロピル等が挙げられる。
C1−4アルキル基としては、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、i-ブチル、s-ブチル及びt-ブチル等が挙げられる。
C1−6アルキル基としては、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、i-ブチル、s-ブチル、t-ブチル、1-ペンチル、2-ペンチル、3-ペンチル、i-ペンチル、ネオペンチル、2,2-ジメチルプロピル、1-ヘキシル、2-ヘキシル、3-ヘキシル、1-メチル-n-ペンチル、1,1,2-トリメチル-n-プロピル、1,2,2-トリメチル-n-プロピル及び3,3-ジメチル-n-ブチル等が挙げられる。
好ましくは、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル及びn-ブチルが挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられる。好ましくは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子が挙げられる。
C1−6アルコキシ基としては、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、i-プロポキシ、n-ブトキシ、i-ブトキシ、s-ブトキシ、t-ブトキシ、1-ペンチルオキシ、2-ペンチルオキシ、3-ペンチルオキシ、i-ペンチルオキシ、ネオペンチルオキシ、2,2-ジメチルプロポキシ、1-ヘキシルオキシ、2-ヘキシルオキシ、3-ヘキシルオキシ、1-メチル-n-ペンチルオキシ、1,1,2-トリメチル-n-プロポキシ、1,2,2-トリメチル-n-プロポキシ及び3,3-ジメチル-n-ブトキシ等が挙げられる。
好ましくは、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ及びi-プロポキシが挙げられる。
C6−14アリール基としては、フェニル、o-ビフェニリル、m-ビフェニリル、p-ビフェニリル、α-ナフチル、β-ナフチル、1-アントリル、2-アントリル、9-アントリル、1-フェナントリル、2-フェナントリル、3-フェナントリル、4-フェナントリル及び9-フェナントリル等が挙げられる。
好ましくは、フェニルが挙げられる。
2-9ヘテロアリール基としては、酸素原子、窒素原子、硫黄原子が1〜3原子単独もしくは組み合わせて含むことができる5〜7員環までのC2-6単環式複素環基及び構成原子数が8〜10までのC5-9縮合二環式複素環基が含まれる。
5〜7員環までのC2-6単環式複素環基としては、2−チエニル基、3−チエニル基、2−フリル基、3−フリル基、2−ピラニル基、3−ピラニル基、4−ピラニル基、1−ピロリル基、2−ピロリル基、3−ピロリル基、1−イミダゾリル基、2−イミダゾリル基、4−イミダゾリル基、1−ピラゾリル基、3−ピラゾリル基、4−ピラゾリル基、2−チアゾリル基、4−チアゾリル基、5−チアゾリル基、3−イソチアゾリル基、4−イソチアゾリル基、5−イソチアゾリル基、2−オキサゾリル基、4−オキサゾリル基、5−オキサゾリル基、3−イソオキサゾリル基、4−イソオキサゾリル基、5−イソオキサゾリル基、2−ピリジル基、3−ピリジル基、4−ピリジル基、2−ピラジニル基、2−ピリミジニル基、4−ピリミジニル基、5−ピリミジニル基、3−ピリダジニル基、4−ピリダジニル基、2−1,3,4−オキサジアゾリル基、2−1,3,4−チアジアゾリル基、3−1,2,4−オキサジアゾリル基、5−1,2,4−オキサジアゾリル基、3−1,2,4−チアジアゾリル基、5−1,2,4−チアジアゾリル基、3−1,2,5−オキサジアゾリル基及び3−1,2,5−チアジアゾリル基等が挙げられる。
構成原子数が8〜10までのC5-9縮合二環式複素環基としては、2−ベンゾフラニル基、3−ベンゾフラニル基、4−ベンゾフラニル基、5−ベンゾフラニル基、6−ベンゾフラニル基、7−ベンゾフラニル基、1−イソベンゾフラニル基、4−イソベンゾフラニル基、5−イソベンゾフラニル基、2−ベンゾチエニル基、3−ベンゾチエニル基、4−ベンゾチエニル基、5−ベンゾチエニル基、6−ベンゾチエニル基、7−ベンゾチエニル基、1−イソベンゾチエニル基、4−イソベンゾチエニル基、5−イソベンゾチエニル基、2−クロメニル基、3−クロメニル基、4−クロメニル基、5−クロメニル基、6−クロメニル基、7−クロメニル基、8−クロメニル基、1−インドリジニル基、2−インドリジニル基、3−インドリジニル基、5−インドリジニル基、6−インドリジニル基、7−インドリジニル基、8−インドリジニル基、1−イソインドリル基、2−イソインドリル基、4−イソインドリル基、5−イソインドリル基、1−インドリル基、2−インドリル基、3−インドリル基、4−インドリル基、5−インドリル基、6−インドリル基、7−インドリル基、1−インダゾリル基、2−インダゾリル基、3−インダゾリル基、4−インダゾリル基、5−インダゾリル基、6−インダゾリル基、7−インダゾリル基、1−プリニル基、2−プリニル基、3−プリニル基、6−プリニル基、7−プリニル基、8−プリニル基、2−キノリル基、3−キノリル基、4−キノリル基、5−キノリル基、6−キノリル基、7−キノリル基、8−キノリル基、1−イソキノリル基、3−イソキノリル基、4−イソキノリル基、5−イソキノリル基、6−イソキノリル基、7−イソキノリル基、8−イソキノリル基、1−フタラジニル基、5−フタラジニル基、6−フタラジニル基、1−2、7−ナフチリジニル基、3−2,7−ナフチリジニル基、4−2,7−ナフチリジニル基、1−2,6−ナフチリジニル基、3−2,6−ナフチリジニル基、4−2,6−ナフチリジニル基、2−1,8−ナフチリジニル基、3−1,8−ナフチリジニル基、4−1,8−ナフチリジニル基、2−1,7−ナフチリジニル基、3−1,7−ナフチリジニル基、4−1,7−ナフチリジニル基、5−1,7−ナフチリジニル基、6−1,7−ナフチリジニル基、8−1,7−ナフチリジニル基、2−1,6−ナフチリジニル基、3−1,6−ナフチリジニル基、4−1,6−ナフチリジニル基、5−1,6−ナフチリジニル基、7−1,6−ナフチリジニル基、8−1,6−ナフチリジニル基、2−1,5−ナフチリジニル基、3−1,5−ナフチリジニル基、4−1,5−ナフチリジニル基、6−1,5−ナフチリジニル基、7−1,5−ナフチリジニル基、8−1,5−ナフチリジニル基、2−キノキサリニル基、5−キノキサリニル基、6−キノキサリニル基、2−キナゾリニル基、4−キナゾリニル基、5−キナゾリニル基、6−キナゾリニル基、7−キナゾリニル基、8−キナゾリニル基、3−シンノリニル基、4−シンノリニル基、5−シンノリニル基、6−シンノリニル基、7−シンノリニル基、8−シンノリニル基、2−プテリジニル基、4−プテリジニル基、6−プテリジニル基及び7−プテリジニル基等が挙げられる。
好ましくは、2−ピリジル基、3−ピリジル及び基4−ピリジル基が挙げられる。
C1−6アルキルアミノ基としては、メチルアミノ、エチルアミノ、n-プロピルアミノ、i-プロピルアミノ、c-プロピルアミノ、n-ブチルアミノ、i-ブチルアミノ、s-ブチルアミノ、t-ブチルアミノ、c-ブチルアミノ、1-ペンチルアミノ、2-ペンチルアミノ、3-ペンチルアミノ、i-ペンチルアミノ、ネオペンチルアミノ、t-ペンチルアミノ、c-ペンチルアミノ、1-ヘキシルアミノ、2-ヘキシルアミノ、3-ヘキシルアミノ、c-ヘキシルアミノ、1-メチル-n-ペンチルアミノ、1,1,2-トリメチル-n-プロピルアミノ、1,2,2-トリメチル-n-プロピルアミノ及び3,3-ジメチル-n-ブチルアミノ等が挙げられる。
好ましくは、メチルアミノ、エチルアミノ、n-プロピルアミノ、i-プロピルアミノ及びn-ブチルアミノが挙げられる。
ジC1−6アルキルアミノ基としては、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジ-n-プロピルアミノ、ジ-i-プロピルアミノ、ジ-c-プロピルアミノ、ジ-n-ブチルアミノ、ジ-i-ブチルアミノ、ジ-s-ブチルアミノ、ジ-t-ブチルアミノ、ジ-c-ブチルアミノ、ジ-1-ペンチルアミノ、ジ-2-ペンチルアミノ、ジ-3-ペンチルアミノ、ジ-i-ペンチルアミノ、ジ-ネオペンチルアミノ、ジ-t-ペンチルアミノ、ジ-c-ペンチルアミノ、ジ-1-ヘキシルアミノ、ジ-2-ヘキシルアミノ、ジ-3-ヘキシルアミノ、ジ-c-ヘキシルアミノ、ジ-(1-メチル-n-ペンチル)アミノ、ジ-(1,1,2-トリメチル-n-プロピル)アミノ、ジ-(1,2,2-トリメチル-n-プロピル)アミノ、ジ-(3,3-ジメチル-n-ブチル)アミノ、メチル(エチル)アミノ、メチル(n-プロピル)アミノ、メチル(i-プロピル)アミノ、メチル(c-プロピル)アミノ、メチル(n-ブチル)アミノ、メチル(i-ブチル)アミノ、メチル(s-ブチル)アミノ、メチル(t-ブチル)アミノ、メチル(c-ブチル)アミノ、エチル(n-プロピル)アミノ、エチル(i-プロピル)アミノ、エチル(c-プロピル)アミノ、エチル(n-ブチル)アミノ、エチル(i-ブチル)アミノ、エチル(s-ブチル)アミノ、エチル(t-ブチル)アミノ、エチル(c-ブチル)アミノ、n-プロピル(i-プロピル)アミノ、n-プロピル(c-プロピル)アミノ、n-プロピル(n-ブチル)アミノ、n-プロピル(i-ブチル)アミノ、n-プロピル(s-ブチル)アミノ、n-プロピル(t-ブチル)アミノ、n-プロピル(c-ブチル)アミノ、i-プロピル(c-プロピル)アミノ、i-プロピル(n-ブチル)アミノ、i-プロピル(i-ブチル)アミノ、i-プロピル(s-ブチル)アミノ、i-プロピル(t-ブチル)アミノ、i-プロピル(c-ブチル)アミノ、c-プロピル(n-ブチル)アミノ、c-プロピル(i-ブチル)アミノ、c-プロピル(s-ブチル)アミノ、c-プロピル(t-ブチル)アミノ、c-プロピル(c-ブチル)アミノ、n-ブチル(i-ブチル)アミノ、n-ブチル(s-ブチル)アミノ、n-ブチル(t-ブチル)アミノ、n-ブチル(c-ブチル)アミノ、i-ブチル(s-ブチル)アミノ、i-ブチル(t-ブチル)アミノ、i-ブチル(c-ブチル)アミノ、s-ブチル(t-ブチル)アミノ、s-ブチル(c-ブチル)アミノ及びt-ブチル(c-ブチル)アミノ等が挙げられる。
好ましくは、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジ-n-プロピルアミノ、ジ-i-プロピルアミノ及びジ-n-ブチルアミノが挙げられる。
C1−6アルキルカルボニルアミノ基としては、メチルカルボニルアミノ、エチルカルボニルアミノ、n-プロピルカルボニルアミノ、i-プロピルカルボニルアミノ、n-ブチルカルボニルアミノ、i-ブチルカルボニルアミノ、s-ブチルカルボニルアミノ、t-ブチルカルボニルアミノ、1-ペンチルカルボニルアミノ、2-ペンチルカルボニルアミノ、3-ペンチルカルボニルアミノ、i-ペンチルカルボニルアミノ、ネオペンチルカルボニルアミノ、t-ペンチルカルボニルアミノ、1-ヘキシルカルボニルアミノ、2-ヘキシルカルボニルアミノ及び3-ヘキシルカルボニルアミノ等が挙げられる。
好ましくは、メチルカルボニルアミノ、エチルカルボニルアミノ、n-プロピルカルボニルアミノ、i-プロピルカルボニルアミノ及びn-ブチルカルボニルアミノが挙げられる。
C1−6アルキルスルホニルアミノ基としては、メチルスルホニルアミノ、エチルスルホニルアミノ、n-プロピルスルホニルアミノ、i-プロピルスルホニルアミノ、n-ブチルスルホニルアミノ、i-ブチルスルホニルアミノ、s-ブチルスルホニルアミノ、t-ブチルスルホニルアミノ、1-ペンチルスルホニルアミノ、2-ペンチルスルホニルアミノ、3-ペンチルスルホニルアミノ、i-ペンチルスルホニルアミノ、ネオペンチルスルホニルアミノ、t-ペンチルスルホニルアミノ、1-ヘキシルスルホニルアミノ、2-ヘキシルスルホニルアミノ及び3-ヘキシルスルホニルアミノ等が挙げられる。
好ましくは、メチルスルホニルアミノ、エチルスルホニルアミノ、n-プロピルスルホニルアミノ、i-プロピルスルホニルアミノ及びn-ブチルスルホニルアミノが挙げられる。
C1−6アルキルアミノカルボニル基としては、メチルアミノカルボニル、エチルアミノカルボニル、n-プロピルアミノカルボニル、i-プロピルアミノカルボニル、n-ブチルアミノカルボニル、i-ブチルアミノカルボニル、s-ブチルアミノカルボニル、t-ブチルアミノカルボニル、1-ペンチルアミノカルボニル、2-ペンチルアミノカルボニル、3-ペンチルアミノカルボニル、i-ペンチルアミノカルボニル、ネオペンチルアミノカルボニル、t-ペンチルアミノカルボニル、1-ヘキシルアミノカルボニル、2-ヘキシルアミノカルボニル及び3-ヘキシルアミノカルボニル等が挙げられる。
好ましくは、メチルアミノカルボニル、エチルアミノカルボニル、n-プロピルアミノカルボニル、i-プロピルアミノカルボニル及びn-ブチルアミノカルボニルが挙げられる。
ジC1−6アルキルアミノカルボニル基としては、ジメチルアミノカルボニル、ジエチルアミノカルボニル、ジ-n-プロピルアミノカルボニル、ジ-i-プロピルアミノカルボニル、ジ-c-プロピルアミノカルボニル、ジ-n-ブチルアミノカルボニル、ジ-i-ブチルアミノカルボニル、ジ-s-ブチルアミノカルボニル、ジ-t-ブチルアミノカルボニル、ジ-c-ブチルアミノカルボニル、ジ-1-ペンチルアミノカルボニル、ジ-2-ペンチルアミノカルボニル、ジ-3-ペンチルアミノカルボニル、ジ-i-ペンチルアミノカルボニル、ジ-ネオペンチルアミノカルボニル、ジ-t-ペンチルアミノカルボニル、ジ-c-ペンチルアミノカルボニル、ジ-1-ヘキシルアミノカルボニル、ジ-2-ヘキシルアミノカルボニル及びジ-3-ヘキシルアミノカルボニル等が挙げられる。
好ましくは、ジメチルアミノカルボニル、ジエチルアミノカルボニル、ジ-n-プロピルアミノカルボニル、ジ-i-プロピルアミノカルボニル、ジ-c-プロピルアミノカルボニル及びジ-n-ブチルアミノカルボニルが挙げられる。
C1−6アルキルカルボニル基としては、メチルカルボニル、エチルカルボニル、n-プロピルカルボニル、i-プロピルカルボニル、n-ブチルカルボニル、i-ブチルカルボニル、s-ブチルカルボニル、t-ブチルカルボニル、1-ペンチルカルボニル、2-ペンチルカルボニル、3-ペンチルカルボニル、i-ペンチルカルボニル、ネオペンチルカルボニル、t-ペンチルカルボニル、1-ヘキシルカルボニル、2-ヘキシルカルボニル及び3-ヘキシルカルボニルが挙げられる。
好ましくは、メチルカルボニル、エチルカルボニル、n-プロピルカルボニル、i-プロピルカルボニル及びn-ブチルカルボニルが挙げられる。
C1−6アルコキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、n-プロポキシカルボニル、i-プロポキシカルボニル、n-ブトキシカルボニル、i-ブトキシカルボニル、s-ブトキシカルボニル、t-ブトキシカルボニル、1-ペンチルオキシカルボニル、2-ペンチルオキシカルボニル、3-ペンチルオキシカルボニル、i-ペンチルオキシカルボニル、ネオペンチルオキシカルボニル、t-ペンチルオキシカルボニル、1-ヘキシルオキシカルボニル、2-ヘキシルオキシカルボニル及び3-ヘキシルオキシカルボニル等が挙げられる。
好ましくは、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、n-プロポキシカルボニル、i-プロポキシカルボニル、n-ブトキシカルボニル、i-ブトキシカルボニル、s-ブトキシカルボニル及びt-ブトキシカルボニルが挙げられる。
C1−6アルキルスルホニル基としては、メタンスルホニル及びエタンスルホニルが挙げられる。
C6−14アリールカルボニル基としては、ベンゾイル、p-メチルベンゾイル、p-t-ブチルベンゾイル、p-メトキシベンゾイル、p-クロルベンゾイル、p-ニトロベンゾイル、p-シアノベンゾイル、o-ビフェニリルカルボニル、m-ビフェニリルカルボニル、p-ビフェニリルカルボニル、α-ナフチルカルボニル、β-ナフチルカルボニル、1-アントリルカルボニル、2-アントリルカルボニル、9-アントリルカルボニル、1-フェナントリルカルボニル、2-フェナントリルカルボニル、3-フェナントリルカルボニル、4-フェナントリルカルボニル及び9-フェナントリルカルボニルが挙げられる。
好ましくは、ベンゾイル、p-ニトロベンゾイル及びp-シアノベンゾイルが挙げられる。
C1−6アルキルウレイレン基としては、メチルウレイレン、エチルウレイレン、n-プロピルウレイレン、i-プロピルウレイレン、n-ブチルウレイレン、i-ブチルウレイレン、s-ブチルウレイレン、t-ブチルウレイレン、1-ペンチルウレイレン、2-ペンチルウレイレン、3-ペンチルウレイレン、i-ペンチルウレイレン、ネオペンチルウレイレン、2,2-ジメチルプロピルウレイレン、1-ヘキシルウレイレン、2-ヘキシルウレイレン、3-ヘキシルウレイレン、1-メチル-n-ペンチルウレイレン、1,1,2-トリメチル-n-プロピルウレイレン、1,2,2-トリメチル-n-プロピルウレイレン及び3,3-ジメチル-n-ブチルウレイレン等が挙げられる。
C6−14アリールC1−6アルキル基としては、ベンジル、1-フェネチル、2-フェネチル、1-フェニルプロピル、2-フェニルプロピル、3-フェニルプロピル、4-フェニルブチル、5-フェニルペンチル、6-フェニルへキシル、1-ナフチルメチル、2-ナフチルメチル等が挙げられる。
好ましくは、ベンジル、2-フェネチル、3-フェニルプロピルが挙げられる。
C1−6アルコキシカルボニルアミノ基としては、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、n-プロポキシカルボニルアミノ、i-プロポキシカルボニルアミノ、n-ブトキシカルボニルアミノ、i-ブトキシカルボニルアミノ、s-ブトキシカルボニルアミノ、t-ブトキシカルボニルアミノ、1-ペンチルオキシカルボニルアミノ、2-ペンチルオキシカルボニルアミノ、3-ペンチルオキシカルボニルアミノ、i-ペンチルオキシカルボニルアミノ、ネオペンチルオキシカルボニルアミノ、t-ペンチルオキシカルボニルアミノ、1-ヘキシルオキシカルボニルアミノ、2-ヘキシルオキシカルボニルアミノ及び3-ヘキシルオキシカルボニルアミノ等が挙げられる。
C6−14アリールオキシ基としては、フェノキシ、p-メチルフェノキシ、p-t-ブチルフェノキシ、p-メトキシフェノキシ、p-クロルフェノキシ、p-ニトロフェノキシ、p-シアノフェノキシ、o-ビフェニリルオキシ、m-ビフェニリルオキシ、p-ビフェニリルオキシ、α-ナフトキシ、β-ナフトキシ、1-アントリルオキシ、2-アントリルオキシ、9-アントリルオキシ、1-フェナントリルオキシ、2-フェナントリルオキシ、3-フェナントリルオキシ、4-フェナントリルオキシ及び9-フェナントリルオキシが挙げられる。
C6−14アリールカルボニルアミノ基としては、ベンゾイルアミノ、p-メチルベンゾイルアミノ、p-t-ブチルベンゾイルアミノ、p-メトキシベンゾイルアミノ、p-クロルベンゾイルアミノ、p-ニトロベンゾイルアミノ、p-シアノベンゾイルアミノ、o-ビフェニリルカルボニルアミノ、m-ビフェニリルカルボニルアミノ、p-ビフェニリルカルボニルアミノ、α-ナフチルカルボニルアミノ、β-ナフチルカルボニルアミノ、1-アントリルカルボニルアミノ、2-アントリルカルボニルアミノ、9-アントリルカルボニルアミノ、1-フェナントリルカルボニルアミノ、2-フェナントリルカルボニルアミノ、3-フェナントリルカルボニルアミノ、4-フェナントリルカルボニルアミノ及び9-フェナントリルカルボニルアミノが挙げられる。
C3−8シクロアルキル基としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル及びシクロオクチル等が挙げられる。
好ましくは、シクロプロピル、シクロブチル及びシクロヘキシルが挙げられる。
C3−8シクロアルケニル基としては、1-c-ペンテニル、2-c-ペンテニル、3-c-ペンテニル、1-メチル-2-c-ペンテニル、1-メチル-3-c-ペンテニル、2-メチル-1-c-ペンテニル、2-メチル-2-c-ペンテニル、2-メチル-3-c-ペンテニル、2-メチル-4-c-ペンテニル、2-メチル-5-c-ペンテニル、2-メチレン-c-ペンチル、3-メチル-1-c-ペンテニル、3-メチル-2-c-ペンテニル、3-メチル-3-c-ペンテニル、3-メチル-4-c-ペンテニル、3-メチル-5-c-ペンテニル、3-メチレン-c-ペンチル、1-c-ヘキセニル、2-c-ヘキセニル、3-c-ヘキセニル、1-c-ヘプチニル、2-c-ヘプチニル、3-c-ヘプチニル、4-c-ヘプチニル、1-c-オクチニル、2-c-オクチニル及び3-c-オクチニル、4-c-オクチニル等が挙げられる。
好ましくは1-c-ペンテニル、2-c-ペンテニル、3-c-ペンテニル、1-c-ヘキセニル、2-c-ヘキセニル及び3-c-ヘキセニルが挙げられる。
【0007】
本発明に用いられる化合物の置換基の好ましい具体例について説明する。
R及びRの好ましい具体例としては、R及びRが一緒になってC=O及び以下の例が挙げられる。
【化6】

Rの好ましい具体例としては、水酸基が挙げられる。
Rの好ましい具体例としては、水素原子が挙げられる。
-X-Y-Zの好ましい具体例としては、-NHSO2Me、-NMeSO2Me、-NHSO2Et、-NHSO2CF3、-NHTs、-NMe2及び-NHMeが挙げられ、より好ましくは、-NHSO2Me及び-NMeSO2Meが挙げられる。
Wの好ましい具体例としては、水素原子、メチル、エチル、i-プロピル、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、水酸基、メトキシ及びNHSO2Meが挙げられる。さらに好ましいWの置換基としては、ベンゾピラン環の5位である場合は、水素原子が好ましく、6位である場合は、水素原子、メチル、エチル、i-プロピル、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、水酸基、メトキシ及びNHSO2Meが好ましく、8位である場合は、水素原子及びメチルが好ましい。
Wのより好ましい具体例としては、6位が水素原子、臭素原子、水酸基、メトキシ及びNHSO2Meであるものが挙げられ、又、8位が水素原子及びメチルであるものが挙げられ、又、6位が水素原子、水酸基及びメトキシであるものが挙げられる。
N-(CH2)m-V-(CH2)n-R5の好ましい具体例としては、以下に示すものが挙げられる。
【化7】


【化8】


【化9】


【化10】


N-(CH2)m-V-(CH2)n-R5のより好ましい具体例としては、以下に示すものが挙げられる。
【化11】

【0008】
以下に、本発明に用いることができる化合物の好ましい具体例を示すが、本発明はこれらに制限されるものではない。
【表1】


【表2】


【表3】


【表4】


【表5】


【表6】


【表7】


【表8】


【表9】


【表10】


【表11】


【表12】


【表13】


【表14】


【表15】


【表16】


【表17】


【表18】


【表19】


【表20】


【表21】


【表22】


【表23】


【表24】


【表25】


【表26】


【表27】


【表28】


【表29】


【表30】


【表31】


【表32】


【表33】


【表34】


【表35】


【表36】


【表37】


【表38】


【表39】


【表40】


【表41】


【表42】


【表43】


【表44】


【表45】


【表46】


【表47】


【表48】


【表49】


【表50】


【表51】


【表52】


【表53】


【表54】


【表55】


【表56】


【表57】


【表58】


【表59】


【表60】


【表61】


【表62】


【表63】


【表64】


【表65】


【表66】


【表67】


【表68】


【表69】


【表70】


【表71】


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【表75】


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【表84】


【表85】


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【表89】


【表90】


【表91】


【表92】


【表93】


【表94】


【表95】


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【表102】


【表103】


【表104】


【表105】


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【表115】


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【表129】


【表130】


【表131】


【表132】


【表133】


【表134】


【表135】


【表136】


【表137】


【表138】


【表139】


【表140】


【表141】


【表142】


【表143】


【表144】


【表145】


【表146】


【表147】


【表148】


【表149】


【表150】


【表151】


【表152】


【表153】


【表154】


【表155】


【表156】


【表157】


【表158】


【表159】


【表160】


【表161】


【表162】


【表163】


【表164】


【表165】


【表166】


【表167】


【表168】


【表169】


【表170】


【表171】


【表172】


【表173】


【表174】


【表175】


【表176】

【0009】
本発明化合物は、3位と4位に不斉炭素を有しており、該不斉炭素に基づく光学異性体が存在するが、ラセミ体と同様に光学活性体も本発明の用途に用いることができる。又、3位と4位の立体配置に基づくシス又はトランス異性体も包含するが、好ましくはトランス異性体である。
又、塩の形成可能な化合物であるときはその医薬的に許容し得る塩も有効成分として用いることができる。
医薬的に許容し得る塩としては塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、メタンスルホン酸塩、酢酸塩、安息香酸塩、酒石酸塩、リン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、リンゴ酸塩、グルコン酸塩及びサリチル酸塩等が挙げられる。
好ましくは、塩酸塩、メタンスルホン酸塩及びマレイン酸塩が挙げられる。
次に本発明化合物の製法を説明する。
一般式(I)で表される化合物は、下記の反応式によって示されるように、一般式(2)で表される化合物を出発物質として製造することができる。
一般式(2)で表される化合物は、既知の方法(J. M. Evansら、J. Med. Chem. 1984, 27, 1127、J. Med. Chem. 1986, 29, 2194、J. T. NorthらJ. Org. Chem. 1995, 60, 3397や、特開昭56−57785号公報、特開昭56−57786号公報、特開昭58−188880号公報、特開平2−141号公報、特開平10−87650号広報及び特開平11−209366号広報等に記載の方法)に従って合成することができる。
一般式(I)で表される化合物のうち、YがSO又はSOである化合物は、以下に示す方法により製造することができる。
【化66】


(式中、R、R、R、R、R、R、m、n、V、W及びZは、前記と同じであり、rは、1又は2を意味し、Xは、塩素原子、臭素原子、メタンスルホニルオキシ、p−トルエンスルホニルオキシ又はトリフルオロメタンスルホニルオキシ等の脱離基を意味し、Xは、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、メタンスルホニルオキシ、p−トルエンスルホニルオキシ又はトリフルオロメタンスルホニルオキシ等の脱離基を意味する。)
即ち、塩基の存在下、式(2)で表される化合物とZ-S(O)r-X1を反応させることにより、Rが水素原子である(I−1)を製造することができる。
又、塩基の存在下、(I−1)とR−Xを反応させることにより、RがC1−4アルキル基である(I−2)を製造することができる。
但し、Rが水素原子の場合は、式(2)で表される化合物とZ-S(O)r-X1を反応させる前に、Rの位置にt−ブトキシカルボニル等の保護基を導入しておき、Z-S(O)r-X1の導入後、又はR−Xの導入後に脱保護することにより、(I−1)又は(I−2)を製造することができる。
t−ブトキシカルボニル等の保護基の導入及び脱保護は、公知の方法(例えば、Protecting Groups in Organic Synthesis, second edition、T. W. Greene及びP. G. M. Wuts著、John Wiley & Sons, Inc出版)で行うことができる。
一般式(2)で表される化合物とZ-S(O)r-X1との反応に用いる溶媒としては下記のものが挙げられる。
ジメチルスルホキシドによって代表されるスルホキシド系溶媒、ジメチルホルムアミド又はジメチルアセトアミドによって代表されるアミド系溶媒、エチルエーテル、ジメトキシエタン又はテトラヒドロフラン、シクロペンチルメチルエーテルによって代表されるエーテル系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタンによって代表されるハロゲン系溶媒、アセトニトリル、プロピオニトリルによって代表されるニトリル系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンによって代表されるケトン系溶媒、ベンゼン、トルエンによって代表される芳香族炭化水素系溶媒、ヘキサン、ヘプタンによって代表される炭化水素系溶媒、酢酸エチルによって代表されるエステル系溶媒が挙げられる。又、無溶媒の条件で反応を行うこともできる。好ましくはエーテル系溶媒が挙げられる。
反応温度は、通常−80℃から用いられる反応溶媒の還流温度までであり、好ましくは、−10℃〜80℃である。
反応原料のモル比は、Z-S(O)r-X1/化合物(2)は0.5〜20.0の範囲であり、好ましくは1.0〜10.0の範囲である。
塩基としては、トリエチルアミン、エチルジイソプロピルアミンによって代表されるトリアルキルアミン、ピリジン、2,6-ルチジン、2,6-ジ-t-ブチルピリジン、2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルピリジン、プロトンスポンジによって代表されるピリジン系アミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウムによって代表される無機塩基が挙げられ、好ましくは、トリエチルアミン、エチルジイソプロピルアミン、ピリジンが挙げられる。
一般式(I-1)で表される化合物とR−Xとの反応に用いる溶媒としては下記のものが挙げられる。
ジメチルスルホキシドによって代表されるスルホキシド系溶媒、ジメチルホルムアミド又はジメチルアセトアミドによって代表されるアミド系溶媒、エチルエーテル、ジメトキシエタン又はテトラヒドロフラン、シクロペンチルメチルエーテルによって代表されるエーテル系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタンによって代表されるハロゲン系溶媒、アセトニトリル、プロピオニトリルによって代表されるニトリル系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンによって代表されるケトン系溶媒、ベンゼン、トルエンによって代表される芳香族炭化水素系溶媒、ヘキサン、ヘプタンによって代表される炭化水素系溶媒、酢酸エチルによって代表されるエステル系溶媒が挙げられる。又、無溶媒の条件で反応を行うこともできる。好ましくはケトン系溶媒、エーテル系溶媒が挙げられる。
反応温度は、通常−80℃から用いられる反応溶媒の還流温度までであり、好ましくは、20℃〜反応溶媒の還流温度である。
反応原料のモル比は、R−X/化合物(I-1)は0.5〜20.0の範囲であり、好ましくは1.0〜10.0の範囲である。
塩基としては、トリエチルアミン、エチルジイソプロピルアミンによって代表されるトリアルキルアミン、ピリジン、2,6-ルチジン、2,6-ジ-t-ブチルピリジン、2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルピリジン、プロトンスポンジによって代表されるピリジン系アミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウムによって代表される無機塩基が挙げられ、好ましくは、炭酸カリウムによって代表される無機塩基が挙げられる。
一般式(I)で表される化合物のうち、Yが単結合であり、ZがC1−4アルキル基(該C1−4アルキル基は、1〜5個のハロゲン原子又はフェニル基(該フェニル基は、C1−4アルキル基で任意に置換されていてもよい。)で任意に置換されていてもよい。)である化合物は、以下に示す方法により製造することができる。
【化67】


(式中、R、R、R、R、R、R、m、n、V、W及びXは、前記と同じであり、Zは、C1−4アルキル基(該C1−4アルキル基は、1〜5個のハロゲン原子又はフェニル基(該フェニル基は、C1−4アルキル基で任意に置換されていてもよい。)で任意に置換されていてもよい。)を意味し、Pは、ホルミル、t−ブトキシカルボニル及びベンジロキシカルボニル等の保護基を意味する。)
即ち、式(2)で表される化合物に保護基(P)を導入して(3)とした後、塩基の存在下、Z1-X2を反応させることにより(4)とし、続いて、脱保護をすることにより、Rが水素原子である(I−3)を製造することができる。
又、塩基の存在下、(I−3)とR−Xを反応させることにより、RがC1−4アルキル基である(I−2)を製造することができる。
但し、Rが水素原子の場合は、式(2)で表される化合物に保護基(P)を導入する際、2当量以上の試薬を使用し、4位及び7位の二つの窒素原子に保護基(P)を導入するか又は保護基(P)を導入する前に、Rの位置にt−ブトキシカルボニル等の保護基を導入しておき、Z−Xを反応させた後、同時又は順次脱保護することにより、(I−3)を製造することができる。
が水素原子である(I−4)は、(I−3)とR−Xを反応させる前に、Rの位置にt−ブトキシカルボニル等の保護基を導入しておき、R−Xを反応させた後に脱保護することにより製造することができる。
t−ブトキシカルボニル等の保護基の導入及び脱保護は、公知の方法(例えば、Protecting Groups in Organic Synthesis, second edition、T. W. Greene及びP. G. M. Wuts著、John Wiley & Sons, Inc出版)で行うことができる。
保護基(P)の導入については、例えば、ホルミルの場合は、ギ酸−酢酸 酸無水物やギ酸フェニルを、例えば、t−ブトキシカルボニルの場合は、二炭酸ジ−t−ブチルを、ベンジロキシカルボニルの場合は、クロロギ酸ベンジルを公知の方法で処理することにより達成される。
塩基の存在下、(3)とZ1-X2から(4)を製造する反応条件は、一般式(I-1)で表される化合物とR−Xとの反応条件と同様である。
脱保護の反応条件は、酸、塩基、加水素分解等の公知の方法で処理することにより達成される。
塩基の存在下、(I−3)とR6-X2から(I−4)を製造する反応条件は、一般式(I-1)で表される化合物とR−Xとの反応条件と同様である。
一般式(I)で表される化合物のうち、Yが単結合であり、Zがフェニル基(該フェニル基は、C1−4アルキル基で任意に置換されていてもよい。)である化合物は、以下に示す方法により製造することができる。
【化68】


(式中、R、R、R、R、R、R、m、n、V、P、W及びXは、前記と同じであり、Zは、フェニル基(該フェニル基は、C1−4アルキル基で任意に置換されていてもよい。)を意味し、Xは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等の脱離基を意味する。)
即ち、式(2)で表される化合物に保護基(P)を導入して(3)とした後、塩基の存在下、(3)とZ2-X3を反応させることにより(5)とし、続いて、脱保護をすることにより、Rが水素原子である(I−5)を製造することができる。
又、塩基の存在下、(I−5)とR−Xを反応させることにより、RがC1−4アルキル基である(I−6)を製造することができる。
但し、Rが水素原子の場合は、式(2)で表される化合物に保護基(P)を導入する際、2当量以上の試薬を使用し、4位及び7位の二つの窒素原子に保護基(P)を導入するか又は保護基(P)を導入する前に、Rの位置にt−ブトキシカルボニル等の保護基を導入しておき、Z−Xと反応させた後、同時又は順次脱保護することにより、(I−5)を製造することができる。
が水素原子である(I−6)は、(I−5)とR−Xを反応させる前に、Rの位置にt−ブトキシカルボニル等の保護基を導入しておき、R−Xと反応させた後に脱保護することにより製造することができる。
t−ブトキシカルボニル等の保護基の導入及び脱保護は、公知の方法(例えば、Protecting Groups in Organic Synthesis, second edition、T. W. Greene及びP. G. M. Wuts著、John Wiley & Sons, Inc出版)で行うことができる。
保護基(P)の導入については、例えば、ホルミルの場合は、ギ酸−酢酸 酸無水物やギ酸フェニルを、例えば、t−ブトキシカルボニルの場合は、二炭酸ジ−t−ブチルを、ベンジロキシカルボニルの場合は、クロロギ酸ベンジルを公知の方法で処理することにより達成される。
一般式(3)によって表される化合物とZ2-X3との反応に用いる溶媒としては下記のものが挙げられる。
ジメチルスルホキシドによって代表されるスルホキシド系溶媒、ジメチルホルムアミド又はジメチルアセトアミドによって代表されるアミド系溶媒、エチルエーテル、ジメトキシエタン又はテトラヒドロフラン、シクロペンチルメチルエーテルによって代表されるエーテル系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタンによって代表されるハロゲン系溶媒、アセトニトリル、プロピオニトリルによって代表されるニトリル系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンによって代表されるケトン系溶媒、ベンゼン、トルエンによって代表される芳香族炭化水素系溶媒、ヘキサン、ヘプタンによって代表される炭化水素系溶媒、酢酸エチルによって代表されるエステル系溶媒が挙げられる。又、無溶媒の条件で反応を行うこともできる。好ましくは炭化水素系溶媒、スルホキシド系溶媒、アミド系溶媒が挙げられる。
反応温度は、通常−80℃から用いられる反応溶媒の還流温度までであり、好ましくは、50℃〜120℃である。
反応原料のモル比は、Z2-X3/化合物(3)は0.5〜20.0の範囲であり、好ましくは1.0〜10.0の範囲である。
塩基としては、トリエチルアミン、エチルジイソプロピルアミンによって代表されるトリアルキルアミン、ピリジン、2,6-ルチジン、2,6-ジ-t-ブチルピリジン、2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルピリジン、プロトンスポンジによって代表されるピリジン系アミン、カリウム-t-ブトキシド、ナトリウム-t-ブトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムエトキシドによって代表される金属アルコキシド、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウムによって代表される無機塩基が挙げられ、好ましくは、金属アルコキシド、無機塩基が挙げられる。
反応に金属触媒を加えることもできる。金属触媒としては、ヨウ化銅、塩化銅、酸化銅に代表される銅触媒、塩化パラジウム、臭化パラジウム、ヨウ化パラジウム、ジクロロビス(アセトニトリル)パラジウム、ジクロロビス(ベンゾニトリル)パラジウム、ジクロロビス(トリフェニルフォスフィン)パラジウム、ジクロロビス(ジフェニルフォスフィノエタン)パラジウム、ジクロロビス(ジフェニルフォスフィノプロパン)パラジウム、ジクロロビス(ジフェニルフォスフィノブタン)パラジウム、酢酸パラジウム、テトラキストリフェニルフォスフィンパラジウム、パラジウムジベンジリデンアセトンなどのパラジウム触媒等が挙げられる。
金属触媒を用いる場合は配位子を加えることもできる。配位子としては、トリフェニルフォスフィン、トリブチルフォスフィン、ジフェニルフォスフィノエタン、ジフェニルフォスフィノプロパン、ジフェニルフォスフィノブタンに代表されるようなフォスフィン系配位子が挙げられる。
脱保護の反応条件は、酸、塩基、加水素分解等の公知の方法で処理することにより達成される。
塩基の存在下、(I−5)とR6-X2から(I−6)を製造する反応条件は、一般式(I-1)で表される化合物とR−Xとの反応条件と同様である。
一般式(I)により表される化合物のうち光学活性体の合成は、ラセミ体を光学分割する方法(特開平3−141286号公報、米国特許5097037号及び欧州特許409165号)を利用することにより達成される。
又、一般式(2)により表される化合物の光学活性体の合成は、不斉合成による方法(特表平5−507645号公報、特開平5−301878号公報、特開平7−285983号公報、欧州特許535377号公開公報及び米国特許5420314号)を利用することにより達成される。
【0010】
前述したように、本発明者らは一般式(I)で表わされる化合物には強い不応期延長作用を有していることを見い出した。不応期延長作用は抗不整脈作用の奏功機序の1つであり,臨床の不整脈に対する有効性を外挿しうる重要な指標である。不応期延長作用を主たる機序とする従来の抗不整脈薬(例えばVaughan Williamsによる抗不整脈薬分類の第3群に属するd−ソタロールなど)は,不応期延長作用と関連のある心室筋活動電位の延長に基づくtorsades de pointes等の突然死を誘発しうる極めて危険な不整脈誘発作用が重大な課題とされており,心房筋が主体の不整脈(上室性頻拍症,心房粗動,心房細動など)に対する治療の問題になっている。
この課題を解決するために本発明者らは,心室筋よりも心房筋に選択的な不応期延長作用を有する化合物の探索研究を実施し,一般式(I)で表される化合物に,心室筋の不応期および活動電位に影響することなく心房筋に選択的な不応期延長作用があることを見出した。本発明者らの発見の既存技術との違いは,これらの化合物群に対して心房筋に選択的な不応期延長作用を付与し得たところにあり,このことは,摘出した心室筋の活動電位持続時間に影響しないこと,および麻酔動物の心電図QTに影響を及ぼさないことによっても示されている。以上のことから,本化合物は心室筋における不整脈誘発作用を持ち合わせず,既存技術に比べて心房筋が主体の不整脈においてより安全な使用に貢献できる可能性を提供しうるものである。この技術は,心房性不整脈に係わる,例えば発作性,慢性,手術前,手術中あるいは手術後の抗心房細動剤,抗心房粗動剤,抗心房性頻脈剤としての治療あるいは予防的な利用,心房性不整脈に基づく塞栓症への進展予防,心房性不整脈あるいは頻脈を原因とする心室性不整脈あるいは頻脈への移行の予防,心室性不整脈あるいは頻脈に移行しうる心房性不整脈あるいは頻脈予防作用に基づく生命予後悪化の予防の目的として有用である。
本発明は、これらの治療に一般式(I)で表わされる化合物の有効な量を含む医薬組成物又は獣医薬組成物を提供する。
本発明に係る化合物の投与形態としては、注射剤(皮下、静脈内、筋肉内、腹腔内注射)、軟膏剤、坐剤、エアゾール剤等による非経口投与又は錠剤、カプセル剤、顆粒剤、丸剤、シロップ剤、液剤、乳剤、懸濁液剤等による経口投与をあげることができる。
本発明に係る化合物を含有する上記の医薬的又は獣医薬的組成物は、全組成物の重量に対して、本発明に係る化合物を約0.01〜99.5%、好ましくは、約0.1〜30%を含有する。
本発明に係る化合物に又は該化合物を含有する組成物に加えて、他の医薬的に又は獣医薬的に活性な化合物を含ませることができる。
また、これらの組成物は、本発明に係る化合物の複数を含ませることができる。
本発明化合物の臨床的投与量は、年令、体重、患者の感受性、症状の程度等により異なるが、通常効果的な投与量は、成人一日0.003〜1.5g、好ましくは、0.01〜0.6g程度である。しかし必要により上記の範囲外の量を用いることもできる。
本発明化合物は、製薬の慣用手段によって投与用に製剤化される。
即ち、経口投与用の錠剤、カプセル剤、顆粒剤、丸剤は、賦形剤、例えば白糖、乳糖、ブドウ糖、でんぷん、マンニット;結合剤、例えばヒドロキシプロピルセルロース、シロップ、アラビアゴム、ゼラチン、ソルビット、トラガント、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン;崩壊剤、例えばでんぷん、カルボキシメチルセルロース又はそのカルシウム塩、微結晶セルロース、ポリエチレングリコール;滑沢剤、例えばタルク、ステアリン酸マグネシウム又はカルシウム、シリカ;潤滑剤、例えばラウリル酸ナトリウム、グリセロール等を使用して調製される。
注射剤、液剤、乳剤、懸濁剤、シロップ剤及びエアゾール剤は、活性成分の溶剤、例えば水、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール;界面活性剤、例えばソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、水素添加ヒマシ油のポリオキシエチレンエーテル、レシチン;懸濁剤、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム塩、メチルセルロース等のセルロース誘導体、トラガント、アラビアゴム等の天然ゴム類;保存剤、例えばパラオキシ安息香酸のエステル、塩化ベンザルコニウム、ソルビン酸塩等を使用して調製される。
経皮吸収型製剤である軟膏には、例えば白色ワセリン、流動パラフィン、高級アルコール、マクロゴール軟膏、親水軟膏、水性ゲル基剤等が用いられる。
坐剤は、例えばカカオ脂、ポリエチレングリコール、ラノリン、脂肪酸トリグリセライド、ココナット油、ポリソルベート等を使用して調製される。
【実施例】
【0011】
以下、本発明を実施例にて詳述するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
〔合成例〕
【0012】
尚、Ph,Phサレンマンガン錯体(XX)、Cyc,Phサレンマンガン錯体(XY)とは以下の構造式で示される光学活性化合物を意味し、特開平7−285983号公報記載の方法に順次じて合成したものを用いた。
【化69】


合成例1
N−{3−ヒドロキシ−4−[(2−フェニルエチル)アミノ]−3,4−ジヒドロスピロ[クロメン−2,1’−シクロヘキサン]−7−イル}メタンスルホンアミド
【化29】

【0013】
1−(1−エチニルシクロヘキシルオキシ)−4−ニトロベンゼン
【化30】

【0014】
水素化ナトリウム(1.43 g, 37.5 mmol)のジメチルアセトアミド(42 mL)溶液に、0℃で1−エチニルシクロヘキサノール(4.66 g, 37.5 mmol)を加え10分攪拌後、さらに4-フルオロニトロベンゼン (3.18 mL, 30 mmol)を加えて室温で終夜攪拌した。反応液に水を加えた後、酢酸エチル−ヘキサン混合液(1:1)で抽出し、有機相を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和食塩水で洗浄した。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥、固形物をろ過後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=20:1)で精製し、目的物(収率78%)を得た。
【0015】
黄色油状物
1H-NMR(CDCl3)δ; 1.32-1.46 (m, 1H), 1.50-1.78 (m, 5H), 1.86-1.98 (m, 2H), 2.07-2.18 (m, 2H), 2.75 (s, 1H), 7.30-7.35 (m, 2H), 8.14-8.20 (m, 2H)
MS(ESI+)m/z; 246 [M+1]+
【0016】
6−ニトロスピロ[クロメン−2,1’−シクロヘキサン]
【化31】

【0017】
1−(1−エチニルシクロヘキシルオキシ)−4−ニトロベンゼン(5.76 g, 23.5 mmol)の1,2−ジクロロベンゼン(11 mL)溶液を180℃で3時間攪拌した。溶媒を留去後、
残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=20:1)で精製し、目的物(定量的収率)を得た。
【0018】
黄色油状物
1H-NMR(CDCl3)δ; 1.37-1.41 (m, 1H), 1.50-1.78 (m, 7H), 1.92-2.00 (m, 2H), 5.78 (d, J = 9.9 Hz, 1H), 6.37 (d, J = 9.9 Hz, 1H), 6.85 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 7.88 (d, J = 2.7 Hz, 1H), 8.02 (dd, J = 2.7, 9.0 Hz, 1H)
MS(ESI+)m/z; 246 [M+1]+
【0019】
N−(スピロ[クロメン−2,1’−シクロヘキサン]−6−イル)アセタミド
【化31】


6−ニトロスピロ[クロメン−2,1’−シクロヘキサン](5.76 g, 23.5 mmol)のエタノール(58 mL)溶液に、2%白金−炭素(350 mg)およびヒドラジン一水和物(2.73 mL, 56.4 mmol)を加えて、75℃で5時間攪拌した。その後、さらに2%白金−炭素(115 mg)およびヒドラジン一水和物(0.91 mL, 18.8 mmol)を加えて、75℃で3時間攪拌した。その後、もう一度2%白金−炭素(115 mg)およびヒドラジン一水和物(0.91 mL, 18.8 mmol)を加えて、75℃で1時間攪拌した。反応液をセライトろ過した後、溶媒を減圧留去した。残渣をトルエン及び水で抽出し、有機相を硫酸マグネシウムで乾燥、固形物をろ過後、溶媒を減圧留去した。続いて、残渣(5.20 g)にトルエン(100 mL)を加え均一溶液をした後、0℃で無水酢酸(2.44 mL, 25.8 mmol)を加えてその温度で1時間攪拌した。反応溶液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えてクエンチ後、トルエン及び水にて抽出した。有機相を硫酸マグネシウムにて乾燥、固形物をろ過し、溶媒を留去して得られた固形物を、トルエン−ヘキサン(1:3)混合液(40 mL)にて洗浄した。得られた結晶を50℃にて減圧乾燥し、目的物(収率:86%)を得た。
【0020】
淡桃色結晶
1H-NMR(CDCl3)δ; 1.23-1.41 (m, 1H), 1.43-1.63 (m, 5H), 1.65-1.81 (m, 2H), 1.86-1.98 (m, 2H), 2.14 (s, 3H), 5.66 (d, J = 9.9 Hz, 1H), 6.30 (d, J= 9.9 Hz, 1H), 6.76 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 7.03 (brs, 1H), 7.07 (dd, J = 2.4, 8.7 Hz, 1H), 7.22 (d, J = 2.4 Hz, 1H)
MS(ESI+)m/z; 258 [M+1]+
MS(ESI-)m/z; 256 [M-1]-
【0021】
N−(7−ニトロスピロ[クロメン−2,1’−シクロヘキサン]−6−イル)アセタミド
【化32】

【0022】
N−(スピロ[クロメン−2,1’−シクロヘキサン]−6−イル)アセタミド(4.32 g, 17.76 mmol)の酢酸(13 mL)、無水酢酸(13 mL)混合溶液に、20℃で60%硝酸(1.49 mL, 19.53 mmol)をゆっくり加え30分攪拌した。その後、反応液にトルエン及び水を加え抽出し、飽和食塩水、水にて順次洗浄後、溶媒を留去した。残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=6:1)に付し、目的物(収率:68%)を得た。
【0023】
赤色結晶
1H-NMR(CDCl3)δ; 1.22-1.41 (m, 1H), 1.47-1.81 (m, 7H), 1.87-1.98 (m, 2H), 2.26 (s, 3H), 5.93 (d, J = 9.9 Hz, 1H), 6.40 (d, J = 9.9 Hz, 1H), 7.63 (s, 1H), 8.36 (s, 1H), 10.20 (brs, 1H)
MS(ESI+)m/z; 261 (bp), 303 [M+1]+
MS(ESI-)m/z; 301 [M-1]-
【0024】
N−(7−ニトロ−3,4−ジヒドロスピロ[クロメン−2,2’−[7]オキサビシクロ[4,1,0]ヘプタン]−6−イル)アセタミド
【化32】

【0025】
N−(7−ニトロスピロ[クロメン−2,1’−シクロヘキサン]−6−イル)アセタミド(4.20 g, 13.89 mmol)のクロロホルム(100 mL)溶液に、室温でm−クロロ過安息香酸(5.27 g, 16.81 mmol)を加えて、室温で終夜攪拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、クロロホルムで抽出した。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥、固形物をろ過し、溶媒を留去した。残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1)に付し、目的物(収率:95%)をラセミ体として得た。
【0026】
橙色固形物
1H-NMR(CDCl3)δ; 1.30-1.90 (m, 9H), 2.05-2.13 (m, 1H), 2.27 (s, 3H), 3.53 (d, J = 4.3 Hz, 1H), 3.93 (d, J = 4.3 Hz, 1H), 7.67 (s, 1H), 8.77 (s, 1H), 10.09 (brs, 1H)
MS(ESI+)m/z; 277 (bp), 319 [M+1]+
MS(ESI-)m/z; 317 [M-1]-
【0027】
N−{3−ヒドロキシ−7−ニトロ−4−[(2−フェニルエチルアミノ)]−3,4−ジヒドロスピロ[クロメン−2,1’−シクロヘキサン]6−イル}アセタミド
【化33】

【0028】
N−(7−ニトロ−3,4−ジヒドロスピロ[クロメン−2,2’−[7]オキサビシクロ[4,1,0]ヘプタン]−6−イル)アセタミド(1.00g, 3.14 mmol)、2−フェニルエチルアミン(0.47 mL, 3.77 mmol)、過塩素酸リチウム(400 mg, 3.77 mmol)の1,4−ジオキサン(5 mL)溶液を、75℃で4時間攪拌した。反応液を放冷後、酢酸エチル及び水にて抽出し、有機相を硫酸マグネシウムにて乾燥、溶媒留去した。残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)に付し、目的物(収率:84%)を得た。
【0029】
黄色非定形物
1H-NMR(CDCl3)δ; 1.19-2.20 (m, 10H), 2.27 (s, 3H), 2.76-2.98 (m, 4H), 3.41 (d, J = 9.9 Hz, 1H), 3.73 (d, J = 9.9 Hz, 1H), 7.18-7.32 (m, 5H), 7.65 (s, 1H), 8.75 (s, 1H), 9.95 (brs, 1H)
MS(ESI+)m/z; 122 (bp), 440 [M+1]+
MS(ESI-)m/z; 438 [M-1]-
【0030】
6−アミノ−7−ニトロ−4−[(2−フェニルエチル)アミノ]−3,4−ジヒドロスピロ[クロメン−2,1’−シクロヘキサン]−3−オール
【化33】

【0031】
N−{3−ヒドロキシ−7−ニトロ−4−[(2−フェニルエチルアミノ)]−3,4−ジヒドロスピロ[クロメン−2,1’−シクロヘキサン]6−イル}アセタミド(1.15 g, 2.62 mmol)の1−プロパノール(18 mL)、2規定塩酸水溶液(18 mL)混合溶液を100℃で終夜攪拌した。放冷後、水酸化ナトリウム水溶液を用いて中和し、酢酸エチルにて抽出し、有機相を飽和食塩水で洗浄した。硫酸マグネシウムにて乾燥後、溶媒を留去し、目的物(定量的収率)を得た。
【0032】
赤色非定形物
1H-NMR(CDCl3)δ; 1.13-1.30 (m, 1H), 1.43-1.95 (m, 9H), 2.66-3.00 (m, 4H), 3.51 (d, J = 9.9 Hz, 1H), 3.64 (d, J = 9.9 Hz, 1H), 5.48 (brs, 2H), 6.15 (s, 1H), 7.21-7.40 (m, 5H), 7.56 (s, 1H)
MS(ESI+)m/z; 122 (bp), 179, 277, 440 [M+1]+
MS(ESI-)m/z; 378, 396 [M-1]-
【0033】
7−ニトロ−4−[(2−フェニルエチル)アミノ]−3,4−ジヒドロスピロ[クロメン−2,1’−シクロヘキサン]−3−オール
【化33】

【0034】
6−アミノ−7−ニトロ−4−[(2−フェニルエチル)アミノ]−3,4−ジヒドロスピロ[クロメン−2,1’−シクロヘキサン]−3−オール(200 mg, 0.50 mmol)の塩酸(2.0 mL)、酢酸(2.0 mL)及び水(2.0 mL)混合溶液に、−10℃で亜硝酸ナトリウム(35 mg, 0.50 mmol)の水(0.3 mL)溶液を加え、−10℃で10分攪拌した。続いて、40%次亜燐酸水溶液(1.0 mL)を加えて30分攪拌した。反応液に酢酸エチルを加えてから室温にして、炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて塩基性とし、酢酸エチルで抽出を2回行い、有機相を飽和食塩水で洗浄した。硫酸マグネシウムにて乾燥後、溶媒留去し、残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)に付し、目的物(収率:16%)を得た。
【0035】
赤色非定形物
1H-NMR(CDCl3)δ; 1.15-2.05 (m, 10H), 2.68-2.98 (m, 4H), 3.52 (d, J = 9.9 Hz, 1H), 3.78 (d, J = 9.9 Hz, 1H), 7.07 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.18-7.36 (m, 5H), 7.65 (dd, J = 2.4, 8.4 Hz, 1H), 7.68 (d, J = 2.4 Hz, 1H)
MS(ESI+)m/z; 122 (bp), 383 [M+1]+
【0036】
(3−ヒドロキシ−7−ニトロ−3,4−ジヒドロスピロ[クロメン−2,1’−シクロヘキサン]−4−イル)(2−フェニルエチル)カルバミン酸t−ブチル
【化33】

【0037】
7−ニトロ−4−[(2−フェニルエチル)アミノ]−3,4−ジヒドロスピロ[クロメン−2,1’−シクロヘキサン]−3−オール(30 mg, 0.078 mmol)、二炭酸ジ−t−ブチル(26 mg, 0.12 mmol)及びトリエチルアミン(0.016 mL, 0.12 mmol)のテトラヒドロフラン(1.0 mL)溶液を、室温で終夜攪拌した。反応液に酢酸エチル及び水を加えて抽出後、有機相を飽和食塩水で洗浄した。硫酸マグネシウムにて乾燥後、溶媒留去し、残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=4:1)に付し、目的物(収率:67%)を得た。
【0038】
淡黄色非定形物
MS(ESI-)m/z; 463(bp), 481 [M-1]-
【0039】
(7−アミノ−3−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロスピロ[クロメン−2,1’−シクロヘキサン]−4−イル)(2−フェニルエチル)カルバミン酸t−ブチル
【化33】

【0040】
(3−ヒドロキシ−7−ニトロ−3,4−ジヒドロスピロ[クロメン−2,1’−シクロヘキサン]−4−イル)(2−フェニルエチル)カルバミン酸t−ブチル(25 mg, 0.053 mmol)のエタノール(1 mL)溶液に、5%パラジウム−炭素(5.1 mg)を加えて、水素雰囲気下終夜攪拌した。セライトろ過して固形物を除去後、溶媒を減圧留去した。残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=4:1)に付し、目的物(収率:68%)を得た。
【0041】
無色非定形物
MS(ESI+)m/z; 232 (bp), 453 [M+1]+
【0042】
(3−ヒドロキシ−7−[(メチルスルホニル)アミノ]−3,4−ジヒドロスピロ[クロメン−2,1’−シクロヘキサン]−4−イル)(2−フェニルエチル)カルバミン酸t−ブチル
【化33】

【0043】
(7−アミノ−3−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロスピロ[クロメン−2,1’−シクロヘキサン]−4−イル)(2−フェニルエチル)カルバミン酸t−ブチル(16 mg, 0.036 mmol)及びピリジン(0.0058 mL, 0.072 mmol)のクロロホルム(1 mL)溶液に、0℃でメタンスルホニルクロリド(0.0036 mL, 0.043 mmol)を加え、さらにピリジン(0.012 mL, 0.14 mmol)を加え、室温に昇温し終夜攪拌した。その後、反応液に1規定塩酸を加えて酸性とし、続いてクロロホルムで2回抽出した。硫酸マグネシウムにて乾燥後、溶媒留去し、残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1)に付し、目的物(定量的収率)を得た。
【0044】
淡赤色非定形物
MS(ESI+)m/z; 310 (bp), 475, 531 [M+1]+
MS(ESI-)m/z; 308(bp, 529 [M-1]-
【0045】
N−{3−ヒドロキシ−4−[(2−フェニルエチル)アミノ]−3,4−ジヒドロスピロ[クロメン−2,1’−シクロヘキサン]−7−イル}メタンスルホンアミド
【0046】
(3−ヒドロキシ−7−[(メチルスルホニル)アミノ]−3,4−ジヒドロスピロ[クロメン−2,1’−シクロヘキサン]−4−イル)(2−フェニルエチル)カルバミン酸t−ブチル(19 mg, 0.037 mmol)の1,4−ジオキサン(0.20 mL)溶液に、室温で4規定塩化水素−ジオキサン溶液(0.20 mL)を加え、60℃で2時間攪拌した。さらに4規定塩化水素−ジオキサン溶液(0.20 mL)を加え、90℃で1時間攪拌した。室温に放冷後、スラリー溶液に貧溶媒としてジエチルエーテルを加えて結晶化を追い込み、ろ過、乾燥することで、目的物(収率:67%)を得た。
【0047】
無色結晶
1H-NMR(DMSO-d6)δ; 1.15-1.96 (m, 10H), 2.90-3.15 (m, 4H), 3.03 (s, 3H), 3.84-3.92 (m, 1H), 4.33-4.40 (m, 1H), 6.20 (d, J = 6.0 Hz, 1H), 6.73 (d, J= 2.1 Hz, 1H), 6.83 (dd, J = 2.1, 8.7 Hz, 1H), 7.20-7.35 (m, 5H), 7.66 (d, J= 8.7 Hz, 1H), 9.15 (brs, 1H), 9.58 (brs, 1H), 9.95 (s, 1H)
MS(ESI+)m/z; 310 (bp), 431 [M+1]+
MS(ESI-)m/z; 429 [M-1]-
〔製剤例〕
【0048】
製剤例1
錠剤
本発明化合物 10g
乳 糖 260g
微結晶セルロース 600g
コーンスターチ 350g
ヒドロキシプロピルセルロース 100g
CMC−Ca 150g
ステアリン酸マグネシウム 30g
全 量 1,500g
上記成分を常法により混合したのち1錠中に1mgの活性成分を含有する糖衣錠10,000錠を製造する。
【0049】
製剤例2
カプセル剤
本発明化合物 10g
乳 糖 440g
微結晶セルロース 1,000g
ステアリン酸マグネシウム 50g
全 量 1,500g
上記成分を常法により混合したのちゼラチンカプセルに充填し、1カプセル中に1mgの活性成分を含有するカプセル剤10,000カプセルを製造する。
【0050】
製剤例3
軟カプセル剤
本発明化合物 10g
PEG400 479g
飽和脂肪酸トリグリセライド 1,500g
ハッカ油 1g
ポリソルベート(Polysorbate)80 10g
全 量 2,000g
上記成分を混合したのち常法により3号軟ゼラチンカプセルに充填し、1カプセル中に1mgの活性成分を含有する軟カプセル剤10,000カプセルを製造する。
【0051】
製剤例4
軟膏
本発明化合物 1.0g
流動パラフィン 10.0g
セタノール 20.0g
白色ワセリン 68.4g
エチルパラベン 0.1g
l−メントール 0.5g
全 量 100.0g
上記成分を常法により混合し、1%軟膏とする。
【0052】
製剤例5
坐剤
本発明化合物 1g
ウィッテップゾールH15* 478g
ウィッテップゾールW35* 520g
ボリソルベート(Polysorbate)80 1g
全 量 1,000g
「* トリグリセライド系化合物の商標名
ウィッテップゾール=Witepsol」
上記成分を常法により溶融混合し、坐剤コンテナーに注ぎ冷却固化して1mgの活性成分を含有する1g坐剤1,000個を製造する。
【0053】
製剤例6
注射剤
本発明化合物 1mg
注射用蒸留水 5mL
用時、溶解して用いる。
【0054】
〔薬理試験例〕
【0055】
有効不応期に及ぼす影響
試験方法
ビーグルイヌをペントバルビタールナトリウムにて麻酔し、人工呼吸管理下に正中開胸し心膜切開にて心臓を露出した。心電図測定は、右房自由壁、右心耳、右室自由壁の表面に双極電極を留置して行った。迷走神経刺激は、電気刺激装置を用いて、頸部両側迷走神経内に刺入留置したニクロム線を介して行った。迷走神経への電気刺激の条件は、心電図のRR間隔が刺激開始前より約100 msec延長するように設定した。
心房および心室有効不応期は、両側迷走神経刺激下、300 msecの基本刺激周期で、プログラム電気刺激装置を用いてS1-S2期外刺激法により測定した。心臓への電気刺激は、閾値の2倍の電流を用い、基本刺激周期で10回の連続したS1刺激を与えた後、期外刺激S2を加えた。有効不応期測定のため、S1-S2間隔は2 msecずつ短縮していき、期外刺激S2の反応が消失した点を有効不応期とした。
評価は、薬物投与前に心房および心室有効不応期の測定を行い、その後各化合物は0.3mg/kgの用量で静脈内投与し、その5分後より心房および心室有効不応期の測定を行った。
結果は、心房および心室有効不応期の延長時間として、[薬物投与後の有効不応期]−[薬物投与前の有効不応期](msec)で表した。
結果
本発明化合物は、心房に選択的な有効不応期延長作用を示した。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明化合物は、心房に選択的な有効不応期延長作用を示すため、抗心房細動薬および上室性不整脈治療薬として用いることができ、医薬品として有用である。また、本発明化合物は、心室への影響が小さいことから、上記不整脈病態の安全な治療に貢献できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】


〔式中、
Xは、NR(Rは、水素原子又はC1−4アルキル基を意味する。)を意味し、
Yは、結合、SO又はSO2を意味し、
Zは、C1−4アルキル基(該C1−4アルキル基は、1〜5個のハロゲン原子又はフェニル基(該フェニル基は、C1−4アルキル基で任意に置換されていてもよい。)で任意に置換されていてもよい。)又はフェニル基(該フェニル基は、C1−4アルキル基で任意に置換されていてもよい。)を意味し、
Wは、水素原子、水酸基、C1−6アルコキシ基(C1−6アルコキシ基は、ハロゲン原子で任意に置換されていてもよい。)、ハロゲン原子、C1−4アルキル基又はC1−6アルキルスルホニルアミノ基を意味し、
R及びRは一緒になって、=O、=S、若しくは=NR(Rは水素原子、C1−6アルキル基(該アルキル基はハロゲン原子、水酸基又はC1−6アルコキシ基(該アルコキシ基はハロゲン原子で任意に置換されていてもよい。)で任意に置換されていてもよい。)、水酸基、C1−6アルコキシ基(該アルコキシ基はハロゲン原子で任意に置換されていてもよい。)、C6−14アリール基、C2−9ヘテロアリール基(該アリール基及びヘテロアリール基は何れもo個のR10(R10はハロゲン原子、水酸基、C1−6アルキル基(該アルキル基はハロゲン原子、水酸基又はC1−6アルコキシ基(該アルコキシ基はハロゲン原子で任意に置換されていてもよい。)で任意に置換されていてもよい。)、C1−6アルコキシ基(該アルコキシ基はハロゲン原子で任意に置換されていてもよい。)、ニトロ基、シアノ基、ホルミル基、ホルムアミド基、スルホニルアミノ基、スルホニル基、アミノ基、C1−6アルキルアミノ基、ジC1−6アルキルアミノ基、C1−6アルキルカルボニルアミノ基、C1−6アルキルスルホニルアミノ基、アミノカルボニル基、C1−6アルキルアミノカルボニル基、ジC1−6アルキルアミノカルボニル基、C1−6アルキルカルボニル基、C1−6アルコキシカルボニル基、アミノスルホニル基、C1−6アルキルスルホニル基、カルボキシル基又はC6−14アリールカルボニル基を意味する。)により任意に置換されていてもよく、oは1〜3の整数を表し、oが2又は3の場合、R10は同じでも異なっていてもよい。)を意味する。)を意味するか、又は結合する炭素原子と一緒になって、
【化2】


(式中、
jは0〜7の整数を表し、
kは0〜7の整数を表し、
Gは、単結合、CRR(R及びRはそれぞれ独立して、水素原子、C1−6アルキル基(該アルキル基は、ハロゲン原子、水酸基、C1−6アルコキシ基(該アルコキシ基はハロゲン原子で任意に置換されていてもよい。)、C6−14アリール基、C2−9ヘテロアリール基(該アリール基及びヘテロアリール基は何れもo個のR10(R10及びoは、前記と同様の意味を表す。)により任意に置換されていてもよい)、C1−6アルキルカルボニルオキシ基、ニトロ基、シアノ基、ホルミル基、ホルムアミド基、アミノ基、C1−6アルキルアミノ基、ジC1−6アルキルアミノ基、C1−6アルキルカルボニルアミノ基、C1−6アルキルスルホニルアミノ基、アミノカルボニル基、C1−6アルキルアミノカルボニル基、ジC1−6アルキルアミノカルボニル基、C1−6アルキルカルボニル基、C1−6アルコキシカルボニル基、アミノスルホニル基、C1−6アルキルスルホニル基、カルボキシル基又はスルホニル基で任意に置換されていてもよい。)、C6−14アリール基、C2−9ヘテロアリール基(該アリール基及びヘテロアリール基は何れもo個のR10(R10及びoは、前記と同様の意味を表す。)により任意に置換されていてもよい。)、水酸基、C1−6アルコキシ基(該アルコキシ基はハロゲン原子で任意に置換されていてもよい。)、ニトロ基、シアノ基、ホルミル基、ホルムアミド基、スルホニルアミノ基、スルホニル基、アミノ基、C1−6アルキルアミノ基、ジC1−6アルキルアミノ基、C1−6アルキルカルボニルアミノ基、C1−6アルキルスルホニルアミノ基、アミノカルボニル基、C1−6アルキルアミノカルボニル基、ジC1−6アルキルアミノカルボニル基、C1−6アルキルカルボニル基、C1−6アルコキシカルボニル基、アミノスルホニル基、C1−6アルキルスルホニル基、カルボキシル基、C6−14アリールカルボニル基若しくはC2−9ヘテロアリールカルボニル基(該アリールカルボニル基及びヘテロアリールカルボニル基は何れもo個のR10(R10及びoは、前記と同様の意味を表す。)により任意に置換されていてもよい。)を意味するか又はR及びRが一緒になって=O又は=Sを意味する。)、NR11(R11は水素原子、C1−6アルキル基(該アルキル基は、ハロゲン原子、C1−6アルコキシ基(該アルコキシ基はハロゲン原子で任意に置換されていてもよい。)、水酸基、C6−14アリール基、C2−9ヘテロアリール基(該アリール基及びヘテロアリール基は何れもo個のR10(R10及びoは、前記と同様の意味を表す。)により任意に置換されていてもよい。)、C1−6アルキルアミノカルボニル基、ジC1−6アルキルアミノカルボニル基、C1−6アルキルカルボニル基、C3−8シクロアルキルカルボニル基、C1−6アルコキシカルボニル基、C1−6アルキルスルホニル基、カルボキシル基、C6−14アリールカルボニル基又はC2−9ヘテロアリールカルボニル基で任意に置換されていてもよい。)、C1−6アルキルアミノカルボニル基、ジC1−6アルキルアミノカルボニル基、C1−6アルキルカルボニル基、C3−8シクロアルキルカルボニル基、C1−6アルコキシカルボニル基、C1−6アルキルスルホニル基、C6−14アリールスルホニル基、又はC2−9ヘテロアリールスルホニル基(該アリールスルホニル基及びヘテロアリールスルホニル基は何れもo個のR10(R10及びoは、前記と同様の意味を表す。)により任意に置換されていてもよい。)、カルボキシル基、C6−14アリールカルボニル基又はC2−9ヘテロアリールカルボニル基(該アリールカルボニル基及びヘテロアリールカルボニル基は何れもo個のR10(R10及びoは、前記と同様の意味を表す。)により任意に置換されていてもよい。)を意味する。)、O、S、SO又はSOを意味する。)
を意味し、
Rは、水素原子、水酸基又はメトキシ基を意味し、
mは、0〜4の整数であり、
nは、0〜4の整数であり、
Vは、単結合、CR12R13(R12はRと同様の意味を表し、R13はRと同様の意味を表す。)、NR14(R14はR11と同様の意味を表す。)、O、S、SO又はSOを意味し、
Rは、水素原子又はC1−6アルキル基(該C1−6アルキル基は、ハロゲン原子、C1−6アルコキシ基(該C1−6アルコキシ基は、ハロゲン原子で任意に置換されていてもよい。)又は水酸基で任意に置換されていてもよい。)を意味し、
Rは、水素原子、C1−6アルキル基(該C1−6アルキル基は、ハロゲン原子、C1−6アルコキシ基(該C1−6アルコキシ基は、ハロゲン原子で任意に置換されていてもよい。)、アミノ基、カルボキシル基又は水酸基で任意に置換されていてもよい。)、C3−8シクロアルキル基、C3−8シクロアルケニル基(該C3−8シクロアルキル基及びC3−8シクロアルケニル基は、ハロゲン原子、C1−6アルキル基(該C1−6アルキル基は、ハロゲン原子、C1−6アルコキシ基(該C1−6アルコキシ基は、ハロゲン原子で任意に置換されていてもよい。)、アミノ基、カルボキシル基又は水酸基で任意に置換されていてもよい。)、C1−6アルコキシ基(該C1−6アルコキシ基は、ハロゲン原子で任意に置換されていてもよい。)、アミノ基、カルボキシル基又は水酸基で任意に置換されていてもよい。)、C6−14アリール基又はC2−9ヘテロアリール基(該C6−14アリール基及びC2−9ヘテロアリール基は、何れもp個のR15(R15は、ハロゲン原子、水酸基、C1−6アルキル基(該C1−6アルキル基は、ハロゲン原子、水酸基又はC1−6アルコキシ基(該C1−6アルコキシ基は、ハロゲン原子で任意に置換されていてもよい。)で任意に置換されていてもよい。)、C1−6アルコキシ基(該C1−6アルコキシ基は、ハロゲン原子で任意に置換されていてもよい。)、ニトロ基、シアノ基、ホルミル基、ホルムアミド基、スルホニルアミノ基、スルホニル基、アミノ基、C1−6アルキルアミノ基、ジC1−6アルキルアミノ基、C1−6アルキルカルボニルアミノ基、C1−6アルキルスルホニルアミノ基、アミノカルボニル基、C1−6アルキルアミノカルボニル基、ジC1−6アルキルアミノカルボニル基、C1−6アルキルカルボニル基、C1−6アルコキシカルボニル基、アミノスルホニル基、C1−6アルキルスルホニル基、カルボキシル基、C6−14アリールカルボニル基、ウレイド基、C1−6アルキルウレイレン基、C6−14アリールC1−6アルキルアミノ基、C1−6アルコキシカルボニルアミノ基、C6−14アリールオキシ基又はC6−14アリールカルボニルアミノ基を意味する。)により任意に置換されていてもよく、pは1〜3の整数を表し、pが2又は3の場合、R15は同じでも異なっていてもよい。)を意味する。〕であるベンゾピラン化合物又はその医薬的に許容される塩。
【請求項2】
Rが水酸基であり、Vが単結合である請求項1記載のベンゾピラン化合物又はその医薬的に許容される塩。
【請求項3】
Rが水酸基であり、VがCRRである請求項1記載のベンゾピラン化合物又はその医薬的に許容される塩。
【請求項4】
Rが水酸基であり、VがNRである請求項1記載のベンゾピラン化合物又はその医薬的に許容される塩。
【請求項5】
RがC1−6アルキル基、C3−8シクロアルキル基又はC6−14アリール基である請求項2記載のベンゾピラン化合物。
【請求項6】
RがC1−6アルキル基、C3−8シクロアルキル基又はC6−14アリール基である請求項3記載のベンゾピラン化合物。
【請求項7】
RがC1−6アルキル基、C3−8シクロアルキル基又はC6−14アリール基である請求項4記載のベンゾピラン化合物。
【請求項8】
Wが水素原子、水酸基、メトキシ基、塩素原子、臭素原子、メチル基、エチル基又はメタンスルホニルアミノ基である請求項5記載のベンゾピラン化合物。
【請求項9】
Wが水素原子、水酸基、メトキシ基、塩素原子、臭素原子、メチル基、エチル基又はメタンスルホニルアミノ基である請求項6記載のベンゾピラン化合物。
【請求項10】
RがC1−6アルキル基又はC6−14アリール基であり、Rが水素原子又はメチル基であり、YがSO2であり、ZがC1−4アルキル基である請求項8記載のベンゾピラン化合物。
【請求項11】
RがC1−6アルキル基又はC6−14アリール基であり、Rが水素原子又はメチル基であり、Yが結合であり、ZがC1−4アルキル基である請求項8記載のベンゾピラン化合物。
【請求項12】
及びRが一緒になって=Oを意味するか、又は結合する炭素原子と一緒になって、
【化3】


(式中、
jは0〜4の整数を表し、
kは0〜4の整数を表し、
Gは、単結合、CRR(R及びRはそれぞれ独立して、水素原子、C1−6アルキル基(該アルキル基は、ハロゲン原子、水酸基、C1−6アルコキシ基(該アルコキシ基はハロゲン原子で任意に置換されていてもよい。)、C6−14アリール基、C2−9ヘテロアリール基(該アリール基及びヘテロアリール基は何れもo個のR10(R10及びoは、前記と同様の意味を表す。)により任意に置換されていてもよい)、C1−6アルキルカルボニルオキシ基、ニトロ基、シアノ基、ホルミル基、ホルムアミド基、アミノ基、C1−6アルキルアミノ基、ジC1−6アルキルアミノ基、C1−6アルキルカルボニルアミノ基、C1−6アルキルスルホニルアミノ基、アミノカルボニル基、C1−6アルキルアミノカルボニル基、ジC1−6アルキルアミノカルボニル基、C1−6アルキルカルボニル基、C1−6アルコキシカルボニル基、アミノスルホニル基、C1−6アルキルスルホニル基、カルボキシル基又はスルホニル基で任意に置換されていてもよい。)、C6−14アリール基、C2−9ヘテロアリール基(該アリール基及びヘテロアリール基は何れもo個のR10(R10及びoは、前記と同様の意味を表す。)により任意に置換されていてもよい。)、水酸基、C1−6アルコキシ基(該アルコキシ基はハロゲン原子で任意に置換されていてもよい。)、ニトロ基、シアノ基、ホルミル基、ホルムアミド基、スルホニルアミノ基、スルホニル基、アミノ基、C1−6アルキルアミノ基、ジC1−6アルキルアミノ基、C1−6アルキルカルボニルアミノ基、C1−6アルキルスルホニルアミノ基、アミノカルボニル基、C1−6アルキルアミノカルボニル基、ジC1−6アルキルアミノカルボニル基、C1−6アルキルカルボニル基、C1−6アルコキシカルボニル基、アミノスルホニル基、C1−6アルキルスルホニル基、カルボキシル基、C6−14アリールカルボニル基若しくはC2−9ヘテロアリールカルボニル基(該アリールカルボニル基及びヘテロアリールカルボニル基は何れもo個のR10(R10及びoは、前記と同様の意味を表す。)により任意に置換されていてもよい。)を意味するか又はR及びRが一緒になって=O又は=Sを意味する。)、NR11(R11は水素原子、C1−6アルキル基(該アルキル基は、ハロゲン原子、C1−6アルコキシ基(該アルコキシ基はハロゲン原子で任意に置換されていてもよい。)、水酸基、C6−14アリール基、C2−9ヘテロアリール基(該アリール基及びヘテロアリール基は何れもo個のR10(R10及びoは、前記と同様の意味を表す。)により任意に置換されていてもよい。)、C1−6アルキルアミノカルボニル基、ジC1−6アルキルアミノカルボニル基、C1−6アルキルカルボニル基、C3−8シクロアルキルカルボニル基、C1−6アルコキシカルボニル基、C1−6アルキルスルホニル基、カルボキシル基、C6−14アリールカルボニル基又はC2−9ヘテロアリールカルボニル基で任意に置換されていてもよい。)、C1−6アルキルアミノカルボニル基、ジC1−6アルキルアミノカルボニル基、C1−6アルキルカルボニル基、C3−8シクロアルキルカルボニル基、C1−6アルコキシカルボニル基、C1−6アルキルスルホニル基、C6−14アリールスルホニル基、又はC2−9ヘテロアリールスルホニル基(該アリールスルホニル基及びヘテロアリールスルホニル基は何れもo個のR10(R10及びoは、前記と同様の意味を表す。)により任意に置換されていてもよい。)、カルボキシル基、C6−14アリールカルボニル基又はC2−9ヘテロアリールカルボニル基(該アリールカルボニル基及びヘテロアリールカルボニル基は何れもo個のR10(R10及びoは、前記と同様の意味を表す。)により任意に置換されていてもよい。)を意味する。)、O、S、SO又はSOを意味する。)で表される請求項2〜11記載のベンゾピラン化合物又はその医薬的に許容される塩。
【請求項13】
及びRが一緒になって=Oを意味するか、又は結合する炭素原子と一緒になって、
【化4】


(式中、
jは1〜4の整数を表し、kは1〜4の整数を表し、jおよびkは、j+k=4〜6を満たす整数から選択され、
Gは、単結合、CRR(Rは水酸基、C1−6アルコキシ基(該アルコキシ基はハロゲン原子で任意に置換されていてもよい。)、アミノ基、C1−6アルキルアミノ基、ジC1−6アルキルアミノ基、アミノカルボニル基、C1−6アルキルアミノカルボニル基、ジC1−6アルキルアミノカルボニル基、C1−6アルキルカルボニル基、C1−6アルコキシカルボニル基、アミノスルホニル基、若しくはカルボキシル基を意味し、Rは水素原子を意味するか又はR及びRが一緒になって=O又は=Sを意味する。)、NR11(R11は水素原子、C1−6アルキル基(該アルキル基は、ハロゲン原子、C1−6アルコキシ基(該アルコキシ基はハロゲン原子で任意に置換されていてもよい。)、水酸基、C6−14アリール基、またはC2−9ヘテロアリール基(該アリール基及びヘテロアリール基は何れもo個のR10(R10及びoは、前記と同様の意味を表す。)により任意に置換されていてもよい。)で任意に置換されていてもよい。)、C1−6アルキルアミノカルボニル基、ジC1−6アルキルアミノカルボニル基、C1−6アルキルカルボニル基、C1−6アルコキシカルボニル基、C1−6アルキルスルホニル基、C6−14アリールスルホニル基、C2−9ヘテロアリールスルホニル基(該アリールスルホニル基及びヘテロアリールスルホニル基は何れもo個のR10(R10及びoは、前記と同様の意味を表す。)により任意に置換されていてもよい。)、C6−14アリールカルボニル基又はC2−9ヘテロアリールカルボニル基(該アリールカルボニル基及びヘテロアリールカルボニル基は何れもo個のR10(R10及びoは、前記と同様の意味を表す。)により任意に置換されていてもよい。)を意味する。)、O、S、SO又はSOを意味する。)で表される請求項2〜11記載のベンゾピラン化合物又はその医薬的に許容される塩。
【請求項14】
及びRが一緒になって=Oを示すか又は結合する炭素原子と一緒になって、
【化5】

である請求項2〜11記載のベンゾピラン化合物又はその医薬的に許容される塩。
【請求項15】
及びRが結合する炭素原子と一緒になって、シクロペンチル基又はシクロヘキシル基である請求項2〜11記載のベンゾピラン化合物又はその医薬的に許容される塩。
【請求項16】
請求項1〜15の何れかに記載のベンゾピラン化合物又はその医薬的に許容され得る塩を有効成分として含有することを特徴とする医薬。
【請求項17】
請求項1〜15の何れかに記載のベンゾピラン化合物又はその医薬的に許容され得る塩を有効成分として含有することを特徴とする不整脈治療薬。

【公開番号】特開2010−65028(P2010−65028A)
【公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−187844(P2009−187844)
【出願日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【出願人】(000003986)日産化学工業株式会社 (510)
【Fターム(参考)】