説明

スポンジ状中空体、有利には詰め物入り中空体の製造装置

【課題】 スポンジ状の中空体、有利には詰め物入りの中空体の製造装置である。
【解決手段】 中空体は、可塑的に変形可能なロール(R)から製造され、そのロールは、剪断機器(4)内で、長手方向と交差する方向に対して、互いに逆側の端部が剪断エッジにより画定された個々の中空体に切り分けられる。剪断機器(4)は、ロール(R)の長手方向に対応して長く延びる少なくとも一つの剪断機構(6)を備えており、そこには、縦方向に順番に配置された一連の剪断工具(7)が、支持フレーム(5)内に静止して配置されている。各剪断工具(7)が、その支持フレーム(5)内に固定された静止式剪断用押さえ(8)と、それと横方向に対して向かい合った、支持フレーム(5)内で横方向に対して前後に動かすことが可能なスライダ(10)上に配置された可動式剪断用押さえ(9)とを有する。剪断機構(6)の全ての可動式剪断用押さえ(9)を、横方向に滑走されるスライダ(10)上に固定して、全ての剪断工具(7)を同時に操作し、それによりロールを複数の中空体に切り分けることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、互いに逆側の端部を剪断エッジにより画定されたスポンジ状中空体を製造するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
食用のスポンジ状中空体を製造することは、特許文献1又は2により周知である。
【0003】
特許文献1は、押し出された可塑的に変形可能なチョコレートロールから成る食用の中空体を製造することを開示している。このロールは、押出し成形機の後、二つの静止した剪断工具を通過し、これらの剪断工具が、交互に操作されて、それぞれ押出し成形機から突き出たロールの終端部分を切断し、水平又は垂直の剪断エッジを作り出している。
【0004】
特許文献2は、焼かれた可塑的に変形可能な中空の菓子バンから成る食用の中空体を製造することを開示している。この菓子バンは、水平な運搬ラインにより長手方向に移送され、その運搬ラインに沿って、互いに逆側に重なり合って長く延びる二つの剪断機器が配置されている。これらの機器は、運搬ラインの縦方向に対して動かされる、その始めで交互に作動される剪断工具を有し、これらの剪断工具は、運搬ライン内をスライドされる中空の菓子バンを交互に切り分けて、水平又は垂直の剪断エッジを作り出している。
【0005】
両方の場合において、処理能力は、それ程大きくはない。中空体では、その剪断エッジにより生じる端部の持続的な閉鎖を実現するためには、全ての剪断工具において、既に平坦に押し潰された各ロール領域を最終的に切断する直前に、剪断エッジを作り出す剪断プロセスを明らかに遅らせることが必要である。このことは、剪断プロセスを実行する二つの剪断用押さえの相対的な動きを緩慢にするか、或いは一定の停止時間遅延させることを前提としている。しかし、そうすることによって、単位時間当りにスポンジ状中空体を製造することが可能な量が非常に大きく制約されることとなる。
【特許文献1】欧州特許第774209号明細書
【特許文献2】国際特許公開第02/071848号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この発明は、互いに逆側の端部を剪断エッジにより画定された複数のスポンジ状中空体を同時に製造するための装置を提案するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この装置は、ロールの供給機器と、ロールをスポンジ状中空体に切り分ける剪断機器とを備えた支持フレームを有する。供給機器には、ロールを、その長手方向と交差する方向に対して剪断機器に供給する落下シュータが配備されている。剪断機器は、ロールの長手方向に対応して長く延びる一つの剪断機構又はそれぞれロールの長手方向に対応して長く延びる隣接した二つ以上の剪断機構を有する。各剪断機構は、縦方向に順番に配置された一連の剪断工具を有し、これらの剪断工具は、支持フレーム内で静止して配置されており、それぞれ支持フレーム内で固定された静止式剪断用押さえと、これに対して横方向に対して向き合った、支持フレーム内で横方向に対して前後に動かすことが可能なスライダ上に配置された可動式剪断用押さえとを有する。
【0008】
この発明による装置では、ロールは、落下シュータを通過して、その長手方向と交差する方向に対して、剪断機器の長く延びる剪断機構に到達し、そこでは、可動式剪断用押さえが、横方向に対して引き戻されており、剪断工具が開いている。ロールを切り分けるために、可動式剪断用押さえを、それを保持するスライダを用いて、横方向にスライドさせて、剪断工具を閉じる。この場合、剪断機構の全ての剪断工具は、常に同時に閉じられる。開いた剪断機構内に投入されたロールは、一回の作動過程で、縦方向に並んだ複数の中空体に切り分けられる。
【0009】
この発明による装置では、剪断工具の剪断プロセスは、それぞれ剪断工具の可動式剪断用押さえを保持するスライダによって実行される。当該のスライダの動きによって、この剪断プロセスを制御する。スライダの動きは、ゆっくりとした停止時間と組み合わせることができる。
【0010】
この発明による装置では、長く延びる剪断機構の剪断工具を常に同時に操作する。剪断機構の可動式剪断用押さえは、剪断機構の剪断工具を操作するために同期して前後に動かされる、横方向に滑走可能な二つ以上のスライダ上に配置することができる。剪断機構の可動式剪断用押さえは、スライダの動きにより剪断機構内に有るロールを多くのスポンジ状中空体に切り分ける、横方向に滑走可能な単一のスライダ上に配置することができる。この装置の支持フレーム内で横方向に滑走可能なスライダは、二つ以上の隣接する剪断機構の可動式剪断用押さえを保持することができる。そして、このスライダの動きにより、剪断機構内に有るロールを、同時に多くのスポンジ状中空体に切り分ける。
【0011】
この発明では、各剪断機構は、縦方向に延びる、横方向に対して互いに向き合った二つの工具アダプタを備えることができ、その中の一方の工具アダプタが、剪断機構の剪断工具の静止式剪断用押さえを保持するとともに、支持フレーム内で固く係止されており、他方の工具アダプタは、剪断機構の剪断工具の可動式剪断用押さえを保持するとともに、支持フレーム内で横方向に滑走可能な形で配置される。
【0012】
工具アダプタの使用により、剪断用押さえの交換が容易になるとともに、製品の切換が簡単となる。製品の切換に関して、それまでの製品に対応する工具アダプタだけを取り出して、新しい製品に対応する工具アダプタと交換すれば良い。この場合、剪断用押さえが垂直方向を向いた直線的な剪断エッジを保持した工具アダプタを、剪断用押さえが別の形状の、或いは別の方向を向いた剪断エッジを備えた工具アダプタと交換することができる。剪断用押さえが、それぞれ同じ方向を向いた垂直な、或いは傾斜した剪断エッジを保持した工具アダプタを、剪断用押さえが交互に逆方向に回転された剪断エッジを保持した工具アダプタと交換することができる。
【0013】
この発明では、剪断機構において、剪断用押さえが剪断工具間で逆方向に回転された、有利には、逆方向に90°回転された剪断エッジを保持する、縦方向に並んだ剪断工具を配備することができる。この構成により、互いに逆側の端部において、逆方向に回転された、有利には、逆方向に90°回転された縁端を備えたスポンジ状中空体の製造が可能となる。
【0014】
この発明による装置では、剪断機器は、長く延びた、横方向に並んで配置された、横方向に滑走可能なスライダにより同時に操作することが可能な二つの剪断機構を備えることができ、その場合一方の剪断機構の可動式剪断用押さえは、剪断機器の内部において、他方の剪断機構の静止式剪断用押さえと背中合わせに配置されており、両方の剪断機構の可動式剪断用押さえは、スライダ上に配置されている。この装置内において、それぞれ二つのロールを同時に個々の中空体に切り分けることができ、そのことにより、中空体の高い生産能力が可能となる。
【0015】
この発明による装置では、剪断機器は、長く延びる、横方向に並んで配置された、横方向に滑走可能なスライダにより交互に操作することが可能な二つの剪断機構を備えることができ、その場合両方の剪断機構の可動式剪断用押さえは、剪断機器の内部において、背中合わせに配置されるとともに、スライダに係止されており、両方の剪断機構の可動式剪断用押さえと向き合った静止式剪断用押さえは、支持フレーム内で剪断機器に係止されている。両方の剪断機構を交互に操作することにより、両方の剪断機構内において、中空体の生産能力を余り低下させること無く、それぞれロールの平坦に押し潰された位置を結合するために利用可能な時間間隔を明らかに拡大することが可能となる。
【0016】
この発明では、両方の剪断機構は、それぞれ長く延びる、横方向に互いに向き合った二つの工具アダプタを備えることができ、その場合剪断機構の静止式剪断用押さえに対しては、支持フレーム内で係止された外側の工具アダプタが配備され、剪断機構の可動式剪断用押さえに対しては、スライダに係止された内側の工具アダプタが配備される。この構成により、剪断機構の剪断工具の交換又は保守が軽減、簡単化される。
【0017】
この発明では、横方向に滑走可能なスライダは、剪断機器の落下シュータを横方向に並んだ二つの部分シュータに区分するカバーフードを保持することができる。
【0018】
この発明による装置では、各剪断機構には、それに対応するカバーを配備することができ、このカバーは、支持フレーム内で係止された、剪断機構の静止式剪断用押さえのための静止式カバー部分と、剪断機構の可動式剪断用押さえのための横方向に動かすことが可能なカバー部分とを有し、剪断機構の両方のカバー部分の間に、ロール用の投入スリットが配置されている。
【0019】
この発明による装置では、並んで配置された、横方向に滑走可能なスライダにより交互に操作することが可能な二つの剪断機構に対して、支持フレーム内で係止された、両方の剪断機構の静止式剪断用押さえのための側方カバー部分と、これらの側方カバー部分の間に配置されるとともに、スライダに係止された、凸形状又は切妻形の表側を有する、両方の剪断機構のスライダに係止された剪断用押さえのための中間カバー部分とを備えたカバーを配備することができ、その場合各剪断機構には、側方カバー部分と中間カバー部分の間に、ロール用の投入スリットが配置されている。
【0020】
この発明による装置では、ロールを、その長手方向と交差する方向に対して剪断機器に供給する落下シュータは、その少なくとも一つの正面側を、ロールの端部に対応するガイド機器により画定することができる。このガイド機器は、ロールを剪断機器に供給することを支援するものである。
【0021】
この発明では、各ガイド機器は、落下シュータの横方向に延びる正面壁面上に取り付けられるとともに、落下シュータのこの正面壁面の周りを案内された、落下シュータの正面側を画定するエンドレスベルトを備えることができる。
【0022】
この発明では、ガイド機器は、巡回するエンドレスベルトが、ロールの端部から流出した詰め物を掻取って、落下シュータの外に配置されたベルト清掃器に供給する掻取り機器として構成することができる。この構成は、詰め物入りのロールから詰め物入りのスポンジ状中空体への処理に関して有利である。
【0023】
この発明では、少なくとも静止式剪断用押さえを、有利には電気的に、加熱することが可能な剪断工具を配備することができる。この構成は、剪断工具により作り出された、スポンジ状中空体を画定する剪断エッジを持続的に結合するのに有利である。
【0024】
この発明では、各剪断機構に、剪断工具の上に配置された、剪断工具を加熱するための赤外線放熱器を配備することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下においては、図面に図示した複数の実施例にもとづき、この発明を詳しく説明する。
【0026】
図1〜3は、可塑的に変形可能な、詰め物の入った、或いは詰め物の入っていないロールから複数のスポンジ状中空体を同時に製造するための装置を図示している。ロールRは、その長手軸と交差する方向に対して剪断機器に供給され、その中で、個々の中空体に切り分けられ、次に機器から下方に落ちて行く。
【0027】
この装置は、ロールR用の供給機器1を有する。供給機器1は、傾斜して下って行くスロープ2とそれに繋がる落下シュータ3を有する。ロールは、その長手軸と交差した方向に対してスロープ2の上を落下シュータ3の方に運ばれて行く。落下シュータ3は、ロールRをその長手軸と交差した方向に対して剪断機器4に供給する。この機器は、ロールの長手軸に対応して長く延びる動作領域を有する、支持フレーム5内で静止して配置された剪断機構6を備えている。その動作領域に沿って、それぞれ横方向を向いた複数の剪断工具7が、縦方向に順番に配置されている。剪断工具7は、支持フレーム5内で静止して配置されている。
【0028】
各剪断工具7は、支持フレーム5内で固定された静止式剪断用押さえ8を備えており、それに対して、可動式剪断用押さえ9が横方向に対して向かい合っている。可動式剪断用押さえ9は、支持フレーム5内を横方向に対して前後に動かすことが可能なスライダ10上に取り付けられている。剪断工具7を開くためには、スライダ10を動かすことによって、可動式剪断用押さえ9を静止式剪断用押さえ8から離す形で引き戻す。剪断工具7を操作するためには、スライダ10を動かすことによって、可動式剪断用押さえ9を静止式剪断用押さえ8の方にスライドさせる。スライダ10の動きは、それと接続された作動シリンダ11によって実現される。
【0029】
各剪断工具7には、横方向に対して前後に動かすことが可能な専用のスライダを配備することができる。
【0030】
図1〜3に図示された剪断機構6では、横方向に対して前後に動かすことが可能な単一のスライダ10だけが配備されている。スライダ10は、剪断機構6内で縦方向に一列に順番に配置された全ての剪断工具7の可動式剪断用押さえ9を保持している。スライダ10を前後に動かすことによって、剪断機構6の全ての剪断工具7が常に同時に操作される。
【0031】
図1〜3の装置を動作させる場合、ロールRを供給機器1により剪断機構6内に投入し、そこで剪断工具7を操作することによって、横方向に切り分ける。それにより出来上がったスポンジ状中空体は、剪断機構6から下方に落ちて行く。ロールRは、スロープ2と落下シュータ3を介して、スライダ10を引き戻すことによって開かれている剪断機構6の動作領域内に到達する。そこでは、剪断工具7の引き離された剪断用押さえ8,9の間にロールが落下する。開いた剪断機構6内では、それぞれ剪断機構6の正面側終端部に隣接して配置された二つの下方支持アーム12によりロールRを受け止める。次に、剪断機構6を操作する。作動シリンダ11は、スライダ10を横方向にスライドさせる。スライダ10に固定された可動式剪断用押さえ9は、下方支持アーム12上に有るロールRを横方向にスライドさせる。可動式剪断用押さえ9は、支持フレーム5内で固定された静止式剪断用押さえ8に対してロールRをスライドさせる。このスライダの動きの間に、ロールRは、個々の各剪断工具7により可塑的に変形され、局所的に平坦に押し潰されて、平坦に押し潰された位置で切断される。ロールRの平坦に押し潰された領域を切断した後、剪断機構6を開くために、作動シリンダ11によって、スライダ10を横方向に再び引き戻す。ここで、次のロールRを開いた剪断機構6に投入して、剪断工具7を操作するスライダ10の新たな動作サイクルを開始することができる。
【0032】
図1〜3に図示した剪断機構6は、垂直方向に対して45°左に、或いは45°右に交互に回転された剪断エッジ8a,9a又は8a’,9a’を備えた、縦方向に並んだ剪断工具7,7’を有する。そうすることによって、縁端が互いに90°回転された形で平坦に押し潰されたスポンジ状中空体13が得られる(図6)。
【0033】
剪断機構6は、互いに向き合った二つの工具アダプタ14と15を有する(図4,5)。支持フレーム5内で固く係止可能な工具アダプタ14は、剪断工具7の縦方向に一列に順番に配置された静止式剪断用押さえ8.8’を保持している。スライダ10内で固く係止可能な工具アダプタ15は、剪断工具7の縦方向に一列に順番に配置された可動式剪断用押さえ9.9’を保持している。
【0034】
剪断機器4は、剪断機構6に対応するカバーを備えている。このカバーは、支持フレーム5に固定された、剪断機構6の静止式剪断用押さえ8の上を覆う静止式カバー部分16を有する。このカバーは、更に、剪断機構6の横方向に滑走可能なスライダ10に固定された、剪断機構6の可動式剪断用押さえ9の上を覆う可動式カバー部分17を有する。両方のカバー部分16,17は、ロールRを剪断機構6の動作領域に投入するための、下方に向かって細くなる窪みを形成している。この窪みは、その下側を、両方のカバー部分16,17の互いに向き合った周縁部により画定される、剪断機構6の動作領域に沿って延びる投入スリットに合流する。この投入スリットは、スライダ10に取り付けられた、それと共に動くカバー部分17によって開閉される。
【0035】
複数のスポンジ状中空体を同時に製造するための装置の別の実施形態は、それぞれロールの長手方向に対応して長く延びる二つ以上の剪断機構が横方向に対して並んで配置された剪断機器を規定する。この機器では、ロールは、個々の剪断機構に対応する、落下シュータを備えた供給部分を有する供給機器によって、剪断機器に供給される。この剪断機構は、剪断工具が順番に間隔を開けて配置された、ロールの長手方向に対応して長く延びる動作領域を有する。剪断工具は、それぞれ静止式剪断用押さえと可動式剪断用押さえにより構成される。隣接する剪断機構では、剪断機構の静止式剪断用押さえが、隣接する剪断機構の可動式剪断用押さえと背中合わせに配置されている。剪断機構の可動式剪断用押さえは、剪断機器の剪断機構を同時に操作する、横方向に対して前後に動かすことが可能なスライダ上に取り付けられている。このスライダを用いて全ての剪断工具を同時に操作することによる一定した剪断プロセスを保証するために、剪断用押さえを支持フレーム又はスライダ上で付勢した形で支えることができる。
【0036】
図7〜9は、長く延びる二つの剪断機構20,21が並んで配置された、支持フレーム18内に格納された剪断機器19を図示している。支持フレーム18内において、剪断機構20,21は、その互いに逆方向を向いた外側周縁部を、その縦方向に対して平行に延びる支持体18a,18bによって、それぞれ画定されている。剪断機構20,21は、剪断工具が縦方向に順番に配置された、互いに平行に延びる動作領域22,23を有する。これらの剪断工具は、ロールRの長手方向と交差した方向に対して互いに向き合った剪断用押さえを有し、その外側の静止式剪断用押さえ24,25は、剪断機構20,21の外側周縁部に配置される一方、内側の可動式剪断用押さえ26,27は、剪断機器19の内部において、剪断機構20,21の縦方向と交差する方向に対して前後に動かすことが可能なスライダ28上に係止されている。外側の剪断用押さえ24,25は、それぞれ支持フレーム18の支持体18a又は18b上の剪断機構20,21の外側周縁部に固く係止された外側の工具アダプタ24a,25aから内側に突き出ている。内側の剪断用押さえ26,27は、それぞれスライダ28に固く係止された内側の工具アダプタ26a,27aから外側に突き出ている。両方の剪断機構20,21の内側の工具アダプタ26a,27aは、互いに逆側を向いてスライダ28に係止されている。このスライダは、それと接続された支持フレーム18内の作動シリンダ29により、剪断機構20,21の縦方向と交差する方向に対して前後にスライドされる。
【0037】
この剪断機器19では、複数のカバー部分30,31,32から成るカバーが、両方の剪断機構20,21の外側と内側の工具アダプタを覆っている。剪断機構20,21の外側の工具アダプタ24a,25aは,それぞれ支持フレーム18に固定された側方の静止式カバー部分30,31によって覆われている。二つの静止式カバー部分30,31の間には、スライダ28に取り付けられた、そこで両方の剪断機構20,21の内側の工具アダプタ26a,27aを覆う中間カバー部分32が配備されている。各剪断機構20,21には、側方の静止式カバー部分30,31が、スライダ28に取り付けられた中間カバー部分32と共に、下方に向かって細くなる窪みを形成し、この窪みは、その下側において、剪断機構20,21の動作領域22,23に対応するロールR用の投入スリットに合流している。
【0038】
両方の剪断機構20,21は、縦方向に並んだ剪断工具を有し、これらの工具では、剪断エッジが、垂直方向に対して左に45°又は右に45°交互に回転されている(図8,9)。両方の剪断機構20,21が、互いに90°回転された平坦な縁端を有するスポンジ状中空体を作り出す。
【0039】
この剪断機器19では、作動シリンダ29を用いて交互に前後に動かされるスライダ28によって、両方の剪断機構20,21を交互に操作して、剪断機構20,21に交互に供給されるロールRを、それぞれ個々のスポンジ状中空体に切り分けている。
【0040】
図7と9は、右の剪断機構21の操作後のスライダ28を右にスライドさせた剪断機器19を図示している。図7,9のスライダ28を左にスライドさせた場合、左の剪断機構20が操作されて、右の剪断機構21が開かれる。左の剪断機構20において、可動式剪断用押さえ26を静止式カバー部分24の方に動かし、それらの間に配置されたロールRを局所的に平坦に押し潰して、スポンジ状中空体に切り分ける。スライダ28により、中間カバー部分32は左に動かされる。そうすることによって、中間カバー部分32の左に配置された左の剪断機構20の投入スリットが閉じるとともに、中間カバー部分32の右に配置された右の剪断機構21の投入スリットが開く。右の剪断機構21では、スライダ28により、可動式剪断用押さえ27が左に動かされて、静止式剪断用押さえ25から引き離される。左の剪断機構20の操作後では、剪断機器19内において、スライダ28が左にスライドされて、図8に図示された位置に着いている。次のロールRが、開いた右の剪断機構21に供給される。図8でスライダ28を右にスライドさせた場合、それにより右の剪断機構21が操作されて、左の剪断機構20が開く。右の剪断機構21において、可動式剪断用押さえ27を右に静止式剪断用押さえ25の方に動かし、剪断用押さえ25,27の間に配置されたロールRを局所的に平坦に押し潰して、スポンジ状中空体に切り分ける。スライダ28により、中間カバー部分32は右に動かされる。そうすることによって、中間カバー部分32の右に配置された右の剪断機構21の投入スリットが閉じるとともに、中間カバー部分32の左に配置された左の剪断機構20の投入スリットが開く。同時に、左の剪断機構20では、可動式剪断用押さえ26が右に動かされて、静止式剪断用押さえ24から引き離される。
【0041】
この剪断機器19では、ロール処理量が同じ場合、図1〜3の各々と比較して、剪断工具によりそれぞれ平坦に押し潰されたロールRの位置において、上下に置かれたロール壁面の恒久的な結合を達成するために、約2倍の時間を使用することが可能である。
【0042】
図10〜12は、可塑的に変形可能なロールRを剪断機器33の縦方向に供給して、その中で長く延びる並んだ二つの剪断機構34,35内で交互に処理する装置を図示している。剪断機構34,35内において、ロールRは、その長手方向と交差する方向に対して切断されて、スポンジ状中空体36に切り分けられ、各剪断機構34,35から下方に落ちて行く。
【0043】
ロールRは、剪断機構34,35の縦方向に延びる供給機器37を介して剪断機器33内に運び入れられ、そこで両方の剪断機構34,35が、その縦方向と交差する方向に並んで配置された剪断機器33の動作領域に供給される。供給機器37は、傾斜して下って行くスロープ38とその後に配置された落下シュータ39を有する。スロープ38は、剪断機器33に軸支されている。落下シュータ39は、剪断機器33の動作領域の上に配置されている。ロールRは、長手方向に対してスロープ38上を落下シュータ39内に滑って行き、その中において、長手方向と交差する方向に対して剪断機構34,35に供給される。
【0044】
剪断機器33は、箱形状の支持フレーム40内に格納されており、この支持フレームは、剪断機構34,35の縦方向に対して平行に延びる二つの支持体41,42により、剪断機器33の動作領域を側方に対して画定しており、その中において、両方の剪断機構34,35が、その縦方向と交差する方向に並んで配置されている。支持体41,42は、支持フレーム40の前方壁面43と後方壁面44に接続されている。それらは、それぞれ直に隣接した剪断機構34,35の外側周縁部を形成している。剪断機構34,35は、支持フレーム40内で剪断機構34,35の縦方向と交差する方向に対して前後に動かすことが可能なスライダ45によって交互に操作される。
【0045】
剪断機構34,35は、剪断工具が縦方向に順番に配置された、互いに平行に延びる動作領域を有する。剪断工具は、互いに向き合った、垂直方向を向いた剪断用押さえを有する。剪断機構34,35の外側周縁部には、内側の方向を向いた静止式剪断用押さえが配備されており、それに対して、剪断機器33の内部に配置され、外側の方向を向いた可動式剪断用押さえが向き合っている。外側の剪断用押さえは、長く延びる外側の工具ジブ46,47から構成されており、これらのジブは、各剪断機構34,35において、その外側周縁部を形成する支持フレーム40の支持体41,42に固定されている。内側の剪断用押さえは、長く延びる内側の工具ジブ48,49から構成されており、これらのジブは、互いに逆向きにスライダ45の中間支持アーム50に係止されている。この支持アーム50は、剪断機器33の内部において、両方の剪断機構34,35の縦方向に対して平行に延びている。
【0046】
スライダ45は、図10に関して、剪断機器33の動作領域の左右に配置された、二つの側方支持アーム51,52を有する。中間支持アーム50と両方の側方支持アーム51,52は、支持フレーム40の外において、支持フレーム40の前方壁面43又は後方壁面44と隣接した縦方向支持体53,54により互いに接続されている。支持フレーム40の前方壁面43と後方壁面44には、それぞれスライダ45の動作方向に長く延びる支持アーム50,51,52用の貫通開口部55が配備されている。
【0047】
スライダ45は、支持フレーム40内において、その側方支持アーム51,52に取り付けられた作動機関56,57によって、交互に前後に動かされる。その左の側方支持アーム51に取り付けられた作動機関56は、支持フレーム40内において、左の側方終端壁面58で支えられている。その右の側方支持アーム52に取り付けられた作動機関57は、支持フレーム40内において、右の側方終端壁面59で支えられている。
【0048】
スライダ45の中間支持アーム50には、長く延びるカバーフード60が固定されている。カバーフード60は、両方の剪断機構34,35の内側の工具ジブ48,49の上を覆っている。カバーフード60は、落下シュータ39の上側にまで達して、それをそれぞれ剪断機構34,35に対応する部分ダクト39a,39bに区分している。カバーフード60の上側は、部分ダクト39a,39bの方に傾斜している。
【0049】
スライダ45は、カバーフード60に対して平行に延びる垂直の胴板61,62を保持している。胴板61,62は、部分ダクト39a,39bの外側を画定している。胴板61,62は、スライダ45の縦方向支持体53,54と固く接続されたロッド63,64に固定されており、これらのロッドは、剪断機構34,35の縦方向に対して平行に配置されている。
【0050】
スライダ45は、その縦方向支持体53,54に取り付けられた、部分ダクト39a,39bの正面側に対応する、ロールRの端部のためのガイド機器65,66を保持している。ガイド機器65,66は、剪断機構34,35の正面側に配置されている。各ガイド機器65,66は、エンドレスベルト67を備えている。このエンドレスベルトは、ガイド機器65,66を保持するスライダ45の縦方向支持体53,54の周りに案内されている。ベルト67には、ベルト駆動部68とベルト引張器69が組み込まれている。ベルト駆動部68とベルト引張器69は、縦方向支持体53,54の外側に取り付けられている。ベルト67には、縦方向支持体53,54の外側に取り付けられたベルト清掃器を組み込むこともできる。縦方向支持体53,54の内側では、ベルト67が、縦方向支持体53,54に対して平行な反転ローラー65a,66a上を案内されており、これらの反転ローラーは、剪断機構34,35の内側の工具ジブ48,49の正面側端部と隣接して、スライダ45の中間支持アーム50上に配置されている。
【0051】
支持フレーム40の下には、剪断機構34,35から下方に落ちて来たスポンジ状中空体36を受け止めて、搬出する、巡回するベルトコンベヤ70が配備されている。
【0052】
図10と11は、スライダ45が右にスライドされた剪断機器33を図示している。剪断機器33のこの状態では、両方の剪断機構34,35の内側の工具ジブ48,49と落下シュータ39内に配置されたカバーフード60が、スライダ45の中間支持アーム50と共に、剪断機器33の動作領域内を右にスライドされている。左の剪断機構34は開いている。右の剪断機構35は閉じている。左の部分ダクト39aは、スロープ38の方を向いている。右の部分ダクト39bは、カバーフード60により遮断される。
【0053】
スロープ38を介して供給されるロールRは、カバーフード60から左の部分ダクト39aに転回されて、開いた左の剪断機構34に落下し、そこで、二つの下方の支持アーム71,72により受け止められ、剪断機構34の操作により、スポンジ状中空体36に切り分けられて、ベルトコンベヤ70上に下方に落ちて行く。
【0054】
左の剪断機構34を操作するためには、スライダ45の右の側方支持アーム52に取り付けられた作動機関57を操作し、図10と11において、スライダ45を左にスライドさせる。この場合、両方の剪断機構34,35の内側の工具ジブ48,49と落下シュータ39内に配置されたカバーフード60は、スライダ45の中間支持アーム50と共に剪断機器33の動作領域内を左にスライドされる。左の剪断機構34では、下方の支持アーム71,72上に有るロールRは、スライダ45の中間支持アーム50に係止された内側の工具ジブ48により、左にスライドされ、剪断機構34の左の周縁部上に配置された、支持フレーム40の支持体41に固定された外側の工具ジブ46の方にスライドされる。右の剪断機構35では、内側の工具ジブ49が、剪断機構35の右の周縁部上に配置された、支持フレーム40の支持体42に固定された外側の工具ジブ47から引き離される形で左にスライドされる。落下シュータ39内では、カバーフード60が左にスライドされる。
【0055】
左の剪断機構34の操作後には、右の部分ダクト39bがスロープ38の方を向くとともに、カバーフード60が左の部分ダクト39aを遮断する。
【0056】
スロープ38を介して供給される次のロールRは、カバーフード60から右の部分ダクト39bに転回されて、開いた右の剪断機構35に落ちて行き、そこで、二つの下方の支持アームにより受け止められ、剪断機構35の操作により、スポンジ状中空体36に切り分けられて、ベルトコンベヤ70上に下方に落ちて行く。
【0057】
右の剪断機構35を操作するためには、スライダ45の左の側方支持アーム51に取り付けられた作動機関56を操作し、図10と11に図示された位置に、スライダ45を右にスライドさせる。この場合、両方の剪断機構34,35の内側の工具ジブ48,49と落下シュータ39内に配置されたカバーフード60は、スライダ45の中間支持アーム50と共に剪断機器33の動作領域内を右にスライドされる。右の剪断機構35では、下方の支持アーム上に有るロールRは、スライダ45の中間支持アーム50に係止された内側の工具ジブ49により、右にスライドされ、剪断機構35の右の周縁部上に配置された、支持フレーム40の支持体42に固定された外側の工具ジブ47の方にスライドされる。左の剪断機構34では、内側の工具ジブ48が、剪断機構34の左の周縁部上に配置された、支持フレーム40の支持体41に固定された外側の工具ジブ46から引き離される形で右にスライドされる。落下シュータ39内では、カバーフード60が右にスライドされる。
【0058】
右の剪断機構35の操作後には、左の部分ダクト39aが再びスロープ38の方を向くとともに、カバーフード60が、再び右の部分ダクト39bを遮断する。
【0059】
両方の剪断機構34,35の工具ジブ46,47,48,49は、直線的な剪断エッジが垂直方向を向いた剪断用押さえを保持している。これらは、別の剪断エッジを持つ工具ジブと、或いは剪断エッジが別の方向を向いた工具ジブと交換して、別の縁端を持つスポンジ状中空体を作ることができる。そのためには、剪断機構34,35の工具ジブを交換することに伴う剪断機器33の変更は不要である。
【0060】
図13と14は、可塑的に変形可能なロールRを剪断機器73の縦方向に供給して、その中の二つの長く延びる並んだ剪断機構74,75内で処理する別の装置を図示している。剪断機構74,75内において、ロールRは、それぞれその長手方向と交差する方向に対して切断され、スポンジ状中空体に切り分けられる。剪断機構74,75は、その縦方向に対して交差する方向に前後に動かすことが可能なスライダ76によって、交互に操作される。剪断機器73は、図10〜12の剪断機器33とほぼ同じである。
【0061】
この剪断機器73では、動作領域が、剪断機構74,75の縦方向に延びる支持フレーム80の二つの支持体78,79の間に落下シュータ77と一緒に置かれている。これらの支持体78,79は、支持フレーム80の右半分内に配置されている。それらは、それらの互いに向き合った側で、両方の剪断機構74,75の外側の工具ジブ81,82を保持している。剪断機構74,75の内側の工具ジブ83,84は、剪断機器73の動作領域の内部で背中合わせに配置されている。
【0062】
内側の工具ジブ83,84は、剪断機構74,75の縦方向に対して平行なスライダ76の支持アーム85により保持されている。この支持アーム85は、スライダ76の右半分内に配置されている。スライダ76は、その左半分内に配置された、そこに狭い間隔で並べられた、剪断機構74,75の縦方向に対して平行な二つの支持アーム86,87を備えており、それらの支持アームには、図13と14でスライダ76を左又は右にスライドさせる作動シリンダが取り付けられている。
【0063】
スライダ76の支持アーム85,83,87は、支持フレーム80の前方壁面88と後方壁面89を貫通している。それらは、スライダの支持フレームの一部であり、支持フレーム80の外において、剪断機構74,75の縦方向に対して交差する方向に延びるスライダ76の支持アーム90,91によって互いに接続されている。
【0064】
スライダ76の左の二つの支持アーム86,87は、支持フレーム80内において、支持体78と隣接した右の横壁面78aと左の終端壁面92の間に配置されている。支持フレームの右の横壁面78aの左側には、スライダを、図13と14に図示された位置に左にスライドさせる二つの油圧式作動シリンダ93が取り付けられている。これらの作動シリンダ93は、その作動ピストン93aにより、スライダ76の左の第一の支持アーム86の右側に取り付けられている。支持フレームの左の終端壁面92の右側には、スライダを図13と14に図示された位置から右にスライドさせる二つの油圧式作動シリンダ95が取り付けられている。これらの作動シリンダ95は、その作動ピストン95aにより、スライダ76の左の第二の支持アーム87の左側に取り付けられている。
【0065】
剪断機器73の動作領域内において、剪断機構74,75の二つの内側の工具ジブ83,84の上に、凸形状又は切妻形の表側を備えたカバーフード96が配置されている。カバーフード96は、両方の工具ジブ83,84と一体的に構成されている。工具ジブ83,84とカバーフード96は、剪断機構74,75の縦方向に対して平行なスライダ76の右の支持アーム85上に馬乗り形に置かれた長く延びる区画を形成している。この区画は、落下シュータ77を二つの部分シュータに区分している。この区画の剪断機構74,75の縦方向に対して平行な二つの縦側には、それぞれ両方の内側の工具ジブ83,84の縦方向に重なり合う剪断用押さえが配置されている。内側の工具ジブ83,84を清掃又は交換するためには、この区画だけをスライダ76の右の支持アーム85から引き上げて、次に、清掃した区画又は別の工具ジブを配備した区画をスライダ76の右の支持アーム85上に載せる。
【0066】
図15は、可塑的に変形可能なロールRをスポンジ状中空体に処理するための別の装置を図示している。ロールは、長く延びる四つの剪断機構97,98,99,100を備えた剪断機器96の縦方向に供給され、その中で、ロールは、それぞれその長手方向と交差する方向に対して切断され、スポンジ状中空体に切り分けられる。剪断機器96は、一定の間隔を開けて並んだ二つの動作領域101,102を有し、それらの動作領域は、剪断機器96の互いに鏡像関係に形成された二つの部分内に配置されている。各動作領域101又は102には、長く延びる二つの剪断機構97,98又は99,100が、その縦方向に対して交差する方向に並んで配置されている。各動作領域101又は102には、剪断機構の縦方向に対して交差する方向に前後に動かすことが可能なスライダ103又は104が組み込まれており、それらのスライダは、各動作領域101又は102の両方の剪断機構97,98又は99,100を交互に操作する。剪断機器96の左の部分は、図13と14の剪断機器と同じである。剪断機器96の右の部分は、それと鏡像関係に形成されている。両方の動作領域101,102のスライダ103,104は、互いに独立して前後に動かされる。両方のスライダ103,104は、単一のスライダと置き換えることもでき、その場合スライダは、両方の動作領域101,102の左の剪断機構97,99と両方の動作領域101,102の右の剪断機構98,100をそれぞれ同時に操作する。
【0067】
図16〜20は、剪断機構用の様々な工具アダプタとそれらの工具アダプタを用いてロールRから製造されたスポンジ状中空体を図示している。
【0068】
図16は、互いに向き合った同じ構成の二つの工具ジブ103を備えた工具アダプタを図示している。各工具ジブ103は、互いに間隔を開けて配置された、垂直に突き出た七つの剪断用押さえを有する。この工具アダプタを備えた剪断機構により、ロールは、六つのスポンジ状中空体に切り分けられる。
【0069】
図17は、突き出た剪断用押さえを備えた工具ジブ104が平坦な工具ジブ105と向き合った工具アダプタを図示している。工具ジブ104は、互いに間隔を開けて配置された、垂直に突き出た七つの剪断用押さえを有し、その中の剪断用押さえが二つ毎に多少短く形成されている。この工具アダプタを備えた剪断機構により、ロールは、片側を平坦に押し潰され、二つ毎に平坦に押し潰された位置でのみ切断され、その結果スポンジ状中空体が三つだけ出来上がる。
【0070】
図18は、それぞれ垂直に突き出た七つの剪断用押さえを有する同じ構成の二つの工具ジブ106,107を備えた工具アダプタを図示しているが、その中の二つ毎の剪断用押さえだけが、ロールを平坦に押し潰された位置で切断する。この工具アダプタを備えた剪断機構により、各ロールから、それぞれ剪断エッジのところで互いに繋がった二つのスポンジから成る三つの縦長のスポンジ状中空体が出来上がる。
【0071】
図19は、三つの突き出た剪断用押さえを備えた工具ジブ108が突き出た剪断用押さえの無い平坦な工具ジブ109と向き合った工具アダプタを図示している。工具ジブ108では、剪断用押さえが、工具ジブ108の中央と両端に配置されている。この工具アダプタを備えた剪断機構により、各ロールは、片側を平坦な工具ジブ109に対して押し付けられ、両端を剪断エッジにより閉じられるとともに、とにかく中央を局所的に平坦に押し潰されて、次に、平坦に押し潰された位置で切断され、その結果それから二つのスポンジ状中空体が出来上がる。
【0072】
図20は、同じ構成の二つの工具ジブ110,111を備えた別の工具アダプタを図示している。両方の工具ジブ110,111では、両端と中央で、それぞれ剪断用押さえが垂直に突き出ている。この工具アダプタを備えた剪断機構により、各ロールは、それぞれ端部を剪断エッジにより閉じられた二つのスポンジ状中空体に切り分けられる。
【0073】
図21は、垂直に突き出た剪断用押さえ114,115を備えた二つの工具ジブ112,113が互いに向き合った別の工具アダプタを図示している。左の工具ジブは、平らな正面側とそこから突き出た切断用エッジ116を備えた剪断用押さえ114を保持している。右の工具ジブ113は、平らな正面側を備えた剪断用押さえ115を保持している。この工具アダプタを備えた剪断機構により、各ロールは、互いに向き合った工具ジブ112,113の剪断用押さえ114,115の間で平坦に押し潰されて、剪断用押さえ114から突き出た切断用エッジ116によって、平坦に押し潰された位置で切断される。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】剪断機構を一つだけ備え、剪断機構が開いた状態での、この発明による装置の垂直断面図
【図2】剪断機構が閉じた状態での図1の装置の垂直断面図
【図3】剪断機構が開いた状態での図1の装置の平面図
【図4】図1の装置の剪断機構の工具アダプタの正面図
【図5】図4の両方の工具アダプタの平面図
【図6】縁端が逆側に90°回転されたスポンジ状中空体の模式図
【図7】二つの並んだ剪断機構を備え、左の剪断機構が開き、右の剪断機構が閉じた状態での、この発明による装置の垂直断面図
【図8】左の剪断機構が閉じ、右の剪断機構が開いた状態での、図7の装置の垂直断面図
【図9】左の剪断機構が開き、右の剪断機構が閉じた状態での、図7の装置の平面図
【図10】二つの並んで配置された剪断機構を備え、左の剪断機構が開き、右の剪断機構が閉じた状態での、この発明による別の装置の平面図
【図11】図10の装置の剪断機構の縦方向と交差する方向での垂直断面図
【図12】図10の装置の剪断機構の縦方向での垂直断面図
【図13】二つの並んで配置された剪断機構を備え、左の剪断機構が閉じ、右の剪断機構が開いた状態での、この発明による別の装置の垂直断面図
【図14】図13の装置の平面図
【図15】並んで配置された四つの剪断機構を備えた、この発明による装置の平面図
【図16】剪断機構用工具アダプタとその工具アダプタを用いてロールRから製造されたスポンジ状中空体
【図17】剪断機構用工具アダプタとその工具アダプタを用いてロールRから製造されたスポンジ状中空体
【図18】剪断機構用工具アダプタとその工具アダプタを用いてロールRから製造されたスポンジ状中空体
【図19】剪断機構用工具アダプタとその工具アダプタを用いてロールRから製造されたスポンジ状中空体
【図20】剪断機構用工具アダプタとその工具アダプタを用いてロールRから製造されたスポンジ状中空体
【図21】工具アダプタの詳細図

【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持フレームと、ロール用の供給機器と、ロールをスポンジ状中空体に切り分ける剪断機器とを備えた、互いに逆側の端部を剪断エッジにより画定された複数のスポンジ状中空体を同時に製造する装置において、
供給機器(1,37)が、ロール(R)をその長手方向と交差する方向に対して剪断機器(4,19,33,73,96)に供給する落下シュータ(3,39,77)を備えており、剪断機器が、ロール(R)の長手方向に対応して長く延びる少なくとも一つの剪断機構(6)又は並んで配置された、それぞれロール(R)の長手方向に対応して長く延びる二つ以上の剪断機構(20,21;34,35;74,75;97,98,99,100)を有することと、
各剪断機構(6;20,21;34,35;74,75;97,98,99,100)が、縦方向に順番に配置された一連の剪断工具(7,7’)を有し、これらの剪断工具が、支持フレーム(5,18,40,80)内において静止して配置された、それぞれ支持フレーム(5,18,40,80)内に固定された静止式剪断用押さえ(8,8’,24,25)と、それと横方向に対して向かい合った、支持フレーム(5,18,40,80)内で横方向に対して前後に動かすことが可能なスライダ(10,18,45,76,103,104)上に配置された可動式剪断用押さえ(9,9’,26,27)とを有することと、
を特徴とする装置。
【請求項2】
各剪断機構(6;20,21;34,35;74,75;97,98,99,100)が、縦方向に延びる、横方向に対して互いに向き合った二つの工具アダプタ(14,15;24a,26a;25a,27a;46,48;47,49;81,83;84,82)を有し、その中の一方の工具アダプタ(14,24a,25a,46,47,81,82)が、剪断機構(6;20,21;34,35;74,75;97,98,99,100)の剪断工具の静止式剪断用押さえ(8,24,25)を保持するとともに、支持フレーム(5,18,40,80)内に固く係止されており、他方の工具アダプタ(15,26a,27a,48,49,83,84)が、剪断機構(6;20,21;34,35;74,75;97,98,99,100)の剪断工具の可動式剪断用押さえ(9,26,27)を保持するとともに、支持フレーム(5,18,40,80)内で横方向に滑走可能な形に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
一方の剪断機構(6)には、縦方向に並んだ剪断工具(7,7’)が配備されており、それらの剪断工具では、剪断用押さえ(8,9)が、剪断工具間で逆向きに回転された剪断エッジ、有利には、90°逆向きに回転された剪断エッジ(8a,8a’,9a,9a’)を保持していることを特徴とする請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
剪断機器が、横方向に滑走可能なスライダによって同時に操作することが可能な、長く延びる、横方向に並んで配置された二つの剪断機構を備えており、一方の剪断機構の可動式剪断用押さえが、剪断機器の内部において、他方の剪断機構の静止式剪断用押さえと背中合わせに配置されており、両方の剪断機構の可動式剪断用押さえが、スライダ上に配置されていることを特徴とする請求項1から3までのいずれか一つに記載の装置。
【請求項5】
剪断機器(19,33,73)が、横方向に滑走可能なスライダ(28,45,76)によって交互に操作することが可能な、長く延びる、横方向に並んで配置された二つの剪断機構(20,21;34,35;74,75)を備えており、両方の剪断機構(20,21;34,35;74,75)の可動式剪断用押さえが、剪断機器(19,33,73)の内部において、背中合わせに配置されるとともに、スライダ(28,45,76)に係止されており、両方の剪断機構(20,21;34,35;74,75)の可動式剪断用押さえと向かい合った静止式剪断用押さえが、支持フレーム(18,40,80)内において剪断機器(19,33,73)と係止されていることを特徴とする請求項1から3までのいずれか一つに記載の装置。
【請求項6】
剪断機器(19,33,73)の両方の剪断機構(20,21;34,35;74,75)が、それぞれ長く延びる、横方向に互いに向き合った二つの工具アダプタ(24a,26a;25a,27a;46,48;47,49;81,83;84,82)を有し、剪断機構(20,21;34,35;74,75)の静止式剪断用押さえには、支持フレーム(18,40,80)内で係止された外側の工具アダプタ(24a,25a,46,47,81,82)が配備され、剪断機構(20,21;34,35;74,75)の可動式剪断用押さえには、スライダ(28,45,76)に係止された内側の工具アダプタ(26a,27a,48,49,83,84)が配備されていることを特徴とする請求項5に記載の装置。
【請求項7】
横方向に滑走可能なスライダ(45,76)が、剪断機器(33,73)の落下シュータ(39,77)を横方向に並んだ二つの部分シュータ(39a,39b)に区分するカバーフード(60,94)を保持していることを特徴とする請求項5又は6に記載の装置。
【請求項8】
各剪断機構(6)には、それに対応するカバーが配備されており、そのカバーは、支持フレーム(5)内で係止された、剪断機構(6)の静止式剪断用押さえ(8)のための静止式カバー部分(16)と、剪断機構(6)の可動式剪断用押さえ(9)のための横方向に動かすことが可能なカバー部分(17)とを有し、剪断機構(6)の両方のカバー部分(16,17)の間には、ロール(R)用の投入スリットが配置されていることを特徴とする請求項1から6までのいずれか一つに記載の装置。
【請求項9】
横方向に滑走可能なスライダ(28)によって交互に操作することが可能な、並んで配置された両方の剪断機構(20,21)に対して、カバーが配備されており、そのカバーは、支持フレーム(18)内で係止された、両方の剪断機構(20,21)の静止式剪断用押さえ(24,25)のための側方カバー部分(30,31)と、側方カバー部分(30,31)の間に配置された、スライダ(28)に係止された、凸形状又は切妻形の表側を備えた、スライダ(28)に係止された両方の剪断機構(20,21)の剪断用押さえ(26,27)のための中間カバー部分(32)とを有し、各剪断機構(20,21)において、側方カバー部分(30,31)と中間カバー部分(32)の間には、ロール(R)用の投入スリットが配置されていることを特徴とする請求項5又は6に記載の装置。
【請求項10】
ロール(R)を、その長手方向と交差する方向に対して剪断機器(4,19,33,73,96)に供給する落下シュータ(39,77)が、その少なくとも一つの正面側を、ロール(R)の端部に対応するガイド機器(65,66)によって画定されていることを特徴とする請求項1から9までのいずれか一つに記載の装置。
【請求項11】
各ガイド機器(65,66)が、落下シュータ(39,77)の横方向に延びる正面壁面上に取り付けられおり、落下シュータ(39,77)のこの正面壁面の周りに案内された、落下シュータ(39,77)の正面側を画定するエンドレスベルト(67)を有することを特徴とする請求項10に記載の装置。
【請求項12】
ガイド機器(65,66)は、巡回するエンドレスベルト(67)が、ロール(R)の端部から流出する詰め物を掻取って、落下シュータ(39,77)の外に配置されたベルト清掃器に供給する掻取り機器として構成されていることを特徴とする請求項11に記載の装置。
【請求項13】
少なくとも静止式剪断用押さえを、有利には、電気的に加熱することができる加熱可能な剪断工具が配備されていることを特徴とする請求項1から12までのいずれか一つに記載の装置。
【請求項14】
各剪断機構には、剪断工具の上に配置された、剪断工具を加熱するための赤外線放熱器が配備されていることを特徴とする請求項1から12までのいずれか一つに記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公表番号】特表2008−510473(P2008−510473A)
【公表日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−528698(P2007−528698)
【出願日】平成17年8月19日(2005.8.19)
【国際出願番号】PCT/EP2005/008974
【国際公開番号】WO2006/021373
【国際公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【出願人】(507058214)フランツ・ハース・ヴァッフェル−ウント・ケークスアンラーゲン−インドゥストリー・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング (4)
【Fターム(参考)】