説明

スプリングブレーキアクチュエータ

【課題】ブレーキ動作に基づいてコイルばねが伸縮したとしても、コイルばねの塗装が剥離し難いスプリングブレーキアクチュエータを提供する。
【解決手段】内部に空間を有するハウジング22と、このハウジング22の内部空間をばね室46および圧力室45に画成するダイヤフラム28とを備え、ばね室46の内部にダイヤフラム28を圧力室側に付勢するコイルばね54が配設されたスプリングブレーキアクチュエータにおいて、コイルばね54の両端部54a、54bと、この両端部54a、54bをそれぞれ支持するばね座56、58との間に、樹脂性のシート部材70、72を介在させた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧縮コイルばねの弾発力を利用してブレーキの作動及び解除を行うスプリングブレーキアクチュエータに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、バス、トラック及びトレーラー等の大型車両においては、運転者のブレーキペダル操作によって制動する通常のブレーキに加えて、パーキングブレーキレバーの操作によって制動するパーキングブレーキを備えている。
この種のパーキングブレーキでは、上記パーキングブレーキレバーの操作により、ブレーキアクチュエータを作動し、このブレーキアクチュエータの作動により、ブレーキシューをドラムに当接させて制動するのが一般的である。上記ブレーキアクチュエータとしては、従来、スプリングブレーキアクチュエータが提案されている。
【0003】
このスプリングブレーキアクチュエータは、圧力室とばね室がダイヤフラムを介して隣接し、圧力室に流入又は流出する圧縮エアの圧力、及びばね室に設けられたコイルばねの弾発力のいずれかの力によってダイヤフラムが移動可能に構成され、このダイヤフラムと接続された操作ロッドが移動することにより、ブレーキが操作されるようになっている。詳細には、コイルばねの弾発力よりも圧縮エアの圧力の方が強い場合には、ダイヤフラムがコイルばね室側に移動して操作ロッドを後退させることにより、ブレーキが解除されるようになっている。一方、圧縮エアの圧力よりもコイルばねの弾発力の方が強い場合には、ダイヤフラムが圧力室側に移動して操作ロッドを突出させることにより、ブレーキが動作するようになっている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
このばね室には、その内部が負圧にならないように、大気と連通するバイパス管路が設けられている。また、このばね室には、このバイパス管路から大気中の水分が入ることがあるため、コイルばねの外面には防食用の塗装が施されている。
【特許文献1】特開2005−30555号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記コイルばねの両端部は、コイルばねが伸縮する毎に、コイルばねの両端部を支持するばね座とそれぞれ接触すると共にこすれ合う。これにより、コイルばねの両端部及びばね座の塗装が剥離または摩滅することがあった。
【0006】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、ブレーキ動作に基づいてコイルばねが伸縮したとしても、コイルばねの塗装が剥離し難いスプリングブレーキアクチュエータを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明では、内部に空間を有するハウジングと、このハウジングの内部空間をばね室および圧力室に画成するダイヤフラムとを備え、前記ばね室の内部に前記ダイヤフラムを圧力室側に付勢するコイルばねが配設されたスプリングブレーキアクチュエータにおいて、前記コイルばねの両端部と、この両端部をそれぞれ支持するばね座との間に、樹脂性のシート部材を介在させたことを特徴とする。
この構成によれば、コイルばねがブレーキ操作に伴って伸縮したとしても、コイルばねの両端部がばね座とそれぞれ接触することがない。
【0008】
この場合において、前記ハウジングは、前記ばね室の内部が大気と連通するための通路を備えることもできる。
この構成によれば、ばね室内が負圧になるのを防ぐと共に、ばね室の内部に大気中の水分が侵入したとしても、コイルばねが腐食し難くすることができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、内部に空間を有するハウジングと、このハウジングの内部空間をばね室および圧力室に画成するダイヤフラムとを備え、前記ばね室の内部に前記ダイヤフラムを圧力室側に付勢するコイルばねが配設されたスプリングブレーキアクチュエータにおいて、前記コイルばねの両端部と、この両端部をそれぞれ支持するばね座との間に、樹脂性のシート部材を介在させることにより、コイルばねの両端部及びばね座が樹脂製のシートと直接接触することになる。そのため、コイルばねがブレーキ操作に伴って伸縮したとしても、コイルばねの両端部とそれぞれのばね座とが接触し、こすれ合うことがないため、ばね及びばね座の塗装が剥離または摩滅してばね及びばね座の素地が露出することがなく、コイルばね及びばね座が腐食することを防止することができる。これにより、スプリングブレーキアクチュエータの寿命を向上させることができると共に、信頼性を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態に係るスプリングブレーキアクチュエータ(ばね式ブレーキアクチュエータ)について、図1〜図5に基づいて説明する。なお、以下の説明で使用する上下、左右等の方向は、図1を基準にしたものである。
【0011】
ブレーキアクチュエータ20の具体的な構造を図1及び図2に示す。ここで、図1はブレーキアクチュエータ20によるパーキングブレーキ作動状態を示し、図2はブレーキアクチュエータ20によるパーキングブレーキ解除状態を示している。また、図3は、図1に示すばね室46の一部拡大図である。
【0012】
このブレーキアクチュエータ20は、運転者が踏み込むペダルの動きに連動してブレーキ操作を行うサービスブレーキアクチュエータ20Aと、前記ペダルの動きとは別にパーキングブレーキ操作を行うスプリングブレーキアクチュエータ20Bとがタンデムで合体されたものである。
【0013】
なお、本発明に係るスプリングブレーキアクチュエータ20Bは必ずしもパーキングブレーキ用に限らず、サービスブレーキ用にも使用可能なものである。また、スプリングブレーキアクチュエータとして独立して構成されたものにも適用が可能である。
【0014】
サービスブレーキアクチュエータ20Aのハウジングは、図1に示すように、シリンダ側ハウジング22と、このシリンダ側ハウジング22の左側に位置する中間ハウジング23とで左右2分割で構築されており、そのハウジング内には第1ダイヤフラム26が設けられている。
また、スプリングブレーキアクチュエータ20Bのハウジングは、図1に示すように、中間ハウジング23と、この中間ハウジング23のさらに左側に位置するばね収容ハウジング24とで左右2分割で構築されており、そのハウジング内には第2ダイヤフラム28が設けられている。
【0015】
まず、サービスブレーキアクチュエータ20Aについて図1を用いて説明する。
第1ダイヤフラム26は、シリンダ側ハウジング22及び中間ハウジング23で囲まれた内部空間を仕切っており、シリンダ側ハウジング22側(図1の右側)の大気室35と、中間ハウジング23側(図1の中央右側)の第1圧力室36とを区画している。
【0016】
この第1ダイヤフラム26の大気室35側の面には、図1に示すように、一端にフランジ37を備えた操作ロッド40がそのフランジ37を介して当接している。この操作ロッド40の他端には、ピン42を介してピストン30が連結されている。
【0017】
シリンダ側ハウジング22の大気室35を形成する部分(大気室形成部22b)の下部には、大気室35を大気に連通させるための大気連通口22cが設けられている。また、中間ハウジング23の上面部には、第1圧力室36内に圧縮エアを供給するための第1供給ポート23dを設けている。
【0018】
第1圧力室36に通ずる第1供給ポート23dには、ブレーキ弁(図示せず)を介して空気圧供給源が接続されている。そして、ブレーキペダルの踏み込み時にブレーキ弁を通じて第1供給ポート23dから第1圧力室36内に圧縮エアが供給される一方、ペダルの踏み込みを緩めるに従って第1圧力室36内の圧縮エアが第1供給ポート23dを通じて逃がされるようになっている。
【0019】
次に、スプリングブレーキアクチュエータ20Bについて図1を用いて説明する。
ばね収容ハウジング24は、中間ハウジング23の開口を覆うキャップ状に形成されている。そして、中間ハウジング23及びばね収容ハウジング24で囲まれた内部空間が第2ダイヤフラム28によって仕切られている。この第2ダイヤフラム28は、中間ハウジング23側(図1の中央左側)の第2圧力室45と、ばね収容ハウジング24側(図1の左側)のばね室46とを区画している。
【0020】
この第2ダイヤフラム28の中央部と第1ダイヤフラム26の中央部との間には、これらの第1ダイヤフラム26及び第2ダイヤフラム28の間の力伝達を行う伝達ロッド50が介在している。また、中間ハウジング23の上面部には、第2圧力室45内に圧縮エアを供給するための第2供給ポート23eを設けている。
【0021】
ばね室46内には、圧縮コイルばね54が装填されている。この圧縮コイルばね54は、第2ダイヤフラム28の変位方向と略平行な方向に伸縮する姿勢、すなわち、圧縮コイルばね54の中心軸とスプリングブレーキアクチュエータ20Bの中心軸とが合致する姿勢でばね室46内に装填されている。
【0022】
圧縮コイルばね54は、最も収縮した状態における軸方向寸法を小さくするために、いわゆる樽型のもの(上下端に比べて中間部が径方向に膨らんだ形状のもの)が用いられている。具体的には、図4に示すように、右側から、小径部54a、中径部54c、大径部54d、中径部54e、小径部54bが順に並んだ巻数5のものが使用されており、小径部54a、54bが詳細は後述するばね座部材56、58にそれぞれ当たる向きでばね室46内に装填されている。この圧縮コイルばね54の外面には、防食、防錆用の塗装が施されている。
【0023】
ばね室46内には、図1〜図3に示すように、圧縮コイルばね54の位置を中心位置に安定させるためのばね座部材56、58が設けられている。これらのばね座部材56、58は、例えば、鉄又はアルミニウムで形成されており、その外面に防食用の塗装が施されている。
ばね座部材56は、圧縮コイルばね54の一方の小径部54aと第2ダイヤフラム28との間に介在し、ばね座部材58は、圧縮コイルばね54の他方の軸方向の小径部54bとばね収容ハウジング24の天壁24bとの間に介在している。
【0024】
一方のばね座部材56は、図1〜図3に示すように、円板状のばね座本体56mを有し、このばね座本体56mが第2ダイヤフラム28のばね室側表面に密着するように配設されている。このばね座本体56mと第2ダイヤフラム28との相対位置は、圧縮コイルばね54の押付けによる摩擦力を利用して固定可能であるが、さらに両者を接着することによって積極的に固定するようにしてもよい。
【0025】
ばね座本体56mの中央部には、図3に示すように、厚肉のばね拘束部56aが形成されている。このばね拘束部56aは、圧縮コイルばね54のダイヤフラム側の小径部54aの内径よりも僅かに小さい外径を有している。圧縮コイルばね54は、このばね拘束部56aの外側に小径部54aが嵌められることにより、径方向の動きが制限されている。また、このばね拘束部56aの中央にはさらに厚肉のボス部56bが形成され、このボス部56bの中心には、メンテナンス時等において治具を係合させるための鍵穴56c(図1及び図2参照)が形成されている。また、ばね拘束部56aよりも外側の部分には、圧縮コイルばね54の弾発力を受ける平面部56fが円周状に形成されている。
【0026】
この平面部56fと圧縮コイルばね54の間には、図1〜図3に示すように、平面部56fを覆うように樹脂製のシート部材70が介在している。このシート部材70は、図5(a)に示すように、円板形状の中央部に開孔70aが形成されたものである。この開孔70aの大きさは、ばね拘束部56aの外径よりも大きく、ばね座部材56にシート部材70を取り付けた状態で、シート部材70の平面部70bが平面部56fの全面に接触するようになっている。また、この開孔70aの一部には、ばね座部材56から突出する回り止め(図示せず)を避けるための切り欠き部70cが形成されている。この回り止めは、取り付けられたシート部材70及び圧縮コイルばね54が周方向に回転するのを防止するようになっている。
このシート部材70は、圧縮コイルばね54の小径部54aと、ばね座部材56の平面部56fとが直接に接触しないように設けられている。また、シート部材70の大きさは、図2に示すように、圧縮コイルばね54が圧縮された状態で、圧縮コイルばね54の小径部54aのみならず、中径部54cと平面部56fとが接触しないように、十分な大きさが確保されている。
【0027】
このシート部材70の材料は、圧縮コイルばね54の材料やばね荷重の大きさに基づいて決定されており、圧縮コイルばね54に対する摩擦係数が小さく、かつ、高い圧縮強度を有する材料で選定されている。また、このシート部材70は、小径部54aと平面部56fとの接触音を小さくする効果をも奏している。
【0028】
他方のばね座部材58は、図1〜図3に示すように、円筒部58aと、その軸端から径方向外側に広がるフランジ部58bとを有している。このフランジ部58bは、円筒部58aの外側に圧縮コイルばね54の軸方向の小径部54bが嵌められた状態で小径部54bとばね収容ハウジング24の天壁24bとの間に介在している。
【0029】
また、フランジ部58bと圧縮コイルばね54との間には、図1〜図3に示すように、フランジ部58bの平面を覆うように樹脂製のシート部材72が介在している。このシート部材72は、図5(b)に示すように、シート部材70と同様に、円板形状の中央部に丸穴72aが形成されたものであり、この丸穴72aの大きさは、円筒部58aの大きさよりも大きく、ばね座部材58にシート部材72を取り付けた状態で、シート部材72の平面部72bがフランジ部58bの平面部の全面に接触するようになっている。
このシート部材72は、圧縮コイルばね54の小径部54b及び中径部54eと、フランジ部58bの平面とが直接に接触しないように十分な大きさが確保されている。また、このシート部材72は、シート部材70と同等の材料が使用されている。
【0030】
ばね室46内は、バイパス管路66を介してサービスブレーキアクチュエータ20Aの大気室35内に連通されており、大気連通口22cを通じて大気に開放されている。一方、第2圧力室45に通ずる第2供給ポート23eには、パーキングブレーキ弁(図示せず)を介して空気圧供給源が接続されており、パーキングブレーキ操作がされていない時にパーキングブレーキ弁を通じて第2供給ポート23eから第2圧力室45内に圧縮エアが供給される一方、パーキングブレーキ操作がされた時にはパーキングブレーキ弁を通じて第2供給ポート23eから第2圧力室45内の圧縮エアが逃がされるようになっている。
【0031】
次に、本発明の実施の形態に係るスプリングブレーキアクチュエータ20Bの作用を説明する。
【0032】
まず、車両停車時において運転者によりパーキングブレーキ操作された状態では、第2供給ポート23e及びパーキングブレーキ弁(図示せず)を通じて第2圧力室45内の圧縮エアが外部に逃がされるため、圧縮コイルばね54の弾発力によって第2ダイヤフラム28の中央部が第2圧力室45の容積を減少させる向きに押されて図1の位置にあり、さらにはその押圧力が伝達ロッド50、第1ダイヤフラム26、操作ロッド40、及びピストン30にも伝達されて、これに係合する伝達軸がブレーキシリンダに向かって前進する。この伝達軸の前進によりブレーキシリンダを伸長させてブレーキを働かせる。
【0033】
一方、パーキングブレーキがかけられた状態からパーキングブレーキ操作が解除されると、第2供給ポート23eから第2圧力室45内に圧縮エアが供給されるため、その圧力と補助コイルばね62の弾発力とにより、圧縮コイルばね54の弾発力に抗して(すなわち圧縮コイルばね54の収縮を伴いながら)第2ダイヤフラム28の中央部がばね室46の容積を減少させる向き(図1では左向き)に押され、図2に示すようにばね座部材56のばね拘束部56aの前面がばね座部材58の軸端58cに当たる位置まで移動する。これに伴い、ブレーキシリンダから反力を受けている伝達軸、ピストン30、及び操作ロッド40もばね室46に向かって図2の位置まで移動する。このようにして伝達軸がブレーキシリンダから後退することにより、ブレーキシリンダは収縮状態となり、ブレーキを解除する。
なお、圧縮コイルばね54は、図2に示すように、一方のばね座部材58に他方のばね座部材56の前面が当たる位置まで収縮可能となっており、ばね室46の容積をできるだけ小さくすることができる。
【0034】
なお、このパーキングブレーキ解除状態からサービスブレーキが操作される(この実施の形態ではブレーキペダルが踏み込まれる)と、第1供給ポート23dを通じて第1圧力室36内に圧縮エアが導入されるため、その圧力によって第1ダイヤフラム26、操作ロッド40、及びピストン30がブレーキシリンダ側に押される。これにより、ブレーキシリンダ側に向かって伝達軸が前進するため、ブレーキシリンダが再び伸長してブレーキをかける状態となる。
【0035】
ところで、上述の使用により、パーキングブレーキの操作が行われると、圧縮コイルばね54はその操作に基づいて伸縮を繰り返すことになる。このとき、圧縮コイルばね54の小径部54a、54b及び中径部54c、54eは、ばねの弾発力に比例してばね座部材56、58に向けて押しつけられることになるが、シート部材70、72によってばね座部材56、58と接触しないようになる。
【0036】
本発明の実施の形態に係るスプリングブレーキアクチュエータ20Bによれば、圧縮コイルばね54の両端部54a、54bと、この両端部54a、54bをそれぞれ支持するばね座部材56、58との間に、樹脂性のシート部材70、72を介在させることにより、圧縮コイルばね54は、ばね座部材56、58ではなく樹脂製のシート部材70、72と接触することになる。このシート部材70、72は、圧縮コイルばね54との摩擦係数が小さいため、圧縮コイルばね54が繰り返し伸縮したとしても、圧縮コイルばね54がばね座部材56、58と直接接触する場合と比べて圧縮コイルばね54の外面に施された塗装が剥離または摩滅し難くすることができる。その結果、圧縮コイルばね54及びばね座部材56、58の素地が露出しないため、圧縮コイルばね54及びばね座部材56、58が腐食することを防止することができる。これにより、スプリングブレーキアクチュエータ20Bの寿命を向上させることができると共に、信頼性を高めることができる。
【0037】
また、ばね室46に、ばね室46の内部が大気と連通するためのバイパス管路66を形成し、ばね室46内が負圧にならないようにした場合、このバイパス管路66を通じて大気中の水分がばね室46に侵入するおそれがある。しかしながら、圧縮コイルばね54の塗装は上述の通り剥離または摩滅し難いので、圧縮コイルばね54が、腐食したり、錆たりすることを防止することができる。これにより、スプリングブレーキアクチュエータ20Bの寿命を向上させることができると共に、信頼性を高めることができる。
さらには、樹脂製のシート部材70、72を介在させることで、接触音、摺動音の発生を抑止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の実施の形態に係るスプリングブレーキアクチュエータにおいてパーキングブレーキがかけられた状態を示す断面図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るスプリングブレーキアクチュエータのパーキングブレーキ及びサービスブレーキがともに解除された状態を示す断面図である。
【図3】スプリングブレーキアクチュエータが備える第2ダイヤフラムの弛み部分の高さが最大となる状態を示す断面図である。
【図4】スプリングブレーキアクチュエータが備える圧縮コイルばねを単品で示す正面図である。
【図5】スプリングブレーキアクチュエータが備える樹脂製のシート部材を示す斜視図であって、(a)は第1ダイヤフラム側に位置する樹脂製シート、(b)は(a)の反対側に位置する樹脂製シートである。
【符号の説明】
【0039】
20 ブレーキアクチュエータ
20A サービスブレーキアクチュエータ
20B スプリングブレーキアクチュエータ
22 シリンダ側ハウジング(ハウジング)
22b 大気室形成部
22c 大気連通口
23 中間ハウジング
23b 第1圧力室形成部
23c 第2圧力室形成部
23d 第1供給ポート
23e 第2供給ポート
24 収容ハウジング
24b 天壁
26 第1ダイヤフラム
28 第2ダイヤフラム
30 ピストン
35 大気室
36 第1圧力室
37 フランジ
40 操作ロッド
42 ピン
45 第2圧力室(圧力室)
46 ばね室
50 伝達ロッド
54 圧縮コイルばね(コイルばね)
54a 小径部
54b 小径部
54c 中径部
54d 大径部
54e 中径部
56、58 ばね座部材
56a 拘束部
56b ボス部
56c 鍵穴
56f 平面部
56m 座本体
58a 円筒部
58b フランジ部
58c 軸端
66 バイパス管路
70、72 シート部材
70a 開孔
70b、72b 平面部
70c 切り欠き部
72a 丸穴

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に空間を有するハウジングと、このハウジングの内部空間をばね室および圧力室に画成するダイヤフラムとを備え、前記ばね室の内部に前記ダイヤフラムを圧力室側に付勢するコイルばねが配設されたスプリングブレーキアクチュエータにおいて、
前記コイルばねの両端部と、この両端部をそれぞれ支持するばね座との間に、樹脂性のシート部材を介在させたことを特徴とするスプリングブレーキアクチュエータ。
【請求項2】
前記ハウジングは、前記ばね室の内部が大気と連通するための通路を備えることを特徴とする請求項1に記載のスプリングブレーキアクチュエータ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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