説明

スポンジケーキ類の製造方法

【課題】起泡性乳化油脂を使用したオールインミックス製法において、生地目が細かく、しっとりとした食感のスポンジケーキを製造する。また、原料に使用する卵の配合量を減らすことで、スポンジケーキの製造コストを低減する。
【解決手段】卵、該卵100質量部に対して1〜15質量部の全脂大豆粉、全脂大豆粉以外の穀粉、及び起泡性乳化油脂を含む原料を混合するオールインミックス製法によるスポンジケーキ類の製造方法。また、全脂大豆粉を50〜90質量、大豆蛋白、オリゴ糖、及び乳化剤、並びに澱粉及び/又はデキストリンを含有する全脂大豆粉含有組成物を使用したスポンジケーキ類の製造方法であり、卵、該卵100質量部に対して1〜15質量部の全脂大豆粉含有組成物、全脂大豆粉以外の穀粉、及び起泡性乳化油脂を含む原料を混合するオールインミックス製法によるスポンジケーキ類の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定の原料を使用したオールインミックス法によるスポンジケーキ類の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ケーキ類の製造においては、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル等の乳化剤及び油脂を、糖類、水等の混合物中に分散させたO/W型の起泡性乳化油脂は、優れた生地の起泡性及び気泡安定性を有することから、オールインミックス法で製造を行う場合によく使用されている。
例えば、ボリュームが大きく、食感の良好なケーキを製造するために、各種起泡性乳化油脂の開発が行われてきた(特許文献1、2)。
また、多種多様な消費者のニーズに応えるために、均一で扁平でないキメを有しているケーキ類を作ることができる起泡性乳化油脂の開発も行われてきた(特許文献3)。
最近では、食感の改良だけではなく、スポンジケーキ類の原料に使用する卵の配合量を減らすことで、スポンジケーキ類の製造コストを低減したいという要望もあった。
一般に、スポンジケーキ類は、卵の含量が多く賞味期限の短いスポンジケーキ類(日配品)、卵の含量が少なく賞味期限の長いスポンジケーキ類(ロングライフ品)、卵含量及び賞味期限がそれらの中間であるスポンジケーキ類という、食感、風味の異なる3つのカテゴリーに分けられている。
しかし、製造コストを低減するために、単に卵の量を基本配合の量より減らしてしまうと、減らす卵の量によっては、食感、風味共にカテゴリーの異なるスポンジケーキ類となってしまう場合があった。また、卵の量を基本配合の量より減らしてしまうと、卵風味がなくなってしまったり、体積がかなり小さくなってしまったりする場合もあるので、商品価値が下がってしまうという問題点もあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6−339340号公報
【特許文献2】特開平10−99009号公報
【特許文献3】特開平7−327597号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、起泡性乳化油脂を使用したオールインミックス法において、原料に使用する卵の配合量を、基本配合より減らしても、卵風味やコク味を有し、体積も著しく減少しないスポンジケーキ類の製造方法を提供することを目的とする。
また、パサつき感がなく、しっとりとした食感のスポンジケーキ類の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、全脂大豆粉又は全脂大豆粉を含有する組成物を使用することにより、原料に使用する卵の配合量を、基本配合より減らした場合であっても、卵風味やコク味を有し、また、パサつき感がなく、しっとりとした食感のスポンジケーキ類を製造することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち、本発明の第1の発明は、卵、該卵100質量部に対して1〜15質量部の全脂大豆粉、全脂大豆粉以外の穀粉、及び起泡性乳化油脂を含む原料を混合するオールインミックス製法によるスポンジケーキ類の製造方法である。
本発明の第2の発明は、前記全脂大豆粉と水との質量比が、1:2〜1:4となる量の水を加えることを特徴とする第1の発明に記載のスポンジケーキ類の製造方法である。
本発明の第3の発明は、全脂大豆粉を50〜90質量、大豆蛋白、オリゴ糖、及び乳化剤、並びに澱粉及び/又はデキストリンを含有する全脂大豆粉含有組成物を使用したスポンジケーキ類の製造方法であり、卵、該卵100質量部に対して1〜15質量部の全脂大豆粉含有組成物、全脂大豆粉以外の穀粉、及び起泡性乳化油脂を含む原料を混合するオールインミックス製法によるスポンジケーキ類の製造方法である。
本発明の第4の発明は、前記全脂大豆粉含有組成物と水との質量比が、1:2〜1:4となる量の水を加えることを特徴とする第3の発明に記載のスポンジケーキ類の製造方法である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によると、起泡性乳化油脂を使用したオールインミックス法において、原料に使用する卵の配合量を減らすことができるので、スポンジケーキ類の製造コストを低減することができる。
また、原料に使用する卵の配合量を、基本配合より減らした場合であっても、卵風味やコク味を有するスポンジケーキ類を製造することができる。
また、パサつき感がなく、しっとりとした食感のスポンジケーキ類を製造することができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明のスポンジケーキ類とは、全脂大豆粉又は全脂大豆粉組成物と、卵、全脂大豆粉以外の穀粉、及び起泡性乳化油脂等とを原料とし、これらの原料を使ってオールインミックス法により製造されるものをいう。具体的には、スポンジケーキ、シフォンケーキ、スフレケーキ、ブッセ等が挙げられる。
なお、一般に、スポンジケーキ類は、卵含量が多く賞味期限の短いスポンジケーキ類(日配品)、卵含量が少なく賞味期限の長いスポンジケーキ類(ロングライフ品)、卵含量及び賞味期限がそれらの中間であるスポンジケーキ類というカテゴリーに分けられる。
まず、本発明のスポンジケーキ類の製造方法に使用する原料である卵、全脂大豆粉、全脂大豆粉組成物、全脂大豆粉以外の穀粉、及び起泡性乳化油脂について説明をする。
【0009】
本発明に使用する卵には、全卵、卵黄、卵白のいずれも使用することができ、これらの混合物も使用することができる。
スポンジケーキ類の原料中の卵の配合量は、製造するスポンジケーキ類の種類やカテゴリーにより異なってくるが、18〜50質量%であることが好ましく、18〜45質量%であることがより好ましく、19〜45質量%であることが最も好ましい。
かかる範囲であると、得られるスポンジケーキが卵風味を有し、食感がよりしっとりとするからである。
【0010】
なお、卵として乾燥全卵を使用する場合には、乾燥全卵に水を添加して実際の全卵に相当するように換算した質量、すなわち、乾燥全卵1に、水3を添加した質量を卵の配合量とみなす。例えば、乾燥全卵30gを使用する場合、乾燥全卵30gに水90g添加した120gを、卵の配合量とみなす。
また、卵として乾燥卵黄を使用する場合には、乾燥全卵黄に水を添加して実際の卵黄に相当するように換算した質量、すなわち、乾燥卵黄1に、水1を添加した質量を卵の配合量とみなす。
また、卵として乾燥卵白を使用する場合には、乾燥卵白に水を添加して実際の卵白に相当するように換算した質量、すなわち、乾燥卵白1に、水9を添加した質量を卵の配合量とみなす。
【0011】
本発明に使用する全脂大豆粉は、市販の全脂大豆粉を使用することができ、また、例えば、乾燥大豆(原料)を脱皮処理後、加熱脱臭処理し、その後乾燥し、粉砕処理することにより製造することができる。
全脂大豆粉の原料の大豆には、市場に流通している乾燥した大豆を使用することができる。例えば、エンレイ、リュウホウ、トヨホマレ、ミヤギシロメ等の国産大豆、及びIOM等の外国産大豆のいずれも用いることができ、遺伝子組み換えであるか、非遺伝子組み換えであるかも問わない。また、大豆は未発芽、発芽を問わず使用することができる。
市販の全脂大豆粉としては、例えば、日清オイリオグループ(株)製の商品「アルファプラスHS−600」「SOYBEAN POWDER AP−WJ」が挙げられる。
本発明においては、全脂大豆粉又は全脂大豆粉組成物を使用することができるが、全脂大豆粉を使用するよりも、全脂大豆粉組成物を使用した方が、さらに口溶けが良好な食感のスポンジケーキ類を得ることができる。
ここで、本発明に使用する全脂大豆粉含有組成物について説明をする。
本発明に使用する全脂大豆粉組成物は、全脂大豆粉を50〜90質量、大豆蛋白、オリゴ糖、及び乳化剤、並びに澱粉及び/又はデキストリンを含有するものである。
【0012】
まず、本発明に使用する全脂大豆粉含有組成物中の全脂大豆粉は、先に説明をした全脂大豆粉と同じものを使用することができる。
全脂大豆粉含有組成物中の全脂大豆粉含量は、50〜90質量%であり、60〜80質量%であることが好ましく、65〜75質量%であることがより好ましい。
【0013】
次に、本発明に使用する全脂大豆粉含有組成物中の大豆蛋白について説明をする。
大豆蛋白としては、例えば、粉末状分離大豆蛋白、粉末状濃縮大豆蛋白、粉末状抽出大豆蛋白、脱脂大豆粉末、粉末状酵素分解大豆蛋白等が挙げられる。これら粉末状大豆蛋白は、市販品を使用することができ、例えば、日清オイリオグループ(株)製の粉末状分離大豆蛋白(商品名:ソルピー4000)、脱脂大豆粉末(商品名:ソーヤフラワーFT−N)、粉末状酵素分解大豆蛋白(商品名:ソルピー1500)等が挙げられる。
【0014】
全脂大豆粉含有組成物中の大豆蛋白の含有量は、1〜20質量%であることが好ましく、3〜15質量%であることがより好ましく、3〜10質量%であることが最も好ましい。
【0015】
次に、本発明に使用する全脂大豆粉含有組成物中のオリゴ糖について説明をする。
全脂大豆粉含有組成物に使用するオリゴ糖は、直鎖オリゴ糖であることが好ましく、市販品を使用することができる。市販品としては、例えば、三菱化学フーズ(株)の商品「オリゴトース(主成分:マルトトリオース)」の粉末品や液状品が挙げられる。
【0016】
全脂大豆粉含有組成物中のオリゴ糖の含有量は、1〜25質量%であることが好ましく、5〜15質量%であることがより好ましく、5〜10質量%であることが最も好ましい。
【0017】
次に、本発明に使用する全脂大豆粉含有組成物中の乳化剤について説明をする。
全脂大豆粉含有組成物中の乳化剤には、各種乳化剤を使用することができる。
乳化剤として、例えば、大豆レシチン、ショ糖脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、酢酸モノグリセリド、酒石酸モノグリセリド、クエン酸モノグリセリド、乳酸モノグリセリド等の各種有機酸モノグリセリド、ポリソルベート等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を使用することができる。これらの乳化剤は、市販品を使用することができる
【0018】
全脂大豆粉含有組成物中の乳化剤の含有量は、0.5〜8質量%であることが好ましく、1〜7質量%であることがより好ましく、1〜5質量%であることが最も好ましい。
【0019】
次に、本発明に使用する全脂大豆粉含有組成物中の澱粉及びデキストリンについて説明をする。
全脂大豆粉含有組成物は、澱粉及び/又はデキストリンを含有する。すなわち、澱粉、デキストリン、又は、澱粉及びデキストリンを含有する。特に、澱粉及びデキストリンの両方を含有するものが好ましい。
【0020】
全脂大豆粉含有組成物に使用する澱粉は、特に限定されず、例えば、米粉澱粉、小麦澱粉、トウモロコシ澱粉、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、さつまいも澱粉、小豆澱粉、緑豆澱粉、くず澱粉、片栗澱粉、コーンスターチ、甘薯澱粉、及びこれら澱粉の加工澱粉等が挙げられ、加工澱粉としては、エーテル化澱粉、リン酸エステル化澱粉、リン酸架橋澱粉等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を使用することができる。これらは、市販品を使用することができる。
また、全脂大豆粉含有組成物に使用するデキストリンは、先に挙げた各種澱粉を加水分解したもので、これらは、市販品を使用することができる。
【0021】
全脂大豆粉含有組成物中の澱粉及びデキストリンの合計含有量は、5〜30質量%であることが好ましく、5〜20質量%であることがより好ましく、10〜20質量%であることが最も好ましい。
【0022】
また、本発明に使用する全脂大豆粉含有組成物には、その他、米粉、コーンフラワー、そして、安定剤、保存剤、甘味料、香料、着色剤、抗酸化剤等の食品添加物を含有させることができる。
【0023】
次に、本発明に使用する全脂大豆粉含有組成物の製造方法について説明をする。
全脂大豆粉含有組成物は、全脂大豆粉、大豆蛋白、オリゴ糖、及び乳化剤、並びに澱粉及び/又はデキストリンを、ナウターミキサー、リボンブレンダー、V型混合機、マトコンブレンダー等の混合機で混合することにより製造することができる。また、各原材料をビニール袋に入れて振とうして混合することにより製造することもできる。
そして、米粉、コーンフラワー、安定剤、保存剤、甘味料、香料、着色剤、抗酸化剤等の食品添加物等を配合する場合には、全脂大豆粉等の成分と同時に加えて混合し、製造することができる。
【0024】
次に、本発明に使用する全脂大豆粉又は全脂大豆粉組成物の配合量について説明をする。
スポンジケーキ類の原料中の全脂大豆粉又は全脂大豆粉組成物の配合量は、製造するスポンジケーキ類の種類やカテゴリーにより異なってくるが、原料に使用する卵100質量部に対して1〜15質量部であり、好ましくは2〜13質量部であり、より好ましくは、2〜11質量部である。
具体的な全脂大豆粉又は全脂大豆粉組成物の配合量は、先に記載したスポンジケーキ類の原料中の卵の配合量と、上記卵100質量部に対する量から算出することができる。
例えば、スポンジケーキ類の原料中の卵の配合量が18〜50質量%である場合、全脂大豆粉又は全脂大豆粉組成物の配合量は、0.18〜7.5質量%であり、好ましくは0.36〜6.5質量%であり、より好ましくは0.36〜5.5質量%である。
かかる範囲であると、しっとりとした食感のスポンジケーキ類を製造することができるからである。そして、全脂大豆粉又は全脂大豆粉組成物の量が、卵100質量部に対して1質量部未満であると、十分に添加効果を発揮することができず、また、15質量部より多いと大豆の風味が強くなり、卵本来の風味を損なう場合があるからである。
【0025】
本発明に使用する全脂大豆粉以外の穀粉として、小麦粉、米粉、大麦粉等を挙げることができ、これらの1種または2種以上を使用することができる。そして、小麦粉としては、例えば、薄力粉、中力粉、強力粉、フランスパン専用粉等を挙げることができ、これらの1種または2種以上を使用することができる。
スポンジケーキ類の原料中の全脂大豆粉以外の穀粉の配合量は、製造するスポンジケーキ類の種類やカテゴリーにより異なってくるが、13〜30質量%であることが好ましく、15〜30質量%であることがより好ましく、15〜28質量%であることが最も好ましい。
【0026】
次に、本発明に使用する起泡性乳化油脂について説明をする。
本発明に使用する起泡性乳化油脂は、乳化起泡剤とも呼ばれているもので、市販品を使用することができる。起泡性乳化油脂は、油脂及び乳化剤を、糖類、水等の混合物中に分散させたもので、生地を起泡して、気泡を安定化させる効果がある。
起泡性乳化油脂の市販品として、例えば、日清オイリオグループ株式会社製「ジセル100」、理研ビタミン株式会社製「フレンジー70」、花王株式会社「ハイロフティ」、「マリッシュゴールド」等が挙げられる。
【0027】
ここで、起泡性乳化油脂について説明をする。
起泡性乳化油脂に使用する乳化剤は、生地を起泡させ、気泡を安定させる効果のある食用乳化剤であれば、特に限定なく使用することができる。乳化剤として、例えば、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、レシチン、ポリソルベート等が挙げられ、これらの1種または2種以上を使用することができる。
起泡性乳化油脂中の乳化剤の配合量は、3〜30質量%であることが好ましく、5〜25質量%であることがより好ましく、10〜20質量%であることが最も好ましい。
【0028】
また、起泡性乳化油脂に使用する油脂は、特に限定されるものではなく、例えば、パーム油、パーム核油、ヤシ油、大豆油、菜種油、ひまわり油、紅花油、米油、綿実油、コーン油、オリーブ油、牛脂、豚脂、乳脂、カカオ脂、シア脂、サル脂、マンゴー核油、イリッペ脂等の油脂、これらの油脂を水素添加、エステル交換、分別等の加工をして得られる加工油脂、から選ばれる1種または2種以上の油脂を使用することができる。
起泡性乳化油脂中の油脂の配合量は、5〜50質量%であることが好ましく、5〜40質量%であることがより好ましく、10〜30質量%であることが最も好ましい。
【0029】
また、起泡性乳化油脂に使用する糖類としては、水飴、還元水飴、ぶどう糖果糖液糖、還元澱粉糖化物、多価アルコール等を使用することができる。
起泡性乳化油脂中の糖類の配合量は、30〜60質量%であることが好ましく、40〜60質量%であることがより好ましく、40〜50質量%であることが最も好ましい。
【0030】
起泡性乳化油脂中の水の配合量は、5〜25質量%であることが好ましく、10〜20質量%であることがより好ましく、15〜20質量%であることが最も好ましい。
【0031】
また、起泡性乳化油脂には、乳化剤、油脂、糖類、及び水以外にも、各種食品素材や食品添加物を含有させることができる。食品素材や食品添加物として、例えば、調味料(食塩、食酢や香辛料など)、香料、pH調整剤、酸化防止剤(トコフェロール、茶抽出物、アスコルビン酸など)、安定剤(寒天、カラギーナン、ペクチン、カゼインナトリウムなど)、着色料(β−カロテン、カラメル、紅麹色素など)、ステビア、アスパルテーム等が挙げられる。
【0032】
起泡性乳化油脂は、糖類、水、親水性乳化剤等の水相成分と、油脂、親油性乳化剤等の油相成分を混合後、乳化することにより製造することができる。
【0033】
スポンジケーキ類の原料中の起泡性乳化油脂の配合量は、製造するスポンジケーキ類の種類やカテゴリーにより異なってくるが、3〜10質量%であることが好ましく、4〜8質量%であることがより好ましく、4〜7質量%であることが最も好ましい。
かかる範囲であると、生地が、よりしっかりと起泡・安定し、釜落ちや焼き縮みが少なくなるからである。
【0034】
スポンジケーキ類の製造では、必要に応じて水を配合することができる。
そして、全脂大豆粉や全脂大豆粉含有組成物は、そのままスポンジケーキ類に使用することもできるが、スポンジケーキ類の原料卵の一部代替として使用する場合には、卵に含まれる水分を考慮して、卵の置換分として、さらに水を配合することが好ましい。
【0035】
全脂大豆粉又は全脂大豆粉含有組成物を卵の一部代替として使用する場合、卵の置換分として添加する水の量は、全脂大豆粉又は全脂大豆粉含有組成物と水との質量比が、1:2〜1:4となる量、より好ましくは1:2.5〜1:3.5となる量、最も好ましくは1:3となる量を加えることが好ましい。
これにより、スポンジケーキ類の原料卵の配合量の5〜35質量%を、全脂大豆粉及び水、又は全脂大豆粉組成物及び水に置換することができる。
【0036】
具体的には、全脂大豆粉70質量%含有する全脂大豆粉含有組成物を、卵の一部代替として使用する場合、例えば。以下のような使い方ができる。
全卵200g、砂糖100g、薄力粉100g、ベーキングパウダー1g、起泡性乳化油脂20gの配合を基本配合とするスポンジケーキをオールインミックス法で製造する場合、全卵の10質量%相当量である20gを、全脂大豆粉含有組成物5gと水15gに置換することができる(全脂大豆粉含有組成物と水との質量比=1:3)。
また、全卵の20質量%相当量である40gを、全脂大豆粉含有組成物10gと水30gに置換することができる(全脂大豆粉含有組成物と水との質量比=1:3)。
また、全卵の30質量%相当量である60gを、全脂大豆粉含有組成物15gと水45gに置換することができる(全脂大豆粉含有組成物と水との質量比=1:3)。
【0037】
本発明のスポンジケーキ類の原料として、先に説明をした卵、全脂大豆粉、全脂大豆粉組成物、全脂大豆粉以外の穀粉、及び起泡性乳化油脂以外にも、一般にスポンジケーキ類に使用される原料を用いることができる。かかる原料として、例えば、甘味料、マーガリン、ショートニング、製菓用油脂、バター等の油脂類、牛乳、濃縮乳、生クリーム、脱脂粉乳、練乳、チーズ等の乳製品、果実、果実加工品、ココア、ココアパウダー、チョコレート類、ナッツ類、洋酒類、ベーキングパウダーや重曹等の膨張剤、香料、酸味料、食塩等の調味料、着色料、酸化防止剤等が挙げられる。
【0038】
本発明に使用する甘味料には、一般にスポンジケーキ類に使用される甘味料を使用することができる。甘味料としては、例えば、上白糖、グラニュー糖、三温糖、きび砂糖、黒砂糖、和三盆糖、粉糖、蜂蜜、メープルシロップ、マルトースシロップ、はちみつ、水飴、還元水飴、還元澱粉糖化物、糖アルコール等を挙げることができ、これらの1種または2種以上を使用することができる。
スポンジケーキ類の原料中の甘味料の配合量は、製造するスポンジケーキ類の種類やカテゴリー、また、使用する甘味料の種類により異なってくるが、20〜35質量%であることが好ましく、20〜32質量%であることがより好ましく、22〜32質量%であることが最も好ましい。
【0039】
次に、本発明のスポンジケーキ類の製造方法について説明をする。
本発明のスポンジケーキ類は、全脂大豆粉又は全脂大豆粉組成物を含む原料を、一度に混合して起泡させるオールインミックス法で製造をする。
具体的には、スポンジケーキをバッチ式のミキサーを使用して製造する場合、起泡性乳化油脂と甘味料をすり合わせて入れ、その中に混合しながら卵、必要に応じて水を投入して混合する(予備混合)。
次に、全脂大豆粉又は全脂大豆粉組成物、及び小麦粉を加え、ホイッパーでミキシングをして起泡させる(ミキシング工程)。このように、全脂大豆粉又は全脂大豆粉組成物は、小麦粉を加える段階で添加することもできるが、水を加える段階で水と混合して添加しても良い。
起泡させるミキシング工程は、バッチ式のミキサーを使って行うこともできるが、連続式のプレッシャーミキサー等の連続生産ラインを使用しても行ことができる。
【0040】
ミキシング工程は、生地の比重が0.7以下になるまで行うのが好ましく、0.36〜0.6の範囲であることがより好ましく、0.37〜0.5の範囲であることが最も好ましい。生地の比重がこの範囲内であると、よりしっとりとした食感のものが得られるからである。
【0041】
卵、全脂大豆粉又は全脂大豆粉組成物、起泡性乳化油脂、小麦粉、及び甘味料以外の材料は、同時に加えてオールインミックス法で生地を調製することもできるが、生地を起泡させた後に加えることもできる。
例えば、ナッツ類やドライフルーツ、チップチョコ、チャンクチョコなど固形のままの食感を保ちたい材料は、菓子生地を起泡させた後に加えるのが好ましい。
また、クリームチーズ、バター、チョコレート等の脂質含有量が高い材料は、菓子生地の起泡を妨げる場合があるため、起泡させた後に加える方が好ましい。
【0042】
起泡させた生地は、型に入れて焼成をする。焼き型のサイズは特に限定されない。焼き型として、例えば、紙製のマフィンカップやアルミ箔素材の焼成カップ等が挙げられる。また、金属製焼き型の底と側面に紙を敷いて焼成することが好ましい。
【0043】
生地の焼成には、バッチ式の固定窯、連続式のトンネルオーブン、リール式オーブン等を使用することができる。
生地の焼成温度は、160〜190℃であることが好ましく、170〜180℃であることがより好ましい。そして、焼成時間は、使用する焼き型のサイズや使用するオーブン等により異なってくる。
例えば、固定式電気オーブンを使って5号デコ型に入れた生地を焼成する場合、上火180〜190℃、下火160〜170℃で、25〜30分という条件で焼成することができる。
【0044】
次に、実施例を示して本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【実施例】
【0045】
〔スポンジケーキの製造(実施例1〜3、比較例1〜3)〕
基本配合(比較例1、卵含量の多い日配品モデル)の卵の配合量を200gとし、表2、及び表3に示す配合のスポンジケーキを、オールインミックス製法で製造した。
起泡性乳化油脂には、日清オイリオグループ(株)製の商品、ジセル100を使用した。その配合は、糖類48質量%、油脂20質量%、乳化剤14質量%、水18質量%である。
全脂大豆粉含有組成物は、表1に示す配合のもの(全脂大豆粉含量が70質量%品)で、粉体混合により製造をしたものを使用した。なお、全脂大豆粉は、日清オイリオグループ(株)販売の全脂大豆粉を使用し、また、大豆蛋白は、日清オイリオグループ(株)販売の脱脂大豆粉末を使用した。
【0046】
【表1】

【0047】
実施例1〜3、及び比較例2、3は、比較例1の配合を基準として、卵の一部を全脂大豆粉含有組成物及び水に置き換えて検討を行った。例えば、実施例1(10%置換)の配合の場合、比較例1の配合(全卵200g)を基本配合として、全卵の10質量%相当量である20gを、全脂大豆粉含有組成物5gと水15gに置換した。
【0048】
<製造方法>
まず、卓上縦型ミキサーのミキサーボールに、起泡性乳化油脂と砂糖をすり合わせて入れ、混合しながら水及び全卵を加えた(予備混合工程)。そこへ、予めふるいにかけた全脂大豆粉含有組成物、薄力粉、及びベーキングパウダーの混合物を加え、ホイッパーでミキシングをして起泡させた(ミキシング工程)。ミキシングの時間を記録し、ミキシング後の生地比重を測定した。次に、5号デコ型に生地250gを充填し、オーブンで、上火180℃、下火160℃の条件で焼成した。生地のミキシング時間、生地比重、及び焼成時間を表4に示す。生地比重は、容器内の生地質量(g)/容器の体積(cc)として計測をした。
また、全脂大豆粉含有組成物及び水を配合していない比較例1については、全脂大豆粉含有組成物及び水(卵置換分)を添加しない以外は、同様の方法で製造した。
【0049】
【表2】

【0050】
【表3】

【0051】
【表4】

【0052】
〔スポンジケーキの物性及び官能評価〕
製造したスポンジケーキについて、体積、中心高、質量、比容積を測定し、生地目の様子を目視で確認をした。生地目の様子は、比較例1と比較して評価を行った。体積は、超高速レーザー体積計測機・非接触CCDスリットレーザースキャニング方式(商品名:Selnac−WinVM2000、(株)アステック製)で測定をし、中心高は、最も高い所の高さを測定し、比容積は計算値(体積/質量)により算出した。また、スポンジケーキの風味及び食感についても、比較例1と比較して評価をした。結果を表5に示す。
【0053】
【表5】

【0054】
表5の結果からわかるように、原料の卵の一部代替として全脂大豆粉含有組成物を使用してオールインミックス法で製造したスポンジケーキ類は、全脂大豆粉含有組成物を使用していない比較例1に比べ、しっとりとした食感であった。特に、実施例1(10%置換)、2(20%置換)に比べ、実施例3(30%置換)の方が、よりしっとりとした食感になった。
一方、さらに置換率を高めた比較例2(40%置換)及び比較例3(50%置換)は、生地目の気泡は小さいものの、スポンジケーキの体積はさらに小さくなり、食感は、ねちゃつく食感であった。
以上のことから、全脂大豆粉含有組成物を使用してオールインミックス法で製造したスポンジケーキ類は、卵の配合量を10〜30質量%減らしても、物性及び官能評価の点で商品価値のあるものであることがわかった。
【0055】
〔スポンジケーキの製造(実施例4〜9、比較例4)〕
基本配合(比較例4、日配品とロングライフ品との中間品モデル)の卵の配合量を150gに減らし、表6〜8に示す配合のスポンジケーキを、オールインミックス製法で製造した。全脂大豆粉含有組成物、及び起泡性乳化油脂は、実施例1〜3で使用したものと同じものを使用した。
実施例4〜6は、比較例4の配合を基本配合として、卵の一部を全脂大豆粉含有組成物及び水に置き換えて検討を行った。例えば、実施例4(10%置換)の配合の場合、比較例4の配合(全卵150g)を基本配合として、全卵の10質量%相当量である15gを、全脂大豆粉含有組成物3.75gと水11.25gに置換した。
また、実施例7〜9は、比較例4の配合を基本配合として、卵の一部を全脂大豆粉及び水に置き換えて検討を行った。例えば、実施例7(10%置換)の配合の場合、比較例4の配合(全卵150g)を基本配合として、全卵の10質量%相当量である15gを、全脂大豆粉3.75gと水11.25gに置換した。
【0056】
<製造方法>
まず、卓上縦型ミキサーのミキサーボールに、起泡性乳化油脂と砂糖をすり合わせて入れ、混合しながら水及び全卵を加えた(予備混合工程)。そこへ、予めふるいにかけた全脂大豆粉含有組成物、薄力粉、及びベーキングパウダーの混合物を加え、ホイッパーでミキシングをして起泡させた(ミキシング工程)。ミキシングの時間を記録し、ミキシング後の生地比重を測定した。次に、5号デコ型に生地250gを充填し、オーブンで、上火180℃、下火160℃の条件で焼成した。生地のミキシング時間、生地比重、焼成時間を表9及び表10に示す。生地比重は、容器内の生地質量(g)/容器の体積(cc)として計測をした。
また、全脂大豆粉含有組成物及び水を配合していない比較例4については、全脂大豆粉含有組成物及び水を添加しない以外は、同様の方法で製造した。
【0057】
【表6】

【0058】
【表7】

【0059】
【表8】

【0060】
【表9】

【0061】
【表10】

【0062】
〔スポンジケーキの物性及び官能評価〕
製造したスポンジケーキについて、体積、中心高、質量、比容積を測定し、生地目の様子を目視で確認をした。生地目の様子は、比較例4と比較して評価を行った。体積は、超高速レーザー体積計測機・非接触CCDスリットレーザースキャニング方式(商品名:Selnac−WinVM2000、(株)アステック製)で測定をし、中心高は、最も高い所の高さを測定し、比容積は計算値(体積/質量)により算出した。また、スポンジケーキの風味及び食感についても比較例4と比較して評価をした。結果を表11及び表12に示す。
【0063】
【表11】

【0064】
【表12】

【0065】
表11及び表12の結果からわかるように、原料の卵の一部代替として全脂大豆粉含有組成物又は大豆粉を使用してオールインミックス法で製造した実施例4〜9のスポンジケーキ類は、全脂大豆粉含有組成物を使用していない比較例4に比べ、食感は、しっとりとした食感であった。特に、実施例4(10%置換)、5(20%置換)に比べ、実施例6(30%置換)の方が、よりしっとりとした食感になった。
また、実施例4、5、及び6は、それぞれ実施例7、8、及び9に比べ、口溶けが良好なものであった。
以上のことから、全脂大豆粉、又は全脂大豆粉含有組成物を使用してオールインミックス法で製造したスポンジケーキ類は、卵の配合量を10〜30質量%減らしても、物性及び官能評価の点で商品価値のあるものであることがわかった。
【0066】
〔スポンジケーキの製造(実施例10〜12、比較例5、6)〕
基本配合(比較例5、卵含量の少ないロングライフ品モデル)の卵の配合量を100gに減らし、表13、及び表14に示す配合のスポンジケーキを、オールインミックス製法で製造した。全脂大豆粉含有組成物、及び起泡性乳化油脂は、実施例1〜3で使用したものと同じものを使用した。
実施例10〜12、及び比較例6は、比較例5の配合を基本配合として、卵の一部を全脂大豆粉含有組成物及び水に置き換えて検討を行った。例えば、実施例10(10%置換)の配合の場合、比較例5の配合(全卵100g)を基本配合として、全卵の10質量%相当量である10gを、全脂大豆粉含有組成物2.5gと水7.5gに置換した。
【0067】
<製造方法>
まず、卓上縦型ミキサーのミキサーボールに、起泡性乳化油脂と砂糖をすり合わせて入れ、混合しながら水(全量)及び全卵を加えた(予備混合工程)。そこへ、予めふるいにかけた全脂大豆粉含有組成物、薄力粉、及びベーキングパウダーの混合物を加え、ホイッパーでミキシングをして起泡させた(ミキシング工程)。ミキシングの時間を記録し、ミキシング後の生地比重を測定した。次に、5号デコ型に生地250gを充填し、オーブンで、上火180℃、下火160℃の条件で焼成した。生地のミキシング時間、生地比重、焼成時間を表15に示す。生地比重は、容器内の生地質量(g)/容器の体積(cc)として計測をした。
また、全脂大豆粉含有組成物を配合していない比較例5については、全脂大豆粉含有組成物を添加しない以外は、同様の方法で製造した。
【0068】
【表13】

【0069】
【表14】

【0070】
【表15】

【0071】
〔スポンジケーキの物性及び官能評価〕
製造したスポンジケーキについて、体積、中心高、質量、比容積を測定し、生地目の様子を目視で確認をした。生地目の様子は、比較例5と比較して評価を行った。体積は、超高速レーザー体積計測機・非接触CCDスリットレーザースキャニング方式(商品名:Selnac−WinVM2000、(株)アステック製)で測定をし、中心高は、最も高い所の高さを測定し、比容積は計算値(体積/質量)により算出した。また、スポンジケーキの風味及び食感について、比較例5と比較して評価をした。結果を表16に示す。
【0072】
【表16】

【0073】
表16の結果からわかるように、原料の卵の一部代替として全脂大豆粉含有組成物を使用してオールインミックス法で製造したスポンジケーキ類は、全脂大豆粉含有組成物を使用していない比較例5に比べ、食感は、パサつきがやや減少し、ややしっとりとした食感であった。
以上のことから、全脂大豆粉含有組成物を使用してオールインミックス法で製造したスポンジケーキ類は、卵の配合量を10〜30質量%減らしても、物性及び官能評価の点で商品価値のあるものであることがわかった。
【0074】
〔チョコシフォンの製造(実施例13、比較例7)〕
表17に示す配合のチョコシフォンを、オールインミックス製法で製造した。全脂大豆粉含有組成物、及び起泡性乳化油脂は、実施例1〜3で使用したものと同じものを使用した。
実施例13は、比較例7の配合を基本配合として、卵の一部を全脂大豆粉含有組成物及び水に置き換えて検討を行った。具体的には、比較例7の配合(卵220g)を基本配合として、卵の18.2質量%相当量である40gを、全脂大豆粉含有組成物10.0gと水30.0gに置換した。
【0075】
<製造方法>
まず、卓上縦型ミキサーのミキサーボールに、起泡性乳化油脂、菜種油、上白糖、マルトースシロップ、食塩、及びフレーバーをすり合わせた。次に、水に溶いた大豆粉含有組成物、卵白、及び全卵を加え混合した(予備混合工程)。そこへ、予めふるいにかけた薄力粉、ココアパウダー、ベーキングパウダー、及び重曹の混合物を加え、ホイッパーで生地比重0.48〜0.50に到達するまでミキシングをして起泡させた(ミキシング工程)。次に、エンゼル型に生地130gを充填し、オーブンで、上火180℃、下火180℃の条件で焼成した。生地比重、焼成時間を表18に示す。生地比重は、容器内の生地質量(g)/容器の体積(cc)として計測をした。
また、全脂大豆粉含有組成物を配合していない比較例7については、全脂大豆粉含有組成物を添加しない以外は、同様の方法で製造した。
【0076】
【表17】

【0077】
【表18】

【0078】
〔チョコシフォンの物性及び官能評価〕
製造したチョコシフォンについて、焼成品の生地目の様子を目視で確認をした。また、スポンジケーキの風味及び食感について、比較例7と比較して評価をした。結果を表19に示す。
【0079】
【表19】

【0080】
表19の結果からわかるように、原料の卵の一部代替として全脂大豆粉含有組成物を使用してオールインミックス法で製造したチョコシフォンは、全脂大豆粉含有組成物を使用していない比較例7に比べ、ややコクのある風味となり、食感は、しっとりとした食感であった。
【産業上の利用可能性】
【0081】
本発明のケーキ類の製造方法は、食品分野に使用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
卵、該卵100質量部に対して1〜15質量部の全脂大豆粉、全脂大豆粉以外の穀粉、及び起泡性乳化油脂を含む原料を混合するオールインミックス製法によるスポンジケーキ類の製造方法。
【請求項2】
前記全脂大豆粉と水との質量比が、1:2〜1:4となる量の水を加えることを特徴とする請求項1に記載のスポンジケーキ類の製造方法。
【請求項3】
全脂大豆粉を50〜90質量、大豆蛋白、オリゴ糖、及び乳化剤、並びに澱粉及び/又はデキストリンを含有する全脂大豆粉含有組成物を使用したスポンジケーキ類の製造方法であり、卵、該卵100質量部に対して1〜15質量部の全脂大豆粉含有組成物、全脂大豆粉以外の穀粉、及び起泡性乳化油脂を含む原料を混合するオールインミックス製法によるスポンジケーキ類の製造方法。
【請求項4】
前記全脂大豆粉含有組成物と水との質量比が、1:2〜1:4となる量の水を加えることを特徴とする請求項3に記載のスポンジケーキ類の製造方法。