説明

スラストころ軸受

【課題】 スラストころ軸受をレース収納凹所に下方から嵌め合わせる場合であっても、スラストころ軸受が軸受保持部材から脱落することが防止されるスラストころ軸受装置を提供する。
【解決手段】 レース2の外側フランジ4は、本体3から離れるにつれて径が小さくなるテーパ状とされており、これに対応して、レース収納凹所8の周面8bは、開口8cに近づくにつれて径が小さくなるテーパ状とされている。これにより、軸受保持部材7のレース収納凹所8は、開口8cの径がレース収納凹所8の底面8aの外径よりも小さくなされており、レース本体3の外径がレース収納凹所8の開口8cの径よりも大きくなされている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、自動車の変速機などで使用されるスラストころ軸受に関する。
【背景技術】
【0002】
環状本体および本体の外周から軸方向にのびる外側フランジを有するレースと、複数のころを保持してレースに取り付けられた保持器とを備えているスラストころ軸受はよく知られており(特許文献1など)、通常、レース収納凹所が設けられた軸受保持部材に、ルーズ嵌め合いで取り付けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−232280号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来のルーズ嵌め合いでは、スラストころ軸受をレース収納凹所に下方から嵌め合わせる場合、スラストころ軸受が軸受保持部材から脱落するという問題があった。
【0005】
この発明の目的は、スラストころ軸受をレース収納凹所に下方から嵌め合わせる場合であっても、スラストころ軸受が軸受保持部材から脱落することが防止されるスラストころ軸受装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明によるスラストころ軸受装置は、環状本体および本体の外周から軸方向にのびる外側フランジを有するレースと、複数のころを保持してレースに取り付けられた保持器と、レース収納凹所が設けられた軸受保持部材とを備えているスラストころ軸受装置において、軸受保持部材のレース収納凹所は、開口径が凹所底面の外径よりも小さくなされており、レース本体の外径がレース収納凹所の開口径よりも大きくなされていることを特徴とするものである。
【0007】
レース収納凹所の開口径が凹所底面の外径よりも小さくなされているようにするには、例えば、レース収納凹所の周面を開口に近づくにつれて径が小さくなるテーパ状とすればよく、このテーパに対応するように、レースの外側フランジを本体から離れるにつれて径が小さくなるテーパ状とすることで、レース本体の外径がレース収納凹所の開口径よりも大きくなされているものとできる。これにより、レース収納凹所内に嵌められたレースは、レース収納凹所の開口縁部によって、脱落することが防止され、スラストころ軸受をレース収納凹所に下方から嵌め合わせる場合であっても、スラストころ軸受が軸受保持部材から脱落することが防止される。
【0008】
軸受保持部材のレース収納凹所の底面の外径は、レースの本体の外径よりもわずかに小さくなされること(隙間ばめ)が好ましい。また、レースの外側フランジの先端部の外径は、軸受保持部材のレース収納凹所の開口径とほぼ同じ(レースの外側フランジの先端部の外径が大きく形成されて、レースの外側フランジが弾性変形してレース収納凹所内に収容されるようにしてもよく、隙間ばめ程度であってもよい。)とされる。
【0009】
上記のテーパ状構造の場合、レースの外側フランジの先端部の内径が保持器の外径よりも小さくなされることで、保持器のレースからの脱落が防止されていることがあり、また、レースは、本体の内周から軸方向にのびる円筒状の内側フランジをさらに有しており、レースの内側フランジに、保持器の抜け止め部が設けられ、レースの外側フランジの先端部の内径が保持器の外径よりも大きくなされていることがある。前者のものでは、保持器の抜けを防止するための抜け止め部(突起またはステーキング)をレースに設けることが不要となり、後者のものでは、保持器のレースへの取付けを従来と同様にして行うことができる。
【0010】
レース収納凹所の周面およびレースの外側フランジは、全体がテーパ状に限定されるものではなく、レース収納凹所の周面の底面に近い部分およびレースの外側フランジの本体に近い部分だけがテーパ状(円錐状)とされ、レース収納凹所の周面の開口に近い部分およびレースの外側フランジの本体から離れた部分が直線状(円筒状)であってもよい。いずれにしろ、本体と外側フランジとがなす角は、鋭角(90°未満)であることが好ましい。
【0011】
また、レース収納凹所の周面の開口に近い部分およびレースの外側フランジの本体から離れた部分が直線状(円筒状)とされ、レース収納凹所の周面の底面に近い部分およびレースの外側フランジの本体に近い部分が凸状に形成されているようにしてもよい。
【0012】
具体的には、レースの外側フランジは、先端側の円筒部と、該円筒部と本体との間にあって円筒部よりも外径が大きい凸部とを有しており、レース収納凹所の周面は、開口側部分と底面との間にあって開口側部分よりも外径が大きい凸面を有しており、レースの外側フランジの凸部とレース収納凹所の周面の凸面とが嵌め合わされており、レースの外側フランジの円筒部に、保持器の抜け止め部が設けられているものとされることがある。
【0013】
このようにすると、レースの外側フランジの先端側の円筒部およびレース収納凹所の周面の開口側の円筒面は、従来と同様の形状とすることができ、保持器の抜け止め部を従来と同様(例えばステーキング構造)にして、軸受保持部材からのレースの脱落を防止することができる。この場合、レースの外側フランジの先端側の円筒部とレース収納凹所の周面の開口側の円筒面とが面接触(従来と同様)するようにもできる。
【0014】
テーパ形状のレースは、テーパ付き(内周面が円錐形)の型を使用したプレス工程によって得ることができ、テーパ形状+直線状のレースを得るには、テーパ付きの型を使用してテーパ角度が小さいテーパフランジ付きの円板を作成した後、先端側内周面が円錐形で、基端側の内周面が円筒形の型を使用したプレス工程を追加することで可能である。
【0015】
レースには、予め、保持器およびころが取り付けられ、保持器およびころが取り付けられたレースを少し傾けてレース収納凹所の開口を通過させ、その後、レースの本体全体をレース収納凹所の底面全体に押しつけることで、レースが軸受保持部材に取り付けられる。
【0016】
保持器は、通常、レースに対して、相対回転可能とされる。レースは、軸受保持部材(ハウジング等)に固定されていることがあり、また、軸受保持部材に対して回転可能とされていることもある。レース、ころおよび保持器は、分離不可能とされて、1部品として扱われる。また、レースをアウタレース(上記のレースと同じ形状)およびインナレース(内側フランジを有するレース)からなるものとして、アウタレース、インナレース、ころおよび保持器が分離不可能とされて、1部品として扱われる形式としてもよい。
【0017】
保持器は、プレス成形によって成形した1対の環状鋼板からなるものとされることがあり、また、プレス成形によって成形した1枚の環状鋼板からなるものとされることがある。プレス成形によって成形した1枚の環状鋼板からなる保持器は、径方向内方から外方に向かうに連れて何回か屈曲させられていることが好ましい。
【発明の効果】
【0018】
この発明のスラストころ軸受装置によると、軸受保持部材のレース収納凹所は、開口径が凹所底面の外径よりも小さくなされており、レース本体の外径がレース収納凹所の開口径よりも大きくなされているので、保持器およびころが取り付けられたレースを少し傾けてレース収納凹所の開口を通過させ、その後、レースの本体全体をレース収納凹所の底面全体に押しつけることで、レースが軸受保持部材に取り付けられる。この際、方向を逆にして取り付けることはできないので、方向が間違われて組み付けられることはない。そして、レース収納凹所内に嵌められたレースは、レース収納凹所の開口縁部によって、脱落することが防止され、スラストころ軸受をレース収納凹所に下方から嵌め合わせる場合であっても、スラストころ軸受が軸受保持部材から脱落することが防止される。したがって、組付性と脱落防止とを両立させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】図1は、この発明によるスラストころ軸受装置の第1実施形態を示す縦断面図である。
【図2】図2は、この発明によるスラストころ軸受装置の第1実施形態を示す底面図である。
【図3】図3は、この発明によるスラストころ軸受装置の第2実施形態を示す縦断面図である。
【図4】図4は、この発明によるスラストころ軸受装置の第3実施形態を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
この発明の実施の形態を、以下図面を参照して説明する。以下の説明において、上下は、図の上下をいうものとする。この上下は、便宜的なものであり、実際の使用に際しての上下は、これに限定されるものではない。
【0021】
図1および図2は、この発明のスラストころ軸受装置の第1実施形態を示している。
【0022】
第1実施形態のスラストころ軸受装置(1)は、環状本体(3)および本体(3)の外周から下方(軸方向)にのびる外側フランジ(4)を有するレース(2)と、複数の針状ころ(6)を保持してレース(2)に取り付けられた保持器(5)と、レース収納凹所(8)が設けられた軸受保持部材(7)とを備えている。
【0023】
このスラストころ軸受装置(1)によると、レース(2)が相対回転すると、針状ころ(6)が回転し、軸線方向の荷重を支えることができる。
【0024】
保持器(5)は、径方向に複数回屈曲させられた形状とされている。
【0025】
レース(2)の本体(3)は、内径が例えば回転軸(図示略)の外径よりもわずかに大きい円板状とされている。
【0026】
レース(2)の外側フランジ(4)は、下方に行くにつれて(本体(3)から離れるにつれて)径が小さくなるテーパ状とされており、これに対応して、レース収納凹所(8)の周面(8b)は、下方に行くにつれて(開口(8c)に近づくにつれて)径が小さくなるテーパ状とされている。
【0027】
これにより、軸受保持部材(7)のレース収納凹所(8)は、開口(8c)の径がレース収納凹所(8)の底面(8a)の外径よりも小さくなされており、レース本体(3)の外径がレース収納凹所(8)の開口(8c)の径よりも大きくなされている。
【0028】
また、レース(2)の外側フランジ(4)の先端部(4a)の内径が保持器(5)の外径よりも小さくなされており、これにより、保持器(5)のレース(2)からの下方への脱落が防止されている。
【0029】
この第1実施形態のスラストころ軸受装置(1)によると、軸受保持部材(7)のレース収納凹所(8)の開口(8c)の径が凹所底面(8a)の外径よりも小さく、レース(2)の本体(3)の外径がレース収納凹所(8)の開口(8c)の径よりも大きくなされているので、保持器(5)および針状ころ(6)が取り付けられたレース(2)を少し傾けてレース収納凹所(8)の開口(8c)を通過させ、その後、レース(2)の本体(3)全体をレース収納凹所(8)の底面(8a)全体に押しつけることで、レース(2)が軸受保持部材(7)に取り付けられる。この際、方向を逆にして取り付けようとすると、レース(2)の本体(3)の外径縁部がレース収納凹所(8)の開口(8c)の縁部に当たることになり、方向が間違われて組み付けられることはない。レース収納凹所(8)内に嵌められたレース(2)は、レース収納凹所(8)の開口(8c)の縁部によって、脱落することが防止され、スラストころ軸受(レース(2)、複数の針状ころ(6)および保持器(5)の一体品)をレース収納凹所(8)に下方から嵌め合わせる場合であっても、スラストころ軸受が軸受保持部材(7)から脱落することが防止される。したがって、組付性と脱落防止とを両立させることができる。
【0030】
図3は、この発明のスラストころ軸受装置の第2実施形態を示している。
【0031】
第2実施形態のスラストころ軸受装置(11)は、第1実施形態のものと同様に、環状本体(13)および本体(13)の外周から下方(軸方向)にのびる外側フランジ(14)を有するレース(12)と、複数の針状ころ(17)を保持してレース(12)に取り付けられた保持器(16)と、レース収納凹所(19)が設けられた軸受保持部材(18)とを備えているとともに、レース(12)の外側フランジ(14)が本体(13)から離れるにつれて径が小さくなるテーパ状とされ、レース収納凹所(19)の周面(19b)が開口に近づくにつれて径が小さくなるテーパ状とされており、これにより、軸受保持部材(18)のレース収納凹所(19)は、開口(19c)の径がレース収納凹所(19)の底面(19a)の外径よりも小さくなされており、レース本体(13)の外径がレース収納凹所(19)の開口(19c)の径よりも大きくなされている。
【0032】
一方、第1実施形態のスラストころ軸受装置(1)では、軸受保持部材(18)にガイドされているテーパ状の外側フランジ(4)が保持器(5)をガイド(分離不可能と)しているのに対し、第2実施形態のスラストころ軸受装置(11)では、テーパ状の外側フランジ(14)では、保持器(16)をガイドせずに、軸受保持部材(18)にガイドされていない側で保持器(16)がガイドされている。
【0033】
すなわち、外側フランジ(14)の先端部(14a)と保持器(16)の外径とは係合することなく(外側フランジ(14)の先端部(14a)の内径が保持器(16)の外径よりも大きくなされており)、レース(12)には、本体(13)の内周から軸方向にのびる円筒状の内側フランジ(15)が設けられて、この内側フランジ(15)に、保持器(16)の抜け止めのための凸部(抜け止め部)(15a)が設けられることで、レース(12)と保持器(16)とが分離不可能とされている。ここで、凸部(抜け止め部)(15a)は、ステーキングとも呼ばれ、従来のスラストころ軸受でよく使用されている構成であり、このようにすることで、レース(12)と保持器(16)とを従来と同様の構成で分離不可能とすることができ、保持器(16)のレース(12)への嵌め合わせを容易なものとすることができる。
【0034】
この第2実施形態のスラストころ軸受装置(11)によると、軸受保持部材(18)のレース収納凹所(19)の開口(19c)の径が凹所底面(19a)の外径よりも小さく、レース(12)の本体(13)の外径がレース収納凹所(19)の開口(19c)の径よりも大きくなされているので、保持器(16)および針状ころ(17)が取り付けられたレース(12)を少し傾けてレース収納凹所(19)の開口(19c)を通過させ、その後、レース(12)の本体(13)全体をレース収納凹所(19)の底面(19a)全体に押しつけることで、レース(12)が軸受保持部材(18)に取り付けられる。この際、方向を逆にして取り付けようとすると、レース(12)の本体(13)の外径縁部がレース収納凹所(19)の開口(19c)の縁部に当たることになり、方向が間違われて組み付けられることはない。レース収納凹所(19)内に嵌められたレース(12)は、レース収納凹所(19)の開口(19c)の縁部によって、脱落することが防止され、スラストころ軸受(レース(12)、複数の針状ころ(17)および保持器(16)の一体品)をレース収納凹所(19)に下方から嵌め合わせる場合であっても、スラストころ軸受が軸受保持部材(18)から脱落することが防止される。したがって、組付性と脱落防止とを両立させることができる。
【0035】
図4は、この発明のスラストころ軸受装置の第3実施形態を示している。
【0036】
第3実施形態のスラストころ軸受装置(21)は、第1実施形態のものと同様に、環状本体(23)および本体(23)の外周から下方(軸方向)にのびる外側フランジ(24)を有するレース(22)と、複数の針状ころ(26)を保持してレース(22)に取り付けられた保持器(25)と、レース収納凹所(28)が設けられた軸受保持部材(27)とを備えている。
【0037】
ここで、レース(22)の外側フランジ(24)が本体(23)から離れるにつれて径が小さくなるテーパ状とされ、レース収納凹所(28)の周面が開口に近づくにつれて径が小さくなるテーパ状とされている点で、第1実施形態に類似しているが、第1実施形態のように全体がテーパ状とされているのではなく、レース(22)の外側フランジ(24)は、先端側の円筒部(24a)と、該円筒部(24a)と本体(23)との間にあって円筒部(24a)よりも外径が大きいテーパ部(凸部)(24b)とを有しており、これに対応して、レース収納凹所(28)の周面は、周面の開口側部分(28c)と底面(28a)との間にあって開口側部分(28c)よりも外径が大きいテーパ面(凸面)(28b)を有している形状とされ、レース(22)の外側フランジ(24)の凸部(24b)とレース収納凹所(28)の周面の凸面(28b)とが嵌め合わされている。そして、レース(22)の外側フランジ(24)の円筒部(24a)に、保持器(25)の抜け止めのための凸部(抜け止め部)(24c)が設けられることで、レース(22)と保持器(25)とが分離不可能とされている。ここで、凸部(抜け止め部)(24c)は、上記のように、第2実施形態のものと同様の構成であり、このようにすることで、レース(22)と保持器(25)とを従来と同様の構成で分離不可能とすることができ、保持器(25)のレース(22)への嵌め合わせを容易なものとすることができる。
【0038】
なお、第3実施形態のスラストころ軸受装置(21)において、レース収納凹所(28)の周面の開口側部分(28c)は、レース(22)の嵌め合わせを容易とするために、開口に近づくにつれて径が大きくなるテーパ状とされている。このレース収納凹所(28)の周面の開口側部分(28c)は、外側フランジ(24)の円筒部(24a)に対応する円筒面とすることもできる。また、レース(22)の外側フランジ(24)のテーパ部(24b)を断面略円弧状の環状凸部とし、これに対応して、レース収納凹所(28)の周面の凸面(28b)を断面略円弧状の環状凸面としてもよい。
【0039】
上記の各実施形態では、レース(2)(12)(22)として1部材だけが使用されているが、スラストころ軸受装置は、上記の各レース(2)(12)(22)がアウタレースとされて、環状に形成されたインナレースが付加され、インナレースとアウタレース(2)(12)(22)とが保持器を介して分離不可能に組み付けられている構成とすることもできる。
【符号の説明】
【0040】
(1)(11)(21) スラストころ軸受装置
(2)(12)(22) レース
(3)(13)(23) 本体
(4)(14)(24) 外側フランジ
(5)(15)(25) 保持器
(6)(16)(26) ころ
(7)(18)(27) 軸受保持部材
(8)(19)(28) レース収納凹所
(8a)(19a)(28a) 底面
(8b)(19b) 周面
(8c)(19c) 開口
(15) 内側フランジ
(15a) 凸部(抜け止め部)
(24a) 円筒部
(24b) テーパ部(凸部)
(28b) テーパ面(凸面)
(28c) 開口側部分

【特許請求の範囲】
【請求項1】
環状本体および本体の外周から軸方向にのびる外側フランジを有するレースと、複数のころを保持してレースに取り付けられた保持器と、レース収納凹所が設けられた軸受保持部材とを備えているスラストころ軸受装置において、軸受保持部材のレース収納凹所は、開口径が凹所底面の外径よりも小さくなされており、レース本体の外径がレース収納凹所の開口径よりも大きくなされていることを特徴とするスラストころ軸受装置。
【請求項2】
レースの外側フランジが本体から離れるにつれて径が小さくなるテーパ状とされ、レース収納凹所の周面が開口に近づくにつれて径が小さくなるテーパ状とされていることを特徴とする請求項1のスラストころ軸受装置。
【請求項3】
レースの外側フランジの先端部の内径が保持器の外径よりも小さくなされることで、保持器のレースからの脱落が防止されていることを特徴とする請求項2のスラストころ軸受装置。
【請求項4】
レースは、本体の内周から軸方向にのびる円筒状の内側フランジをさらに有しており、レースの内側フランジに、保持器の抜け止め部が設けられ、レースの外側フランジの先端部の内径が保持器の外径よりも大きくなされていることを特徴とする請求項2のスラストころ軸受装置。
【請求項5】
レースの外側フランジは、先端側の円筒部と、該円筒部と本体との間にあって円筒部よりも外径が大きい凸部とを有しており、レース収納凹所の周面は、開口側部分と底面との間にあって開口側部分よりも外径が大きい凸面を有しており、レースの外側フランジの凸部とレース収納凹所の周面の凸面とが嵌め合わされており、レースの外側フランジの円筒部に、保持器の抜け止め部が設けられていることを特徴とする請求項1のスラストころ軸受装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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