説明

スポットライト用の保持ブラケット

【課題】スペースをとらない方法で取り付けられ、極めて大きなスポットライトに適する、種々の照射出力、したがって種々の寸法のスポットライトハウジングのスポットライト用の保持ブラケットを提供する。
【解決手段】本発明の保持ブラケット(2)は、スポットライト(1)のハウジングを位置調整するために保持ブラケット(2)の端部に配置されているブラケット軸受(6,7)と、保持ブラケット(2)を支持装置に接続するための中央の支持軸受とを備えた、スポットライト用の保持ブラケットであって、前記ブラケット軸受(6、7)が調整可能であることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前文による、スポットライト用の保持ブラケットに関する。
【背景技術】
【0002】
特にスタジオ、テレビジョン、劇場、イベントのスポットライトなど、照射目的用のスポットライトを、懸架装置用のリグ(rig)に、またはスポットライトの起立装置用の支持ラックまたは架台に接続するために、スポットライトハウジングをリグの横材に、または架台や基台に接続し、垂直方向軸を中心にスポットライトを回転させるための回転軸と、水平軸を中心としてスポットライトを回動させるためのピボット軸とを有する保持ブラケットが、知られている。特に、重いスポットライトを位置調整する場合、保持ブラケットは、モータによって移動することが可能である、すなわち、回転軸およびピボット軸を中心としてモータによって調整されることが可能であり、さらに、たとえばスタジオの天井またはリグにあるスポットライトを懸架するために遠隔制御されることが可能であるので、スポットライトの位置合わせのそれぞれの設定が、スポットライトのところにいる人によって、実行されることもできる。特に、スポットライトが制御位置からある距離のところに配置されるようにスポットライトを取り付けるために、保持ブラケットが焦点調整駆動装置にさらに接続される。この焦点調整駆動装置は、スポットライトハウジングに取り付けられ、小さな中央に置かれた照射領域のためのスポット(SPOT)から、大きな照射領域のためのフラッド(FLOOD)まで、スポットライトの所望の焦点幅を設定する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
保持ブラケット、すなわち、モータによって移動し、モータブラケットと呼ばれている遠隔制御が可能な保持ブラケットは、ブラケット状のハウジングを備えており、スポットライトハウジングに接続するために特定のスポットライトに適合するそのブラケット軸受が、互いから所定の距離があるので、ブラケット軸受から支持装置までのブラケットアームの長さがそれぞれのスポットライトに合わされている。したがって、種々の寸法および照射出力のスポットライトを位置調整するために、対応する多数の保持ブラケットまたはモータブラケットを提供することが必要となり、このことは、モータまたは保持ブラケットを格納するための大きな空間が必要となることを意味するだけでなく、大きな投資コストが必要となることも意味する。
【0004】
本発明の目的は、まずスペースをとらない方法で取り付けられ、次に極めて大きなスポットライトに適する、種々の照射出力およびしたがって種々の寸法のスポットライトハウジングのスポットライト用の保持ブラケットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本目的は、本発明にしたがって請求項1の特徴によって達成される。
【0006】
本発明による解決手段は、大きな照射出力領域のスポットライト用の、したがって、必要な投資コストが最小ですむ、種々の寸法のスポットライトハウジングを備えたスポットライト用の保持ブラケットを提供するものであり、まず専用の入庫および収納のための必要な空間が最小であることと、次に、極めて大きなスポットライトにも適合可能であるということを特徴とする。
【0007】
好ましくは、ブラケット軸受が、自動調心式で調節されることが可能であるので、スポットライトを位置調整するときに重心の移動がなく、このことは、直ぐに静止することが困難な大型で重いスポットライトの場合には特にかなり重要となる。さらにまた、この自動調心の結果として、保持ブラケットによって位置調整されるさまざまなスポットライトの光軸が維持される。
【0008】
特に、ブラケット軸受の互いからの距離および支持軸受からのブラケット軸受の距離の両方が調整可能であるので、種々のスポットライトハウジングに全方向に合わせることができる。
【0009】
好ましい一実施形態において、ブラケット軸受が、スポットライトの傾斜角を設定するために、ピボット軸を中心として回動することができる一方で、垂直方向の回転軸を中心としてスポットライトを回転させるために、支持軸受が支持装置と回転可能に接続される。その結果、スポットライトの位置を変更することなく、さまざまな領域を照射することができる。
【0010】
好ましくは、保持ブラケットが、横材と、横材に接続され、その端部分にブラケット軸受が配置されているブラケットアームとを固定接続された(rigid in terms of connections)フレーム構造物を備える。
【0011】
保持ブラケットのこの構成によって、特に、さらなる本発明の特徴に従って、横材およびブラケットアームが相互に調整可能なロッドまたはチューブを備える場合に、標準化された構成部品を使用して、簡潔に製造し組み合わせることができるようになる。
【0012】
ブラケット軸受の互いからの距離を設定するために、横材およびブラケットアームが、調整可能な結合要素を介して互いに接続される。
【0013】
本発明のさらなる特徴によると、横材が、側方フランジを介して接続されているクロスチューブを備えた矩形のフレームを備える一方で、ブラケットアームが、L字状になるように設計され、横材の側方フランジの両端間の距離によって互いに対して間隔を置いて配置されており、クロスアームを介して互いに接続されている、水平方向のアームおよび垂直方向のアームを有する。この水平方向のアームは、結合要素と接続されており、垂直方向のアームはブラケット軸受と接続されている。
【0014】
好ましくは、簡潔な方法でブラケット軸受の互いからの距離を設定するために、結合要素が、横材のクロスチューブに沿って調整可能であり、横材に接続されている駆動装置によって同期して調整可能である。
【0015】
本発明によるこの解決手段の構成によって、ブラケット軸受を自動調心調節することができ、したがって、保持ブラケットのスポットライトの重心に対して最適に取付けすることができる。
【0016】
一実施形態において、前記駆動装置が、駆動モータを備えたスピンドル駆動装置、少なくとも1つのスピンドル、および、結合要素と接続され、少なくとも1つのスピンドルが係合するスピンドルナットを備える。
【0017】
あるいは、1つのスピンドルが設けられてもよい。この1つのスピンドルは、結合要素に接続されているスピンドルナットに係合する互いに反対回りのねじを備えた、駆動モータに接続されており、一方に左回りのねじ、および他方に右回りのねじを備えている。あるいは、駆動モータと接続され、そのねじがスピンドルナットに係合されている2つのスピンドルが配置されており、スピンドルナットは、結合要素に接続されている。
【0018】
スピンドルを安全に取付けるために、スピンドルは横材のフランジに支持される。
【0019】
保持ブラケットの操作を特にその遠隔制御のため最適化するために、保持ブラケットを支持装置に接続するためのアダプタと、スピンドル駆動装置の駆動モータおよび垂直方向の回転軸を中心として保持ブラケットを回転させるための駆動モータと、保持ブラケットの回転角度を検出するための第1のセンサと、保持ブラケットの回転角度を検出するための第1のセンサ、設定値エンコーダ、および前記駆動モータに接続される制御装置とを有する、アダプタ駆動制御モジュールが横材に接続されている。
【0020】
アダプタおよびフランジプレートが、さらに保持ブラケットを懸架する操作のための安全懸架装置に接続されてもよい。
【0021】
ブラケット軸受の互いからの距離を設定するために、スポットライトハウジングのデータの記憶値を呼び出することが可能であり、ブラケット軸受間の距離および/またはブラケット軸受とスポットライトハウジングとの間の接触圧を、第2のセンサを用いて検出することができる。
【0022】
保持ブラケットを簡潔で迅速な方法でスポットライトに接続するために、特にスポットライトを速やかに交換するために、ブラケット軸受には、スポットライトハウジングを位置調整し、ピボット軸を中心としてスポットライトの傾斜角を設定するために、ブラケット軸受に接続されている、アダプタまたはフランジプレートを回転させるためのピボット駆動装置を有しており、アダプタまたはフランジプレートは、急動作用で固締する装置を備えていることが好ましい。
【0023】
回転軸はまた、たとえば、スタジオピン(studio pins)や管状クランプ等の標準的な固締要素に、または、いわゆる「ミッチェルアダプタ(Mitchell adapters)」等の特別なアダプタにフランジ結合されることのできるアダプタプレートに接続されてもよい。
【0024】
制御を最適化するために、ピボット駆動装置が、アダプタ駆動制御モジュールの制御装置に接続される。
【0025】
支持軸受からのブラケット軸受の距離を設定するために、代替としてブラケット軸受および横材に接続されているスピンドルまたは入れ子式の駆動装置によって、ブラケット軸受とブラケットアームの垂直方向のアームと間の接続を変化させることが可能である。このスピンドルまたは入れ子式の駆動装置は、ブラケットアームと横材に接続される。またはブラケットアームにブラケット軸受を可変の関節ピン接合によって、たとえばブラケットアームのドリル孔およびピン、プラグインスリーブなどによって互の距離差をなくすことができる。
【0026】
駆動装置のうちの1つを作動させるときに、スポットライトの破損や人の負傷から守るために、駆動装置が摩擦継手を介してそれぞれのアダプタまたはフランジに少なくとも部分的に接続される。
【0027】
本発明の有利な構成の1つは、保持ブラケットのうちの少なくともいくつかの機能を駆動するための遠隔制御部を有することを特徴とする。この遠隔制御部は、特にDMXインターフェイスを介して、またはワイヤレスで、保持ブラケットの制御装置に接続される。
【0028】
特に保持ブラケットをリグまたは横材に接続する場合、好ましくは、保持ブラケットの機能のすべてが、目的のために必要とされているスポットライトの位置で複雑な制御をせずに、遠隔制御によって遠隔位置から設定、または記憶することができ、そして呼び出すことができる。
【0029】
特に、モータによって調整されることのできる保持ブラケットを遠隔制御する場合と同様に、照射領域を設定することを可能にするために、本発明のさらなる特徴に従ってアダプタ駆動制御モジュールが、スポットライトの光の出射角を調整するための焦点調節駆動装置に接続される。この焦点調節駆動装置は、スポットライトハウジングにフランジ結合されることのできる焦点調節伝送ハウジングに配置され、制御および電力供給ラインを介してアダプタ駆動制御モジュールに接続される。
【0030】
スポットライトの最大回動範囲を設定するために、制御モジュールはプログラム可能であり、プログラム制御式閉止制限装置が備えられている。好ましくは、スポットライトの回動速度が連続的に調節可能であり、アダプタ駆動制御モジュールの制御装置が、保持ブラケットの駆動装置のうちの少なくとも1つの開始および制動の応答を調節するためのPID制御装置を有する。
【0031】
垂直方向の回転軸および水平方向のピボット軸を回転角度エンコーダに結合することによって、さらに、位置信号を、アダプタ駆動制御モジュールの制御装置に発信することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
本発明が基礎としている本発明の特徴および概念を、図示されている例示的実施形態を参照しつつ、より詳細に説明する。
【0033】
図1から図7において、本発明による保持ブラケットの個々の機能的部品には、それぞれ対応する符号が付けられているので、機能要素の記載が個々の図の説明にない場合には、他の図の説明でのこの部品の意味および機能を参照のこと。
【0034】
図1は、スポットライト1を示しており、水平方向のピボット軸12を中心として傾斜しており、懸架装置のフレーム状の保持ブラケット2に接続されている。保持ブラケット2は、垂直方向の回転軸11を介して支持装置に、たとえばスポットライト1の懸架装置のためのリグの横材3に、接続されることができ、垂直方向の回転軸11を中心として回転することができるので、スポットライト1が、その傾斜角および回転角度の両方に関して、種々の照射領域に位置合わせされることができる。回転角度エンコーダが、垂直方向の回転軸11および水平方向のピボット軸12に結合されているか、または一体化されている結果、スポットライト1の回転角度および傾斜角のそれぞれの位置信号が、実際の値として、アダプタ駆動制御モジュール10の制御装置に発信される。
【0035】
さらに、スポットライト1の焦点軸が、図2に示されているような焦点調整駆動装置8に接続されることができ、この装置を介して、スポットライト1の光の出射角を設定することができる。
【0036】
固定接続されている保持ブラケット2のフレーム構造物は、矩形のフレームの形をした横材3と、横材3からほぼ直角で突出しており、横材3の反対側の端部にブラケット軸受6、7が配置されている2つのブラケットアーム4、5とを備え、このブラケット軸受は、ピボット軸12を形成し、適した方法で、かつ、おそらくスポットライトハウジングの長手方向に調整可能となるように、スポットライト1のハウジングに接続されている。横材3は、アダプタ駆動制御モジュール10に接続され、このモジュール10は、アダプタフランジと、さらなる安全懸架装置18とを位置調整するために垂直方向の回転軸11に接続されている。たとえば、スタジオピン、管状クランプ等の標準的な固締要素、または、いわゆる「ミッチェルアダプタ」等の特別なアダプタが、垂直方向の回転軸11のアダプタフランジにフランジ結合されることができる。
【0037】
種々の照射出力の、したがって一般に種々のハウジングの大きさのスポットライト1に保持ブラケット2を適合させるために、ブラケット軸受6、7の相対する距離が、スピンドル駆動装置9によって調整可能である。このスピンドル駆動装置9は、図2から図4を参照して後述するが、横材3の長手方向の長さに関して、ブラケットアーム4、5を調整するものである。
【0038】
図2は、懸架されたスポットライト1がなく、リグまたは架台または基台の形をした支持装置に保持ブラケット2を接続するためのアダプタおよびフランジプレート13と、スポットライトの傾斜角を設定のためにピボット軸12に接続されている、ブラケット軸受6、7のアダプタおよびフランジプレート14とを備えている、保持ブラケット2の等角図である。ブラケット軸受6、7のアダプタおよびフランジプレート14は、制御および電力供給ライン15、16を介してアダプタ駆動制御モジュール10に接続され、このアダプタプレート14を回転させるためのピボット駆動装置(これ以上より詳細には図示されていない)に接続されている。このアダプタ駆動制御モジュール10は、空中伝播で保持ブラケット2のさまざまな機能を設定するために遠隔制御手段と接続されている中央制御装置を含み、この遠隔制御手段はDMXインターフェイスを介して、または、ワイヤレスで、保持ブラケット2の制御装置に接続されており、また、特に、保持ブラケット2がリグまたは横材3に接続される場合に、接近することが多くの場合困難であり、この目的を達成するために必要とされているスポットライト1のある位置で複雑な制御をすることなく、遠隔位置から保持ブラケット2の機能の記憶データを設定するか、または呼び出すことができる。
【0039】
クリップまたはヒンジ式の閉止部または差込み型の閉止部とともにスポットライト1をフランジ結合するか、上にクリップ留めすることによって、ブラケット軸受6、7のアダプタプレート14にスポットライト1を接続するので、必要な場合にはスポットライト1の迅速な交換ができる。
【0040】
図2はまた、制御および電力供給ライン17を介してスポットライトハウジングに取り付けることのできる焦点調節駆動装置8への、アダプタ駆動制御モジュール10の接続を示している。
【0041】
保持ブラケット2の横材3は、フレーム構造物の図3の平面図に示しており、それらの端側でフランジ33、34を介して互いに接続されているクロスチューブ31、32(図4)を備える。クロスチューブ31、32は、軸受35、36、37、38を介して、アダプタ駆動制御モジュール10に接続されており、接続フランジ94、95を介して互いに接続されているスピンドル駆動装置9の結合要素90から93を支持して取り付けるために使用される。スピンドル駆動装置9(図1)は、アダプタ駆動制御モジュール10に配置され、スピンドルナット98、99に係合している2つのスピンドル96、97を駆動する、スピンドル駆動モータを有し、スピンドルナット98、99は、接続フランジ94、95に接続されている。スピンドル96、97は、横材3のフランジ33、34に支持されている。
【0042】
したがって、結合要素90から93は、スピンドル駆動モータによってスピンドル96、97が回転する場合に、横材3の長手方向に移動し、それゆえに、重心を自動調心しながらブラケット軸受6、7を調整することになるので、種々のハウジング大きさを有し、したがって一般に種々の照射出力を有するスポットライトが、垂直方向の回転軸11に関して重心が移動することなく、保持ブラケット2によって位置調整される。
【0043】
図4で示されているフレーム構造物のブラケットアーム4、5は、平行な垂直方向のアーム41、42および51、52と、それに直角で位置合わせされている水平アーム43、44および53、54と、カラー(記号で示さず)を介して互いに接続され、結果としてブラケットアーム4、5がL字状になるクロスアーム45および55とを備える。垂直方向のアーム41、42および51、52の端部は、ブラケットフランジ46、47および56、57を介して、ブラケット軸受6、7に接続されている。
【0044】
ブラケット軸受6、7間の距離をスピンドル駆動装置9を用いて設定することに加えて、ブラケット軸受6、7の横材3からの距離を設定することができ、この設定は、様々な方法で実現することが可能である。
【0045】
図5から図7は、ブラケット軸受6、7の長さを設定するための例示的な実施形態を示している。図5に概略斜視図で示されている例示的実施形態において、長さの設定部は、ブラケットフランジ46、47および56、57と垂直方向のアーム41、42および51、52との両方を通ってドリル孔21を用いて所定の位置にプラグを差し込むことができ、したがって、横材3からブラケット軸受6、7のスポットライトハウジングに位置調整するために必要であるか所望の距離を設定することのできる、ピン20を備える。
【0046】
図6に示されている実施形態において、設定部は、ブラケットアームの垂直方向アーム41、42および51、52に、設けられた切欠き部で使用することができ、かつ、たとえばブラケット軸受6、7のブラケットフランジ46、47および56、57で支持される、プラグ型のスリーブ22を備える。
【0047】
この変形例として、および、ブラケット軸受6、7の互いからの距離を設定するためのスピンドル駆動装置9に対応するものとして、スピンドル駆動装置25(図7)がブラケット軸受6、7に、またはブラケットフランジ46、47および56、57に、設けられたり接続されたりしてもよい。
【0048】
ブラケット軸受6、7の互いからの距離を選択するために、第1の実施形態においては、種々のスポットライトのタイプに応じたプログラムされた距離の数値の選択が行われ、遠隔制御手段によって入力される。スピンドル駆動装置9を作動させることによって、ブラケットアーム4、5が入力距離に設定され、その過程で、重心の自動調心が行われる。
【0049】
変形例として、または、追加で、ブラケット軸受6、7の距離の遠隔制御を指示することができるので、スポットライトハウジングの所要の知られている大きさに対応する設定を行うことができる。制御装置はプログラム可能であるので、設定値を記憶することができ、識別により、更新された距離の設定を直接に読み出すことができる。
【0050】
ピボット軸12を中心としてスポットライト1を任意選択的に回動させることによって、スポットライト1の傾斜角を設定することは、プログラムされた設定値によって、または、遠隔制御を用いて直接的な実際の値の入力によって行われる。好ましくは、最大回動範囲は、例えば回動範囲が近づけて確認される限界によってプログラムされるので、続いて傾斜角の設定を直接入力する場合には、最大回動範囲を超えることはない。同時に、対応する設定範囲の拡大によって限界を入力する場合に、感度設定が可能となる。
【0051】
好ましくは、スポットライト1の傾斜角の設定がアダプタ駆動制御モジュール10の制御装置に設けられているPID制御によって実行される場合に、回動速度は、連続的に調節可能であり、穏やかに開始されかつ制動される。さらに、開始または制動の応答の特徴は、オペレータの個々の要件に適合することができる。さらなる安全対策として、照射対象との衝突によって生じるスポットライ1の破損や、スポットライト1を回動するときに最大トルクを制限することによって人への危険を回避するために、ピボット式駆動装置は、外側から設定することのできる摩擦継手を備えている。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】回転軸、ピボット軸および焦点調節軸を備えた、モータを用いて移動する遠隔制御可能な保持ブラケットに接続されている、スポットライトの斜視図である。
【図2】横材のためのアダプタプレートと、スポットライトハウジングを位置調整するためのアダプタおよびフランジのプレートとを備えた、図1に示されている保持ブラケットの斜視図である。
【図3】図2に示されている保持ブラケットの平面図である。
【図4】保持ブラケットフレームの斜視図である。
【図5】ブラケット軸受の接合を設定するための第1の装置の概略斜視図である。
【図6】ブラケット軸受の接合のための第2の装置の概略斜視図である。
【図7】ブラケット軸受の接合を調整するためのスピンドル駆動装置の概略部分斜視図である。
【符号の説明】
【0053】
1 スポットライト
2 保持ブラケット
3 横材
4,5 ブラケットアーム
6,7 ブラケット軸受
8 焦点調節駆動装置
9 スピンドル駆動装置
10 アダプタ駆動制御モジュール
11 垂直方向の回転軸
12 水平方向のピボット軸
13 アダプタおよびフランジプレート
14 アダプタおよびフランジプレート
15,16 制御および電力供給ライン
17 制御および電力供給ライン
18 安全懸架装置
20 ピン
21 ドリル孔
22 プラグ型スリーブ
25 スピンドル駆動装置
31,32 クロスチューブ
33,34 フランジ
35−38 軸受
41,42,51,52 垂直方向アーム
43,44,53,54 水平方向アーム
45,55 クロスアーム
46,47,56,57 ブラケットフランジ
90〜93 結合要素
94,95 接続フランジ
96,97 スピンドル
98−99 スピンドルナット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スポットライトのハウジングを位置調整するために自身の端部に配置されているブラケット軸受と、
自身を支持装置に接続するための中央の支持軸受とを備えたスポットライト用の保持ブラケットであって、
前記ブラケット軸受(6、7)が調整可能であることを特徴とするスポットライト用の保持ブラケット。
【請求項2】
請求項1において、
前記ブラケット軸受(6、7)の互いからの距離が調整可能であることを特徴とする保持ブラケット。
【請求項3】
請求項1または2において、
前記ブラケット軸受(6、7)が自動調心式で調整可能であることを特徴とする保持ブラケット。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項において、
前記ブラケット軸受(6、7)の前記支持軸受(13)からの距離が調整可能であることを特徴とする保持ブラケット。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項において、
前記ブラケット軸受(6、7)が、前記スポットライト(1)の傾斜角を設定するために、水平方向のピボット軸(12)を中心として回動することが可能であることを特徴とする保持ブラケット。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項において、
前記支持軸受(3、10)が垂直方向の回転軸(11)を中心として前記スポットライト(1)を回転させるために、前記支持装置に回転可能に接続されていることを特徴とする保持ブラケット。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項において、
横材(3)と、前記横材(3)に接続され、その端部分に前記ブラケット軸受(6、7)が配置されているブラケットアーム(4、5)とを固定接続されたフレーム構造物を備えることを特徴とする保持ブラケット。
【請求項8】
請求項7において、
前記横材(3)および前記ブラケットアーム(4、5)が、相互に調整可能なロッドまたはチューブを備えることを特徴とする、保持ブラケット。
【請求項9】
請求項7または8において、
前記横材(3)および前記ブラケットアーム(4、5)が、調整可能な結合要素(90〜93)を介して互いに接続されていることを特徴とする、保持ブラケット。
【請求項10】
請求項9において、
前記横材(3)が、側方フランジ(33、34)を介して接続されているクロスチューブ(31、32)を備えた矩形のフレームを備え、
前記ブラケットアーム(4、5)が、L字状になるように設計され、前記横材(3)の前記側方フランジ(33、34)の両端間の距離によって互いに対して間隔を置いて配置されており、クロスアーム(45、55)を介して互いに接続されている、水平方向のアームおよび垂直方向のアーム(41−44;51−54)を有し、
前記水平方向のアーム(43、44;53、54)が前記結合要素(90〜93)と接続されており、前記垂直方向のアーム(41、42;51、52)が前記ブラケット軸受(6、7)と接続されていることを特徴とする保持ブラケット。
【請求項11】
請求項10において、
前記結合要素(90〜93)が、前記横材(3)の前記クロスチューブ(31、32)に沿って調整可能であることを特徴とする保持ブラケット。
【請求項12】
請求項11において、
前記結合要素(90〜93)が、前記横材(3)に接続されている駆動装置(9)によって同期して調整可能であることを特徴とする保持ブラケット。
【請求項13】
請求項12において、
前記駆動装置が、駆動モータを備えたスピンドル駆動装置(9)、少なくとも1つのスピンドル(96、97)、および、前記結合要素(90〜93)に接続され、前記少なくとも1つのスピンドル(96、97)が係合するスピンドルナット(98、99)を備えることを特徴とする保持ブラケット。
【請求項14】
請求項13において、
前記結合要素(90〜93)に接続されているスピンドルナットに係合する互いに反対周りのねじを備え、一方に左回りのねじ、および他方に右回りのねじを備えた、前記駆動モータに接続されている1つのスピンドルを有することを特徴とする保持ブラケット。
【請求項15】
請求項13において、
前記駆動モータに接続され、そのねじが前記結合要素(90〜93)に接続されているスピンドルナット(98、99)に係合する2つのスピンドル(96、97)を有すること特徴とする、保持ブラケット。
【請求項16】
請求項13〜15のいずれか一項において、
前記少なくとも1つのスピンドル(96、97)が、前記横材(3)の前記フランジ(33、34)に支持されていることを特徴とする保持ブラケット。
【請求項17】
請求項1〜16のいずれか一項において、
自身(2)を前記支持装置に接続するためのアダプタおよびフランジプレート(13)と、
前記スピンドル駆動装置(9)の前記駆動モータおよび前記垂直方向の回転軸(11)を中心として前記保持ブラケット(2)を回転させるための駆動モータと、自身(2)の前記回転角度を検出するための第1のセンサと、
前記第1のセンサ、設定値エンコーダ、および前記駆動モータに接続される制御装置とを備えた、前記横材(3)に接続されている、アダプタ駆動制御モジュール(10)を有することを特徴とする保持ブラケット。
【請求項18】
請求項17において、
前記ブラケット軸受(6、7)間の距離が、スポットライトハウジングのデータの記憶値を呼び出すことによって設定可能であることを特徴とする保持ブラケット。
【請求項19】
請求項17または18において、
前記ブラケット軸受(6、7)間の距離および/または前記ブラケット軸受(6、7)と前記スポットライトハウジングとの間の接触圧を検出するための第2のセンサを有することを特徴とする保持ブラケット。
【請求項20】
請求項1〜19のいずれか一項において、
前記ブラケット軸受(6、7)が、前記スポットライトハウジングを位置調整し、前記ピボット軸(12)を中心として前記スポットライト(1)の傾斜角を設定するために、前記ブラケット軸受(6、7)に接続されている、アダプタまたはフランジプレート(14)を回転させるためのピボット駆動装置を有することを特徴とする、保持ブラケット。
【請求項21】
請求項20において、
前記アダプタまたはフランジプレート(14)が、急動作用で固締する装置を有することを特徴とする保持ブラケット。
【請求項22】
請求項20または21において、
前記ピボット駆動装置が、前記アダプタ駆動制御モジュール(10)の制御装置に接続されていることを特徴とする保持ブラケット。
【請求項23】
請求項1〜22のいずれか一項において、
前記ブラケット軸受(6、7)の前記横材(3)からの距離が設定可能であることを特徴とする保持ブラケット。
【請求項24】
請求項23において、
前記ブラケット軸受(6、7)と前記ブラケットアーム(4、5)の前記垂直方向のアーム(41、42;51、52)と間の接続を変化させることが可能であることを特徴とする保持ブラケット。
【請求項25】
請求項23において、
前記ブラケット軸受(6、7)および前記横材(3)に接続されているスピンドルまたは入れ子式の駆動装置を特徴とする保持ブラケット。
【請求項26】
請求項1〜25のいずれか一項において、
前記駆動装置が摩擦継手を介して前記それぞれのアダプタまたはフランジプレート(13、14)に少なくとも部分的に接続されていることを特徴とするブラケット軸受。
【請求項27】
請求項1〜26のいずれか一項において、
前記アダプタ駆動制御モジュール(10)が、前記スポットライト(1)の光の出射角を調整するための焦点調節駆動装置に接続されていることを特徴とするブラケット軸受。
【請求項28】
請求項27において、
前記焦点調節駆動装置(8)が、前記スポットライトハウジングにフランジ結合されることのできる焦点調節伝送ハウジングに配置され、制御および電力供給ライン(17)を介して前記アダプタ駆動制御モジュールに接続されていることを特徴とする保持ブラケット。
【請求項29】
請求項1〜28のいずれか一項において、
前記スポットライト(1)の最大回動範囲がプログラム可能であり、限界でのプログラム制御式閉止部が備えられていることを特徴とする保持ブラケット。
【請求項30】
請求項1〜29のいずれか一項において、
前記回動速度が連続的に調節可能であることを特徴とする保持ブラケット。
【請求項31】
請求項1〜30のいずれか一項において、
前記制御装置が、前記保持ブラケット(2)の前記駆動装置のうちの少なくとも1つの開始および制動の応答を制御するためのPID制御装置を有することを特徴とする保持ブラケット。
【請求項32】
請求項1〜31のいずれか一項において、
自身の少なくともいくつかの機能を駆動するための遠隔制御部を有することを特徴とする保持ブラケット。
【請求項33】
請求項32において、
前記遠隔制御部が、DMXインターフェイスを介して前記制御装置に接続されていることを特徴とする保持ブラケット。
【請求項34】
請求項32において、
前記遠隔制御部がワイヤレスで前記制御装置に接続されていることを特徴とする保持ブラケット。
【請求項35】
請求項1〜34のいずれか一項において、
前記アダプタおよびフランジプレート(13)が、自身(2)を懸架する操作のための安全懸架装置(18)に接続されていることを特徴とする保持ブラケット。
【請求項36】
請求項1〜35のいずれか一項において、
前記垂直方向の回転軸(11)および前記水平方向のピボット軸(12)が、位置信号を前記アダプタ駆動制御モジュール(10)の制御装置に発信する回転角度エンコーダに接続されていることを特徴とする保持ブラケット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2009−508297(P2009−508297A)
【公表日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−529559(P2008−529559)
【出願日】平成18年9月6日(2006.9.6)
【国際出願番号】PCT/EP2006/008807
【国際公開番号】WO2007/028643
【国際公開日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【出願人】(508071250)アルノルト・ウント・リヒター・シネ・テヒニーク・ゲー・エム・ベー・ハー・ウント・カンパニー・ベトリープス・カー・ゲー (4)
【氏名又は名称原語表記】ARNOLD & RICHTER CINE TECHNIK GMBH & CO.BETRIEBS KG
【Fターム(参考)】