スペーサ装置
【課題】導電性を備えた第一部材と導電性を備えた第二部材との間に介在して、この第一部材と第二部材とを電気的に接続させるスペーサ装置におけるかかる接続状態を安定化させる。
【解決手段】第一部材1に形成された取付穴1aに挿入係合される係合部30と第一部材1との間に所定の間隔を開けて配置される第二部材2に対する弾性接触部31とを有するスペーサ主体3に、第一部材1に電気的に接続される第一部分40と弾性接触部31の接触端31aと第二部材2との間に介在して第二部材2の前記配置に伴って第二部材2に電気的に接続される第二部分41とを一体に備えてなる導電部材4を組み合わせてなる。弾性接触部31の接触端31aは係合部30の前記挿入中心を通る仮想の直線xの側方に位置されると共に、弾性接触部31及び第二部分41は第二部材2の前記配置に伴って弾性変形して接触端31aが前記仮想の直線x上に略位置される。
【解決手段】第一部材1に形成された取付穴1aに挿入係合される係合部30と第一部材1との間に所定の間隔を開けて配置される第二部材2に対する弾性接触部31とを有するスペーサ主体3に、第一部材1に電気的に接続される第一部分40と弾性接触部31の接触端31aと第二部材2との間に介在して第二部材2の前記配置に伴って第二部材2に電気的に接続される第二部分41とを一体に備えてなる導電部材4を組み合わせてなる。弾性接触部31の接触端31aは係合部30の前記挿入中心を通る仮想の直線xの側方に位置されると共に、弾性接触部31及び第二部分41は第二部材2の前記配置に伴って弾性変形して接触端31aが前記仮想の直線x上に略位置される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、導電性を備えた第一部材と導電性を備えた第二部材との間に介在して、この第一部材と第二部材とを電気的に接続させるために用いられるスペーサ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器や電気機器を構成する回路基板とこれらのシャーシなど、両者を所定の間隔を開けて組み合わせたときにさらにアース取りなどの観点から両者を電気的にも接続させることが求められる場合がある。
【0003】
図10〜図12に示される検討例のように、このような接続が求められる第一部材1に形成された取付穴1aに挿入係合される係合部100を一方側に備えると共に、他方側に前記第一部材1に電気的に接続することが求められる第二部材200に対する弾性接触部200とを有するスペーサ装置を利用すれば、この装置を第一部材1に取り付けた状態から第二部材200を配置することで、両部材を電気的に接続させることができる。図10〜図12中、符号300で示されるのは、導電部材であり、この導電部材300は第二部材200に対しては前記弾性接触部200の接触端201と第二部材200との間に介在して第二部材200の前記配置に伴ってこの第二部材200に電気的に接続される。ここで図10〜図12に示される検討例では、第二部材200の配置時にはかかる弾性接触部200は弾性変形されると共に、その接触端201は前記係合部100の前記挿入中心を通る仮想の直線xの側方に位置されるようになっている。(図11)しかるに、第二部材200の配置時に弾性接触部200の接触端201がこのように位置されると、この弾性接触部200の弾性復帰力は前記仮想の直線xに沿った方向に作用されないため、第一部材1の板厚などによっては図12に示されるようにスペーサ装置に傾きを生じさせることが考えられる。スペーサ装置にこのような傾きが生じると導電部材300と第一部材1との接触状態は不安定なものとなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この発明が解決しようとする主たる問題点は、導電性を備えた第一部材と導電性を備えた第二部材との間に介在して、この第一部材と第二部材とを電気的に接続させるスペーサ装置におけるかかる接続状態を安定化させる点にある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を達成するために、この発明にあっては、スペーサ装置を、導電性を備えた第一部材に形成された取付穴に挿入係合される係合部と、導電性を備えると共にこの第一部材との間に所定の間隔を開けて配置される第二部材に対する弾性接触部とを有するスペーサ主体に、
前記係合部を利用した第一部材への取り付けに伴って第一部材に電気的に接続される第一部分と、前記弾性接触部の接触端と第二部材との間に介在して第二部材の前記配置に伴ってこの第二部材に電気的に接続される第二部分とを、一体に備えた導電部材を組み合わせてなり、
前記弾性接触部の接触端は前記係合部の前記挿入中心を通る仮想の直線の側方に位置されると共に、この弾性接触部及び前記第二部分は第二部材の前記配置に伴って弾性変形して前記接触端が前記仮想の直線上に略位置されるようになっているものとした。
【0006】
第一部材の取付穴に係合部を挿入係合させてこの第一部材にスペーサ装置を取り付けた状態から、第二部材を前記のように配置すると、弾性接触部及び第二部分は共に弾性変形して、弾性接触部の接触端は前記仮想の直線上に略位置され、第二部分は第二部材に押しつけられ電気的に接触される。かかる接触端は前記仮想の直線上に略位置されることから、弾性接触部の弾性復帰力もこの仮想の直線に沿った方向に作用される。これにより、第二部材の前記配置により第一部材の取付穴に挿入係合された係合部を傾かせるような力が作用されることはなく、導電部材の第一部分は適切且つ安定的に第一部材に押しつけられ続ける。
【0007】
前記弾性接触部を、スペーサ主体におけるこの弾性接触部と係合部との間に形成されたコア部に基端を一体に連接させて、このコア部から次第に離れるように斜めに突き出された腕状をなすものとすると共に、コア部と弾性接触部との間の内隅に形成されたアール状をなす窪みによって、両者の連接箇所を薄肉にするようにしておくこともある。このようにした場合、第二部材の前記配置により弾性接触部はかかる連接箇所の一部に応力を集中させてしまうことなくこの連接箇所をおおむね中心としてスムースに弾性変形される。
【0008】
前記弾性接触部を独立して二以上備えさせると共に、導電部材に各弾性接触部に対応した第二部分を形成させるようにしておくこともある。このようにした場合、第二部材における第一部材に向けられた面のうち、導電部材の第二部分が接する箇所が前記仮想の直線に直交する仮想の平面上に位置されない場合であっても、この導電部材の各第二部分をそれぞれ第二部材に適切に電気的に接触させることができる。
【0009】
また、前記スペーサ主体及び導電部材のいずれか一方に、これらの他方に形成された被掛合部に両者の組み合わせによって掛合される掛合部を形成させておくこともある。このようにしておけば、スペーサ主体と導電部材との組み合わせ状態を安定的に維持することができる。
【0010】
また、前記導電部材の第二部分を、スリットにより分割された複数の接点から構成させるようにしておくこともある。このようにした場合、第二部材に対する導電部材の第二部分の接触安定性をより向上させることができる。
【発明の効果】
【0011】
この発明によれば、スペーサ装置による第一部材と導電性を備えた第二部材との電気的接続状態を効果的に安定化させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は実施の形態にかかるスペーサ装置の斜視図である。
【図2】図2は実施の形態にかかるスペーサ装置の斜視図であり、図1と反対の向きからかかるスペーサ装置を見て示している。
【図3】図3は実施の形態にかかるスペーサ装置の側面図である。
【図4】図4は実施の形態にかかるスペーサ装置の使用状態を示した側面図である。
【図5】図5は実施の形態にかかるスペーサ装置を構成するスペーサ主体の斜視図である。
【図6】図6は実施の形態にかかるスペーサ装置を構成するスペーサ主体の側面図である。
【図7】図7は実施の形態にかかるスペーサ装置を構成する導電部材の側面図である。
【図8】図8は実施の形態にかかるスペーサ装置を構成する導電部材の斜視図である。
【図9】図9は実施の形態にかかるスペーサ装置を構成する導電部材の他の構成例を示した要部斜視図である。
【図10】図10は検討例にかかるスペーサ装置の使用状態を示した側面図であり、第二部材の配置前の状態を示している。
【図11】図11は検討例にかかるスペーサ装置の使用状態を示した側面図である。
【図12】図12は検討例にかかるスペーサ装置に傾きが生じた状態を示した側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図1〜図9に基づいて、この発明の典型的な実施の形態について、説明する。この実施の形態にかかるスペーサ装置Sは、導電性を備えた第一部材1と導電性を備えた第二部材2との間に介在して、この第一部材1と第二部材2とを電気的に接続させるために用いられるものである。具体的には、かかるスペーサ装置Sは、スペーサ主体3と導電部材4とを組み合わせて構成されており、第一部材1に取り付けられた状態において導電部材4の第一部分40をこの第一部材1に電気的に接続させ、この後にこの第一部材1との間に所定の間隔を開けて第二部材2を配置したときに導電部材4の第二部分41を第二部材2に弾性的に押しつけてこの第二部材2に電気的に接続させ、これによりスペーサ装置Sを介して第一部材1と第二部材2とを電気的に接続させるようになっている。かかるスペーサ装置Sは、例えば、電子機器や電気機器を構成する第一部材1としての基板と、これらを構成する第二部材2としての金属シャーシとの間に介在されて、両者を電気的に接続するなどの用途に用いられる。(図4)
【0014】
スペーサ主体3は、前記第一部材1に形成された取付穴1aに挿入係合される係合部30と、前記第二部材2に対する弾性接触部31とを有する。この実施の形態にあっては、弾性接触部31と係合部30との間には、コア部32が形成されている。この実施の形態にあっては、スペーサ主体3は、合成樹脂から構成され、導電性を持たない構成となっている。
【0015】
コア部32は、立方体状を呈している。このコア部32の背中合わせの位置にある第一面部32a及び第二面部32cのうちの、第一面部32aに前記係合部30が形成され、第二面部32cに前記弾性接触部31が形成されている。コア部32における残りの四つの側面部32d…32dのうちの、背中合わせの位置にある二つの側面部32d、32dにはそれぞれ、方形の肉抜き穴32eが形成されており、二箇所の肉抜き穴32eによってコア部32内に仕切壁32fが形成されている。
【0016】
前記第一面部32aには、この第一面部32aと肉抜き穴32eが形成されている一方の側面部32dとの間に形成された縁部の長さ方向中程の位置と、この第一面部32aと肉抜き穴32eが形成されている他方の側面部32dとの間に形成された縁部の中程の位置との間に亘ってリブ状台座32bが形成されている。
【0017】
前記係合部30は、このリブ状台座32bの長さ方向中程の位置から前記第一面部32aに直交する向きに突き出す芯部30aと、この芯部30aの左右においてそれぞれこの芯部30aの先端に腕一端を一体に連接させてこの芯部30aの基部側に向けてこの基部に近づくに連れて芯部30aから離れるように斜めに突き出す腕部30bとを備えている。左右の腕部30b、30bの腕他端の芯部30aから最も離れた係合箇所30c間の距離は、前記取付穴1aの径よりもやや大きくなっている。
【0018】
また、この実施の形態にあっては、係合部30と第一面部32aとの間に、前記リブ状台座32bを挟んだ左右においてそれぞれ、弾性板片33が配されている。各弾性板片33は、リブ状台座32bの長さと略等しい板幅を有し、その一辺をリブ状台座32bの側部に一体に連接させてこのリブ状台座32bから側方に向けて突き出すように設けられている。弾性板片33の突きだし先端33aは、係合部30の腕部30bの係合箇所30cよりも第一面部32a側に位置されるが、弾性板片33はその突きだし先端33aに向かうに連れてこの第一面部32aから次第に離れるように前記リブ状台座32bから斜めに突き出されている。そして、この弾性板片33の突きだし先端33aと係合部30の腕部30bの係合箇所30cとの間の間隔が、第一部材1の厚さよりやや小さくなるように構成されている。
【0019】
第一部材1の取付穴1aへの係合部30の挿入は前記左右の腕部30b、30bbの撓み込みにより許容される。腕部30bの係合箇所30cの取付穴1aの通過は弾性板片33の撓み込みにより許容される。腕部30bの係合箇所30cが取付穴1aを通過すると腕部30bは撓み戻し挿入先側の取付穴1aの穴縁に引っかかる。これにより、スペーサ主体3、ひいてはスペーサ装置Sが第一部材1にワンタッチで取り付けられる。
【0020】
前記弾性接触部31は、コア部32の前記第二面部32cと肉抜き穴32eが形成されている二箇所の側面部32d、32dの一方との間に形成された縁部32gに基端を一体に連接させて、このコア部32から次第に離れるように斜めに突き出された腕状をなすように構成されている。この実施の形態にあっては、スペーサ主体3は、独立した弾性接触部31を二つ備えている。各弾性接触部31は前記縁部32gのうち、コア部32の第二面部32cの隅部となる箇所にそれぞれその基端を一体に連接させており、二つの弾性接触部31の間には間隔が形成されている。
【0021】
また、各弾性接触部31の突きだし端、すなわち、接触端31aは前記掛合部の前記挿入中心を通る仮想の直線xの側方に位置されるようになっている。具体的には、各弾性接触部31の接触端31aは前記係合部30の芯部30aの軸中心を通る仮想の直線xよりも前記縁部32g側に位置されるようになっている。(図3)
【0022】
一方、導電部材4は、前記係合部30を利用した第一部材1への取り付けに伴って第一部材1に電気的に接続される第一部分40と、前記弾性接触部31の接触端31aと第二部材2との間に介在して第二部材2の前記配置に伴ってこの第二部材2に電気的に接続される第二部分41とを、一体に備えてなる。この実施の形態にあっては、導電部材4は、導電性を備えた金属板を成形して構成されている。
【0023】
第一部分40は、金属板を、中央に前記リブ状台座32bを通す割り欠き部40aを形成させて左右に分岐させると共に、分岐されて割り欠き部40aの左側に位置される板部40bの左側の端末と、分岐されて割り欠き部40aの右側に位置される板部40bの右側の端末とをそれぞれ割り欠き部40a側に向けて折り返して、この板部40bの一面と折り返し箇所40cとの間に弾性板片33の突きだし先端側が納まる隙間40dを形成させてなる。また、第二部分41は、弾性接触部31と略等しい幅を備えた帯状板部40bの端末に屈曲部41bを形成させてなる。第一部分40と第二部分41の間には、連接板部42が形成されている。
【0024】
そして、この実施の形態にあっては、導電部材4はスペーサ主体3に次のように組み合わされている。(1)第一部分40の板部40bが弾性板片33における第一面部32aに向けられた面に添装されるように、この板部40bと折り返し箇所40cとの間に弾性板片33が挟み込み状に入れ込まれる。(2)連接板部42はコア部32の肉抜き穴32eが形成されている二箇所の側面部32d、32dの一方に添装される。(3)第二部分41は弾性接触部31における第二面部32cに向けられた側と反対の面部に添装され、かつ、屈曲部41bがこの弾性接触部31の接触端31aの前方に位置される。すなわち、導電部材4の第一部分40の板部40bと連接板部42とは略直角に交わり、第二部分41は連接板部42との間の内隅を鈍角に形成させながらこの連接板部42より斜めに延びだしている。
【0025】
係合部30をもってスペーサ装置Sを第一部材1に取り付けると、第一部分40は弾性板片33共々弾性変形しながら折り返し箇所40cの外面をこの第一部材1に押しつける。これにより、第一部分40は第一部材1に電気的に接続される。
【0026】
このように第一部材1にスペーサ装置Sを取り付けた状態から、第二部材2を前記のように配置すると、弾性接触部31及び第二部分41は共に弾性変形して、弾性接触部31の接触端31aは前記仮想の直線x上に略位置され、第二部分41は第二部材2に押しつけられ電気的に接触される。(図4)かかる接触端31aは前記仮想の直線x上に略位置されることから、弾性接触部31の弾性復帰力もこの仮想の直線xに沿った方向に作用される。これにより、第二部材2の前記配置により第一部材1の取付穴1aに挿入係合された係合部30を傾かせるような力が作用されることはなく、第一部分40は適切且つ安定的に第一部材1に押しつけられ続ける。
【0027】
また、この実施の形態にあっては、前記コア部32と弾性接触部31との間の内隅に形成されたアール状をなす窪み34によって、両者の連接箇所を薄肉にしている。かかる窪み34は前記コア部32と弾性接触部31との間の外隅に向けて窪み34、かつ、窪み34の底をアール状としている。これにより、この実施の形態にあっては、第二部材2の前記配置により弾性接触部31はかかる連接箇所の一部に応力を集中させてしまうことなくこの連接箇所をおおむね中心としてスムースに弾性変形される。
【0028】
また、この実施の形態にあっては、独立した弾性接触部31を二以上備えると共に、導電部材4に各弾性接触部31に対応した第二部分41を形成させている。これにより、第二部材2における第一部材1に向けられた面のうち、導電部材4の第二部分41が接する箇所が前記仮想の直線xに直交する仮想の平面上に位置されない場合であっても、この導電部材4の各第二部分41をそれぞれ第二部材2に適切に電気的に接触させることができるようになっている。
【0029】
また、この実施の形態にあっては、前記スペーサ主体3及び導電部材4のいずれか一方に、これらの他方に形成された被掛合部に両者の組み合わせによって掛合される掛合部を形成させている。この実施の形態にあっては、前記導電部材4の第一部分40の板部40bがスペーサ主体3の弾性板片33における第一面部32aに向けられた面に添装されるように、この板部40bと折り返し箇所40cとの間にこの弾性板片33を差し込みきった位置において、弾性板片33に設けた掛合部としての突起33bが入り込み掛合される被掛合部としての穴40eが導電部材4の第一部分40の前記板部40bに設けられている。これにより、この実施の形態にあっては、スペーサ主体3と導電部材4との組み合わせ状態を安定的に維持できるようになっている。図示の例では、導電部材4の第二部分41の連接板部42との連接箇所と屈曲部41bとの間に弾性接触部31に外側から接する立ち上がり41d片が形成されており、これによってもかかる組み合わせ状態の安定化が図られている。
【0030】
図9に示されるように、導電部材4の第二部分41を、スリット41eにより分割された複数の接点41fから構成させるようにしておいても良い。この例では、第二部分41の屈曲部41bの突きだし端41cから第二部分41の長さ方向に沿って二条のスリット41e、41eが形成されており、これにより第二部分41の屈曲部41b側が三つの接点41f…41fに分割されている。このようにした場合、第二部材2に対する導電部材4の第二部分41の接触安定性をより向上させることができる。
【符号の説明】
【0031】
1 第一部材
1a 取付穴
2 第二部材
3 スペーサ主体
30 係合部
31a 接触端
4 導電部材
40 第一部分
41 第二部分
x 仮想の直線
【技術分野】
【0001】
この発明は、導電性を備えた第一部材と導電性を備えた第二部材との間に介在して、この第一部材と第二部材とを電気的に接続させるために用いられるスペーサ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器や電気機器を構成する回路基板とこれらのシャーシなど、両者を所定の間隔を開けて組み合わせたときにさらにアース取りなどの観点から両者を電気的にも接続させることが求められる場合がある。
【0003】
図10〜図12に示される検討例のように、このような接続が求められる第一部材1に形成された取付穴1aに挿入係合される係合部100を一方側に備えると共に、他方側に前記第一部材1に電気的に接続することが求められる第二部材200に対する弾性接触部200とを有するスペーサ装置を利用すれば、この装置を第一部材1に取り付けた状態から第二部材200を配置することで、両部材を電気的に接続させることができる。図10〜図12中、符号300で示されるのは、導電部材であり、この導電部材300は第二部材200に対しては前記弾性接触部200の接触端201と第二部材200との間に介在して第二部材200の前記配置に伴ってこの第二部材200に電気的に接続される。ここで図10〜図12に示される検討例では、第二部材200の配置時にはかかる弾性接触部200は弾性変形されると共に、その接触端201は前記係合部100の前記挿入中心を通る仮想の直線xの側方に位置されるようになっている。(図11)しかるに、第二部材200の配置時に弾性接触部200の接触端201がこのように位置されると、この弾性接触部200の弾性復帰力は前記仮想の直線xに沿った方向に作用されないため、第一部材1の板厚などによっては図12に示されるようにスペーサ装置に傾きを生じさせることが考えられる。スペーサ装置にこのような傾きが生じると導電部材300と第一部材1との接触状態は不安定なものとなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この発明が解決しようとする主たる問題点は、導電性を備えた第一部材と導電性を備えた第二部材との間に介在して、この第一部材と第二部材とを電気的に接続させるスペーサ装置におけるかかる接続状態を安定化させる点にある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を達成するために、この発明にあっては、スペーサ装置を、導電性を備えた第一部材に形成された取付穴に挿入係合される係合部と、導電性を備えると共にこの第一部材との間に所定の間隔を開けて配置される第二部材に対する弾性接触部とを有するスペーサ主体に、
前記係合部を利用した第一部材への取り付けに伴って第一部材に電気的に接続される第一部分と、前記弾性接触部の接触端と第二部材との間に介在して第二部材の前記配置に伴ってこの第二部材に電気的に接続される第二部分とを、一体に備えた導電部材を組み合わせてなり、
前記弾性接触部の接触端は前記係合部の前記挿入中心を通る仮想の直線の側方に位置されると共に、この弾性接触部及び前記第二部分は第二部材の前記配置に伴って弾性変形して前記接触端が前記仮想の直線上に略位置されるようになっているものとした。
【0006】
第一部材の取付穴に係合部を挿入係合させてこの第一部材にスペーサ装置を取り付けた状態から、第二部材を前記のように配置すると、弾性接触部及び第二部分は共に弾性変形して、弾性接触部の接触端は前記仮想の直線上に略位置され、第二部分は第二部材に押しつけられ電気的に接触される。かかる接触端は前記仮想の直線上に略位置されることから、弾性接触部の弾性復帰力もこの仮想の直線に沿った方向に作用される。これにより、第二部材の前記配置により第一部材の取付穴に挿入係合された係合部を傾かせるような力が作用されることはなく、導電部材の第一部分は適切且つ安定的に第一部材に押しつけられ続ける。
【0007】
前記弾性接触部を、スペーサ主体におけるこの弾性接触部と係合部との間に形成されたコア部に基端を一体に連接させて、このコア部から次第に離れるように斜めに突き出された腕状をなすものとすると共に、コア部と弾性接触部との間の内隅に形成されたアール状をなす窪みによって、両者の連接箇所を薄肉にするようにしておくこともある。このようにした場合、第二部材の前記配置により弾性接触部はかかる連接箇所の一部に応力を集中させてしまうことなくこの連接箇所をおおむね中心としてスムースに弾性変形される。
【0008】
前記弾性接触部を独立して二以上備えさせると共に、導電部材に各弾性接触部に対応した第二部分を形成させるようにしておくこともある。このようにした場合、第二部材における第一部材に向けられた面のうち、導電部材の第二部分が接する箇所が前記仮想の直線に直交する仮想の平面上に位置されない場合であっても、この導電部材の各第二部分をそれぞれ第二部材に適切に電気的に接触させることができる。
【0009】
また、前記スペーサ主体及び導電部材のいずれか一方に、これらの他方に形成された被掛合部に両者の組み合わせによって掛合される掛合部を形成させておくこともある。このようにしておけば、スペーサ主体と導電部材との組み合わせ状態を安定的に維持することができる。
【0010】
また、前記導電部材の第二部分を、スリットにより分割された複数の接点から構成させるようにしておくこともある。このようにした場合、第二部材に対する導電部材の第二部分の接触安定性をより向上させることができる。
【発明の効果】
【0011】
この発明によれば、スペーサ装置による第一部材と導電性を備えた第二部材との電気的接続状態を効果的に安定化させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は実施の形態にかかるスペーサ装置の斜視図である。
【図2】図2は実施の形態にかかるスペーサ装置の斜視図であり、図1と反対の向きからかかるスペーサ装置を見て示している。
【図3】図3は実施の形態にかかるスペーサ装置の側面図である。
【図4】図4は実施の形態にかかるスペーサ装置の使用状態を示した側面図である。
【図5】図5は実施の形態にかかるスペーサ装置を構成するスペーサ主体の斜視図である。
【図6】図6は実施の形態にかかるスペーサ装置を構成するスペーサ主体の側面図である。
【図7】図7は実施の形態にかかるスペーサ装置を構成する導電部材の側面図である。
【図8】図8は実施の形態にかかるスペーサ装置を構成する導電部材の斜視図である。
【図9】図9は実施の形態にかかるスペーサ装置を構成する導電部材の他の構成例を示した要部斜視図である。
【図10】図10は検討例にかかるスペーサ装置の使用状態を示した側面図であり、第二部材の配置前の状態を示している。
【図11】図11は検討例にかかるスペーサ装置の使用状態を示した側面図である。
【図12】図12は検討例にかかるスペーサ装置に傾きが生じた状態を示した側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図1〜図9に基づいて、この発明の典型的な実施の形態について、説明する。この実施の形態にかかるスペーサ装置Sは、導電性を備えた第一部材1と導電性を備えた第二部材2との間に介在して、この第一部材1と第二部材2とを電気的に接続させるために用いられるものである。具体的には、かかるスペーサ装置Sは、スペーサ主体3と導電部材4とを組み合わせて構成されており、第一部材1に取り付けられた状態において導電部材4の第一部分40をこの第一部材1に電気的に接続させ、この後にこの第一部材1との間に所定の間隔を開けて第二部材2を配置したときに導電部材4の第二部分41を第二部材2に弾性的に押しつけてこの第二部材2に電気的に接続させ、これによりスペーサ装置Sを介して第一部材1と第二部材2とを電気的に接続させるようになっている。かかるスペーサ装置Sは、例えば、電子機器や電気機器を構成する第一部材1としての基板と、これらを構成する第二部材2としての金属シャーシとの間に介在されて、両者を電気的に接続するなどの用途に用いられる。(図4)
【0014】
スペーサ主体3は、前記第一部材1に形成された取付穴1aに挿入係合される係合部30と、前記第二部材2に対する弾性接触部31とを有する。この実施の形態にあっては、弾性接触部31と係合部30との間には、コア部32が形成されている。この実施の形態にあっては、スペーサ主体3は、合成樹脂から構成され、導電性を持たない構成となっている。
【0015】
コア部32は、立方体状を呈している。このコア部32の背中合わせの位置にある第一面部32a及び第二面部32cのうちの、第一面部32aに前記係合部30が形成され、第二面部32cに前記弾性接触部31が形成されている。コア部32における残りの四つの側面部32d…32dのうちの、背中合わせの位置にある二つの側面部32d、32dにはそれぞれ、方形の肉抜き穴32eが形成されており、二箇所の肉抜き穴32eによってコア部32内に仕切壁32fが形成されている。
【0016】
前記第一面部32aには、この第一面部32aと肉抜き穴32eが形成されている一方の側面部32dとの間に形成された縁部の長さ方向中程の位置と、この第一面部32aと肉抜き穴32eが形成されている他方の側面部32dとの間に形成された縁部の中程の位置との間に亘ってリブ状台座32bが形成されている。
【0017】
前記係合部30は、このリブ状台座32bの長さ方向中程の位置から前記第一面部32aに直交する向きに突き出す芯部30aと、この芯部30aの左右においてそれぞれこの芯部30aの先端に腕一端を一体に連接させてこの芯部30aの基部側に向けてこの基部に近づくに連れて芯部30aから離れるように斜めに突き出す腕部30bとを備えている。左右の腕部30b、30bの腕他端の芯部30aから最も離れた係合箇所30c間の距離は、前記取付穴1aの径よりもやや大きくなっている。
【0018】
また、この実施の形態にあっては、係合部30と第一面部32aとの間に、前記リブ状台座32bを挟んだ左右においてそれぞれ、弾性板片33が配されている。各弾性板片33は、リブ状台座32bの長さと略等しい板幅を有し、その一辺をリブ状台座32bの側部に一体に連接させてこのリブ状台座32bから側方に向けて突き出すように設けられている。弾性板片33の突きだし先端33aは、係合部30の腕部30bの係合箇所30cよりも第一面部32a側に位置されるが、弾性板片33はその突きだし先端33aに向かうに連れてこの第一面部32aから次第に離れるように前記リブ状台座32bから斜めに突き出されている。そして、この弾性板片33の突きだし先端33aと係合部30の腕部30bの係合箇所30cとの間の間隔が、第一部材1の厚さよりやや小さくなるように構成されている。
【0019】
第一部材1の取付穴1aへの係合部30の挿入は前記左右の腕部30b、30bbの撓み込みにより許容される。腕部30bの係合箇所30cの取付穴1aの通過は弾性板片33の撓み込みにより許容される。腕部30bの係合箇所30cが取付穴1aを通過すると腕部30bは撓み戻し挿入先側の取付穴1aの穴縁に引っかかる。これにより、スペーサ主体3、ひいてはスペーサ装置Sが第一部材1にワンタッチで取り付けられる。
【0020】
前記弾性接触部31は、コア部32の前記第二面部32cと肉抜き穴32eが形成されている二箇所の側面部32d、32dの一方との間に形成された縁部32gに基端を一体に連接させて、このコア部32から次第に離れるように斜めに突き出された腕状をなすように構成されている。この実施の形態にあっては、スペーサ主体3は、独立した弾性接触部31を二つ備えている。各弾性接触部31は前記縁部32gのうち、コア部32の第二面部32cの隅部となる箇所にそれぞれその基端を一体に連接させており、二つの弾性接触部31の間には間隔が形成されている。
【0021】
また、各弾性接触部31の突きだし端、すなわち、接触端31aは前記掛合部の前記挿入中心を通る仮想の直線xの側方に位置されるようになっている。具体的には、各弾性接触部31の接触端31aは前記係合部30の芯部30aの軸中心を通る仮想の直線xよりも前記縁部32g側に位置されるようになっている。(図3)
【0022】
一方、導電部材4は、前記係合部30を利用した第一部材1への取り付けに伴って第一部材1に電気的に接続される第一部分40と、前記弾性接触部31の接触端31aと第二部材2との間に介在して第二部材2の前記配置に伴ってこの第二部材2に電気的に接続される第二部分41とを、一体に備えてなる。この実施の形態にあっては、導電部材4は、導電性を備えた金属板を成形して構成されている。
【0023】
第一部分40は、金属板を、中央に前記リブ状台座32bを通す割り欠き部40aを形成させて左右に分岐させると共に、分岐されて割り欠き部40aの左側に位置される板部40bの左側の端末と、分岐されて割り欠き部40aの右側に位置される板部40bの右側の端末とをそれぞれ割り欠き部40a側に向けて折り返して、この板部40bの一面と折り返し箇所40cとの間に弾性板片33の突きだし先端側が納まる隙間40dを形成させてなる。また、第二部分41は、弾性接触部31と略等しい幅を備えた帯状板部40bの端末に屈曲部41bを形成させてなる。第一部分40と第二部分41の間には、連接板部42が形成されている。
【0024】
そして、この実施の形態にあっては、導電部材4はスペーサ主体3に次のように組み合わされている。(1)第一部分40の板部40bが弾性板片33における第一面部32aに向けられた面に添装されるように、この板部40bと折り返し箇所40cとの間に弾性板片33が挟み込み状に入れ込まれる。(2)連接板部42はコア部32の肉抜き穴32eが形成されている二箇所の側面部32d、32dの一方に添装される。(3)第二部分41は弾性接触部31における第二面部32cに向けられた側と反対の面部に添装され、かつ、屈曲部41bがこの弾性接触部31の接触端31aの前方に位置される。すなわち、導電部材4の第一部分40の板部40bと連接板部42とは略直角に交わり、第二部分41は連接板部42との間の内隅を鈍角に形成させながらこの連接板部42より斜めに延びだしている。
【0025】
係合部30をもってスペーサ装置Sを第一部材1に取り付けると、第一部分40は弾性板片33共々弾性変形しながら折り返し箇所40cの外面をこの第一部材1に押しつける。これにより、第一部分40は第一部材1に電気的に接続される。
【0026】
このように第一部材1にスペーサ装置Sを取り付けた状態から、第二部材2を前記のように配置すると、弾性接触部31及び第二部分41は共に弾性変形して、弾性接触部31の接触端31aは前記仮想の直線x上に略位置され、第二部分41は第二部材2に押しつけられ電気的に接触される。(図4)かかる接触端31aは前記仮想の直線x上に略位置されることから、弾性接触部31の弾性復帰力もこの仮想の直線xに沿った方向に作用される。これにより、第二部材2の前記配置により第一部材1の取付穴1aに挿入係合された係合部30を傾かせるような力が作用されることはなく、第一部分40は適切且つ安定的に第一部材1に押しつけられ続ける。
【0027】
また、この実施の形態にあっては、前記コア部32と弾性接触部31との間の内隅に形成されたアール状をなす窪み34によって、両者の連接箇所を薄肉にしている。かかる窪み34は前記コア部32と弾性接触部31との間の外隅に向けて窪み34、かつ、窪み34の底をアール状としている。これにより、この実施の形態にあっては、第二部材2の前記配置により弾性接触部31はかかる連接箇所の一部に応力を集中させてしまうことなくこの連接箇所をおおむね中心としてスムースに弾性変形される。
【0028】
また、この実施の形態にあっては、独立した弾性接触部31を二以上備えると共に、導電部材4に各弾性接触部31に対応した第二部分41を形成させている。これにより、第二部材2における第一部材1に向けられた面のうち、導電部材4の第二部分41が接する箇所が前記仮想の直線xに直交する仮想の平面上に位置されない場合であっても、この導電部材4の各第二部分41をそれぞれ第二部材2に適切に電気的に接触させることができるようになっている。
【0029】
また、この実施の形態にあっては、前記スペーサ主体3及び導電部材4のいずれか一方に、これらの他方に形成された被掛合部に両者の組み合わせによって掛合される掛合部を形成させている。この実施の形態にあっては、前記導電部材4の第一部分40の板部40bがスペーサ主体3の弾性板片33における第一面部32aに向けられた面に添装されるように、この板部40bと折り返し箇所40cとの間にこの弾性板片33を差し込みきった位置において、弾性板片33に設けた掛合部としての突起33bが入り込み掛合される被掛合部としての穴40eが導電部材4の第一部分40の前記板部40bに設けられている。これにより、この実施の形態にあっては、スペーサ主体3と導電部材4との組み合わせ状態を安定的に維持できるようになっている。図示の例では、導電部材4の第二部分41の連接板部42との連接箇所と屈曲部41bとの間に弾性接触部31に外側から接する立ち上がり41d片が形成されており、これによってもかかる組み合わせ状態の安定化が図られている。
【0030】
図9に示されるように、導電部材4の第二部分41を、スリット41eにより分割された複数の接点41fから構成させるようにしておいても良い。この例では、第二部分41の屈曲部41bの突きだし端41cから第二部分41の長さ方向に沿って二条のスリット41e、41eが形成されており、これにより第二部分41の屈曲部41b側が三つの接点41f…41fに分割されている。このようにした場合、第二部材2に対する導電部材4の第二部分41の接触安定性をより向上させることができる。
【符号の説明】
【0031】
1 第一部材
1a 取付穴
2 第二部材
3 スペーサ主体
30 係合部
31a 接触端
4 導電部材
40 第一部分
41 第二部分
x 仮想の直線
【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性を備えた第一部材に形成された取付穴に挿入係合される係合部と、導電性を備えると共にこの第一部材との間に所定の間隔を開けて配置される第二部材に対する弾性接触部とを有するスペーサ主体に、
前記係合部を利用した第一部材への取り付けに伴って第一部材に電気的に接続される第一部分と、前記弾性接触部の接触端と第二部材との間に介在して第二部材の前記配置に伴ってこの第二部材に電気的に接続される第二部分とを、一体に備えた導電部材を組み合わせてなり、
前記弾性接触部の接触端は前記係合部の前記挿入中心を通る仮想の直線の側方に位置されると共に、この弾性接触部及び前記第二部分は第二部材の前記配置に伴って弾性変形して前記接触端が前記仮想の直線上に略位置されるようになっていることを特徴とするスペーサ装置。
【請求項2】
弾性接触部は、スペーサ主体におけるこの弾性接触部と係合部との間に形成されたコア部に基端を一体に連接させて、このコア部から次第に離れるように斜めに突き出された腕状をなすと共に、
コア部と弾性接触部との間の内隅に形成されたアール状をなす窪みによって、両者の連接箇所を薄肉にしていることを特徴とする請求項1に記載のスペーサ装置。
【請求項3】
独立した弾性接触部を二以上備えると共に、導電部材に各弾性接触部に対応した第二部分を形成させてなることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のスペーサ装置。
【請求項4】
スペーサ主体及び導電部材のいずれか一方に、これらの他方に形成された被掛合部に両者の組み合わせによって掛合される掛合部を形成させてなることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のスペーサ装置。
【請求項5】
導電部材の第二部分が、スリットにより分割された複数の接点から構成されていることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のスペーサ装置。
【請求項1】
導電性を備えた第一部材に形成された取付穴に挿入係合される係合部と、導電性を備えると共にこの第一部材との間に所定の間隔を開けて配置される第二部材に対する弾性接触部とを有するスペーサ主体に、
前記係合部を利用した第一部材への取り付けに伴って第一部材に電気的に接続される第一部分と、前記弾性接触部の接触端と第二部材との間に介在して第二部材の前記配置に伴ってこの第二部材に電気的に接続される第二部分とを、一体に備えた導電部材を組み合わせてなり、
前記弾性接触部の接触端は前記係合部の前記挿入中心を通る仮想の直線の側方に位置されると共に、この弾性接触部及び前記第二部分は第二部材の前記配置に伴って弾性変形して前記接触端が前記仮想の直線上に略位置されるようになっていることを特徴とするスペーサ装置。
【請求項2】
弾性接触部は、スペーサ主体におけるこの弾性接触部と係合部との間に形成されたコア部に基端を一体に連接させて、このコア部から次第に離れるように斜めに突き出された腕状をなすと共に、
コア部と弾性接触部との間の内隅に形成されたアール状をなす窪みによって、両者の連接箇所を薄肉にしていることを特徴とする請求項1に記載のスペーサ装置。
【請求項3】
独立した弾性接触部を二以上備えると共に、導電部材に各弾性接触部に対応した第二部分を形成させてなることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のスペーサ装置。
【請求項4】
スペーサ主体及び導電部材のいずれか一方に、これらの他方に形成された被掛合部に両者の組み合わせによって掛合される掛合部を形成させてなることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のスペーサ装置。
【請求項5】
導電部材の第二部分が、スリットにより分割された複数の接点から構成されていることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のスペーサ装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−104600(P2012−104600A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−251006(P2010−251006)
【出願日】平成22年11月9日(2010.11.9)
【出願人】(000135209)株式会社ニフコ (972)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年11月9日(2010.11.9)
【出願人】(000135209)株式会社ニフコ (972)
【Fターム(参考)】
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