説明

スペクトル強制分極探査装置

【課題】スペクトル強制分極探査装置において、二つのダイレクトデジタルシンセサイザを用い、基準電位点の電位が最小になるように、DDS間の振幅と位相を相互に制御することにより電位検出のため用いたアイソレーションアンプ等の機械的特性によって生じた位相の補正を可能とするとともに、高精度な計測を可能とする。
【解決手段】並列して接続された4本の同軸ケーブルにおける1対の同軸ケーブル間にインピーダンス測定対象物を接続し、その一方から正弦波の信号を入力してインピーダンスを測定する4端子対法を利用したスペクトル強制分極探査装置において、2つのダイレクトデジタルシンセサイザを用い、基準電位点の電位が最小になるように、DDS間の振幅と位相を相互にデジタル制御することにより、ケーブル内の電磁誘導及び静電誘導のアクティブ制御を可能とし、2つのダイレクトデジタルシンセサイザ間の電位の位相差を利用して回路内での位相遅れの制御を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地盤や岩盤に特有であるインピーダンスや位相スペクトルを計測するスペクトル強制分極に関する技術であり、特に、電磁誘導アクティブ制御によるスペクトル強制分極探査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電気探査は、地盤に電流を流した際の「比抵抗(電気の流れにくさ)」や電気化学的な「分極現象」を測定し、地盤物性を把握する物理探査法である。
【0003】
従来、地質等の物理探査に比抵抗法が利用されていることは知られている(特許文献1参照)。比抵抗法は、地盤に直流電流(あるいは交替電流)を流し、電流の流れにくさの分布状況から地盤性状を把握する電気探査法である。
【0004】
即ち、地下水の分布している地盤や、風化岩と基盤岩あるいは堆積層と基盤岩の境界、さらに良好な岩盤と断層破砕帯では、電流の流れ方に大きな違いがあり、地盤に電流を流して電流の流れ方の違いを測定すれば、地下水の有無、地すべり面の形状、さらにトンネルやダム等の施工面における地山状況を事前に推定することができる。
【0005】
強制分極法(IP法:induced polarization 法)は、大地に電流を流したときに様々な電気化学的な分極現象が生じ、電圧の観測波形に過度現象が認められるが、この現象を応用した地質の探査方法である。
【0006】
特に、スペクトル強制分極法(SIP:Special Induced Polarization 法)は、地盤や岩盤の複素比抵抗(インピーダンスおよび位相)を周波数毎に測定することによって、地盤や岩盤に特有であるインピーダンスや位相スペクトルを計測する技術である。地盤や岩盤は、内部に含まれる導電性鉱物粒子による分極や岩石内の微細孔性膜を介して生じる膜分極による特徴的なインピーダンススペクトルを持つ。
【0007】
これらのインピーダンスのスペクトルを取得することにより、その岩石や地盤の分類や性状を把握することが可能になると考えられ、従来からさまざまな取り組みがなされてきた。しかしながら、測定器と電極間に用いられる計測ケーブルの電磁カップリングの影響や静電誘導の影響により、その利用範囲が数Hz以下という低周波に限定され、その応用が限定されてきた。
【特許文献1】特開2001−337175号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来の技術では、測定器と電極間に用いられる計測ケーブルの電磁カップリングや静電誘導の影響により、利用できる周波数の帯域が低周波に限定されている。この周波数領域では、IPの全スペクトルを取得することができず、また、低周波を利用することで測定時間が長くなるという欠点がある。
【0009】
これらの問題を解決するためには、測定器と電極間に用いられる計測ケーブルの電磁誘導と静電誘導の影響をいかに防ぐかが重要となる。本発明では、電磁誘導や静電誘導の影響を制御するため、電流・電位ケーブルに同軸ケーブルを用いて誘導電磁場のアクティブ制御を行ってそのうち消しを行う手段を採用する。
【0010】
従来、スペクトル強制分極法は、4端子対法として用いられてきた技術であるが、4端子法では対になる発信器として逆位相のフィードバックを行うことで誘導電磁場の打ち消しを行うのに対し、本発明では、二つのDDS(ダイレクトデジタルシンセサイザ)を用い、基準電位点の電位が最小になるように、DDS間の振幅と位相を相互に制御することによりケーブル内の電磁誘導、キャパシタンス及び回路内での位相遅れの影響を含んだ制御を行えるようにすることを課題とする。
【0011】
また、同時にDDS間の位相差を測定し、その位相差を用いて電流−電位の位相差の補正を行う。この補正により、電位検出のため用いたアイソレーションアンプ等の機械的特性によって生じた位相の補正を可能とするとともに、高精度な計測を可能とすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は上記課題を解決するために、並列して接続された4本の同軸ケーブルにおける1対の同軸ケーブル間にインピーダンス測定対象物を接続し、その一方から正弦波の信号を入力してインピーダンスを測定する4端子対法を利用したスペクトル強制分極探査装置において、2つのダイレクトデジタルシンセサイザを用い、基準電位点の電位が最小になるように、DDS間の振幅と位相を相互にデジタル制御することにより、ケーブル内の電磁誘導及び静電誘導のアクティブ制御を可能とすることを特徴とするスペクトル強制分極探査装置を提供する。
【0013】
前記2つのダイレクトデジタルシンセサイザ間の電位の位相差を利用して回路内での位相遅れの制御を行うような構成としてもよい。
【発明の効果】
【0014】
以上のような構成から成る本発明に係るスペクトル強制分極探査装置によれば、次のような効果が生じる。
(1)従来適用が困難であった検層分野や貫入試験、トモグラフィー探査にフルカラーの地質断面図ならびに地質柱状図を提供することが可能になり、より詳細な地質分類や地盤汚染の状況などを把握することが可能となる。
【0015】
(2)二つのDDS(ダイレクトデジタルシンセサイザ)を用い、基準電位点の電位が最小になるように、DDS間の振幅と位相を相互に制御するので、ケーブル内の電磁誘導・キャパシタンスおよび回路内での位相遅れの影響を含んだ制御が可能である。
【0016】
(3)また、同時にDDS間の位相差を測定し、その位相差を用いて電流−電位の位相差の補正を行うので、電位検出のため用いたアイソレーションアンプ等の機械的特性によって生じた位相の補正を可能とするとともに、高精度な計測を可能とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明に係るスペクトル強制分極探査装置の実施の形態を実施例に基づいて図面を参照して、以下に説明する。
【0018】
(原理)
IP現象と電磁カップリングの影響は、図1に示されるように、1Hz以上の高周波で顕著となり、それ以上の周波数帯において測定が困難となる。そのため、測定できる周波数領域が低周波に限定されてきた。
【0019】
従来、高周波インピーダンス計測法として、4端子対法と呼ばれる手段があり、実験室レベルの高周波インピーダンスの計測法として用いられてきた。
【0020】
図2は、本発明に係るスペクトル強制分極探査装置の基本的な構成であり、図3は本発明の実施例の構成を示す図である。図2において、4端子対法の原理を説明する。発信器1から送信された正弦波の信号が同軸ケーブル10を通り、同軸ケーブル10の電極2から送信され、インピーダンス測定対象物3から同軸ケーブル7の電極4を通過し、同軸ケーブル7の内芯を通って、発信器1と対になる電流制御回路6に至る。
【0021】
ここで、P2電極5と同軸ケーブル10のシールド間の電位差が0Vとなるように、電流制御回路6から位相を反転させた電流を同軸ケーブル7の外部シールドに供給する。
【0022】
同軸ケーブル7の外部シールドに流れ 電極2の信号と正反対の位相を持つ信号は、同軸ケーブル8、9、10のそれぞれの外部シールドの外端を通り、最終的に発信器1に到達する。この過程において、同軸ケーブル8、9はそれぞれ高インピーダンスであるため、電流は流れずに外部シールドに流れる電流は、同軸ケーブル7、10に流れる。この電流は、同軸ケーブル10、7の電極2、4の心線に流れる電流と逆位相で振幅もほぼ等しくなるため、電磁誘導が抑制される。
【0023】
以上が、4端子対法の原理であるが、図2において、ここで接続される配線や同軸ケーブルが非常に長い場合、また、電極C1、C2が接地インピーダンスやキャパシタンスを持つ場合には、この4端子対法の回路をそのまま適用することが困難である。
【0024】
すなわち、4端子対法では、同軸ケーブル8について、P2電極5接続されているケーブルの心線と外部シールドの電位差が0Vになるように、電極4から入る信号の振幅をコントロールしているが、その前提は電極4、5の位相が等しいことである。
【0025】
しかしながら、実際には電極4、5は、C2の接地インピーダンスやケーブルの持つキャパシタンスのため位相差が生じており、電極5の信号を使ったコントロールは困難である。さらに、この位相差は周波数依存性を持つことから補正が困難である。
【0026】
電子回路等のインピーダンス測定で用いられる4端子対法を用いた測定器では、あらかじめ特定のケーブルを用意して、それに併せてチューニングしているが、地層における物理探査や検層にように、ケーブルやプローブが長く、計測するたびに接地インピーダンスが異なるインピーダンス対象を計測するシステムにおいては、そのような4端子対法を用いた測定器手法は適用できない。
【0027】
そこで、本発明に係るスペクトル強制分極探査装置では、送信対1、6のフィードバックによる電流反転手段を行わず、独立した二つの発信器を使い、コンピュータによる位相および振幅の最適制御を行う手段を適用する。
【実施例】
【0028】
本発明に係るスペクトル強制分極探査装置20の実施例において、本発明の具体的な構成を作用をまじえて詳細に説明する。図3において、探査装置の4つの電極C1、P1、P2、C2のそれぞれに、同軸ケーブル10、9、8、7の心線が接続される。また、同軸ケーブルの外部シールドは、互いに電極近傍でシールド接続線24により、相互に接続されている。
【0029】
CPU14は、主DDS16への周波数をセットすることができ、主DDS16から設定された周波数の正弦波が発信される。その後、正弦波はCPU14により出力電圧が調整され、送信電極C1に接続された電流ケーブルの心線をとおり、送信電極C1から地層に送信される。送信された信号は、C2電極をとおり、C2電極に接続された電流ケーブルを通って、副送信器12に至る。
【0030】
一方、電位電極P2と外部シールド間の電位差として検出された電位信号は、絶縁アンプ21および絶対値整流器22をとおって、実効値に変化させ、A/D変換器23を通してCPU14に送られる。ここで、CPU14は、このP2の心線と外部シールドの間の電位差が0Vになるように、副DDS17の発信周波数、位相を変化させる。
【0031】
副DDS17から送信された信号は、さらにCPU14からの指令により振幅がコントロールされ、副送信機12に送られる。副送信機12から出力された信号は、C2に接続された同軸ケーブル7の外部シールドを通り、電極近傍で接続された同軸ケーブルのシールド接続線24からC1の外部シールドを通して主送信機11に至る。
【0032】
なお、ここでの副DDS17の周波数・位相および正弦波D/Aによる振幅制御は、P2に接続された同軸ケーブル8の心線と外部シールドの間の電圧が0Vに調整されるまで続くように構成されている。また、P1と外部シールド間の電位差は、絶縁アンプ21を通した後、絶対値整流器22により実効値に変換された後にA/D変換され、CPU14に記録される。
【0033】
また、電流については、副送信機12からの出力を無誘導抵抗で電流センス15で測定し、その電流値を実効値に変換し。A/D変換を通してCPU14に記録される。ここで得られたP1の電位差と電流値からCPU14でインピーダンスが計算され、コンソール25に表示される。
【0034】
また、P1から得られた信号と電流検出器15(図中の「電流センス15」)から得られた信号は、位相検出回路26に送られ、ここで位相差の計測を行う。電位計測と同様に位相差についてもA/D変換により実効値に変換され、CPU14に送られる。
【0035】
CPU14では、これらのインピーダンスおよび位相差をコンソール25に表示する。また、CPU14はコンソール25からのマニュアル設定およびパソコンからの自動コントロールの両方が可能である。
【0036】
なお、このスペクトル強制分極探査装置20は、12VバッテリーからのDC入力で稼働する。このように、本スペクトル強制分極探査装置20は、CPU14によって全てコントロールされ、主DDS16及び副DDS17の制御をデジタル制御で行っているところに特徴がある。
【0037】
本発明の特徴をさらに、説明する。本発明に係るスペクトル強制分極探査装置では、主送信機11および副送信機12に示される二つの送信機用いて、振幅および位相を交互に切り替え、シールドケーブル8の心線と外部シールドの電位差が0Vに近くなるように、CPU14の指令により副送信機12の振幅と位相を変化させていく。最終的に、シールドケーブル8の心線と外部シールドの電位差を0V近くに調整した時点で終了する。
【0038】
ここで、P1電極とP2電極の電位差は、P2電極を基準としてとられる電位差が計測される。また、電流値は、電流検出器15(図3中の「出力電流センス」)から出力される電流をモニターする。そして、電流検出器15で計測される電流の位相は、P2電極に接続されたシールドケーブル8の心線と外部シールドの電位差が0vになるように、副送信機12からの位相の調整がされているので、C2電極の電流線のキャパシタンスや接地インピーダンスによって生じた位相差は、副送信機12の位相調整によりキャンセルされており、図4に示すような等価回路で表現することができる。
【0039】
このように、本発明では、C2電極の接地インピーダンスやケーブルのキャパシタンスの影響を考慮することなく正確に測定対象を流れる電流の位相を計測することが可能である。また、本発明では主送信機11および副送信機12の二つの送信機の位相差を計測することにより、電流値の変化に伴う位相差の補正を行っている。すなわち、主送信機11と副送信機12に使われている回路がほぼ同じであるため、本位相差がこれらの回路の位相差の2倍となる特性を利用している。
【0040】
本発明に係るスペクトル強制分極探査装置では、主DDS16および副DDS17に示される二つのDDSを用いて制御を行う。即ち、CPU14からの指令により、主DDS16から特定の周波数を持つ正弦波が発信される、本送信源に対し、CPU14は副DDS17の周波数および位相を、P2電極に接続されたシールドケーブル8の心線と外部シールドの間の電位差が0Vになるように変えていく。
【0041】
ここで、P2電極に接続されたシールドケーブル8の心線と外部シールド間の電位差が0Vになった時点で、ほぼ逆位相の電流がC1電極およびC2電極のそれぞれのケーブルの心線と外部シールドに流れているために電磁誘導が発生しない。また、P1電極に接続されたシールドケーブル9の内芯とP2電極に接続されたシールドケーブル8の内芯の間の電位差と、電流検出器15で測定された値を用いて、位相および電位差を検出してインピーダンスおよび位相差を出力する。
【0042】
(実験例)
本発明者は、本発明に係る強制分極探査装置を製作し(図5の写真参照)、これに100m長の6芯同軸ケーブルおよび検層プローブを接続した上で、無誘導抵抗のインピーダンスおよび位相を計測した。その結果得られた、機器特性の測定結果を図6に示す。
【0043】
図6によると、20Hzから2000Hz付近まで、インピーダンス値や位相精度1 mradでフラットであり、測定器やケーブルの影響を受けずにこの帯域で計測可能である事が分かる。なお、位相のオフセットは、電位計測に用いているアイソレーションアンプの機器特性によって生じているが、DDS間の位相差を計測することで補正可能である。また、20Hz以下の低周波で位相およびインピーダンスの誤差が増大している原因は、直流成分のカットのために使用しているLPF(ローパスフィルタ)のためである。
【0044】
LPFの遮断周波をより低周波にもっていくことで、測定範囲を低周波側に広げることも可能であるが、その反面、測定時間が著しく悪化する。現在、1周波数あたりの測定時間を30秒以内で考慮しており、1点4周波のスペクトル計測で2分以内を想定している。実際の検層において、この時間程度で測定できれば、深度分解能1m、深度100mまでの検層を200分(3時間程度)で計測できると考えられる。
【0045】
また、1点10周波の計測では、8時間程度の測定時間が必要であり、これ以上に測定時間がかかることは、実際の利用では困難であるため、測定周波数を20Hz以上に設定した。低周波の測定時間が著しく悪化する理由の一つは、4端子対のアクティブ制御を行っているためであるが、特定周波数に周波数を固定する方法や、電磁カップリングの影響の少ない低周波でのアクティブ制御を制限することにより低周波側に測定領域を広げることも可能である。
【0046】
また、本発明に係る強制分極探査装置の有効性を確認するため、実際のボーリング孔でのSIP検層を実施した。ボーリング孔は、深度60mのボーリング孔である。ボーリング孔の内径は、66mmであり、塩化ビニール製のケーシングに5%から7%のストレーナが切ってある(深度25m以浅と深度55m以深にはストレーナは切っていない)。
【0047】
検層プローブは、直径30mmの塩化ビニール製プローブであり、電極には半田(鉛60%)の電極を使用している。プローブに無誘導抵抗を接続した結果は、図6のとおりである。本ボーリング孔において、1m毎に、1点あたり20Hz、200Hz、1000Hzの3周波数の検層を行い、比抵抗に特徴がある特定の深度では、20Hzから2000Hzまでの8周波のスペクトルを計測した。
【0048】
その結果を図7に示す。各深度とも特徴的なスペクトルの変化を示し、類似した砂層やシルト層で、特徴的なスペクトルを示している。また、深度別の各周波数の位相分布を図8に示す。各地層に応じたスペクトルの特徴が、検層結果に表れている。
【0049】
以上、本発明に係るスペクトル強制分極探査装置の最良の形態を実施例に基づいて説明したが、本発明はこのような実施例に限定されることなく、特許請求の範囲記載の技術的事項の範囲内で、いろいろな実施例があることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0050】
以上の構成から成る本発明によれば、従来適用が困難であった検層分野や貫入試験、トモグラフィー探査にフルカラーの地質断面図ならびに地質柱状図を提供することが可能になり、より詳細な地質分類や地盤汚染の状況などを把握するための装置として適用が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】従来技術を説明する図である。
【図2】本発明の実施例の構成を説明する図である。
【図3】本発明の実施例の構成を説明する図である。
【図4】本発明の要部の等価回路を説明する図である。
【図5】本発明の実験に使用した強制分極探査装置である。
【図6】無誘導抵抗を接続したSIP特性の実験結果を示すグラフである。
【図7】各深度から取得されたSIPスペクトルを示すグラフである。
【図8】検層の結果得られたSIPスペクトルの深度分布を示すグラフである。
【符号の説明】
【0052】
1 発信器
2 電極
3 インピーダンス測定対象物
4C2 電極
5P2 電極
6 電流制御回路
7 同軸ケーブル
8、9、10 同軸ケーブル
11 主送信機
12 副送信器
14 CPU
15 電流検出器
16 主DDS
17 副DDS
20 スペクトル強制分極探査装置
21 絶縁アンプ
22 絶対値整流器
23 A/D変換器
24 シールド接続線
25 コンソール
26 位相検出回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
並列して接続された4本の同軸ケーブルにおける1対の同軸ケーブル間にインピーダンス測定対象物を接続し、その一方から正弦波の信号を入力してインピーダンスを測定する4端子対法を利用したスペクトル強制分極探査装置において、
2つのダイレクトデジタルシンセサイザを用い、基準電位点の電位が最小になるように、DDS間の振幅と位相を相互にデジタル制御することにより、ケーブル内の電磁誘導及び静電誘導のアクティブ制御を可能とすることを特徴とするスペクトル強制分極探査装置。
【請求項2】
前記2つのダイレクトデジタルシンセサイザ間の電位の位相差を利用して回路内での位相遅れの制御を行うことを特徴とするスペクトル強制分極探査装置。

【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図3】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−127565(P2007−127565A)
【公開日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−321714(P2005−321714)
【出願日】平成17年11月7日(2005.11.7)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成17年度経済産業省「放射性廃棄物の処分施設の長期安定型センシング技術に関する研究」、産業活力再生特別措置法第30条の適用を受ける特許出願
【出願人】(301021533)独立行政法人産業技術総合研究所 (6,529)
【Fターム(参考)】