説明

スライド式電子装置

【課題】斬新なデザインの開閉機構を備え、且つ、視覚効果も理想的であるスライド式電子装置を提供する。
【解決手段】スライド式電子装置は、ガイド溝16が開設される本体部10と、前記本体部に重ね合せされ、且つ前記ガイド溝に対応する片側には、収容溝が開設されるカバー部20と、両端が別々に前記カバー部及び前記本体部に回転可能に連結される少なくとも1つの振りアーム34を含むリンク機構と、一端が前記ガイド溝内にスライド可能に設置され、他端が前記カバー部に回転可能に連結される連結ロッドと、を備える。前記カバー部を前記本体部に対して開放する場合、前記カバー部の一端は、前記リンク機構によって前記本体部に対して傾くように立ち上がり、前記カバー部の他端は、前記連結ロッドによって前記本体部の上面に沿ってスライドする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スライド式電子装置に関し、特にカバー部が本体部に対して短手方向にスライドするとともに、斜めに開けられるスライド式電子装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在市販されている電子装置は、一般的には、相対的に回転するかまたは相対的にスライドできる上筐体及び下筐体を含む。例えば、スライド式電子装置においては、前記上筐体を前記下筐体に対してスライドさせることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来のスライド式電子装置において、上筐体が下筐体の長手方向に沿ってスライドするので、スクリーンの視角をキーボードに対して調整できないという欠点がある。その結果、ユーザーは、スクリーンを見るために視線を上へ移動させ、また、キーボードを見るために視線を下へ移動させなければならない。このような繰り返し動作は、ユーザーの首に負担をかける。
【0004】
最近、通信技術の飛躍的な発展に伴い、携帯電子装置のデザインに対する要求も徐々に高くなり、前記携帯電子装置における上筐体と下筐体との間の開閉機構は、携帯電子装置のデザインに関する重要な要素になった。従来の折り畳み式または縦方向スライド式以外の新しい開閉機構を備えた電子装置が望まれている。
【0005】
以上の問題点に鑑みて、本発明の目的は、カバー部が本体部に対して短手方向にスライドするとともに、斜めに開けられるライド式電子装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記問題を解決するために、本発明に係るスライド式電子装置は、ガイド溝が開設される本体部と、前記本体部に重ね合せされ、且つ前記ガイド溝に対応する片側には、収容溝が開設されるカバー部と、その両端が別々に前記カバー部及び前記本体部に回転可能に連結される少なくとも1つの振りアームを含むリンク機構と、一端が前記ガイド溝内にスライド可能に設置され、他端が前記カバー部に回転可能に連結される連結ロッドと、を備えてなる。前記カバー部を前記本体部に対して開放する場合、前記カバー部の一端は、前記リンク機構によって前記本体部に対して傾くように立ち上がり、前記カバー部の他端は、前記連結ロッドによって前記本体部の上面に沿ってスライドする。
【発明の効果】
【0007】
本発明のスライド式電子装置において、前記カバー部は、前記本体部に対して短手方向にスライドするとともに、斜めに開かれ、且つ所定の傾斜角度に位置決めされるので、ユーザーは、表示パネルに表示された情報を閲覧し易くなり、最もよい視覚効果を得られる。さらに、前記スライド式電子装置は、従来のスライドタイプとは異なる開閉機構を備えるので、デザイン性に富む。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施形態に係るスライド式電子装置の分解図である。
【図2】図1に示すスライド式電子装置のカバー部の背面図である。
【図3】図1に示すスライド式電子装置が組み立てられた後の閉じられた状態での透視図である。
【図4】図1に示すスライド式電子装置が組み立てられた後の開いた状態での正面斜視図である。
【図5】図1に示すスライド式電子装置が組み立てられた後の開いた状態での背面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係るスライド式電子装置について詳細に説明する。
【0010】
図1に示したように、本発明の実施形態に係るスライド式電子装置100は、本体部10と、カバー部20と、リンク機構30と、連接ロッド40と、を備える。
【0011】
前記本体部10の前記カバー部20に対面する上面において、前記本体部10の長手方向の片側(長手方向に対する左右方向の左側)には、キーボード部12が設置されており、前記本体部10の長手方向の他の片側(長手方向に対する左右方向の右側)には、矩形の第一組立凹所14が開設されている。前記第一組立凹所14は、前記リンク機構30を装着するために用いられ、前記第一組立凹所14の前記キーボード部12から離れている片側の2つの片側の隅には、それぞれ1つの第一取付孔142が開設されている。前記本体部10の前記カバー部20に対面する上面において、前記本体部10の短手方向の片側(短手方向に対する左側)には、矩形のガイド溝16が開設されている。前記ガイド溝16は、前記連接ロッド40を装着するために用いられる。前記ガイド溝16内の前記本体部10の短辺に近接する側壁上には、係止溝162が開設されている。前記係止溝16は矩形の凹溝であり、その延在長さは、前記ガイド溝16の延在長さと一致する。前記カバー部20の上面には、表示パネル22が設置されている。
【0012】
図2に示したように、前記カバー部20の前記本体部10に対面する下面において、前記カバー部20の長手方向の片側には、前記本体部10の第一組立凹所14に対応する第二組立凹所24が開設されており、前記カバー部20の短手方向の片側には、前記本体部10のガイド溝16に対応する収容溝26が開設されている。前記第二組立凹所24の相対する2つの側壁(図示せず)の一端には、それぞれ1つの第二取付孔242が開設されている。前記収容溝26の前記第二組立凹所24から離れている一端の側壁上には、第三取付孔262が開設されている。
【0013】
前記リンク機構30は、円柱体である主体レバー部32と、前記主体レバー部32の2つの末端322の近傍に固定され、且つ前記主体レバー部32の同一側から略「八」字状に延在する2つの振りアーム34と、を含む。前記2つの末端322は、前記第一組立凹所14の相対する2つの片隅に開設された第一取付孔142内にそれぞれ装着される。前記2つの振りアーム34の一端は、前記主体レバー部32に連結し、前記2つの振りアーム34の他端の片側には、それぞれ1つの第一固定軸342が設けられている。前記2つの第一固定軸342は、それぞれ反対方向に向けて突出され、且つ前記カバー部20の第二組立凹所24の2つの第二連結孔242内にそれぞれ装着される。
【0014】
前記連結ロッド40は「L」字型又は縦型のロッドであることができ、その一端は前記本体部10のガイド溝16内にスライドできるように設置され、他端は前記カバー部20に回転可能に連結する。本実施形態において、前記連結ロッド40は「L」字状を呈し、第一ロッド部42と、前記第一ロッド部42の一端に、前記第一ロッド部42に対して直交して連結される第二ロッド部44と、を含む。前記第一ロッド部42の末端の片側には、第二固定軸422が突設されている。前記第二固定軸422は、前記カバー部20の収容溝26の第三取付孔262内に装着される。前記第二ロッド部44の末端の片側には、前記本体部10のガイド溝16の係止溝162とスライドするように組み合せる突出ピン442が突設されている。
【0015】
図3に示したように、前記スライド式電子装置100を組み立てる場合、まず、前記リンク機構30の主体レバー部32を前記本体部10の第一組立凹所14内に装着して、前記主体レバー部32の2つの末端322をそれぞれ前記第一組立凹所14の2つの第一取付孔142内に回転可能に装着する。次に、前記リンク機構30の2つの振りアーム34の第一固定軸342を別々に前記カバー部20の第二組立凹所24の2つの第二取付孔242内に回転可能に装着する。最後に、前記連結ロッド40の第二ロッド部44を前記本体部10のガイド溝16内に収納するとともに、前記第二ロッド部44の末端の突出ピン442を前記係止溝162内にスライド可能に設置し、前記連結ロッド40の第一ロッド部42の末端の第二固定軸422を前記収容溝26の一端に開設された第三取付孔262内に回転可能に装着する。このように、前記スライド式電子装置100を一体に組み立てた。この場合、前記リンク機構30の2つの振りアーム34は、前記第一組立凹所14及び前記第二組立凹所24から形成される収容空間内に収納されている。
【0016】
図4及び図5に示したように、前記スライド式電子装置100を開く場合、矢印方向Aに沿って前記カバー部20を前記本体部10に対して推進すると、前記連結ロッド40の突出ピン442は前記係止溝162に沿ってスライドし、前記連結ロッド40の第二固定軸422は前記カバー部20の第三取付孔262内で回転する。一方、前記2つの振りアーム34は、前記主体レバー部32に関して前記本体部10に相対的に回転し、前記2つの振りアーム34と前記本体部10の上面との間の角度は徐々に大きくなる。従って、前記カバー部20の一端は、前記2つの振りアーム34に誘導されて前記本体部10に対して傾斜するように持ち上げられるとともに、前記カバー部20の他端は、前記本体部10の上面で前記本体部10の短手方向に沿ってスライドする。前記カバー部20の前記本体部10に接触する一端は、前記連結ロッド40により前記本体部10上に連接されるので、垂直する方向に起き上がることができない。前記2つの振りアーム34は、前記第一組立凹所14の側壁に当止されて、さらに回転できない場合に、前記カバー部20は前記本体部10に対して完全に開けられ、且つ所定の傾斜角度に保たれる。
【0017】
前記スライド式電子装置100を閉じる場合、前記カバー部20の前記2つの振りアーム34に持ち上げられた一端を下へ押圧すると、前記振りアーム34は開ける場合の軌跡に相反して回転し、前記カバー部20を前記本体部10に対してスムーズに閉じさせる。
【0018】
本発明のスライド式電子装置100において、前記カバー部20は前記本体部10に対して短手方向にスライドするとともに、斜めに開かれ、且つ所定の傾斜角度に位置決めされるので、ユーザーは、前記表示パネル22に表示された情報を閲覧し易くなり、最もよい視覚効果を得られる。さらに、前記スライド式電子装置100は、従来のスライドタイプとは異なる開閉機構を備えるので、デザイン性に富む。
【0019】
また、前記振りアーム34と前記カバー部20又は前記本体部10との連接部位にヒンジ部材(図示せず)を装着してもよい。従って、前記カバー部20が前記本体部10に対してセミオート的に開放されるか又は閉じられることができる。さらに、前記ヒンジ部材のトルクにより、前記カバー部20を前記本体部10に対してより安定的に開放する又は閉じることができる。
【0020】
また、前記2つの振りアーム34を1つの板状部材(図示せず)により連結して板状機構を形成してもよい。前記板状機構の両辺は、それぞれ前記カバー部20及び前記本体部10に回転可能に連結する。
【0021】
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々の変形又は改良が可能であり、該変形又は改良も、本発明の特許請求の範囲内に含まれるものであるのがいうまでもない。
【符号の説明】
【0022】
10 本体部
12 キーボード部
14 第一組立凹所
16 ガイド溝
20 カバー部
22 表示パネル
24 第二組立凹所
26 収容溝
30 リンク機構
32 主体レバー部
34 振りアーム
40 連結ロッド
42 第一ロッド部
44 第二ロッド部
100 スライド式電子装置
142 第一取付孔
162 係止溝
242 第二取付孔
262 第三取付孔
322 末端
342 第一固定軸
422 第二固定軸
442 突出ピン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガイド溝が開設される本体部と、
前記本体部に重ね合わせされ、且つ前記ガイド溝に対応する片側には、収容溝が開設されるカバー部と、
前記本体部と前記カバー部との間に設置され、且つその両端が別々に前記カバー部及び前記本体部に回転可能に連結される少なくとも1つの振りアームを含むリンク機構と、
一端が前記ガイド溝内にスライド可能に設置され、他端が前記カバー部に回転可能に連結される連結ロッドと、
を備えてなるスライド式電子装置であって、
前記カバー部を前記本体部に対して開放する場合、前記カバー部の一端は、前記リンク機構によって前記本体部に対して傾くように立ち上がり、前記カバー部の他端は、前記連結ロッドによって前記本体部の上面に沿ってスライドすることを特徴とするスライド式電子装置。
【請求項2】
前記本体部上には、第一組立凹所が開設され、前記カバー部上には、第二組立凹所が開設され、
前記振りアームの両端は、それぞれ前記第一組立凹所及び前記第二組立凹所内に延在し、且つ前記カバー部及び前記本体部に回転可能に連結することを特徴とする請求項1に記載のスライド式電子装置。
【請求項3】
前記リンク機構は、主体レバー部及び2つの振りアームを含み、
前記2つの振りアームは、それぞれ前記主体レバー部の末端に隣接して設置され、且つ前記主体レバー部の同一側から延在し、
前記第一組立凹所の両端には、それぞれ第一取付孔が開設され、
前記主体レバー部は、前記第一組立凹所内に収納され、且つ前記主体レバー部の2つの末端は、それぞれ前記第一取付孔内に装着されることを特徴とする請求項2に記載のスライド式電子装置。
【請求項4】
前記振りアームのぞれぞれの末端の片側には、第一固定軸が設置され、
前記第二組立凹所の相対する2つの側壁上には、それぞれ第二取付孔が形成され、前記第一固定軸のぞれぞれは、対応する前記第二取付孔内に回転可能に装着されることを特徴とする請求項3に記載のスライド式電子装置。
【請求項5】
前記ガイド溝は、前記カバー部のスライド方向に沿って延在し、且つ前記本体部の短辺に隣接する側壁上には、係止溝が開設されており、前記収容溝の一端の側壁上には、第三取付孔が開設され、
前記連結ロッドは、第一ロッド部及び前記第一ロッド部に対して直交して連結される第二ロッド部を含み、
前記第二ロッド部の末端の片側には、突出ピンが設置され、前記第一ロッド部の末端の片側には、第二固定軸が突設され、
前記突出ピンは、前記係止溝内にスライド可能に設置され、前記第二固定軸は、前記第三取付孔内に回転可能に装着されることを特徴とする請求項1に記載のスライド式電子装置。
【請求項6】
前記カバー部上には、表示パネルが設置され、前記本体部上には、キーボード部が設置され、
前記カバー部が前記本体部に対して開放された後、前記表示パネルは、前記キーボード部に対して傾斜するように立ち上がることを特徴とする請求項1に記載のスライド式電子装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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