説明

スライド装置及びスライド建具

【課題】開閉時の騒音を低減するとともに、小さな力で動き出し、その後は適度な速度で作動する、スライド装置及びスライド建具を提供する。
【解決手段】スライド建具100の開閉に伴いガイドレール2上を摺動するスライド装置10において、ガイドレール2と接触して摺動可能であるとともに、ガイドレール2との摺動時よりも小さな力でスライド建具100の左右の動きに対してガイドレール2上を転動しながら相対的に変位可能なスライダー11と、スライダー11の変位を規制するストッパー15とを備え、スライド建具100の開閉時においてスライダー11は、ストッパー15により変位を規制されるまでは、ガイドレール2上を摺動することなくスライド建具100の左右の動きに対してガイドレール2上を転動しながら相対的に変位し、ストッパー15により変位を規制された後は、ガイドレール2上を摺動する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、住宅等の建築物に用いられるスライド建具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
住宅等の建築物においては、開口部の上枠や下枠に沿って設けられたガイドレールに沿って左右に開閉されるスライド建具が用いられている。代表的なスライド建具として引き戸が挙げられるが、引き戸には、障子、襖、雨戸のような和風の引き戸のほか、ドアと同じような洋風デザインの引き戸も存在する。
【0003】
障子や襖などは、細い木材で骨格を形成し表面に和紙を張った軽量構造なので、戸の下部が直接敷居上を摺動する構造であっても軽い力で開閉することが可能である。しかし、和風の引き戸であっても雨戸のようにやや重い板戸や、洋風デザインの引き戸の場合、障子や襖と比較して重く、単に摺動させるだけでは特に開閉の最初の段階で抵抗が過大であり、開閉に大きな力が必要であるため、戸車を装着する場合が多い。
【0004】
戸車を装着する場合、初期には平底の敷居上をそのまま走行させる構造であったが、近年ではより軽快さを求めて、樹脂製戸車と敷居に埋め込まれたレール(V型レール、Y型レール、Ω型レール、T型レール等)とを組み合わせて用いるのが一般化している。戸車は回転による抵抗(ころがり摩擦)なので、直接敷居上を摺動させる構造と比べて抵抗が小さく、極めて軽快に作動させることができる。しかし、いったん動き始めると勢いが付き過ぎて反対側の枠に当たって跳ね返ることもあるため、ソフトクローザー機構が併用されるものがある。また、例えば特許文献1には、回転体とスプリング体とを組み合わせて急激な加速度を加えた場合に自動的にブレーキがかかるようにした、ドア用ブレーキ装置に関する発明が記載されている。
【0005】
また、戸車は、磨耗や油切れ、ゴミの噛み込みによるレール表面の傷等によって、見栄えを損ねたり、騒音を発生させる事がある。そのため、磨耗や油切れに対しては注油のほかに、オイルレスメタルやベアリングの採用により対応しているものがあり、ゴミの噛み込みには、ブラシ等の掃除手段を設けることで対応しているものがある。さらに、特許文献2には、レールの形状に応じて球面スケートが回転したり滑走したりすることで戸車騒音を除去するようにした、引き戸・引き出し用球面スケートに関する発明が記載されている。
【0006】
一方、スライダーを用いた引き戸も提案されている。これは引き戸の下部全面又は一部に、竹、ナイロン、シリコンなどの滑りやすい摺動片を設け、敷居やレールとの接触面積を最小とした上で、すべり摩擦を減少させる構造となっている。スライダーは回転部分がないので、ゴミの噛み込みが少なく、いったん動き出してしまえば軽快に作動させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】実用新案登録第2509046号公報
【特許文献2】実開平6−56433号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来の引き戸用の戸車やスライダーに関しては、以下の問題があった。
(1)騒音が大きい。
戸車を用いた場合、レール上の異物の上を走行する度に、異物がレールや戸車の車輪にめり込み、車輪にめり込んだ異物はさらに円周間隔でレールを凹ませ、それら異物により生じた凹凸のために車輪とレールの接触が断続的になり、「ゴー」といった騒音を生じさせる。また、車輪の製造誤差の程度によっては、当初より騒音を発生させるものもある。特に下荷重の建具では、騒音が響きやすく、戸車やレールは床付近に設置されるので異物の除去は容易ではない。敷居に異物が溜まらないように、VレールやYレールのように傾斜を付けたり、Ωレールのように車輪と点接触するようにしたり、あるいは騒音が生じないように軟質な樹脂製車輪やゴム車輪を利用する場合もあるが、磨耗等耐久性の問題もある。
【0009】
(2)走行性の劣化が早い。
戸車を用いた場合、異物を噛み込むことによりレールや車輪に凹凸が生じ、接触が断続的になる。また、体毛や埃などの車輪軸への巻き込みや油切れ、車輪の磨耗等も生じるため、回転抵抗が大きくなり、走行性が劣化する。
【0010】
(3)レールや敷居が汚れる。
戸車を用いた場合、ゴミの噛み込みが発生すると、車輪の動きによって、車輪磨耗粉やゴミが敷居やレールに圧着され、水分、油、虫、他のゴミ等も一体化して、頑固な薄い膜状の汚れが形成され、黒あるいは戸車車輪と同系色の汚れとなる。
【0011】
(4)開閉の最初の段階が重い。
スライダーを用いた場合、摺動式なので、発生する摩擦はすべり摩擦となる。これは戸車のころがり摩擦よりも大きいので、スライダーは作動時に勢いが付き過ぎることはないものの、静止状態から動き始める際に必要な力が戸車に比較して大きく、やや重量の大きな洋風引き戸等では特に大きな力を必要とする。
【0012】
(5)開閉中は勢いが付き過ぎる。
戸車を用いた場合、最近の戸車は樹脂製車輪とVレール等との組み合わせが多く、ころがり摩擦が作用したとしても、引き戸の移動中は極めて小さな摩擦しか作用していない。そのため、いったん動き始めると勢いが付きすぎて反対側の枠に当たって騒音を生じさせるとともに、反発して逆に再び開いてしまうことがある。そこで最近では、どこのメーカーもソフトクローザー機構を併用できるよう用意してはいるが、開閉の最初が重くなるという問題がある。また、そもそも走行性向上を追及してきたものに、さらにコストを掛けて走行性を抑制する機構を付加するというのは、何とも無駄の多い発想といえる。
【0013】
(6)コストアップや煩雑なメンテナンスを必要とする。
戸車を用いた場合、上記の問題に対応するために、車輪の精度向上、オイルレスメタルやベアリング等の採用、ゴミ掃除用ブラシ設置、プラスチック製やゴム製車輪の採用等を行えば、多少の効果が期待できる反面、コストアップその他の問題を引き起こしてしまう。また、Vレール等は、ネジ止めできないので返しを用いて溝に嵌め込まれており、そのため交換が困難で、専門業者に対応してもらう必要がある。さらに、ゴミ掃除ブラシのように耐久性の低いものについては、頻繁な交換が必要になってしまう。
【0014】
また、急激な加速度を加えた場合に自動的にブレーキがかかるようにした発明(特許文献1)や、戸車騒音を除去するようにした発明(特許文献2)においては、いずれも「回転体」や「球面スケート」が、回転したり摺動したりする構成となっているが、引き戸の開閉スピードやレールの形状によっては、回転と摺動とが予想外の動きをすることが考えられるため、上記課題を効果的に解決することはできない。
【0015】
本発明は、上記従来の課題を解決するものであり、開閉時の騒音を低減するとともに、小さな力で動き出し、その後は適度な速度で作動する、スライド装置及びスライド建具を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
請求項1に係る発明のスライド装置は、建築物開口部の上枠及び下枠の少なくとも1つに沿って設けられたガイドレールに沿って左右に開閉されるスライド建具に取り付けられて、前記スライド建具の開閉に伴い前記ガイドレール上を摺動するスライド装置において、前記ガイドレールと接触して摺動可能であるとともに、前記ガイドレールとの摺動時よりも小さな力で前記スライド建具の左右の動きに対して相対的に変位可能なスライダーと、前記スライダーの変位を規制するストッパーとを備え、前記スライド建具の開閉時において前記スライダーは、前記ストッパーにより変位を規制されるまでは、前記ガイドレール上を摺動することなく前記スライド建具の左右の動きに対して相対的に変位し、前記ストッパーにより変位を規制された後は、前記ガイドレール上を摺動することを特徴とする。
【0017】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載のスライド装置において、前記スライダーは、前記ガイドレールとの円弧状の接触面を有し、前記スライド建具の左右の動きに対して前記ガイドレール上を転動しながら相対的に変位可能であり、前記スライド建具の開閉時において前記スライダーは、前記ストッパーにより変位を規制されるまでは、前記ガイドレール上を摺動することなく前記スライド建具の左右の動きに対して前記ガイドレール上を転動しながら相対的に変位し、前記ストッパーにより変位を規制された後は、前記ガイドレール上を摺動することを特徴とする。
【0018】
請求項3に係る発明は、請求項2に記載のスライド装置において、前記スライダーは、前記スライド建具の左右の動きに対して右左方向にも相対的に変位可能であり、前記ストッパーは、前記スライダーの右左方向の変位と前記スライダーの転動による変位とを同時に規制することを特徴とする。
【0019】
請求項4に係る発明は、請求項1に記載のスライド装置において、前記スライダーは、前記ガイドレールとの平面状の接触面を有し、前記スライド建具の左右の動きに対して右左方向に相対的に変位可能であり、前記スライド建具の開閉時において前記スライダーは、前記ストッパーにより変位を規制されるまでは、前記ガイドレール上を摺動することなく前記スライド建具の左右の動きに対して前記ガイドレール上に留まりながら右左方向に相対的に変位し、前記ストッパーにより変位を規制された後は、前記ガイドレール上を摺動することを特徴とする。
【0020】
請求項5に係る発明は、請求項1乃至請求項4のうちいずれか一つに記載のスライド装置において、前記スライド建具との上下方向の変位を吸収する弾性部材を有することを特徴とする。
【0021】
請求項6に係る発明のスライド建具は、請求項1乃至請求項5のうちいずれか一つに記載のスライド装置を取り付けたことを特徴とする。
【0022】
なお、上記請求項において、「スライド建具」には、ガイドレールに沿って建具がそのまま並行に移動する「引き戸」のほかに、建具が折り畳まれるように移動しながら開かれる「折れ戸」や、建具がガイドレールに対して直角になるように移動しながら開かれるものなどが含まれ、取り付けられたスライド装置がガイドレールに沿って移動するものであれば、建具の移動形態は特に限定されない。また、スライド装置が建具下部に取り付けられる下荷重のスライド建具と、スライド装置が建具上部に取り付けられる上荷重のスライド建具の両者が含まれる。
【0023】
また、上記請求項において、「ガイドレール」には、スライド建具をガイド可能なレール状の構成のものであれば、鴨居や敷居に別体のレール(V型レール、Y型レール、Ω型レール、T型レール等)を取り付けたもののほか、鴨居や敷居自体に溝を掘ったものや、鴨居や敷居に掘った溝の底に滑る部材を貼り付けたものなども含まれる。
【発明の効果】
【0024】
請求項1に記載の発明においては、スライド建具に取り付けられるスライド装置が、ガイドレールと接触して摺動可能であるとともに、ガイドレールとの摺動時よりも小さな力でスライド建具の左右の動きに対して相対的に変位可能なスライダーと、スライダーの変位を規制するストッパーとを備えている。そして、スライド建具の開閉時においてスライダーは、ストッパーにより変位を規制されるまでは、ガイドレール上を摺動することなくスライド建具の左右の動きに対して相対的に変位する。従って、スライド建具の開閉開始時には摺動によるすべり摩擦が発生しないため、小さな力で動かすことができる。
【0025】
一方、ストッパーにより変位を規制された後は、スライダーはガイドレール上を摺動するので、摺動によるすべり摩擦が発生する。この段階では既に建具が移動中で大きな力は必要でないため、適度な摩擦となり、勢いが付きすぎて反対側の枠に当たって騒音を生じたり、反発して逆に再び開いたりする恐れも少ない。また、摺動による移動であるため騒音も小さい。
【0026】
また、請求項2に記載の発明においては、スライダーがガイドレールとの円弧状の接触面を有し、スライド建具の左右の動きに対してガイドレール上を転動しながら相対的に変位可能になっている。従って、スライド建具の開閉開始時には、スライダーはガイドレール上を転動するためころがり摩擦が発生し、摺動によるすべり摩擦が発生しないため、小さな力で動かすことができる。
【0027】
また、請求項3に記載の発明においては、さらにスライダーがスライド建具の左右の動きに対して右左方向にも相対的に変位可能であり、ストッパーがスライダーの右左方向の変位と転動による変位とを同時に規制するようになっている。従って、スライド建具の開閉開始時には、スライダーはガイドレール上を転動するとともに右左方向にも変位し、摺動によるすべり摩擦が発生しないため、小さな力で動かすことができる。
【0028】
また、請求項4に記載の発明においては、スライダーがガイドレールとの平面状の接触面を有し、スライド建具の左右の動きに対して右左方向に相対的に変位可能になっている。従って、スライド建具の開閉開始時には、スライダーはガイドレール上に留まりながら右左方向に相対的に変位し、摺動によるすべり摩擦が発生しないため、小さな力で動かすことができる。さらに、スライダーが初動時においても回動しないので、異物の噛み込みをより少なくすることができる。
【0029】
また、請求項5に記載の発明においては、スライド建具との上下方向の変位を吸収する弾性部材を有している。従って、スライダーがガイドレール上を摺動する際のスティックスリップ現象や、建具本体への振動の伝達を防止することができる。
【0030】
また、請求項6に記載の発明においては、上記スライド装置をスライド建具に取り付けることで、開閉時の騒音を低減するとともに、適度な力加減で開閉操作を行うことができる。
【0031】
以上、本発明によれば、開閉時の騒音を低減するとともに、小さな力で動き出し、その後は適度な速度で作動する、スライド装置及びスライド建具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の実施形態1に係るスライド装置を示す正面図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】実施形態1に係るスライド装置の使用状態を示す図である。
【図4】実施形態1に係るスライド装置の使用状態を示す図である。
【図5】実施形態2に係るスライド装置を示す斜視図である。
【図6】実施形態2に係るスライド装置の使用状態を示す図である。
【図7】実施形態3に係るスライド装置の内部を示す図である。
【図8】実施形態3に係るスライド装置の使用状態を示す図である。
【図9】実施形態1〜3に係るスライド建具を示す正面図である。
【図10】他の実施形態に係るスライド建具を示す正面図である。
【図11】他の実施形態に係るスライド建具を示す正面図である。
【図12】他の実施形態に係るスライド建具を示す平面図である。
【図13】他の実施形態に係るスライド建具を示す正面図である。
【図14】他の実施形態に係るスライド建具を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
次に、図1乃至図4及び図9を参照して、本発明の実施形態1に係るスライド装置及びスライド建具について説明する。図1は、実施形態1に係るスライド装置10を示す正面図であり、図2は、図1のA−A断面図である。また、図3及び図4は、実施形態1に係るスライド装置10の使用状態を示す図である。また、図9は、実施形態1に係るスライド装置10を取り付けたスライド建具100を示す正面図である。
【0034】
図9に示すように、建築物開口部には、上枠及び下枠に沿ってそれぞれ、ガイドレール1及びガイドレール2が設けられている。そして、スライド建具100は、ガイドレール1とガイドレール2とに沿って左右に開閉されるようになっている。また、スライド建具100には、開閉時に手をかけるための取っ手3が設けられている。
【0035】
また、スライド建具100の下部には、スライド装置10,10が取り付けられている。このスライド装置10,10は、スライド建具100の開閉に伴い、ガイドレール2上を摺動するようになっている。
【0036】
次に、図1及び図2を参照して、スライド装置10の構成について説明する。スライド装置10のブラケット13には、回転軸14を中心にして回転するように、車輪状のスライダー11が取り付けられている。図2に示すように、ガイドレール2に設置された状態で、スライダー11はガイドレール2の上面と接触しており、スライダー11は、ガイドレール2との円弧状の接触面を有している。スライダー11の材料としては、POM材やMCナイロン等を用いることができる。また、ガイドレール2の表面にもテフロン(登録商標)やフッソ処理等の摩擦軽減処理を行うことが好ましい。なお、ガイドレール2は固定ビス4によって固定されている。
【0037】
またスライダー11の外周部下側には、スライダー11よりも幅狭で半円状のランナー12が形成されている。ランナー12はガイドレール2の溝部に嵌合してスライド装置10がガイドレール12から外れるのを防止するようになっている。
【0038】
また、ブラケット13には、図1の左右方向に突出するようにしてストッパー15が設けられている。スライダー11が回転すると、半円状のランナー12も回転軸14を中心に回転する。そして、ランナー12の端部がストッパー15に接触すると、ランナー12の動きが規制されて、同時にスライダー11の動きも規制されるようになっている。ストッパー15の材料としては、プラスチック等の成型品を用いてもよいが、ランナー12とストッパー15の接触音を低減するために、ゴム等の防音材を用いることが好ましい。
【0039】
また、ブラケット13の上部には、バネやゴム等の弾性部材を用いたダンパー16の一端が取り付けられている。ダンパー16の他端はスライド建具100の内部天井面(図示しない)に取り付けられており、ダンパー16は、スライド装置10とスライド建具100との上下方向の変位を吸収するようになっている。
【0040】
次に、図3及び図4を参照して、スライド建具100の開閉時におけるスライド装置10の動きについて説明する。図3は、スライド建具100が右方向に移動する場合を示したものである。図3(a)の静止状態からスライド建具100が右方向に移動し始めると、ガイドレール2の上面に接触しているスライダー11は、ガイドレール2上を摺動することなく、スライド建具100の右方向の動きに対してガイドレール2上を転動しながら相対的に変位し、図3(b)に示す状態になる。すなわち、スライダー11は、ガイドレール2と摺動させるよりも小さな力でガイドレール2上を転動させることができる。このとき、スライダー11が転動するのに合わせてランナー12も回転する。
【0041】
さらにスライド建具100が右方向に移動してスライダー11が転動すると、図3(c)に示すように、ランナー12の端部がストッパー15に接触する。そうすると、ランナー12は回転を止められ、同時にスライダー11もこれ以上転動することができなくなる。すなわち、スライダー11は、ストッパー15に規制されて、スライド建具100の右方向の動きに対して転動しながら相対的に変位することができなくなる。
【0042】
その後は、スライド建具100が右方向に移動すると、スライダー11は図3(c)に示した状態のままでガイドレール2の上面を摺動するようになる。
【0043】
同様に図4は、スライド建具100が左方向に移動する場合を示したものである。図4(c)の静止状態からスライド建具100が左方向に移動し始めると、ガイドレール2の上面に接触しているスライダー11は、ガイドレール2上を摺動することなく、スライド建具100の左方向の動きに対してガイドレール2上を転動しながら相対的に変位し、図4(b)に示す状態になる。すなわち、スライダー11は、ガイドレール2と摺動させるよりも小さな力でガイドレール2上を転動させることができる。このとき、スライダー11が転動するのに合わせてランナー12も回転する。
【0044】
さらにスライド建具100が左方向に移動してスライダー11が転動すると、図4(a)に示すように、ランナー12の端部がストッパー15に接触する。そうすると、ランナー12は回転を止められ、同時にスライダー11もこれ以上転動することができなくなる。すなわち、スライダー11は、ストッパー15に規制されて、スライド建具100の左方向の動きに対して転動しながら相対的に変位することができなくなる。
【0045】
その後は、スライド建具100が左方向に移動すると、スライダー11は図4(a)に示した状態のままでガイドレール2の上面を摺動するようになる。
【0046】
実施形態1に係るスライド装置10及びスライド建具100においては、スライド建具100に取り付けられるスライド装置10が、ガイドレール2と接触して摺動可能であるとともに、ガイドレール2との摺動時よりも小さな力でスライド建具100の左右の動きに対して相対的に変位可能なスライダー11と、スライダー11の変位を規制するストッパー15とを備えている。また、スライダー11がガイドレール2との円弧状の接触面を有し、スライド建具の左右の動きに対してガイドレール2上を転動しながら相対的に変位可能になっている。
【0047】
そして、スライド建具100の開閉時においてスライダー11は、ストッパー15により変位を規制されるまでは、ガイドレール2上を摺動することなくスライド建具100の左右の動きに対してガイドレール2上を転動しながら相対的に変位する。従って、スライド建具100の開閉開始時には、スライダー11はガイドレール2上を転動するためころがり摩擦が発生し、摺動によるすべり摩擦が発生しないため、小さな力で動かすことができる。
【0048】
一方、ストッパー15により変位を規制された後は、スライダー11はガイドレール2上を摺動するので、摺動によるすべり摩擦が発生する。この段階では既に建具100が移動中で大きな力は必要でないため、適度な摩擦となり、勢いが付きすぎて反対側の枠に当たって騒音を生じたり、反発して逆に再び開いたりする恐れも少ない。また、摺動による移動であるため騒音も小さい。
【0049】
また、スライド建具100との上下方向の変位を吸収する弾性部材であるダンパー16を有している。従って、スライダー11がガイドレール2上を摺動する際のスティックスリップ現象や、建具100本体への振動の伝達を防止することができる。
【0050】
このように、スライド装置10をスライド建具100に取り付けることで、開閉時の騒音を低減するとともに、適度な力加減で開閉操作を行うことができる。
【0051】
次に、図5及び図6を参照して、本発明の実施形態2に係るスライド装置及びスライド建具について説明する。図5は、実施形態2に係るスライド装置20を示す斜視図であり、図6は、実施形態2に係るスライド装置20の使用状態を示す図である。なお、実施形態2に係るスライド装置20も、実施形態1と同様に図9に示すスライド建具100に取り付けられる。
【0052】
図5に示すように、スライド装置20のケース23には、回転軸24を中心にして回転するように、車輪状のスライダー21が取り付けられている。また、回転軸24は、ケース23の両側面に形成された水平方向の長孔26に取り付けられている。そして、回転軸24は長孔26を水平方向に移動することが可能であり、その結果、スライダー21自体もケース23の内部を長孔26に沿って左右に移動することができるようになっている。
【0053】
また、スライダー21の両側面には、スライダー21よりも小径の側面部22,22が形成されている。側面部22,22の表面には滑り止めが施されている。
【0054】
また、ケース23の内側には、棒状のストッパー25,25,25,25が設けられている。スライダー21が長孔26に沿って左右に移動すると、やがて側面部22,22が左右いずれかのストッパー25,25に接触する。そうすると、側面部22,22の動きが規制されて、同時にスライダー21の動きも規制されるようになっている。
【0055】
次に、図6を参照して、スライド建具100の開閉時におけるスライド装置20の動きについて説明する。図6(b)の静止状態からスライド建具100が右方向に移動し始めると、ガイドレール2の上面に接触しているスライダー21は、ガイドレール2上を摺動することなく、スライド建具100の右方向の動きに対してガイドレール2上を転動しながら相対的に変位する。それと同時に、スライダー21は長孔26に沿って左方向にも相対的に変位して、やがて、図6(c)に示す状態になる。すなわち、スライダー21は、ガイドレール2と摺動させるよりも小さな力でガイドレール2上を転動させ、同時に長孔26に沿って左方向にも相対的に変位させることができる。
【0056】
そして、側面部22,22が左側のストッパー25,25に接触して、側面部22,22は回転を止められ、同時にスライダー21もこれ以上転動することができなくなる。すなわち、スライダー21は、ストッパー25に規制されて、スライド建具100の右方向の動きに対して、左方向の変位と転動による変位とを同時に規制される。その後は、スライド建具100が右方向に移動すると、スライダー21は図6(c)に示した状態のままでガイドレール2の上面を摺動するようになる。
【0057】
同様に、スライド建具100が左方向に移動し始めると、ガイドレール2の上面に接触しているスライダー21は、ガイドレール2上を摺動することなく、スライド建具100の左方向の動きに対してガイドレール2上を転動しながら相対的に変位する。それと同時に、スライダー21は長孔26に沿って右方向にも相対的に変位して、やがて、図6(a)に示す状態になる。すなわち、スライダー21は、ガイドレール2と摺動させるよりも小さな力でガイドレール2上を転動させ、同時に長孔26に沿って右方向にも相対的に変位させることができる。
【0058】
そして、側面部22,22が右側のストッパー25,25に接触して、側面部22,22は回転を止められ、同時にスライダー21もこれ以上転動することができなくなる。すなわち、スライダー21は、ストッパー25に規制されて、スライド建具100の左方向の動きに対して、右方向の変位と転動による変位とを同時に規制される。その後は、スライド建具100が左方向に移動すると、スライダー21は図6(a)に示した状態のままでガイドレール2の上面を摺動するようになる。
【0059】
実施形態2に係るスライド装置20及びスライド建具100においては、実施形態1における作用効果に加えて、さらにスライダー21がスライド建具100の左右の動きに対して右左方向にも相対的に変位可能であり、ストッパー25がスライダー21の右左方向の変位と転動による変位とを同時に規制するようになっている。従って、スライド建具100の開閉開始時には、スライダー21はガイドレール2上を転動するとともに右左方向にも変位し、摺動によるすべり摩擦が発生しないため、小さな力で動かすことができる。
【0060】
次に、図7及び図8を参照して、本発明の実施形態3に係るスライド装置及びスライド建具について説明する。図7は、実施形態3に係るスライド装置30の内部を示す図であり、図8は、実施形態3に係るスライド装置30の使用状態を示す図である。なお、実施形態3に係るスライド装置30も、実施形態1と同様に図9に示すスライド建具100に取り付けられる。
【0061】
図7に示すように、スライド装置30のケース32,33の内部には、複数のコロ34が配置されており、ケース32とケース33は、複数のコロ34を介して、互いに左右方向に変位できるようになっている。ただし、ケース33の内壁がストッパーの役目を果たすようになっており、ケース32の端部がケース33の内壁に接触することで、左右方向の変位が規制されるようになっている。また、ケース32の下面には、ガイドレール2の上面と接触するスライダー31が取り付けられており、スライダー31はガイドレール2との平面状の接触面を有している。
【0062】
次に、図8を参照して、スライド建具100の開閉時におけるスライド装置30の動きについて説明する。図8(b)の静止状態からスライド建具100が右方向に移動し始めると、ガイドレール2の上面に接触しているスライダー31は、ガイドレール2上を摺動することなく、スライド建具100の右方向の動きに対してガイドレール2上に留まりながら左方向に相対的に変位し、やがて、図8(c)に示す状態になる。すなわち、スライダー31は、ガイドレール2と摺動させるよりも小さな力でガイドレール2上に留めながら左方向に相対的に変位させることができる。
【0063】
そして、ケース32の端部がケース33の内壁に接触して、スライダー31はこれ以上左方向に相対的に変位することができなくなる。その後は、スライド建具100が右方向に移動すると、スライダー21は図8(c)に示した状態のままでガイドレール2の上面を摺動するようになる。
【0064】
同様に、スライド建具100が左方向に移動し始めると、ガイドレール2の上面に接触しているスライダー31は、ガイドレール2上を摺動することなく、スライド建具100の左方向の動きに対してガイドレール2上に留まりながら右方向に相対的に変位し、やがて、図8(a)に示す状態になる。すなわち、スライダー31は、ガイドレール2と摺動させるよりも小さな力でガイドレール2上に留めながら右方向に相対的に変位させることができる。
【0065】
そして、ケース32の端部がケース33の内壁に接触して、スライダー31はこれ以上右方向に相対的に変位することができなくなる。その後は、スライド建具100が左方向に移動すると、スライダー21は図8(a)に示した状態のままでガイドレール2の上面を摺動するようになる。
【0066】
なお、実施形態3においては、ケース32とケース33を、複数のコロ34を介して、互いに左右方向に変位できるように構成したが、必ずしもコロを用いた構成に限定されるものではない。例えば、コロに代えて、ケース32とケース33の間に、摩擦係数の小さな板状部材を挟み込んで摺動させることもできる。さらに、ケース32とケース33自体を摩擦係数の小さな部材により形成し、両者を直接摺動させるようにしてもよい。要は、ガイドレール2の上面と接するスライダー31の最大静止摩擦以下の力で、ケース32とケース33が変位(すなわち、スライダー31とスライド建具100が変位)できるようになっていればよい。
【0067】
言い換えれば、スライダー31とスライド建具100との間に両者の変位を可能にする中間部材を介在させるとともに、その中間部材による両者の変位が、ガイドレール2の上面と接するスライダー31の最大静止摩擦以下の力で行われるようになっているということができる。そうすれば、静止状態からスライド建具100が移動し始めたときに、スライダー31がガイドレール2上に留まったまま、スライダー31とスライド建具100が相対的に変位することになる。
【0068】
実施形態3に係るスライド建具装置30及びスライド建具100においては、スライダー31がガイドレール2との平面状の接触面を有し、スライド建具100の左右の動きに対して右左方向に相対的に変位可能になっている。従って、スライド建具100の開閉開始時には、スライダー31はガイドレール2上に留まりながら右左方向に相対的に変位し、摺動によるすべり摩擦が発生しないため、小さな力で動かすことができる。さらに、スライダー31が初動時においても回動しないので、異物の噛み込みをより少なくすることができる。
【0069】
なお、上記実施形態においては、スライド装置10,20,30を、図9に示すスライド建具100に取り付けた場合について説明したが、図10乃至図14に示す、他の実施形態に係るスライド建具についても適用することが可能である。
【0070】
図10に示すスライド建具200は、いわゆる「吊り戸」と呼ばれる上荷重の建具である。スライド建具200の場合、スライド装置10(20,30)は、建具上部の2ヶ所に取り付けられている。そして、スライド装置10(20,30)は、建築物開口部の上枠に沿って設けられたガイドレール1上を摺動する。
【0071】
図11及び図12に示すスライド建具300は、いわゆる「折れ戸」と呼ばれるものであり、折り畳まれるように移動しながら開かれる建具である。なお、図11及び図12において、(a)は閉状態を、(b)は開状態を示している。スライド建具300の場合、スライド装置10(20,30)は、建具下部の1ヶ所に取り付けられている。そして、スライド装置10(20,30)は、建築物開口部の下枠に沿って設けられたガイドレール2上を摺動する。なお、図11及び図12に示したスライド建具300は、建具の片側が固定された折れ戸であるが、折れ戸には両側とも固定されていないものや、片側が仮固定されて必要に応じて動けるようにしたものもあり、これらの場合には、スライド装置は建具下部の2ヶ所に取り付けられる。
【0072】
図13及び図14に示すスライド建具400は、建具がガイドレール1,2に対して直角になるように移動しながら開かれるものである。なお、図13及び図14において、(a)は閉状態を、(b)は開状態を示している。また、開閉時の補助部材としてアーム5が用いられる。スライド建具400の場合、スライド装置10(20,30)は、建具下部の1ヶ所に取り付けられている。そして、スライド装置10(20,30)は、建築物開口部の下枠に沿って設けられたガイドレール2上を摺動する。
【0073】
このように、上記実施形態にかかるスライド装置の適用にあたっては、取り付けられたスライド装置10(20,30)がガイドレール1,2に沿って移動するものであれば、建具の移動形態は特に限定されない。また、スライド装置10(20,30)が建具下部に取り付けられる下荷重のスライド建具と、スライド装置10(20,30)が建具上部に取り付けられる上荷重のスライド建具の両者が含まれる。
【0074】
ただし、建築物開口部の下枠に沿って設けられたガイドレール2に沿って左右に開閉される下荷重のスライド建具の下面に上記スライド装置10(20,30)を取り付けることで、特にゴミの溜まりやすい部分の騒音等を効果的に低減することができる。
【0075】
以上のように、上記実施形態によれば、開閉時の騒音を低減するとともに、小さな力で動き出し、その後は適度な速度で作動する、スライド装置及びスライド建具を提供することができるので、以下のように従来の課題を解決することができる。
【0076】
(1)騒音が小さい。
開閉の開始時以外ほとんどの部分でスライダーが摺動するので、異物の噛み込みが少ない。例え異物を噛み込んでも、レールや車輪には摺動によって直線的な傷が付くものと考えられ、車輪とレールの接触が断続的になりにくい。従って、走行時の騒音が小さい。
【0077】
(2)走行性の劣化が遅い。
異物の噛み込みが少なく、例え噛み込んでも傷が直線的に付くものと考えられるので、車輪とレールの接触が断続的にならず、抵抗が大きくなりにくい。また、体毛や埃などの車輪軸への巻き込みの可能性が低く、軸の油切れや部品の磨耗も生じにくい。従って、走行性の劣化が遅い。
【0078】
(3)レールや敷居が汚れにくい。
スライダーとレールの間にゴミが噛み込みにくいので、レールや敷居が汚れにくい。
【0079】
(4)開閉の最初の段階が軽い。
開閉の開始時は、レールと摺動させるよりも小さな力でスライダーを変位させることができるので、開閉が楽であり、やや重量の大きな洋風引き戸等でも、従来の戸車と同様に開閉に大きな力が不要で軽快である。
【0080】
(5)開閉中は勢いが付き過ぎない。
いったん動き出してしまえば、スライダーが摺動してすべり摩擦が発生するので、適度のブレーキとなり、建具に勢いが付き過ぎて反対側の枠に当たって騒音を生じたり、反発して逆に再び開いたりする恐れも少ない。従って、ソフトクローザー機構を用いる必要性も低い。もちろん、ソフトクローザー機構を付加した構成としてもよい。
【0081】
(6)低コストで煩雑なメンテナンスが不要である。
スライダーの変位は、開閉開始時の短い距離であるので、ゴミが付着し騒音が発生するようになっても、建具開閉時のごく一部でしかない。従って、通常の戸車のように頻繁にメンテナンスを行う必要はない。また、コストアップの原因となる、オイルレスメタル、ベアリング、ゴミ掃除用ブラシ設置が基本的に不要である。また、敷居に異物が溜まりにくい嵌め込み式のVレール等を用いずに、ネジ止め可能なレールを用いても騒音を小さくすることができるので、レール交換の手間が少ない。一方で、Vレール等を用いることにより、さらに騒音防止効果を高めることも可能である。
【0082】
なお、上記実施形態におけるガイドレールとしては、鴨居や敷居に別体のレール(V型レール、Y型レール、Ω型レール、T型レール等)を取り付けたもののほか、鴨居や敷居自体に溝を掘ったものや、鴨居や敷居に掘った溝の底に滑る部材を貼り付けたものなど、スライド建具をガイド可能なレール状の構成のものであれば同様に適用可能である。
【符号の説明】
【0083】
1 ガイドレール
2 ガイドレール
3 取っ手
4 固定ビス
5 アーム
10 スライド装置
11 スライダー
12 ランナー
13 ブラケット
14 回転軸
15 ストッパー
16 ダンパー
20 スライド装置
21 スライダー
22 側面部
23 ケース
24 回転軸
25 ストッパー
26 長孔
30 スライド装置
31 スライダー
32 ケース
33 ケース
34 コロ
100 スライド建具
200 スライド建具
300 スライド建具
400 スライド建具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建築物開口部の上枠及び下枠の少なくとも1つに沿って設けられたガイドレールに沿って左右に開閉されるスライド建具に取り付けられて、前記スライド建具の開閉に伴い前記ガイドレール上を摺動するスライド装置において、
前記ガイドレールと接触して摺動可能であるとともに、前記ガイドレールとの摺動時よりも小さな力で前記スライド建具の左右の動きに対して相対的に変位可能なスライダーと、前記スライダーの変位を規制するストッパーとを備え、
前記スライド建具の開閉時において前記スライダーは、前記ストッパーにより変位を規制されるまでは、前記ガイドレール上を摺動することなく前記スライド建具の左右の動きに対して相対的に変位し、前記ストッパーにより変位を規制された後は、前記ガイドレール上を摺動することを特徴とするスライド装置。
【請求項2】
前記スライダーは、前記ガイドレールとの円弧状の接触面を有し、前記スライド建具の左右の動きに対して前記ガイドレール上を転動しながら相対的に変位可能であり、
前記スライド建具の開閉時において前記スライダーは、前記ストッパーにより変位を規制されるまでは、前記ガイドレール上を摺動することなく前記スライド建具の左右の動きに対して前記ガイドレール上を転動しながら相対的に変位し、前記ストッパーにより変位を規制された後は、前記ガイドレール上を摺動することを特徴とする請求項1に記載のスライド装置。
【請求項3】
前記スライダーは、前記スライド建具の左右の動きに対して右左方向にも相対的に変位可能であり、前記ストッパーは、前記スライダーの右左方向の変位と前記スライダーの転動による変位とを同時に規制することを特徴とする請求項2に記載のスライド装置。
【請求項4】
前記スライダーは、前記ガイドレールとの平面状の接触面を有し、前記スライド建具の左右の動きに対して右左方向に相対的に変位可能であり、
前記スライド建具の開閉時において前記スライダーは、前記ストッパーにより変位を規制されるまでは、前記ガイドレール上を摺動することなく前記スライド建具の左右の動きに対して前記ガイドレール上に留まりながら右左方向に相対的に変位し、前記ストッパーにより変位を規制された後は、前記ガイドレール上を摺動することを特徴とする請求項1に記載のスライド装置。
【請求項5】
前記スライド建具との上下方向の変位を吸収する弾性部材を有することを特徴とする請求項1乃至請求項4のうちいずれか一つに記載のスライド装置。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のうちいずれか一つに記載のスライド装置を取り付けたことを特徴とするスライド建具。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate


【公開番号】特開2011−127315(P2011−127315A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−285792(P2009−285792)
【出願日】平成21年12月16日(2009.12.16)
【出願人】(000145437)株式会社ウッドワン (70)
【Fターム(参考)】